JP2977619B2 - ダイヤモンド膜形成方法 - Google Patents
ダイヤモンド膜形成方法Info
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- JP2977619B2 JP2977619B2 JP3003538A JP353891A JP2977619B2 JP 2977619 B2 JP2977619 B2 JP 2977619B2 JP 3003538 A JP3003538 A JP 3003538A JP 353891 A JP353891 A JP 353891A JP 2977619 B2 JP2977619 B2 JP 2977619B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、CVD法によりダイ
ヤモンド膜を形成する方法に関し、例えば高音域の音響
特性に優れたスピーカ振動板を作るために、チタン基板
上にダイヤモンド膜を形成することを可能とするもので
ある。
ヤモンド膜を形成する方法に関し、例えば高音域の音響
特性に優れたスピーカ振動板を作るために、チタン基板
上にダイヤモンド膜を形成することを可能とするもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般に、ダイヤモンド膜はCH4 やC2H5
OH等のカーボン供給ガスと水素ガスとから成る成膜用反
応ガスを用い、基板温度を500〜1000℃にした熱
フィラメントCVD法あるいはプラズマCVD法等によ
って形成されている。
OH等のカーボン供給ガスと水素ガスとから成る成膜用反
応ガスを用い、基板温度を500〜1000℃にした熱
フィラメントCVD法あるいはプラズマCVD法等によ
って形成されている。
【0003】図2は例えば刊行物(表面科学第10巻第
10号(1989))の183頁に示されたマイクロ波
プラズマを用いたCVD装置の構成図である。図におい
て、1はマイクロ波発振器、2はマイクロ波、3は導波
管、4は石英ガラス管、5は成膜用反応ガス、6は基
板、7はサセプタである。
10号(1989))の183頁に示されたマイクロ波
プラズマを用いたCVD装置の構成図である。図におい
て、1はマイクロ波発振器、2はマイクロ波、3は導波
管、4は石英ガラス管、5は成膜用反応ガス、6は基
板、7はサセプタである。
【0004】上記構成において、マイクロ波発振器1か
ら出射されたマイクロ波2は導波管3によって伝播さ
れ、その途中の電界強度の強い箇所に設けられた石英ガ
ラス管4に到達する。この石英ガラス管4の上部からは
CH4 とH2 からなる成膜用反応ガス5が供給されてお
り、基板6は石英ガラス管4及び導波管3の中央部付近
に設定されたサセプタ7上に設置されている。石英ガラ
ス管4に到達したマイクロ波2は成膜用反応ガス5を分
解するのに使われており、分解された成膜用反応ガス5
は基板6上でダイヤモンド膜を形成するのに使われてい
る。この装置は基板6を加熱する特別な炉を用いていな
いため、基板5の温度は反応管内のマイクロ波電界強
度、圧力、ならびにサセプタ7や基板6の材料の誘電損
失係数に依存している。又、ダイヤモンド膜が形成され
る時の温度は500〜1000℃である。ダイヤモンド
膜の形成においては、ダイヤモンドの基板上には容易に
新たな膜状ダイヤモンドを形成することができるが、非
ダイヤモンド基板上には個々に独立した粒状結晶として
析出し、膜状ダイヤモンドを形成することが困難であ
る。そのため、非ダイヤモンド基板上に膜状ダイヤモン
ドを形成するには、超硬物質(ダイヤモンド、SiC、
BN)等の微粉末で機械的な方法により基板6の表面に
微細な鋭い傷を付けるなどの表面処理を施し、核形成し
やすい場を形成する前処理が必要とされている。
ら出射されたマイクロ波2は導波管3によって伝播さ
れ、その途中の電界強度の強い箇所に設けられた石英ガ
ラス管4に到達する。この石英ガラス管4の上部からは
CH4 とH2 からなる成膜用反応ガス5が供給されてお
り、基板6は石英ガラス管4及び導波管3の中央部付近
に設定されたサセプタ7上に設置されている。石英ガラ
ス管4に到達したマイクロ波2は成膜用反応ガス5を分
解するのに使われており、分解された成膜用反応ガス5
は基板6上でダイヤモンド膜を形成するのに使われてい
る。この装置は基板6を加熱する特別な炉を用いていな
いため、基板5の温度は反応管内のマイクロ波電界強
度、圧力、ならびにサセプタ7や基板6の材料の誘電損
失係数に依存している。又、ダイヤモンド膜が形成され
る時の温度は500〜1000℃である。ダイヤモンド
膜の形成においては、ダイヤモンドの基板上には容易に
新たな膜状ダイヤモンドを形成することができるが、非
ダイヤモンド基板上には個々に独立した粒状結晶として
析出し、膜状ダイヤモンドを形成することが困難であ
る。そのため、非ダイヤモンド基板上に膜状ダイヤモン
ドを形成するには、超硬物質(ダイヤモンド、SiC、
BN)等の微粉末で機械的な方法により基板6の表面に
微細な鋭い傷を付けるなどの表面処理を施し、核形成し
やすい場を形成する前処理が必要とされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のダイヤ
モンド膜形成方法においては、反応空間でH2 ガスが分
解され、活性な原子状水素が生成されており、基板6が
チタンのような場合には還元反応が生じて基板6の表面
の脆化が進み、付着力の高いダイヤモンド膜が得られな
いという課題が生じた。
モンド膜形成方法においては、反応空間でH2 ガスが分
解され、活性な原子状水素が生成されており、基板6が
チタンのような場合には還元反応が生じて基板6の表面
の脆化が進み、付着力の高いダイヤモンド膜が得られな
いという課題が生じた。
【0006】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、チタンのように水素プラズマ
との反応により脆化する材料の表面に付着力の高いダイ
ヤモンド膜を形成することができるダイヤモンド膜形成
方法を得ることを目的とする。
めに成されたものであり、チタンのように水素プラズマ
との反応により脆化する材料の表面に付着力の高いダイ
ヤモンド膜を形成することができるダイヤモンド膜形成
方法を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明に係るダイヤモ
ンド膜形成方法は、水素プラズマとの反応で脆化する材
料の表面を粉末ペーストにより粗面化するとともに、マ
イクロ波によりプラズマ化された窒素ガスでその表面に
窒化処理を施し、その後にこの材料の窒化処理された表
面にダイヤモンド膜を形成するものである。
ンド膜形成方法は、水素プラズマとの反応で脆化する材
料の表面を粉末ペーストにより粗面化するとともに、マ
イクロ波によりプラズマ化された窒素ガスでその表面に
窒化処理を施し、その後にこの材料の窒化処理された表
面にダイヤモンド膜を形成するものである。
【0008】
【作用】この発明においては、材料の表面は予め粗面化
されて、マイクロ波によりプラズマ化された窒素ガスで
窒化処理されており、ダイヤモンド膜形成の際に発生す
る活性な原子状水素により材料表面が脆化されない。
されて、マイクロ波によりプラズマ化された窒素ガスで
窒化処理されており、ダイヤモンド膜形成の際に発生す
る活性な原子状水素により材料表面が脆化されない。
【0009】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面とともに説明
する。図1はこの実施例によるダイヤモンド膜形成方法
の工程図である。まず、(a) 図において、マイクロ波発
振器1から出射されたマイクロ波2は導波管3を通り、
石英ガラス管4に導かれる。石英ガラス管4には窒素ガ
ス8が流されており、また石英ガラス管4内にはサセプ
タ7に支持された基板6が設置されている。基板6は水
素プラズマとの反応で脆化する材料例えばチタンにより
形成されており、また基板6の表面はダイヤモンドペー
スト等の粉末ペーストによる研摩等により予め粗面化さ
れている。石英ガラス管4内を流れる窒素ガス8はマイ
クロ波のエネルギによりプラズマ化され、基板6の表面
を窒化処理する。
する。図1はこの実施例によるダイヤモンド膜形成方法
の工程図である。まず、(a) 図において、マイクロ波発
振器1から出射されたマイクロ波2は導波管3を通り、
石英ガラス管4に導かれる。石英ガラス管4には窒素ガ
ス8が流されており、また石英ガラス管4内にはサセプ
タ7に支持された基板6が設置されている。基板6は水
素プラズマとの反応で脆化する材料例えばチタンにより
形成されており、また基板6の表面はダイヤモンドペー
スト等の粉末ペーストによる研摩等により予め粗面化さ
れている。石英ガラス管4内を流れる窒素ガス8はマイ
クロ波のエネルギによりプラズマ化され、基板6の表面
を窒化処理する。
【0010】次に、(b) 図においては、窒素ガス8の代
りにCH4とH2 からなる成膜用反応ガス5が石英ガラ
ス管4内に流され、成膜用反応ガス5はマイクロ波2に
より分解され、分解された反応ガスにより基板6の表面
にダイヤモンド膜が形成される。このように、基板6の
表面は窒化処理されているので、反応ガス5の分解によ
り生成された水素プラズマにさらされても脆化すること
がなく、安定した表面を保つことができ、付着力の高い
ダイヤモンド膜が得られる。このため、チタン等の脆化
しやすい材料の表面にも付着力の高いダイヤモンド膜を
形成することができ、高音域の音響特性に優れたスピー
カ振動板などが得られる。
りにCH4とH2 からなる成膜用反応ガス5が石英ガラ
ス管4内に流され、成膜用反応ガス5はマイクロ波2に
より分解され、分解された反応ガスにより基板6の表面
にダイヤモンド膜が形成される。このように、基板6の
表面は窒化処理されているので、反応ガス5の分解によ
り生成された水素プラズマにさらされても脆化すること
がなく、安定した表面を保つことができ、付着力の高い
ダイヤモンド膜が得られる。このため、チタン等の脆化
しやすい材料の表面にも付着力の高いダイヤモンド膜を
形成することができ、高音域の音響特性に優れたスピー
カ振動板などが得られる。
【0011】なお、上記実施例では、基板6の表面を粗
面化した後窒化処理を施したが、逆に窒化処理を施した
後粗面化してもよい。又、石英ガラス管4内には窒素ガ
ス8を流した後に成膜用反応ガス5を流したが、成膜用
反応ガス5を流している際にも窒素ガス8が混入してい
ても支障はない。
面化した後窒化処理を施したが、逆に窒化処理を施した
後粗面化してもよい。又、石英ガラス管4内には窒素ガ
ス8を流した後に成膜用反応ガス5を流したが、成膜用
反応ガス5を流している際にも窒素ガス8が混入してい
ても支障はない。
【0012】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、材料表
面にダイヤモンド膜を形成する前に、材料表面を粗面化
して、マイクロ波によりプラズマ化された窒素ガスで窒
化処理しており、材料表面はダイヤモンド膜形成の際の
原子状水素雰囲気から保護されて脆化することがなく、
付着力の高いダイヤモンド膜を形成することができる。
面にダイヤモンド膜を形成する前に、材料表面を粗面化
して、マイクロ波によりプラズマ化された窒素ガスで窒
化処理しており、材料表面はダイヤモンド膜形成の際の
原子状水素雰囲気から保護されて脆化することがなく、
付着力の高いダイヤモンド膜を形成することができる。
【図1】この発明によるダイヤモンド膜形成方法の工程
図である。
図である。
【図2】従来のマイクロ波プラズマCVD装置の構成図
である。
である。
1 マイクロ波発振器 2 マイクロ波 4 石英ガラス管 5 成膜用反応ガス 6 基板 8 窒素ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 16/00 - 16/56 C23C 8/24 C23C 8/34 C30B 29/04
Claims (1)
- 【請求項1】 水素プラズマとの反応で脆化する材料の
表面を粉末ペーストにより粗面化するとともに、マイク
ロ波によりプラズマ化された窒素ガスで該表面に窒化処
理を施し、その後前記材料にH2 ガスを含む成膜用反応
ガスを流してマイクロ波でこれを分解し、分解された成
膜用反応ガスにより前記材料の窒化処理された表面にダ
イヤモンド膜を形成することを特徴とするダイヤモンド
膜形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3003538A JP2977619B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ダイヤモンド膜形成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3003538A JP2977619B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ダイヤモンド膜形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04263071A JPH04263071A (ja) | 1992-09-18 |
JP2977619B2 true JP2977619B2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=11560187
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3003538A Expired - Fee Related JP2977619B2 (ja) | 1991-01-17 | 1991-01-17 | ダイヤモンド膜形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2977619B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2790267B1 (fr) * | 1999-02-25 | 2001-05-11 | Suisse Electronique Microtech | Procede de depot d'une couche de diamant sur un metal refractaire de transition et piece revetue d' une telle couche |
US7846272B2 (en) * | 2006-04-28 | 2010-12-07 | Gm Global Technology Operations, Inc. | Treated austenitic steel for vehicles |
-
1991
- 1991-01-17 JP JP3003538A patent/JP2977619B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04263071A (ja) | 1992-09-18 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |