JP2972919B2 - 蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製造方法および水素吸蔵電極 - Google Patents

蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製造方法および水素吸蔵電極

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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、アルカリ蓄電池の負極に用いる水素吸蔵合
金粉末の製造方法およびその負極に関するものである。
従来の技術 水素吸蔵電極は、水素の可逆的な吸蔵および放出が可
能な水素吸蔵合金を電極に用いるもので、その水素の電
気化学的な酸化還元反応をアルカリ蓄電池の負極の起電
反応に利用する。水素吸蔵電極に用いられる水素吸蔵合
金には、TiNi、Ti2Ni、LaNi5およびTiMn2などの金属間
化合物や、これらの金属間化合物の構成元素を他の元素
で置換したものが用いられている。これらの水素吸蔵合
金は、その組成が異なると、水素吸蔵量、平衡水素圧
力、アルカリ電解液中で充放電を繰り返す場合の保持容
量特性などの性質が変化するので、合金の組成を変え
て、水素吸蔵電極の性能の改良が試みられている。
そして、稀土類系の合金では、LaNi5を改良して、た
とえばMmNi3.6Co0.7Al0.7(ここでMmとは、ミッシュメ
タルと呼ばれる軽稀土類金属の混合物であり、これに含
有される稀土類金属の組成比は、稀土類元素を多く含有
するモナザイトやバストネサイトなどの天然鉱物に含有
される稀土類元素の組成比とほぼ等しい。)MmNi3.55Co
0.75Al0.4Mn0.3のような組成のもの、あるいはこのミッ
シュメタルの代わりにランタンリッチミッシュメタル
(稀土類元素の内のCe、Nd、Smなどの有用元素を抽出し
た残存物を還元したり、ミッシュメタルにLaを添加して
得たLaの含有率が高い稀土類金属の混合物。)を用いる
ものは、安価で、比較的大きい容量を有し、しかも充放
電サイクル寿命が長いので、実用的な蓄電池用水素吸蔵
合金として用いられている。
また、これらの稀土類系水素吸蔵合金よりもさらに放
電容量が大きい蓄電池用水素吸蔵合金として、Laves相
合金に属し、たとえばZrV0.6Ni1.4のような組成のもの
や、この合金の成分元素をほかの金属元素で置換して、
電極材料としての性能を改良したものが用いられようと
している。
これらの水素吸蔵合金は、従来は、アルゴン雰囲気下
や真空下で成分元素を溶解し、この溶湯をモールドに流
し込んで鋳込み、この合金塊をジョークラッシャーなど
で粒径が1mm程度になるように機械的に粗粉砕してか
ら、さらにボールミルなどで機械的に微粉砕したり、あ
るいはこの合金に水素の吸蔵放出を行わせ、脆化割れを
起こして微粉砕する方法(水素化粉砕法)で、平均粒径
がたとえば100μ以下の微粉末を得ていた。
そして、従来のアルカリ蓄電池用水素吸蔵電極には、
これらの方法で製作した水素吸蔵合金粉末を、ポリビニ
ルアルコール、ポリエチレン、フッ素樹脂、アクリル−
スチレン樹脂などの耐アルカリ性高分子結着剤で相互に
結合し、パンチングメタルを芯体として水素吸蔵合金を
保持させたものや、発泡ニッケルやニッケル繊維の焼結
体などの耐アルカリ性導電性多孔体の空孔に水素吸蔵合
金の粉末を充填し保持させたものがあった。
これらの水素吸蔵電極は、水酸化ニッケル電極などを
正極に用い、水酸化カリウムや水酸化ナトリウムなどの
アルカリ水溶液を電解液にて用いて、構成されるアルカ
リ蓄電池の負極に用いられていた。
発明が解決しようとする課題 従来の蓄電池用水素吸蔵合金粉末を、1回の溶解で数
10kg−数トンという大きい規模で製作し、この粉末を備
える負極板と水酸化ニッケル極板などの正極板とを組み
合わせ、アルカリ蓄電池を構成して充放電サイクル試験
を行う場合には、合金の平均組成を同じにして、1回の
溶解で10グラム程度の少量を実験室の規模で製作した水
素吸蔵合金粉末を備える負極板を用いて構成したアルカ
リ蓄電池の場合よりも、充放電サイクルの進行にともな
って、負極の放電容量が著しく減少する問題点が発生し
た。
課題を解決するための手段 本発明は、ガスアトマイズ法によって製作した水素吸
蔵合金の粉末を粉砕する蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製
造方法、およびその方法によって製造した水素吸蔵合金
粉末を備える水素吸蔵電極を提供して、上述の問題点を
解決しようとするものである。
作用 従来の方法で水素吸蔵合金粉末を大きい規模で製作す
る場合には、上述のように溶湯をモールドに流し込んで
鋳込むので、溶湯が凝固する際の冷却速度が低くなっ
て、添加した元素が粒界などに析出する偏析現象が起こ
り、合金の組成が不均一になる現象が起こる。このよう
な水素吸蔵合金粉末を備える負極板をアルカリ電解液に
接触させて充放電を行うと、充放電サイクルの進行にと
もなって、負極板の放電容量が著しく減少して、電池の
放電容量が減少する。このような負極板の容量の減少
は、水素吸蔵合金が、たとえばMn、Alのような偏析して
いた添加元素の多い部分から選択的に腐食されて、水素
吸蔵合金粉末の劣化が促進されることに起因するものと
思われる。
本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法では、まず次の
ようなガスアトマイズ法によって水素吸蔵合金の粉末を
作る。すなわち、水素吸蔵合金の組成物を、アルゴンガ
スやキセノンガスなどの不活性雰囲気中で、高周波誘導
炉などを用いて溶解する。そして、その溶解した合金を
これらのガスで加圧して、上述のガス中に噴霧する。こ
のようにすると、液滴となって飛散した水素吸蔵合金
が、雰囲気のガス中で急速に冷却されて、水素吸蔵合金
の粉末が得られる。
この方法では、雰囲気のガスは、希ガスのように、水
素吸蔵合金と容易に反応することがない不活性のものが
望ましい。なぜなら、たとえば、酸素または窒素を含有
する雰囲気の場合には、高温下ではそれぞれ水素吸蔵合
金の構成金属の酸化物または窒化物が生成して、水素の
吸蔵/放出反応に関与する合金の量が減少するという不
都合が発生するからである。
このガスアトマイズ法によれば、水素吸蔵合金の凝固
が急激に起こるので、成分元素の偏析がほとんど起こる
ことがなく、きわめて均一な組成の水素吸蔵合金粉末が
得られる。ただし、ガスアトマイズ法で得られる水素吸
蔵合金の粉末は、粒径が100−500μ程度の粗大なものが
多く、この粉末をそのまま電極の材料として用いる場合
には、合金の充填密度を高くすることができない欠点が
ある。
また、発明者は、ガスアトマイズ法で製作した水素吸
蔵合金粉末を、そのまま水素吸蔵電極に用いる場合に
は、次のような欠点があることも見出した。すなわち、
この場合には、従来のように、溶湯をモールドに流し込
んで鋳造した合金塊を粉砕して製作した水素吸蔵合金粉
末を用いる場合と比較して、水素吸蔵合金の重量当たり
の放電容量を大きくするために、大量の導電助剤を必要
とする。その結果、電極に含まれる水素吸蔵合金粉末の
量が少なくなって、電極の体積当たりの放電容量が小さ
くなるという不都合がある。
このように、ガスアトマイズ法で製作した水素吸蔵合
金粉末をそのまま水素吸蔵電極に用いる場合に、導電助
剤を大量に必要とする原因は、定かでないが、次のよう
に推察される。すなわち、ガスアトマイズ法を工業的な
規模で行う際に用いられる不活性ガスには、酸素のよう
な微量の酸化性の成分が不可避的に含まれている。した
がって、溶湯を噴霧すると、その液滴の冷却過程で、高
温の合金表面がこの酸化性の成分によって酸化されて、
合金粉末の表面に導電性が低い酸化物皮膜が生成する。
この酸化物皮膜は、常温付近で水素吸蔵合金を粉砕する
際に、この合金粉末の表面に生成する酸化物皮膜と異な
って、導電性が低い。そこで、この合金粉末を水素吸蔵
電極に用いる場合には、合金粉末の集電性を良好にし
て、その放電容量を大きくするために大量の導電助剤を
必要とする。
そこで、本発明では、このような問題点を解決するた
めに、ガスアトマイズ法で製作した水素吸蔵合金粉末
を、さらに、ボールミルなどで機械的に微粉砕したり、
あるいは水素の吸蔵放出を行わせて微粉砕して、平均粒
径がたとえば100μ以下の微細な水素吸蔵合金を製作す
る。そして、本発明の水素吸蔵電極は、この方法で製作
した水素吸蔵合金粉末を、ポリビニルアルコール、ポリ
エチレン、フッ素樹脂、アクリル−スチレン樹脂などの
耐アルカリ性高分子結着剤で相互に結合し、パンチング
メタルを芯体として水素吸蔵合金を保持させたものや、
発泡ニッケルやニッケル繊維の焼結体などの耐アルカリ
性導電性多孔体の空孔に水素吸蔵合金の粉末を充填し保
持させたものである。
本発明の方法で製作した水素吸蔵合金粉末は、上述の
ように急速に冷却されているので、成分元素はほとんど
偏析していない。したがってこの水素吸蔵合金粉末を備
える本発明の水素吸蔵電極は、その水素吸蔵合金粉末が
アルカリ電解液中で腐食される速度が小さいので、この
電極を用いるアルカリ蓄電池の充放電サイクルをおこな
った場合に、放電容量が急激に減少するという不都合が
解決される。
さらに、本発明の方法で製作した水素吸蔵合金粉末を
備える本発明の水素吸蔵電極は、ガスアトマイズ法で製
作した水素吸蔵合金粉末を、本発明の水素吸蔵合金粉末
と同じ粒度範囲で、粉砕することなくそのまま備える水
素吸蔵電極と比較して、導電助剤の量が少なくても、大
きい放電容量が得られる。この現象の真の原因は、まだ
明かでないが、次のように考えられる。すなわち、ガス
アトマイズ法で製作した水素吸蔵合金粉末の表面の多く
は、高温下で生成した導電性が低い酸化物皮膜で覆われ
ている。しかし、この粉末を粉砕すると、合金の破断に
よって新たな表面が生成し、この新生面に生成する酸化
物皮膜は、高温下で生成する酸化物皮膜と異なって、導
電性が比較的高いので、この水素吸蔵合金粉末を備える
水素吸蔵電極は、少量の導電助剤を用いるだけで、ある
いは、合金の種類によっては、導電助剤を用いなくと
も、大きい放電容量が得られる。
なお、この作用をいっそう確実にするためには、ガス
アトマイズ法で製作した水素吸蔵合金粉末を予めふるい
分けて、たとえば粒径が45μ以下のような微粉末を除去
してから粉砕すると、表面が高温下で生成した酸化物皮
膜で覆われた不活性な合金粉末の含有率が小さくなるの
で好適である。
このように、本発明の方法で製作した水素吸蔵合金粉
末を備える本発明の水素吸蔵電極は、充放電サイクルの
進行にともなう容量減少を抑制する作用と、導電助剤が
少量の場合にも大きい放電容量が得られる作用とを兼ね
備えている。
また、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法によれ
ば、従来の方法のように、溶湯をモールドで凝固させて
から粉砕して粗粉末を得る代わりに、粗粉末が溶湯から
直接得られるので、工程が簡単になって、水素吸蔵合金
粉末の製造コストを低減する作用もある。
実施例 以下の実施例によって、本発明をさらに詳しく説明す
る。
[水素吸蔵合金粉末A](本発明実施例) 合計で100kgのミッシュメタル(原料はバストネサイ
ト)、ニッケル、コバルト、アルミニウムおよびマンガ
ンを、化学式MmNi3.55Co0.75Al0.4Mn0.3になるように、
アルゴン雰囲気にした高周波誘導炉中で溶解し、この溶
湯をアルゴン雰囲気中へアルゴンガスで噴霧するガスア
トマイズ法によって、水素吸蔵合金の粗粉末を製作し
た。次に、この粗粉末を、分級することなく、そのまま
エタノールで湿潤させて、アルミナ製のポットおよびボ
ールを用いてボールミル粉砕をおこなった。そして、こ
の粉末を真空乾燥してから分級し、330メッシュの篩い
を通過した水素吸蔵合金の微粉末Aを得た。
[水素吸蔵合金粉末B](本発明実施例) 粗粉末の段階までの合金組成および粗粉末の製造方法
は、水素吸蔵合金粉末Aの場合と同じにして、この粗粉
末を、20kg/cm2の圧力の水素雰囲気のもとで100℃に昇
温して水素化し、ついで、常温下で油回転真空ポンプで
減圧にして脱水表化し、この水素の吸蔵・放出にともな
う脆化割れによって、水素吸蔵合金を微粉化させた。そ
して、この微粉末を330メッシュの篩いで分級して、篩
いを通過した水素吸蔵合金の微粉末Bを得た。
[水素吸蔵合金粉末C](本発明実施例) 粗粉末の段階までの合金組成および粗粉末の製造方法
は、水素吸蔵合金粉末Aの場合と同じにして、この粗粉
末を、粉砕することなくそのまま分級し、330メッシュ
の篩いを通過する微粉末を除去してから、水素吸蔵合金
粉末Aの場合と同様のエタノールで湿潤させるボールミ
ル粉砕を行い、真空乾燥してから再度分級し、330メッ
シュの篩いを通過した水素吸蔵合金の微粉末Cを得た。
[水素吸蔵合金粉末D](従来例) 水素吸蔵合金粉末Aの場合と同じ組成の溶湯100kg
を、直径10cmの鉄製のモールドに流し込んで鋳込み、こ
の鋳造物をジョークラッシャーで粗粉砕し、ふるい分け
て、粒径が1mm以下の粗粉末を得た。次に、この粗粉末
を、水素吸蔵合金粉末Aの場合と同じ条件でボールミル
で粉砕し、330メッシュの篩いを通過した水素吸蔵合金
の微粉末Dを得た。
[水素吸蔵合金粉末E](比較例) 粗粉末の段階までの合金組成および粗粉末の製造方法
は、水素吸蔵合金粉末Aの場合と同じにして、この粗粉
末を、粉砕することなくそのまま篩い分けて、330メッ
シュの篩いを通過した水素吸蔵合金の微粉末Eを得た。
次に、本発明の水素吸蔵電極(ア)は、次のようにし
て製作した。すなわち、本発明の製造方法で製作した水
素吸蔵合金粉末A100重量部、導電助剤たるファーネスブ
ラック2重量部およびアクリル−スチレン共重合体から
なる合成ラテックス2重量部(固形分)に水を加えてペ
ースト状混合物を調製し、このペースト状混合物を、厚
さが0.1μmで開口率が約0.5のニッケルメッキした鉄製
パンチングメタルの両面に塗布し、乾燥してから、100
℃に加熱したロールの間を通過させてプレスし、所定の
寸法に打ち抜いて水素吸蔵電極(ア)を製作した。
本発明の水素吸蔵電極(イ)は、水素吸蔵電極(ア)
における水素吸蔵合金粉末Aの代わりに水素吸蔵合金粉
末Bを用いて、そのほかは電極(ア)と同じに構成し
た。
本発明の水素吸蔵電極(ウ)は、水素吸蔵電極(ア)
における水素吸蔵合金粉末Aの代わりに水素吸蔵合金粉
末Cを用いて、そのほかは電極(ア)と同じに構成し
た。
従来の水素吸蔵電極(エ)は、水素吸蔵電極(ア)に
おける水素吸蔵合金粉末Aの代わりに水素吸蔵合金粉末
Dを用いて、そのほかは電極(ア)と同じに構成した。
比較例の水素吸蔵電極(オ)は、水素吸蔵電極(ア)
における水素吸蔵合金粉末Aの代わりに水素吸蔵合金粉
末Eを用いて、そのほかは電極(ア)と同じに構成し
た。
比較例の水素吸蔵電極(カ)は、水素吸蔵電極(オ)
におけるファーネスブラック2重量部の代わりに、同じ
ファーネスブラック6重量部を用いて、そのほかは電極
(オ)と同じに構成した。
以上の6つの水素吸蔵電極の放電容量および充放電サ
イクル寿命特性を調べるために次の試験を行った。すな
わち、どの水素吸蔵電極も、1枚に6グラムの水素吸蔵
合金粉末を含むように切断して、その1枚を負極とし
た。そして、電池の放電容量が負極の放電容量を表すよ
うにするために、正極には、負極よりも放電容量が大き
くなるように、1枚の放電容量が1500mAhの焼結式水酸
化ニッケル電極を2枚用い、これらを、負極の両側に極
間距離が2.5cmになるように配置した。そして、5.8Mの
濃度の水酸化ナトリウム電解液を用いて、フラッデット
タイプの開放型の試験用電池を構成した。負極に上記の
水素吸蔵電極(ア)、(イ)、(ウ)、(オ)および
(カ)を用いた試験用アルカリ蓄電池を、それぞれ
(あ)、(い)、(う)、(え)、(お)、および
(か)と呼ぶ。
つぎに、これらの試験用電池を、25℃において、800m
Aの電流で2.4時間充電し、800mAの電流で端子電圧0.8V
まで放電する条件で、充放電サイクル試験をおこなっ
た。この試験における10サイクル目の放電容量および30
0サイクル目の容量保持率(300サイクル目と10サイクル
目との放電容量の比)を、第1表に示す。
第1表から、10サイクル目の放電容量に関して、次の
ことがわかる。
すなわち、本発明の方法で製造した水素吸蔵合金粉末
AおよびBを備える水素吸蔵電極を用いる電池(あ)お
よび(い)の放電容量は、従来の方法で製造した水素吸
蔵合金粉末Dを備える水素吸蔵電極を用いる電池(え)
の放電容量にほぼ等しい。
そして、ガスアトマイズ法で得られた粉末の内で、微
粉末を除去してから粉砕する本発明の方法で製造した水
素吸蔵合金粉末Cを備える水素吸蔵電極を用いる電池
(う)の放電容量は、微粉末を除去することなく粉砕す
る本発明の方法で製造した水素吸蔵合金粉末AおよびB
を備える水素吸蔵電極を用いる電池(あ)および(い)
の放電容量よりも著しく大きい。
そして、ガスアトマイズ法で得られた粉末の内で、粉
砕しない微粉末をそのまま用いる比較例の方法で製造し
た水素吸蔵合金粉末Eを備えて、本発明の水素吸蔵電極
と同じ少量の導電助剤を添加した水素吸蔵電極を用いる
電池(お)の放電容量は、粉砕して微粉末を得る本発明
の方法で製造した水素吸蔵合金粉末AおよびBを備える
水素吸蔵電極を用いる電池(あ)および(い)の放電容
量よりも、著しく小さい。
また、ガスアトマイズ法で得られた粉末の内で、粉砕
しない微粉末をそのまま用いる比較例の方法で製造した
水素吸蔵合金粉末Eを備えて、本発明の水素吸蔵電極の
場合の3倍の量の導電助剤を添加する比較例の水素吸蔵
電極を用いる電池(か)では、放電容量が電池(お)よ
りも大きくなっている。しかしながら、電池(か)の放
電容量は、粉砕して微粉末を得る本発明の方法で製造し
た水素吸蔵合金粉末を備えて、しかも、少量の導電助剤
を添加する本発明の水素吸蔵電極を用いる電池(あ)お
よび(い)の放電容量よりも、また小さい値に過ぎな
い。さらに、導電助剤のファーネスブラックは嵩高いの
で、これを大量に用いる比較例の水素吸蔵電極(カ)の
体積は、本発明の水素吸蔵電極(ア)、(イ)および
(ウ)よりも20%も大きくなってしまった。ちなみに、
水素吸蔵電極(ア)、(イ)、(ウ)、(エ)および
(オ)の体積はほ等しかった。
つぎに、第1表から、300サイクル目の容量保持率に
関して次のことがわかる。
すなわち、本発明および比較例のガスアトマイズ法で
製造した水素吸蔵合金粉末を備える水素吸蔵電極を用い
る電池(あ)、(い)、(う)、(お)および(か)の
容量保持率は、90%以上の高い値である。一方、従来の
鋳造法で製造した水素吸蔵合金粉末を備える水素吸蔵電
極を用いる電池(え)の容量保持率は、著しく小さい。
なお、本実施例では、水素吸蔵合金として、MmNi3.55
Co0.75Al0.4Mn0.3の組成のものを用いた場合を説明した
が、Mmとその他の成分元素の合計との比を一定にしたま
ま、その構成元素の比を変化させた場合、ミッシュメタ
ルの代わりにランタンリッチミッシュメタルを用いる場
合、Niの一部をMnで置換しない場合、あるいはZrV0.6Ni
0.4やその成分元素を変化させたLaves相合金を用いる場
合にも、同様の効果が認められた。
また、水素吸蔵合金として、CeCl型の結晶構造を有す
るTiNi合金を用いる場合には、そもそも、この合金の機
械的粉砕が困難であるので、溶湯をガスアトマイズ法で
粉末にしてから、さらに水素化粉砕する本発明の方法で
微粉砕した粉末を備える水素吸蔵電極と、溶湯をモール
ドで凝固させてから、水素化粉砕を繰り返す従来の方法
で微粉砕した粉末を備える水素吸蔵電極とを比較した結
果、本発明の方法で製造したTiNi合金の微粉末を備える
本発明の電極は、充放電サイクルの進行にともなう容量
保持特性が良好であった。さらに、この合金の場合に
も、ガスアトマイズ法で製造した粉末を、水素化粉砕す
ることなく分級して得た微粉末と、水素化粉砕して得た
微粉末とを比較すると、後者を備える水素吸蔵電極の放
電容量が大きかった。
したがって、本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法お
よび水素吸蔵電極は、水素吸蔵合金の種類に関わらず有
効であるといえる。
また、本実施例では、水素吸蔵電極として、水素吸蔵
合金粉末をパンチングメタルに保持させたものを説明し
たが、発泡ニッケルなどの3次元多孔体に水素吸蔵合金
粉末を保持させる電極の場合にも、全く同様の効果が得
られる。
さらに、上記の実施例では、330メッシュの篩い(篩
いの目の開き45μ)を通過した水素吸蔵合金粉末を備え
る水素吸蔵電極について説明したが、本発明の効果を発
揮する合金粉末の粒径の範囲は、この粒度に限定される
ものではない。実用的な見地からは、水素吸蔵合金粉末
をペースト状にして、その沈降速度を小さくしたり、3
次元多孔体に水素吸蔵合金粉末を充填するためには、粒
径が小さい粉末が望ましく、100メッシュの篩い(篩い
の目の開き150μ)を通過した程度のものまでであれば
好適である。
発明の効果 本発明の水素吸蔵合金粉末の製造方法および水素吸蔵
電極は、充放電サイクルの進行にともなうアルカリ蓄電
池用水素吸蔵電極の容量保持特性が良好になるという効
果と、導電助剤が少量でもアルカリ蓄電池用水素吸蔵電
極の放電容量が大きくなるという効果とを兼ね備えてい
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神代 光一 東京都千代田区大手町1丁目1番3号 住友金属工業株式会社内 審査官 青木 千歌子 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01M 4/38 H01M 4/24 - 4/26 JOIS

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガスアトマイズ法によって製作した水素吸
    蔵合金の粉末を粉砕することを特徴とする蓄電池用水素
    吸蔵合金粉末の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項第1項記載の方法によって製造した
    水素吸蔵合金粉末を備えることを特徴とする水素吸蔵電
    極。
JP2249405A 1990-09-18 1990-09-18 蓄電池用水素吸蔵合金粉末の製造方法および水素吸蔵電極 Expired - Fee Related JP2972919B2 (ja)

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