JP2979207B2 - 熱電池用負極の製造方法およびその負極を用いた積層形熱電池 - Google Patents

熱電池用負極の製造方法およびその負極を用いた積層形熱電池

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱電池の負極製造方法
と積層形熱電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱電池は、電解質に常温では固体でイオ
ン伝導性を有しない溶融塩を用い、使用時に内蔵する発
熱剤を燃焼させ、その発生熱によって電解質を溶融して
イオン伝導性を発生させて発電可能とする貯蔵電池の一
種である。このため、長期の貯蔵が可能である。大
電流の放電ができる。幅広い使用環境温度を有するな
どの特長を持ち、各種飛しょう体の制御用電源や操舵用
電源として実用化されている。
【0003】近年では、飛しょう体のハイテク高性能化
に伴い、熱電池にもより小型、高出力、高エネルギー密
度化が求められており、リチウム/二硫化鉄系の新型熱
電池の研究開発が活発に推進されている。この中でも、
負極活物質に純リチウムを用いた熱電池は、特に小型、
高出力化に適しており注目されている電池である。この
電池では、熱電池の作動温度である450〜600℃で
負極活物質のリチウムが液体化しているため、それ単独
では電極を構成できない。そのため、米国特許第4,2
21,849号明細書に開示されたようなリチウムを鉄
粉で保持固定化し、リチウムが液体化した後も流動性を
無くす手法が提案されている。この手法は図6に示すよ
うな工程で製作されている。すなわち、リチウムをアル
ゴンなどの不活性ガス雰囲気中で加熱溶融し、それに鉄
粉を添加混合して鉄粉表面にリチウムを保持させた混合
物を作り、これを冷却する。混合物はプレスおよび圧延
ローラーによって薄型シートにされた後、負極の所定形
状に打ち抜かれ金属製カップ内に装着された後外周部を
シーマして熱電池用負極とするものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リチウムを鉄
粉表面に保持固定化した混合物はリチウムの融点以下の
温度では金属リチウムのように粘着性は有しているが、
金属リチウムよりかなり固くかつ属性に乏しいため、従
来の米国特許に開示された手法では、均一な厚みの薄型
シートを得ることが困難であり、電池の性能に大きく左
右する負極活物質の充填量が安定化せず放電持続時間が
ばらつく問題を有していた。
【0005】本発明は、このような課題を解決するもの
で、リチウムを鉄粉表面に保持固定化した混合物をばら
つき少なく充填した負極を製作するための製造方法と安
定化された負極を用いて放電持続時間のばらつきの少な
い高性能な熱電池を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】これらの課題を解決する
ため本発明は、従来のようにリチウムと鉄粉との混合物
を冷却後薄型のシート状にするのではなく、前記混合物
を高温状態で負極個々に用いる所定量の厚手のペレット
状に成形し、冷却した後金属製カップ内に装着すると共
にプレスによって所定の厚みまで押し広げ薄型化するも
のである。又は、混合物を高温状態で円柱状ロッドに
し、冷却後切断することで所定量の厚手のペレット状に
してその後同様に負極を構成するものである。
【0007】
【作用】この本発明によれば、リチウムと鉄粉との混合
物の充填量のコントロールを厚みの制御がしやすい厚手
のペレット状態で行うため、従来の厚みの均一化が困難
であった薄型シート状で行う方法に比べてばらつきを減
少でき、負極活物質充填量を精度よくコントロールする
ことが可能で放電性能のばらつきが少ない熱電池を達成
できるものである。
【0008】
【実施例】以下、図面を用いて本発明の実施例を説明す
る。
【0009】(実施例1)図1に、本発明による熱電池
用負極の製造方法の第1例の工程フローを示す。まず、
負極活物質であるリチウムをリチウムと反応性のないア
ルゴンガス(アルゴンガスの代りにヘリウムガスでもよ
い)雰囲気中でステンレス製るつぼに入れ電気炉にてリ
チウムの融点(180℃)以上に加熱し溶融する。本実
施例1では、雰囲気ガスとしてアルゴンを用い、その中
の不純物を酸素ガス2ppm以下、窒素ガス3000p
pm以下および水分100ppm以下に制御して400
℃にてリチウムを溶融させた。
【0010】次に、溶融状態のリチウムに重量比で85
%に相当する鉄粉を徐々に攪拌混合しながら添加する。
鉄粉には、海綿状の粒子形状をした特殊な鉄粉や針状の
粒子形状で比表面積が約50m2 の高表面積鉄粉を用い
ることができるが、ここでは後者の高表面積鉄粉を採用
した。1回のバッチ量は500g/回として実施した。
鉄粉とリチウムは、鉄粉表面に均一にリチウムが保持固
定化され、流動性がなくなるまで十分に混合を行う。次
に、この混合物をリチウムの融点以上の250℃に加熱
した金型内に負極への所定充填量を入れ、プレスにて厚
手のペレット状に成形し、金型から取り出して放冷して
リチウムを固体化する。この場合のペレットの厚みは、
最終的にこのリチウム/鉄混合物が負極内で用いられる
厚みの約4〜10倍に設定し、従って、面積は逆に1/
4〜1/10倍に設定する。本実施例では、最終的な負
極の外径が50mmで、その中のリチウム/鉄混合物の厚
みが0.2mmの円形のものを用いたので、厚手のペレッ
トの形状として厚さ2mm,外径15mmの円板状に設定し
た。この工程において、成形をリチウムの融点以上で行
うのは、混合物の流動性は失われているものの、変形は
リチウムが液化している方が格段に容易であるためであ
る。
【0011】以上の工程は、前述した溶融工程と同様の
アルゴンもしくはヘリウムガス雰囲気中で行うが、以降
の工程は露点が−40℃以下に制御されたドライエアー
雰囲気中で行う。製作された厚手のペレットは、鉄にニ
ッケルメッキした金属製カップの中央部に装着し、プレ
スによって外径寸法の50mmまで拡大、薄型化する。そ
の後、金属製カップの外周部を内側に折り曲げてクリン
プする外周シーマ工程を経て負極として構成する。
【0012】(実施例2)図2は本発明による熱電池用
負極の製造方法の第2例の工程フローを示す。第2例は
前述の第1例の成形工程において、負極に充填する量に
調整した個々の厚手のペレットを製作するのではなく、
複数個の負極に充填可能な量を一本の円柱状のロッドに
構成し、その後、冷却してドライエアー中に取り出して
から前記の円柱状ロッドから切断して所定の厚手のペレ
ットを得る例である。本実施例2では外径15mmの円柱
状ロッドを製作し、ドライエアー中で2mm厚みの厚手の
ペレットに切断加工を行った。
【0013】以上のような実施例1および実施例2の製
造方法にて500枚の負極を試作し、負極容量を素電池
試験から得られる放電持続時間と放電電流から算出し、
ばらつきを評価した。図3には素電池試験に用いた素電
池の構成を示した。リチウムと鉄粉の混合物1と金属性
カップ2で構成された負極3の上に電解質である塩化カ
リウム−塩化リチウムの共融塩を酸化マグネシウム粉末
に含浸保持させた粉末の成形層である電解質層4を一体
成形し、さらに正極活物質である二硫化鉄と電解質の混
合物から成る正極層5をその上に一体成形して素電池6
を構成している。評価用の素電池は、負極の容量を確認
できるように負極活物質に比べて正極活物質の方が十分
に多くなるように設定した。また、同時に米国特許第
4,221,849号明細書に開示された従来方法によ
る負極も試作して評価した。表1は各負極の有していた
容量を目標とする所定容量に対して80%未満,±20
%以内および120%越えに分け、それぞれの領域に入
った負極枚数を百分率で示したものである。
【0014】
【表1】
【0015】この結果から明らかなように、本発明によ
る実施例1,2によるものの方が、所定容量の±20%
以内のものが多く、ばらつきが少ないことが判る。この
結果は、従来例の場合、薄型シートの厚みを精度よくコ
ントロールすることが困難なため負極の充填容量のばら
つきが大きくなるのに対し、本発明による実施例の場合
は、従来例に比べてはるかに厚いペレットを製作するた
め厚みのコントロールが容易でばらつきを少なくできる
ことをよく反映している。
【0016】次に、本発明の製造方法による負極を用い
た熱電池について説明する。図4は、本発明の製造方法
による負極を用いた積層形熱電池の縦断面図である。6
は素電池で、図3に示した通りの構成である。7は素電
池6を加熱するための発熱剤で、過塩素酸カリウムと鉄
粉の混合物成形体である。素電池6と発熱剤7を交互に
積層して直列構成の発電部積層体を構成し、その外周側
部に導火帯8を、そして上端部に着火パッド9を配す
る。導火帯8と着火パッド9は、ジルコニウムとクロム
酸バリウムと無機繊維の混合物で、点火器10が点火用
入力端子11からの電気信号によって発する火炎を受け
て着火パッド9が燃焼し、次いで導火帯8が燃焼し、そ
して各層の発熱剤に燃焼を伝えるものである。発電部積
層体の周囲は保温のため断熱材12でおおい、ステンレ
ス製の外装ケース13に挿入した後同じくステンレス製
の外装蓋14と外装ケースを溶接して完全密封とする。
電池の出力は発電部から(+)リード板15と(−)リ
ード板16とを経て出力端子17より取り出される。出
力端子17および点火入力端子11は外装蓋14にハー
メチックシール加工により設けられている。
【0017】以上の様な構成で本発明の実施例1の負極
を用いた電池を10個試作し、常温にて0.5A/cm2
の定電流放電を行い放電持続時間のばらつきを評価し
た。同時に従来例の負極を用いた電池も10個試作して
同様の評価を行った。
【0018】図5にその結果を放電曲線の幅で示した。
図中Aは本発明による負極を用いた電池10個の放電曲
線の範囲を示しており、Bは従来例の負極を用いた電池
の範囲を示している。本発明による電池の放電曲線は、
終止電圧14Vまでの持続時間が約94〜104秒の範
囲であるのに対して、従来例の電池では83〜100秒
とばらつきの範囲が広いことが明白である。これは、直
列構成された積層形熱電池の場合、その中の最も容量の
少ない素電池によって放電持続時間が制限されるため
で、本発明による負極が従来例による負極より負極容量
のばらつきが小さいことに起因するものである。
【0019】
【発明の効果】以上の実施例の説明で明らかなように、
本発明によれば少なくとも鉄粉とリチウムと金属製カッ
プから成る熱電池用負極の製造方法において、負極容量
のばらつきの少ない負極を提供することができ、積層形
熱電池においては、放電の持続時間のばらつきの範囲が
狭い電池を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の負極製造工程フローを示す
【図2】本発明の実施例2の負極製造工程フローを示す
【図3】本発明の実施例における素電池の縦断面図
【図4】本発明の実施例における積層形熱電池の縦断面
【図5】本発明による電池と従来例による電池の放電範
囲を示す図
【図6】従来例の負極製造工程フローを示す図
【符号の説明】 1 リチウムと鉄粉の混合物 2 金属製カップ 3 負極 4 電解質層 5 正極層 6 素電池 7 発熱剤 8 導火帯 9 着火パッド 10 点火器 12 断熱材 13 外装ケース 14 外装蓋 15 (+)リード板 16 (−)リード板 17 出力端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−122562(JP,A) 特開 昭62−128455(JP,A) 米国特許4221849(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 6/36

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】リチウムを加熱し溶融する工程と、溶融し
    たリチウムに鉄分を混合する工程と、その混合物をリチ
    ウムの融点以上の温度で厚型ペレットに成形する工程
    と、厚型ペレットを冷却する工程とを有し、前記の各工
    程はアルゴンガスもしくはヘリウムガスなどの不活性ガ
    ス雰囲気中で行われ、その後、ドライエアー中で前記厚
    型ペレットを金属製カップ内に装着しプレスにて押し広
    げる工程と、前記金属製カップの外周部をシーマする工
    程を有することを特徴とする熱電池用負極の製造方法。
  2. 【請求項2】リチウムと鉄との混合物の成形工程におい
    て、その混合物を円柱状のロッドに成形し、冷却工程と
    装着プレス工程の間に、ドライエアー雰囲気で前記円柱
    状ロッドから厚型ペレットを切り出す切断工程を有する
    ことを特徴とする請求項1記載の熱電池用負極の製造方
    法。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の製造方法により製
    造した負極を用いたことを特徴とする積層形熱電池。
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KR102327179B1 (ko) * 2017-08-10 2021-11-16 주식회사 엘지에너지솔루션 리튬금속과 무기물 복합박막 제조방법 및 이를 이용한 리튬 이차전지 음극의 전리튬화 방법
WO2019031766A2 (ko) * 2017-08-10 2019-02-14 주식회사 엘지화학 리튬금속과 무기물 복합박막 제조방법 및 이를 이용한 리튬 이차전지 음극의 전리튬화 방법

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