JP2978543B2 - 積層フィルムの製造方法 - Google Patents

積層フィルムの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリスチレン系発泡シートとポリスチレン
樹脂以外のフィルムとを良好に貼り合せて積層フィルム
を製造する方法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) 従来より、ポリスチレン系発泡シート(以下「PSP」
という。)は外観に優れ成形性もよいことから、食品包
装用のトレー等に使用されている。しかしPSPはガスバ
リヤー性に乏しいため、内容物を空気中の酸素等から遮
断するためにガスバリヤー性の良い材料をPSPに積層す
る必要がある。ところが、PSPはポリスチレン樹脂以外
のフィルムとの接着性が悪く、発泡しているために均一
な接着面が得られず、また比較的耐熱性に乏しいことか
ら、ガスバリヤー性の良い材料との貼り合せが困難であ
るという問題があった。
(課題を解決するための手段) 本発明は、上記課題を解決せんとしたものであり、そ
の要旨はPSPとポリスチレン樹脂以外のフィルムを積層
するにあたり、予め前記ポリスチレン樹脂以外のフィル
ムの積層面にコロナ放電処理を施し、前記PSP及びポリ
スチレン樹脂以外のフィルムの両者を、非発泡ポリスチ
レン系樹脂層又はエチレン酢酸ビニル共重合体層を介在
させて、熱圧着することを特徴とする積層フィルムの製
造方法である。
PSPは、発泡倍率が2〜15倍、厚さ0.5〜2mmのものが
好適に用いられる。
ポリスチレン樹脂以外のフィルムとしては、PSPとの
積層面にポリスチレン樹脂以外の樹脂層が配された単層
または積層フィルムであればよく、たとえばポリエチレ
ン(以下「PE」という。)/接着層/エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物(以下「EVOH」という。)/ポリ
アミド(以下「PA」という。)/接着層/エチレン酢酸
ビニル共重合体(以下「EVA」という。)、EVOH/PA/接
着層/PEあるいはEVA/EVOH/EVA等が挙げられる。
PSPに非発泡ポリスチレン系樹脂層を設けるために
は、単に両者を加熱圧着するだけで同種の樹脂同士であ
るので強力に積層することができる。非発泡ポリスチレ
ン系樹脂層としては汎用ポリスチレンのほか、スチレン
−ブタジエン共重合体からなるフィルムが好適に用いら
れる。この非発泡ポリスチレン系樹脂層はポリスチレン
樹脂以外のフィルムがポリオレフィン系樹脂の場合に特
に好ましく使用できる。
PSPにEVA層を設けるには、PSPに対して、EVA樹脂を極
く薄く押出ラミネートすることにより良好に積層するこ
とができる。このEVAは、ポリスチレン樹脂以外のフィ
ルムとして、EVOHまたはPAを使用する場合に接着し易く
好ましい。
ポリスチレン樹脂以外のフィルムの積層面には予めコ
ロナ放電処理を施して、表面の荒らしておく。
一方、PSP側に配した非発泡ポリスチレン系樹脂層ま
たは、EVA層にもコロナ放電処理を施しておくとさらに
接着強度が向上する。
そして、このPSP側の非発泡ポリスチレン系樹脂層ま
たはEVA層に対し、前記ポリスチレン樹脂以外のフィル
ムの積層面を向かい合わせた状態で、熱圧着ロールで狭
圧し熱圧着することにより、どの層も強固に接着した積
層フィルムが得られる。
第1図に本発明を実施するための装置の一例を概略正
面図で示す。この例では、PSP1側に非発泡ポリスチレン
系樹脂層2を貼り合せる方法において、PSP1と非発泡ポ
リスチレン系樹脂層2と、積層面31を有するポリスチレ
ン樹脂以外のフィルム3とを並列して繰り出し、非発泡
ポリスチレン系樹脂層2とポリスチレン樹脂以外のフィ
ルム3との間に、コロナ放電処理用の電極4を配置して
おき、ポリスチレン樹脂以外のフィルムの積層面31のみ
または、ポリスチレン樹脂以外のフィルムの積層面と非
発泡ポリスチレン系樹脂層面との双方をコロナ処理す
る。その後熱圧着ロール5によって前記3層1,2,3を一
度に熱圧着することによりいずれの面も良好に接着さ
れ、得られた積層フィルムは巻き取られる。この時、ポ
リスチレン樹脂以外のフィルム側のロールのみを加熱し
ておくことによりPSPの熱変形が小さい。
なお、本発明方法においては、PSP1に非発泡ポリスチ
レン系樹脂層2を貼り合せる工程と、非発泡ポリスチレ
ン系樹脂層とポリスチレン樹脂以外のフィルムを貼り合
せる工程とは任意の順序で行うことができる。
以下、実施例を挙げてさらに詳しく説明する。
(実施例1) 第1図に示すように、厚さ0.8mm、発泡倍率10倍のPSP
1と厚さ0.03mmの非発泡ポリスチレン系樹脂層2および
低密度PE/EVOH/低密度PE/EVAの構成を有するポリスチレ
ン樹脂以外のフィルム3との3層を並行に繰り出す。
次いで、非発泡ポリスチレン系樹脂層2側は、1.1kw
のコロナ放電処理用の電極4、低密度PE面(積層面31)
には、1.8kwのコロナ放電処理用の電極4を設置してお
き、第1表に示すように、非発泡ポリスチレン系樹脂層
2と低密度PE面(積層面31)の両方、片面のみコロナ処
理するか、まったくコロナ処理しない場合について、積
層フィルム3側の圧着ロール5の温度を145℃、160℃と
し、圧着スピードを20m/分、10m/分として圧着して積層
フィルムを得た。この積層フィルムのPSP1と非発泡ポリ
スチレン系樹脂層2の剥離強度はPSP1の破断強度よりも
大きかった。一方非発泡ポリスチレン系樹脂層2と低密
度PE面3との剥離強度は第1表に示すように、10g/15mm
幅〜500g/15mm幅であった。
なお、本発明中で剥離強度の測定は、20℃で180℃剥
離、剥離速度200mm/分で行なった。
第1表から明らかなように、非発泡ポリスチレン系樹
脂層と低密度PE面の両方にコロナ処理した実験No.1は剥
離強度は500g/15mm幅と大きかった。また、低密度PE面
のみコロナ処理した実験No.2は100g/15mm幅と実用限界
の強度を保った。これに対して、非発泡ポリスチレン系
樹脂層のみコロナ処理したもの、コロナ処理を全くしな
かったものは30〜10g/15mm幅と極めて低い強度を示し
た。一方、実験No.5のようにコロナ処理しないものにつ
いて剥離強度を300g/15mm幅まで上げようとすると、圧
着スピードを半分に落しかつ、圧着ロール温度を160℃
に上げなくてはならず、PSP変形や収縮が生じ、極めて
効率の悪いものであった。
(実施例2) 厚さ0.75mm、発泡倍率10倍のPSPに、EVAを180℃で押
出ラミネートして0.015mmの層を設けこのEVA面を、1.1k
wでコロナ処理した。PSPとEVA面の剥離強度は、PSPの破
断強度より大きかった。
一方、EVOH/PA/接着樹脂/EVAのEVOH面に2.0kwでコロ
ナ処理して、前記EVA面に重ね合せ、圧着ロール温度140
℃、圧着スピード15m/分、圧着圧力10kg/cmで圧着した
ところ、EVA面とEVOH面との剥離強度は、450g/15mm幅と
十分なものであった。
(発明の効果) 以上説明したように本発明はPSPとポリスチレン樹脂
以外のフィルムを積層するにあたり、予め前記ポリスチ
レン樹脂以外のフィルムの積層面にコロナ放電処理を施
し、前記PSP及びポリスチレン樹脂以外のフィルムの両
者を、非発泡ポリスチレン系樹脂層又はEVA層を介在さ
せて、熱圧着することを特徴とする積層フィルムの製造
方法であるから、PSPとポリスチレン樹脂以外のフィル
ムとを効率よく確実に貼り合せて積層フィルムを製造す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明を実施するための装置を示す概略正面図
である。 1……ポリスチレン系発泡シート、2……非発泡ポリス
チレン系樹脂層、3……ポリスチレン樹脂以外のフィル
ム、31……積層面。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン系発泡シートとポリスチレン
    樹脂以外のフィルムを積層するにあたり、予め前記ポリ
    スチレン樹脂以外のフィルムの積層面にコロナ放電処理
    を施し、前記ポリスチレン系発泡シート及びポリスチレ
    ン樹脂以外のフィルムの両者を、非発泡ポリスチレン系
    樹脂層又はエチレン酢酸ビニル共重合体層を介在させ
    て、熱圧着することを特徴とする積層フィルムの製造方
    法。
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