JP2979649B2 - 止血弁及び医療器具導入用チューブ - Google Patents

止血弁及び医療器具導入用チューブ

Info

Publication number
JP2979649B2
JP2979649B2 JP2413339A JP41333990A JP2979649B2 JP 2979649 B2 JP2979649 B2 JP 2979649B2 JP 2413339 A JP2413339 A JP 2413339A JP 41333990 A JP41333990 A JP 41333990A JP 2979649 B2 JP2979649 B2 JP 2979649B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cannula
sleeve
tearable
tube
catheter
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2413339A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04221575A (ja
Inventor
将 宮原
隆司 川端
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Zeon Co Ltd filed Critical Nippon Zeon Co Ltd
Priority to JP2413339A priority Critical patent/JP2979649B2/ja
Publication of JPH04221575A publication Critical patent/JPH04221575A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2979649B2 publication Critical patent/JP2979649B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、止血弁及び医療器具導
入用チューブに関する。
【0002】
【従来技術】患者の管状器官からの内容物の採取若しく
は排出又は管状器官への液状の栄養剤若しくは薬剤の注
入に、カテーテルと呼ばれる可撓性プラスチックのチュ
ーブが使用されている。例えば血管内にカテーテルの先
端側を導入するのに、従来から次のような方法が採られ
ている。
【0003】図24に示すように、チューブ51の接続部51
aにシリンジ9を装着して注射針26をチューブ先端から
露出させ、この状態で注射針26を血管27(図25参照)内
に挿入し、次に図25に示すように、シリンジ25をチュー
ブ51から抜き取る。然る後、直ちにカテーテル28(図26
参照)をチューブ51に挿通し、図26に示すようにカテー
テル28の先端側を血管27内に導入する。かくして、カテ
ーテル28を経由して液状の栄養剤又は薬剤を血管27内に
注入するのであるが、チューブ51は図26の時点以降では
不要となるのみならず、血管27に挿入した儘では衛生上
問題があり、その後の医療行為の邪魔にもなる。従っ
て、血管へのカテーテル導入後はチューブを血管から撤
去しなければならない。チューブ51のような、医療に直
接には使用されず、カテーテルその他の医療器具を管状
器官に導入するために補助的に使用される医療用チュー
ブは、カニューラと呼ばれる。
【0004】ところで、図25、図26の状態では、カニュ
ーラ51内又はカニューラ51とカテーテル28との間から血
管27内の血液が体外に漏れることになって医療遂行上不
都合である。そこで、図28に示すような2個の半円形の
板状閉塞体53、53を合わせたものと、図30に示すような
中心軸線方向に線状の切込み55aを設けた円板状閉塞体
55とを、図27、図29のようにカニューラ51の後端側接続
部(シリンジ挿入用の拡径部)51aに順に嵌め込んで血
液の流出を防止するようにしている。即ち、カニューラ
51内に、注射針又はカテーテルが挿通されたときは線状
切込み55a及び閉塞体53、53の境界面54が押し開かれて
これらが線状切込み55a及び境界面54に密着し、注射針
やカテーテルが抜去されて無いときは線状切込み55aと
前記境界面54とが弾性によって閉塞し、いずれの場合も
血液が体外に流出しないようにしている。
【0005】このようなカニューラは、一旦カテーテル
が挿入されると身体から抜去されて用済みとなるもので
あるが、円筒状のものであるためにカテーテルから取外
すことができず、その儘放置されている。このことか
ら、挿入後のカテーテルを安定にするためにテープ等で
身体に固定する場合に邪魔になったり、或いは長時間の
穿刺放置状態の儘では患者にとって非常に煩わしく不快
感を与えるばかりでなく、仮令引き抜き状態であって
も、抜去後のカニューラ内側には血液等が付着して汚れ
ているためにこの部分に雑菌が繁殖し易く、感染の一因
ともなっている。
【0006】
【発明の目的】本発明は、生体内の血液の体外への流出
が確実に防止れ、医療器具導入を容易にでき、かつ、使
用後に不要になったきとに容易に医療器具から分離、除
去できる、医療器具導入用チューブ及びこのチューブに
取付ける止血弁を提供することを目的としている。
【0007】
【発明の構成】第一の発明は、医療器具導入用チューブ
に取付けられる止血弁であって、前記医療器具導入用チ
ューブに接続するためのスリーブと、このスリーブ内に
位置する閉塞体とを有し、前記スリーブに、引き裂き強
さの低い第一の引き裂き可能部分及び第二の引き裂き可
能部分が前記スリーブの中心軸線に沿って延びるように
設けられ、前記閉塞体に、引き裂き強さの低い第三の引
き裂き可能部分が設けられ、この第三の引き裂き可能部
分が、前記第一及び第二の引き裂き可能部分に隣接又は
近接して位置している止血弁に係る。
【0008】上記「近接」とは、後述する図12のステッ
プで、スリーブ(2)の引き裂き時に、閉塞体(半円柱
体(3a、3a)からなる)が同時に容易に引き裂かれ
る程度に近く位置していることを意味する。
【0009】第二の発明は、チューブ本体と、このチュ
ーブ本体に接続するスリーブ及びこのスリーブ内に位置
する閉塞体とを有し、前記スリーブに、引き裂き強さの
低い第一の引き裂き可能部分及び第二の引き裂き可能部
分が前記スリーブの中心軸線に沿って延びるように設け
られ、前記閉塞体に、引き裂き強さの低い第三の引き裂
き可能部分が設けられ、この第三の引き裂き可能部分
が、前記第一及び第二の引き裂き可能部分に隣接又は近
接して位置し、前記チューブ本体に、引き裂き強さの低
い第四の引き裂き可能部分及び第五の引き裂き可能部分
が前記チューブ本体の長手方向に延びるように設けられ
ている医療器具導入用チューブに係る。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は止
血弁の拡大斜視図、図2は同拡大平面図、図3は図2の
III −III 線断面図、図4は図3のIV−IV線断面図であ
る。
【0011】円筒状スリーブ2には、その中心軸線に沿
う方向に全長に亘って、外周面の互いに180 度の位置に
V字形の切欠き2a、2aが設けられ、スリーブ2の図
において上側部分内には、円柱状の閉塞体3が嵌入して
接着等によって固着されている。
【0012】閉塞体3は半円柱体3a、3aからなり、
これらは弱い接合強度で互いに接合していて、この接合
面3bはスリーブ2の切欠き2a、2aに対向又は略対
向して位置している。従って、スリーブ2の切欠き2
a、2aによって形成される引き裂き強さの低い引き裂
き可能部分2b、2bに、閉塞体3の接合面3aが隣接
又は近接することになる。
【0013】スリーブ2の図において上端面には四角形
の天板4が貫通孔4aによって閉塞体3の上端面中央部
を露呈するように一体成形又は接着等によって固定さ
れ、天板4の互いに対向する辺から下方に向けて取手
5、5が延在している。そして、切欠き2a、2aは、
上記の辺とは異なる辺に迄延在している。
【0014】閉塞体3の図において下端面には、後述す
るカニューラ本体の内側に嵌入する円筒状のコネクタ部
6が固着している。そして、コネクタ部6の内周面に
は、スリーブの切欠き2a、2aに平行にV字形の切欠
き6a、6aが全長に亘って設けられている。但し、ス
リーブ2の内周面に前記カニューラ本体の後端側接続部
の外周面が確実に液密に密着するようにすれば、コネク
タ部6は省略可能である。上記の各部分によって止血弁
1が構成される。
【0015】止血弁1と前記カニューラとの接続を確実
にするため、スリーブ2の内周面にねじの山(又は谷)
2cを、コネクタ部6の外周面にねじの山(又は谷)6
bを夫々設け、これらのねじの山(又は谷)とカニュー
ラ接続部の内外周面に設けたねじの谷(又は山)とを螺
合させるようにして良い。但し、これらのねじによる螺
合は、本例にとって必須不可欠のものではない。
【0016】閉塞体3は、図5(b)に示す如く、2個
の半円柱体3aが貼り合わされて全体として円柱状を呈
し、各半円柱体3aはその接合面3bで弱い接続強度を
以て接続している。そして、接合面3bはスリーブ2の
引き裂き可能部分2b、2bに隣接している。接合面3
bとスリーブの引き裂き可能部分2bとは、隣接せずに
僅か離れて近接していても良い。両者が離間して半円柱
体3aがスリーブ2の引き裂き可能部分2bの両側の広
い領域に渡って接していると、後述する図12のステップ
にて引き裂きが困難になるので、境界面3bと引き裂き
可能部分2とは隣接又は接近して位置することが必要で
ある。
【0017】スリーブ2及びコネクタ部6の材料として
は、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、
ポリスチレン、ポリカーポネート、ポリエステル、ポリ
アミド、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタンその他熱可塑性
の樹脂が用いられる。この例では、スリーブ2及びコネ
クタ部6はポリプロピレン製としている。
【0018】閉塞体3は図5のようにして製造される。
即ち、図5(a)に示すように押し出しによって半円柱
状に成形され、架橋された天然ゴムの半円柱体3aを重
ね合わせ、次に 150℃に加熱しながら加圧し、同図
(b)に示すように各半円柱体3aが接合面3bで弱い
接続力を以て接続されて全体として円柱形の閉塞体3と
する。
【0019】半円柱体3aの材料としては、天然ゴムの
ほか、合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム、
クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレ
ンプロピレンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴム等)、
軟質塩化ビニール樹脂、ポリアミドエラストマー、ポリ
ウレタンエラストマー、飽和ポリエステルエラストマー
等が好適に使用される。
【0020】半円柱体接続方法としては、例えば、上記
の加熱圧着の他にTHF(テトラヒドロ フラン)やア
セトン等の溶媒で半円柱体3a同士を軽く接着する方法
等が挙げられる。
【0021】止血弁には、採血用又は薬剤投与用の分岐
管を設けることがでけきる。図6はこのように構成した
止血弁の図1と同様の拡大斜視図である。
【0022】止血弁11のスリーブ2の閉塞体3よりも図
において下側には分岐管7が取付けられ、その先端に三
方括栓8(又はコネクタ)が取付けられている。このよ
うに止血弁を構成することにより、後述する図10のステ
ップ(カテーテル挿通前)において、カニューラ(22)
から採血又は薬剤投与を早期に開始することができる。
その他は前記の図1〜図5の止血弁におけると同様であ
る。
【0023】次に、止血弁が取付けられるカニューラに
ついて、説明する。
【0024】図7は医療器具(この例ではカテーテル)
導入用カニューラ本体の正面図である。カニューラは、
プラスチック製のカニューラ本体22の長手方向全域に亘
って中心線(図示せず)に対称の位置に線条状の不連続
部(詳細は図8によって後に説明する。)23が2箇所に
形成されてなっている。カニューラ本体22の一方の端部
側(後端側)には、不連続部23に沿って分割された接続
部24、24がカニューラ本体22を囲むようにして固着され
ている。接続部24、24の後端部にはシリンジ(図示せ
ず)を嵌入して接続させるために内径が拡大された拡径
部24a、24aが形成されている。図中24bは、接続部2
4、24の境界面である。
【0025】カニューラ本体22は、例えば外径1.6 mm、
内径1.3 mm、長さ57mmとしている。カニューラ本体22の
材料には前記のスリーブ2と同じ材料が使用でき、この
例ではポリプロピレンを使用している。
【0026】図8は、カニューラ本体22の不連続部23及
びその周辺の断面構造を示す電子顕微鏡組織(倍率200
倍)のスケッチである。カニューラ本体には亀裂23aに
よって不連続部23が形成されている。亀裂23aは、押し
出し成形時にダイキャビティ内を流通する溶解成形材料
が後述する厚肉のスパイダによって一旦分断され、この
スパイダ下流で合流する箇所で融着が不完全であるため
に形成されたものである。カニューラ本体は、この亀裂
がカニューラ本体の長手方向に線条状に形成されている
ので、この亀裂に沿って容易に引き裂き可能である。こ
の亀裂はカニューラ本体の内外周面に亘っては形成され
ておらず、図8では、一見完全に融着されているかのよ
うに見える部分23bが内周側に観察される。然し、この
完全融着されているかのように見える箇所23bも、分子
レベルの超微視的には不連続部分が存在していると言っ
て良い。このことは、亀裂が観察されないカニューラ本
体にあっても、前記厚肉のスパイダの位置に対応する箇
所に沿ってカニューラ本体が引き裂き容易であるという
事実から明らかである。
【0027】カニューラの接続部24、24には、図9に示
すように、止血弁1のスリーブ2が外嵌すると共にコネ
クタ部6が嵌入し、接続部24、24を介してカニューラ本
体22と止血弁1とが接続して全体として止血弁付きのカ
ニューラ21が構成される。接続部24、24には、止血弁1
の取手5と同様の取手24c、24cがスリーブ外嵌の邪魔
にならぬ位置に取付けられている。
【0028】次に、カニューラを使用してカテーテルを
血管内に導入する手順を、図10、図14によって説明す
る。
【0029】先ず、止血弁1の閉塞体3の接合面3bか
らカニューラ21の接続部24、24の拡径部24a、24aにシ
リンジ25の先端部を装着し、注射針26をカニューラ本体
22に挿通する。この状態で注射針26の先端側はカニュー
ラ本体22の先端から突出して露呈する。図10は上記のよ
うにして注射針26をカニューラ本体22と共に血管27内に
導入した状態を示している。
【0030】次いで、シリンジ25を注射針26と共にカニ
ューラ21から引き抜き、次いで図11に示すようにカテー
テル28をカニューラ21に挿通する。この状態で、カテー
テル28の先端側はカニューラ本体22から血管27内に突出
している。
【0031】次いで、図12に示すように、取手5、5を
持ってスリーブ2を切欠き2a、2aで引き裂きながら
止血弁1を接続部24、24から引き抜くと、閉塞体3及び
コネクタ部6は接合面3b、切欠き6a、6aで引き裂
かれ、止血弁1は接続部24、24から分離、撤去される。
【0032】上記に引き続き、直ちに図13に示すよう
に、接続部24、24の取手24c、24cを持って接続部24、
24を開きながらカニューラ本体22を血管27から引き抜い
ていく。このようにして、カニューラ本体22は接続部2
4、24に引っ張られて不連続部23に沿って引き裂かれる
ので、カテーテル28の後端側の径大部28aに邪魔される
ことなく、カニューラ21はカテーテル28及び血管27から
容易に取り外すことができる。
【0033】スリーブ切欠き2a、2aとチューブ接続
部境界面24b、24bとを略同一平面上に位置させれば、
図12のステップと図13のステップとを同時に行うことが
できる。
【0034】図14は、以上のようにしてカテーテル28の
みが血管27に導入されている状態を示している。図14の
状態で、カテーテル径大部28aに液導入管29を接続し、
所定の液状物質(栄養剤及び/又は薬剤)を患者に投与
する。
【0035】液導入管は予めカテーテルに接続しておい
て、カテーテル導入後に図13と同様の要領でカニューラ
21を取り外すようにして良いことは言う迄もない。
【0036】図15は図10の注射針26をカニューラ21に挿
通した状態での図4と同様の拡大断面図である。注射針
26が挿通された閉塞体3の部分では、半円柱体接合面3
bが注射針26の外周面に沿って変形し、半円柱体3aが
注射針26に密着する。図10のステップから図11のステッ
プに移行する時点で注射針26が抜去されると、半円柱体
3aはその弾性によって元の図4の状態に戻る。図11の
ステップでは、図16に示すように、カテーテル28が挿通
された閉塞体3の部分では、半円柱体接合面3bがカテ
ーテル28の外周面に沿って変形し、半円柱体3a、3a
がカテーテル28に密着する。以上のいずれのステップに
あっても、血液流出が確実に阻止されて血液が体外に漏
れることがない。図12のステップでは、閉塞体3は、弱
い接続力で接続している半円柱体接合面3bで分断され
て、生体から撤去され、次いで、図13のステップでカニ
ューラ本体22が不連続部23で引き裂かれて生体から撤去
される。
【0037】なお、閉塞体3は、図4に仮想線で示すよ
うに4つの部分からなるものとし、引き裂き強さの低い
接合面3bを3箇所に設けることができる。このように
すると、注射針を挿通する箇所を3箇所のうちから選ぶ
ことができ使用上便利である。
【0038】閉塞体は、図4の構造のほか、他の適宜の
構造とすることができる。図17〜図21は上記閉塞体の構
造を例示するものである。
【0039】図17は止血弁の図4と同様の拡大断面図で
ある。
【0040】この例による閉塞体13は、多数の扇形体13
aを組合せて全体として円柱状にし、周囲から中心に向
かって圧縮されて各扇形体13aが接合面13bで弱い接合
力を以て接合している。各扇形体13aとスリーブ2とは
接着によって固着している。図18は閉塞体13にカテーテ
ル28が挿通された状態を示す断面図である。各扇形体13
aは、先端部分のみが接合面で分離してカテーテル28の
挿通方向に沿って変形し、各扇形体13aの先端近くの部
分がカテーテル28に密着して血液の流出を阻止する。注
射針挿入の場合も上記と同様である。その他は前記の例
におけると同様である。
【0041】図17の閉塞体13の製造は、図5(a)、
(b)で説明した方法に準じて遂行すれば良く、図5
(b)の工程では円形内周面を有する治具を使用して行
う。
【0042】この例にあっては、扇形体13aの変形が容
易であり、また、注射針26、カテーテル28の挿通を高精
度に行う必要がなく、従って挿通作業が容易になる。
【0043】図19は他の例による閉塞体の拡大斜視図で
ある。
【0044】この例による閉塞体14は、2個の半円柱体
14a、14aの間に、低引き裂き強さの薄い平板14bを介
在させている。平板14bの材料としては、低密度のポリ
エチレン又はポリウレタンが好適であり、中心軸線方向
に沿って分子を配向させて引き裂き異方性を付与した線
状ポリマーが特に望ましい。また、平板14bの両側縁部
に線状に切欠きを設けて引き裂きを一層容易にすること
もできる。閉塞体14の製造も、円形内周面を有する治具
を使用して、図5(a)、(b)で説明した方法に準ず
れば良い。
【0045】図20、図21は、閉塞体に切れ目を設けた例
を示す。図20の閉塞体15は、その直径方向の両側縁部以
外の部分に切れ目15aを設けている。図21の閉塞体16
は、その直径方向の両側縁部のみに切れ目16a、16aを
設けている。図21の閉塞体16は、注射針のような硬いも
のを挿通する場合に好適であり、中央部には切れ目を設
ける必要がない。これらの閉塞体では、切れ目15a又は
16a、16aによって引き裂き容易な引き裂き可能部分15
b、15b又は16bが形成される。
【0046】図22はダイレータ(血管拡張管)を血管に
挿通する際に使用する分割可能なシースを示す。シース
31は、チューブ状のシース本体32と、後端部にダイレー
タ基部39を嵌入させるための拡径部34aを設けた接続部
34と止血弁1とからなり、シース31の全長に亘って前記
と同様の1 対の線条状不連続部33が形成されている。
【0047】ダイレータ38を血管に挿通するには、図10
と同様に注射針をシース31に挿通しておいてシース31の
先端部を血管に挿入し、注射針を抜去する。次に、ガイ
ドワイヤ40を挿通したダイレータ38をシース31に挿通し
て図22のようにする。次に、図12、引き続いて図13と同
様にして接続部34の取手34bを持って不連続部33に沿っ
てシース31を引き裂き、シース31を撤去する。図23はシ
ース31を引き裂いている状態を示している。次にガイド
ワイヤ40を繰出してその先端を血管狭窄部に位置させ
る。そして、ダイレータ38をガイドワイヤ40に案内させ
ながら繰出してダイレータ38の先端を血管狭窄部に位置
させ、通例の方法に従って血管狭窄部の拡張を行う。
【0048】止血弁1内には、図4、図17、図19、図20
又は図21に示したと同様の構造を有する閉塞体が接着に
よって固着している。従って、前記の例におけると同様
に、ダイレータの血管へのその挿入時に血液が流出する
ことはない。
【0049】以上の各例共、カニューラ、シースにはそ
の長さ方向に1対の不連続部を180 度の位置に設け、血
管へのカテーテル又はダイレータ挿入後はこれらを引き
裂いて撤去するようにしている。然し、前記の不連続部
及び引き裂き強さの低い接続部は、180 度以下の鈍角を
なす位置に設けても良い、或いは3箇所以上の位置に設
けても良い。また、前記の不連続部分及び接続部は、直
線状のほか、例えば螺旋状に設けても良い。
【0050】以上の例は、いずれも、血管へカテーテル
又はダイレータを挿入するのに使用するカニューラ又は
シースの例であるが、カテーテル及びダイレータ以外の
医療器具導入にも本発明が適用可能である。また、血管
以外の循環系器官に種々医療器具を導入するのにも本発
明が適用可能である。
【0051】
【発明の効果】第一の発明に基く止血弁は、スリーブに
複数の引き裂き可能部分が中心軸線に沿って延びるよう
に設けられ、スリーブ内に位置する閉塞体にも同様の引
き裂き可能部分がスリーブの引き裂き可能部分に隣接又
は近接して設けられているので、医療器具導入後に引き
裂いて医療器具導入用チューブから容易に分離、撤去す
ることができ、医療行為の邪魔になることがない。ま
た、閉塞体の存在により、血液が外部に流出することが
ない。
【0052】第二の発明に基く医療器具導入用チューブ
は、前記第一の発明に基く止血弁を具備すると共に、チ
ューブ本体に複数の引き裂き可能部分が長手方向に沿っ
て延びるように設けられているので、医療器具導入後の
止血弁撤去直後又はこれと同時に、不要かつ医療行為の
邪魔になるチューブ本体を引き裂くことにより、これら
を医療器具から容易に分離、撤去することができる。
【0053】以上の結果、第一の発明に基く止血弁、第
二の発明に基く医療器具導入用チューブ共に、医療行為
が容易かつ安全に遂行される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の止血弁の拡大斜視図である。
【図2】同拡大平面図である。
【図3】図2のIII −III 線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】(a)、(b)は閉塞体製造の手順を示す拡大
斜視図である。
【図6】他の実施例による止血弁の拡大斜視図である。
【図7】実施例のカテーテル導入用カニューラ本体の正
面図である。
【図8】カニューラ本体の構造を示し、不連続部及びそ
の周辺の電子顕微鏡組織のスケッチである。
【図9】実施例の止血弁付きのカニューラの正面図であ
る。
【図10】図9のカニューラを使用して血管にカテーテル
を導入する手順の第一のステップを示す正面図(一部断
面)である。
【図11】同第二ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図12】同第三ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図13】同第四ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図14】同最終ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図15】図10の状態における止血弁の拡大断面図であ
る。
【図16】図11の状態における止血弁の拡大断面図であ
る。
【図17】他の実施例による止血弁の拡大断面図である。
【図18】図17の止血弁にカテーテルを挿通した状態を示
す拡大断面図である。
【図19】更に他の実施例による閉塞体の拡大斜視図であ
る。
【図20】更に他の実施例による閉塞体の拡大斜視図であ
る。
【図21】更に他の実施例による閉塞体の拡大斜視図であ
る。
【図22】ダキレータ及びガイドワイヤを挿通した実施例
のシースの正面図である。
【図23】図22のシースを引き裂いている状態を示す正面
図である。
【図24】従来のカニューラを使用して血管にカテーテル
を導入する手順の第一ステップを示す正面図(一部断
面)である。
【図25】同第二ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図26】同第三ステップを示す正面図(一部断面)であ
る。
【図27】従来のカニューラの拡大断面図である。
【図28】図27のカニューラの閉塞体の拡大斜視図であ
る。
【図29】従来の他のカニューラの拡大断面図である。
【図30】図29のカニューラの閉塞体の拡大斜視図であ
る。
【符号の説明】
1、11 止血弁 2、 スリーブ 2a、6a 切欠き 2b、15b、16b 引き裂き可能部分 3、13、14、15、16 閉塞体 3a、14a 半円柱体 3b、13b 接合面(引き裂き可能部分) 6 コネクタ部 7 分岐管 8 三方括栓 13a 扇形体 14b 低引き裂き強さの平板(引き裂き可能部分) 15a、16a 切れ目 21 止血弁付きのカニューラ 22 カニューラ本体 23、33 不連続部(引き裂き可能部分) 24 接続部 24b 接続部境界面 25 シリンジ 26 注射針 27 血管 28 カテーテル 31 シース 32 シース本体 38 ダイレータ 40 ガイドワイヤ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−177966(JP,A) 特開 平2−102667(JP,A) 特開 平1−155863(JP,A) 特開 昭63−252168(JP,A) 特開 昭62−133969(JP,A) 特開 昭61−154679(JP,A) 実開 平4−83345(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61M 25/08

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療器具導入用チューブに取付けられる
    止血弁であって、前記医療器具導入用チューブに接続す
    るためのスリーブと、このスリーブ内に位置する閉塞体
    とを有し、前記スリーブに、引き裂き強さの低い第一の
    引き裂き可能部分及び第二の引き裂き可能部分が前記ス
    リーブの中心軸線に沿って延びるように設けられ、前記
    閉塞体に、引き裂き強さの低い第三の引き裂き可能部分
    が設けられ、この第三の引き裂き可能部分が、前記第一
    及び第二の引き裂き可能部分に隣接又は近接して位置し
    ている止血弁。
  2. 【請求項2】 チューブ本体と、このチューブ本体に接
    続するスリーブ及びこのスリーブ内に位置する閉塞体と
    を有し、前記スリーブに、引き裂き強さの低い第一の引
    き裂き可能部分及び第二の引き裂き可能部分が前記スリ
    ーブの中心軸線に沿って延びるように設けられ、前記閉
    塞体に、引き裂き強さの低い第三の引き裂き可能部分が
    設けられ、この第三の引き裂き可能部分が、前記第一及
    び第二の引き裂き可能部分に隣接又は近接して位置し、
    前記チューブ本体に、引き裂き強さの低い第四の引き裂
    き可能部分及び第五の引き裂き可能部分が前記チューブ
    本体の長手方向に延びるように設けられている医療器具
    導入用チューブ。
JP2413339A 1990-12-21 1990-12-21 止血弁及び医療器具導入用チューブ Expired - Fee Related JP2979649B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2413339A JP2979649B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 止血弁及び医療器具導入用チューブ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2413339A JP2979649B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 止血弁及び医療器具導入用チューブ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04221575A JPH04221575A (ja) 1992-08-12
JP2979649B2 true JP2979649B2 (ja) 1999-11-15

Family

ID=18522008

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2413339A Expired - Fee Related JP2979649B2 (ja) 1990-12-21 1990-12-21 止血弁及び医療器具導入用チューブ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2979649B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2179763A1 (en) 2008-10-22 2010-04-28 Greatbatch Ltd. Splittable valved introducer apparatus

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04221575A (ja) 1992-08-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5190520A (en) Reinforced multiple lumen catheter
US6712791B2 (en) Splittable medical valve
JP3761586B2 (ja) 多管腔アクセスデバイス
US4109659A (en) Evagination catheters
US7985232B2 (en) Detachable hemostasis valve and splittable sheath assembly
JP3189974B2 (ja) カテーテル
US7294296B2 (en) Valved introducer sheath and related methods
US5188605A (en) Separable insertion tool
US8123892B2 (en) Urology catheter
US7901395B2 (en) Catheter having staggered lumens and method
US20030050604A1 (en) Splittable medical valve
US20080046005A1 (en) Method and apparatus for percutaneous wound sealing
US20080051717A1 (en) Introducer sheath
JPS6395064A (ja) 多重ルーメンカテーテル
JPS62101261A (ja) 医療器具導入用チユ−ブおよびそれを備えた医療器具導入用組立体
JPH027669B2 (ja)
US20100130937A1 (en) Introducer sheath and methods of making
JPS6251632B2 (ja)
JPH0871161A (ja) イントロデューサー
JP2001224693A (ja) 血管内留置カテーテル
US8512293B2 (en) Valves and hubs for tubular medical devices and methods for making and using them
JP2979649B2 (ja) 止血弁及び医療器具導入用チューブ
JP2528496Y2 (ja) 医療器具導入用チューブ
JP4900242B2 (ja) 大動脈内バルーンポンピングセット
JPH11299897A (ja) イントロデューサシース

Legal Events

Date Code Title Description
S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees