JP2972142B2 - 光制御型フェーズドアレーアンテナ - Google Patents

光制御型フェーズドアレーアンテナ

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JP2972142B2
JP2972142B2 JP8118829A JP11882996A JP2972142B2 JP 2972142 B2 JP2972142 B2 JP 2972142B2 JP 8118829 A JP8118829 A JP 8118829A JP 11882996 A JP11882996 A JP 11882996A JP 2972142 B2 JP2972142 B2 JP 2972142B2
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惠三 稲垣
龍 三浦
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の無線信号を
それぞれ所定の方向に放射する光制御型フェーズドアレ
ーアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】図16は、特開平03−044202号
公報に開示された従来例の光制御型フェーズドアレーア
ンテナのブロック図である。図16において、光放射器
101は、光放射器101の内部に設けられたレーザダ
イオードから放射されるビーム光を2つの分岐光に分岐
し、一方の分岐光をそのまま第1のビーム光103とし
て出力し、他方の分岐光の周波数を発振器102から入
力される無線信号の周波数だけ偏移させてビーム幅dの
第2のビーム光104として出力する。
【0003】光放射器101から放射された第1のビー
ム光103は、ミラー105を介してイメージマスク1
06に入射され、イメージマスク106を透過する。イ
メージマスク106は、入射された第1のビーム光10
3を扇形ビームパターンなどの所望のアンテナ放射パタ
ーンのビーム形状に対応したビーム光107に変換し
て、フーリエ変換レンズ8に放射する。次いで、フーリ
エ変換レンズ8は、入射されたビーム光107を空間的
にフーリエ変換して、変換後のビーム幅dのビーム光1
09をビーム合成器10に放射する。一方、光放射器1
01から放射された第2のビーム光104は分布調整器
131に放射され、分布調整器131は、第2のビーム
光104を所定のビーム幅に調整し、調整後の第2のビ
ーム光を基準ビーム光132としてビーム合成器10に
放射する。ビーム合成器10は、フリーエ変換レンズ8
からのビーム光109と分布調整器131からの基準ビ
ーム光132とを混合して合成した後、ビーム幅dの合
成光111をファイバアレー12に放射する。
【0004】ファイバアレー12は、所定の間隔を置か
れてサンプリング光ファイバの長手方向が平行になるよ
うに、ある平面に並置された複数M本のサンプリング光
ファイバからなり、このファイバアレー12に入射され
る合成光111は、空間的にサンプリングされ各サンプ
リング光ファイバに入射される。各サンプリング光ファ
イバに入射された各ビーム光は、それぞれM本の光ファ
イバケーブル13−1乃至13−Mを介して、各光電変
換器14−1乃至14−Mに入射される。光電変換器1
4−1乃至14−Mはそれぞれ、入射されたビーム光を
上記第1のビーム光103と上記第2のビーム光104
の差の周波数であって、入力されるビーム光の振幅に比
例しかつその位相に一致した無線信号に光電変換した
後、電力増幅器15−1乃至15−Mと給電線16−1
乃至16−Mとを介して直線上又は平面上で並置される
アンテナ素子17−1乃至17−Mに出力する。これに
よって、無線信号がアンテナ素子17−1乃至17−M
から上記イメージマスク6で設定される放射パターンで
空間に放射されるというものである。
【0005】しかしながら従来例の光制御型フェーズド
アレーアンテナは、(1)複数の無線信号をそれぞれ所
定の方向に放射することができないという問題点があっ
た。また、(2)ビーム合成器10を用いてビーム光1
09と基準ビーム光とを合成しているので、合成光のう
ち一部分は、図16に示すように、漏洩光112として
放射されて、損失が大きいという問題点があった。さら
に、(3)ビーム合成器10を用いて、ビーム光109
と基準ビーム光とを合成しているので、ビーム光109
の光軸と基準ビーム光132の光軸とを一致させるため
のアライメント調整が難しいという問題点があった。ま
たさらに、(4)フーリエ変換レンズ8と分布調節器1
31とビーム合成器10とを用いて光学系を構成してい
るので、光学系が複雑になり光制御型フェーズドアレー
アンテナを小型にできないという問題点があった。そこ
で、本発明者らは、先に特願平7−296722号公報
において、上述した(1)の問題点を解決するために、
従来例の光制御型フェーズドアレーアンテナのイメージ
マスク106に代えて、放射レンズアレーを設けること
により複数の無線信号をそれぞれ所定の方向に放射する
ことができる光制御型フェーズドアレーアンテナを提案
した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提案し
た光制御型フェーズドアレーアンテナは、従来例と同
様、ビーム合成器10を用いて基準ビーム光と混合ビー
ム光とを合成しているので、損失が大きいという問題点
と、アライメント調整が難しいという問題点とを依然と
して有していた。また、提案した光制御型フェーズドア
レーアンテナは、従来例の分布調節器131に代えてレ
ンズを用いているが、やはり光学系が複雑であり、小型
にできないという問題点を有していた。
【0007】本発明の目的は、以上の問題点を解決し
て、複数の無線信号をそれぞれ所定の方向に放射するこ
とができ、アライメント調整が簡単でかつ損失が小さく
しかも小型の光制御型フェーズドアレ−アンテナを提供
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明に係る請求項1記
載の光制御型フェーズドアレーアンテナは、所定の第1
の周波数を有する第1のビーム光と、上記第1の周波数
からそれぞれ入力される複数N個の第1の無線信号の各
周波数だけ異なる周波数を有する複数N個の第2のビー
ム光とを出力する光放射手段と、上記光放射手段から出
力された上記第1のビーム光と上記複数N個の第2のビ
ーム光とをそれぞれ所定のビーム幅に広げて放射する放
射手段と、上記放射手段から放射される上記複数N個の
第2のビーム光と上記第1のビーム光とを所定のサンプ
リング面で重なるように集光する集光手段と、上記集光
手段によって集光された集光ビーム光を、上記サンプリ
ング面において空間的にサンプリングして、サンプリン
グした複数M個の第3のビーム光を出力するサンプリン
グ手段と、上記サンプリング手段から出力される複数M
個の第3のビーム光をそれぞれ光電変換して、光電変換
した複数M個の第2の無線信号を出力する光電変換手段
と、上記光電変換手段から出力される複数M個の第2の
無線信号をそれぞれ空間に放射することにより、上記複
数N個の第1の無線信号をそれぞれ所定の方向に放射す
る複数M個のアンテナ素子とを備えたことを特徴とす
る。
【0009】また、請求項2記載の光制御型フェーズド
アレーアンテナは、請求項1記載の光制御型フェーズド
アレーアンテナにおいてさらに、上記複数N個の第1の
無線信号の放射方向が変化するように、上記複数N個の
第2のビーム光を移相する複数の光移相手段を備えたこ
とを特徴とする。
【0010】さらに、請求項3記載の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナは、請求項1記載の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナにおいてさらに、上記放射手段を移動
させる移動手段を備えたことを特徴とする。
【0011】さらにまた、請求項4記載の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナは、請求項1、2又は3記載の光
制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、上記複数N
個の第1の無線信号は、入力される信号に従って所定の
変調方式で変調されていることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明に係
る実施の形態について説明する。 <第1の実施形態>図1は、本発明に係る第1の実施形
態の光制御型フェーズドアレーアンテナの構成を示すブ
ロック図である。当該第1の実施形態の光制御型フェー
ズドアレーアンテナは、図16の従来例の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナから光放射器101と高周波発振
器102とミラー105とイメージマスク106と分布
調整器131とビーム合成器10とを取り除いて、位相
同期型光放射器1と高周波発振器4−1乃至4−Nと変
調器5−1乃至5−Nと光移相器56−1乃至56−N
と位相制御器55と光ファイバケーブル3−1乃至3−
Nと放射レンズアレー20とを備え、複数N個の無線信
号S1乃至SNを所定の方向に放射する。
【0013】以下、図1を参照して第1の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナの構成を説明する。図
1において、高周波発振器4−1乃至4−Nはそれぞれ
予め決められた互いに異なる所定の各周波数を有する高
周波信号So1乃至SoNを発生して、それぞれ変調器
5−1乃至5−Nに出力する。ここで、高周波信号So
1乃至SoNの各周波数は、好ましくは所定の周波数間
隔で設定する。変調器5−1乃至5−Nはそれぞれ、入
力される高周波信号So1乃至SoNの周波数を、例え
ばPSK、QAMなどの所定の変調方式で入力されるベ
ースバンド信号B1乃至BNに従って変調し、それぞれ
周波数fm1乃至fmNを有する変調後の無線信号S1
乃至SNをそれぞれ位相同期型光放射器1に出力する。
ここで、ベースバンド信号B1乃至BNは互いに異な
る。位相同期型光放射器1は、詳細後述するように所定
の周波数f0を有する参照ビーム光を光ファイバケーブ
ル6を介して放射レンズアレーに出力する一方、参照ビ
ーム光の周波数foからそれぞれ入力される複数N個の
無線信号S1乃至SNの各周波数だけ異なる複数N個の
ビーム光L1乃至LNをそれぞれ光移相器56−1乃至
56−Nに出力する。
【0014】そして、各光移相器56−1乃至56−N
はそれぞれ、位相制御装置55からの制御移相量信号に
基づいて、入力されたビーム光L1乃至LNをそれぞ
れ、ビーム光L1乃至LNの各等位相面(光軸に対して
垂直な面)に対してアンテナ素子17−1乃至17−M
から放射される各無線信号S1乃至SNの放射方向が変
化するように位相の傾斜(位相分布)をつけて移相させ
た後、光ファイバケーブル3−1乃至3−Nを介して放
射レンズアレー20に出力する。ここで、位相制御装置
55に入力される制御信号はアレーアンテナから放射さ
れる複数N個の無線信号S1乃至SNの放射ビームの各
放射方向を示す信号であって、位相制御装置55は入力
される制御信号に基づいて、無線信号S1乃至SNの放
射ビームの各放射方向に対応した移相量分布を示す制御
移相量信号を各光移相器56−1乃至56−Nに出力す
る。ここで、光ファイバケーブル3−1乃至3−Nの各
長さは、各光移相器56−1乃至56−Nの各制御移相
量が0の場合に、各ビーム光L1乃至LNを放射レンズ
アレー20に伝送するように互いに同一に設定され、こ
れにより、位相同期型光放射器1から出力される各ビー
ム光L1乃至LNの位相同期型光放射器1から放射レン
ズアレー20までの間のビーム光の各遅延量は同一に設
定される。
【0015】放射レンズアレー20は、図3に示すよう
に、複数(N+1)個の勾配屈折率レンズ(以下、本明
細書においてはGRINレンズと称する)2−1乃至2
−N,2−rが後述するフーリエ変換レンズ8の光軸3
0に対して垂直な1次元方向に配列されてなる。そし
て、GRINレンズ2−1乃至2−Nはそれぞれ、入力
されるビーム光L1乃至LNを、後述する入力面P12
においてビーム径がω1になるように所定のビーム幅に
広げて、ガウス分布ビーム光GB1乃至GBNとして、
ガウス分布ビーム光GB1乃至GBNの各軸が互いに平
行になるようにフーリエ変換レンズ8に放射する。ま
た、GRINレンズ2−rは、入力される基準ビーム光
を入力面P12においてビーム径がω1になるように所
定のビーム幅に広げて、ガウス分布ビーム光GBrとし
て、当該ビーム光GBr1の軸がガウス分布ビーム光G
B1乃至GBNの各軸と平行になるようにフーリエ変換
レンズ8に放射する。ここで、放射レンズアレー20は
GRINレンズ2−1乃至2−N,2−rの各出力面が
フーリエ変換レンズ8の一方の焦点面P20に一致する
ように、かつ放射レンズアレー20の中央に設けられた
GRINレンズ2−nの光軸が光軸30と一致するよう
に設けられる。また、GRINレンズ2−1乃至2−
N,2−rは、屈折率が半径方向に連続的に変化するよ
うな分布を有する円柱形のレンズであって、その円形の
出力面の直径は放射するガウス分布ビームのビームウエ
スト径ω0である。光ファイバケーブル3−1乃至3−
N,3−rはそれぞれ、コア3a−1乃至3a−N,3
a−rとクラッディング3b−1乃至3b−N,3b−
rからなり、コア3a−1乃至3a−N,3a−rの軸
がGRINレンズ2−1乃至2−N,2−rの各光軸に
一致するように接続される。
【0016】フーリエ変換レンズ8は、放射レンズアレ
ー20から放射された複数(N+1)個のガウス分布ビ
ーム光GB1乃至GBN,GBrを、フーリエ変換レン
ズ8の他方の焦点面で重ね合わせるように集光させて、
ガウス分布ビーム光GB1乃至GBN,GBrが集光さ
れて合成された合成ビーム光11をファイバアレー12
に入射する。これによって、ガウス分布ビーム光GB1
乃至GBNは空間的にフーリエ変換されて、ガウス分布
ビーム光GB1乃至GBNの各放射位置に対応する位相
傾斜を有するフーリエ変換ビーム光に変換される。従っ
て、合成ビーム光11は、複数N個のフーリエ変換ビー
ム光と参照ビーム光とからなる。なお、フーリエ変換レ
ンズについては、例えば、従来技術文献「大越孝敬著
「光エレクトロニクス」電子情報通信学会編,電子情報
通信学会大学シリーズ,F−10,55頁−58頁,昭
和57年8月15日発行」に開示されている。
【0017】ファイバアレー12は、複数M本のサンプ
リング光ファイバ12−1乃至12−Mからなり、ファ
イバアレー12の入力面P12がフーリエ変換レンズ8
の他方の焦点面に位置するように設けられる。サンプリ
ング光ファイバ12−1乃至12−Mは、図4に示すよ
うに、サンプリング光ファイバ12−1乃至12−Mの
各軸が互いに平行になるように、かつサンプリング光フ
ァイバ12−1乃至12−Mの検出面がファイバアレー
12の入力面P12に位置するように所定の間隔d1
隔てて直線上に並置されている。そして、ファイバアレ
ー12は、その中央に位置するサンプリング光ファイバ
12−mの軸が光軸30と一致するようにかつサンプリ
ング光ファイバ12−1乃至12−Mの配列方向が放射
レンズアレー20のGRINレンズ2−1乃至2−Nの
配列方向と互いに平行となり一致するように設けられ
る。
【0018】これによって、ファイバアレー12は、各
サンプリング光ファイバ12−1乃至12−Mの検出面
によって、入射される合成ビーム光11をファイバアレ
ー12の入力面P12において空間的にサンプリングし
て、サンプリングされた各サンプリングビーム光を、そ
れぞれ光ファイバケーブル13−1乃至13−Mを介し
て、各光電変換器14−1乃至14−Mに出力する。こ
こで、サンプリングビーム光は空間的にサンプリングさ
れた複数N個のフーリエ変換ビーム光と空間的にサンプ
リングされた参照ビーム光とからなる。
【0019】光電変換器14−1乃至14−Mはそれぞ
れ、入射される各サンプリングビーム光を、参照ビーム
光の周波数foから複数N個のフーリエ変換ビーム光の
各周波数だけ異なる周波数をそれぞれ有し、各フーリエ
変換ビーム光の振幅に比例しかつその位相に一致した複
数N個の無線信号からなる多重無線信号に光電変換した
後、当該多重無線信号を、それぞれ帯域通過フィルタ1
8−1乃至18−M、電力増幅器15−1乃至15−M
及び給電線16−1乃至16−Mとを介して直線上に並
置されたアンテナ素子17−1乃至17−Mに出力す
る。ここで、帯域通過フィルタ18−1乃至18−Mは
それぞれ、周波数fm1乃至fmNを有する高周波信号
を通過させるように構成され、電力増幅器15−1乃至
15−Mはそれぞれ、周波数fm1乃至fmNを有する
高周波信号を電力増幅するように構成されている。これ
によって、各多重無線信号がそれぞれアンテナ素子17
−1乃至17−Mから放射されるので、複数N個の無線
信号S1乃至SNの各放射ビームがそれぞれ、後述する
ように所定の放射方向で空間に放射される。
【0020】次に、位相同期型光放射器1の構成をその
ブロック図である図2を用いて説明する。位相同期型光
放射器1は、図2に示すように、レーザダイオード18
−1乃至18−N,19と、光分配器21−1乃至21
−N,22,23と、ビーム合成器33−1乃至33−
Nと、光電変換器34−1乃至34−Nと、信号比較器
35−1乃至35−Nとを備える。図2において、送信
信号である無線信号S1乃至SNはそれぞれ信号比較器
35−1乃至35−Nに入力される。位相同期型光放射
器1において、各レーザダイオード18−k(k=1,
2,…,N、以下本明細書において特に断らない限りk
=1,2,…,Nを表すものとする。)は、所定の周波
数を有するビーム光を発生して出力する。光分配器21
−kは、例えばビームスプリッタ等からなり、レーザダ
イオード18−kから出力されるビーム光を2分配し
て、一方の分岐ビーム光をビーム光Lkとして位相同期
型光放射器1に接続された光移相器56−kに出力し、
他方の分岐ビーム光をビーム合成器33−kに出力す
る。
【0021】一方、レーザダイオード19は、所定の周
波数foを有する参照ビーム光を発生して出力する。光
分配器22は、例えばビームスプリッタ等からなり、レ
ーザダイオード19から出力される参照ビーム光を2分
配して、一方の分岐参照ビーム光を参照ビーム光として
光ファイバケーブル6を介してGRINレンズ2−rに
出力し、他方の分岐参照ビーム光を光分配器23に出力
する。光分配器23は、光分配器22から出力された他
方の分岐参照ビーム光を複数N個に分配して、分配した
分岐参照ビーム光をそれぞれビーム合成器33−1乃至
33−Nに出力する。
【0022】ビーム合成器33−kは、光分配器23か
ら入力された分岐参照ビーム光と光分配器21−kから
入力された分岐ビーム光とを合成して、合成後の合成ビ
ーム光を光電変換器34−kに出力する。光電変換器3
4−kは、入力された合成ビーム光を分岐ビーム光と分
岐参照ビーム光との差の周波数を有する無線信号に光電
変換して信号比較器35−kに出力する。信号比較器3
5−kは、光電変換器34−kから入力される無線信号
と、変調器5−kから入力される無線信号Skとを比較
し、2つの信号の周波数差に比例した誤差電圧信号Ck
をレーザダイオード18−kに出力する。この誤差電圧
信号Ckに応答してレーザダイオード18−kの励起電
流が変化し、これによりレーザダイオード18−kの発
振周波数が変化する。
【0023】以上のように構成された位相制御型光放射
器1においては、信号比較器35−kに入力される2つ
の無線信号の各周波数が一致するように、レーザダイオ
ード18−kの発振周波数が制御される。従って、光分
配器21−kから出力されるビーム光Lkの周波数fo
+fmkと、光分配器22から出力される参照ビーム光
の周波数foとの差の周波数は、変調器5−kから出力
される無線信号Skの周波数fmkに一致するように制
御される。
【0024】次に、以上の様に構成された光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの動作を説明する。図1におい
て、高周波発振器4−1乃至4−Nによって発生された
高周波信号So1乃至SoNは、それぞれ変調器5−1
乃至5−Nによってベースバンド信号B1乃至BNに従
って変調されて、無線信号S1乃至SNとして位相同期
型光放射器1に出力される。そして、位相同期型光放射
器1によって、所定の周波数foを有する参照ビーム光
が光ファイバケーブル6を介してGRINレンズ2−r
に出力される一方、参照ビーム光の周波数foからそれ
ぞれ入力される複数N個の無線信号S1乃至SNの各周
波数だけ異なる周波数(fo+fm1)乃至(fo+f
mN)を有する複数N個のビーム光L1乃至LNがそれ
ぞれ光移相器56−1乃至56−Nに出力される。
【0025】そして、ビーム光L1乃至LNはそれぞ
れ、光移相器56−1乃至56−Nによって所定の制御
移相量だけ移相された後、光ファイバケーブル3−1乃
至3−Nを介して放射レンズアレー20に入力され、G
RINレンズ2−1乃至2−N,2−rによってそれぞ
れ、所定のビーム幅に広げられて、それぞれビーム光L
1乃至LNに対応するガウス分布ビーム光GB1乃至G
BNとガウス分布ビーム光GBrとがフーリエ変換レン
ズ8に放射される。
【0026】複数(N+1)個のガウス分布ビーム光G
B1乃至GBN,GBrはそれぞれ、フーリエ変換レン
ズ8によってファイバーアレー12の入力面P12に集
光される。これによって、ガウス分布ビーム光GB1乃
至GBNが空間的にフーリエ変換された複数N個のフー
リエ変換ビーム光と参照ビーム光とが合成された合成ビ
ーム光11がファイバアレー12に放射される。
【0027】合成ビーム光11はファイバアレー12の
入力面P12において、各サンプリング光ファイバ12
−1乃至12−Mの検出面によって、空間的にサンプリ
ングされて、サンプリングされた各サンプリングビーム
光がそれぞれ光ファイバケーブル13−1乃至13−M
を介して、各光電変換器14−1乃至14−Mに出力さ
れる。
【0028】各サンプリングビーム光はそれぞれ、光電
変換器14−1乃至14−Mによって、参照ビーム光の
周波数foから複数N個のフーリエ変換ビーム光の各周
波数だけ異なる周波数をそれぞれ有し、各フーリエ変換
ビーム光の振幅に比例しかつその位相に一致した複数N
個の無線信号からなる多重無線信号に光電変換されて、
それぞれ電力増幅器15−1乃至15−Mを介してアン
テナ素子17−1乃至17−Mに出力される。これによ
って、各多重無線信号がそれぞれアンテナ素子17−1
乃至17−Mから放射されて、複数N個の無線信号S1
乃至SNの各放射ビームがそれぞれ、後述するように所
定の放射方向でアレーアンテナから空間に放射される。
【0029】次に、以上のように構成した第1の実施形
態において、複数N個の無線信号S1乃至SNに対応し
て、アレーアンテナから放射されるの各放射ビームの放
射方向について説明する。図5は、放射レンズアレー2
0から放射されるガウス分布ビーム光GBkがフーリエ
変換レンズ8によってファイバーアレー12の入力面P
20に集光される様子を示す図である。図5では、簡単
に示すために、中央に基準のガウス分布ビーム光GBr
を放射するGRINレンズ2−rを設けた放射レンズア
レー20aを用いて示し、3つのGRINレンズ2−
1,2−r,2−Nから、ガウス分布ビーム光GB1,
GBr,GBNを放射した場合について示している。各
GRINレンズ2−1,2−r,2−Nはそれぞれ、G
RINレンズ2−1,2−r,2−Nの各軸がフーリエ
変換レンズ8の光軸に平行になるように設けられている
ので、GRINレンズ2−1,2−r,2−Nからそれ
ぞれ放射されるガウス分布ビーム光GB1,GBr,G
BNは、各ビームの各軸GA1,GAr,GANが互い
に平行になるように放射されてフーリエ変換レンズ8に
入射される。
【0030】従って、フーリエ変換レンズ8に入射され
たガウス分布ビーム光GB1,GBr,GBNは、フー
リエ変換レンズ8の他方の焦点面である入力面P12に
おいて、ガウス分布ビーム光GB1,GBr,GBNの
各軸が一致するように集光されて、入力面P12に干渉
縞を形成する。ここで、ガウス分布ビーム光GB1,G
Br,GBNはそれぞれ、入力面P12において、後述
の数7で表されるω1のビーム径を有するので、干渉縞
は入力面P12において光軸30を中心とする径がω1
の集光部分に形成される。図5において、Gp1、Gp
r及びGpNを付して示す直線はそれぞれ、入力面P1
2におけるガウス分布ビーム光GB1,GBr,GBN
の位相傾斜を示す。この位相傾斜ついては、図6を用い
て後述する。
【0031】次に、周波数fmを有する無線信号によっ
て変調されたガウス分布ビーム光GBm(mは、1又は
Nである。)と基準のガウス分布ビーム光GBrとによ
って形成される干渉縞について説明する。ここで、ガウ
ス分布ビーム光GBmは、光軸30からroだけ離れた
位置から放射されるものとし、ガウス分布ビーム光GB
rは、光軸30上のGRINレンズ2−rから放射され
るものとすると、ガウス分布ビーム光GBrとガウス分
布ビーム光GBmとがそれぞれ入力面P12上の光軸3
0から距離xの位置に励起する電界ベクトルEr,E
mは、次の数1、数2で表される。ここで、第1の実施
形態の光制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、ビ
ーム光を用いて無線信号を安定してかつ効率よく処理す
るためには、異なる入射角で入力面P12に入射する2
つのビーム光は、同一の偏波面を持つように設定される
ので、電界ベクトルEr,Emは、光軸30に対して垂直
の同一方向を有する。
【0032】
【数1】Er=Arexp(j・2π・fo・t)
【数2】Em=Amexp(j・2π・f1・t+j・k・x・
sinθ)
【0033】ここで、入射角θは、ガウス分布ビーム光
GBmの入射方向と光軸30との間の角度であり、kは
当該ビーム光GBmの波長λを用いてk=2π/λで表
される波長定数である。従って、入力面P12における
光軸30から距離xの位置での合計の電界ベクトルET
は、数1で表される電界ベクトルErと数2で表される
電界ベクトルEmとの和として次の数3で表すことがで
き、当該位置における干渉縞の光の強度は、電界ベクト
ルETと電界ベクトルETの共役ベクトルET*を用いて次
の数4で表すことができる。
【0034】
【数3】 ET =Em+Er =Amexp(j・2π・fo・t)+Arexp(j・2π・f1・t+j・k・x・sinθ)
【数4】 I =ET・ET* ={Amexp(j・2π・fo・t)+Arexp(j・2π・f1・t+j・k・x・sinθ)} ×{Amexp(-j・2π・fo・t)+Arexp(-j・2π・f1・t-j・k・x・sinθ)} =2Am・Ar+2Am・Arcos{(2π・fm・t+2π・ro・x/(λ・F)}
【0035】ここで、f1はガウス分布ビーム光GBm
の周波数であり、roはガウス分布ビーム光GBmを放
射するGRINレンズの軸から光軸30までの距離であ
り、foはガウス分布ビーム光GBrの周波数である。
すなわち、無線信号の周波数fm=f1−foの関係が
ある。また、λは基準のガウス分布ビーム光GBrの波
長であり、Fは、フーリエ変換レンズ8の焦点距離であ
り、波長λと焦点距離Fとはいずれも定数である。数4
から明らかなように、強度Iは、無線信号の周波数fm
と等しい周波数で正弦波振動をする。従って、この混合
された光の信号が光電変換器に入力されると、光電変換
器から、Amrに比例する振幅と周波数fmを有する無
線信号を生成するためのビート信号が出力される。
【0036】ここで、一般的にGRINレンズから放射
されるガウス分布ビーム光の断面における振幅は、ガウ
ス分布をしていて、また理想的なレンズはビームサイズ
を変更するだけでビームモードは変化しないので、フー
リエ変換レンズ8を介して伝搬するガウス分布ビーム光
はそのままのガウスモードを保持していく。従って、入
力面P12においても、ガウス分布ビーム光GBmとガ
ウス分布ビーム光GBrとはガウス分布しているので、
数1,数2の中の振幅Am,Arはそれぞれ、次の数5、
数6で表すことができる。ここで、入力面P12におけ
る集光部分の径ω1は数7で表すことができる。
【0037】
【数5】Am=Am0exp(−x2/ω1 2
【数6】Ar=Ar0exp(−x2/ω1 2
【数7】ω1=λF/(πω0
【0038】ここで、ω0はガウス分布ビーム光GB
m,GBrのビームウエストであり、Fはフーリエ変換
レンズ8の焦点距離である。ガウス分布ビーム光GBm
を放射するGRINレンズの軸から光軸30までの距離
roがフーリエ変換レンズ8の焦点距離Fよりはるかに
短い場合は、sinθ=ro/F≒θで表すことができ
る。従って、入力面P12における干渉光による光励振
強度分布は、図5において、Gin、Gi1及びGiN
の符号を付して示すように位置xの関数として表され
る。詳細は、図11のグラフを用いて後述する。ここ
で、図5において、Ginの符号を付して示すパターン
は変化しない固定されたガウス分布を示し、当該固定ガ
ウス分布Ginの中にGi1及びGiNの符号を付して
示す点線は、正弦波振動をする光励振強度分布を示して
いる。
【0039】第1の実施形態において、上述した正弦波
振動をする光励振強度分布を、入力面P12において空
間的にサンプリングしているので、サンプリング間隔
は、正弦波振動をする光励振強度に対応する無線信号を
検出するために、少なくとも1つのサンプリング光ファ
イバ12−mが、数4で表される干渉縞の隣接するヌル
の間に位置するように設けることが好ましい。このため
に、我々は、隣接するサンプリング光ファイバ12−m
の間隔d1を、数8を満足するように設定した。従っ
て、形成することができるビームの最大数Nmaxは、数
9で表すことができる。
【0040】
【数8】d1・ro/F≦λ/2
【数9】Nmax=λF/(do・d1
【0041】ここで、doは隣接するGRINレンズ間
の間隔である。次に、片側の焦点面に於けるガウス分布
ビーム光の空間的な放射位置が反対側の焦点面に於い
て、距離xに対して線形の位相の変化をもたらす、とい
う集束レンズに関する周知のシフト原理を用いると、ガ
ウス分布ビーム光GBrと任意のガウス分布ビーム光G
Bmとが混合されて形成された干渉縞に対応して励起さ
れる入力面P12に於ける電界である光励振強度分布
は、次の数10のように表すことができる。
【0042】
【数10】E0(x)=Am0r0exp(−2x2/ω1 2)・ex
p{j・2π・x・ro/(λ・F)}
【0043】ここで、数10は数4から導くこともで
き、数10の虚数部は、2つのビーム光の間の周波数差
に等しい周波数で時間とともに変化する干渉縞の瞬時値
に関連する。また、混合ビームの約95%のエネルギー
は、径ω1の集光部に集中しているので、サンプリング
光ファイバ12−mの数M、すなわちアンテナ素子数M
は次の数11を用いて決定される。
【0044】
【数11】M=2ω1/d1=2λ・F/(π・d1・ω0
【0045】ファイバアレー12によって検出された干
渉縞の瞬間のパターンは、光電変換器14−1乃至14
−Mによって、ガウス分布として時間平均されるので、
アレーアンテナの遠視野放射パターンは次の数12で表
すことができる。
【0046】
【数12】
【0047】ここで、dmは隣接するアレーアンテナ素
子間の間隔である。すなわち、以上の原理を用いると、
ガウス分布ビーム光GBmを放射する位置の光軸30か
らの距離roに対応して数12で表されるビームを所定
の方向に形成することができる。
【0048】次に、以上の原理に基づいて、数値的に評
価した結果を説明する。図6は、フーリエ変換レンズ8
の一方の焦点面P20において、光軸からの距離ro=
0、ro=125μm及びro=250μmの位置から
それぞれ、ガウス分布ビーム光を放射したときの入力面
P12における、各ガウス分布ビーム光の位相傾斜を示
すグラフである。図6から明らかなように、光軸上(r
o=0μm)でビーム光を放射した場合は、入力面P1
2上のどの位置においても位相は等しくなる。また、ビ
ーム光の放射位置を光軸30から離すと(図6において
はro=125μmとro=250μmの場合)入力面
P12において光軸30からの距離xに対して位相は直
線的に変化し、ビーム光の放射位置を光軸30から離す
程、距離xに対する位相の傾きは大きくなることがわか
る。
【0049】図11は、ガウス分布ビーム光GBrの放
射位置を光軸30からの距離ro=0μmに設定し、ガ
ウス分布ビーム光GBmの放射位置を光軸30からの距
離ro=125μm及びro=250μmに設定した場
合の干渉パターンを示すグラフである。図11のグラフ
は、数10を用いて計算し、距離ro以外の主要なパラ
メータは、ガウス分布ビームのビームウエスト径ω0
62.5μm、フーリエ変換レンズ8の焦点距離F=1
20mm、ビーム光の波長λ0=1.3μmに設定し
た。図11において、ro=0μmを付して示している
実線は、干渉パターンの包絡線で、ガウス分布として時
間平均されたものを示している。また、ro=125μ
mを付して示している点線は、光軸30からの距離ro
=125μmの位置から放射されたガウス分布ビーム光
GBrとガウス分布ビーム光GBrとの時間的に変化す
る干渉パターンを示し、ro=250μmを付して示し
ている点線は、光軸30からの距離ro=250μmの
位置から放射されたガウス分布ビーム光GBrとガウス
分布ビーム光GBrとの時間的に変化する干渉パターン
を示す。図11のグラフから明らかなように、入力面P
12において、ガウス分布ビーム光GBmの放射位置に
対応した光励振強度を有する干渉パターンが得られるこ
とがわかる。
【0050】また、図12は、ガウス分布ビーム光の放
射する位置を焦点面P20において変化させたときの、
アレーアンテナから放射される放射ビームの放射角度に
対する相対振幅を示すグラフである。図12のグラフ
は、数12を用いて、光軸30からの距離ro=0μ
m、ro=125μm及びro=250μmの3つの異
なる位置からガウス分布ビームGBmの放射した場合に
ついてシミュレーションをして示している。当該シミュ
レーションでは、基準のガウス分布ビーム光GBrは、
光軸30から離して放射したものとし、距離ro以外の
主要なパラメータは、アンテナ素子数M=9、サンプリ
ング光ファイバ間の間隔d1=125μm、ガウス分布
ビームのビームウエスト径ω0=62.5μm、フーリ
エ変換レンズ8の焦点距離F=120mm、ビーム光の
波長λ0=1.3μmに設定し、アンテナ素子間の間隔
は放射する無線信号の波長の1/2に設定した。また、
図12において、相対振幅は光軸上(距離ro=0μ
m)から放射したガウス分布ビームに対応する放射ビー
ムの最大振幅を基準にして規格化して示している。図1
2のグラフから明らかなように、ガウス分布ビームの放
射する位置が焦点面P20において光軸30から離れる
ほど、アレーアンテナから放射される放射ビームのビー
ム角は大きくなることがわかる。すなわち、ガウス分布
ビームの放射する位置を所定の位置に設定することによ
り、アレーアンテナから放射される放射ビームのビーム
角を所定の値に設定することができることを示してい
る。ここで、ビーム角とは、放射ビームの主ビームの方
向とアレーアンテナの放射面の垂直方向との間の角度の
ことをいう。
【0051】また、図13は、図12と同様、ガウス分
布ビームの放射する位置を焦点面P20において変化さ
せたときの、アレーアンテナから放射される放射ビーム
の放射角度に対する相対振幅を示すグラフである。図1
3のグラフは、数12を用いて、光軸30からの距離r
o=125μm、ro=250μm及びro=375μ
mの3つの異なる位置からガウス分布ビームの放射した
場合についてシミュレーションをして示している。当該
シミュレーションでは、基準ガウス分布ビーム光は、光
軸30から放射したものとし、距離ro以外の主要なパ
ラメータは、図12のシミュレーションと同様に設定し
た。図12に示すro=125μm及びro=250μ
mに設定した場合のグラフと、図13に示すro=12
5μm及びro=250μmに設定した場合のグラフと
を比較することにより、基準ガウス分布ビーム光の放射
位置に拘わらず、距離roのみに依存して所望の方向に
放射ビームを形成することができることがわかる。
【0052】図14は、数9を用いて計算した結果を示
すグラフである。すなわち、図14は、サンプリング光
ファイバ12−mの間隔d1に対する、形成することが
できるビームの最大数Nmaxを示している。また、図1
4では、フーリエ変換レンズ8の焦点距離Fを20m
m、40mm及び60mmに設定した場合についてそれ
ぞれ示している。図14から明らかなように、サンプリ
ング光ファイバ12−mの間隔を狭く設定する程、形成
することができるビームの最大数Nmaxを大きくできる
ことがわかる。また、焦点距離Fを長く設定するほど、
形成することができるビームの最大数Nmaxを大きくで
きることがわかる。
【0053】以上、説明したように、無線信号に従って
変調されたガウス分布ビーム光GBmと基準のガウス分
布ビーム光GBrとが重ね合わされて形成された入力面
P12における干渉縞の強度Iを、空間的に異なる各位
置で検出してそれぞれ光電変換することにより、ガウス
分布ビーム光GBrの放射位置に対応した位相傾斜を有
する複数の無線信号に変換することができる。従って、
サンプリング位置に対応して設けられた各アンテナ素子
から、対応する各無線信号を放射することにより、上記
位相傾斜に対応する方向にビームを形成するように無線
信号を放射することができる。
【0054】すなわち、光移相器56−1乃至56−N
における各制御移相量が0であるとすると、図1の光制
御型フェーズドアレーアンテナにおいて、GRINレン
ズ2−kから放射されてフーリエ変換レンズ8に入射さ
れるガウス分布ビームGBkは、フーリエ変換レンズ8
によって1回フーリエ変換されて、入力面P12におけ
るガウス分布ビームGBkのフーリエ変換像(すなわ
ち、フラウンホーファ回折像)となり、当該フーリエ変
換像がファイバアレー12によって、空間的にサンプリ
ングされる。その後、アンテナ素子17−1乃至17−
Mからなるアレーアンテナから放射されることにより、
当該アレーアンテナの放射パターンは、当該アレーアン
テナの開口における振幅位相分布のフーリエ変換像(す
なわち、フラウンホーファ回折像)となる。すなわち、
フーリエ変換レンズ8に入射されるガウス分布ビームG
Bkの振幅位相分布は2回フーリエ変換されるので、公
知の通り、フーリエ変換レンズ8に入射されるガウス分
布ビームGBkの振幅位相分布は、アレーアンテナによ
って放射された遠方界の無線信号Skの振幅位相分布に
一義的に対応することになる。
【0055】ここで、フーリエ変換レンズ8に入射され
るガウス分布ビームGBkの振幅位相分布は、ガウス分
布ビームGBkを放射するGRINレンズ2−kの光軸
30からの距離roに一義的に対応する。これによっ
て、GRINレンズ2−kから放射されるガウス分布ビ
ームGBkに対応してアレーアンテナから放射される無
線信号Skの放射ビームは、GRINレンズ2−kの光
軸30からの距離roに対応する所定の放射方向(図1
の右側に示す)で放射される。
【0056】すなわち、図1に示すように、放射レンズ
アレー20の中央に位置するGRINレンズ2−nから
放射されるガウス分布ビームGBnに対応してアレーア
ンテナから放射される無線信号Snの放射ビームは、ア
レーアンテナの放射面に対して垂直方向の放射方向を有
し、放射レンズアレー20において光軸30から最も離
れて位置するGRINレンズ2−1及びGRINレンズ
2−Nから放射されるガウス分布ビームGB1及びガウ
ス分布ビームGBNに対応してアレーアンテナから放射
される無線信号S1及びSNの各放射ビームは、アレー
アンテナの放射面の垂直方向に対して最も大きな角度の
放射方向を有する。また、放射レンズアレー20におい
てGRINレンズ2−1に隣接して位置するGRINレ
ンズ2−2から放射されるガウス分布ビームGB2に対
応してアレーアンテナから放射される無線信号S2の放
射ビームは、ガウス分布ビームGB1に対応して放射さ
れる無線信号S1の放射ビームの放射方向に隣接する放
射方向を有する。
【0057】上述したように、アレーアンテナから放射
される複数N個の無線信号S1乃至SNの放射ビーム
は、GRINレンズ2−1乃至2−Nの焦点面P20に
おける位置に対応した各放射方向で空間に放射される。
【0058】また、光移相器56−1乃至56−Nにお
ける各制御移相量が0でない場合には、GRINレンズ
2−kから放射されるガウス分布ビームGBkは、光移
相器56−kによって、無線信号Skの放射方向に対応
した所定の位相分布になるように移相されている。すな
わち、ガウス分布ビームGBkの位相面は、アンテナ素
子17−1乃至17−Mから放射される無線信号Skの
放射方向が変化するように位相の傾斜(位相分布)をつ
けて移相されているので、フーリエ変換レンズ8に入射
されるガウス分布ビームGBkの振幅位相分布は、ガウ
ス分布ビームGBkを放射するGRINレンズ2−kの
光軸30からの距離roと当該位相分布とによって決ま
る。従って、光移相器56−1乃至56−Nの制御移相
量が0でない場合には、複数N個の無線信号S1乃至S
Nの各放射ビームは、光移相器56−1乃至56−Nの
制御移相量が0のときのGRINレンズ2−1乃至2−
Nの焦点面P20における各位置に対応する各放射方向
から、各制御移相量すなわち、上記ビーム光の位相分布
に対応する角度だけ回転された各放射方向でアレーアン
テナから空間に放射される。
【0059】以上詳述したように、第1の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナは、従来例の光制御型
フェーズドアレーアンテナにおける光放射器101と高
周波発振器102とミラー105とイメージマスク10
6と分布調整器131とに代えて、位相同期型光放射器
1と高周波発振器4−1乃至4−Nと変調器5−1乃至
5−Nと光移相器56−1乃至56−Nと位相制御器5
5と放射レンズアレー20とを備えているので、放射レ
ンズアレー20から放射されるガウス分布ビームGB1
乃至GBNの放射位置に対応させて複数N個の無線信号
S1乃至SNをそれぞれ所定の方向に放射することがで
きる。
【0060】また、以上の第1の実施形態の光制御型フ
ェーズドアレーアンテナは、ガウス分布ビーム光GB1
乃至GBN及び基準のガウス分布ビーム光GBrとを同
一面内で放射する放射レンズアレー20を備えているの
で、ビーム合成器と分布調整器とを用いることなく構成
でき、従来例に比較して、アライメント調整が簡単でか
つ損失を小さくできしかも小型にできる。
【0061】また、第1の実施形態の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナは、複数N個の光移相器56−1乃至
56−Nを備えているので、複数N個の無線信号S1乃
至SNの放射方向をそれぞれ光移相器56−1乃至56
−Nの制御移相量に対応させて変化させることができ
る。
【0062】<第2の実施形態>図7は、本発明に係る
第2の実施形態である光制御型フェーズドアレーアンテ
ナの構成を示すブロック図である。第2の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナは、図1の第1の実施
形態の光制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、変
調器5−1乃至5−Nを取り除いて、光変調器51−1
乃至51−Nを設け、上述の点を除いては図1の第1の
実施形態の光制御型フェーズドアレーアンテナと同様に
構成される。
【0063】図7の第2の実施形態の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナにおいて、光変調器51−1乃至51
−Nはそれぞれ、位相同期型光放射器1から出力される
ビーム光Lo1乃至LoNの周波数を、それぞれ入力さ
れるベースバンド信号B1乃至BNに従って例えば強度
変調などの所定の変調方式で変調し、変調後のビーム光
L1乃至LNをそれぞれ光移相器56−1乃至56−N
に出力する。ここで、ビーム光Lo1乃至LoNはそれ
ぞれ、参照ビーム光の周波数foから高周波信号So1
乃至SoNの周波数だけ異なる周波数を有するビーム光
である。
【0064】以上の様に構成された第2の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナは、上述した点を除い
て第1の実施形態の光制御型フェーズドアレーアンテナ
と同様に動作する。従って、第2の実施形態の光制御型
フェーズドアレーアンテナは、第1の実施形態の光制御
型フェーズドアレーアンテナと同様の効果を有する。
【0065】<第3の実施形態>図8は、本発明に係る
第3の実施形態である光制御型フェーズドアレーアンテ
ナの構成を示すブロック図である。第3の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナは、図1の第1の実施
形態の光制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、位
相同期型光放射器1に代えて、レーザダイオード52と
光分配器53,54と光変調器51−1乃至51−Nを
備え、以下の様に構成される。
【0066】すなわち、レーザダイオード52は周波数
foのビーム光を発生して光分配器53に出力し、光分
配器53は当該ビーム光を2つのビーム光に分配して一
方のビーム光を参照ビーム光として光ファイバケーブル
6を介してレンズ7に出力し、他方のビーム光を光分配
器54に出力する。光分配器54は入力されるビーム光
を複数N個のビーム光に分配して、分配した各ビーム光
をそれぞれ光変調器51−1乃至51−Nに出力する。
高周波発振器4−1乃至4−Nはそれぞれ予め決められ
た互いに異なる所定の周波数を有する高周波信号So1
乃至SoNを発生して、それぞれ変調器5−1乃至5−
Nに出力し、変調器5−1乃至5−Nはそれぞれ、入力
される高周波信号So1乃至SoNを入力されるベース
バンド信号B1乃至BNに従って、例えばPSK、QA
Mなどの所定の変調方式で変調し、変調後の無線信号S
1乃至SNをそれぞれ光変調器51−1乃至51−Nに
出力する。
【0067】光変調器51−1乃至51−Nはそれぞ
れ、光分配器54から出力されるビーム光の周波数を、
それぞれ入力される無線信号S1乃至SNの各周波数だ
け偏移させ、偏移させた後のビーム光L1乃至LNをそ
れぞれ光移相器56−1乃至56−Nに出力する。上述
の点を除いては図1の第1の実施形態の光制御型フェー
ズドアレーアンテナと同様に構成される。
【0068】以上の様に構成された第3の実施形態の光
制御型フェーズドアレーアンテナは、上述した点を除い
て第1の実施形態の光制御型フェーズドアレーアンテナ
と同様に動作する。従って、第3の実施形態の光制御型
フェーズドアレーアンテナは、第1の実施形態の光制御
型フェーズドアレーアンテナと同様の効果を有する。
【0069】<第1の実施形態の変形例>図9は、第1
の実施形態の変形例の光制御型フェーズドアレーアンテ
ナの構成を示すブロック図である。この変形例の光制御
型フェーズドアレーアンテナは、図1の第1の実施形態
の光制御型フェーズドアレーアンテナに比較して、光移
相器56−1乃至56−Nと位相制御器55とを取り除
き、放射レンズアレー20を光軸30に対して垂直な方
向で1次元で移動する移動機構57と、当該移動機構5
7の動作を制御する制御装置58とを設けている。
【0070】第1の実施形態の変形例の光制御型フェー
ズドアレーアンテナにおいて、放射パターンの放射方向
の制御は以下のように実行される。すなわち、予め決め
られた所望の放射方向に基づいて、制御装置58は、当
該放射レンズアレー20を光軸30に対して垂直な方向
で1次元で移動するように移動機構57を制御する。当
該変形例の光制御型フェーズドアレーアンテナは、上述
の点を除いて図1の第1の実施形態の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナと同様に動作する。
【0071】従って、図9の変形例においては、放射パ
ターンの放射方向を移動機構57を用いて変更すること
ができ、第1の実施形態と同様の効果を有する。
【0072】また、以上の図9の変形例の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナでは、移動機構57によって、放
射レンズアレー20の全体を動かすようにしたが、本発
明はこれに限らず、放射レンズアレー20のGRINレ
ンズ2−1乃至2−Nをそれぞれ、別々に動かすように
してもよい。
【0073】<他の変形例>以上の第2と第3の実施形
態においては、光移相器56−1乃至56−Nと位相制
御器55とを用いて、放射パターンの放射方向を変更す
るように構成したが、本発明はこれに限らず、図9の変
形例と同様、光移相器56−1乃至56−Nと位相制御
器55とに代えて、移動機構57と制御装置58とを用
いて放射パターンの放射方向を変更するようにしてもよ
い。以上のように構成しても第2と第3の実施形態と同
様に動作して同様の効果を有する。
【0074】また、以上の第1乃至第3の実施形態で
は、GRINレンズ2−1乃至2−Nが1次元方向に配
列された放射レンズアレー20と、サンプリング光ファ
イバ12−1乃至12−Mが1次元方向に配列されたフ
ァイバアレー12と、アンテナ素子17−1乃至17−
Nが1次元方向に配列されたアレーアナテナを用いて構
成した。しかしながら、本発明はこれに限らず、図10
に示すように、複数のGRINレンズ220−1がマト
リックス形状で2次元方向に配列された放射レンズアレ
ー220と、複数のサンプリング光ファイバ212−1
がマトリックス形状で2次元方向に配列されたファイバ
アレー212と、複数のアンテナ素子がマトリックス形
状で2次元方向に配列されたアレーアンテナ(図示せ
ず。)とを用いて構成してもよい。以上の様に構成する
ことにより、放射方向を3次元的に設定することがで
き、第1乃至第3の実施形態と同様の効果を有する。
【0075】さらに、第1の実施形態の変形例では、放
射レンズアレー20を1次元方向で移動させる移動機構
57と、移動機構57を制御する移動機構57とを用い
て構成したが、本発明はこれに限らず、放射レンズアレ
ー20を2次元で移動させる移動機構と、当該移動機構
を制御する移動機構とを用いて構成してもよい。この場
合、複数のGRINレンズ2−1乃至2−Nがマトリッ
クス形状で2次元方向に配列された放射レンズアレー
と、複数のサンプリング光ファイバがマトリックス形状
で2次元方向に配列されたファイバアレーと、複数のア
ンテナ素子がマトリックス形状で2次元方向に配列され
たアレーアンテナとを用いて構成することにより、放射
方向を3次元的に設定することができ、第1の実施形態
の変形例と同様の効果を有する。
【0076】以上の第1乃至第3の実施形態において、
ファイバアレー12はサンプリング光ファイバ12−1
乃至12−Nを用いて構成しているが、本発明はこれに
限らず、基板上に形成された複数の光導波路を用いて構
成してもよい。以上のように構成することにより、第1
乃至第3の実施形態と同様に動作して同様の効果を有す
るとともに、サンプリング光ファイバ12−1乃至12
−Mを用いて配列した場合に比較して光導波路を狭い間
隔で形成できるので、合成ビーム光11を狭い間隔で空
間的にサンプリングでき、入力面P12に入力される合
成ビーム光11を効率良くサンプリングできる。
【0077】以上の第1乃至第3の実施形態では、位相
同期型光放射器1は、それぞれ周波数(fo+fm1)
乃至(fo+fmN)を有する複数N個のビーム光L1
乃至LNを出力するように構成したが、本発明はこれに
限らず、それぞれ周波数(fo−fm1)乃至(fo−
fmN)を有する複数N個のビーム光を出力するように
構成してもよい。
【0078】また、以上の第1乃至第3の実施形態にお
いて、アンテナ素子17−1乃至17−Mとしては、ダ
イポールアンテナ、誘電体基板上に形成された金属パッ
チアンテナ、ホーンアンテナなどを用いることができ
る。
【0079】以上の第1乃至第3の実施形態では、互い
に異なる各周波数を有する複数N個の高周波信号So1
乃至SoNをそれぞれ発生する高周波発振器4−1乃至
4−Nを備えて構成したが、本発明はこれに限らず、同
一の周波数を有する複数N個の高周波信号を発生する高
周波発振器を備えて構成してもよい。この場合、N個の
高周波発振器を備えるようにしてもよいし、1つの高周
波発振器と当該高周波発振器から出力される高周波信号
をN個に分配する分配器とを備えるようにしてもよい。
以上のように構成することにより、同一の周波数を有す
る複数N個の無線信号をそれぞれ、互いに異なる所定の
複数の方向に放射することができる。
【0080】以上の第1乃至第3の実施形態では、入力
される高周波信号So1乃至SoNの周波数を、入力さ
れる互いに異なるベースバンド信号B1乃至BNに従っ
て変調して出力する変調器5−1乃至5−Nを備えて構
成したが、本発明はこれに限らず、同一のベースバンド
信号に従って変調する複数N個の変調器を備えて構成し
てもよい。以上のように構成することにより、同一のベ
ースバンド信号に従って変調された例えば互いに異なる
周波数を有する複数N個の無線信号をそれぞれ、互いに
異なる所定の複数の方向に放射することができる。
【0081】以上の第1乃至第3の実施形態では、互い
に異なる各周波数を有する複数N個の高周波信号So1
乃至SoNをそれぞれ発生する高周波発振器4−1乃至
4−Nと、入力される高周波信号So1乃至SoNの周
波数を、入力される互いに異なるベースバンド信号B1
乃至BNに従って変調して出力する変調器5−1乃至5
−Nとを備えて構成したが、本発明はこれに限らず、同
一の周波数を有する複数N個の高周波信号を発生する高
周波発振器と同一のベースバンド信号に従って変調する
複数N個の変調器とを備えて構成してもよい。以上のよ
うに構成することにより、同一のベースバンド信号に基
づいて変調された同一の周波数を有する複数N個の無線
信号をそれぞれ、互いに異なる所定の複数の方向に放射
することができる。
【0082】以上の第1乃至第3の実施形態では、ビー
ム光L1乃至LNの位相面に対してアンテナ素子17−
1乃至17−Mから放射される各無線信号S1乃至SN
の放射方向が変化するように位相の傾斜(位相分布)を
つけて光移相する光移相器56−1乃至56−Nを設け
て構成したが、本発明はこれに限らず、光移相器56−
1乃至56−Nを設けないで構成してもよい。
【0083】以上の第1乃至第3の実施形態では、光移
相器56−1乃至56−Nを設けて構成したが、本発明
はこれに限らず、光移相器56−1乃至56−Nを設け
ないで以下のように構成してもよい。すなわち、位相同
期型光放射器1から出力される各ビーム光L1乃至LN
をそれぞれ、複数L個のビーム光に分配する複数N個の
光分配器と、当該各光分配器によって分配されたビーム
光をそれぞれ所定の移相量だけ移相する複数(N×L)
個の光移相器とを備える。ここで、ビーム光Lkが分配
された各ビーム光が入力されるL個の光移相器はそれぞ
れ、アンテナ素子17−1乃至17−Mから放射される
無線信号Skの放射方向が変化するように入力されるビ
ーム光を所定の移相量だけ移相させて出力する。各光移
相器から出力されたビーム光はそれぞれ、光ファイバケ
ーブルを介してGRINレンズに入力されて、GRIN
レンズからフーリエ変換レンズ8に放射される。ここ
で、第1の実施形態のGRINレンズ2−1に対して、
この変形例ではL個のGRINレンズを設け、同様に第
1の実施形態の各GRINレンズ2−2乃至2−Nに対
してそれぞれL個のGRINレンズを設ける。この変形
例の放射レンズアレー20では、(N×L)個のGRI
Nレンズが一直線に配置され、上記(N×L)個の光移
相器の出力ビーム光がそれぞれ対応した(N×L)個の
GRINレンズに入力される。以上のように構成して
も、第1乃至第3の実施形態と同様、複数N個の無線信
号S1乃至SNを所定の方向に放射することができ、第
1乃至第3の実施形態と同様の効果を有する。
【0084】
【発明の効果】本発明に係る請求項1記載の光制御型フ
ェーズドアレーアンテナは、所定の第1の周波数を有す
る第1のビーム光と、上記第1の周波数からそれぞれ入
力される複数N個の第1の無線信号の各周波数だけ異な
る周波数を有する複数N個の第2のビーム光とを出力す
る光放射手段と、上記光放射手段から出力された上記第
1のビーム光と上記複数N個の第2のビーム光とをそれ
ぞれ所定のビーム幅に広げて放射する放射手段と、上記
放射手段から放射される上記複数N個の第2のビーム光
と上記第1のビーム光とを所定のサンプリング面で重な
るように集光する集光手段と、上記集光手段によって集
光された集光ビーム光を、上記サンプリング面において
空間的にサンプリングして、サンプリングした複数M個
の第3のビーム光を出力するサンプリング手段と、上記
サンプリング手段から出力される複数M個の第3のビー
ム光をそれぞれ光電変換して、光電変換した複数M個の
第2の無線信号を出力する光電変換手段と、上記光電変
換手段から出力される複数M個の第2の無線信号をそれ
ぞれ空間に放射することにより、上記複数N個の第1の
無線信号をそれぞれ所定の方向に放射する複数M個のア
ンテナ素子とを備えている。これによって、請求項1記
載の光制御型フェーズドアレ−アンテナは、複数の無線
信号をそれぞれ所定の方向に放射することができ、アラ
イメント調整が簡単でかつ損失が小さくしかも小型にで
きる。
【0085】また、請求項2記載の光制御型フェーズド
アレーアンテナは、請求項1記載の光制御型フェーズド
アレーアンテナにおいてさらに、上記複数N個の第1の
無線信号の放射方向が変化するように、上記複数N個の
第2のビーム光を移相する複数の光移相手段を備えてい
るので、当該移相量に対応して上記複数N個の第1の無
線信号の放射方向を変化させることができる。
【0086】さらに、請求項3記載の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナは、請求項1記載の光制御型フェーズ
ドアレーアンテナにおいてさらに、上記放射手段を移動
させる移動手段を備えているので、上記放射手段の移動
量に応じて上記複数N個の第1の無線信号の放射方向を
変化させることができる。
【0087】またさらに、請求項4記載の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナは、請求項1、2又は3記載の光
制御型フェーズドアレーアンテナにおいて、上記複数N
個の第1の無線信号は、入力される信号に従って所定の
変調方式で変調されているので、変調された上記複数N
個の第1の無線信号をそれぞれ所定の方向に放射するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る第1の実施形態の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示すブロック図である。
【図2】 図1の位相同期型光放射器1の構成を示すブ
ロック図である。
【図3】 図1の放射レンズアレー20を拡大して示す
斜視図である。
【図4】 ファイバアレー12の入力面P12の平面図
である。
【図5】 図1の第1の実施形態における、放射レンズ
アレー20とフーリエ変換レンズ8とファイバアレー1
2とからなる光学系での処理を説明するための図であ
る。
【図6】 ファイバアレー12の入力面P12における
ガウス分布ビーム光の位相傾斜を示すグラフである。
【図7】 本発明に係る第2の実施形態の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示すブロック図である。
【図8】 本発明に係る第3の実施形態の光制御型フェ
ーズドアレーアンテナの構成を示すブロック図である。
【図9】 本発明に係る第1の実施形態の変形例の光制
御型フェーズドアレーアンテナの構成を示すブロック図
である。
【図10】 本発明に係る変形例の光制御型フェーズド
アレーアンテナにおける光学系を示す図である。
【図11】 図1の第1の実施形態において、フーリエ
変換レンズ8の焦点面P20の異なる位置から放射され
たガウス分布ビーム光によって励振された、入力面P1
2における光励振強度を示す図である。
【図12】 基準のガウス分布ビーム光GBrを光軸3
0から離れた位置から放射した場合における、各ガウス
分布ビーム光GBmに対応してアレーアンテナから放射
される放射ビームの放射角度に対する相対振幅を示すグ
ラフである。
【図13】 基準のガウス分布ビーム光GBrを光軸3
0から放射した場合における、各ガウス分布ビーム光G
Bmに対応してアレーアンテナから放射される放射ビー
ムの放射角度に対する相対振幅を示すグラフである。
【図14】 図1の第1の実施形態において、サンプリ
ングファイバの間隔d1に対して、形成することができ
るビームの最大数Nmaxを示すグラフである。
【図15】 図1の第1の実施形態において、サンプリ
ング光ファイバ12−mの間隔d1に対して、サンプリ
ング光ファイバ12−mの数Mを示すグラフである。
【図16】 従来例の光制御型フェーズドアレーアンテ
ナの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…位相同期型光放射器、 2−1乃至2−N,2−r…GRINレンズ、 3−1乃至3−N…光ファイバケーブル、 4−1乃至4−N…高周波発振器、 5−1乃至5−N…変調器、 8…フーリエ変換レンズ、 33−1乃至33−N…ビーム合成器、 12…ファイバアレー、 12−1乃至12−M…サンプリング光ファイバ、 14−1乃至14−M,34−1乃至34−N…光電変
換器、 15−1乃至15−M…電力増幅器、 17−1乃至17−M…アンテナ素子、 18−1乃至18−N,19,52…レーザダイオー
ド、 20…放射レンズアレー、 21−1乃至21−N,22,23,53,54…光分
配器、 30…光軸、 35−1乃至35−N…信号比較器、 51−1乃至51−N…光変調器、 55…位相制御装置、 56−1乃至56−N…光移相器、 57…移動機構、 58…制御装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 龍 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (72)発明者 唐沢 好男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール光 電波通信研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01Q 3/26 - 3/42 H01Q 25/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の第1の周波数を有する第1のビー
    ム光と、上記第1の周波数からそれぞれ入力される複数
    N個の第1の無線信号の各周波数だけ異なる周波数を有
    する複数N個の第2のビーム光とを出力する光放射手段
    と、 上記光放射手段から出力された上記第1のビーム光と上
    記複数N個の第2のビーム光とをそれぞれ所定のビーム
    幅に広げて放射する放射手段と、 上記放射手段から放射される上記複数N個の第2のビー
    ム光と上記第1のビーム光とを所定のサンプリング面で
    重なるように集光する集光手段と、 上記集光手段によって集光された集光ビーム光を、上記
    サンプリング面において空間的にサンプリングして、サ
    ンプリングした複数M個の第3のビーム光を出力するサ
    ンプリング手段と、 上記サンプリング手段から出力される複数M個の第3の
    ビーム光をそれぞれ光電変換して、光電変換した複数M
    個の第2の無線信号を出力する光電変換手段と、 上記光電変換手段から出力される複数M個の第2の無線
    信号をそれぞれ空間に放射することにより、上記複数N
    個の第1の無線信号をそれぞれ所定の方向に放射する複
    数M個のアンテナ素子とを備えたことを特徴とする光制
    御型フェーズドアレーアンテナ。
  2. 【請求項2】 上記光制御型フェーズドアレーアンテナ
    はさらに、上記複数N個の第1の無線信号の放射方向が
    変化するように、上記複数N個の第2のビーム光を移相
    する複数の光移相手段を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の光制御型フェーズドアレーアンテナ。
  3. 【請求項3】 上記光制御型フェーズドアレーアンテナ
    はさらに、上記放射手段を移動させる移動手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の光制御型フェーズドア
    レーアンテナ。
  4. 【請求項4】 上記複数N個の第1の無線信号は、入力
    される信号に従って所定の変調方式で変調されているこ
    とを特徴とする請求項1、2又は3記載の光制御型フェ
    ーズドアレーアンテナ。
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