JPH09194330A - 水中油型の固型化粧料 - Google Patents

水中油型の固型化粧料

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JPH09194330A
JPH09194330A JP2338396A JP2338396A JPH09194330A JP H09194330 A JPH09194330 A JP H09194330A JP 2338396 A JP2338396 A JP 2338396A JP 2338396 A JP2338396 A JP 2338396A JP H09194330 A JPH09194330 A JP H09194330A
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JP
Japan
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oil
water
fatty acid
acid
ester
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JP2338396A
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Tomoko Ikeda
智子 池田
Masanori Aizawa
正典 相沢
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Shiseido Co Ltd
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Shiseido Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 使用感および物性に優れた固型化粧料の提
供。 【解決手段】(A)固型ワックスエステル、(B)両性
界面活性剤、(C)シリコーン油、エステル油、高級ア
ルコール、エチレングリコールもしくはグリセロールの
脂肪酸エステルおよび水溶性高分子からなる群より選ば
れる少なくとも1種の成分、ならびに場合によって、
(D)1種以上のC6-34の高級脂肪酸、を含んでなる水
中油型の固型化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水中油型の固型化
粧料に関し、より具体的には、ファンデーション、アイ
シャドウ、およびリップステック等の形態で提供される
固型化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より固型状化粧料のタイプとして、
一般に用いられているものとしては、ワックスで油を固
化させた固型油性タイプ、粉末または粉末と油剤の混合
物をプレスした固型プレス状タイプ、特定の油性固化剤
と疎水化処理粉末と水と親油性界面活性剤とからなる固
型状油中水型乳化タイプ等があり、それぞれ化粧料の使
用目的や使用方法に応じて使い分けがされている。
【0003】これらのうち、特に固型状油中水型乳化タ
イプは、安定性と耐水性が良好で、さらにしっとりとし
た使用感触を有したもので、例えばシリコーン油と固型
ワックスと水とをポリオキシアルキレン変性オルガノポ
リシロキサンを用いて乳化したものが知られている(特
開昭64−79104号公報)。しかしながら、このよ
うな油中水型乳化タイプは外相に油分や油性固化剤を配
合しているために、水中油型の乳液やクリームに比べ、
「みずみずしさ」、「さっぱりさ」および「べたつきの
なさ」という点で劣っている。
【0004】また、水中油型乳化タイプを固めたものと
しては、高級アルコールや粘土鉱物を多量に配合した例
が知られている。しかし、この水中油型乳化タイプのも
のは多量に配合した前記成分のために本来水中油型の乳
液やクリームが有する「みずみずしさ」「さっぱりさ」
「べたつきのなさ」を失ったものとなっている。固型状
の水中油型乳化タイプのその他の例としては、例えば、
脂肪酸石けんによって外相の水を固化させたもの(特開
平3−279319号公報)や、寒天のような水溶性固
化剤とセルロース誘導体のような水溶性粘着剤とを併用
して固化させたもの(特開平5−178723号、特開
平7−17828号公報)が知られている。しかし前者
は、石けん分が多いためpHが高くなり、皮膚への刺激
性および安全性上問題があり、また後者は充分な硬度が
得られず、スポンジによる使用がしにくいという問題点
があった。
【0005】また、近年開発された乳化技術として、両
性界面活性剤と高級脂肪酸とで水不溶性の複合体を形成
し、この複合体が乳化の界面膜となって乳化安定性を確
保する技術が知られているが(特願平3−166367
号)、このような技術を用いても固型乳化タイプであっ
て、かつ「みずみずしさ」、「さっぱりさ」および「べ
たつきのなさ」を有するものを得ることは困難であっ
た。
【0006】一方、一般的に乳液やクリームは0℃〜5
0℃の範囲で流動性があり、そのために瓶、またはチュ
ーブという容器形態になり、携帯性や使用勝手の面で若
干劣るものであり、特にファンデーションの場合にはそ
れが顕著であった。
【0007】このような背景により、携帯性や使用勝手
が良い固型状で、なおかつ、乳液やクリームが有する
「みずみずしさ」、「さっぱりさ」および「べたつきの
なさ」という使用感触を兼ね備えた固型状乳化組成物は
得られていないのが実情であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、水中油型の乳液やクリームが有する「みずみずし
さ」、「さっぱりさ」および「べたつきのなさ」という
使用感触を示すと共に、携帯性や使用勝手が優れた固型
状であって、製品の硬度が適度に維持され、かつひびわ
れが生じる傾向および揮散性の低減した化粧料を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく研究を重ねたところ、特定のワックスエス
テルと、両性界面活性剤とを組み合わせて使用するか、
或いは、前記両成分に高級脂肪酸をさらに組み合わせて
使用すると、安定かつ使用感触に優れた固型状の水中油
型乳化組成物が得られることを見い出した。
【0010】また、こうして得られる組成物に、さらに
シリコーン油、エステル油(半固型ワックスエステ
ル)、高級アルコール、エチレングリコールもしくはグ
リセロールの脂肪酸エステル、または水溶性高分子を含
ませることで上記課題が解決できることも見い出した。
【0011】従って本発明によれば、水と、ワックスエ
ステルと、その他の化粧料に配合される成分の1種以上
とからなる水中油型の固型化粧料であって、化粧料の総
重量基準で、(A) 構成部分として、C18-34の高級
脂肪酸に由来する部分とC18-44の高級脂肪アルコール
に由来する部分を有する、1種以上のワックスエステル
0.1〜10.0重量%、(B) 1種以上の両性界面活
性剤0.5〜10.0重量%、(C) 主として化粧料中
の水分揮散防止作用を有する成分として、シリコーン
油、エステル油(半固型ワックスエステル)、高級アル
コール、エチレングリコールもしくはグリセロールの脂
肪酸エステル、および水溶性高分子からなる群より選ば
れる少なくとも1種の成分0.001〜40.0重量%、
ならびに(D) 1種以上のC6-34の高級脂肪酸0〜1
0.0重量%、を含んでなる固型化粧料、が提供され
る。
【0012】本発明で用いる「固型」または「固型状」
の語は、50℃以下の温度において、組成物または成分
が流動性を示さず、通常の、またかりに誤った使用およ
び保管条件下においても著しい変型を示さない状態にあ
ることを意味する。具体的には、一定形状の組成分また
は成分から指またはスポンジもしくはパフ等を用いてそ
れらの所望量をとることができ、それらの残余部はほぼ
もとの形態を維持することができる硬度を有しているよ
うな状態にあることを意味する。
【0013】より具体的には、かかる硬度は、37℃に
おいて当該技術分野で常用されている硬度計(レオメー
ター)を使用して測定した場合に、下記式で示される硬
度(γ)が7以上であることを要する。
【0014】
【数1】
【0015】式中、 G:測定応力(gr)×980dyn L:サンプルの厚み(mm) l:圧縮距離(mm) a:針の断面積(cm2) (測定条件) 負荷重:2kg 針の径:5.6φ 針入速度:2cm/min 針入距離:1mm 測定温度:37℃ 一方、本発明の目的上、本発明に従う化粧料は、それを
構成する各成分を均一に混和または乳化することができ
るように50℃を超える温度で適度の流動性を有するこ
とが好ましい。
【0016】以下、本明細書では、主として、本発明の
化粧料がファンデーションへ向けられる場合を念頭にお
いて説明を行うが、当業者であれば、上記の硬度を指標
にし、目的に応じて他の組み合わせを選ぶことも容易で
あろう。従って、本発明は以下の限定的な説明によって
制限されるものでない。
【0017】本発明で使用するワックスエステルは、常
温でワックス状にあり、C18-34の高級(または長鎖)
脂肪酸に由来する部分とC18-44の高級(または長鎖)
脂肪アルコールから構成されるカルボン酸エステルであ
る。これらの脂肪酸および脂肪アルコールの脂肪族基は
直鎖または分枝鎖のいずれであって、飽和または不飽和
脂肪族基のいずれであってもよいが、実用的な観点から
は飽和脂肪族基からなるものを選ぶのが好ましい。
【0018】ワックスエステルを構成するC18-34の高
級脂肪酸は、具体的にはC18のオクタデカン酸(ステア
リン酸)C20のイコサン酸(アラキジン酸)、C22のド
コサン酸(ベヘン酸)、C24のテトラコサン酸(リグノ
セリン酸)、C26のヘキサコサン酸(セロチン酸)、C
28のオクタコサン酸(モンタン酸)、C30のトリアコン
タン酸(メリシン酸)、C32のドトリアコンタン酸、C
34のテトラトリコンタン酸などの各種天然ろう成分とし
てそれ自体かまたはエステルの形態で含まれるものを挙
げることができる。なお、以上のカッコ内の名称は慣用
名である。
【0019】上記の偶数炭素数の脂肪酸は、入手容易性
の点で一般的であるが、C19のノナテカン酸(ノナデシ
ル酸)、C33のトリトリアコンタン酸などの奇数炭素数
の脂肪酸も、それらが入手できる限り前記炭素数の脂肪
酸から排除されない。また、脂肪族基は分枝していても
よく、例えば、ラノリンの脂肪酸組成中に含まれるC
18-32のイソ脂肪酸(偶数炭素)の少なくとも1種、お
よびC19-33のアンテイソ脂肪酸も、本発明にいうワッ
クスエステルを構成する脂肪酸に含まれる。
【0020】またさらに、これらのワックスエステルを
構成する脂肪酸には、前記炭素数を有する不飽和脂肪酸
の水素添加したもの、または、前記脂肪酸に対応するヒ
ドロキシ脂肪酸の低級アルキル、例えば、メチル、エチ
ル、プロピル、によるエーテル化されたものをも包含さ
れる。
【0021】これらのうち、より一般的なものとして
は、例えば、なたねろうのワックスエステルを構成する
22のベヘン酸、米ぬか油ろうのワックスエステルを構
成するC24のリグノセリン酸(カルナウバろうにも多く
含まれる)、ラノリンのワックスエステルを構成するC
26のセロチン酸、セラックろうのワックスエステルを構
成するC28のモンタン酸、キャンデリラろうのワックス
エステルを構成するC30のメリシン酸およびC32のドト
リアコンタン酸、セラックろうのワックスエステルを構
成するC34のテトラトリアコンタン酸を本発明のワック
スエステルを構成する脂肪酸として挙げることができ
る。
【0022】一方、ワックスエステルを構成するC
18-44の高級脂肪アルコールとしては、前記脂肪酸に対
応するアルコール、例えば、C18のステアリルアルコー
ル、C20のイコサノール、C22のドコサノール、C24
テトラコサノール、C26のヘキサコサノール、C28のオ
クタコサノール、C30のミリシルアルコール、C32のラ
ッセロール、C34のテトラトリアコンタノールなど、さ
らにはC44のテトラテトラコンタノールが一般的なもの
として挙げられる。また、分枝アルコール、例えば、1
6−メチルオクタデカノール、18−メチルノナデカノ
ール、18−メチルイコサノール、20−メチルヘンイ
コサノール、20−メチルドコサノール、22−メチル
トリコサノール、24−メチルペンタコサノールなどの
主として、ラノリンに見い出されるものも包含される。
また、上記炭素数をもつアルコールであれば、化学合成
によって得られる多種多様のものも前記高級脂肪アルコ
ールに包含される。
【0023】従って、本発明で使用するワックスエステ
ルには、C18-34の高級脂肪酸の1種とC18-44の高級脂
肪アルコールの1種との任意の組み合わせからなるもの
のすべてが包含される。このようなワックスエステル
は、2種以上の混合物であってもよい。
【0024】一般的に、かかるワックスエステルは、天
然ろう成分、例えば、キャンデリラろう(Candelilla w
ax)、カルナウバろう(Carnauba wax)、ホホバ油(Jo
jobaoil)、ラノリン(Lanolin)、モンタンろう(Monta
n wax)、ライスワックス(Rice wax)などに由来する
高級脂肪酸と、またこれらのワックス類に由来する高級
脂肪アルコールとから構成されるものが都合よく使用で
きる。これらの脂肪酸に由来する部分とアルコールに由
来する部分からなるワックスエステルは、個々の脂肪酸
とアルコールから合成されるエステルであってもよい
が、前記ワックス類から抽出等によって分離されたもの
であってもよい。
【0025】具体的なワックスエステルとしては、例え
ばキャンデリラろう、カルナウバろう、ホホバ油、また
はモンタンろう由来のC20脂肪酸−C20アルコール、C
20脂肪酸−C30アルコール、C24脂肪酸−C28アルコー
ル、C24脂肪酸−C30アルコール、C24脂肪酸−C32
ルコール、C26脂肪酸−C30アルコール、C26脂肪酸−
32アルコール、C28脂肪酸−C24アルコール、C28
肪酸−C28アルコール、C28脂肪酸−C30アルコール、
30脂肪酸−C28アルコール、C3−脂肪酸−C30アル
コール、C30脂肪酸−C32アルコール、C32脂肪酸−C
30アルコール、C32脂肪酸−C32アルコール、C34脂肪
酸−C30アルコール、C34脂肪酸−C32アルコール、な
どのいずれの組み合わせからなるものであってもよい。
また、当然に前記組み合わせからなるエステルは化学合
成されたものであっても、天然ろうからの抽出されたも
のであってもよい。
【0026】化学合成により得られるものであって、本
発明のワックスエステルに包含される市販のものとして
は、例えば、ラノリンの脂肪酸と2−オクチルドデシル
アルコールとの反応生成物であるクロダモルODL[C
RODAMOL ODL、商品名、クローダジャパン
(株)]を挙げることができる。
【0027】また、前記天然ワックスのうち、本発明の
目的上、悪影響を及ぼさない組成からなるものは、その
まま、本発明のワックスエステル成分と一緒に使用する
ことができる。悪影響を及ぼさない組成とは、例えば、
カルナウバろうのように、過度のヒドロキシエステルを
含むものは、組成物の乳化時の分離を起こしたり、固化
し難い傾向を有するので、そのまま使用することには注
意が必要である。
【0028】本発明で使用できる両性界面活性剤は、通
常の化粧品基剤等に用いられる両性界面活性剤のであれ
ばいずれでもよい。具体例を挙げるならば、次式
【0029】
【化1】
【0030】で表されるアミドべタイン型両性界面活性
剤[市販品としてレボン2000(三洋化成製)、アノ
ンBDF(日本油脂製)等が該当]、次式
【0031】
【化2】
【0032】で表されるアミドスルフォベタイン型両性
界面活性剤[市販品としてロンザイン−CS(ロンザ
製)、ミラダインCBS(ミラノール製)等が該当]、
次式
【0033】
【化3】
【0034】で表されるベタイン型両性界面活性剤[市
販品としてアノンBL(日本油脂製)、デハイントンA
B−30(ヘンケル製)等が該当]、次式
【0035】
【化4】
【0036】で表されるスルフォベタイン型両性界面活
性剤[市販品としてロンザイン12CS(ロンザ製)等
が該当]、次式
【0037】
【化5】
【0038】で表されるイミダゾリニウム型両性界面活
性剤[市販品としてオバゾリン662−N(東邦化学
製)、アノンGLM(日本油脂製)等が該当]等が挙げ
られる。本発明の水中油型の固型化粧料には、その総重
量基準で、一般に、前記ワックスエステル0.1〜10.
0重量%、好ましくは1.0〜5.0重量%と、一般に両
性界面活性剤0.5〜10.0重量%、好ましくは、0.
5〜1.5重量%が含められる。なお、ワックスエステ
ルには、対応するヒドロキシワックスエステルが、ワッ
クスエステルの総重量当たり40重量%未満含まれてい
てもよい。これらのワックスエステルおよび両性界面活
性剤は、それぞれ2種以上の混合物であってもよい。
【0039】本発明の化粧料中のワックスエステルの含
有量が0.1重量%未満では固化しにくくなり、そして
逆に、10重量%を超えると、最終製品の「みずみずし
さ」、「さっぱりさ」が低減し、「べたつき」が出てく
る傾向がある。また、両性界面活性剤の組成物中の含有
量が、0.5重量%未満では乳化しにくくなり、そして
逆に10.0重量%を超えると安全性上の問題をもたら
す可能性がある。
【0040】本発明の化粧料は、任意成分として、C
6-34の高級脂肪酸を含んでいてもよい。このような脂肪
酸の使用は、一般に本発明の化粧料の固型状態での安定
性を高めるように作用する。このような脂肪酸の具体的
なものとしては、前記ワックスエステルの構成成分とし
て例示した高級脂肪酸の他に、例えば、C6のヘキサン
酸(カプロン酸)C8のオクタン酸(カプリル酸)また
は2−エチルヘキサン酸、C10のデカン酸(カプリン
酸)、C12のドデカン酸(ラウリン酸)、C14のテトラ
デカン酸(ミリスチン酸)、C16のヘキサデカン酸(パ
ルミチン酸)を、一般的なものとして挙げることができ
るが、それぞれ炭素数が1個ずつ増加した奇数炭素数を
もつ脂肪酸を排除するものでない。また、より長鎖の脂
肪酸を使用する場合には、対応するヒドロキシ脂肪酸、
例えば、12−ヒドロキシステアリン酸も使用できるの
で、本発明にいう脂肪酸には、ヒドロキシ脂肪酸も包含
される。
【0041】本発明の水中油型の固型化粧料に上記高級
脂肪酸を含める場合には、その総重量基準で、一般に、
0.1〜10.0重量%、好ましくは0.1〜2.0重量%
となるように含めることができる。これらの高級脂肪酸
は2種以上の混合物であってもよい。通常、前記高級脂
肪酸含有量が0.1重量%未満では、乳化安定性が低減
する場合があり、また逆に、10.0重量%を超えると
使用安全性に問題が生じる可能性が高くなる。
【0042】また、前記高級脂肪酸を含める場合には、
高級脂肪酸/両性界面活性剤のモル比が1:15〜1:
08になるように使用するのがよい。1:15未満では
乳化が困難な場合もあり、また1:08を超えると、水
中油型の固型乳化組成物が形成できない場合がある。
【0043】本発明では、さらなる必須成分として、シ
リコーン油、エステル油(半固型ワックスエステル)、
高級アルコール、エチレングリコールもしくはグリセロ
ールの脂肪酸エステル、および水溶性高分子を含められ
る。
【0044】シリコーン油の具体的なものとしては、ト
リメチルシロキシケイ酸−デカスチルシクロペンタシロ
キサン、ジメチルポリシロキサンなどを挙げることがで
きる。これらの成分は、単独でまたは混合物として、固
型化粧料の総重量基準で、一般に0.1〜40重量%含
めることができる。配合方法としては、通常、後述の調
製時(実施例)の油相部に添加する。これらの成分の添
加は、特に固型化粧料の硬度を上昇させるのに役立つ。
【0045】エステル油(または半固型ワックスエステ
ル)の具体的なものとしては、エステル構成部分とし
て、C8-24の飽和もしくは不飽和高級脂肪酸に由来する
部分とC14-24の飽和もしくは不飽和高級アルコールに
由来する部分をもつエステル類を挙げることができる。
脂肪酸部分を構成する脂肪酸には、対応する炭素数をも
つ前述の飽和脂肪酸またはそれらに対応する不飽和脂肪
酸が包含され、アルコール部も、対応する炭素数をもつ
直鎖もしくは分枝鎖または飽和もしくは不飽和の長鎖炭
化水素からなるアルコールが包含される。これらの脂肪
酸部とアルコール部とから構成されるすべての脂肪酸エ
ステルを使用することができる。使用量は、固型化粧料
の総重量基準で、一般に0.01〜3.0重量%であり、
配合方法としては、通常、調製時の油相部に添加する。
これらの成分の添加は、特に固型化粧料のひびわれが生
じる傾向の低減またはひびわれ防止に役立つ。
【0046】高級アルコールの具体的なものとしては、
16-22の飽和脂肪アルコールまたは飽和脂肪エーテル
−脂肪アルコールが挙げられる。より具体的には、C16
のセチルアルコール、C18のステアリルアルコール、C
22のベヘニルアルコール、C18−O−C3−のバチルア
ルコールなどである。添加方法は、通常、前記油相へ加
熱下で添加溶解させる。使用量は、固型化粧料の総重量
基準で、一般に0.005〜2.0重量%である。これら
の成分も単独または混合物として使用することができ、
化粧料の使用感、硬度等に悪影響を及ぼすことなく化粧
料からの水分等の成分の揮散防止に役立つ。
【0047】エチレングリコールのもしくはグリセロー
ルの脂肪酸エステル類の具体的なものとしては、前述の
18-30の飽和脂肪酸のエチレングリコールジエステル
またはC18-30の飽和脂肪酸のトリグリセリルが挙げら
れる。特に、前者を使用するのが好ましく、その使用量
は、固型化粧料の総重量基準で、0.001〜5重量%
とすることができる。これらの配合方法は、前記油相に
添加し、約80℃に加熱して溶解させる。これらの成分
の添加は、化粧料からの水分等の揮散性を低減するとと
もに、硬度を上昇させるのに役立つ。
【0048】水溶性高分子の具体的なものとしては、ヒ
ドロキシエチルセルロース、ヒアルロン酸、高重合ポリ
エチレングリコール、キサンタンガム、ポリ(メタ)ア
クリル酸、メチルセルロース、ポリビニルアルコール、
デキストラン硫酸、コンドロイチン硫酸、ポリビニルピ
ロリドンおよびアラビアゴム、ならびに造塩できる場合
のこれらのアルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム
の塩などが挙げられる。これらの1種または2種以上の
混合物を、一般に、固型化粧料の総重量基準で、0.0
01〜3.0重量%含めるようにすると、固型化粧料か
らの水分の散揮を防止するのに役立つ。配合方法は、通
常、化粧料調製時の水性相へ添加する。
【0049】本発明では、上述したように、固型化粧料
の物性に悪影響を及ぼさない成分を相当量含んでいても
よい。比較的多く含めうるものとしては、高級炭化水素
類を挙げることができる。特に天然ろう中に含まれる高
級(長鎖)炭化水素類は、固型状態の安定化または使用
感を高めるのに役立つ場合が多い。これらは、通常、5
0℃を超える融点をもつものがよい。具体的なものとし
ては、例えば、ペンタコサン(C2552)、ヘプタコサ
ン(C2756)、ヘントリアコンタン(C3164)、ド
トリアコンタン(C3266)、スクアレン(C
3050)、などの、みつろう、カルナウバろう、キャン
デリラろう、その他の動植物油に由来するもの、またそ
の水素添加物、例えば、スクアレンの水素添加物スクア
ラン、などが挙げられる。
【0050】これらの炭化水素類は、本発明の化粧料の
物性に悪影響を及ぼさない限り、前記ワックスエステル
の使用量を超えて添加することができ、例えば、重量比
でほぼ2倍量を超えて使用することもできる。
【0051】従って、本発明の化粧料には、例えば、キ
ャンデリラろうそのものを使用することが好都合な場合
もある。
【0052】さらに、本発明の化粧料に、他の特定の目
的、例えば、硬度の上昇、ひびわれ防止、水分の揮散防
止の向上と共に、或いは、使用の際の特定効能、例え
ば、紫外線防止、皮膚吸着性、または毛穴をかくし、き
めを整える、などの作用を向上させるための成分を1種
以上含めることができる。
【0053】本発明の水中油型の固型化粧料には、さら
にその他の化粧料に配合しうる成分を含めることができ
る。それらは、例えば、上述したもの以外の油分、保湿
剤、分散剤、粉末、防腐剤、香料、薬剤、増粘剤、色
素、顔料などである。
【0054】本発明に従えば、得られる水中油型の固型
化粧料は、安定な固型状を維持し、固型状でありなが
ら、肌に塗布する際には、使用感触として水中油型の乳
液やクリームと同様の「みずみずしさ」、「さっぱり
さ」および「べたつきのなさ」を有し、さらに保管安定
性にも優れている。
【0055】
【実施例】以下、さらに具体例を挙げて、本発明を説明
する。なお、以下の各例中の配合量は、特記しない限
り、すべて(重量/重量)%で示す。なお、各固型化粧
量に対する評価は次の基準または方法によって行った。
【0056】硬度の測定 不動工業株式会社(FUDO KOGYO CO.)製
の硬度計(レオメーター)を使用し、上述の「固型」ま
たは「固型状」について説明した測定条件に従い、各組
成物の硬度をそれぞれ20個の試料について測定し、そ
の測定結果の平均値を示す。
【0057】揮散防止効果 各組成物を室温(25℃)で開放系に約1時間放置し、
それぞれ20個の試料の重量変化を測定し、もとの重量
に対する重量の減少率の平均値を次のように分類して示
す。
【0058】評価の表示 減少率(%) +++ 0.7%未満 ++ 0.7%から1.0%未満 + 1.0%から1.3%未満 ± 1.3%以上ひびわれ防止効果 各組成物の表面をかき取った後、試料を室温下(25
℃)で開放系に放置し、それぞれ20個の試料にひびわ
れが生じる傾向を経時的に観察し、それらの平均的な挙
動を次のように分類して示す。
【0059】 評価の表示 ひびわれが生じる傾向 +++ 極めて生じ難い ++ 生じ難い + 試料の数個に小さなひびわれが生じる場合あり ± 試料の大部分に小さなひびわれが生じる場合あり例1(参考例) 水中油型乳化固型化粧料(ファンデーション) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 15.8 (2)キャンデリラロウ 5.0 (3)ステアリン酸 1.0 (4)赤酸化鉄 1.0 (5)黄酸化鉄 3.0 (6)黒酸化鉄 0.2 (7)二酸化チタン 10.0 (8)カオリン 5.0 (9)タルク 25.8 (10)1,3−ブチレングリコール 3.0 (11)メチルパラベン 0.2 (12)イオン交換水 25.0 (13)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0調製法 (1)〜(3)を70〜80℃で撹拌溶解して油相部と
し、(10)〜(13)を70〜80℃で撹拌溶解して水相
部とする。油相部に水相部を加えて乳化させ、あらかじ
め撹拌混合しておいた(4)〜(9)を混合し、ファン
デーション中皿に流し混み、冷却して水中油型乳化固型
化粧料を得た。この化粧料はみずみずしく、さっぱりと
していて、べたつきのない使用性であった。(高級脂肪
酸/両性界面活性剤(モル比)=0.86)例2〜22(本発明) 例1に記載の組成物におけるデカメチルシクロペンタシ
ロキサンの一部を、それぞれ表1〜3に示す成分で代替
したこと以外、例1に記載の組成および調製法に従って
各固型化粧料(ファンデーション)を調製した。
【0060】各化粧料の硬度、ひびわれが生じる傾向お
よび揮散防止効果に対する評価結果を表1〜3にまとめ
て示す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】例23〜36(本発明) 例1に記載の組成物におけるイオン交換水の一部を、そ
れぞれ表4に示す水溶性高分子で代替したこと以外、例
1に記載の組成および調製法(なお、水溶性高分子は水
相に添加)に従って各固型化粧料(ファンデーション)
を調製した。
【0065】各化粧料の硬度および揮散防止効果に対す
る評価結果を表4にまとめて示す。
【0066】
【表4】
【0067】表1〜3より、シリコーン油、エステル
油、高級アルコール、多価アルコールの脂肪酸エステル
の添加は、参考例の組成物に比し、固型化粧料として使
用する場合の硬度に悪影響を及ぼすことなく、あるいは
硬度を高め、固型化粧料のひびわれ防止効果を有意に高
めると共に、揮散防止効果も同等かそれを有意改善する
ことがわかる。
【0068】また、表4からは、水溶性高分子の使用
が、一般的に固型化粧料の硬度に悪影響を及ぼすことな
く、水分等の成分の揮散性を有意に改善することがわか
る。
【0069】以上の本発明で使用する油分および水溶性
高分子の添加が、上記各例と同等な効果をもたらす固型
化粧料の参考例を、それらに対する比較例と共に示す。
【0070】例37(参考例) 水中油型乳化コンパクト(ファンデーション) (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 16.8 (2)ステアリン酸ステアリル 5.0 (3)酸化鉄赤 1.0 (4)酸化鉄黄 3.0 (5)酸化鉄黒 0.2 (6)二酸化チタン 10.0 (7)カオリン 5.0 (8)タルク 25.8 (9)1,3−ブチレングリコール 3.0 (10)メチルパラベン 0.2 (11)イオン交換水 25.0 (12)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0調製法 (1)、(2)を70℃〜80℃で撹拌溶解して油相部
とし、(9)〜(12)を70℃〜80℃で撹拌溶解して
水相部とする。油相部に水相部を加えて乳化させ、あら
かじめ撹拌混合しておいた(3)〜(8)を混合し、フ
ァンデーション中皿に流し混み、冷却して乳化コンパク
トを得た。このコンパクトはみずみずしく、さっぱりと
していて、べたつきのない使用性であった。
【0071】例38(参考比較例) 水中油型乳化組成物 (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 16.8 (2)ヒドロキシステアリン酸ステアリル 5.0 (3)酸化鉄赤 1.0 (4)酸化鉄黄 3.0 (5)酸化鉄黒 0.2 (6)二酸化チタン 10.0 (7)カオリン 5.0 (8)タルク 25.8 (9)1,3−ブチレングリコール 3.0 (10)メチルパラベン 0.2 (11)イオン交換水 25.0 (12)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 5.0調製法 例37と同様の方法により製造したところ、例37とは
異なり、乳化時に分離を起こした。
【0072】例39(参考例) 水中油型乳化コンパクト(ファンデーション) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 13.69 (2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5.0 (3)ホホバ油を完全水添したもの 0.07 (4)乳酸ステアリル 0.03 (5)セレシン 3.0 (6)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄赤 1.0 (7)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄黄 3.0 (8)デキストリン脂肪酸エステル処理酸化鉄黒 0.2 (9)デキストリン脂肪酸エステル処理二酸化チタン 10.0 (10)デキストリン脂肪酸エステル処理セリサイト 5.0 (11)デキストリン脂肪酸エステル処理タルク 10.8 (12)ポリメチルメタクリレート球状粉末 10.0 (13)6,6−ナイロン 10.0 (14)プロピレングリコール 3.0 (15)ダイナマイトグリセリン 5.0 (16)ヒアルロン酸 0.01 (17)メチルパラベン 0.1 (18)イオン交換水 15.0 (19)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(純分30%) 5.0 (20)香料 0.1調製法 70℃〜80℃で油相部に粉末を撹拌混合し、水相部を
加え、乳化した後、コンパクト中皿に流し込み、冷却し
て乳化コンパクトを得た。このコンパクトはみずみずし
く、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であっ
た。
【0073】なお、ここで用いたデキストリン脂肪酸エ
ステル処理粉末は、原料粉末95重量%をデキストリン
脂肪酸エステルの5重量%アイソパーE(エクソン化学
社製)溶液に添加、撹拌し、脱溶媒し、乾燥、粉砕して
得たものである。
【0074】例40(参考例) 水中油型乳化ステックファンデーション (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 8.9 (2)スクワラン 2.0 (3)フルオロカーボン 0.2 (4)ラノリン酸オクチルドデシル 5.0 (5)ヒドロキシステアリン酸メチル 2.0 (6)ワセリン 3.0 (7)シリコーン処理酸化鉄赤 1.0 (8)シリコーン処理酸化鉄黄 2.5 (9)シリコーン処理酸化鉄黒 0.2 (10)マイカ 5.0 (11)タルク 5.0 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)ダイナマイトグリセリン 10.0 (14)メチルパラベン 0.2 (15)イオン交換水 25.0 (16)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分40%) 25.0調製法 例7と同様の方法により製造し、スチックの型に流し込
み冷却して乳化スチックファンデーションを得た。この
スチックはみずみずしく、さっぱりとしていて、べたつ
きのない使用性であった。
【0075】例41(参考例) 水中油型乳化口紅 (1)流動パラフィン 60.89 (2)ヒマシ油 0.5 (3)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (4)ベヘニン酸ベヘニル 3.0 (5)ヒドロキシステアリン酸オクチル 1.0 (6)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0 (7)酸化鉄赤 0.3 (8)酸化鉄黄 1.0 (9)赤色204号 0.7 (10)赤色202号 0.01 (11)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 (12)1,3−ブチレングリコール 3.0 (13)ソルビトール 3.0 (14)メチルパラベン 0.1 (15)イオン交換水 20.0 (16)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 4.0調製法 例37と同様の方法により製造し、口紅の型に流し込み
冷却して乳化口紅を得た。この口紅はみずみずしく、さ
っぱりとしていて、べたつきのない使用性であった。
【0076】例42〜43(参考例)、例44〜48
(参考比較例) 表5〜6に示すような配合処方により、例37と同様に
して乳化組成物を製造した。このうち、例42は油中水
型乳化コンパクトである。
【0077】得られた各組成物について、次のような方
法でさっぱりさ、みずみずしさ、べたつきのな
さ、および硬度を評価した。その結果を例37〜41
の各組成物の結果とともに表7に示す。
【0078】なお、表7中、試作不可は、乳化時に分離
を起こして乳化できなかつたことを示す。
【0079】評価法 20名の専門パネルによる使用テストを行い、各人の評
価結果を平均した。
【0080】評価基準 5点:非常に良い。
【0081】4点:良い。
【0082】3点:やや良い。
【0083】2点:普通。
【0084】1点:悪い。
【0085】0点:非常に悪い。
【0086】評価の表示 ++:4点以上。
【0087】+ :3点以上、4点未満。
【0088】± :2点以上、3点未満。
【0089】− :1点以上、2点未満。
【0090】−−:1点未満。
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】例49(参考例) 水中油型乳化コンパクト(ファンデーション) (1)オクタメチルシクロテトラシロキサン 5.69 (2)ジメチルポリシロキサン(6cs) 5.0 (3)キャンデリラロウ 0.1 (4)セレシン 3.0 (5)12−ヒドロキシステアリン酸 8.0 (6)デキストリン脂肪酸エステル処理赤酸化鉄 1.0 (7)デキストリン脂肪酸エステル処理黄酸化鉄 3.0 (8)デキストリン脂肪酸エステル処理黒酸化鉄 0.2 (9)デキストリン脂肪酸エステル処理二酸化チタン 10.0 (10)デキストリン脂肪酸エステル処理セリサイト 5.0 (11)デキストリン脂肪酸エステル処理タルク 10.8 (12)ポリメチルメタクリレート球状粉末 5.0 (13)6,6−ナイロン 5.0 (14)プロピレングリコール 3.0 (15)ダイナマイトグリセリン 5.0 (16)ヒアルロン酸 0.01 (17)メチルパラベン 0.1 (18)ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(純分30%) 30.0 (19)香料 0.1調製法 70〜80℃で油相部に粉末を撹拌混合して水相部を加
え、乳化した後、コンパクト中皿に流し込み、冷却して
乳化コンパクトを得た。このコンパクトはみずみずし
く、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であっ
た。(高級脂肪酸/両性界面活性剤(モル比)=1.0
8) なお、ここで用いたデキストリン脂肪酸エステル処理粉
末は、原料粉末95重量%をデキストリン脂肪酸エステ
ルの5重量%アイソパーE(エクソン化学社製)溶液に
添加、撹拌し、脱溶媒し、乾燥、粉砕して得たものであ
る。
【0095】例50(参考例) 水中油型乳化ステックファンデーション (1)デカメチルシクロペンタシロキサン 2.9 (2)スクワラン 2.0 (3)フルオロカーボン 0.2 (4)キャンデリラロウ 10.0 (5)ワセリン 3.0 (6)イソステアリン酸 3.0 (7)シリコーン処理赤酸化鉄 1.0 (7)シリコーン処理黄酸化鉄 2.5 (9)シリコーン処理黒酸化鉄 0.2 (10)マイカ 5.0 (11)タルク 5.0 (12)1,3−ブチレングリコール 5.0 (13)ダイナマイトグリセリン 10.0 (14)メチルパラベン 0.2 (15)イオン交換水 40.0 (16)ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン(純分40%) 10.0調製法 例37と同様の方法により製造し、スチックの型に流し
込み冷却して水中油型乳化スチックファンデーションを
得た。このスチックはみずみずしく、さっぱりとしてい
て、べたつきのない使用性であった。(高級脂肪酸/両
性界面活性剤(モル比)=0.72)例51(参考例) 水中油型乳化口紅 (1)流動パラフィン 60.69 (2)ヒマシ油 0.5 (3)ジメチルポリシロキサン(100cs) 1.0 (4)キャンデリラロウ 3.0 (5)カルナバロウ 1.0 (6)12−ヒドロキシステアリン酸 0.1 (7)オレイン 0.1 (8)リンゴ酸ジイソステアリル 1.0 (9)赤酸化鉄 0.3 (10)黄酸化鉄 1.0 (11)赤色204号 0.7 (12)赤色202号 0.01 (13)カルボキシメチルセルロースナトリウム 0.5 (14)1,3−ブチレングリコール 3.0 (15)ソルビトール 3.0 (16)メチルパラベン 0.1 (17)イオン交換水 20.0 (18)2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシ エチルイミダゾリニウムベタイン(純分30%) 4.0調製法 例37と同様の方法により製造し、口紅の型に流し込み
冷却して水中油型乳化口紅を得た。この口紅はみずみず
しく、さっぱりとしていて、べたつきのない使用性であ
った。(高級脂肪酸/両性界面活性剤(モル比)=0.
10)例52〜58(参考例)、例59〜67(参考比較例) 表8〜11に示すような配合処方により、例37と同様
にして水中油型の乳化組成物を製造した。表では、参考
のため例37の処方についても記載した。
【0096】得られた各組成物について、上記評価法に
よりさっぱりさ、みずみずしさ、べたつきのな
さ、および硬度を評価した。その結果を表12〜13
に示す。
【0097】
【表8】
【0098】
【表9】
【0099】
【表10】
【0100】
【表11】
【0101】
【表12】
【0102】
【表13】
【0103】表7、表12および表13より、本発明の
固型化粧料に使用される特定のワックスエステル、両性
界面活性剤、場合によって高級脂肪酸の添加は、化粧料
の「さっぱりさ」、「みずみずしさ」、「べたつきのな
さ」および「硬度」維持に有意に作用し、シリコーン
油、エステル油、高級アルコール、多価アルコールの脂
肪酸エステル、水溶性高分子と組み合わさって、固型化
粧料に優れた物性を付与することがわかる。
【0104】
【発明の効果】適度な硬度、例えば使用に際し、指また
はスポンジもしくはパフ等を用いて所望量を採取するこ
とが容易であり、かつ製品のひびわれ傾向が低減し、そ
して製品からの水分等の揮散性が防止された固型化粧料
が提供される。この固型化粧料は、さっぱりさ、みずみ
ずしさ、べたつきのなさ、等の優れた使用感触も併せも
っている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水と、ワックスエステルと、その他の化
    粧料に配合される成分の1種以上とからなる水中油型の
    固型化粧料用であって、化粧料の総重量基準で、 (A) 構成部分として、C18-34の高級脂肪酸に由来
    する部分とC18-44の高級脂肪アルコールに由来する部
    分を有する、1種以上のワックスエステル0.1〜10.
    0重量%、 (B) 1種以上の両性界面活性剤0.5〜10.0重量
    %、 (C) 主として化粧料中の水分揮散防止作用を有する
    シリコーン油、エステル油(半固型ワックスエステ
    ル)、高級アルコール、エチレングリコールもしくはグ
    リセロールの脂肪酸エステル、および水溶性高分子から
    なる群より選ばれる少なくとも1種の成分0.001〜
    40.0重量%、ならびに (D) 1種以上のC6-34の高級脂肪酸0〜10.0重
    量%、を含んでなる固型化粧料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006182746A (ja) * 2004-12-28 2006-07-13 Otsuka Pharmaceut Co Ltd 水中油型エマルジョンからなる固形組成物
JP2013103898A (ja) * 2011-11-11 2013-05-30 Kao Corp 水中油型乳化組成物
JP2018520118A (ja) * 2015-05-29 2018-07-26 ロレアル 水分放出効果を有するシリコーン中水型固体組成物

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