JP2971490B2 - 内視鏡 - Google Patents

内視鏡

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JP2971490B2
JP2971490B2 JP1305004A JP30500489A JP2971490B2 JP 2971490 B2 JP2971490 B2 JP 2971490B2 JP 1305004 A JP1305004 A JP 1305004A JP 30500489 A JP30500489 A JP 30500489A JP 2971490 B2 JP2971490 B2 JP 2971490B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は内視鏡の先端側に低摩擦部と高摩擦部とを設
けた内視鏡に関する。
[従来技術] 近年、内視鏡は生体等の体腔内に挿入して、体腔内の
診断及び処置具を用いた治療処置に広く用いられるよう
になった。
従来の内視鏡は、挿入性が悪いと、患者への苦痛が大
きくなるので、挿入性を良くするため、挿入部の外表面
は摩擦の少ない低摩擦の材質で形成されている。
例えば特開昭61−209670号公報に示されるように、胃
腸カテーテルの外表面全体にわたり、水溶性の重合体を
結合させ、挿入部の外表面の潤滑性を高め、摩擦を小さ
くして挿入し易いようにしている。
又、本出願人は、特願平1−46288号において、挿入
部の外表面の少なくとも一部に潤滑処理を施していない
把持用の非潤滑処理部を設けた内視鏡を提案している。
ところで下部消化器用の内視鏡のように、大腸から大
腸深部側に挿入するためにはS状結腸とか結腸曲等の屈
曲部内を挿入しなければならない。特に左結腸曲は、大
きく屈曲しているので、その深部に挿入していく操作が
難しく、このために大腸挿入手法としてフッキング・ザ
・フォールド(Hooking the fold)法がある。
この手法は、腸壁のひだに、内視鏡挿入部の先端部後
部の湾曲部外被を形成する湾曲ゴムで引掛けて引くこと
により、腸管をたぐり寄せて、屈曲した腸管を直線化し
ながら挿入する手法である。
[発明が解決しようとする問題点] ところが、上記公報のように挿入部全体の外表面の潤
滑性を高めると、確かに挿入部を押し進める時に腸壁と
の抵抗が少なくて具合良く挿入できるが、フッキング・
ザ・フォールド法でフォールドを引掛けて引くと、潤滑
性が良いため、滑ってしまい、この手法での挿入を行え
ないという欠点があった。
本発明は上述した点にかんがみてなされたもので、フ
ッキング・ザ・フォールド法で大腸等の屈曲した体腔内
にも挿入し易い内視鏡を提供することを目的とする。
[問題点を解決する手段及び作用] 挿入部の先端部から湾曲部に至る外表面に、観察対象
の内腔面との摩擦抵抗が小さい低摩擦部を設け、更にこ
の低摩擦部より摩擦抵抗が大きい高摩擦部を、上記低摩
擦部よりも前端寄りに設け、該高摩擦部を利用して、フ
ッキング・ザ・フォールド法による挿入を可能にし、且
つ低摩擦部での挿入機能も確保して、挿入し易い内視鏡
を実現している。
[実施例] 以下、図面を参照して本発明を具体的に説明する。
第1図に示す第1実施例の電子内視鏡1は、細長の挿
入部2と、この挿入部2の後端に連設された太幅の操作
部3と、この操作部3の側部から外部に延出されたユニ
バーサルコード4と、このユニバーサルコード4の先端
に設けたコネクタ5とから構成される。
上記挿入部2は、硬性の先端(構成)部6と、この先
端部6の後端に形成され、湾曲自在の湾曲部7と、この
湾曲部7の後端から操作部3の前端まで形成された可撓
性の可撓管部8とから構成される。
上記湾曲部7は、操作部3に設けたアングルノブ9を
操作することにより、左右とか上下方向に湾曲可能であ
る。
上記挿入部2内には照明光を伝送するライトガイドフ
ァイバ10が挿通され、このライトガイドファイバ10は操
作部3からユニバーサルコード4内を挿通され、コネク
タ5にその端面が臨み、この端面には図示しない光源装
置に接続することにより、照明光が供給される。
光源装置から供給された照明光は、このライトガイド
ファイバ10により伝送され、先端部6に固着された先端
面から前方に照明光を出射する。この照明光で照明され
た被写体は、先端部6に取付けられた対物レンズ系11に
よって、その焦点面に配設された固体撮像素子12に結像
される。
この結像された被写体像は、固体撮像素子12によっ
て、光電変換され、電気信号に変換される。この固体撮
像素子12に一端が接続された信号線13は、挿入部2、操
作部3及びユニバーサルコード4内を挿通され、コネク
タ5に他端が接続され、図示しない信号処理装置(又は
ビデオプロセッサ)に接続することにより、固体撮像素
子12から出力された信号を信号処理して、標準的な映像
信号に変換し、図示しないカラーモニタで被写体像をカ
ラー表示できるようにしてある。
尚、挿入部2内には、さらに図示しない送気送水チャ
ンネル、吸引チャンネルが設けられ、操作部3に設けた
送気・送水ボタン14、吸引ボタン15を操作することによ
り送気・送水とか吸引を行えるようにしてある。
この操作部3には、この他にレリーズ信号を出力する
レリーズボタン16、VTRスタートのための信号を出力す
るVTRスタートボタン17、測光切換のための信号を出力
する側光切換ボタン18及びフリーズ信号を出力するフリ
ーズボタン19が設けてあり、コネクタ5をビデオプロセ
ッサに接続することにより、それぞれの信号を出力して
リモート制御を行えるようにしている。
ところで、この第1実施例においては、体腔内の屈曲
した部位にフッキング・ザ・フォールド法で挿入し易い
様に、湾曲部7の前端寄りの一部の外表面は潤滑処理を
施していない摩擦抵抗の大きい高摩擦部となる非処理部
21が形成されている。この非処理部21以外の湾曲部7の
外表面は潤滑処理され、摩擦抵抗を小さくした低摩擦部
となる(潤滑)処理部22が形成してある。
尚、先端部6及び可撓管部8の外表面は、例えば潤滑
処理されている。
尚、上記可撓管部8の後端側(操作部3側)に非処理
部を形成して、手で把持した場合、可撓管部8が滑って
しまわないようにしても良い。
上記潤滑処理が施される処理部22としては、例えば合
成ゴム等、常温付近で弾性の顕著な高分子物質としての
エラストマの外表面に親水性高分子鎖を共有結合させた
もので実現できる。
このように構成された第1実施例によれば、例えば大
腸の深部側に挿入しようとする場合、挿入部2の先端側
を挿入して、押すことにより挿入部2の大部分は潤滑処
理された処理部であるので、摩擦抵抗が小さく、スムー
ズに挿入できる。しかして、例えば左結腸曲を通すに
は、フッキング・ザ・フォールド法により、非処理部21
を腸壁のフォールドに引っかけて引くことにより、引処
理部21とフォールドとの大きな摩擦抵抗によりこの部分
の腸を直線状にして内視鏡先端側をその深部側に挿入し
ていくことができる。
この第1実施例によれば挿入部2の先端側に摩擦抵抗
の大きい非処理部21を設けてあるので、フッキング・ザ
・フォールド法により屈曲した体腔内への挿入を容易に
行うことができる。
尚、第1実施例において先端部6及び可撓管部8の外
表面を非処理部とすることもできる。
第2図は本発明の第2実施例における湾曲部の外被の
縦断面を示す。
この第2実施例の内視鏡における湾曲部31の前部側外
表面に凹凸面を設けて高摩擦部32を形成している。
この高摩擦部32以外の湾曲部31の外表面は、例えば潤
滑処理した処理部22が形成してある。
上記高摩擦部32は、例えば湾曲部31に覆せられる外被
33を予め、その外表面が凹凸となるように加工し、その
加工後の外被を覆せて形成することができる。
又、この高摩擦部32を形成する前に、この部分を若干
肉厚にしておいて、この部分の外表面を砥石その他で粗
面加工して高摩擦部32を形成するようにしても良い。
この第2実施例の作用効果は第1実施例とほぼ同様の
ものとなる。
第3図は本発明の第3実施例における湾曲部の外被の
縦断面を示す。
この第3実施例では、湾曲部41の例えば前部寄りの部
分の外表面には凹凸面による高摩擦部42が形成してあ
る。
この凹凸面は、手元操作部側に傾斜した凸となってお
り、特に手元側に引いた時の摩擦が大きくなるようにし
ている。
この実施例の凹凸面は、例えば第2実施例と同様に予
め凹凸面状に加工した外被43を用いても良いし、湾曲部
41に取付けた外被を切削加工して形成することもでき
る。
この第3実施例は第2実施例とほぼ同様の作用効果を
有すると共に、引いた時の摩擦抵抗が大きいので、フッ
キング・ザ・フォールド法による挿入により適してい
る。
第4図は本発明の第4実施例における湾曲部の縦断面
の一部を示す。
この第4実施例では、湾曲部51は高摩擦部材52が低摩
擦外被53に嵌め込まれた外被構造になっている。
上記低摩擦外被53は、例えば第1実施例と同様に、潤
滑処理により外表面を低摩擦にできる材質で形成されて
いる。
一方、高摩擦部材52は、摩擦係数の大きい材質からな
るものであっても良いし、低摩擦外被53を形成する材質
と異なる材質で潤滑処理を施しても低摩擦とならない
(高摩擦)ものでも良い。
又、高摩擦部材52として、外表面に凹凸部を設けて高
摩擦係数にしたものでも良い。
この第4実施例の作用効果は第1実施例とほぼ同様で
ある。
第5図は本発明の第5実施例の挿入部先端側を示す。
この第5実施例は、例えば第1実施例において、湾曲
部7の前部寄りの外表面の周方向全域でなく、一部分
(例えばアップ方向に対応する部分)のみに非処理部21
を設けている。その他は第1実施例と同様である。
この実施例によれば、フッキング・ザ・フォールド法
を行う際の引っかかり部分の方向が限定されるので、例
えば第6図に示すように湾曲部7の非処理部21が腸51の
内壁面に十分接触するように若干湾曲した状態で引くよ
うにすれば、第1実施例と同様の作用効果を持たせるこ
とができる。
一方、押して挿入する場合とか、体外に引き出す場合
には、第6図とは逆方向に湾曲させれば、少ない摩擦抵
抗で進退できるという利点を有する。
尚、第5図とは異なる例えばダウン方向に設けたり、
アップ部分及びダウン部分等に設けるようにしても良
い。
又、第7図に示すように、高摩擦部(又は非処理部)
61を湾曲部62の前部から先端部63に一部かかるように設
けたり、第8図に示すように先端部63の後部側に設けた
り、第9図に示すように、湾曲部62の前端より少し後方
部分に設けても良い。これらの場合にも第5図に示すよ
うに周方向の一部に設けても良い。又、2箇所以上に設
けても良く、この場合周方向に設ける位置が異なるもの
でも良い。
尚、上述した各実施例を部分的に組合わせて異なる実
施例を形成することもできる。
又、通常の内視鏡の挿入部の先端側に装着することに
より、上述した高摩擦部(又は非処理部)と低摩擦部
(又は処理部)が形成されるようにしていても良い。
尚、本発明は、電子内視鏡に限らず、ファイバスコー
プにも適用できることは明らかである。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、挿入部の先端部か
ら湾曲部に至る外表面に、観察対象の内腔面との摩擦抵
抗が小さい低摩擦部を設け、更にこの低摩擦部より摩擦
抵抗が大きい高摩擦部を、上記低摩擦部よりも前端寄り
に設けたので、フッキング・ザ・フォールド法による挿
入に適した内視鏡を実現している。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例の全体構成図、第2図は本
発明の第2実施例における湾曲部の外被の縦断面図、第
3図は本発明の第3実施例における湾曲部の外被の縦断
面図、第4図は本発明の第4実施例における湾曲部の外
被の縦断面図、第5図は本発明の第5実施例における挿
入部の先端側の斜視図、第6図は第5実施例の使用例を
示す説明図、第7図ないし第9図は本発明の変形例にお
ける挿入部先端側の側面図を示す。 1……電子内視鏡、2……挿入部 3……操作部、6……先端部 7……湾曲部、8……可撓管部 21……非処理部、22……処理部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】挿入部の先端部から湾曲部に至る外表面
    に、観察対象の内腔面との摩擦抵抗が小さい低摩擦部を
    設け、更にこの低摩擦部より摩擦抵抗が大きい高摩擦部
    を、上記低摩擦部よりも前端寄りに設けたことを特徴と
    する内視鏡。
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