JP2975342B1 - 意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置 - Google Patents
意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置Info
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Abstract
【要約】
【課題】 内装材、外装材等の建材などとして有用な、
意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置
を提供する。 【解決手段】 コンベアベルト、特にネットコンベアベ
ルトの表面に、複数の脱着可能な樹脂又はゴム製の成形
型を取り付け、このコンベアベルトを回動させ、成形型
の表面に、順次、エラストマー原料を塗布し、このエラ
ストマー原料を、成形型と相対向して移送される亜鉛メ
ッキ鉄板等の基材と接触させ、これらを一体に移動させ
つつ、赤外線ヒータによって加熱し、エラストマー原料
を硬化させた後、脱型して意匠面を構成するエラストマ
ー層と基材とが、接着層を介することなく、直接接合さ
れた積層体を製造する。成形型及びエラストマー層を形
成するエラストマー原料としては、イソシアネートプレ
ポリマーとポリアミン成分とからなる速硬化型の原料を
用いることが好ましい。
意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置
を提供する。 【解決手段】 コンベアベルト、特にネットコンベアベ
ルトの表面に、複数の脱着可能な樹脂又はゴム製の成形
型を取り付け、このコンベアベルトを回動させ、成形型
の表面に、順次、エラストマー原料を塗布し、このエラ
ストマー原料を、成形型と相対向して移送される亜鉛メ
ッキ鉄板等の基材と接触させ、これらを一体に移動させ
つつ、赤外線ヒータによって加熱し、エラストマー原料
を硬化させた後、脱型して意匠面を構成するエラストマ
ー層と基材とが、接着層を介することなく、直接接合さ
れた積層体を製造する。成形型及びエラストマー層を形
成するエラストマー原料としては、イソシアネートプレ
ポリマーとポリアミン成分とからなる速硬化型の原料を
用いることが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、亜鉛メッキ鉄板、
ベニア合板等の基材と、意匠面を構成するポリウレタン
エラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー層
とを備える積層体に関し、意匠面を構成するポリウレタ
ンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー
層の形成と、このエラストマー層と基材との接合を、一
工程で行うことができる意匠面を有する積層体の製造方
法、この方法により製造され、レンガ調等、凹凸感に優
れ、内装材、外装材等の建材などとして使用することが
できる、意匠面を有する積層体並びにこの積層体の製造
装置に関する。この製造方法及び製造装置によれば、接
着剤などを要することなく、基材とエラストマー層とを
直接強固に接合することができる。
ベニア合板等の基材と、意匠面を構成するポリウレタン
エラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー層
とを備える積層体に関し、意匠面を構成するポリウレタ
ンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー
層の形成と、このエラストマー層と基材との接合を、一
工程で行うことができる意匠面を有する積層体の製造方
法、この方法により製造され、レンガ調等、凹凸感に優
れ、内装材、外装材等の建材などとして使用することが
できる、意匠面を有する積層体並びにこの積層体の製造
装置に関する。この製造方法及び製造装置によれば、接
着剤などを要することなく、基材とエラストマー層とを
直接強固に接合することができる。
【0002】
【従来の技術】壁材等として用いられる亜鉛メッキ鉄
板、ベニア合板、石膏ボード等の表面には、ポリ塩化ビ
ニル等からなるクロス材がゴム系接着剤などによって貼
着されている。このクロス材が貼着された亜鉛メッキ鉄
板などは、そのまま壁材等として使用され、或いはその
表面に直接クロス材を貼着することができないコンクリ
ート壁などに接合されて用いられる。クロス材は一般に
カレンダー加工によって製造され、接着剤等によって亜
鉛メッキ鉄板などに貼着されている。従来は、このよう
にクロス材を貼着するための後工程を必要とし、しか
も、クロス材がベニア合板等の基材から剥離したり、基
材とクロス材との間に空隙を生ずる等、問題がある。ま
た、このクロス材の意匠面はカレンダーロールによる転
写により形成されているため、立体感のある優れた意匠
性を有する内装材、外装材などを得ることは容易ではな
い。
板、ベニア合板、石膏ボード等の表面には、ポリ塩化ビ
ニル等からなるクロス材がゴム系接着剤などによって貼
着されている。このクロス材が貼着された亜鉛メッキ鉄
板などは、そのまま壁材等として使用され、或いはその
表面に直接クロス材を貼着することができないコンクリ
ート壁などに接合されて用いられる。クロス材は一般に
カレンダー加工によって製造され、接着剤等によって亜
鉛メッキ鉄板などに貼着されている。従来は、このよう
にクロス材を貼着するための後工程を必要とし、しか
も、クロス材がベニア合板等の基材から剥離したり、基
材とクロス材との間に空隙を生ずる等、問題がある。ま
た、このクロス材の意匠面はカレンダーロールによる転
写により形成されているため、立体感のある優れた意匠
性を有する内装材、外装材などを得ることは容易ではな
い。
【0003】一方、建築用の内装材、外装材などに用い
られる装飾用シートを、所定寸法の成形型を用いて製造
する方法も知られている。しかし、この成形型を使用し
た従来の方法では、原料の塗布、硬化、脱型に相当の時
間を要し、必ずしも生産性が高いとはいえない。また、
多数の成形型を用意し、順次、成形すれば、量産も可能
ではあるが、成形型の作製に要するコストを回収するこ
とができるほどに生産性を向上させることは容易ではな
い。更に、この装飾用シートの場合も、亜鉛メッキ鉄板
等との接着工程が必要であり、シートの剥離等、クロス
材の場合と同様の問題もある。また、成形型への原料の
塗布及び脱型などの作業は人手によることが多く、装飾
用シートの厚さがばらつく等、必ずしも均質な製品を得
ることができないとの問題もある。
られる装飾用シートを、所定寸法の成形型を用いて製造
する方法も知られている。しかし、この成形型を使用し
た従来の方法では、原料の塗布、硬化、脱型に相当の時
間を要し、必ずしも生産性が高いとはいえない。また、
多数の成形型を用意し、順次、成形すれば、量産も可能
ではあるが、成形型の作製に要するコストを回収するこ
とができるほどに生産性を向上させることは容易ではな
い。更に、この装飾用シートの場合も、亜鉛メッキ鉄板
等との接着工程が必要であり、シートの剥離等、クロス
材の場合と同様の問題もある。また、成形型への原料の
塗布及び脱型などの作業は人手によることが多く、装飾
用シートの厚さがばらつく等、必ずしも均質な製品を得
ることができないとの問題もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
を解決するものであり、エラストマーからなる特定の成
形型を使用し、この軽量な成形型をコンベアベルトの表
面に取り付け、コンベアベルトを回動させ、且つ基材を
移動させつつ、原料の供給、硬化、基材との接合を行
い、その後、脱型することにより、接着剤等を使用する
ことなく、少量多品種の積層体を効率よく、連続的に製
造する方法、この方法により製造された、接着剤等を用
いることなく基材に直接エラストマー層を接合させた、
意匠面を有する積層体、及び上記製造方法に用いられる
装置を提供することを目的とする。
を解決するものであり、エラストマーからなる特定の成
形型を使用し、この軽量な成形型をコンベアベルトの表
面に取り付け、コンベアベルトを回動させ、且つ基材を
移動させつつ、原料の供給、硬化、基材との接合を行
い、その後、脱型することにより、接着剤等を使用する
ことなく、少量多品種の積層体を効率よく、連続的に製
造する方法、この方法により製造された、接着剤等を用
いることなく基材に直接エラストマー層を接合させた、
意匠面を有する積層体、及び上記製造方法に用いられる
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】第1発明の意匠性を有す
る積層体の製造方法は、コンベアベルトの表面に、複数
の脱着可能な樹脂又はゴム製の成形型を取り付け、上記
コンベアベルトを回動させつつ、上記成形型に、順次、
エラストマー原料を塗布し、その後、上記成形型と相対
向して移送される基材の表面と、上記エラストマー原料
とを接触させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させ
てポリウレタンエラストマー層又はポリウレタンウレア
エラストマー層を形成するとともに、該エラストマー層
を上記基材に接合させ、その後、該エラストマー層を上
記成形型から脱型することを特徴とする。
る積層体の製造方法は、コンベアベルトの表面に、複数
の脱着可能な樹脂又はゴム製の成形型を取り付け、上記
コンベアベルトを回動させつつ、上記成形型に、順次、
エラストマー原料を塗布し、その後、上記成形型と相対
向して移送される基材の表面と、上記エラストマー原料
とを接触させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させ
てポリウレタンエラストマー層又はポリウレタンウレア
エラストマー層を形成するとともに、該エラストマー層
を上記基材に接合させ、その後、該エラストマー層を上
記成形型から脱型することを特徴とする。
【0006】また、第2発明の意匠面を有する積層体の
製造方法は、移動しつつある基材の表面にエラストマー
原料を供給し、その後、回動するコンベアベルトの表面
に取り付けられ、上記基材と相対向して移動する複数の
脱着可能な樹脂又はゴム製の成形型を、上記エラストマ
ー原料と接触させて、該成形型に該エラストマー原料を
充填させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させてポ
リウレタンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラ
ストマー層を形成するとともに、該エラストマー層を上
記基材に接合させ、その後、該エラストマー層を上記成
形型から脱型することを特徴とする。
製造方法は、移動しつつある基材の表面にエラストマー
原料を供給し、その後、回動するコンベアベルトの表面
に取り付けられ、上記基材と相対向して移動する複数の
脱着可能な樹脂又はゴム製の成形型を、上記エラストマ
ー原料と接触させて、該成形型に該エラストマー原料を
充填させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させてポ
リウレタンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラ
ストマー層を形成するとともに、該エラストマー層を上
記基材に接合させ、その後、該エラストマー層を上記成
形型から脱型することを特徴とする。
【0007】 上記「基材」としては、亜鉛メッキ鉄板、
ベニア合板、石膏ボード及びOSB板等、建築用の内装
材、外装材などとして一般に使用されているものを用い
ることができる。また、上記「ポリウレタンエラストマ
ー層又はポリウレタンウレアエラストマー層」は、常温
から80℃程度、特に70℃以下、更には60℃以下で
速やかに硬化するエラストマー原料を用いて形成するこ
とが好ましい。そのようなエラストマー原料としては、
ポリイソシアネートとポリオールとを主原料とするもの
が挙げられ、ポリウレタンエラストマー層が形成され
る。更に、ポリイソシアネートとポリアミン或いはポリ
エーテルポリオールの末端にアミノ基を導入して変性し
たアミン変性ポリオールを主原料とすれば、ポリウレタ
ンウレアエラストマー層が形成される。
ベニア合板、石膏ボード及びOSB板等、建築用の内装
材、外装材などとして一般に使用されているものを用い
ることができる。また、上記「ポリウレタンエラストマ
ー層又はポリウレタンウレアエラストマー層」は、常温
から80℃程度、特に70℃以下、更には60℃以下で
速やかに硬化するエラストマー原料を用いて形成するこ
とが好ましい。そのようなエラストマー原料としては、
ポリイソシアネートとポリオールとを主原料とするもの
が挙げられ、ポリウレタンエラストマー層が形成され
る。更に、ポリイソシアネートとポリアミン或いはポリ
エーテルポリオールの末端にアミノ基を導入して変性し
たアミン変性ポリオールを主原料とすれば、ポリウレタ
ンウレアエラストマー層が形成される。
【0008】 これらのエラストマー原料は各種の基材と
の接着性に優れ、形成されるポリウレタンエラストマー
層又はポリウレタンウレアエラストマー層は、接着層を
要することなく基材と「直接」、強固に「接合」され
る。また、エラストマー層は無発泡体であってもよい
し、発泡体、特に、低発泡の発泡体であってもよいが、
適度に発泡したエラストマー層とすれば、少量のエラス
トマー原料によって凹凸感に優れた意匠面を容易に形成
することができる。また、発泡体とすることによって、
基材との接着性をより向上させることもでき、得られる
積層体の軽量化のうえでも有利である。
の接着性に優れ、形成されるポリウレタンエラストマー
層又はポリウレタンウレアエラストマー層は、接着層を
要することなく基材と「直接」、強固に「接合」され
る。また、エラストマー層は無発泡体であってもよい
し、発泡体、特に、低発泡の発泡体であってもよいが、
適度に発泡したエラストマー層とすれば、少量のエラス
トマー原料によって凹凸感に優れた意匠面を容易に形成
することができる。また、発泡体とすることによって、
基材との接着性をより向上させることもでき、得られる
積層体の軽量化のうえでも有利である。
【0009】
第5発明の意匠面を有する積層体は、第1
発明または第2発明の方法により製造されたものであ
る。
発明または第2発明の方法により製造されたものであ
る。
【0010】更に、第6発明の意匠面を有する積層体の
製造装置は、複数のロール、該ロールの周面に接して回
動するコンベアベルト、該コンベアベルトの表面に脱着
可能に取り付けられる樹脂又はゴム製の成形型、該成形
型に充填されるエラストマー原料を供給するための原料
供給装置、その一面に該エラストマー原料が接触され、
接合される基材を移送するための搬送手段、及び上記エ
ラストマー原料が硬化してなるポリウレタンエラストマ
ー層又はポリウレタンウレアエラストマー層を、上記成
形型から脱型するための脱型手段、を備えることを特徴
とする。
製造装置は、複数のロール、該ロールの周面に接して回
動するコンベアベルト、該コンベアベルトの表面に脱着
可能に取り付けられる樹脂又はゴム製の成形型、該成形
型に充填されるエラストマー原料を供給するための原料
供給装置、その一面に該エラストマー原料が接触され、
接合される基材を移送するための搬送手段、及び上記エ
ラストマー原料が硬化してなるポリウレタンエラストマ
ー層又はポリウレタンウレアエラストマー層を、上記成
形型から脱型するための脱型手段、を備えることを特徴
とする。
【0011】上記「コンベアベルト」は、その表面に成
形型を取り付け、固定することができ、且つこのコンベ
アベルトが回動した場合に、この成形型を安定して保持
することができるものであれば、その材質、構造等は特
に限定されない。しかし、第7発明のように、網状チェ
ーンコンベアベルト、所謂、ネットコンベアベルトが、
成形型を脱着し易いという点で好ましい。このネットコ
ンベアベルトは、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体等の樹脂、或いは各種のゴ
ムなどによって構成される。また、その長さ、幅及び厚
さは、積層体の寸法によって適宜のものとすることがで
きる。このコンベアベルトの表面に複数の成形型を取り
付け、固定し、コンベアベルトを回動させ、且つ基材を
移送させつつ、エラストマー原料の供給、硬化及び脱型
を連続的に行うことにより、意匠面を有する積層体を容
易に、且つ効率よく製造することができる。
形型を取り付け、固定することができ、且つこのコンベ
アベルトが回動した場合に、この成形型を安定して保持
することができるものであれば、その材質、構造等は特
に限定されない。しかし、第7発明のように、網状チェ
ーンコンベアベルト、所謂、ネットコンベアベルトが、
成形型を脱着し易いという点で好ましい。このネットコ
ンベアベルトは、ポリエチレン、アクリロニトリル−ブ
タジエン−スチレン共重合体等の樹脂、或いは各種のゴ
ムなどによって構成される。また、その長さ、幅及び厚
さは、積層体の寸法によって適宜のものとすることがで
きる。このコンベアベルトの表面に複数の成形型を取り
付け、固定し、コンベアベルトを回動させ、且つ基材を
移送させつつ、エラストマー原料の供給、硬化及び脱型
を連続的に行うことにより、意匠面を有する積層体を容
易に、且つ効率よく製造することができる。
【0012】コンベアベルトの表面に成形型を取り付け
る方法は、成形型がコンベアベルトに確実に固定され、
コンベアベルトの回動にともなって揺動したり、脱落し
たりすることのない限り、特に限定はされない。この取
り付けの手段としては、インシュロック及びボルト、ナ
ット等が挙げられ、いずれの方法であっても、成形型を
容易に、且つ確実に取り付けることができる。
る方法は、成形型がコンベアベルトに確実に固定され、
コンベアベルトの回動にともなって揺動したり、脱落し
たりすることのない限り、特に限定はされない。この取
り付けの手段としては、インシュロック及びボルト、ナ
ット等が挙げられ、いずれの方法であっても、成形型を
容易に、且つ確実に取り付けることができる。
【0013】コンベアベルトに取り付ける成形型の個数
は、コンベアベルトの長さ及び成形型の寸法等にもよる
ため、特定することはできない。このように取り付ける
個数は特定できないが、より効率よく積層体を製造する
ためには、成形型を、コンベアベルトの全周に渡って大
きな間隔をおかずに取り付けることが好ましい。また、
少なくとも一枚の亜鉛メッキ鉄板等、基材の長さと略同
じ長さの意匠面を備える成形型とし、この成形型の意匠
面と対向させて基材を供給すれば、エラストマー層が接
合された積層体を効率よく得ることができる。更に、同
じ意匠面を備える成形型、或いは異なった意匠面を有す
る成形型を、コンベアベルトの回動方向にほとんど隙間
なく取り付け、固定し、これらの意匠面と対向させて基
材を移送させれば、同じ意匠面を有する、或いは異なっ
た意匠面を有する複数の積層体を容易に、且つ効率よく
製造することができる。
は、コンベアベルトの長さ及び成形型の寸法等にもよる
ため、特定することはできない。このように取り付ける
個数は特定できないが、より効率よく積層体を製造する
ためには、成形型を、コンベアベルトの全周に渡って大
きな間隔をおかずに取り付けることが好ましい。また、
少なくとも一枚の亜鉛メッキ鉄板等、基材の長さと略同
じ長さの意匠面を備える成形型とし、この成形型の意匠
面と対向させて基材を供給すれば、エラストマー層が接
合された積層体を効率よく得ることができる。更に、同
じ意匠面を備える成形型、或いは異なった意匠面を有す
る成形型を、コンベアベルトの回動方向にほとんど隙間
なく取り付け、固定し、これらの意匠面と対向させて基
材を移送させれば、同じ意匠面を有する、或いは異なっ
た意匠面を有する複数の積層体を容易に、且つ効率よく
製造することができる。
【0014】尚、コンベアベルトはロールの周面に接し
て回動するが、成形型がこのロールの周面に対応する位
置にきた場合、成形型に回動方向の引っ張り力が加わる
ことになる。そのため、そのような位置において相隣る
成形型の間隙が変化し得るように、成形型は回動方向に
僅かに移動可能なように間隔をおいて取り付けることが
好ましい。
て回動するが、成形型がこのロールの周面に対応する位
置にきた場合、成形型に回動方向の引っ張り力が加わる
ことになる。そのため、そのような位置において相隣る
成形型の間隙が変化し得るように、成形型は回動方向に
僅かに移動可能なように間隔をおいて取り付けることが
好ましい。
【0015】また、成形型は、意匠面を有する積層体の
所望の意匠面等によって容易に取り替えることができ
る、即ち、「脱着可能」でなければならず、接着剤等に
よって強固に接合するような方法は好ましくない。成形
型を脱着可能な方法によってコンベアベルトの表面に取
り付け、固定するようにすれば、少量多品種の積層体の
製造にも容易に対応することができる。
所望の意匠面等によって容易に取り替えることができ
る、即ち、「脱着可能」でなければならず、接着剤等に
よって強固に接合するような方法は好ましくない。成形
型を脱着可能な方法によってコンベアベルトの表面に取
り付け、固定するようにすれば、少量多品種の積層体の
製造にも容易に対応することができる。
【0016】上記「成形型」は、積層体の表面に接合さ
れたエラストマー層の脱型時等に変形或いは損傷しない
程度の強度を有し、且つ軽量であることが好ましい。こ
のような成形型としては、第3発明のように、エラスト
マーからなるものを使用することが好ましい。この成形
型は、母型の表面にエラストマー原料を塗布し、硬化さ
せた後、母型から脱型することにより作製することがで
きる。このエラストマー原料は、吹き付け等の方法によ
って母型に塗布し、塗膜を形成させ、その後、硬化させ
ることができるようなものであれば特に限定はされな
い。また、この成形型を構成するエラストマーは、第4
発明のように、無発泡体であることが好ましいが、発泡
体であってもよい。発泡体である場合は、低発泡体であ
ることが好ましい。
れたエラストマー層の脱型時等に変形或いは損傷しない
程度の強度を有し、且つ軽量であることが好ましい。こ
のような成形型としては、第3発明のように、エラスト
マーからなるものを使用することが好ましい。この成形
型は、母型の表面にエラストマー原料を塗布し、硬化さ
せた後、母型から脱型することにより作製することがで
きる。このエラストマー原料は、吹き付け等の方法によ
って母型に塗布し、塗膜を形成させ、その後、硬化させ
ることができるようなものであれば特に限定はされな
い。また、この成形型を構成するエラストマーは、第4
発明のように、無発泡体であることが好ましいが、発泡
体であってもよい。発泡体である場合は、低発泡体であ
ることが好ましい。
【0017】このエラストマーとしては、積層体に接合
されるポリウレタンエラストマー層又はポリウレタンウ
レアエラストマー層を構成するエラストマーと同様のも
のを使用することができる。即ち、ポリイソシアネート
とポリオールとを反応させて得られるポリウレタンエラ
ストマー、ポリイソソシアネートとポリアミン等とを反
応させて得られるポリウレタンウレアエラストマーなど
が挙げられる。特に、ポリイソソシアネートとポリオー
ル成分或いはポリアミン成分とを母型に吹き付け、混合
し、反応させることによって、速やかに硬化する速硬化
型のエラストマー原料を使用することが好ましい。短時
間のうちに、効率よく作業を行うためには、この速硬化
型の原料の硬化時間は5秒〜10分、特に5秒〜3分、
更には5秒〜2分であることが好ましい。
されるポリウレタンエラストマー層又はポリウレタンウ
レアエラストマー層を構成するエラストマーと同様のも
のを使用することができる。即ち、ポリイソシアネート
とポリオールとを反応させて得られるポリウレタンエラ
ストマー、ポリイソソシアネートとポリアミン等とを反
応させて得られるポリウレタンウレアエラストマーなど
が挙げられる。特に、ポリイソソシアネートとポリオー
ル成分或いはポリアミン成分とを母型に吹き付け、混合
し、反応させることによって、速やかに硬化する速硬化
型のエラストマー原料を使用することが好ましい。短時
間のうちに、効率よく作業を行うためには、この速硬化
型の原料の硬化時間は5秒〜10分、特に5秒〜3分、
更には5秒〜2分であることが好ましい。
【0018】また、このエラストマーは母型を型取りし
た意匠面を構成するものであり、母型から脱型する際
に、成形型の表面形状が変形等するものであってはなら
ない。そのため、エラストマーのショアD硬度は、第4
発明のように、15〜60、特に30〜40であること
が好ましい。更に、エラストマーの引張強度は4MPa
以上、特に6〜18MPa、更には8〜18MPa、伸
びは100%以上、特に400%以上であることが好ま
しい。このような硬度及び引張強度、伸びを有するエラ
ストマーであれば、成形型を母型から容易に脱型するこ
とができ、且つ母型を精巧に型取った美麗な意匠面を備
える成形型とすることができる。
た意匠面を構成するものであり、母型から脱型する際
に、成形型の表面形状が変形等するものであってはなら
ない。そのため、エラストマーのショアD硬度は、第4
発明のように、15〜60、特に30〜40であること
が好ましい。更に、エラストマーの引張強度は4MPa
以上、特に6〜18MPa、更には8〜18MPa、伸
びは100%以上、特に400%以上であることが好ま
しい。このような硬度及び引張強度、伸びを有するエラ
ストマーであれば、成形型を母型から容易に脱型するこ
とができ、且つ母型を精巧に型取った美麗な意匠面を備
える成形型とすることができる。
【0019】母型の表面に塗布されるエラストマー原料
により形成される塗膜の厚さは特定されないが、硬化後
の成形型の厚さが1〜10mm、特に2〜5mmとなる
ように塗布することが好ましい。この塗膜の厚さが1m
m未満である場合は、母型から脱型する際に破損した
り、脱型し難くなることがあるとともに、凹凸感に優れ
た意匠面とすることが容易ではない。一方、塗膜の厚さ
は5mmであれば十分であり、これ以上の厚さとした場
合は、成形型の剛性が高くなって、容易に変形させるこ
とができなくなることもあり、好ましくない。このエラ
ストマーからなる成形型は硬度が大きく、母型の表面形
状を精巧に型取ることができ、且つ母型から容易に脱型
することができる。
により形成される塗膜の厚さは特定されないが、硬化後
の成形型の厚さが1〜10mm、特に2〜5mmとなる
ように塗布することが好ましい。この塗膜の厚さが1m
m未満である場合は、母型から脱型する際に破損した
り、脱型し難くなることがあるとともに、凹凸感に優れ
た意匠面とすることが容易ではない。一方、塗膜の厚さ
は5mmであれば十分であり、これ以上の厚さとした場
合は、成形型の剛性が高くなって、容易に変形させるこ
とができなくなることもあり、好ましくない。このエラ
ストマーからなる成形型は硬度が大きく、母型の表面形
状を精巧に型取ることができ、且つ母型から容易に脱型
することができる。
【0020】尚、成形型の母型の表面からの剥離を容易
にするため、離型剤を用いることもできる。この離型剤
としては、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等、
汎用のものをそのまま用いることができる。また、離型
剤は母型の全表面に塗布してもよいし、複雑な形状であ
って、精巧な型取りが容易ではない部位等に限定して塗
布してもよい。
にするため、離型剤を用いることもできる。この離型剤
としては、シリコーン系離型剤、ワックス系離型剤等、
汎用のものをそのまま用いることができる。また、離型
剤は母型の全表面に塗布してもよいし、複雑な形状であ
って、精巧な型取りが容易ではない部位等に限定して塗
布してもよい。
【0021】更に、この成形型は、母型の表面を平滑層
によって覆った後、作製することもできる。この方法で
は、先ず、母型の表面に無発泡のエラストマー原料或い
は樹脂原料を塗布し、硬化させて平滑層を形成する。そ
の後、この平滑層の表面にエラストマー原料を塗布し、
硬化させて成形型を作製する。次いで、成形型を母型の
表面に形成された平滑層から剥離させ、脱型することに
よって成形型を得ることができる。
によって覆った後、作製することもできる。この方法で
は、先ず、母型の表面に無発泡のエラストマー原料或い
は樹脂原料を塗布し、硬化させて平滑層を形成する。そ
の後、この平滑層の表面にエラストマー原料を塗布し、
硬化させて成形型を作製する。次いで、成形型を母型の
表面に形成された平滑層から剥離させ、脱型することに
よって成形型を得ることができる。
【0022】この平滑層は、母型の表面を被覆する皮膜
であり、母型の表面の意匠形状以外の微細な凹凸を平滑
化させ、成形型の脱型を容易にするためのものである。
平滑層を形成する原料としては、無発泡エラストマー原
料のみならず、無発泡樹脂原料を使用することもでき
る。無発泡エラストマー原料としては、成形型を作製す
るためのエラストマー原料と同様のものを用いることが
できる。また、無発泡樹脂原料を使用した場合は、平滑
層は樹脂からなる硬い皮膜となるが、成形型の作製にお
いては何ら問題とはならない。この樹脂としては、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等が挙げられる。
であり、母型の表面の意匠形状以外の微細な凹凸を平滑
化させ、成形型の脱型を容易にするためのものである。
平滑層を形成する原料としては、無発泡エラストマー原
料のみならず、無発泡樹脂原料を使用することもでき
る。無発泡エラストマー原料としては、成形型を作製す
るためのエラストマー原料と同様のものを用いることが
できる。また、無発泡樹脂原料を使用した場合は、平滑
層は樹脂からなる硬い皮膜となるが、成形型の作製にお
いては何ら問題とはならない。この樹脂としては、不飽
和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポ
リプロピレン等が挙げられる。
【0023】平滑層の厚さは50〜500μm、特に1
00〜200μmとすることが好ましい。この厚さが5
0μm未満の場合は、成形型を脱型する際に平滑層が破
損し易い。一方、平滑層の厚さは500μmであれば十
分であり、これ以上の厚さにする必要はない。また、母
型の表面の場合と同様に、この平滑層の表面に離型剤を
塗布し、より脱型し易くすることもできる。
00〜200μmとすることが好ましい。この厚さが5
0μm未満の場合は、成形型を脱型する際に平滑層が破
損し易い。一方、平滑層の厚さは500μmであれば十
分であり、これ以上の厚さにする必要はない。また、母
型の表面の場合と同様に、この平滑層の表面に離型剤を
塗布し、より脱型し易くすることもできる。
【0024】第1及び第2発明において、ポリウレタン
エラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー層
を形成するための上記「エラストマー原料」としては、
粘度が低く、且つ短時間のうちに硬化するものが好まし
い。粘度が低く、短時間で硬化するエラストマー原料で
あれば、コンベアベルトの回動速度及び基材の移送速度
を大きくしても、成形型に十分な量を塗布、或いは充填
させることができ、また、硬化も十分に進んで、成形型
からのエラストマー層の脱型も容易となる。更に、エラ
ストマー層が基材に十分な強度でもって接合され、経時
とともにエラストマー層が剥離することもない。
エラストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー層
を形成するための上記「エラストマー原料」としては、
粘度が低く、且つ短時間のうちに硬化するものが好まし
い。粘度が低く、短時間で硬化するエラストマー原料で
あれば、コンベアベルトの回動速度及び基材の移送速度
を大きくしても、成形型に十分な量を塗布、或いは充填
させることができ、また、硬化も十分に進んで、成形型
からのエラストマー層の脱型も容易となる。更に、エラ
ストマー層が基材に十分な強度でもって接合され、経時
とともにエラストマー層が剥離することもない。
【0025】尚、エラストマー原料を成形型に供給する
方法としては、第1発明では、スプレーガン等を用いた
吹き付け工法が好ましい。特に、自動化された装置によ
るスプレー工法であれば、厚さのばらつきのない均質な
エラストマー層を容易に形成することができる。また、
第2発明では、基材の表面にエラストマー原料を均一に
供給することができる限り、ポアガン等、どのような供
給装置であっても使用することができる。
方法としては、第1発明では、スプレーガン等を用いた
吹き付け工法が好ましい。特に、自動化された装置によ
るスプレー工法であれば、厚さのばらつきのない均質な
エラストマー層を容易に形成することができる。また、
第2発明では、基材の表面にエラストマー原料を均一に
供給することができる限り、ポアガン等、どのような供
給装置であっても使用することができる。
【0026】スプレー工法は、粘度が低く、混合後、速
やかに硬化するポリイソシアネートとポリアミン成分と
を主成分とするポリウレタンウレアエラストマー原料を
使用する場合に、特に好ましい。このポリイソシアネー
トとしては、イソシアネート末端のプレポリマーが好適
である。プレポリマーはポリエーテル系、ポリエステル
系のいずれも使用することができる。また、第1及び第
2発明において、コンベアベルトの移動速度を、例え
ば、4m/分以上と大きくし、より効率よく積層体を製
造するためには、エラストマー原料は短時間のうちに完
全に硬化するものである必要がある。このエラストマー
原料の硬化時間は5秒〜10分、特に5秒〜3分である
ことが好ましい。尚、加熱することにより、硬化を促進
すれば、より硬化時間の長いエラストマー原料であって
も使用することができる。
やかに硬化するポリイソシアネートとポリアミン成分と
を主成分とするポリウレタンウレアエラストマー原料を
使用する場合に、特に好ましい。このポリイソシアネー
トとしては、イソシアネート末端のプレポリマーが好適
である。プレポリマーはポリエーテル系、ポリエステル
系のいずれも使用することができる。また、第1及び第
2発明において、コンベアベルトの移動速度を、例え
ば、4m/分以上と大きくし、より効率よく積層体を製
造するためには、エラストマー原料は短時間のうちに完
全に硬化するものである必要がある。このエラストマー
原料の硬化時間は5秒〜10分、特に5秒〜3分である
ことが好ましい。尚、加熱することにより、硬化を促進
すれば、より硬化時間の長いエラストマー原料であって
も使用することができる。
【0027】ポリウレタンエラストマー等は無発泡であ
っても発泡したものであってもよいが、速硬化型のエラ
ストマー原料を用いた場合、通常、無発泡或いは独泡型
の低発泡のエラストマーとなる。この無発泡及び独泡型
の低発泡エラストマーはいずれも強度が大きく、耐候性
にも優れ、且つ基材に十分な強度でもって接合されたエ
ラストマー層を形成することができる。このエラストマ
ーのJIS K 6301による引張強度は、50〜2
30kg/cm2、特に60〜200kg/cm2、伸び
は100〜800%、特に400〜700%であること
が好ましい。また、JIS K 7311によるショア
D硬度は、20〜60、特に30〜50であることが好
ましい。エラストマーの引張強度、伸び及び硬さがこの
範囲であれば、外部からの衝撃等によってエラストマー
層が容易に損傷を受けるようなことがない。
っても発泡したものであってもよいが、速硬化型のエラ
ストマー原料を用いた場合、通常、無発泡或いは独泡型
の低発泡のエラストマーとなる。この無発泡及び独泡型
の低発泡エラストマーはいずれも強度が大きく、耐候性
にも優れ、且つ基材に十分な強度でもって接合されたエ
ラストマー層を形成することができる。このエラストマ
ーのJIS K 6301による引張強度は、50〜2
30kg/cm2、特に60〜200kg/cm2、伸び
は100〜800%、特に400〜700%であること
が好ましい。また、JIS K 7311によるショア
D硬度は、20〜60、特に30〜50であることが好
ましい。エラストマーの引張強度、伸び及び硬さがこの
範囲であれば、外部からの衝撃等によってエラストマー
層が容易に損傷を受けるようなことがない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、実施例によって本発明の意
匠面を有する積層体の製造方法及び製造装置について詳
しく説明する。 (1)成形型の作製 杉木目調又はレンガ調の意匠面を有する母型の表面に、
速硬化型ポリウレタンウレア原料(株式会社イノアック
コーポレーション製、商品名「ISC−SS」、イソシ
アネートプレポリマーとポリアミン成分とからなる原
料)を3mmの厚さになるように、高圧スプレー機及び
スプレーガンによって吹き付け、2分間養生させてエラ
ストマーからなる成形型を作製し、母型から脱型した。
使用した高圧スプレー機は、ガスマー社製(型式「H−
3500」)であり、吐出圧は120kg/cm2とし
た。また、スプレーガンも、ガスマー社製(型式「GX
−7−400」)であり、吐出量は3.6kg/分とし
た。
匠面を有する積層体の製造方法及び製造装置について詳
しく説明する。 (1)成形型の作製 杉木目調又はレンガ調の意匠面を有する母型の表面に、
速硬化型ポリウレタンウレア原料(株式会社イノアック
コーポレーション製、商品名「ISC−SS」、イソシ
アネートプレポリマーとポリアミン成分とからなる原
料)を3mmの厚さになるように、高圧スプレー機及び
スプレーガンによって吹き付け、2分間養生させてエラ
ストマーからなる成形型を作製し、母型から脱型した。
使用した高圧スプレー機は、ガスマー社製(型式「H−
3500」)であり、吐出圧は120kg/cm2とし
た。また、スプレーガンも、ガスマー社製(型式「GX
−7−400」)であり、吐出量は3.6kg/分とし
た。
【0029】得られた成形型の長さは2.5m、幅は
1.2m(意匠面の長さは2m、幅は1mである。)で
あり、厚さは3mmであった。また、この成形型の表面
には損傷はみられず、且つその表面に意匠以外の凹凸等
はみられなかった。更に、この成形型の密度は950k
g/m3であって、適度な柔軟性を有し、重量は6.2
kgであって、非常に軽量な成形型であった。また、こ
の成形型はスプレー工法によって作製したが、この工法
によれば、加工、成形が極めて容易であるとともに、全
工程の所要時間が60〜90分と非常に短時間のうちに
成形型を作製することができた。
1.2m(意匠面の長さは2m、幅は1mである。)で
あり、厚さは3mmであった。また、この成形型の表面
には損傷はみられず、且つその表面に意匠以外の凹凸等
はみられなかった。更に、この成形型の密度は950k
g/m3であって、適度な柔軟性を有し、重量は6.2
kgであって、非常に軽量な成形型であった。また、こ
の成形型はスプレー工法によって作製したが、この工法
によれば、加工、成形が極めて容易であるとともに、全
工程の所要時間が60〜90分と非常に短時間のうちに
成形型を作製することができた。
【0030】(2)意匠面を有する積層体の製造 図1及び図2は、この実施例において、意匠面を有する
積層体の製造に用いた装置及び工程の概略を示す模式図
である。以下、図1の装置によって、基材11として亜
鉛メッキ鉄板を使用した場合について説明するが、図2
のように、エラストマー原料をポアガンを備える原料供
給用ロボット8によって基材の表面に供給した場合、及
び基材11としてベニア合板を用いた場合にも、同様に
凹凸感に優れ、且つ美麗な意匠面を有する積層体1を得
ることができた。
積層体の製造に用いた装置及び工程の概略を示す模式図
である。以下、図1の装置によって、基材11として亜
鉛メッキ鉄板を使用した場合について説明するが、図2
のように、エラストマー原料をポアガンを備える原料供
給用ロボット8によって基材の表面に供給した場合、及
び基材11としてベニア合板を用いた場合にも、同様に
凹凸感に優れ、且つ美麗な意匠面を有する積層体1を得
ることができた。
【0031】コンベアベルト2はポリエチレン系の素材
からなるネットコンベアベルトであり、幅1.5m、長
さ12m、厚さ5mmである。このコンベアベルト2
は、3本のロール31、32及び33の周面に接して回
動しており、ロール31と33の中心間の距離は5mで
ある。コンベアベルト2の回動速度は、製造する積層体
1の寸法、使用する原料の種類等によって適宜に設定す
ればよいが、この実施例では4m/分とした。尚、この
回動速度は生産性の面からは4m/分以上にすることが
好ましい。
からなるネットコンベアベルトであり、幅1.5m、長
さ12m、厚さ5mmである。このコンベアベルト2
は、3本のロール31、32及び33の周面に接して回
動しており、ロール31と33の中心間の距離は5mで
ある。コンベアベルト2の回動速度は、製造する積層体
1の寸法、使用する原料の種類等によって適宜に設定す
ればよいが、この実施例では4m/分とした。尚、この
回動速度は生産性の面からは4m/分以上にすることが
好ましい。
【0032】コンベアベルト2の外周面には上記(1)
において作製した成形型4を複数個取り付ける。成形型
4の個数及び取り付ける間隔等は、成形型4の長さ、製
造する積層体1の所要数等によって適宜に設定すればよ
い。この実施例では、5個の成形型4を30cmの間隔
をおいて取り付けた。また、成形型4はボルト、ナット
によってコンベアベルト2に取り付けたが、成形型4の
揺動、脱落等はまったくなかった。
において作製した成形型4を複数個取り付ける。成形型
4の個数及び取り付ける間隔等は、成形型4の長さ、製
造する積層体1の所要数等によって適宜に設定すればよ
い。この実施例では、5個の成形型4を30cmの間隔
をおいて取り付けた。また、成形型4はボルト、ナット
によってコンベアベルト2に取り付けたが、成形型4の
揺動、脱落等はまったくなかった。
【0033】コンベアベルト2を回動させ、その外周面
に取り付けられた成形型4に、先ず、離型剤吹き付け機
5より離型剤を吹き付け、塗布した。この離型剤として
は、シリコーン系、ワックス系等の汎用のものを適宜用
いることができる。その後、離型剤が塗布された成形型
4の表面に、5軸の小型の原料吹き付けロボット7(フ
ァナック社製の型式LR1001相当機)によって、エ
ラストマー原料をスプレー塗布し、厚さ2mmの塗膜を
形成した。この実施例において使用したエラストマー原
料は、株式会社イノアックコーポレーション製、商品名
「ISC−S」であり、イソシアネート末端プレポリマ
ーとポリアミンとを主成分とするものである。このエラ
ストマー原料の吹き付け時の粘度は十分に低く、且つ短
時間で増粘が始まる原料であるため、均一な厚さの塗膜
を容易に形成することができた。
に取り付けられた成形型4に、先ず、離型剤吹き付け機
5より離型剤を吹き付け、塗布した。この離型剤として
は、シリコーン系、ワックス系等の汎用のものを適宜用
いることができる。その後、離型剤が塗布された成形型
4の表面に、5軸の小型の原料吹き付けロボット7(フ
ァナック社製の型式LR1001相当機)によって、エ
ラストマー原料をスプレー塗布し、厚さ2mmの塗膜を
形成した。この実施例において使用したエラストマー原
料は、株式会社イノアックコーポレーション製、商品名
「ISC−S」であり、イソシアネート末端プレポリマ
ーとポリアミンとを主成分とするものである。このエラ
ストマー原料の吹き付け時の粘度は十分に低く、且つ短
時間で増粘が始まる原料であるため、均一な厚さの塗膜
を容易に形成することができた。
【0034】次いで、エラストマー原料が塗布された成
形型4と相対向して移送される亜鉛メッキ鉄板11と、
エラストマー原料とを接触させ、成形型4、エラストマ
ー原料及び亜鉛鉄板11を、一体に移動させて、コンベ
アベルト2を介して配設された赤外線ヒータ6によって
加熱し、エラストマー原料を硬化させた。エラストマー
原料の温度は70℃であり、この温度に45秒間保つこ
とにより、エラストマー原料を十分に硬化させることが
できた。尚、この加熱温度は移動の速度を勘案し、エラ
ストマー原料の種類によって適宜に設定することができ
る。また、常温速硬化型のエラストマー原料であれば、
必ずしも加熱は必要ではない。
形型4と相対向して移送される亜鉛メッキ鉄板11と、
エラストマー原料とを接触させ、成形型4、エラストマ
ー原料及び亜鉛鉄板11を、一体に移動させて、コンベ
アベルト2を介して配設された赤外線ヒータ6によって
加熱し、エラストマー原料を硬化させた。エラストマー
原料の温度は70℃であり、この温度に45秒間保つこ
とにより、エラストマー原料を十分に硬化させることが
できた。尚、この加熱温度は移動の速度を勘案し、エラ
ストマー原料の種類によって適宜に設定することができ
る。また、常温速硬化型のエラストマー原料であれば、
必ずしも加熱は必要ではない。
【0035】エラストマー原料が硬化して形成されたエ
ラストマー層12は、ロール31の下部において成形型
4から脱型した。エラストマー層12は、成形型4との
界面に、脱型用エアブロー機9によって加圧空気を吹き
付けることによって容易に脱型することができた。得ら
れた意匠面を有する積層体1は、長さ2m、幅1m、厚
さ3.1mm(基材である亜鉛メッキ鉄板11の厚さ;
0.6mm、エラストマー層12の厚さ;2.5mm)
であり、凹凸感のある美麗な意匠面を有するものであっ
た。
ラストマー層12は、ロール31の下部において成形型
4から脱型した。エラストマー層12は、成形型4との
界面に、脱型用エアブロー機9によって加圧空気を吹き
付けることによって容易に脱型することができた。得ら
れた意匠面を有する積層体1は、長さ2m、幅1m、厚
さ3.1mm(基材である亜鉛メッキ鉄板11の厚さ;
0.6mm、エラストマー層12の厚さ;2.5mm)
であり、凹凸感のある美麗な意匠面を有するものであっ
た。
【0036】尚、本発明においては、上記の具体的な実
施の形態に示すものに限られず、目的、用途に応じて本
発明の範囲内で種々変更した実施の形態とすることがで
きる。即ち、エラストマー層は無色透明であってもよい
が、エラストマー原料に顔料等を配合し、所望の色調を
有する建材等とすることができる。
施の形態に示すものに限られず、目的、用途に応じて本
発明の範囲内で種々変更した実施の形態とすることがで
きる。即ち、エラストマー層は無色透明であってもよい
が、エラストマー原料に顔料等を配合し、所望の色調を
有する建材等とすることができる。
【0037】
【発明の効果】第1及び第2発明の意匠面を有する積層
体の製造方法によれば、建材等として有用な美麗な意匠
面を備える積層体を、容易に、且つ効率よく製造するこ
とができる。また、ポリウレタンエラストマー層又はポ
リウレタンウレアエラストマー層は凹凸感に優れた三次
元意匠面を有するものであって、且つ成形型からの転写
性が非常に優れたものである。この成形型はコンベアベ
ルトに容易に脱着することができ、少量多品種の積層体
の要求にも、容易に、且つ迅速に対応することができ
る。更に、意匠面がコンベアベルトの長さ方向に連なる
ように成形型を取り付け、固定すれば、積層体を連続し
て高い生産性でもって製造することもできる。また、第
3及び第4発明のように、エラストマーからなる成形型
とすれば、母型が1個あれば、多数の成形型を容易に作
製することができ、母型として現物を用いることもでき
る。
体の製造方法によれば、建材等として有用な美麗な意匠
面を備える積層体を、容易に、且つ効率よく製造するこ
とができる。また、ポリウレタンエラストマー層又はポ
リウレタンウレアエラストマー層は凹凸感に優れた三次
元意匠面を有するものであって、且つ成形型からの転写
性が非常に優れたものである。この成形型はコンベアベ
ルトに容易に脱着することができ、少量多品種の積層体
の要求にも、容易に、且つ迅速に対応することができ
る。更に、意匠面がコンベアベルトの長さ方向に連なる
ように成形型を取り付け、固定すれば、積層体を連続し
て高い生産性でもって製造することもできる。また、第
3及び第4発明のように、エラストマーからなる成形型
とすれば、母型が1個あれば、多数の成形型を容易に作
製することができ、母型として現物を用いることもでき
る。
【0039】更に、第6発明の意匠面を有する積層体の
製造装置によれば、建材等として有用な美麗な意匠面を
備える積層体を容易に製造することができ、特定の成形
型を取り付けて積層体を製造すれば、複数の積層体を連
続して効率よく製造することもできる。
製造装置によれば、建材等として有用な美麗な意匠面を
備える積層体を容易に製造することができ、特定の成形
型を取り付けて積層体を製造すれば、複数の積層体を連
続して効率よく製造することもできる。
【図1】意匠性を有する積層体の製造装置及び工程の概
略の一例を示す模式図である。
略の一例を示す模式図である。
【図2】意匠性を有する積層体の製造装置及び工程の概
略の他の例を示す模式図である。
略の他の例を示す模式図である。
1;意匠面を有する積層体、11;基材、12;エラス
トマー層、2;コンベアベルト、31、32、33;駆
動用ロール、4;成形型、5;離型剤吹き付け機、6;
赤外線ヒータ、7;原料吹き付けロボット、8;原料供
給用ロボット、9;脱型用エアブロー機。
トマー層、2;コンベアベルト、31、32、33;駆
動用ロール、4;成形型、5;離型剤吹き付け機、6;
赤外線ヒータ、7;原料吹き付けロボット、8;原料供
給用ロボット、9;脱型用エアブロー機。
Claims (7)
- 【請求項1】 コンベアベルトの表面に、複数の脱着可
能な樹脂又はゴム製の成形型を取り付け、上記コンベア
ベルトを回動させつつ、上記成形型に、順次、エラスト
マー原料を塗布し、その後、上記成形型と相対向して移
送される基材の表面と、上記エラストマー原料とを接触
させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させてポリウ
レタンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラスト
マー層を形成するとともに、該エラストマー層を上記基
材に接合させ、その後、該エラストマー層を上記成形型
から脱型することを特徴とする意匠面を有する積層体の
製造方法。 - 【請求項2】 移動しつつある基材の表面にエラストマ
ー原料を供給し、その後、回動するコンベアベルトの表
面に取り付けられ、上記基材と相対向して移動する複数
の脱着可能な樹脂又はゴム製の成形型を、上記エラスト
マー原料と接触させ、該成形型に該エラストマー原料を
充填させ、次いで、該エラストマー原料を硬化させてポ
リウレタンエラストマー層又はポリウレタンウレアエラ
ストマー層を形成するとともに、該エラストマー層を上
記基材に接合させ、その後、該エラストマー層を上記成
形型から脱型することを特徴とする意匠面を有する積層
体の製造方法。 - 【請求項3】 上記成形型がエラストマーからなる請求
項1又は2記載の意匠面を有する積層体の製造方法。 - 【請求項4】 上記エラストマーは無発泡であり、ショ
アD硬度が15〜60である請求項3記載の意匠面を有
する積層体の製造方法。 - 【請求項5】 請求項1又は2記載の方法により製造さ
れたことを特徴とする意匠面を有する積層体。 - 【請求項6】 複数のロール、 該ロールの周面に接して回動するコンベアベルト、 該コンベアベルトの表面に脱着可能に取り付けられる樹
脂又はゴム製の成形型、 該成形型に充填されるエラストマー原料を供給するため
の原料供給装置、 その一面に該エラストマー原料が接触され、接合される
基材を移送するための搬送手段、及び、 上記エラストマー原料が硬化してなるポリウレタンエラ
ストマー層又はポリウレタンウレアエラストマー層を上
記成形型から脱型するための脱型手段、 を備えることを特徴とする意匠面を有する積層体の製造
装置。 - 【請求項7】 上記コンベアベルトはネットコンベアベ
ルトである請求項6記載の意匠面を有する積層体の製造
装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15073798A JP2975342B1 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15073798A JP2975342B1 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2975342B1 true JP2975342B1 (ja) | 1999-11-10 |
JPH11320801A JPH11320801A (ja) | 1999-11-24 |
Family
ID=15503321
Family Applications (1)
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JP15073798A Expired - Fee Related JP2975342B1 (ja) | 1998-05-13 | 1998-05-13 | 意匠面を有する積層体及びその製造方法並びに製造装置 |
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JP (1) | JP2975342B1 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4494228B2 (ja) * | 2004-06-04 | 2010-06-30 | 菊水化学工業株式会社 | 模様付け材、模様付け具及び模様付け方法 |
-
1998
- 1998-05-13 JP JP15073798A patent/JP2975342B1/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
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JPH11320801A (ja) | 1999-11-24 |
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