JP2973635B2 - 電気植毛用ポリエステル繊維 - Google Patents

電気植毛用ポリエステル繊維

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電気植毛用ポリエステル
繊維に関する。更に詳しくは中空断面からなる繊維によ
って、電気植毛に際して繊維の直立性が高く、高密度の
植毛が可能な電気植毛用ポリエステル繊維に関する。
【0002】
【従来の技術】電気植毛用繊維として天然繊維、再生繊
維が中心に使用されているが、合成繊維ではナイロンが
多く使用されている。特に自動車用内装材用途ではソフ
ト性が好まれてナイロンが多く使用されているが、ナイ
ロンの場合、耐光性が不十分であるという欠点を有して
いることや、カーシートのポリエステル化が進み、素材
を統一する目的からシート以外の部分、例えばセンター
ピラーの表面素材をポリエステル繊維に変更する動きが
出はじめている。しかしながらポリエステル繊維は繊維
の内部構造が緻密であることから繊維自身が硬いので、
特に繊維長が短く、ソフト風合いが要求されている電気
植毛製品にはポリエステル繊維はほとんど使用されなか
った。また、ポリエステル繊維は植毛の直立性が低い、
植毛密度が高くならない欠点を有している結果、耐毛倒
れ性が不良であること、表面品位が低いという大きな欠
点があった。
【0003】これらの欠点を改善し、ポリエステル繊維
を電気植毛用途に利用するために特開昭63−7511
3号公報、さらに特開平1−221540号公報の提案
がある。前者は電着性、チョークマーク性、易染性、風
合い、光沢の改善を目的としたものである。また、後者
は良好な意匠効果を呈するフロック加工品を得るための
フロック繊維に関するものである。しかしながらいずれ
の提案でもポリエステル繊維を高密度にかつ直立性高く
植毛し、ソフトでマイルドな光沢を有する電気植毛製品
を得ることはできなかった。つまり繊維の断面形状と繊
維の切断端の形状の改善がなされていないためである。
このような背景があって電気植毛製品のポリエステル化
が望まれているにもかかわらず、該分野へのポリエステ
ル繊維の進出はほとんどないのが現状である。
【0004】ポリエステル繊維の切断端の形状を改善す
ることが特開昭59−112024号公報で提案されて
いる。しかしながらこの提案の目的とするところはパイ
ル同志の噛み合わせによるファスナー効果の防止であ
り、さらには布帛表面の鏡面的反射を防止して高級感の
ある光沢を得ることにあり、電気植毛時の直立性を向上
することや高密度化に関してはまだ改善されるまでには
至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
たようにソフトであること、植毛の直立性を高めるこ
と、高密度植毛を達成することによって耐毛倒れ性と表
面品位を大幅に改善し、かつソフトでマイルドな光沢を
有する電気植毛用ポリエステル繊維を提供するものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は長さが3
mm以下の短繊維であって、中空率が5%以上であって
かつ繊維中央部の径に対する切断端部の径の比が2.0
以下である電気植毛用ポリエステル繊維によって達成さ
れる。
【0007】本発明でいうポリエステルとはポリエチレ
ンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートを主体
としたポリマであるが、10モル%以下の共重合体およ
び/または10重量%以下の有機、無機物を配合してい
てもかまわない。
【0008】好ましいポリマの組成は6モル%以下の第
3成分を共重合したポリエチレンテレフタレートである
が、特に好ましい組成は共重合率が1モル%以下のポリ
エチレンテレフタレートである。ここで言う共重合体の
組成にはポリエステルの重合過程で一般的に生成する2
モル%以下のジエチレングリコールは含まない。また艶
消し剤である二酸化チタンはぎらつき防止、光沢の方向
性の軽減から、0.02重量%以上含有していることが
好ましい。特に好ましくは二酸化チタンが0.1重量%
以上含有していることである。
【0009】また、電気植毛製品の耐摩耗性を高める意
味からポリエステル繊維の固有粘度は0.58以上が好
ましく、特に好ましくは0.60以上である。逆に固有
粘度が高すぎると繊維の切断端の形状が膨らんでしまう
ので0.70以下が好ましく、特に好ましくは0.65
以下である。
【0010】繊維長は3mm以下であることが必要であ
る。繊維長が3mmを越す長さでは繊維中央部の径に対
する切断端部の径の比を2.0以下にしても、直立性が
不十分となること、毛倒れしやすい欠点が顕在化して表
面品位が不良となる。逆に繊維長が短すぎると小さい力
でも硬い基材に触れてしまい硬い感触を受けることにな
り、高級感に欠けること、ソフト性が失われることから
繊維長は0.5mm以上が好ましい。電気植毛製品のソ
フトさや高級感から繊維長は0.7mm以上1.5mm
以下がより好ましい。
【0011】本発明のポリエステル繊維の断面形状は中
空断面であることが必要である。
【0012】図1は本発明の繊維の断面形状の一例を示
す横断面図であり、1は繊維部、2は中空部からなる中
空断面の繊維である。
【0013】驚くべきことに繊維の断面形状を中空断面
にすることによって、電気植毛後の繊維の直立性が向上
し、反面、植毛後の風合いをソフトにすることができる
とともに、マイルドな光沢を得ることができるのであ
る。この効果を満足するための中空率は5%以上である
ことが必要であり、好ましい中空率は10%以上、特に
好ましい中空率は15%以上、更に好ましくは25%以
上である。目的を十分に発現するには中空率が高い方が
好ましいが、高すぎると耐毛倒れ性が不良となるので4
0%以下が好ましい。繊維の中空断面形状において、外
周上に直線部分がないものほどマイルドな光沢になるの
で、円形が最も好ましいが、三角、四角、五角等の多角
形状であっても効果は発揮される。
【0014】電気植毛時に重要なことは繊維が接着剤層
に十分に挿入され、繊維が十分に基材に接着されている
こと、接着剤層にできるだけ直立した状態に植毛できる
こと、およびできるだけ高密度で植毛できることが重要
である。これらを満足するためには繊維の切断端部の径
は繊維中央部の径に対して太すぎないことが好ましい。
繊維の切断端部の径が繊維中央部の径に対して明らかに
太い場合には直立した状態で植毛することが困難とな
る。その意味から繊維中央部の径に対する切断端部の径
の比が2.0以下であることが必要である。このような
切断端を形成する方法として、例えば結晶化度を高める
ことによって達成されるが、このためには四塩化炭素と
n−ヘプタンの密度勾配管法によって求められた結晶化
度が30%以上であることが好ましい。
【0015】繊維中央部の径に対する切断端部の径の比
は1.0が最も好ましいが、0.7以上であれば接着状
態が良好で、かつ繊維の抜けが少なく好ましい。特に好
ましい前記径の比は1.0以上1.3以下である。
【0016】本発明の繊維は例えば次のようにして製造
することができる。固有粘度が0.58以上0.70以
下、二酸化チタンが0.1重量%以上配合されているポ
リエチレンテレフタレートを通常のプレッシャーメルタ
ー紡糸機で溶融し、図2に示すようなスリットタイプの
異形孔を有する口金から押し出し冷却した後、通常の方
法で巻取り、引き続いて液浴延伸、熱固定を行い、結晶
化度が30%以上である数十〜数百万デニ―ルのトウを
得る。得られたトウをギロチンカッタで0.5mm以上
3.0mm以下にカットする。なお、図2は図1の繊維
を製造するための好ましい口金の吐出孔の一例を示す見
取り図である。図2の場合は弧状のスリット3を同一円
周上に配したものである。
【0017】本発明のポリエステル繊維は広く電気植毛
用途に利用できる。即ち、酢酸ビニル樹脂、アクリル酸
エステル樹脂等の接着剤を塗布したトリコットや塩化ビ
ニル樹脂等のシート状物に前記カットした繊維を高電圧
の静電気を利用して電気植毛加工を行う。
【0018】
【実施例】以下実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明す
る。なお、実施例に記載した値は次の方法で測定したも
のである。 固有粘度:オルソクロルフェノールを溶媒として25℃
で測定する。 繊維径の比:繊維中央部の側面と、繊維中央部の側面と
同一の切断端部の側面を走査型電子顕微鏡で観察して、
それぞれの側面の幅を径として測定し、繊維中央部の径
に対する切断端部の径の比を求める。切断端部の測定位
置は、繊維切断端(先端)と繊維切断端より(繊維長/
10)の長さだけ内側に至る間で最も広い幅のところと
する。繰り返し数は20とした。
【0019】実施例1 固有粘度が0.65で、二酸化チタンが0.5重量%配
合されているポリエチレンテレフタレートを通常のプレ
ッシャーメルター紡糸機で溶融し、図2に示すようなス
リットの吐出孔からなる口金から押し出し、冷却した
後、通常の方法で1750m/minで巻取った。得ら
れた未延伸糸を集束して150万デニールのトウとし
て、引き続いて85℃、2.60倍で液浴延伸を行い、
引き続き150℃で10分間弛緩熱処理を行った。得ら
れた単繊維繊度は2.0デニールであった。トウをギロ
チンカッタで1.0mmにカットした。得られた短繊維
の繊維中央部の径に対する切断端部の径の比は1.1、
中空率は34%であった。またこの短繊維に電植処理を
施して塩化ビニルシートである基材の表面にアクリル系
の接着剤を塗布して電気植毛加工を行った。得られた電
気植毛加工品(以下電植品という)はナイロン並みのソ
フト性を有しており植毛の直立性も高く、耐毛倒れ性も
良好であった。
【0020】実施例2 紡糸温度を10℃上げて295℃で行なった以外は実施
例1と同様の実験を行った。この繊維の中空率は16%
であり、繊維中央部の径に対する切断端部の径の比は
1.1であった。得られた電植品はソフト性および植毛
の直立性は実施例1と同等であったが、耐毛倒れ性は若
干ではあるが実施例1よりも不良であった。
【0021】比較実施例1 繊維長を4.0mmに変更した以外は実施例1と同様の
テストを行った。なお、この繊維は繊維の外径を実施例
1と同じになるように紡糸時の吐出量を変更してある。
この繊維の中空率および繊維中央部の径に対する切断端
部の径の比は実施例1と同様であったが、植毛性の直立
性が不良で植毛品の品位は極めて悪いものであった。更
に耐毛倒れ性も不良であった。
【0022】比較実施例2 口金の吐出孔の形状を単に円に変更したこと、固有粘度
を0.78に変更した以外は実施例1と同様にテストを
行った。この繊維の繊維中央部の径に対する切断端部の
径の比は2.2であった。得られた電植品は植毛の直立
性が低く、また粗硬感の強いものであった。
【0023】比較実施例3 口金の吐出孔の形状をY字孔に変更した以外は比較実施
例1と同様にテストを行った。この繊維の繊維中央部の
径に対する切断端部の径の比は2.1であった。この繊
維を植毛して得られた電植品は植毛の直立性が低く、比
較実施例1よりも更に粗硬感が強い風合いのものであっ
た。
【0024】
【発明の効果】繊維の断面形状を中空形状にしたため
に、ソフトであると共に光の反射によるぎらつきがな
く、マイルドな光沢になる。また、繊維中央部の径に対
する切断端部の径の比を小さくしたために植毛の直立性
が向上し、植毛密度が向上するため電気植毛製品の品位
が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の繊維の断面形状の一例を示す横断面図
である。
【図2】図1の繊維を製造するための好ましい口金の吐
出孔の一例を示す見取り図である。
【符号の説明】
1:繊維部 2:中空部 3:スリット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】長さが3mm以下の短繊維であって、中空
    率が5%以上であってかつ繊維中央部の径に対する切断
    端部の径の比が2.0以下である電気植毛用ポリエステ
    ル繊維。
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