JP2974701B2 - 熱可塑性エラストマー積層フィルム - Google Patents

熱可塑性エラストマー積層フィルム

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JP2974701B2
JP2974701B2 JP1333896A JP33389689A JP2974701B2 JP 2974701 B2 JP2974701 B2 JP 2974701B2 JP 1333896 A JP1333896 A JP 1333896A JP 33389689 A JP33389689 A JP 33389689A JP 2974701 B2 JP2974701 B2 JP 2974701B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の背景〕 <産業上の利用分野> 本発明は優れた伸縮性、耐熱クリープ性を有し、且
つ、ポリオレフィン樹脂との熱融着性を備えた熱可塑性
エラストマー積層フィルムに関する。更に詳しくは、ポ
リオレフィン系樹脂の袋等の開口部に2〜3倍に延伸し
た状態でヒートシールすることにより、開口部を容易に
開閉することができる。袋等を製造するのに好適な弾性
を備えた熱可塑性エラストマー積層フィルムに関する。
<従来の技術> 従来、熱可塑性エラストマーを一成分として使用した
積層体フィルムはいくつか提案されている。例えば特開
昭62−244635号公報にはポリプロピレンと熱可塑性ポリ
ウレタン弾性体との積層フィルムが開示されている。ま
た、特開昭56−117652号公報にはハイニトリル系共重合
樹脂と、熱可塑性ポリウレタン弾性体/変性ポリオレフ
ィン混合物とを積層した積層フィルムが開示されてい
る。更に、特開昭55−137964号公報には熱可塑性ポリエ
ステル樹脂と、熱可塑性ポリウレタン弾性体/変性ポリ
オレフィン混合物とを積層した積層フィルムが開示され
ている。
しかしながら、いづれの技術に於いても、熱可塑性エ
ラストマーと貼り合わされる他の材料がエラストマー材
料でないために得られる積層フィルムは剛性の高いもの
であって、本来のエラストマー材料自体が備えている性
能を充分活用しているとは言い難いものである。
一方、特開昭59−27935号および特開昭59−1561号の
各公報には接着性熱可塑性エラストマーとポリウレタン
発泡体との積層体が開示されているが、このような積層
体は弾性体としての機能を有しているが、発泡体層がか
なりの肉厚を必要としていることから、全体として肉厚
が大であるものであり、実際にはシートもしくは成型品
として使用されないものである。
<発明が解決しようとする課題> 従って、従来の技術では、例えばポリオレフィン系袋
等の自在開閉口部を製造するための弾性テープにて要求
されるポリオレフィン系樹脂との熱融着性を有し、且つ
優れた伸縮性と耐熱クリープ性を合わせ持つ弾性体積層
フィルムを得ることは不可能であった。
〔発明の概要〕
<要旨> 本発明者らは前記の課題を解決するために鋭意研究を
重ねた結果、熱可塑性エラストマーに接着性ポリマーを
ブレンドしたものがオレフィン系樹脂と良好な熱融着性
を有し、且つ優れた伸縮性と耐熱クリープ性を有するフ
ィルム状弾性体となるとの知見を得て本発明を完成する
に至った。
すなわち、本発明の熱可塑性エラストマー積層フィル
ムは、(A)ウレタン系熱可塑性エラストマー、エステ
ル系熱可塑性エラストマー及びアミド系熱可塑性エラス
トマーからなる群から選ばれた少なくとも1種のJIS K
6301に規定されるA硬度が95以下のエラストマー層と
(B)スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフィン
系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれた少なく
とも1種のJIS K6301に規定されるA硬度が95以下のエ
ラストマー層とが積層された積層フィルムにおいて、前
記(A)層及び/又は(B)層を構成する熱可塑性エラ
ストマーが接着性ポリマーをブレンドしたものであるこ
とを特徴とするものである。
<効 果> 本発明の熱可塑性エラストマー積層フィルムは、耐熱
クリープ性に優れたウレタン系、エステル系、アミド系
からなる群から選ばれたJIS K6301に規定されるA硬度
が95以下の熱可塑性エラストマーと、ポリオレフィン系
樹脂との熱融着性に優れたJIS K6301に規定されるA硬
度が95以下のスチレン系、オレフィン系熱可塑性エラス
トマーとに接着性ポリマーをブレンドすることによっ
て、積層したものであることから、ポリオレフィン系薄
膜や繊維シート等の材料と簡便な熱融着法により接着さ
せることができるので、ポリプロピレン製袋などの口部
に、本発明の熱可塑性エラストマー積層フィルムを2〜
3倍に伸ばした状態で両者をところどころ部的にヒート
シールを行なうだけで容易に口部が開閉可能な袋などを
製造することができる。
〔発明の具体的説明〕
〔I〕熱可塑性エラストマー積層フィルム 本発明の熱可塑性エラストマー積層フィルムは、以下
に示す(A)層と(B)層とから基本的に形成される構
造のものである。
(1)(A)層 本発明の積層フィルムの一方の層として使用される
(A)層には、ウレタン系熱可塑性エラストマー、エス
テル系熱可塑性エラストマー及びアミド系熱可塑性エラ
ストマーからなる群から選ばれた少なくとも一種のJIS
K6301に規定されるA硬度が95以下の材料が使用され
る。
ウレタン系熱可塑性エラストマー 上記ウレタン系熱可塑性エラストマーは、ポリウレタ
ン成分をハードセグメントとし、ポリエステル又はポリ
エーテルをソフトセグメントとした実質的に線状構造を
持つブロック共重合体を使用することが好適である。こ
のようなポリエステルの例を挙げれば、アジピン酸に、
過量のエチレングリコール、ブタンジオール−1,4、ヘ
キサンジオール−1,6、ネオペンチルグリコールからな
る群から選ばれた少なくとも1種のグリコール類を反応
させることにより製造されるもの等がある。
前記ポリエーテルの例を挙げれば、ポリオキシプロピ
レングリコール、ポリエチレングリコール、エチレンオ
キサイドとプロピレンオキサイドの共重合体、ポリオキ
シテトラエチレングリコールなどがある。
また、前記ハードセグメントの例を挙げれば、4,4′
−フェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジ
イソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルジイソシア
ネート、トルエンジイソシアネートなどのジイソシアネ
ート化合物をチェインエクステンダーにより高分子量化
したものなどがある。このようなチェインエクステンダ
ーとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ハイドロキノンビス(2
−ハイドロシエチル)エーテルなどを例示することがで
きる。詳細にはG.H.ホールデン(G.H.HOLDEN)等の編集
による「熱可塑性エラストマー」(THERMOPLASTIC ELAS
TOMERS)第2章13頁〜46頁に記載されている。
これらのウレタン系熱可塑性エラストマーの中では、
JIS K6301に規定されるA硬度が95以下、好ましくは75
〜95のものが使用される。該硬度が上記範囲を超えるも
のは伸縮性が劣る実用性に問題がある。
エステル系熱可塑性エラストマー 前記エステル系熱可塑性エラストマーとしては、芳香
族ジカルボン酸のアルキルエステルを主体とするハード
セグメントとポリエーテル又はポリエステルから成るソ
フトセグメントとのブロック共重合体構造を持つ実質的
に線状構造を持つものを使用することが好適である。
上記ハードセグメントには、例えばテレフタル酸、イ
ソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などの芳香
族ジカルボン酸と、例えばエチレングリコール、プロピ
レングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメ
チレングリコール、ヘキサメチレングリコールなどのジ
オールとのエステル化合物単位からなるものが使用され
る。
前記ソフトセグメントとして使用されるポリエーテル
には、例えばポリエチレンオキサイドグリコール、ポリ
プロピレンオキサイドグリコール、ポリテトラメチレン
オキサイドグリコールなどが使用される。
また、ソフトセグメントとして使用されるポリエステ
ルには例えばポリε−カプロラクトン、ポリブチレンア
ジペートなどを挙げることができる。
また、これらポリエーテルとポリエステルとの混合物
もソフトセグメントとして使用される。詳細にはG.H.ホ
ールデン(G.H.HOLDEN)等の編集による「熱可塑性エラ
ストマー」(THERMOPLASTIC ELASTOMERS)第8章163〜1
96頁に記載されている。
これらのエステル系熱可塑性エラストマーの中でJIS
K6301に規定されるA硬度が95以下、好ましくは75〜9
5のものが使用される。硬度が上記範囲を超えるもの
は、伸縮性が劣り実用性に問題がある。
アミド系熱可塑性エラストマー 前記アミド系熱可塑性エラストマーには、ポリアミド
成分をハードセグメントとしポリエステル又はポリエー
テルをソフトセグメントとする実質的に線状構造を持つ
ブロック共重合体を使用することが好適である。
上記ハードセグメントはジカルボン酸とポリアミド形
成化合物との反応により製造される。該ジカルボン酸に
は、例えばテレフタル酸、イソフタル酸、アジピン酸、
アゼライン酸、ドデカンジカルボン酸などが使用され
る。また、ポリアミド形成化合物には、アミノウンデカ
ン酸、アミノドデカン酸などのアミノカルボン酸化合
物、カプロラクタム、ラウリルラクタムなどの環状ラク
タム化合物、例えばヘキサメチレンジアミン、ドデカメ
チレンジアミン等のジアミン化合物を挙がることができ
る。
上記ソフトセグメントとして利用されるポリエステル
としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール
などと前記ジカルボン酸類とから公知の方法によって得
られるものや、ポリε−カプロラクトン等のラクトン化
合物の重合体等であり、両末端には水酸基又はカルボキ
シル基を有するものである。
また、ポリエーテルとしては、例えばポリオキシエチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシテトラメチレ
ン等の化合物の両末端に水酸基を有するものである。詳
細についてはG.H.ホールデン(G.H.HOLDEN)等の編集に
よる「熱可塑性エラストマー」(THERMOPLASTIC ELASTO
MERS)第9A章、第9B章197〜230頁に記載されている。
これらのアミド系熱可塑性エラストマーの中ではJIS
K6301に規定されるA硬度が95以下、好ましくは75〜9
5のものが使用される。硬度が上記範囲を超えるもの
は、エラスティシティーに劣り実用性でないという欠点
を有する。
(2)(B)層 本発明の積層フィルムの他方の層として使用される
(B)層には、スチレン系熱可塑性エラストマー及びオ
レフィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれ
た少なくとも1種の材料が使用される。これら材料の中
ではヒートシール強度の点でスチレン系熱可塑性エラス
トマーの方が好ましい。
スチレン系熱可塑性エラストマー 上記スチレン系熱可塑性エラストマーとしては、モノ
ビニル芳香族炭化水素の重合体ブロックと共役ジエンの
エラストマー性重合体ブロックからなるブロック共重合
体又はその水素添加誘導体をベースポリマーとした熱可
塑性エラストマーを挙げることができる。これらのベー
スポリマーはリチウム系触媒を用いたリビング重合等の
常法にて得ることができる。これらのなかでもスチレン
重合体ブロックとブタジエン及び/又はイソプレンの重
合体ブロックからなるものの水素添加誘導体をベースと
したものが耐熱老化性柔軟調節性等の点で優れているの
で好ましい。より具体的には上記のベースポリマーに各
種熱可塑性樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィ
ンの単独重合体又は共重合体等であるポリオレフィン系
樹脂、あるいはエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレ
ン・アクリル酸エステル共重合体等のα−オレフィンと
15モル%以下の他の重合性単量体との共重合樹脂、例え
ばポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン、スチレ
ンを主成分としα−メチルスチレン、パラメチルスチレ
ン等との共重合樹脂等のスチレン系樹脂等を挙げること
ができる。
また、これら樹脂に必要に応じて炭化水素系ゴム用軟
化剤、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、
粘度平均分子量が70000以下のポリイソブチレン、数平
均分子量が2500以下のポリブテン等に、無機フィラー、
例えば炭酸カルシウム、シリカ、タルク等の各種充填
剤、着色剤、安定剤等を複合して硬度等の品質をコント
ロールしたものが好適である。中でもJIS K6301に規定
されるA硬度で95以下のものが使用される。該硬度が上
記範囲を超えるものはエラスティシティーに劣り実用的
でないという欠点を有する。硬度の選択は積層フィルム
の厚さ及び(A)層フィルムの硬度選択にもよるが40〜
90の範囲とするのが望ましい。
オレフィン系熱可塑性エラストマー 上記オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オ
レフィン系ゴム、例えばエチレン・プロピレン共重合体
ゴム、エチレン・プロピレン・非共役ジエン共重合体ゴ
ム、エチレン・1−ブテン共重合体ゴム、エチレン・1
−ブテン・非共役ジエン共重合体ゴム、又はそれらの混
合物と、ポリオレフィン樹脂、例えばポリプロピレン、
ポリエチレン、ポリ−4−メチル−1−ペンテン等のα
−オレフィンの単独重合体又は共重合体等であるポリオ
レフィン系樹脂、あるいはエチレン・酢酸ビニル共重合
体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体等のα−オ
レフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共重合
樹脂を挙げることができる。
また、これら樹脂に必要に応じて炭化水素系ゴム用軟
化剤、例えばパラフィン系オイル、ナフテン系オイル、
粘度平均分子量が70000以下のポリイソブチレン、数平
均分子量が2500以下のポリブテン等に、無機フィラー例
えば炭酸カルシウム、シリカ、タクル等の各種充填剤、
着色剤、安定剤等を配合した複合物、又は特開昭46−26
838号、特開昭52−13541号、特開昭52−37953号、特開
昭56−98248号の各公報等に示された製法により製造さ
れる部分的に架橋構造を有するものを使用するのが好適
である。
これらのオレフィン系熱可塑性エラストマーとして
は、JIS K6301に規定されるA硬度で95以下のものが使
用される。該硬度が上記範囲を超えるものは伸縮性に劣
り実用的でないという欠点を有する。硬度の選択は積層
フィルムの厚さ及び(A)層フィルムの硬度選択にもよ
るが40〜90の範囲とするのが望ましい。
(3)接着性ポリマー 前記(A)層及び/又は(B)層に配合される(B)
層の熱可塑性エラストマーに相溶性のある接着性ポリマ
ーは、本質的に非相溶である(A)相の熱可塑性エラス
トマーと(B)層の熱可塑性エラストマーを装着させる
のに必須であるが、必ずしも両層に含有されていなくて
もいずれか一方の層のみに含有されていれば良い。
この様なポリマーとしては、主鎖又は側鎖にカルボン
酸基、カルボン酸無水物基、カルボン酸エステル基、ア
ミド基、水酸基、エポキシ基からなる群から選ばれた少
なくとも一種の官能基を有する化合物を含むポリマーで
あり、例えば以下の各種のものが使用可能である。
一つは、ポリオレフィン系樹脂、オレフィン系ゴム、
モノビニル芳香族炭化水素の重合体ブコックと共役ジエ
ンのエラストマー性重合体ブロックからなるブロック共
重合体又はその水素添加誘導体、エチレン酢酸ビニル共
重合体やエチレン・アクリル酸エステル共重合体等のα
−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共
重合樹脂に、不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、そ
の他の官能性ビニルモノマーを公知の方法によってグラ
フト変性したものである。
他の一つは、α−オレフィンと不飽和カルボン酸もし
くはその誘導体、その他の官能性ビニルモノマーとを公
知の方法によって共重合したものである。
ここで云う不飽和カルボン酸もしくはその誘導体およ
びその他の官能性ビニルモノマーとしては、例えばアク
リル酸、メタアクリル酸、マイレン酸、イタコン酸、フ
マル酸、シトラコ酸、ソルビン酸等のカルボン酸類、無
水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物類、アクリ
ル酸エステル、メタアクリル酸エステル等のカルボン酸
エステル類、アクリル酸アミド、メタアクリル酸アミド
等のアミド類、アクリル酸グリシジル、メタアクリル酸
グリシジル等のエポキシ類、アクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタアクリル酸2−ヒドロキシエチル等のヒド
ロキシ化合物類等を挙げることができる。
本発明における接着性ポリマーのもう一つの例として
は、末端基に水酸基を持つジエンポリマー又はその水素
添加物が挙げられる。具体的にはポリヒドロキシポリブ
タジエン、ポリヒドロキシポリイソプレン等又はその水
素添加物であり、これらのポリマーは1,3−ジエン化合
物を公知の方法、例えばアニオンリビング重合でポリマ
ーを合成し、このリビングポリマーと例えばモノエポキ
シ化合物、ホルムアルデヒド、アセトン、ポリエポキシ
ドとを反応させることにより製造されるもの又はその水
素添加物である。
このような接着性ポリマーは、不飽和カルボン酸もし
くはその誘導体、その他の官能性ビニルモノマー単位が
0.001〜20モル%、好ましくは0.01〜15モル%、特に好
ましくは0.1〜10モル%含有されているものが好適に使
用される。不飽和カルボン酸もしくはその誘導体、その
他の官能性ビニルモノマーの量が上記範囲未満のものは
(A)層と(B)層との熱可塑性エラストマーの接着性
が劣るので好ましくなく、また、上記範囲を超えるもの
は(B)層との相溶性が悪化するために接着性が低いの
で好ましくない。
使用する接着性ポリマーの使用量はブレンドする熱可
塑性エラストマーに対し0.1〜40重量%、好ましくは0.5
〜20重量%、特に1〜15重量%の範囲であることが好ま
しい。上記範囲未満のものは(A)層と(B)層との熱
可塑性エラストマーの接着性が劣るので好ましくなく、
上記範囲を超えるものは熱可塑性エラストマーの伸縮性
を悪化させるか、伸縮性を悪化させない場合でも必要以
上には接着性ポリマーを使用することとなるので経済的
に好ましくない。
(4)構 造 前記のような材料を用いて製造される積層フィルムの
(A)層と(B)層の層構成は、(A)層/(B)層の
比で1/9〜9/1、特に1/5〜5/1の範囲が望ましい。上記範
囲未満のものは、得られた積層フィルムの機械的強度や
耐熱クリープ性が劣る等の欠点がある。また、上記範囲
を超えたものは、機械的強度、耐熱クリープ性は良好で
あるが、ポリオレフィン系樹脂との熱融着性が悪化す
る。
積層フィルムは(A)層/(B)層の二層構造でも良
いし、(B)層/(A)層/(B)層あるいは他の基材
を積層した三層構造でもあるいはそれ以上の層でも良
い。
〔II〕熱可塑性エラストマー積層フィルムの製造 この様な熱可塑性エラストマー積層フィルムを製造す
る手法としては、例えば多層ダイを使用した共押出積層
成型、押出しラミネート、ドライラミネート等の公知の
方法の技術を適用することができる。該積層フィルムの
厚みは一般に10〜200μm、好ましくは20〜150μmの範
囲内であることが望ましい。上記範囲未満のものは、ポ
リオレフィン系樹脂と熱融着した場合厚みが薄すぎるた
め弾性材料としての性能が充分発揮できず、例えばポリ
オレフィン系袋の自在開閉口用に使用した場合に、収縮
力が充分で無いので好ましくない。また、上記範囲を超
える場合は、厚みが厚すぎるために例えばポリオレフィ
ン系袋などの自在開閉口用に使用した場合、開口するた
めに大きな力を必要とするので好ましくない。
〔実施例〕
以下に実験例を挙げて、本発明をより具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実験例
に限定されるものではない。
なお、実験の評価は以下に示す評価方法に従って行な
った。
また、使用した原材料も以下に示すものを用いた。
〔評価方法〕 (A)と(B)層の接着強度 積層フィルム成型時、全体の厚さが200μmのフィル
ムを成形し、巾1cm、長さ10cmの試験片を成形流れ芳香
に平行にサンプリングして、23℃、50%の相対湿度の室
で剥離強度を引っ張り試験機を用いて評価した。
伸長率 厚さ30μmのポリプロピレンのフィルムに積層フィル
ムを成形流れ方向に2倍延伸した状態でヒートシールを
行った。シールバーのシール面は線状構造を持ち、シー
ル面全体の面積に対する線シールの部分の面積は20%で
ある。シールは延伸方向と線の方向が平行となるように
した。ヒートシール条件は、温度190℃、圧接時間0.5
秒、圧力はシール部分に1kg/cm2の力がかかるように設
定した。
次に、巾1cm、長さ10cmの試験片をシール線と平行に
サンプリングし、5cmの間隔で標線をつける。恒温恒湿
室内でポリプロピレンフィルムが伸びきった状態までサ
ンプルを引き伸ばし、その時の標線間の長さを元の長さ
の5cmで除した値が伸長率である。
耐熱クリープ 積層フィルムから成形流れ方向に平行に巾1cm、長さ1
0cmの試験片をサンプリングして5cmの間隔で標線をつけ
る。
次に、試験片を2倍に延伸した状態で60℃のギヤーオ
ーブン中に2週間放置し常温で応力を取り除いた時の標
線間の長さL1を測定する。
耐熱クリープ=(L1−5)/5×100(%) ヒートシール強度 厚さ30μmのポリプロピレンのフィルムに積層フィル
ムを無延伸状態で成形流れ方向とシールバーが直角にな
るように配置してヒートシールを行った。シールバーの
シール面は平板構造を持ちヒートシール条件は、温度19
0℃、圧接時間0.5秒、圧力はシール部分に1kg/cm2の力
がかかるうように設定した。
これより巾1cmの試験片をサンプリングし、恒温恒湿
室内で引っ張り試験機を用いて剥離強度を測定した。
〔使用原材料〕
使用した原材料は下記の通りである(後記第1表中の
略号は以下に示すものである。) TPU−1:ウレタン系熱可塑性エラストマー (米国B.F.グッドリッチ社製 エステン58881) 58881:ソフトセグメントはエーテル系、JIS−K6301
A硬度 80 TPU−2:ウレタン系熱可塑性エラストマー (米国B.F.グッドリッチ社製 エステン58206) 58206:ソフトセグメントはエステル系、JIS−K6301
A硬度 85 TPU−3:ウレタン系熱可塑性エラストマー (米国B.F.グッドリッチ社製 エステン58137) 58137:ソフトセグメントはエステル系、JIS−K6301
A硬度 99 TPEE−1:エステル系熱可塑性エラストマー (東洋紡(株)製 ペルプレン P40B) P40B:ソフトセグメントはエーテル系、JIS−K6301
A硬度 82 TPA−1:アミド系熱可塑性エラストマー(東レ(株)製
ペバックス 3533SDOO) 3533SDOO:ソフトセグメントはエーテル系、JIS−K630
1 A硬度 83 TPS−1:スチレン系熱可塑性エラストマー (三菱油化(株)製 ラバロン S352C) S352C:SEBS(水添スチレン・ブタジェンブロックポリ
マー)使用、JIS−K6301 A硬度 50 TPS−2:スチレン系熱可塑性エラストマー (三菱油化(株)製 ラバロン MJ8300C) MJ8300C:SEBS使用、JIS−K6301 A硬度 85 TPS−3:下記〜の3成分からなり、 SEBS−1/TA8/OIL=40/50/10(重量%)の配合
組成のもの100重量部に、安定剤としてスイス国チバガ
イギー社製イルガノックス1010を0.1重量部加えて二軸
押出機にて200℃で混練したもの、JIS−K6301 A硬度
98 スチレン−ブタジエンブロック共重合体の水素添加
誘導体(SEBS−1)、ブルックフィールド粘度:8000cps
(トルエン溶液 25重量%、25℃) ポリオレフィン(三菱油化(株)製 TA8)、MFR
(230℃、2.16kg)0.9g/10分、曲げ弾性率10000kg/cm2 パラフィン系ゴム用軟化剤(出光興産(株)製PW9
0)40℃ 動粘度90cSt) TPO−1:オレフィン系熱可塑性エラストマー (三菱油化(株)製 サーモラン2550N)、JIS−K630
1 A硬度 65 AD−1:ポリプロピレンを無水マレイン酸でグラフト変性
した極性基含有ポリマー(無水マレイン酸含量 10重量
%) 実施例1〜5および比較例4〜5 2台の押出機と二層構造を形成することができるT型
ダイを用い、一方の押出機には第1表に示す(A)層を
構成する材料を供給し、他方の押出機には第1表に示す
(B)層を構成する材料と接着性ポリマーを所定の割合
となるようにペレット状態でブレンドしたものを供給し
ダイ内二層フィルムを成形した。
フィルムの成形速度は30m/分とした。(A)層と
(B)層の厚さ及び厚み比の設定は各々の成形機のスク
リューの回転数を変えることによりコントロールした。
得られた結果を第1表に示す。
比較例1 接着性ポリマーを使用しない以外は実施例1と同じよ
うに成形した。
得られた結果を第1表に示す。
比較例2,3 1台の押出機と単層構造を有するT型ダイを用い、第
1表に示す(A)層構成材料のみ又は第1表に示す
(B)層構成材料のみのフィルム成形を行った。
得られた結果を第1表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 森 征哉 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化 株式会社四日市総合研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 C08J 5/12

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ウレタン系熱可塑性エラストマー、
    エステル系熱可塑性エラストマー及びアミド系熱可塑性
    エラストマーからなる群から選ばれた少なくとも1種の
    JIS K6301に規定されるA硬度が95以下のエラストマー
    層と(B)スチレン系熱可塑性エラストマー及びオレフ
    ィン系熱可塑性エラストマーからなる群から選ばれた少
    なくとも1種のJIS K6301に規定されるA硬度が95以下
    のエラストマー層とが積層された積層フィルムにおい
    て、前記(A)層及び/又は(B)層を構成する熱可塑
    性エラストマーが接着性ポリマーをブレンドしたもので
    あることを特徴とする、熱可塑性エラストマー積層フィ
    ルム。
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