JP2979128B2 - お好み焼生地の製造法 - Google Patents
お好み焼生地の製造法Info
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Description
関するものであって、お好み焼の生地を改良することに
より、香味、テクスチュアー(かみごこち)、色および
栄養的にも優れた新規お好み焼を提供するものである。
曖昧なところもあるが、その共通点として、(イ)熱し
た鉄板に薄く油を塗り、(ロ)主として小麦粉を水で溶
いた軟らかい生地を用い、(ハ)鉄板上に薄く延ばした
軟らかい生地の上に、野菜、肉類、魚介類などの具材を
のせ、あるいは軟らかい生地と具材を混ぜ、(ニ)両面
を焼く、以上のことが必須要件であって、この共通点を
持つものをお好み焼と称する。
大別され、その一方法は、水溶きした小麦粉を薄く油を
引いた熱した鉄板上に円を画くように引き延ばし、円板
上の皮を作り、その上に具材を順次重ねてのせて行き、
次いで、僅かの水溶きした小麦粉生地をたらし、さら
に、ヘラなどでひっくり返し両面を焼き、最後にソース
などの調味料を塗るという方法であり、他の方法は、水
溶きした小麦生地に具を混ぜ合わせ、その混合物を薄く
油を引いた熱した鉄板上にひろげ、両面を焼く方法であ
る。前者は一般に広島風と呼ばれ、小麦粉100重量部
に対し水150重量部を加えて生地を作るのに対し、後
者は一般に関西風のマゼ焼と称し、小麦粉100重量部
に対し水120重量部のやや固い生地で作られるのが通
例である。
のであるが、本当に美味しいといわれるものを作るのは
容易ではない。材料の吟味、野菜などの切り方、鉄板の
条件、火加減、ソースなど微妙に影響するが、最も有意
差を生じてくるのは、生地の作り方である。それ故、展
延性、焼色、味、テクスチュアー(かみごこち)などを
よくするために、従来の技術では、ヤマイモ、卵黄や異
種の粉、例えば、米粉やタピオカなどのデンプン、膨張
剤、みりん、だし、化学調味料などが加えられ、必要に
応じ一晩生地をねかす、いわゆる宵越ダネとして熟成を
図ったりして使用している。しかし、これらの方法をも
ってしても、粉っぽさは除去困難であって、融和した
味、香りの面でも充分ではない。
焼においては、生地の作り方が最も風味に影響を及ぼす
ことから、本発明は、お好み焼の生地を改良して、香
味、テクスチュアー、色などにおいて優れたお好み焼を
得ようとするものである。
を解決するため鋭意検討を進めた結果、本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、小麦粉100重量部
に40〜75重量部の水を加え充分に混練し、小麦グル
テンの網目構造を形成させ、グルテンの網目状構造間に
埋没した状態で存在する小麦デンプンをデンプン分解酵
素により加水分解して液化させた後、130℃以上の温
度で加熱して酵素を失活させた小麦粉高濃度組成物を作
り、この組成物をお好み焼生地に加えることを特徴とす
るお好み焼生地の製造法である。
ン形成に必要な水量である小麦粉100重量部に対し4
0〜75重量部の水を加え充分に混練して強靱なドウ
(生地)を作る。このことは、小麦蛋白質中のグリアジ
ンとグルテニンが共存していてグルテンを作り、グルテ
ンの特性として膨潤したグリアジンのゴム様網目状構造
を作り、その間にグルテニンとデンプン粒とが分散し、
埋没したような状態を作ることである。このような状態
になった小麦粉ドウにデンプン加水分解酵素の一種であ
るαアミラーゼ含有物を加え、漸次昇温させ80℃で2
5分内外加水分解し、液化させた後、120℃以上で2
秒間以上加熱して得られる小麦粉高濃度加水分解組成物
を、常法によって作られたお好み焼生地に加えることに
より、好ましくはお好み焼生地100重量部に対し3〜
20重量部加えることにより、所期の目的を達すること
ができるようになった(以下、本発明による小麦粉処理
物を小麦粉高濃度組成物と称する)。
化させるというものではなく、グルテンを形成させたド
ウを加水分解酵素によって液化させ、グルテンの連続相
のものを液化デンプンの連続相に変換することで物理的
にポーラスな状態になったグルテンの網目状構造物に乳
化能を生じ、保水性、湿潤性、保脂性に優れたお好み焼
生地の製造が可能となり、焼上げた製品がソフトに仕上
がり、焼色の好ましい美味なものができるなどのことが
効果として表れるようになったことである。
100重量部に対して加える水の量は40〜75重量部
であるが、この水の量が40重量部未満であると、加水
分解を均一に行うのに長時間を要し、褐変化などが起こ
り好ましくない。また、水の量が75重量部を超える
と、小麦粉の混練物がドウとならずにバッター化する。
すなわち、本発明で必要とする小麦グルテンの網目構造
を形成させ、グルテンの網目状構造間に小麦デンプンを
埋没した状態で存在させることができなくなる。
多くの酵素を持っているが、小麦は当初αアミラーゼと
βアミラーゼが同様に存在しているが、αアミラーゼの
み漸次失われる結果、αアミラーゼはほんの僅かしかな
く、βアミラーゼの方が豊富に存在する。しかも、βア
ミラーゼが有効に働くには、αアミラーゼによりデンプ
ン鎖をある程度切っておかなくてはならないとされ、常
法の小麦粉を水溶きにし長時間放置しても、熟成効果は
なかなか現れにくいものであるが、本発明による小麦粉
高濃度組成物添加法では、お好み焼生地を長時間熟成す
る必要は全くなくなったのである。
αアミラーゼとしては、麦芽、麹などからも求められる
が、好ましくはαアミラーゼ製剤を用いると好都合であ
る。この場合、液化力価としてブルーバアリュー法で小
麦デンプン1g当り15〜40Uで充分である。液化力
価とは、デンプンを液化させ、これをヨードカリにより
発色させ、波長660μmの吸光度を測定することによ
り求める公知の方法であって、この液化力価の小麦粉に
対する酵素剤の添加量としては、小麦粉中のデンプン7
2.6%、10,000U/gの酵素剤を使用した時、
0.11%ないし0.29%の添加量である。例えば、
小麦10.0kg、水7.0kg、αアミラーゼ酵素製剤2
0gを加えて液化させた時は、小麦デンプン1g当り2
7.54Uの液化力価の条件で反応させたことになる。
マルトース25.9%、グルコース0.17%であっ
て、さらに、トランスグルコシダーゼで酵素処理するこ
とにより、オリゴ糖の生成も容易で、糖組成を変えるこ
とにより、構成糖の種類によって腸内ビフィズス菌増殖
能が期待でき、また、難消化性糖生成によりカロリーに
なりにくく、このものをお好み焼に加えることによる食
品の三次機能(生体調節機能)を有する食品としての保
健上有利なお好み焼を作ることも可能である。
により説明する。小麦粉10.0kgをジャケット付ミキ
サーに入れ、水6.0kgを加え、約15分間よく混練
し、グルテンを充分に出したドウ(生地)を作る。次い
で、攪拌を継続しながら水1.0kgに酵素剤20gを加
えた酵素液を加える。酵素剤の1例として天野製薬製ア
ミラーゼAD「アマノ」Iを用いる。さらに、攪拌しな
がら温度を上昇させ、85℃まで昇温させる。所要時間
は40分である。この時、直接蒸気を吹き込み、攪拌、
昇温させてもよい。充分液化すると、本来ならばパン生
地程度のかたさのものが液状化する。次いで、殺菌と酵
素失活を目的として120℃以上、好ましくは135℃
で2〜60秒間加熱する。熱交換機として、かきとり式
の熱交換機や蒸気と混合しながら加熱するエゼクター方
式のものを使用する。1例として、エゼクター方式によ
り3.5kg/cm2 の加圧蒸気と本液化液とを2流体混合
し、5秒間接触させることにより135℃の温度にする
ことができる。このようにして得られた小麦粉高濃度組
成物は、常温にまで冷却するが、完全に殺菌しているの
で密封状態ならば長期間保存が可能である。
の製造法の1例としては、水7.5kgに小麦粉高濃度組
成物500gを加え、よくかきまぜ水溶液とし、これに
小麦粉5.0kgを加え均一なお好み焼生地を作る。この
ものは、いわゆる広島風と称する薄く円形に延ばした生
地の上に具をのせる方式のものである。
の製造法の他の1例としては、水6.0kgに小麦粉高濃
度組成物750gを加え、よくかきまぜて水溶液とし、
これに小麦粉5.0kgを加え均一なお好み焼生地を作
る。このものは、いわゆる関西式のまぜ焼と称する具材
と混合して焼上げる方式のものであるが、このいずれの
ものも小麦粉高濃度組成物は適宜増減できるものであ
る。
対照とくらべて次のような効果を確認することができ
た。すなわち、一般にお好み焼生地の流動特性曲線は、
典型的な1>n>0(ただし、n=非ニュートン性指
数)の非ビンガム性を示すが、小麦粉高濃度組成物を加
えたお好み焼生地の流動曲線は、同じパターンでも降伏
値So)の値が低く、ズレやすくなったことを示してい
る。このことは、生地の展延性が改良されよくなったこ
とを意味している。一般に広島風お好み焼を作る時、お
好み焼生地を鉄板に落とし、できるだけす速く円を画く
ようにして延ばすのがコツとされているが、この操作が
非常に容易に行われるようになった。
生地を表面温度200℃の鉄板で焼いた時の焼色テスト
結果の色彩は、表1のとおりであって、本発明によるも
のは、対照やグルコースやショ糖単独添加したよりも明
るいオレンジ色となり、この色は嗜好上食欲を感じる好
ましい色彩を呈し、これは、お好み焼生地の糖組成が複
雑であるので、カラメライズ(焦げ目)した時に発現し
たものである。
℃、厚さ9mmで両面を焼成したものについて、レオメー
ター(サン科学社製CR−200D)により粘弾性を調
べた結果、剪断応力の最高値は、対照が705gである
が、本発明によれば457g(お好み焼生地に対し小麦
粉高濃度組成物4%添加の場合)の値を示し、ショ糖4
%添加のものの値655g、グルコース4%添加のもの
の値683gの各々の値と比較しても、異常にソフトに
仕上がることが確認できた。また、本発明は、タコヤ
キ、ホットケーキ、クレープ等にも応用が可能である。
Claims (1)
- 【請求項1】 小麦粉100重量部に40〜75重量部
の水を加え充分に混練し、小麦グルテンの網目構造を形
成させ、グルテンの網目状構造間に埋没した状態で存在
する小麦デンプンをデンプン分解酵素により加水分解し
て液化させた後、130℃以上の温度で加熱して酵素を
失活させた小麦粉高濃度組成物を作り、この組成物をお
好み焼生地に加えることを特徴とするお好み焼生地の製
造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3044011A JP2979128B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | お好み焼生地の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3044011A JP2979128B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | お好み焼生地の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04262730A JPH04262730A (ja) | 1992-09-18 |
JP2979128B2 true JP2979128B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=12679748
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3044011A Expired - Lifetime JP2979128B2 (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | お好み焼生地の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2979128B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4706607B2 (ja) * | 2005-10-04 | 2011-06-22 | 味の素株式会社 | 冷凍パン生地の製造方法及び冷凍パン生地用品質改良剤 |
JP5718112B2 (ja) * | 2011-03-18 | 2015-05-13 | 日清フーズ株式会社 | たこ焼き用またはお好み焼き用ミックス |
-
1991
- 1991-02-18 JP JP3044011A patent/JP2979128B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04262730A (ja) | 1992-09-18 |
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