JP2977116B2 - 建築構造物の構築方法 - Google Patents

建築構造物の構築方法

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JP2977116B2
JP2977116B2 JP6100204A JP10020494A JP2977116B2 JP 2977116 B2 JP2977116 B2 JP 2977116B2 JP 6100204 A JP6100204 A JP 6100204A JP 10020494 A JP10020494 A JP 10020494A JP 2977116 B2 JP2977116 B2 JP 2977116B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築構造物の構築方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築構造物の一形態として、スラ
ブ部と、同スラブ部上に建込んで居住空間を形成する前
後左右側の側壁部と、同側壁部により形成される角部に
それぞれ建込む柱部と、各柱部間に横架状に建込む梁部
とを具備したものがあり、かかる建築構造物の各構成部
は、建築構造物の構築現場において、仮枠大工や鉄筋工
や鳶・土工等の各作業員が型枠を組んで、同型枠内に鉄
筋を配筋して、コンクリートを打設して硬化させた後、
脱型して構築している。
【0003】この際、上記のようにして構築される建築
構造物では、柱部と梁部の一部が、前後左右側の側壁部
により形成される居住空間内に配置されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
に柱部と梁部の一部が居住空間内に配置されていると、
居住空間内に角部が多くなって内装作業に手間がかかる
上に、居住空間内の自由度や利用度が低減されるという
不具合があった。
【0005】また、上記した建築構造物の構築方法で
は、現場での仮枠大工や鉄筋工や鳶・土工等の熟練した
専門職作業員を要する上に、工期も長くなるために、こ
れら作業員の人件費が高くなって、工事費の増大につな
がっていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、ス
ラブ部と、同スラブ部上に建込んで居住空間を形成する
前後左右側の側壁部と、同側壁部により形成される角部
にそれぞれ建込む柱部と、各柱部間に横架状に建込む梁
部とを具備する建築構造物の構築方法であって、側壁部
としての耐震壁部の壁厚を150 〜250mm とし、同耐震壁
部の上部に梁部を内蔵し、柱部と梁部とを、側壁部によ
り形成される居住空間の外部に配置することを特徴とす
る建築構造物の構築方法を提供せんとするものである。
【0007】また、本発明は、下記の方法にも特徴を有
する。
【0008】 スラブ部は、現場において、スラブ型
枠上に下端筋ユニットを配置し、その上に中空管ユニッ
トを配置し、更にその上に上端筋ユニットを配置して、
これらを互に接続した後、スラブ型枠内にコンクリート
を打設し、同コンクリートを硬化させること。
【0009】 側壁部としての桁壁部は、軽量コンク
リートにより成形したものを使用すること。
【0010】 側壁部としての耐震壁部は、スラブ部
上に軽量コンクリートにより成形した左右一対の側壁型
を建込み、両側壁型間に側壁用鉄筋ユニットを配置する
と共に、両側壁型間にコンクリートを打設して硬化させ
ることにより形成すること。
【0011】 柱部は、軽量コンクリートにより成形
した柱型内に柱用鉄筋ユニットを配置すると共に、同柱
型内にコンクリートを打設して硬化させることにより形
成すること。
【0012】 梁部は、軽量コンクリートにより成形
した梁型内に、梁用鉄筋ユニットを配置すると共に、同
梁型内にコンクリートを打設して硬化させることにより
形成すること。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照しなが
ら説明する。
【0014】図1は、本発明に係る構築方法により構築
された建築構造物Aの一階の平面説明図であり、1は、
基礎地中梁上にコンクリートを打設して形成した土間
部、2,3は、上記土間部1上に建込んで居住空間Sを
形成する前後左右側の側壁部としての桁壁部と耐震壁
部、4は、上記桁壁部2と耐震壁部3の角部にそれぞれ
建込んだ柱部、5は、上記各柱部4,4間に横架状に建
込んだ梁部である。D1、D2はそれぞれ出入口扉、M1、M
2、M3、M4はそれぞれ窓である。
【0015】かかる構成において、本発明の要旨は、柱
部4と梁部5とを、前後一対の桁壁部2,2と左右一対
の耐震壁部3,3により形成される居住空間Sの外部に
配置することにより、同居住空間S内に柱部4や梁部5
の一部が張出すことがないようにして、図1に示すよう
に、直方体の居住空間Sを形成することができるように
したことにあり、以下に本発明に係る建築構造物Aの構
築方法を、図1〜図18を参照しながら説明する。
【0016】(イ) 図1及び図2に示すように、建築
構造物Aの構築場所に基礎地中梁(図示せず)を施工
し、その後、コンクリートを打設して土間部1を施工す
る。1aは犬走り部である。
【0017】(ロ) 図3に示すように、土間部1上の
柱部建込み場所である前後左右側部に柱用鉄筋ユニット
6を配置する。
【0018】ここで、柱用鉄筋ユニット6は、工場等に
おいて、あらかじめ主鉄筋6aとフープ筋6bとを格子状に
組んで形成したものであり、土間部1より突出させたジ
ョイント鉄筋(図示せず)に連結して建込むようにして
いる。
【0019】(ハ) 図4に示すように、土間部1上の
耐震壁建込み場所である左右側部に側壁用鉄筋ユニット
7,7を配置する。
【0020】ここで、側壁用鉄筋ユニット7は、図5に
示すように、工場等において、あらかじめ主鉄筋7aと配
力筋7bとを格子状に組込んで形成したものであり、土間
部1より突出させたジョイント鉄筋1d(図17参照)に
連結して建込むようにしている。
【0021】しかも、側壁用鉄筋ユニット7の上部に
は、図4及び図6に示すように、梁用鉄筋ユニット8を
一体的に組込んでおり、同梁用鉄筋ユニット8も、工場
等において、あらかじめ主鉄筋8aとスターラップ8bとを
格子状に組込んで形成している。
【0022】(ニ) 図7に示すように、土間部1上の
前後左右側部に、それぞれ桁壁部2と耐震壁部3の位置
決めを行なうための位置決め用ブラケット10,10 を取付
ける。
【0023】ここで、位置決め用ブラケット10は、前後
方向若しくは左右幅方向に伸延する水平載置部10a と、
同水平載置部10a より垂直上方へ立上がる垂直立上り部
10bとから断面L字状に形成し、水平載置部10a を土間
部1に固定ボルト等により固定し、垂直立上り部10b に
より桁壁部2と耐震壁部3の位置決めと建込みを容易に
行なうことができるようにすると共に、止水機能を果す
ようにしている。
【0024】(ホ) 図8に示すように、土間部1上の
前後側部に桁壁部2,2を位置決め用ブラケット10,10
に沿わせて建込む。
【0025】ここで、桁壁部2は、後述する軽量コンク
リートにより板状に成形しており、11,12,13は出入口扉
取付部、14は窓取付部、15は耐震壁接続部、16は柱型嵌
合用段付凹部、17は梁型載置用段付凹部、18,19 は桁壁
部形成用横架部である。
【0026】そして、桁壁部2は、断熱性を有する軽量
コンクリートにより成形しているために、断熱効果を良
好に確保することができる。
【0027】(ヘ) 図9に示すように、土間部1上の
左右側部にそれぞれ左右一対の側壁型3a,3a を位置決め
用ブラケット10,10 に沿わせて建込む。
【0028】ここで、側壁型3aは、後述する軽量コンク
リートにより矩形板状に成形しており、前記側壁用鉄筋
ユニット7を左右側より被覆するように、順次所要枚数
建込むことにより、耐震壁部成形用の型枠として機能す
ると共に、同耐震壁部3の一部を形成するようにしてい
る。
【0029】そして、土間部1の前後側部に位置する側
壁型3aの前後端縁は、前記桁壁部2,2の各耐震壁接続
部15,15 に接続している。
【0030】しかも、側壁型3a,3a を型枠として形成さ
れる耐震壁部3の壁厚は、150 〜250mm 、好ましくは、
200mm とし、かかる耐震壁部3の上部に、上記した梁用
鉄筋ユニット8と両側壁型3a,3a 間に打設されるコンク
リートとにより、図17に示すように、耐震壁部内蔵の
梁部35を形成することができるようにしている。
【0031】(ト) 図10に示すように、前記桁壁部
2,2の各柱型嵌合用段付凹部16,16,16,16 にそれぞれ
柱型20,20,20,20 の端縁部を嵌合状態に接続して建込
む。
【0032】ここで、柱型20は、左右側壁部20a,20a と
前側壁部若しくは後側壁部20b とから横断面略コ字状に
形成し、左右側壁部20a,20a の上部には梁型載置接続用
切欠部20c,20c を形成しており、かかる柱型20は後述す
る軽量コンクリートにより成形している。
【0033】そして、柱型20の左右側壁部20a,20a の端
縁部を、前記桁壁部2の柱型嵌合用段付凹部16に嵌合さ
せて建込み、桁壁部2と柱型20とにより前記柱用鉄筋ユ
ニット6を囲繞することにより、桁壁部2と柱型20とに
より柱部成形用の型枠として機能すると共に、柱部4の
一部を形成するようにしている。
【0034】(チ) 図11に示すように、左右幅方向
に隣接する柱型20,20 の梁型載置接続用切欠部20c,20c
間に梁型21を横架状に載置して接続すると共に、前記桁
壁部2の梁型載置用段付凹部17上に端縁部を載置して接
続する。
【0035】ここで、梁型21は、それぞれ水平底部21a
と垂直縦壁部21b とから断面L字状に形成しており、同
梁型21は、それぞれ後述する軽量コンクリートにより成
形している。
【0036】そして、上記した桁壁部2の上部と梁型21
により形成される空間内には、図12に示す梁用鉄筋ユ
ニット23を配置するようにしており、この際、梁用鉄筋
ユニット23は、工場等において、あらかじめ主鉄筋23a
とスターラップ23b とを格子状に組んで形成したもので
あり、柱用鉄筋ユニット6との交差部は、同柱用鉄筋ユ
ニット6と連結するようにしている。
【0037】(リ) 図13及び図15に示すように、
左右に対向する内側の側壁型3a,3aの上端間にスラブ部
本体型30を横架する。
【0038】ここで、スラブ部本体型30は、後述する軽
量コンクリートにより横長矩形板状に形成すると共に、
下面には左右幅方向に伸延するリブ30a を前後方向に一
定の間隔を開けて形成して、強度を確保すると共に、内
装用野縁としても利用できるようにしている。
【0039】(ヌ) 図14及び図15に示すように、
柱型20と梁型21の上端縁部には、廊下用スラブ部形成体
型31とバルコニー用スラブ部形成体型32とをそれぞれ前
後方向に片持ち状態に張出させている。
【0040】ここで、各形成体型31,32 は、それぞれ後
述する軽量コンクリートにより成形している。31a,32a
は柱部接続用切欠部、31b,32b は水平張出し部、31c,32
c は垂直起立部である。
【0041】(ル) 図16に示すように、スラブ部本
体型30と廊下用スラブ部形成体型31とバルコニー用スラ
ブ部形成体型32とから形成されるスラブ型枠46上に、後
述する下端筋ユニット40を載置し、その上に中空管ユニ
ット42,43 を載置し、更にその上に上端筋ユニット45を
載置し、それぞれを互いに接続する。
【0042】(オ) 側壁型3a,3a 間、桁壁部2と柱型
20との間、桁壁部2と梁型21との間にそれぞれコンクリ
ートを打設すると共に、スラブ型枠46上にコンクリート
を打設して、養生・硬化させることにより、耐震壁部3
と柱部4と梁部5とスラブ部25とを、図17〜図19に
示すように一体成形して、躯体強度を向上させる。この
際、耐震壁3は、比重の異なる側壁型3a,3a と打設した
コンクリートとから三層構造に形成することができるた
めに、隣戸間の遮音効果を高めることができる。
【0043】そして、スラブ部25も、比重の異なるスラ
ブ型枠46と打設したコンクリートとから二層構造に形成
することができるために、上下階間の遮音効果を高める
ことができる。図20中、25a はスラブ部本体、25b は
廊下用スラブ部形成体、25cはバルコニー用スラブ部形
成体である。
【0044】このようにして、建築構造物Aの1階を構
築する。
【0045】(ワ) 上記のようにして耐震壁部3、柱
部4、及び梁部5と一体成形した2階のスラブ部25上
に、図21〜図26に示すように、前記(ニ)〜(オ)
の手順を繰返すことにより、2階以上を所望の階まで構
築する。
【0046】なお、本実施例では、建築構造物Aの1階
から上階への構築方法について説明しているが、左右幅
方向への隣室の構築も同様に構築することができるもの
である。
【0047】また、本実施例では、建築構造物Aを鉄筋
コンクリート構造物として説明しているが、高層建築物
とする場合には、柱部4と梁部5とにそれぞれ鉄骨を組
込むことにより、鉄骨鉄筋コンクリート構造物とするこ
ともできる。
【0048】次に、前記した各型を成形する軽量コンク
リートについて説明する。
【0049】すなわち、軽量コンクリートは、セメント
(例えば、ポルトランドセメント)1に対して重量比で
ボール状の小粒軽量骨材(例えば、シラスバルーン、黒
曜石、パーライト等)を0.1 〜1.0 、フライアッシュを
0.3 〜1.5 、補強繊維(例えば、ビニロン繊維)を0.01
〜0.2 、及び水を0.35〜1.2 含み、更に水溶性界面活性
剤からなる少量の高性能減水剤と、少量の比重分離低減
剤とを混入した軽量モルタルを使用して構成されてい
る。
【0050】なお、小粒軽量骨材は、セメント1に対し
て重量比で0.1 〜1.0 としたが、0.1 より少ないと軽量
化の度合が小さくなり、1.0 より多いと流動性が悪くな
り、更に、強度が極端に低下する。
【0051】フライアッシュは、セメント1に対して重
量比で0.3 〜1.5 としたが、0.3 より少ないと流動性を
付与する能力が小さくなり、1.5 より多いとセメントの
水和能力を阻害する。
【0052】補強繊維は、セメント1に対して重量比で
0.01〜0.2 としたが、0.01より少ないと強度がでず、0.
2 より多いと流動性が悪くなる。
【0053】水は、セメント1に対して重量比で0.35〜
1.2 としたが、0.35より少ないと流動性が悪くなり、1.
2 より多いと強度が不足する。
【0054】高性能減水剤は、セメント1に対し重量比
で0.06以上添加すると、軽量モルタルの硬化速度が遅く
なる。
【0055】比重分離低減材は、セメント1に対し重量
比で0.2 以上添加すると、流動性が悪くなる。
【0056】このように構成した軽量コンクリートにお
いては、球状のマイクロシリカを大量に含むフライアッ
シュと、マイクロシリカに比べてかなり大きめの球状体
であるボール状の小粒軽量骨材を組み合わせることによ
り、軽量モルタルの流動化とその製品の緻密性を高める
ことができる。
【0057】そして、高性能減水剤を使用することによ
り(水/セメント)比を大きくすることなく、軽量モル
タルの超流動性を付与することができる。
【0058】しかも、比重分離低減剤を含んでいるの
で、小粒軽量骨材が浮遊し難くなり、更に、水溶性界面
活性剤からなる高性能減水剤を含んでいるので、(水/
セメント)比を小さくすることができて、型枠を利用し
て所望の形状の桁壁部2等をセメント製品としてプレハ
ブ化することができるために、これらセメント製品の品
質と強度を向上させることができる。
【0059】さらに、軽量である(かさ比重;0.5 〜
1.4 )、断熱性を有する(熱伝導率;0.07〜0.38)、
吸水率が小さい(10%以下)、収縮率が小さい(0.
1 %以下)、板厚を厚くできる、ビスのたて込み、
釘打ち、鋸加工ができる、無機材料だけから構成して
いるために、不燃性でガスの発生がない、という効果も
有する。
【0060】次に、前記したスラブ部25の構成について
説明する。
【0061】すなわち、スラブ部25は、図16に示すよ
うに、複数本の下端筋44からなる下端筋ユニット40と、
複数本の上端筋45からなる上端筋ユニット41と、両者間
に挾まれる、複数本の中空管47からなる中空管ユニット
42,43 とから構成している。
【0062】そして、スラブ部本体型30と廊下用スラブ
部形成体型31とバルコニー用スラブ部形成体型32とから
形成されるスラブ型枠46上に、図27に示すように、中
空管47,48 を配置しており、スラブ部25の中央部には軸
が短辺方向を向き、短辺の全長に亘る長さの中空管47を
配置し、その両側には軸が長辺方向を向く中空管48を配
置している。
【0063】下端筋ユニット40は、図28に示すよう
に、複数本の下端筋44とこれらを連結する補助筋49から
一定の大きさにユニット化し、上端筋ユニット41は、図
29に示すように、同じく複数本の上端筋45とこれらを
連結する補助筋50から一定の大きさにユニット化してい
る。
【0064】中空管ユニット42,43 は、図30に示すよ
うに、互いに距離を隔て、並列して配置される複数本の
中空管47,48 と、これら中空管47,48 を上下から挾み込
み、下端筋44と上端筋45に直交する主筋51,52 からユニ
ット化している。
【0065】中空管47がスラブ部25の短辺方向を向く中
空管ユニット42は、中空管47をその軸に平行な主筋51,5
2 とこれに直交する補助筋53によって挾み、また中空管
48が中空管47に直交する中空管ユニット43は、中空管48
をその軸に直交する方向の主筋52,52 とこれに直交する
補助筋54によって挾んでそれぞれ構成している。主筋5
1,52 は、スラブ部25の短辺方向に配筋されることか
ら、下端筋44と上端筋45は配力筋となる。
【0066】中空管47,48 は、主筋51,52 と補助筋53,5
4 によって高さ方向に拘束されながら、拘束筋55,56 に
よって幅方向に拘束され、またコンクリート打設時の浮
き上がりに対しても拘束される。中空管47,48 として
は、スパイラルダクト、プラスチック管、紙筒、発泡ス
チロール等を使用することができる。
【0067】現場では、図16に示すように、スラブ型
枠46上に、下端筋ユニット40を配置し、その上に中空管
ユニット42,43 を配置し、更にその上に上端筋ユニット
41を配置して、それぞれを互いに接続することにより、
スラブ部25の骨組みを構成する配筋と配管の施工が完了
する。
【0068】このようにして、下端筋44と上端筋45、及
び中空管47,48 毎に予めユニット化し、現場で各ユニッ
トを設置し、互いに接続することによりスラブ部25の骨
組みを構成するものであるために、現場作業が省力化さ
れ、工期の短縮化を図ることができる。
【0069】また、配筋と配管のプレハブ化によってス
ラブ部25の品質を向上させることができる。
【0070】
【効果】本発明によれば、次のような効果が得られる。
【0071】 側壁部としての耐震壁部の壁厚を150
〜250mm とし、同耐震壁部の上部に梁部を内蔵し、柱部
と梁部とを、側壁部により形成される居住空間の外部に
配置しているために、同居住空間内に柱部や梁部の一部
が張出すことがなく、直方体の居住空間を形成すること
ができる。
【0072】従って、居住空間を広く確保することがで
きて、同居住空間内の自由度や利用度を高めることがで
きると共に、内装工事等が行ない易く、内装工事費や工
期の削減が図れる。
【0073】 スラブ部は、現場において、スラブ型
枠上に下端筋ユニットを配置し、その上に中空管ユニッ
トを配置し、更にその上に上端筋ユニットを配置して、
これらを互に接続した後、スラブ型枠内にコンクリート
を打設し、同コンクリートを硬化させることにより形成
しているために、居住空間内においてスラブ部に小梁部
を形成することなく、同スラブ部の強度を確保すること
ができて、この点からも居住空間内を広く確保すること
ができ、しかも、上下階間の遮音効果を高めることがで
きる。
【0074】 側壁部としての桁壁部は、軽量コンク
リートにより成形したものを使用するために、同桁壁部
をスラブ部上に建込むだけで構築することができて、桁
壁部を施工するための仮枠大工や鉄筋工等を必要とせ
ず、迅速かつ確実に桁壁部の建込み作業を行なうことが
できて、工費と工期の削減を図ることができ、しかも、
断熱効果を高めることができる。
【0075】 側壁部としての耐震壁部は、スラブ部
上に軽量コンクリートにより成形した左右一対の側壁型
を建込み、両側壁型間に側壁用鉄筋ユニットを配置する
と共に、両側壁型間にコンクリートを打設して硬化させ
ることにより形成するために、耐震壁を施工するための
仮枠大工や鉄筋工等を必要とせず、また、脱型作業の手
間も省けて、迅速かつ確実に耐震壁の建込み作業を行な
うことができ、この点からも工費と工期の削減を図るこ
とができ、しかも、隣戸間の遮音効果を高めることがで
きる。
【0076】 柱部は、軽量コンクリートにより成形
した柱型内に柱用鉄筋ユニットを配置すると共に、同柱
型内にコンクリートを打設して硬化させることにより形
成するために、柱部を施工するための仮枠大工や鉄筋工
等を必要とせず、また、脱型作業の手間も省けて、迅速
かつ確実に耐震壁の建込み作業を行なうことができ、こ
の点からも工費と工期の削減を図ることができ、しか
も、隣戸間の遮音効果を高めることができる。
【0077】 梁部は、軽量コンクリートにより形成
した梁型内に、梁用鉄筋ユニットを配置すると共に、同
梁型内にコンクリートを打設して硬化させることにより
形成するために、梁部を施工するための仮枠大工や鉄筋
工等を必要とせず、また、脱型作業の手間も省けて、迅
速かつ確実に耐震壁の建込み作業を行なうことができ、
この点からも工費と工期の削減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る構築方法により構築した建築構造
物の1階平面図。
【図2】土間部の斜視図。
【図3】柱用鉄筋ユニットの斜視図。
【図4】柱用鉄筋ユニットと側壁用鉄筋ユニットの斜視
図。
【図5】側壁用鉄筋ユニットの斜視図。
【図6】梁用鉄筋ユニットの斜視図。
【図7】位置決め用ブラケットの取付け状態説明図。
【図8】1階の桁壁部の建込み状態を示す斜視図。
【図9】同1階の耐震壁部の建込み状態を示す斜視図。
【図10】同1階の柱型の建込み状態を示す斜視図。
【図11】同1階の梁型の建込み状態を示す斜視図。
【図12】梁用鉄筋ユニットの斜視図。
【図13】スラブ部本体型の施工状態を示す斜視図。
【図14】廊下用スラブ部形成体型とバルコニー用形成
体型の施工状態を示す斜視図。
【図15】型組み状態を示す斜視図。
【図16】スラブ部の骨組み構造を示す斜視図。
【図17】耐震壁部の断面図。
【図18】桁壁部の断面図。
【図19】柱部の断面図。
【図20】スラブ部の斜視図。
【図21】2階の桁壁部の建込み状態を示す斜視図。
【図22】同2階の耐震壁部の建込み状態を示す斜視
図。
【図23】同2階の柱部の建込み状態を示す斜視図。
【図24】同2階の梁部の建込み状態を示す斜視図。
【図25】同2階のスラブ部本体型の施工状態を示す斜
視図。
【図26】同2階の廊下用スラブ部形成体型とバルコニ
ー用スラブ部形成体型の施工状態を示す斜視図。
【図27】スラブ型枠上への中空管の配置状態を示す平
面説明図。
【図28】下端筋ユニットの斜視図。
【図29】上端筋ユニットの斜視図。
【図30】中空管ユニットの斜視図。
【符号の説明】
A 建築構造物 1 土間部 2 桁壁部 3 耐震壁部 4 柱部 5 梁部 25 スラブ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04B 1/16 E04B 1/18 E04H 1/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スラブ部と、同スラブ部上に建込んで居
    住空間を形成する前後左右側の側壁部と、同側壁部によ
    り形成される角部にそれぞれ建込む柱部と、各柱部間に
    横架状に建込む梁部とを具備する建築構造物の構築方法
    であって、 側壁部としての耐震壁部の壁厚を150 〜250mm とし、同
    耐震壁部の上部に梁部を内蔵し、 柱部と梁部とを、側壁部により形成される居住空間の外
    部に配置することを特徴とする建築構造物の構築方法。
  2. 【請求項2】 スラブ部は、現場において、軽量コンク
    リートにより成形したスラブ型枠上に下端筋ユニットを
    配置し、その上に中空管ユニットを配置し、更にその上
    に上端筋ユニットを配置して、これらを互に接続した
    後、スラブ型枠内にコンクリートを打設し、同コンクリ
    ートを硬化させることを特徴とする請求項1記載の建築
    構造物の構築方法。
  3. 【請求項3】 側壁部としての桁壁部は、軽量コンクリ
    ートにより成形したものを使用することを特徴とする請
    求項1記載の建築構造物の構築方法。
  4. 【請求項4】 側壁部としての耐震壁部は、スラブ部上
    に軽量コンクリートにより成形した左右一対の側壁型を
    建込み、両側壁型間に側壁用鉄筋ユニットを配置すると
    共に、両側壁型間にコンクリートを打設して硬化させる
    ことにより形成することを特徴とする請求項1記載の建
    築構造物の構築方法。
  5. 【請求項5】 柱部は、軽量コンクリートにより成形し
    た柱型内に柱用鉄筋ユニットを配置すると共に、同柱型
    内にコンクリートを打設して硬化させることにより形成
    することを特徴とする請求項1記載の建築構造物の構築
    方法。
  6. 【請求項6】 梁部は、軽量コンクリートにより成形し
    た梁型内に、梁用鉄筋ユニットを配置すると共に、同梁
    型内にコンクリートを打設して硬化させることにより形
    成することを特徴とする請求項1記載の建築構造物の構
    築方法。
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