JP2972345B2 - 水中油型化粧料用組成物 - Google Patents

水中油型化粧料用組成物

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JP2972345B2
JP2972345B2 JP8505642A JP50564295A JP2972345B2 JP 2972345 B2 JP2972345 B2 JP 2972345B2 JP 8505642 A JP8505642 A JP 8505642A JP 50564295 A JP50564295 A JP 50564295A JP 2972345 B2 JP2972345 B2 JP 2972345B2
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oil
water
fatty acid
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JP8505642A
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智子 池田
正典 相沢
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明は、水中油型化粧料用組成物に関し、より具体
的には、ファンデーション、アイシャドウ、およびリッ
プステック等に適する水中油型固型組成物に関する。 背景技術 従来より固型状化粧料のタイプとして、一般に用いら
れているものとしては、ワックスで油を固化させた固型
油性タイプ、粉末または粉末と油剤の混合物をプレスし
た固型プレス状タイプ、特定の油性固化剤と疎水化処理
粉末と水と親油性界面活性剤とからなる固型状油中水型
乳化タイプ等があり、それぞれ化粧料の使用目的や使用
方法に応じて使い分けがされている。 これらのうち、特に固型状油中水型乳化タイプは、安
定性と耐水性が良好で、さらにしっとりとした使用感触
を有したもので、例えばシリコーン油と固型ワックスと
水とをポリオキシアルキレン変性オルガノポリシロキサ
ンを用いて乳化したものが知られている(特開昭64−79
104号公報)。しかしながら、このような油中水型乳化
タイプは外相に油分や油性固化剤を配合しているため
に、水中油型の乳液やクリームに比べ、「みずみずし
さ」、「さっぱりさ」および「べたつきのなさ」という
点で劣っている。 また、水中油型乳化タイプを固めたものとしては、高
級アルコールや粘土鉱物を多量に配合した例が知られて
いる。しかし、この水中油型乳化タイプのものは多量に
配合した前記成分のために本来水中油型の乳液やクリー
ムが有する「みずみずしさ」「さっぱりさ」「べたつき
のなさ」を失ったものとなっている。固型状の水中油型
乳化タイプのその他の例としては、例えば、脂肪酸石け
んによって外相の水を固化させたも(特開平3−279319
号公報)や、寒天のような水溶性固化剤とセルロース誘
導体のような水溶性粘着剤とを併用して固化させたもの
(特開平5−178723号、特開平7−17828号公報)が知
られている。しかし前者は、石けん分が多いためpHが高
くなり、皮膚への刺激性および安全性上問題があり、ま
た後者は充分な硬度が得られず、スポンジによる使用が
しにくいという問題点があった。 また、近年開発された乳化技術として、両性界面活性
剤と高級脂肪酸とで水不溶性の複合体を形成し、この複
合体が乳化の界面膜となって乳化安定性を確保する技術
が知られているが(特願平3−166367号)、このような
技術を用いても固型乳化タイプであって、かつ「みずみ
ずしさ」、「さっぱりさ」および「べたつきのなさ」を
有するものを得ることは困難であった。 一方、一般的に乳液やクリームは0℃〜50℃の範囲で
流動性があり、そのために瓶、またはチューブという容
器形態になり、携帯性や使用勝手の面で若干劣るもので
あり、特にファンデーションの場合にはそれが顕著であ
った。 このような背景により、携帯性や使用勝手が良い固型
状で、なおかつ、乳液やクリームが有する「みずみずし
さ」、「さっぱりさ」および「べたつきのなさ」という
使用感触を兼ね備えた固型状乳化組成物は得られていな
いのが実情であった。 従って、本発明の目的は、水中油型の乳液やクリーム
が有する「みずみずしさ」、「さっぱりさ」および「べ
たつきのなさ」という使用感触を示すと共に、携帯性や
使用勝手が優れた固型状化粧料として有利に使用できる
組成物を提供することにある。 発明の開示 本発明者らは、上記目的を達成すべく研究を重ねたと
ころ、特定のワックスエステルと、両性界面活性剤との
組み合わせて使用するか、或いは、前記両成分に高級脂
肪酸をさらに組み合わせ使用すると、安定かつ使用感触
に優れた固型状の水中油型乳化組成物が得られることを
見い出した。こうして得られる組成物は、例えば、従来
の水中油型固型化粧料に含められる水溶性固化剤も水溶
性粘着剤をも使用しないのにもかかわらず、上記のよう
な極めて優れた物性を示す。 従って、本発明によれば、水と、ワックスエステル
と、その他の化粧料に配合される成分の1種以上とから
なる水中油型化粧料用組成物であって、組成物の総重量
基準で、 (A) 構成部分として、C18-34の高級脂肪酸に由来す
る部分とC18-44の高級脂肪アルコールに由来する部分を
有する、1種以上のワックスエステル0.1〜10.0重量
%、ならびに (B) 1種以上の両性界面活性剤0.5〜10.0重量% を含んでなる化粧料用組成物。 が提供される。 また、前記(A)成分および(B)成分に加えて、
(C)成分として1種以上のC6-34の高級脂肪酸を一定
量含んでなる化粧料用組成物も提供される。 さらにまた、前記(A)成分および(B)成分、また
は(A)成分、(B)成分および(C)成分に、その他
の成分として、該当技術分野で使用されうる、シリコー
ン油、エステル油(または半固型ワックスエステル)、
高級アルコール類、水溶性高分子類、エチレングリコー
ルまたはグリセロール脂肪酸エステル類、酸化チタンお
よび球状粉末からなる群より選ばれる1種以上を、目的
に応じて、含めた、固型化粧料も提供される。 発明を実施するための最良の形態 本発明で用いる「固型」または「固型状」の語は、50
℃以下の温度において、組成物または成分が流動性を示
さず、通常の、またかりに誤った使用および保管条件下
においても著しい変型を示さない状態にあることを意味
する。具体的には、一定形状の組成分または成分から指
またはスポンジもしくはパフ等を用いてそれらの所望量
をとることができ、それらの残余部はほぼもとの形態を
維持することができる硬度を有しているような状態にあ
ることを意味する。 より具体的には、かかる硬度は、37℃において当該技
術分野で常用されている硬度計(レオメーター)を使用
して測定した場合に、下記式で示される硬度(γ)が7
以上であることを要する。 式中、 G:測定応力(gr)×980dyn L:サンプルの厚み(mm) l:圧縮距離(mm) a:針の断面積(cm2) (測定条件) 負荷重:2kg 針の径:5.6φ 針入速度:2cm/min 針入距離:1mm 測定温度:37℃ 一方、本発明の目的上、本発明に従う組成物は、それ
を構成する各成分を均一に混和または乳化することがで
きるように50℃を超える温度で適度の流動性を有するこ
とが好ましい。 以下、本明細書では、主として、ファンデーションへ
の本発明の組成物の使用を念頭において説明を行うが、
当業者であれば、上記の硬度を指標にすれば、目的に応
じて他の組み合わせを選ぶことも容易であろう。従っ
て、本発明は以下の限定的な説明によって制限されるも
のでない。 本発明で使用するワックスエステルは、常温でワック
ス状にあり、C18-34の高級(または長鎖)脂肪酸に由来
する部分とC18-44の高級(または長鎖)脂肪アルコール
から構成されるカルボン酸エステルである。これらの脂
肪酸および脂肪アルコールの脂肪族基は直鎖または分枝
鎖のいずれであって、飽和または不飽和脂肪族基のいず
れであってもよいが、実用的な観点からは飽和脂肪族基
からなるものを選ぶのが好ましい。 ワックスエステルを構成するC18-34の高級脂肪酸は、
具体的にはC18のオクタデカン酸(ステアリン酸)C20
イコサン酸(アラキジン酸)、C22のドコサン酸(ベヘ
ン酸)、C24のテトラコサン酸(リグノセリン酸)、C26
のヘキサコサン酸(セロチン酸)、C28のオクタコサン
酸(モンタン酸)、C30のトリアコタン酸(メリシン
酸)、C32のドトリアコンタン酸、C34のテトラトリコン
タン酸などの各種天然ろう成分としてそれ自体かまたは
エステルの形態で含まれるものを挙げることができる。
なお、以上のカッコ内の名称は慣用名である。 上記の偶数炭素数の脂肪酸は、入手容易性の点で一般
的であるが、C19のノナテカン酸(ノナデシル酸)、C33
のトリトリアコンタン酸などの寄数炭素数の脂肪酸も、
それらが入手できる限り前記炭素数の脂肪酸から排除さ
れない。また、脂肪族基は分枝していてもよく、例え
ば、ラノリンの脂肪酸組成中に含まれるC18-32のイソ脂
肪酸(偶数炭素)の少なくとも1種、およびC19-33のア
ンテイソ脂肪酸も、本発明にいうワックスエステルを構
成する脂肪酸に含まれる。 またさらに、これらのワックスエステルを構成する脂
肪酸には、前記炭素数を有する不飽和脂肪酸の水素添加
したもの、または、前記脂肪酸に対応するヒドロキシ脂
肪酸の低級アルキル、例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、によるエーテル化されたものをも包含される。 これらのうち、より一般的なものとしては、例えば、
なたねろうのワックスエステルを構成するC22のベヘン
酸、米ぬか油ろうのワックスエステルを構成するC24
リグノセリン酸(カルナウバろうにも多く含まれる)、
ラノリンのワックスエステルを構成するC26のセロチン
酸、セラックろうのワックスエステルを構成するC28
モンタン酸、キャンデリラろうのワックスエステルを構
成するC30のメリシン酸およびC32のドトリアコンタン
酸、セラックろうのワックスエステルを構成するC34
テトラトリアコンタン酸を本発明のワックスエステルを
構成する脂肪酸として挙げることができる。 一方、ワックスエステルを構成するC18-44の高級脂肪
アルコールとしては、前記脂肪酸に対応するアルコー
ル、例えば、C18のステアリルアルコール、C20のイコサ
ノール、C22のドコサノール、C24のテトラコサノール、
C26のヘキサコサノール、C28のオクタコサノール、C30
のミリシルアルコール、C32のラッセロール、C34のテト
ラトリアコンタノールなど、さらにはC44のテトラテト
ラコンタノールが一般的なものとして挙げられる。ま
た、分枝アルコール、例えば、16−メチルオクタデカノ
ール、18−メチルノナデカノール、18−メチルイコサノ
ール、20−メチルヘンイコサノール、20−メチルドコサ
ノール、22−メチルトリコサノール、24−メチルペンタ
コサノールなどの主として、ラノリンに見い出されるも
のも包含される。また、上記炭素数をもつアルコールで
あれば、化学合成によって得られる多種多様のものも前
記高級脂肪アルコールに包含される。 従って、本発明で使用するワックスエステルには、C
18-34の高級脂肪酸の1種とC18-44の高級脂肪アルコー
ルの1種との任意の組み合わせからなるもののすべてが
包含される。このようなワックスエステルは、2種以上
の混合物であってもよい。 一般的に、かかるワックスエステルは、天然ろう成
分、例えば、キャンデリラろう(Candelilla wax)、カ
ルナウバろう(Carnauba wax)、ホホバ油(Jojoba oi
l)、ラノリン(Lanolin)、モンタンろう(Montan wa
x)、ライスワックス(Rice wax)などに由来する高級
脂肪酸と、またこれらのワックス類に由来する高級脂肪
アルコールとから構成されるものが都合よく使用でき
る。これらの脂肪酸に由来する部分とアルコールに由来
する部分からなるワックスエステルは、個々の脂肪酸と
アルコールから合成されるエステルであってもよいが、
前記ワックス類から抽出等によって分離されたものであ
ってもよい。 具体的なワックスエステルとしては、例えばキャンデ
リラろう、カルナウバろう、ホホバ油、またはモンタン
ろう由来のC20脂肪酸−C20アルコール、C20脂肪酸−C30
アルコール、C24脂肪酸−C28アルコール、C24脂肪酸−C
30アルコール、C24脂肪酸−C32アルコール、C28脂肪酸
−C30アルコール、C26脂肪酸−C32アルコール、C26脂肪
酸−C24アルコール、C28脂肪酸−C28アルコール、C28
肪酸−C30アルコール、C30脂肪酸−C28アルコール、C3
−脂肪酸−C30アルコール、C30脂肪酸−C32アルコー
ル、C32脂肪酸−C30アルコール、C32脂肪酸−C32アルコ
ール、C34脂肪酸−C30アルコール、C34脂肪酸−C32アル
コール、などのいずれの組み合わせからなるものであっ
てもよい。また、当然に前記組み合わせからなるエステ
ルは化学合成されたものであっても、天然ろうからの抽
出されたものであってもよい。 化学合成により得られるものであって、本発明のワッ
クスエステルに包含される市販のものとしては、例え
ば、ラノリンの脂肪酸と2−オクチルドデシルアルコー
ルとの反応生成物であるクロダモルODL[CRODAMOL OD
L、商品名、クローダジャパン(株)]を挙げることが
できる。 また、前記天然ワックスのうち、本発明の目的上、悪
影響を及ぼさない組成からなるものは、そのまま、本発
明のワックスエステル成分と一緒に使用することができ
る。悪影響を及ぼさない組成とは、例えば、カルナウバ
ろうのように、過度のヒドロキシエステルを含むもの
は、組成物の乳化時の分離を起こしたり、固化し難い傾
向を有するので、そのまま使用することには注意が必要
である。 本発明で使用できる両性界面活性剤は、通常の化粧品
基剤等に用いられる両性界面活性剤のであればいずれで
もよい。具体例を挙げるならば、 次式 で表されるアミドベタイン型両性界面活性剤[市販品と
してレボン2000(三洋化成製)、アノンBDF)日本油脂
製)等が該当]、 次式 で表されるアミドスルフォベタイン型両性界面活性剤
[市販品としてロンザイン−CS(ロンザ製)、ミラダイ
ンCBS(ミラノール製)等が該当]、 次式 で表されるベタイン型両性界面活性剤[市販品としてア
ノンBL(日本油脂製)、デハイントンAB−30(ヘンケル
製)等が該当]、 次式 で表されるスルフォベタイン型両性界面活性剤[市販品
としてロンザイン−12CS(ロンザ製)等が該当]、 次式 で表されるイミダゾリニウム型両性界面活性剤[市販品
としてオバゾリン662−N(東邦化学製)、アノンGLM
((日本油脂製)等が該当] 等が挙げられる。 本発明の水中油型化粧料用組成物には、その総重量基
準で、一般に、前記ワックスエステル0.1〜10.0重量
%、好ましくは1.0〜5.0重量%と、一般に両性界面活性
剤0.5〜10.0重量%、好ましくは、0.5〜1.5重量%が含
められる。なお、ワックスエステルには、対応するヒド
ロキシワックスエステルが、ワックスエステルの総重量
当たり40重量%未満含まれていてもよい。これらのワッ
クスエステルおよび両性界面活性剤は、それぞれ2種以
上の混合物であってもよい。 本発明の組成物中のワックスエステルの含有量が0.1
重量%未満では固化しにくくなり、そして逆に、10重量
%を超えると、最終製品の「みずみずしさ」、「さっぱ
りさ」が低減し、「べたつき」が出てくる傾向がある。
また、両性界面活性剤の組成物中の含有量が、0.5重量
%未満では乳化しにくくなり、そして逆に10.0重量%を
超えると最終製品に安全性上の問題をもたらす可能性が
ある。 本発明の組成物は、もう一つの主要成分として、C
6-34の高級脂肪酸を含む。このような脂肪酸の使用は、
一般に本発明の化粧料用組成物の固型状態での安定性を
高めるように作用する。このような脂肪酸の具体的なも
のとしては、前記ワックスエステルの構成成分として例
示した高級脂肪酸の他に、例えば、C6のヘキサン酸(カ
プロン酸)C8のオクタン酸(カプリル酸)または2−エ
チルヘキサン酸、C10のデカン酸(カプリン酸)、C12
ドデカン酸(ラウリン酸)、C14のテトラデカン酸(ミ
リスチン酸)、C16のヘキサデカン酸(パルミチン酸)
を、一般的なものとして挙げることができるが、それぞ
れ炭素数が1個ずつ増加した奇数炭素数をもつ脂肪酸を
排除するものでない。また、より長鎖の脂肪酸を使用す
る場合には、対応するヒドロキシ脂肪酸、例えば、12−
ヒドロキシステアリン酸も使用できるので、本発明にい
う脂肪酸には、ヒドロキシ脂肪酸も包含される。 本発明の水中油型化粧料用組成物には、その総重量基
準で、一般に、0.1〜10.0重量%、好ましくは0.1〜2.0
重量%の高級脂肪酸を含めることができる。これらの高
級脂肪酸は2種以上の混合物であってもよい。通常、前
記高級脂肪酸含有量が0.1重量%未満では、乳化安定性
が低減する場合があり、また逆に、10.0重量%を超える
と最終製品の使用安全性に問題が生じる可能性が高くな
る。 また、前記高級脂肪酸を含める場合には、高級脂肪酸
/両性界面活性剤のモル比が1:15〜1:08になるように使
用するのがよい。1:15未満では乳化が困難な場合もあ
り、また1:08を超えると、水中油型乳化組成物が形成で
きない場合がある。 本発明の組成物には、さらにその他の化粧料に配合さ
れる後述する成分を1種以上含めることができる。 例えば、固型状態の安定性に維持または使用感触を高
めるのに役立つものとしては、天然ろう中に含まれる高
級(長鎖)炭化水素類および物性的にそれらの同等物を
挙げることができる。これらは、通常、50℃を超える融
点をもつものがよい。具体的なものとしては、例えば、
ペンタコサン(C25H52)、ヘプタコサン(C27H56)、ヘ
ントリアコンタン(C31H64)、ドトリアコンタン(C32H
66)、スクアレン(C30H50)、などの、みつろう、カル
ナウバろう、キャンデリラろう、その他の動植物油に由
来するもの、またその水素添加物、例えば、スクアレン
の水素添加物スクアラン、などが挙げられる。 これらの炭化水素類は、本発明の組成物の物性に悪影
響を及ぼさない限り、前記ワックスエステルの使用量を
超えて添加することができ、例えば、重量比でほぼ2倍
量を超えて使用することもできる。 従って、本発明の組成物には、例えば、キャンデリラ
ろうそのものを使用することが好都合な場合もある。 さらに、本発明の化粧料用組成物に、特定の目的、例
えば、最終成形品の硬度の上昇、ひびわれ防止、水分の
揮散防止の向上、或いは、使用の際の特定効能、例え
ば、紫外線防止、皮膚吸着性、または毛穴をかくし、き
めを整える、などの作用を向上させるための成分を1種
以上含めることができる。 具体的なものとしては、シリコーン油、エステル油
(半固型ワックスエステル)、高級アルコール、水溶性
高分子、エチレングリコールまたはグリセロールの脂肪
酸エステル類、酸化チタンおよび球状粉末が挙げられ
る。 シリコーン油の具体的なものとしては、トリメチルシ
ロキシケイ酸−デカスチルシクロペンタシロキサン、ジ
メチルポリシロキサンなどを挙げることができる。これ
らの成分は、単独でまたは混合物として、固型化粧料
へ、その総重量基準で、一般に0.1〜40重量%含めるこ
とができる。配合方法としては、通常、後述の調製時
(実施例)の油相部に添加する。これらの成分の添加
は、固型化粧料の硬度を上昇させるのに役立つ。 エステル油(半固型ワックスエステル)の具体的なも
のとしては、エステル構成部分として、C8-24の飽和も
しくは不飽和高級脂肪酸に由来する部分とC14-24の飽和
もしくは不飽和高級アルコールに由来する部分をもつエ
ステル類を挙げることができる。脂肪酸部分を構成する
脂肪酸には、対応する炭素数をもつ前述の飽和脂肪酸ま
たはそれらに対応する不飽和脂肪酸が包含され、アルコ
ール部も、対応する炭素数をもつ直鎖もしくは分枝鎖ま
たは飽和もしくは不飽和の長鎖炭化水素からなるアルコ
ールが包含される。これらの脂肪酸部とアルコール部と
から構成されるすべての脂肪酸エステルを使用すること
ができる。使用量は、固型化粧料の総重量基準で、一般
に0.01〜3.0重量%であり、配合方法としては、通常、
調製時の油相部に添加する。これらの成分の添加は、固
型化粧料のひびわれ防止に役立つ。 高級アルコールの具体的なものとしては、C16-22の飽
和脂肪アルコールまたは飽和脂肪エーテル−脂肪アルコ
ールが挙げられる。より具体的には、C16のセチルアル
コール、C18のステアリルアルコール、C22のベヘニルア
ルコール、C18−O−C3−バチルアルコールなどであ
る。添加方法は、通常、前記油相へ加熱下で添加溶解さ
せる。使用量は、固型化粧料の総重量基準で、一般に0.
005〜2.0重量%である。これらの成分も単独または混合
物として使用することができ、通常、化粧料からの水分
の揮散防止に役立つ。 水溶性高分子の具体的なものとしては、ヒドロキシエ
チルセルロース、ヒアルロン酸、高重合ポリエチレング
リコール、キサンタンガム、ポリ(メタ)アクリル酸、
メチルセルロース、ポリビニルアルコール、デキストラ
ン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリビニルピロリドンお
よびアラビアゴム、ならびに造塩できる場合のこれらの
アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムの塩などが
挙げられる。これらの1種または2種以上の混合物を、
一般に、固型化粧料の総重量基準で、0.001〜3.0重量%
含めるようにすると、固型化粧料からの水分の散揮を防
止するのに役立つ。配合方法は、通常、化粧料調製時の
水性相へ添加する。 エチレングリコールまたはグリセロールの脂肪酸エス
テル類の具体的なものとしては、前述のC18-30の飽和脂
肪酸のエチレングリコールジエステルまたはC18-30の飽
和脂肪酸のトリグリセリルが挙げられる。特に、前者を
使用するのが好ましく、その使用量は、固型化粧料の総
重量基準で、0.001〜5重量%とすることができ、場合
によって、前述のワックスエステルの1部を代替するこ
ともできる。配合方法は、前記油相に添加し、約80℃に
加熱して溶解させる。これらの成分の添加は、通常、本
発明の固型化粧料の硬度を上昇させるのに役立つ。 酸化チタンの具体的なものとしては、超微粒粒、板粒
および針状酸化チタンが挙げられ、通常、これらの形状
の酸化チタンの1種又は2種以上の組み合わせ物が使用
される。使用量は、固型化粧料の総重量基準で、通常、
0.1〜20重量%である。配合方法は、化粧料調製時に一
般的な粉末部に含めて他の成分と混合される。これらの
成分の添加は、固型化粧料の硬度を許容できる範囲内で
の低下をもたらす可能性があるものの、紫外線防止作用
を向上させるのに役立つ。 球状粉末の具体的なものとしては、球状シリカ、球状
ナイロン粉末、球状ポリアクリル酸アルキル、架橋ポリ
スチレン−スクアラン混合末、セルロース粉末、無水ケ
イ酸末、およびメチルシロキサン網上重合体末が挙げら
れる。これらの1種以上を、固型化粧料の総重量基準
で、一般に0.005〜20重量%含めることができる。これ
らの成分の添加は、少なくとも固型化粧料の使用の際の
肌上の毛穴をかくし、きめを整えるか、或いは皮脂の吸
着性を改善するのに役立つ。 本発明の水中油型化粧料用組成物または固型化粧料に
は、さらにその他の化粧料に配合しうる成分を含めるこ
とができる。それらは、例えば、上述したもの以外の油
分、保湿剤、分散剤、粉末、防腐剤、香料、薬剤、増粘
剤、色素、顔料などである。 本発明に従えば、得られる水中油型化粧料用組成物ま
たは固型化粧料は、安定な固型状を維持し、固型状であ
りながら、肌に塗布する際には、使用感触として水中油
型の乳液やクリームと同様の「みずみずしさ」、「さっ
ぱりさ」および「べたつきのなさ」を有し、さらに保管
安定性にも優れている。 以下、さらに具体例を挙げて、本発明を説明する。な
お、以下の各例中の配合量は、特記しない限り、すべて
(重量/重量)%で示す。
【実施例】
実施例1 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 16.8 (2)ステアリン酸ステアリル 5.0 (3)酸化鉄赤 1.0 (4)酸化鉄黄 3.0 (5)酸化鉄黒 0.2 (6)二酸化チタン 10.0 (7)カオリン 5.0 (8)タルク 25.8 (9)1,3−ブチレングリコール 3.0 (10)メチルパラベン 0.2 (11)イオン交換水 25.0 (12)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0 調製法 (1)、(2)を70℃〜80℃で撹拌溶解して油相部と
し、(9)〜(12)を70℃〜80℃で撹拌溶解して水相部
とする。油相部に水相部を加えて乳化させ、あらかじめ
撹拌混合しておいた(3)〜(8)を混合し、ファンデ
ーション中皿に流し混み、冷却して乳化コンパクトを得
た。このコンパクトはみずみずしく、さっぱりとしてい
て、べたつきのない使用性であった。 比較例1 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 16.8 (2)ヒドロキシステアリン酸ステアリル 5.0 (3)酸化鉄赤 1.0 (4)酸化鉄黄 3.0 (5)酸化鉄黒 0.2 (6)二酸化チタン 10.0 (7)カオリン 5.0 (8)タルク 25.8 (9)1,3−ブチレングリコール 3.0 (10)メチルパラベン 0.2 (11)イオン交換水 25.0 (12)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0 調製法 実施例1と同様の方法により製造したところ、実施例
1とは異なり、乳化時に分離を起こした。 実施例2 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 13.69 (2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5.0 (3)ホホバ油を完全水添したもの 0.07 (4)乳酸ステアリル 0.03 (5)セレシン 3.0 (6)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄赤 1.0 (7)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄黄 3.0 (8)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄黒 0.2 (9)デキストリン脂肪酸エステル処理二酸化チタン 10.0 (10)デキストリン脂肪酸エステル処理セリサイト5.0 (11)デキストリン脂肪酸エステル処理タルク 10.8 (12)ポリメチルメタクリレート球状粉末 10.0 (13)6,6−ナイロン 10.0 (14)プロピレングリコール 3.0 (15)ダイナマイトグリセリン 5.0 (16)ヒアルロン酸 0.01 (17)メチルパラベン 0.1 (18)イオン交換水 15.0 (19)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(純分30
%) 5.0 (20)香料 0.1 調製法 70℃〜80℃で油相部に粉末を撹拌混合し、水相部を加
え、乳化した後、コンパクト中皿に流し込み、冷却して
乳化コンパクトを得た。このコンパクトはみずみずし
く、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であっ
た。 なお、ここで用いたデキストリン脂肪酸エステル処理
粉末は、原料粉末95重量%をデキストリン脂肪酸エステ
ルの5重量%アイソパーE(エクソン化学社製)溶液に
添加、撹拌し、脱溶媒し、乾燥、粉砕して得たものであ
る。 実施例3 水中油型乳化ステックファンデーション (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.9 (2)スクワラン 2.0 (3)フルオロカーボン 0.2 (4)ラノリン酸オクチルドデシル 5.0 (5)ヒドロキシステアリン酸メチル 2.0 (6)ワセリン 3.0 (7)シリコーン処理酸化鉄赤 1.0 (8)シリコーン処理酸化鉄黄 2.5 (9)シリコーン処理酸化鉄黒 0.2 (10)マイカ 5.0 (11)タルク 5.0 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)ダイナマイトグリセリン 10.0 (14)メチルパラベン 0.2 (15)イオン交換水 25.0 (16)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分40
%) 25.0 調製法 実施例1と同様の方法により製造し、スチックの型に
流し込み冷却して乳化スチックファンデーションを得
た。このスチックはみずみずしく、さっぱりとしてい
て、べたつきのない使用性であった。 実施例4 水中油型乳化口紅 (1)流動パラフィン 60.89 (2)ヒマシ油 0.5 (3)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (4)ベヘニン酸ベヘニル 3.0 (5)ヒドロキシステアリン酸オクチル 1.0 (6)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0 (7)酸化鉄赤 0.3 (8)酸化鉄黄 1.0 (9)赤色204号 0.7 (10)赤色202号 0.01 (11)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 (12)1,3−ブチレングリコール 3.0 (13)ソルビトール 3.0 (14)メチルパラベン 0.1 (15)イオン交換水 20.0 (16)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 4.0 調製法 実施例1と同様の方法により製造し、口紅の型に流し
込み冷却して乳化口紅を得た。この口紅はみずみずし
く、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であっ
た。 実施例5〜6、比較例2〜6 表1〜2に示すように配合処方により、実施例1と同
様にして乳化組成物を製造した。このうち、実施例5は
油中水型乳化コンパクトである。 得られた各組成物について、次のような方法でさっ
ぱりさ、みずみずしさ、べたつきのなさ、および
硬度を評価した。その結果を実施例1〜4、比較例1の
各組成物の結果とともに表3に示す。 なお、表3中、試作不可は、乳化時に分離を起こして
乳化できなかつたことを示す。 評価法 20名の専門パネルによる使用テストを行い、各人の評
価結果を平均した。 評価基準 5点:非常に良い。 4点:良い。 3点:やや良い。 2点:普通。 1点:悪い。 0点:非常に悪い。 評価の表示 ++:4点以上。 + :3点以上、4点未満。 ± :2点以上、3点未満。 − :1点以上、2点未満。 −−:1点未満。 実施例7 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 (2)キャンデリラロウ 5.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)赤酸化鉄 1.0 (5)黄酸化鉄 3.0 (6)黒酸化鉄 0.2 (7)二酸化チタン 10.0 (8)カオリン 5.0 (9)タルク 25.8 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)メチルパラベン 0.2 (12)イオン交換水 25.0 (13)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0 調製法 (1)〜(3)を70℃〜80℃で撹拌溶解して油相部と
し、(10)〜(13)を70℃〜80℃で撹拌溶解して水相部
とする。油相部に水相部を加えて乳化させ、あらかじめ
撹拌混合しておいた(4)〜(9)を混合し、ファンデ
ーション中皿に流し混み、冷却して水中油型乳化コンパ
クトを得た。このコンパクトはみずみずしく、さっぱり
としていて、べたつきのない使用性であった。(高級脂
肪酸/両性界面活性剤(モル比)=0.86) 比較例7 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 (2)カルナバロウ 5.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)赤酸化鉄 1.0 (5)黄酸化鉄 3.0 (6)黒酸化鉄 0.2 (7)二酸化チタン 10.0 (8)カオリン 5.0 (9)タルク 25.8 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)メチルパラベン 0.2 (12)イオン交換水 25.0 (13)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイ(純分30%) 5.0 調製法 実施例7と同様の方法により製造したところ、実施例
7とは異なり、乳化時に分離を起こした。 比較例8 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 (2)マイクロクリスタリンワックス 5.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)赤酸化鉄 1.0 (5)黄酸化鉄 3.0 (6)黒酸化鉄 0.2 (7)二酸化チタン 10.0 (8)カオリン 5.0 (9)タルク 25.8 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)メチルパラベン 0.2 (12)イオン交換水 25.0 (13)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0 調製法 実施例7と同様の方法により製造したところ、実施例
7とは異なり、乳化はできるものの固型状にならなかっ
た。 比較例9 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 (2)キャンデリラロウ 5.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)赤酸化鉄 1.0 (5)黄酸化鉄 3.0 (6)黒酸化鉄 0.2 (7)二酸化チタン 10.0 (8)カオリン 5.0 (9)タルク 25.8 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)メチルパラベン 0.2 (12)イオン交換水 28.5 (13)ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.5 調製法 実施例7と同様の方法により製造したところ、実施例
7とは異なり、乳化はできるものの粘度が低く、また経
時で分離した。 実施例8 水中油型乳化コンパクト(ファンデーショ
ン) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.69 (2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5.0 (3)キャンデリラロウ 0.1 (4)セレシン 3.0 (5)12−ヒドロキシステアリン酸 8.0 (6)デキストリン脂肪酸エステル処理赤酸化鉄 1.0 (7)デキストリン脂肪酸エステル処理黄酸化鉄 3.0 (8)デキストリン脂肪酸エステル処理黒酸化鉄 0.2 (9)デキストリン脂肪酸エステル処理二酸化チタン 10.0 (10)デキストリン脂肪酸エステル処理セリサイト5.0 (11)デキストリン脂肪酸エステル処理タルク 10.8 (12)ポリメチルメタクリレート球状粉末 5.0 (13)6,6−ナイロン 5.0 (14)プロピレングリコール 3.0 (15)ダイナマイトグリセリン 5.0 (16)ヒアルロン酸 0.01 (17)メチルパラベン 0.1 (18)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(純分30
%) 30.0 (19)香料 0.1 調製法 70℃〜80℃で油相部に粉末を撹拌混合して水相部を加
え、乳化した後、コンパクト中皿に流し込み、冷却して
乳化コンパクトを得た。このコンパクトはみずみずし
く、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であっ
た。(高級脂肪酸/両性界面活性剤(モル比)=1.08) なお、ここで用いたデキストリン脂肪酸エステル処理
粉末は、原料粉末95重量%をデキストリン脂肪酸エステ
ルの5重量%アイソパーE(エクソン化学社製)溶液に
添加、撹拌し、脱溶媒し、乾燥、粉砕して得たものであ
る。 実施例9 水中油型乳化ステックファンデーション (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 2.9 (2)スクワラン 2.0 (3)フルオロカーボン 0.2 (4)キャンデリラロウ 10.0 (5)ワセリン 3.0 (6)イソステアリン酸 3.0 (7)シリコーン処理赤酸化鉄 1.0 (8)シリコーン処理黄酸化鉄 2.5 (9)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2 (10)マイカ 5.0 (11)タルク 5.0 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)ダイナマイトグリセリン 10.0 (14)メチルパラベン 0.2 (15)イオン交換水 40.0 (16)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分40
%) 10.0 調製法 実施例7と同様の方法により製造し、スチックの型に
流し込み冷却して水中油型乳化スチックファンデーショ
ンを得た。このスチックはみずみずしく、さっぱりとし
ていて、べたつきのない使用性であった。(高級脂肪酸
/両性界面活性剤(モル比)=0.72) 実施例10 水中油型乳化口紅 (1)流動パラフィン 60.69 (2)ヒマシ油 0.5 (3)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (4)キャンデリラロウ 3.0 (5)カルナバロウ 1.0 (6)12−ヒドロキシステアリン酸 0.1 (7)オレイン 0.1 (8)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0 (9)赤酸化鉄 0.3 (10)黄酸化鉄 1.0 (11)赤色204号 0.7 (12)赤色202号 0.01 (13)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 (14)1,3−ブチレングリコール 3.0 (15)ソルビトール 3.0 (16)メチルパラベン 0.1 (17)イオン交換水 20.0 (18)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒド
ロキシエチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 4.0 調製法 実施例7と同様の方法により製造し、口紅の型に流し
込み冷却して水中油型乳化口紅を得た。この口紅はみず
みずしく、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性
であった。(高級脂肪酸/両性界面活性剤(モル比)=
0.10) 実施例11〜17、比較例10〜15 表4〜7に示すような配合処方により、実施例7と同
様にして水中油型の乳化組成物を製造した。表では、参
考のため実施例7、比較例7〜9の処方についても記載
した。 得られた各組成物について、実施例5〜6、比較例2
〜6と同様の方法でさっぱりさ、みずみずしさ、
べたつきのなさ、および硬度を評価した。その結果を
実施例7〜10、比較例7〜9の各組成物の結果と共に表
8〜9に示す。なお、前記の評価法および評価基準に従
う。 実施例18〜27 追加の化粧料成分を添加した固型化粧料
(その1) これらの実施例は、水、ワックスエステル、両性界面
活性剤および高級脂肪からなる組成物の調製に際し、特
に油相部に含めて添加される他の化粧料成分、シリコー
ン油、エステル油(または半固型ワックスエステル)、
高級アルコール類、あるいはエチレングリコールまたは
グリセロールの脂肪酸エステル類の添加効果を例証する
ものである。 実施例7に記載の組成物におけるデカメチルシクロペ
ンタシロキサンの一部を、それぞれ表10に示す成分で代
替したこと以外、実施例7に記載の調製法に従って各組
成物(実施例18〜27)を調製した。 各組成物への上記添加による硬度、ひびわれ防止効果
および水分の揮散防止効果について評価した結果を実施
例7の組成物に対する評価結果と併わせて表10にまとめ
る。なお、評価方法は次のように行た。 硬度の測定 不動工業株式会社(FUDO KOGYO CO.)製の硬度計
(レオメーター)を使用し、上述の「固型」または「固
型状」について説明した測定条件に従い、各組成物の硬
度をそれぞれ20個の試料について測定し、その測定結果
の平均値を示す。 揮散防止効果 各組成物を室温(25℃)で開放系に約1時間放置し、
それぞれ20個の試料の重量変化を測定し、もとの重量に
対する重量の減少率の平均値を次のように分類して示
す。 評価の表示 減少率(%) +++ 0.7%未満 ++ 0.7%から1.0%未満 + 1.0%から1.3%未満 ± 1.3%以上 ひびわれ防止効果 各組成物の表面をかき取った後、試料を室温下(25
℃)で開放系に放置し、それぞれ20個の試料にひびわれ
が生じる傾向を経時的に観察し、それらの平均的な挙動
を次のように分類して示す。 評価の表示 ひびわれが生じる傾向 +++ 極めて生じ難い ++ 生じ難い + 試料の数個に小さなひびわれが生じる場
合あり ± 試料の大部分に小さなひびわれが生じる
場合あり 表10より、追加成分としてシリコーン油、エステル油
(または半固型ワックスエステル)、高級アルコール、
あるいはエチレングリコールの高級脂肪酸ジエステルの
添加効果は、例えば次のように要約することができる。 シリコーン油または前記ジエステルの添加は、組成物
のひびわれ挙動および揮散性に対して悪影響を及ぼすこ
となく、組成物の硬度を高め、例えば指またはスポンジ
もしくはパフ等を用いて所望量を採取することを容易に
する。 エステル油の添加は、組成物の硬度および揮散性に殆
んどまたは全く悪影響を及ぼすことなく、ひびわれ防止
効果を有意に向上させる。 高級アルコールは、組成物の硬度およびひびわれ挙動
に対して悪影響を及ぼすことなく、揮散防止効果を有意
に向上させる。 実施例28〜34 追加の化粧料成分を添加した固型化粧料
(その2) これらの実施例は、実施例7の成分のうち、タルクの
一部に代え他の球状粉末を添加した場合の効果を例証す
るものである。 組成物の調製は、実施例7のタルクの一部を表11に示
す成分で代替したこと以外、実施例7に記載の調製法に
従って実施した。 各組成物への上記添加による硬度、肌の毛穴かくし効
果およびべたつき防止効果(べたつきのなさ)を評価し
た。硬度およびべたつきのなさについては上述に従って
評価した結果を表11にまとめて示す。 肌の毛穴かくし効果は、20名の専門パネルによる使用
テストを行い、実施例7の組成物に対する各人の相対的
な評価結果を平均し、次の基準で表11に示す。 評価の表示 相対的な評価 +++ 著しい改善がみられる* ++ かなりの改善がみられる + 若干の改善がみられる ± 実施例7の組成物と等価 *毛穴が全く目立たなくなる a)〜g)の商品名(製造元または販売元)は、次の
ものを使用した。 a) 球状シリカP−1500(触媒化成株式会社) b) ナイロンSP−500(東レ株式会社) c) ファインパール3000SPQ(住友化学株式会社) d) マイクロスフェアM306(エチレングリコールジメ
タクリレート)(松本油脂製薬株式会社) e) セルロフローC−25(チッソ株式会社) f) トスパール 145A(東芝シリコーン株式会社) g) トレフィル E−506S(東レ株式会社) 表11より、球状粉末の添加は、組成物の他の性質、例
えば硬度、に悪影響を及ぼすことなく肌の毛穴を目立た
くし、べたつき(皮脂の吸着性等)を有意に改善するこ
とがわかる。 実施例35〜38 追加の化粧料成分を添加した固型化粧料
(その3) これらの実施例は、実施例7の二酸化チタンの全てを
各種形状の酸化チタンで代替した場合の効果を例証する
ものである。 組成物の調製は、実施例7の二酸化チタンに代え、表
12に示す特定形状の酸化チタンを使用したこと以外、実
施例7に記載の調製法に従って実施した。 得られた各組成物の硬度、肌の毛穴かくし効果、べた
つき防止効果、紫外線遮断効果を評価した結果をまとめ
て表12に示す。 硬度、毛穴の目立たなさ、べたつきのなさについて
は、上述の評価基準に従い、そして紫外線遮断効果[紫
外線遮断ファクター(UV−CUT(SPF))]については、
20名の専門パネルによる使用テストを行い、1時間経過
後の無添加(実施例7)のものの日焼けの程度(値「1
4」)との相対的な値で示す。 表12より、二酸化チタンに代え特定形状の酸化チタン
を使用すると、組成物の硬度が低下する場合もあるが、
毛穴の目立たなさ、べたつきのなさが若干改善された
上、紫外線遮断効果が有意に向上することがわかる。 実施例39〜49 追加の化粧料成分を添加した固型化粧料
(その4) これらの実施例は、実施例7の組成物に水溶性高分子
を添加した場合(イオン交換水の一部を代替する)の効
果を例証するものである。 組成物の調製は、実施例7の水相部に表13に示す各水
溶性高分子添加したこと以外、実施例7に記載の調製法
に従って実施した。 得られた各組成物について、上述の評価方法に従い硬
度および揮散防止効果を評価した結果を表13にまとめて
示す。 表13より、一定の水溶性高分子の添加は、揮散防止効
果を有意に改善するとともに、硬度を改善するのにも役
立つ場合があることがわかる。 産業上の利用可能性 本発明の水中油型化粧料用組成物または固型化粧料
は、それら自体、肌への使用感に優れ、安定に保管でき
る化粧料用中間組成物または最終製品を提供できる。従
って、化粧品製造業において、強い利用可能性を有す
る。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と、ワックスエステルと、その他の化粧
    料に配合される成分の1種以上とからなる水中油型化粧
    料用組成物であって、組成物の総重量基準で、 (A) 構成部分として、C18-34の高級脂肪酸に由来す
    る部分とC18-44の高級脂肪アルコールに由来する部分を
    有する、1種以上のワックスエステル0.1〜10.0重量
    %、ならびに (B) 1種以上の両性界面活性剤0.5〜10.0重量% を含んでなる化粧料用組成物。
  2. 【請求項2】水と、ワックスエステルと、その他の化粧
    料に配合される成分の1種以上とからなる水中油型化粧
    料用組成物であって、組成物の総重量基準で、 (A) 構成部分として、C18-34の高級脂肪酸に由来す
    る部分とC18-44の高級脂肪アルコールに由来する部分を
    有する、1種以上のワックスエステル0.1〜10.0重量
    %、 (B) 1種以上の両性界面活性剤0.5〜10.0重量%、
    ならびに (C) 1種以上のC6-34の高級脂肪酸0.1〜2.0重量% を含んでなる化粧料用組成物。
  3. 【請求項3】成分(C)対成分(B)のモル比が、1:15
    〜1:08である請求の範囲第2項記載の組成物。
  4. 【請求項4】成分(A)が、構成部分としてC26-34の高
    級脂肪酸に由来する部分とC28-44の高級脂肪アルコール
    に由来する部分を有する1種以上のワックスエステルで
    ある請求の範囲第1項または第2項記載の組成物。
  5. 【請求項5】成分(A)が、キャンデリラロウ(Candel
    illa wax)に由来するワックスエステルである請求の範
    囲第1項または第2項記載の組成物。
  6. 【請求項6】成分(B)が、アミドベタイン型、アミド
    フルフォベタイン型、ベタイン型、スルフォベタイン型
    およびイミダゾリニウム型両性界面活性剤からなる群よ
    り選ばれる1種以上である請求の範囲第1項または第2
    項記載の組成物。
  7. 【請求項7】水と、ワックスエステルと、その他の化粧
    料に配合される成分の1種以上とからなる水中油型固型
    化粧料であって、組成物の総重量基準で、 (A) 構成部分として、C18-34の高級脂肪酸に由来す
    る部分とC18-44の高級脂肪アルコールに由来する部分を
    有する、1種以上のワックスエステル0.1〜10.0重量
    %、 (B) 1種以上の両性界面活性剤0.5〜10.0重量%、 (C) 1種以上のC6-34の高級脂肪酸0〜10.0重量
    %、ならびに (D) その他の化粧料に成分として、シリコーン油、
    エステル油(または半固型ワックスエステル)、高級ア
    ルコール類、水溶性高分子類、エチレングリコールまた
    はグリセロールの脂肪酸エステル類、酸化チタンおよび
    球状粉末からなる群より選ばれる1種以上、 を含んでなる固型化粧料。
  8. 【請求項8】シリコーン油がトリメチルシロキシケイ酸
    −デカスチルシクロペンタシロキサン、ジメチルポリシ
    ロキサンである請求の範囲第7項記載の固型化粧料。
  9. 【請求項9】エステル油(または半固型ワックスエステ
    ル)が構成部分として、C8-24の飽和もしくは不飽和高
    級脂肪酸に由来する部分とC14-24の飽和もしくは不飽和
    高級アルコールに由来する部分をもつエステル類の1種
    以上を含む成分である請求の範囲第7項記載の固型化粧
    料。
  10. 【請求項10】高級アルコール類が、C16-22の飽和脂肪
    アルコールまたは飽和脂肪エーテル−脂肪アルコールで
    ある請求の範囲第7項記載の固型化粧料。
  11. 【請求項11】水溶性高分子が、ヒドロキシエチルセル
    ロース、ヒアルロン酸、高重合ポリエチレングリコー
    ル、キサンタンガム、ポリ(メタ)アクリル酸、メチル
    セルロース、ポリビニルアルコール、デキストラン硫
    酸、コンドロイチン硫酸、ポリビニルピロリドンおよび
    アラビアゴムからなる群より選ばれる1種以上からなる
    請求の範囲第7項記載の固型化粧料。
  12. 【請求項12】エチレングリコールまたはグリセロール
    の脂肪酸エステル類がC18-30の飽和脂肪酸のエチレング
    リコールジエステルまたはC18-30の飽和脂肪酸のトリグ
    リセリルの1種以上からなるエステル類である請求の範
    囲第7項記載の固型化粧料。
  13. 【請求項13】酸化チタンが超微粒状、板状および針状
    酸化チタンの2種以上の組み合わせ物である請求の範囲
    第7項記載の固型化粧料。
  14. 【請求項14】球状粉末が、球状シリカ、球状ナイロン
    粉末、球状ポリアクリル酸アルキル、架橋ポリスチレン
    −スクワラン混合末、セルロース粉末、無水ケイ酸末、
    およびメチルシロキサン網状重合体末からなる群より選
    ばれる1種以上の粉末からなる請求の範囲第7項記載の
    固型化粧料。
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