JP2003180611A - 内視鏡挿入補助具 - Google Patents
内視鏡挿入補助具Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ユーザが特別な作業をしなくても、押し操作
したときは進み易く(挿入し易く)、引き操作したとき
は抵抗が増えて体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持
し、内視鏡挿入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助
具を実現する。 【解決手段】 内視鏡挿入補助具3(3a,3b)は、
内視鏡挿入部2aに装着される柔軟な管状部材31と、
体腔管内への挿入方向に対して斜め後方で前記管状部材
31の外表面から突出した柔軟で平たい薄肉形状の複数
のひれ状突起部32とで構成される。前記内視鏡挿入補
助具3(3a,3b)は、内視鏡挿入部2aを引き操作
するとき、前記ひれ状突起部32が捲れて裏返しとな
り、この裏面が体腔管壁に当接して、体腔管内での前記
内視鏡挿入部2aの位置を保持する。前記内視鏡挿入補
助具3は、前記ひれ状突起部32の表面にコーティング
として親水潤滑処理を施し、表面よりも裏面の滑り性が
低下するように構成する。
したときは進み易く(挿入し易く)、引き操作したとき
は抵抗が増えて体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持
し、内視鏡挿入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助
具を実現する。 【解決手段】 内視鏡挿入補助具3(3a,3b)は、
内視鏡挿入部2aに装着される柔軟な管状部材31と、
体腔管内への挿入方向に対して斜め後方で前記管状部材
31の外表面から突出した柔軟で平たい薄肉形状の複数
のひれ状突起部32とで構成される。前記内視鏡挿入補
助具3(3a,3b)は、内視鏡挿入部2aを引き操作
するとき、前記ひれ状突起部32が捲れて裏返しとな
り、この裏面が体腔管壁に当接して、体腔管内での前記
内視鏡挿入部2aの位置を保持する。前記内視鏡挿入補
助具3は、前記ひれ状突起部32の表面にコーティング
として親水潤滑処理を施し、表面よりも裏面の滑り性が
低下するように構成する。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、体腔管内での内視
鏡挿入部の位置を保持する内視鏡挿入補助具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、医療用の内視鏡は、広く利用され
ている。内視鏡は、細長の挿入部を有している。内視鏡
は、上記挿入部を体腔内に挿入することで、体腔内臓器
などを観察するものである。また、内視鏡は、必要に応
じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種
治療処置を行う。しかしながら、このような内視鏡は、
上記挿入部を体腔内の目的部位までスムーズに挿入する
ことが困難である。 【0003】そこで、例えば、米国特許4,207,8
72号は、内視鏡挿入部の生体内への挿入性を向上させ
た内視鏡挿入補助具を提案している。上記米国特許4,
207,872号に記載の内視鏡挿入補助具は、内視鏡
挿入部に装着するスリーブに流体の供給状態を変化させ
ることで突没する突起を設けて構成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記米
国特許4,207,872号に記載の内視鏡挿入補助具
は、上記スリーブに設けた各突起を膨張・収縮させるた
めの管路や、流体圧制御手段が必要である。このため、
上記米国特許4,207,872号に記載の内視鏡挿入
補助具は、作業性が煩雑になるばかりでなく、コストが
高くなる。 【0005】また、上記米国特許4,207,872号
に記載の内視鏡挿入補助具は、スリーブに設けた突起が
突出したままの状態であると、内視鏡挿入部を抜去させ
る際、この突起が例えば腸管等の体腔に引っ掛かって内
視鏡が抜けなくなる虞れがある。このため、上記米国特
許4,207,872号に記載の内視鏡挿入補助具は、
内視鏡挿入部を抜去する際、上記突起を収縮させる必要
が有り、そのための操作が煩雑で煩わしかった。 【0006】また、上記米国特許4,207,872号
に記載の内視鏡挿入補助具は、内視鏡検査中、スリーブ
が徐々に内視鏡挿入部からはずれてしまうことで、挿入
性や観察・処置性が悪化する虞れがあった。 【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ユーザが特別な作業をしなくても、押し操作したと
きは進み易く(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗
が増えて体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内
視鏡挿入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、内視鏡挿入部の一部に着脱自在である柔
軟な管状部材と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後
方又は体腔管内への挿入方向に対して後方であって前記
管状部材の長手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状
のひれ状突起部とを有し、前記管状部材を前記内視鏡挿
入部の一部に装着してこの内視鏡挿入部を体腔管内で引
き操作するとき、この引き操作によって前記ひれ状突起
部が体腔管壁に捲れて裏返り、この裏返った裏面が体腔
管壁に当接することで、体腔管内での前記内視鏡挿入部
の位置を保持する内視鏡挿入補助具であって、前記ひれ
状突起部の裏面を、表面よりも滑り性が低下するように
したことを特徴としている。この構成により、ユーザが
特別な作業をしなくても、押し操作したときは進み易く
(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗が増えて体腔
管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内視鏡挿入部の
挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を実現する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)図1ないし図7は本発明の第1の
実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態を
備えた内視鏡装置を示す外観図、図2は図1の内視鏡挿
入部に着脱自在な内視鏡挿入補助具を示す斜視図、図3
は内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切った半
断面図、図4は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着
した様子を示す説明図、図5は内視鏡挿入部を大腸のS
状結腸,下行結腸に挿入していく様子を示し、図5
(a)は内視鏡挿入部の先端部がS状結腸途中の屈曲部
に入ったところを示す概略説明図、図5(b)は同図
(a)の状態から内視鏡挿入部を引き操作した際の概略
説明図、図5(c)は同図(b)の状態から内視鏡挿入
部を引き操作してS状結腸,下行結腸が略直線状となっ
た際の概略説明図、図6及び図7は第1の実施の形態の
変形例を示し、図6は第1の実施の形態の変形例の内視
鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明
図、図7は図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結
腸,下行結腸が略直線状となった際の概略説明図であ
る。 【0010】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態を備えた内視鏡装置1は、細長で可撓性の挿入部2a
を有する内視鏡2と、この内視鏡2の挿入部2aに着脱
自在に装着される内視鏡挿入補助具3とから主に構成さ
れる。 【0011】前記内視鏡2は、前記挿入部2aの基端側
に連設される把持部を兼ねる操作部2bを備えて構成さ
れる。この内視鏡2は、前記操作部2b側部から延出す
るユニバーサルコード2cの端部に設けた図示しないコ
ネクタを光源装置及びビデオプロセッサに接続するよう
になっている。 【0012】前記内視鏡挿入部2a(内視鏡2の挿入部
2aのこと)は、先端側から順に先端部11と、所望の
方向に湾曲自在な湾曲部12、可撓性を有する柔軟な部
材で形成された軟性部13とを連設して構成されてい
る。前記内視鏡操作部2b(内視鏡2の操作部2bのこ
と)は、湾曲操作ノブ14が設けられいる。この湾曲操
作ノブ14は、回動操作することで、前記湾曲部12が
湾曲動作するようになっている。 【0013】また、前記内視鏡挿入部2aは、前記先端
部11と前記湾曲部12との接続部分に、例えば、接着
剤などを盛り上げて形成した凸部21aが設けられてい
る。また、前記内視鏡挿入部2aは、前記湾曲部12と
前記軟性部13との接続部分にも前記凸部21aと同様
な凸部21bが設けられている。更に、前記湾曲部12
は、湾曲部前部12aと湾曲部後部12bとの間に、前
記凸部21a,21bと同様な凸部21cを設けてい
る。尚、前記湾曲部12は、湾曲時の曲率半径が比較的
大きくなるように前記湾曲部前部12aを設定すると共
に、この湾曲部前部12aより比較的小さな曲率半径と
なるように前記湾曲部後部12bを設定して構成しても
良い。この場合、前記湾曲部12は、前記湾曲部前部1
2aの図示しない内部で曲げに対する抵抗となる部材を
配置し、湾曲部前部12aが湾曲部後部12bよりも曲
がり難く構成する。 【0014】尚、本実施の形態の内視鏡2は、挿入部先
端部11に内蔵した図示しない撮像装置で被検部の内視
鏡像を撮像する電子内視鏡を用いているが、取り込んだ
内視鏡像を操作部後端部に設けた接眼部で観察する光学
式内視鏡であっても良い。 【0015】前記内視鏡挿入補助具3は、体腔管内で前
記内視鏡挿入部2aの位置を保持するためのものであ
る。尚、本実施の形態では、前記内視鏡挿入補助具3
は、後述するように2つ又は3つ設けて、前記内視鏡挿
入部2aに着脱自在に装着されるようになっている。 【0016】図2に示すように前記内視鏡挿入補助具3
は、前記内視鏡挿入部2aに装着される柔軟な管状部材
31と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後方、例え
ば10°〜45°の所定の傾斜角度で前記管状部材31
の外表面から突出した柔軟で平たい薄肉形状の複数のひ
れ状突起部32とで構成されている。尚、図2図中、前
記ひれ状突起部32は、3つしか描かれていないが、前
記管状部材31の一円周上に略等間隔で4つのひれ状突
起部32が設けられている。これらひれ状突起部32
は、厚肉部33とその縁部分に設けた薄肉部34とから
構成されている。 【0017】図3は、内視鏡挿入補助具3を管状部材3
1の長手中心軸で切った半断面図である。ここで、矢印
Aは、前記管状部材31の長手軸中心軸(挿入方向)に
対する垂直な面において、外側から内視鏡挿入補助具3
を見ている方向を示す。前記内視鏡挿入補助具3は、矢
印A方向から見える補助具の表面を表面と呼び、前記管
状部材31の長手軸中心軸から外周に向けて(つまり、
矢印A方向とは逆方向)見た補助具の表面を裏面と呼ぶ
こととする。 【0018】上述したように前記内視鏡挿入補助具3
は、前記内視鏡挿入部2aの前記湾曲部後部12bに装
着され、後述の図5で説明するように前記内視鏡挿入部
2aを体腔管内に挿入して用いられる。そして、前記内
視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aを引き操作する
とき、前記ひれ状突起部32が捲れて裏返しとなる。そ
して、前記内視鏡挿入補助具3は、前記ひれ状突起部3
2の裏面が体腔管壁に当接し、体腔管内での前記内視鏡
挿入部2aの位置を保持するようになっている。 【0019】本実施の形態では、前記内視鏡挿入補助具
3は、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との摩擦係数
に差をつけるために、前記ひれ状突起部32の表面にコ
ーティングとして親水潤滑処理を施し、表面よりも裏面
の滑り性が低下するように構成する。 【0020】この親水潤滑処理は、例えば、前記ひれ状
突起部32の厚肉部33の表面にのみに施しても良い
が、前記厚肉部33と前記薄肉部34との両方の表面に
施すと効果的である。更に、この親水潤滑処理は、前記
管状部材31の表面にも施すとより効果的である。尚、
前記内視鏡挿入補助具3は、前記ひれ状突起部32の裏
面に親水潤滑処理を施さないのは勿論である。 【0021】このように構成される前記内視鏡挿入補助
具3は、図4に示すように前記内視鏡挿入部2aに装着
されて用いられる。図4は、内視鏡挿入補助具3を内視
鏡挿入部2aに装着した様子を示す説明図である。 【0022】内視鏡挿入部2aは、凸部21bと凸部2
1cとの間の湾曲部後部12bに2つの内視鏡挿入補助
具3(3a,3b)が装着されるようになっている。こ
こで、湾曲部後部12bは、この外径が内視鏡挿入補助
具3の管状部材31の内径より大きく形成されている。
このため、内視鏡挿入補助具3の管状部材31は、湾曲
部後部12bを締め付けるように装着され、装着後簡単
にはずれないようになっている。 【0023】また、凸部21cは、内視鏡挿入補助具3
aの管状部材31が前方へずれるのを規制している。ま
た、凸部21bは、内視鏡挿入補助具3bの管状部材3
1が手元側へずれるのを規制している。更に、凸部21
aは、万が一、内視鏡挿入補助具3aの管状部材31が
凸部21cを乗り越えて先端側にずれても、内視鏡挿入
部2aからの脱落を防止するようにずれるのを規制して
いる。そして、このように挿入部2aに2つの内視鏡挿
入補助具3(3a,3b)を装着した内視鏡2は、図5
に示すように患者の体腔内に挿入されて内視鏡検査等を
行う。 【0024】図5は、内視鏡挿入部2aを大腸のS状結
腸41,下行結腸42に挿入していく様子を示し、図5
(a)は内視鏡挿入部2aの先端部11がS状結腸41
途中の屈曲部に入ったところを示す概略説明図、図5
(b)は同図(a)の状態から内視鏡挿入部2aを引き
操作した際の概略説明図、図5(c)は同図(b)の状
態から内視鏡挿入部2aを引き操作してS状結腸41、
下行結腸42が略直線状となった際の概略説明図であ
る。 【0025】図5(a)に示すように内視鏡挿入部2a
の先端部11がS状結腸41途中の屈曲部に入るまで
は、ユーザは、押し操作しながら内視鏡挿入部2aを挿
入していく。ここまでにおいて、内視鏡挿入部2aは、
内視鏡挿入補助具3(3a,3b)のひれ状突起部32
の表面が腸壁に接触しても、これら表面に施されている
親水潤滑処理の良好な潤滑性により、スムーズな挿入を
行える。 【0026】そして、ユーザは、内視鏡挿入部2aの先
端部11がS状結腸41途中の屈曲部に入ったときか
ら、このまま内視鏡挿入部2aを押し操作する。する
と、S状結腸41が伸されて、内視鏡挿入部2aの先端
部11は、下行結腸42の入口からむしろ遠ざかってし
まう。 【0027】そこで、ユーザは、内視鏡挿入部2aを押
し操作するのではなく、引き操作する。すると、図5
(b)に示すように内視鏡挿入補助具3のひれ状突起部
32端部は、腸壁に引っかかり、すぐに捲れて裏返しと
なる。この裏返しとなって腸壁に当たる面は、ひれ状突
起部32の裏面である。これらひれ状突起部32の裏面
は、親水潤滑処理を施していないので、滑り性が良くな
い。更に、これらひれ状突起部32の裏面は、元に戻ろ
うとする力が腸壁に作用するので、腸壁との摩擦が増大
する。 【0028】このように内視鏡挿入補助具3は、腸壁に
対するひれ状突起部32裏面の摩擦力が増大すること
で、手元側にあったS状結腸41の一部が図5(b)の
ように折り畳まれる。つまり、内視鏡挿入補助具3は、
内視鏡挿入部2aの引き操作によりS状結腸41を短縮
化し、その短縮された部分をひれ状突起部32が保持す
るようになる。 【0029】従来の内視鏡挿入補助具は、ひれ状突起部
32を設けていないので、S状結腸41の短縮された状
態を保持することが容易でなく、ユーザが内視鏡挿入部
2aを引き操作したとき、内視鏡挿入部2a(先端部1
1)がそのままS状結腸41から抜けてしまう虞れがあ
った。 【0030】本実施の形態では、内視鏡挿入補助具3
は、管状部材にひれ状突起部32を設けているので、図
5(b)に示すような状態を形成し易くなっている。こ
こで、内視鏡挿入部2aの先端部11は、下行結腸42
の入口に近づく。ユーザは、湾曲部12を湾曲操作して
先端部11を下行結腸42に入れるようにする。 【0031】そして、ユーザは、更に、内視鏡挿入部2
aを引き操作すると図5(c)に示すようにS状結腸4
1、下行結腸42は、略直線状になる。そして、ユーザ
は、内視鏡挿入部2aを押し操作することで、この先端
部11が下行結腸42の前方へ進んでいく。 【0032】このことにより、内視鏡挿入部2aに装着
した内視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aが押し操
作されて進む方向と、引き操作されて引かれる方向と
で、腸壁に対する摩擦が大きく異なる。このことによ
り、内視鏡挿入補助具3は、腸の短縮化操作を容易にす
ると共に、前進時にスムーズに挿入操作が可能となる。 【0033】更に、具体的に図4を用いて説明すると、
内視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aを押し操作さ
れたとき、腸壁に対して矢印B方向の摩擦がひれ状突起
部32に生じる。一方、内視鏡挿入補助具3は、内視鏡
挿入部2aを引き操作されたとき、腸壁に対して矢印C
方向の摩擦が生じる。矢印B方向の摩擦は、ひれ状突起
部32の表面なので潤滑性が良い。一方、矢印C方向の
摩擦は、ひれ状突起部32の裏面なので潤滑性が良くな
く、更にひれ状突起部32が元に戻ろうとする力で腸壁
に作用するので摩擦が増大する。 【0034】尚、このときひれ状突起部32が元に戻ろ
うとする力が腸壁面の略垂直方向に作用する力は、具体
的には3kg/cm2未満の力量である。この3kg/
cm 2未満の力量に設定した理由は、文献、医科器械学
(Vo1.67,N0.7,289−292,199
7)に示されており、物体が腸壁に向かって3kg/c
m2以上の力で押し当たると、腸壁に過度の負担を与え
る可能性があるためである。従って、ひれ状突起部3
は、3kg/cm2未満の力量で作用するので、腸壁に
過度の負担を与えることがない。 【0035】また、内視鏡挿入補助具3は、ひれ状突起
部32の端部が腸壁に当たってひれ状突起部32が捲か
れるとき、図4の破線で示すようになる。このとき、内
視鏡挿入補助具3(3a,3b)は、先ず、ひれ状突起
部32の薄肉部34が腸壁に当接し、その薄い部分が容
易に捲かれていく。このため、内視鏡挿入補助具3は、
腸壁に対するひれ状突起部32の当たり方が非常に軟ら
かく、これらひれ状突起部32が腸壁に強く食い込んで
抜け難くなるようなことがない。 【0036】ここで、内視鏡挿入補助具3は、ひれ状突
起部32の全てが薄肉部34のように非常に薄いと、こ
れらひれ状突起部32の元に戻ろうとする力が弱くな
る。このため、内視鏡挿入補助具3は、腸壁に対するひ
れ状突起部32の摩擦が弱まり、上述した効果が出難く
くなる。 【0037】本実施の形態では、内視鏡挿入補助具3
は、ひれ状突起部32に厚肉部33を設け、ひれ状突起
部32の縁部以外を肉厚にしている。このため、内視鏡
挿入補助具3は、ひれ状突起部32が、柔軟ながらも適
度な腰(捲かれた時に元に戻ろうとする力)を有するよ
うに構成している。 【0038】尚、本実施の形態では、内視鏡挿入補助具
3は、ひれ状突起部32の表面に親水潤滑処理を施した
が、超撥水処理やその他の潤滑処理によるコーティング
であっても良い。いずれにせよ、内視鏡挿入補助具3
は、ひれ状突起部32の表面と裏面とで摩擦係数が異な
る状態にしてあれば良い。 【0039】この結果、本実施の形態の内視鏡挿入補助
具3は、内視鏡挿入部2aを押し操作したとき進み易
く、引き操作したとき抵抗(摩擦)が増え、体腔管内へ
の内視鏡挿入部2aの挿入性が向上するという効果を得
る。 【0040】また、内視鏡挿入補助具3は、図6に示す
ように湾曲部12の手元側(湾曲部後部12b)だけで
なく湾曲部12の先端側(湾曲部前部12a)にも装着
しても良い。図6及び図7は、上記第1の実施の形態の
変形例を示し、図6は第1の実施の形態の変形例の内視
鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明
図、図7は図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結腸
41,下行結腸42が略直線状となった際の概略説明図
である。 【0041】内視鏡挿入部2aは、図4で説明したのと
同様に湾曲部後部12bに内視鏡挿入補助具3a,3b
を2つ装着されると共に、湾曲部前部12aに内視鏡挿
入補助具3cを装着され、内視鏡挿入補助具3が湾曲部
12の先端側と基端側とに離して配置される。ここで、
内視鏡挿入部2aは、先端硬質長をL1で示す。この先
端硬質長L1は、先端部11の先端面から湾曲部12が
曲がることのできる最も先端位置までの距離である。 【0042】また、内視鏡挿入補助具3cは、管状部材
31の長手軸方向の長さをL2とする。すると、内視鏡
挿入補助具3cは、抜け防止である凸部12の直ぐ手元
側に管状部材31を装着したとき、L2が先端硬質長L
1の範囲内に収まることになる。尚、内視鏡挿入部2a
は、湾曲部12に凸部21cを設けていない場合、適切
な位置に上記3つの内視鏡挿入補助具3(3a〜3c)
を配置することが困難である可能性もある。このため、
3つめの内視鏡挿入補助具3cと湾曲部12手元側に設
けた内視鏡挿入補助具3aとの間をひも状部材で繋げて
構成しても良い。 【0043】そうすることで、ユーザが凸部12に合わ
せて3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着すれば、内視
鏡挿入部2aの湾曲部12に凸部21cが設けられてい
なくても適切な位置に配置できる。 【0044】このように3つの内視鏡挿入補助具3(3
a〜3c)を湾曲部12の先端側と基端側とに離して内
視鏡挿入部2aに装着した内視鏡2は、図5で説明した
ように患者の体腔内に挿入されて内視鏡検査等を行う。
そして、内視鏡挿入部2aの先端部11は、大腸のS状
結腸41,下行結腸42へ挿入される。 【0045】上記第1の実施の形態では、内視鏡挿入部
2aは、引き操作することで図5(b)から図5(c)
にかけて、S状結腸41を短縮化させる。このとき、内
視鏡挿入部2aは、湾曲部12の手元側(湾曲部後部1
2b)に設けた2つの内視鏡挿入補助具3a,3bより
手元側のS状結腸41を短縮した状態で保持可能である
が、先端側のS状結腸41の保持が容易でない。 【0046】しかしながら、本変形例では、内視鏡挿入
部2aは、3つめの内視鏡挿入補助具3cを湾曲部12
の先端側(湾曲部前部12a)に装着している。このた
め、内視鏡挿入部2aは、図5(c)に相当する図7に
示すように湾曲部12の途中や先端側のS状結腸41の
短縮状態を保持し易くなる(つまり、内視鏡挿入部2a
の先端部11は、S状結腸41に対して更に抜け難
い)。 【0047】例えば、内視鏡挿入部2aは、湾曲部12
の中間に3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着すること
も考えられる。しかしながら、この場合、内視鏡挿入部
2aは、湾曲部12の湾曲機能を阻害する虞れがある。 【0048】特に、湾曲部12の湾曲機能は、先端側ほ
ど重要である。湾曲部12は、先端側の湾曲部前部12
aの湾曲角ができるだけ小さいほど曲がりくねったS状
結腸などで小回りがきいて良い。湾曲部12は、手元側
の湾曲部後部12bが多少曲がり難くなったとしても、
それほど湾曲機能の善し悪し(及びそれによる挿入性の
良し悪し)に影響しない。 【0049】このため、本変形例では、内視鏡挿入部2
aは、湾曲部12の手元側(湾曲部後部12b)に内視
鏡挿入補助具3a,3bを装着すると共に、湾曲部12
の先端側(湾曲部前部12a)の途中でなく、先端硬質
長L1の範囲内に3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着
している。これにより、本変形例は、湾曲機能を損なわ
ずに、内視鏡挿入部2aの引き操作で、内視鏡挿入部2
aが腸壁に対してより滑り難くなり、短縮化した大腸を
保持し易くなる。 【0050】(第2の実施の形態)図8及び図9は本発
明の第2の実施の形態に係り、図8は本発明の第2の実
施の内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切った
半断面図、図9はひれ状突起部の裏面を正面視した説明
図であり、図9(a)は縞模様のような凹凸を複数形成
したひれ状突起部の裏面の正面図、図9(b)は文字や
数字等の凹凸を複数形成したひれ状突起部の裏面の正面
図、図9(c)は非常に細かい凹凸を多数形成したひれ
状突起部の裏面の正面図である。 【0051】上記第1の実施の形態では、前記内視鏡挿
入補助具3は、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との
摩擦係数に差をつけるために、前記ひれ状突起部32の
表面にコーティングとして親水潤滑処理を施し、表面よ
りも裏面の滑り性が低下するように構成しているが、本
第2の実施の形態はひれ状突起部32の表面の形状によ
って、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との摩擦係数
に差をつけるように構成する。それ以外の構成は、上記
第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同一
構成には、同じ符号を付して説明する。 【0052】即ち、図8に示すように本第2の実施の形
態の内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突起部32の裏面
に凹凸部51を設けて構成される。この凹凸部51は、
ひれ状突起部32の表面における矢印B方向よりも摩擦
が大きくなるように、ひれ状突起部32の裏面において
矢印C方向に設けられている。即ち、この凹凸部51
は、ひれ状突起部32の裏面において縁端部側の摩擦が
大きくなるように形成されている。 【0053】この凹凸部51は、例えば、図9に示すよ
うに形成される。図9は、ひれ状突起部32の裏面を正
面視した説明図であり、図9(a)は縞模様のような凹
凸を複数形成したひれ状突起部32の裏面の正面図、図
9(b)は文字や数字等の凹凸を複数形成したひれ状突
起部32の裏面の正面図、図9(c)は非常に細かい凹
凸を多数形成したひれ状突起部32の裏面の正面図であ
る。 【0054】図9(a)に示すようにひれ状突起部32
の裏面は、矢印C方向に対して引っかるような段差とな
るように、体腔管内への挿入方向に対して略垂直方向の
縞模様のような凹凸を複数形成することで、凹凸部51
aを設けている。また、図9(b)に示すようにひれ状
突起部32の裏面は、ユーザが識別できるような文字や
数字(或いは何らかの記号や絵等)の凹凸形状を形成す
ることで、凹凸部51bを設けている。 【0055】尚、図9(b)中、凹凸部51bは、「F
IN1」と刻まれている。しかしながら、内視鏡挿入補
助具3Bが複数種類ある場合(例えば、内視鏡挿入部2
aの外径が異なる複数機種の内視鏡に対応するため)、
他にも「FIN2」や「FIN3」等、ユーザが異なる
種類の内視鏡挿入補助具3Bの中から、使用したい種類
を識別できるように凹凸部51bを形成しても良い。ま
た、この凹凸部51bは、製造メーカの名称でも良い。
いずれにしろ、凹凸部51bは、ユーザが内視鏡挿入補
助具3Bの何らかの特徴を識別できるようになってい
る。 【0056】また、図9(c)に示すようにひれ状突起
部32の裏面は、非常に細かい凹凸を多数形成すること
で、(砂地のような)凹凸部51cを設けている。これ
ら図9(a)〜(c)に示す凹凸部51a〜51cは、
いずれも、下地のひれ状突起部32の裏面と一体で形成
されている。このことにより、内視鏡挿入補助具3B
は、ひれ状突起部32の表面に2次加工としてコーティ
ング処理を施すよりも安価に製造できる。 【0057】また、図9(b)の凹凸部51bは、内視
鏡挿入補助具3Bの何らかの特徴の識別手段を兼ねるこ
とで、安価に識別手段を設けたことになる。尚、ひれ状
突起部32は、上述したように厚肉部33とその縁部分
に設けた薄肉部34とから構成されている。このため、
図8に示した内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突起部3
2の表面に段差が形成されている。しかしながら、この
段差は矢印B方向に対して腸壁に引っかかることはな
い。いずれにせよ、内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突
起部32の表面全体と裏面全体とで、矢印B方向、矢印
C方向にある物に擦ったと、全体として摩擦係数に差が
生じるような形状となっている。 【0058】このように構成される内視鏡挿入補助具3
Bは、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に内視
鏡挿入部2aに装着されて用いられる。この結果、本第
2の実施の形態の内視鏡挿入補助具3Bは、上記第1の
実施の形態と同様な効果を得ることに加え、安価に提供
できる。 【0059】(第3の実施の形態)図10ないし図12
は本発明の第3の実施の形態に係り、図10は本発明の
第3の実施の形態の内視鏡挿入補助具を示す説明図であ
り、図10(a)は内視鏡挿入補助具の外観斜視図、図
10(b)は同図(a)のひれ状突起部付近の拡大斜視
図、図11は図10の内視鏡挿入補助具の第1の変形例
を示す説明図であり、図11(a)は内視鏡挿入補助具
を内視鏡挿入部に装着した際の外観図、図11(b)は
同図(a)の内視鏡挿入部を引き操作した際に内視鏡挿
入補助具がスライドしたときの外観図、図12は図10
の内視鏡挿入補助具の第2の変形例を示す説明図であ
り、図12(a)は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に
装着した際の外観図、図12(b)は同図(a)の内視
鏡挿入部を引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライ
ドしたときの外観図である。 【0060】上記第1,第2の実施の形態では、内視鏡
挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aに複数装着するよう
に構成しているが、本第3の実施の形態では1つの細長
い柔軟チューブで内視鏡挿入補助具を構成する。それ以
外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説
明を省略し、同一構成には、同じ符号を付して説明す
る。 【0061】即ち、図10(a)に示すように本第3の
実施の形態の内視鏡挿入補助具60は、柔軟チューブ6
1に様々な切れ込みを形成して構成されている。前記柔
軟チューブ61は、上記第1の実施の形態で説明した3
つの内視鏡挿入補助具3(3a〜3c)に相当する位置
にひれ状突起部用切れ込み部62を形成している。ま
た、前記柔軟チューブ61は、前記ひれ状突起部用切れ
込み部62の先端側から1番目と2番目との間に湾曲用
切れ込み部63を形成している。 【0062】前記柔軟チューブ61は、この表面に上記
第1の実施の形態で説明したのと同様な親水潤滑処理や
超撥水処理やその他の潤滑処理によるコーティングが施
されている。尚、この柔軟チューブ61は、内面に潤滑
処理によるコーティングが施されていない。 【0063】前記湾曲用切れ込み部63は、長手軸方向
に複数の切れ込みを形成され、前記内視鏡挿入部2aの
湾曲部12の湾曲機能を極力阻害しないようになってい
る。一方、前記ひれ状突起部用切れ込み部62は、外周
側に少し離すようにして熱を加える等することで、図1
0(b)に示すように体腔管内への挿入方向に対して後
方であって前記柔軟チューブ61の長手軸方向に沿わせ
て突出するひれ状突起部32を形成される。 【0064】このように構成される内視鏡挿入補助具6
0は、上記第1の実施の形態の変形例で説明した図6と
ほぼ同様に内視鏡挿入部2aに装着される。内視鏡挿入
補助具60は、内視鏡挿入部2aの凸部21cを乗り越
え凸部21aと凸部21bとの間の湾曲部前部12a及
び湾曲部後部12bを含む湾曲部12全体を覆って装着
される。 【0065】このことにより、内視鏡挿入補助具60
は、図6と同様にひれ状突起部用切れ込み部62が湾曲
部12の湾曲部前部12a及び湾曲部後部12bに位置
するようになっている。尚、この柔軟チューブ61は、
内径が湾曲部12の外径より小さく形成されていても良
い。また、この柔軟チューブ61は、端部の内径だけが
湾曲部12の外径より小さく形成され、且つこの端部以
外の内径が湾曲部12の外径より大きく形成されていて
も良い。 【0066】このように内視鏡挿入補助具60は、内視
鏡挿入部2aに装着することで、図6と同様な装着状態
を実現できる。また、内視鏡挿入補助具60は、一つの
柔軟チューブ61に多数のひれ状突起部32を形成する
ことで、上記第1,第2の実施の形態のように複数の内
視鏡挿入補助具3,3Bを準備して装着する煩わしさも
なく、コストも下げられる。 【0067】更に、内視鏡挿入補助具60は、内視鏡挿
入部2aの湾曲部12の湾曲部前部12a及び湾曲部後
部12bに相当する柔軟チューブ61のひれ状突起部3
2の相対位置関係が固定されている。このため、内視鏡
挿入補助具60は、上記第1,第2の実施の形態と比
べ、複数の内視鏡挿入補助具3,3Bを適切な距離で配
置する手間が省ける。 【0068】そして、このように内視鏡挿入補助具60
を内視鏡挿入部2aに装着した内視鏡2は、上記第1の
実施の形態で説明したのと同様に患者の体腔内に挿入さ
れて内視鏡検査等を行う。この結果、本第3の実施の形
態の内視鏡挿入補助具60は、上記第1の実施の形態と
同様な効果を得ることに加え、コスト低減、ユーザの苦
労低減が可能となる。 【0069】また、内視鏡挿入補助具は、図11に示す
ように構成しても良い。図11は、図10の内視鏡挿入
補助具の第1の変形例を示す説明図であり、図11
(a)は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部2aに装着し
た際の外観図、図11(b)は同図(a)の内視鏡挿入
部2aを引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライド
したときの外観図である。 【0070】図11(a)に示すように内視鏡挿入補助
具70は、1つの細長い柔軟チューブとしてシース71
で構成されている。前記シース71は、内視鏡挿入部2
aの湾曲部後部12b付近で固定される先端固定部72
を有して構成される。そして、このシース71は、内視
鏡挿入部2aの湾曲部後部12b付近で固定されて軟性
部13の途中まで装着されるようになっている。 【0071】前記シース71は、前記先端固定部72か
ら後端部73までの間に複数のスリット74が長手軸方
向に沿って形成されている。また、前記シース71は、
前記後端部73に上記第1,第2の実施の形態で説明し
たのと同様なひれ状突起部32が複数設けられている。
この後端部73のひれ状突起部32は、後述するように
前記複数のスリット74によってスライド可能に構成さ
れている。 【0072】このように構成される内視鏡挿入補助具7
0は、上述したように内視鏡挿入部2aに装着されて用
いられる。そして、内視鏡2は、上記第1の実施の形態
で説明したのと同様に患者の体腔内に挿入されて内視鏡
検査等を行う。このとき、上記第1の実施の形態で説明
したのと同様に内視鏡挿入部2aは、引き操作すること
で図5(b)から図5(c)にかけて、S状結腸41を
短縮化させる。 【0073】すると、内視鏡挿入補助具70は、最初に
ひれ状突起部32が腸壁に引っかかり、すぐに捲れて裏
返しとなる。そして、内視鏡挿入補助具70は、ひれ状
突起部32の裏面が腸壁に対して引っかかるように擦
れ、腸壁に対して摩擦が大きくなる。すると、内視鏡挿
入補助具70は、図11(b)に示すように軟性部13
に対して相対的に後端部73が先端側に移動することに
なる。 【0074】このとき、内視鏡挿入補助具70は、先端
固定部72が内視鏡挿入部2aの湾曲部後部12b付近
で固定されている。このため、内視鏡挿入補助具70
は、複数のスリット74が開き、これらスリット74と
スリット74との間の部分が凸状部75として盛り上が
る。この凸状部75が形成されて腸壁を圧迫するように
なるので、内視鏡挿入補助具70は、シース71が益々
腸壁に対してずれ難くなる。 【0075】このことにより、内視鏡挿入補助具70
は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に内視鏡
挿入部2aがS状結腸41を短縮した状態で保持可能で
ある。尚、内視鏡挿入補助具70は、内視鏡挿入部2a
を押し操作したとき、凸状部75が形成されない。この
ため、内視鏡挿入補助具70は、シース71の表面と腸
壁との摩擦が少ないので、内視鏡挿入部2aは進み易い
(挿入し易い)。 【0076】この結果、本変形例の内視鏡挿入補助具7
0は、内視鏡挿入部2aを押し操作したとき、進み易く
(挿入し易く)、引き操作したとき抵抗が増えて内視鏡
挿入部2aが体腔管内から抜け難く、内視鏡挿入部2a
の挿入性が向上する。 【0077】また、内視鏡挿入補助具は、図12に示す
ように構成しても良い。図12は図10の内視鏡挿入補
助具の第2の変形例を示す説明図であり、図12(a)
は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部2aに装着した際の
外観図、図12(b)は同図(a)の内視鏡挿入部2a
を引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライドしたと
きの外観図である。 【0078】図12(a)に示すように内視鏡挿入補助
具80は、1つの細長い柔軟チューブとして前記シース
71よりも更に柔らかいシース81で構成されている。
前記シース81は、内視鏡挿入部2aの湾曲部前部12
a付近の凸部21cの直後に圧入として固定装着される
先端固定部82を有して構成される。 【0079】このシース81は、この内径が内視鏡挿入
部2aの最大外径より大きく、十分なクリアランスを有
している。また、前記シース81は、後端部83に上記
第1,第2の実施の形態で説明したのと同様なひれ状突
起部32が軟性部13に対してスライド可能(特に固定
されていない)である。 【0080】一方、前記先端固定部82は、上記第1,
第2の実施の形態で説明したのと同様なひれ状突起部3
2が複数設けられている。そして、内視鏡挿入補助具8
0は、このシース81の表面に親水潤滑処理や超撥水処
理やその他の潤滑処理によるコーティングが施されてい
る。 【0081】このように構成される内視鏡挿入補助具8
0は、上述した内視鏡挿入補助具70と同様に内視鏡挿
入部2aに装着されて用いられる。そして、内視鏡2
は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に患者の
体腔内に挿入されて内視鏡検査等を行う。 【0082】このとき、上記内視鏡挿入補助具70と同
様に内視鏡挿入部2aが引き操作されることでS状結腸
41を短縮化させると、内視鏡挿入補助具80は、最初
に後端部83のひれ状突起部32が腸壁に引っかかり、
すぐに捲れて裏返しとなる。そして、内視鏡挿入補助具
80は、ひれ状突起部32の裏面が腸壁に対して引っか
かるように擦れ、腸壁に対して摩擦が大きくなり、図1
2(b)に示すように軟性部13に対して相対的に後端
部83が先端側に移動することになる。 【0083】このとき、内視鏡挿入補助具80は、先端
固定部72が内視鏡挿入部2aの湾曲部前部12a付近
で固定され且つ軟性部13の外径に対して十分なクリア
ランスを有している。このため、内視鏡挿入補助具80
は、シース81の途中から手元側に皺部84が形成さ
れ、多数の凸状部が出現する。 【0084】この凸状部75が形成されて腸壁を少し圧
迫するようになるので、内視鏡挿入補助具80は、シー
ス81が益々腸壁に対してずれ難くなる。尚、内視鏡挿
入補助具80は、シース81が軟性部13の外径に対し
てクリアランスが足りなかったり、シース81の厚みが
厚かったり、シース81の材質が比較的硬いものである
と、上述した皺部84が形成されないので、多数の凸状
部が出現しない。 【0085】また、本変形例の内視鏡挿入補助具80
は、先端固定部82にひれ状突起部32を設けているの
で、上記第1の実施の形態の変形例で説明した図7と同
様に湾曲部12の途中や先端側のS状結腸41の短縮状
態を保持し易くなる(つまり、内視鏡挿入部2aの先端
部11は、S状結腸41に対して更に抜け難い)。 【0086】尚、内視鏡挿入補助具80は、内視鏡挿入
部2aを押し操作したとき、雛部27が形成されないの
で、凸状部75が形成されず、更に、シース81のコー
ティングによりシース81の表面と腸壁との摩擦が少な
いので、内視鏡挿入部2aは進み易い(挿入し易い)。 【0087】この結果、本変形例の内視鏡挿入補助具8
0は、上記変形例の内視鏡挿入補助具70と同様の効果
を得ることに加え、スリット加工が必要なく、安価であ
る。尚、本発明は、以上述べた実施の形態のみに限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施可能である。 【0088】[付記] (付記項1) 内視鏡挿入部の一部に着脱自在である柔
軟な管状部材と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後
方又は体腔管内への挿入方向に対して後方であって前記
管状部材の長手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状
のひれ状突起部とを有し、前記管状部材を前記内視鏡挿
入部の一部に装着してこの内視鏡挿入部を体腔管内で引
き操作するとき、この引き操作によって前記ひれ状突起
部が体腔管壁に捲れて裏返り、この裏返った裏面が体腔
管壁に当接することで、体腔管内での前記内視鏡挿入部
の位置を保持する内視鏡挿入補助具であって、前記ひれ
状突起部の裏面を、表面よりも滑り性が低下するように
したことを特徴とする内視鏡挿入補助具。 【0089】(付記項2) 前記ひれ状突起部の表面に
潤滑コートを施すようにしたことを特徴とする付記項1
に記載の内視鏡挿入補助具。 【0090】(付記項3) 前記ひれ状突起部の裏面に
前記管状部材の長手軸方向に対して段差となる凹凸部を
設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡挿入補
助具。 【0091】(付記項4) 前記管状部材は、一端を前
記内視鏡挿入部に固定し、他端を前記内視鏡挿入部の長
手軸方向に移動可能とし、この他端が前記内視鏡挿入部
の長手軸方向の所定方向に移動すると、少なくとも一部
が凸状に拡径することを特徴とする付記項1に記載の内
視鏡挿入補助具。 【0092】(付記項5) 前記ひれ状突起部を前記内
視鏡挿入部の湾曲部先端側と湾曲部基端側とに離間して
設けることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡挿入補
助具。 【0093】(付記項6) 前記凹凸部として文字又は
記号を形成したことを特徴とする付記項3に記載の内視
鏡挿入補助具。 【0094】(付記項7) 前記文字又は記号は、複数
種類を識別するための表示であることを特徴とする付記
項4に記載の内視鏡挿入補助具。 【0095】(付記項8) 前記内視鏡挿入部の湾曲部
先端側に設けるひれ状突起部と前記湾曲部基端側に設け
るひれ状突起部との相対位置を保持するようにしたこと
を特徴とする付記項5に記載の内視鏡挿入補助具。 【0096】(付記項9) 細長な挿入部に設けた湾曲
自在な湾曲部の先端側及び基端側に、体腔管内での前記
挿入部の位置を保持するための内視鏡挿入補助具を着脱
自在に設けたことを特徴とする内視鏡。 【0097】(付記項10) 前記内視鏡挿入補助具
は、前記挿入部の一部に着脱自在である柔軟な管状部材
と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後方又は体腔管
内への挿入方向に対して後方であって前記管状部材の長
手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状のひれ状突起
部とを有し、前記管状部材を前記挿入部の一部に装着し
てこの挿入部を体腔管内で引き操作するとき、この引き
操作によって前記ひれ状突起部が体腔管壁に捲れて裏返
り、この裏返った裏面が体腔管壁に当接することで、体
腔管内での前記挿入部の位置を保持することを特徴とす
る付記項9に記載の内視鏡。 【0098】(付記項11) 前記挿入部の湾曲部先端
側に設けるひれ状突起部と前記湾曲部基端側に設けるひ
れ状突起部との相対位置を保持する保持手段を設けたこ
とを特徴とする付記項9に記載の内視鏡。 【0099】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ユ
ーザが特別な作業をしなくても、押し操作したときは進
み易く(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗が増え
て体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内視鏡挿
入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を実現でき
る。
鏡挿入部の位置を保持する内視鏡挿入補助具に関する。 【0002】 【従来の技術】従来、医療用の内視鏡は、広く利用され
ている。内視鏡は、細長の挿入部を有している。内視鏡
は、上記挿入部を体腔内に挿入することで、体腔内臓器
などを観察するものである。また、内視鏡は、必要に応
じて処置具チャンネル内に挿通した処置具を用いて各種
治療処置を行う。しかしながら、このような内視鏡は、
上記挿入部を体腔内の目的部位までスムーズに挿入する
ことが困難である。 【0003】そこで、例えば、米国特許4,207,8
72号は、内視鏡挿入部の生体内への挿入性を向上させ
た内視鏡挿入補助具を提案している。上記米国特許4,
207,872号に記載の内視鏡挿入補助具は、内視鏡
挿入部に装着するスリーブに流体の供給状態を変化させ
ることで突没する突起を設けて構成している。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記米
国特許4,207,872号に記載の内視鏡挿入補助具
は、上記スリーブに設けた各突起を膨張・収縮させるた
めの管路や、流体圧制御手段が必要である。このため、
上記米国特許4,207,872号に記載の内視鏡挿入
補助具は、作業性が煩雑になるばかりでなく、コストが
高くなる。 【0005】また、上記米国特許4,207,872号
に記載の内視鏡挿入補助具は、スリーブに設けた突起が
突出したままの状態であると、内視鏡挿入部を抜去させ
る際、この突起が例えば腸管等の体腔に引っ掛かって内
視鏡が抜けなくなる虞れがある。このため、上記米国特
許4,207,872号に記載の内視鏡挿入補助具は、
内視鏡挿入部を抜去する際、上記突起を収縮させる必要
が有り、そのための操作が煩雑で煩わしかった。 【0006】また、上記米国特許4,207,872号
に記載の内視鏡挿入補助具は、内視鏡検査中、スリーブ
が徐々に内視鏡挿入部からはずれてしまうことで、挿入
性や観察・処置性が悪化する虞れがあった。 【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、ユーザが特別な作業をしなくても、押し操作したと
きは進み易く(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗
が増えて体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内
視鏡挿入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を提
供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、内視鏡挿入部の一部に着脱自在である柔
軟な管状部材と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後
方又は体腔管内への挿入方向に対して後方であって前記
管状部材の長手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状
のひれ状突起部とを有し、前記管状部材を前記内視鏡挿
入部の一部に装着してこの内視鏡挿入部を体腔管内で引
き操作するとき、この引き操作によって前記ひれ状突起
部が体腔管壁に捲れて裏返り、この裏返った裏面が体腔
管壁に当接することで、体腔管内での前記内視鏡挿入部
の位置を保持する内視鏡挿入補助具であって、前記ひれ
状突起部の裏面を、表面よりも滑り性が低下するように
したことを特徴としている。この構成により、ユーザが
特別な作業をしなくても、押し操作したときは進み易く
(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗が増えて体腔
管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内視鏡挿入部の
挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を実現する。 【0009】 【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。 (第1の実施の形態)図1ないし図7は本発明の第1の
実施の形態に係り、図1は本発明の第1の実施の形態を
備えた内視鏡装置を示す外観図、図2は図1の内視鏡挿
入部に着脱自在な内視鏡挿入補助具を示す斜視図、図3
は内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切った半
断面図、図4は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着
した様子を示す説明図、図5は内視鏡挿入部を大腸のS
状結腸,下行結腸に挿入していく様子を示し、図5
(a)は内視鏡挿入部の先端部がS状結腸途中の屈曲部
に入ったところを示す概略説明図、図5(b)は同図
(a)の状態から内視鏡挿入部を引き操作した際の概略
説明図、図5(c)は同図(b)の状態から内視鏡挿入
部を引き操作してS状結腸,下行結腸が略直線状となっ
た際の概略説明図、図6及び図7は第1の実施の形態の
変形例を示し、図6は第1の実施の形態の変形例の内視
鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明
図、図7は図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結
腸,下行結腸が略直線状となった際の概略説明図であ
る。 【0010】図1に示すように本発明の第1の実施の形
態を備えた内視鏡装置1は、細長で可撓性の挿入部2a
を有する内視鏡2と、この内視鏡2の挿入部2aに着脱
自在に装着される内視鏡挿入補助具3とから主に構成さ
れる。 【0011】前記内視鏡2は、前記挿入部2aの基端側
に連設される把持部を兼ねる操作部2bを備えて構成さ
れる。この内視鏡2は、前記操作部2b側部から延出す
るユニバーサルコード2cの端部に設けた図示しないコ
ネクタを光源装置及びビデオプロセッサに接続するよう
になっている。 【0012】前記内視鏡挿入部2a(内視鏡2の挿入部
2aのこと)は、先端側から順に先端部11と、所望の
方向に湾曲自在な湾曲部12、可撓性を有する柔軟な部
材で形成された軟性部13とを連設して構成されてい
る。前記内視鏡操作部2b(内視鏡2の操作部2bのこ
と)は、湾曲操作ノブ14が設けられいる。この湾曲操
作ノブ14は、回動操作することで、前記湾曲部12が
湾曲動作するようになっている。 【0013】また、前記内視鏡挿入部2aは、前記先端
部11と前記湾曲部12との接続部分に、例えば、接着
剤などを盛り上げて形成した凸部21aが設けられてい
る。また、前記内視鏡挿入部2aは、前記湾曲部12と
前記軟性部13との接続部分にも前記凸部21aと同様
な凸部21bが設けられている。更に、前記湾曲部12
は、湾曲部前部12aと湾曲部後部12bとの間に、前
記凸部21a,21bと同様な凸部21cを設けてい
る。尚、前記湾曲部12は、湾曲時の曲率半径が比較的
大きくなるように前記湾曲部前部12aを設定すると共
に、この湾曲部前部12aより比較的小さな曲率半径と
なるように前記湾曲部後部12bを設定して構成しても
良い。この場合、前記湾曲部12は、前記湾曲部前部1
2aの図示しない内部で曲げに対する抵抗となる部材を
配置し、湾曲部前部12aが湾曲部後部12bよりも曲
がり難く構成する。 【0014】尚、本実施の形態の内視鏡2は、挿入部先
端部11に内蔵した図示しない撮像装置で被検部の内視
鏡像を撮像する電子内視鏡を用いているが、取り込んだ
内視鏡像を操作部後端部に設けた接眼部で観察する光学
式内視鏡であっても良い。 【0015】前記内視鏡挿入補助具3は、体腔管内で前
記内視鏡挿入部2aの位置を保持するためのものであ
る。尚、本実施の形態では、前記内視鏡挿入補助具3
は、後述するように2つ又は3つ設けて、前記内視鏡挿
入部2aに着脱自在に装着されるようになっている。 【0016】図2に示すように前記内視鏡挿入補助具3
は、前記内視鏡挿入部2aに装着される柔軟な管状部材
31と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後方、例え
ば10°〜45°の所定の傾斜角度で前記管状部材31
の外表面から突出した柔軟で平たい薄肉形状の複数のひ
れ状突起部32とで構成されている。尚、図2図中、前
記ひれ状突起部32は、3つしか描かれていないが、前
記管状部材31の一円周上に略等間隔で4つのひれ状突
起部32が設けられている。これらひれ状突起部32
は、厚肉部33とその縁部分に設けた薄肉部34とから
構成されている。 【0017】図3は、内視鏡挿入補助具3を管状部材3
1の長手中心軸で切った半断面図である。ここで、矢印
Aは、前記管状部材31の長手軸中心軸(挿入方向)に
対する垂直な面において、外側から内視鏡挿入補助具3
を見ている方向を示す。前記内視鏡挿入補助具3は、矢
印A方向から見える補助具の表面を表面と呼び、前記管
状部材31の長手軸中心軸から外周に向けて(つまり、
矢印A方向とは逆方向)見た補助具の表面を裏面と呼ぶ
こととする。 【0018】上述したように前記内視鏡挿入補助具3
は、前記内視鏡挿入部2aの前記湾曲部後部12bに装
着され、後述の図5で説明するように前記内視鏡挿入部
2aを体腔管内に挿入して用いられる。そして、前記内
視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aを引き操作する
とき、前記ひれ状突起部32が捲れて裏返しとなる。そ
して、前記内視鏡挿入補助具3は、前記ひれ状突起部3
2の裏面が体腔管壁に当接し、体腔管内での前記内視鏡
挿入部2aの位置を保持するようになっている。 【0019】本実施の形態では、前記内視鏡挿入補助具
3は、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との摩擦係数
に差をつけるために、前記ひれ状突起部32の表面にコ
ーティングとして親水潤滑処理を施し、表面よりも裏面
の滑り性が低下するように構成する。 【0020】この親水潤滑処理は、例えば、前記ひれ状
突起部32の厚肉部33の表面にのみに施しても良い
が、前記厚肉部33と前記薄肉部34との両方の表面に
施すと効果的である。更に、この親水潤滑処理は、前記
管状部材31の表面にも施すとより効果的である。尚、
前記内視鏡挿入補助具3は、前記ひれ状突起部32の裏
面に親水潤滑処理を施さないのは勿論である。 【0021】このように構成される前記内視鏡挿入補助
具3は、図4に示すように前記内視鏡挿入部2aに装着
されて用いられる。図4は、内視鏡挿入補助具3を内視
鏡挿入部2aに装着した様子を示す説明図である。 【0022】内視鏡挿入部2aは、凸部21bと凸部2
1cとの間の湾曲部後部12bに2つの内視鏡挿入補助
具3(3a,3b)が装着されるようになっている。こ
こで、湾曲部後部12bは、この外径が内視鏡挿入補助
具3の管状部材31の内径より大きく形成されている。
このため、内視鏡挿入補助具3の管状部材31は、湾曲
部後部12bを締め付けるように装着され、装着後簡単
にはずれないようになっている。 【0023】また、凸部21cは、内視鏡挿入補助具3
aの管状部材31が前方へずれるのを規制している。ま
た、凸部21bは、内視鏡挿入補助具3bの管状部材3
1が手元側へずれるのを規制している。更に、凸部21
aは、万が一、内視鏡挿入補助具3aの管状部材31が
凸部21cを乗り越えて先端側にずれても、内視鏡挿入
部2aからの脱落を防止するようにずれるのを規制して
いる。そして、このように挿入部2aに2つの内視鏡挿
入補助具3(3a,3b)を装着した内視鏡2は、図5
に示すように患者の体腔内に挿入されて内視鏡検査等を
行う。 【0024】図5は、内視鏡挿入部2aを大腸のS状結
腸41,下行結腸42に挿入していく様子を示し、図5
(a)は内視鏡挿入部2aの先端部11がS状結腸41
途中の屈曲部に入ったところを示す概略説明図、図5
(b)は同図(a)の状態から内視鏡挿入部2aを引き
操作した際の概略説明図、図5(c)は同図(b)の状
態から内視鏡挿入部2aを引き操作してS状結腸41、
下行結腸42が略直線状となった際の概略説明図であ
る。 【0025】図5(a)に示すように内視鏡挿入部2a
の先端部11がS状結腸41途中の屈曲部に入るまで
は、ユーザは、押し操作しながら内視鏡挿入部2aを挿
入していく。ここまでにおいて、内視鏡挿入部2aは、
内視鏡挿入補助具3(3a,3b)のひれ状突起部32
の表面が腸壁に接触しても、これら表面に施されている
親水潤滑処理の良好な潤滑性により、スムーズな挿入を
行える。 【0026】そして、ユーザは、内視鏡挿入部2aの先
端部11がS状結腸41途中の屈曲部に入ったときか
ら、このまま内視鏡挿入部2aを押し操作する。する
と、S状結腸41が伸されて、内視鏡挿入部2aの先端
部11は、下行結腸42の入口からむしろ遠ざかってし
まう。 【0027】そこで、ユーザは、内視鏡挿入部2aを押
し操作するのではなく、引き操作する。すると、図5
(b)に示すように内視鏡挿入補助具3のひれ状突起部
32端部は、腸壁に引っかかり、すぐに捲れて裏返しと
なる。この裏返しとなって腸壁に当たる面は、ひれ状突
起部32の裏面である。これらひれ状突起部32の裏面
は、親水潤滑処理を施していないので、滑り性が良くな
い。更に、これらひれ状突起部32の裏面は、元に戻ろ
うとする力が腸壁に作用するので、腸壁との摩擦が増大
する。 【0028】このように内視鏡挿入補助具3は、腸壁に
対するひれ状突起部32裏面の摩擦力が増大すること
で、手元側にあったS状結腸41の一部が図5(b)の
ように折り畳まれる。つまり、内視鏡挿入補助具3は、
内視鏡挿入部2aの引き操作によりS状結腸41を短縮
化し、その短縮された部分をひれ状突起部32が保持す
るようになる。 【0029】従来の内視鏡挿入補助具は、ひれ状突起部
32を設けていないので、S状結腸41の短縮された状
態を保持することが容易でなく、ユーザが内視鏡挿入部
2aを引き操作したとき、内視鏡挿入部2a(先端部1
1)がそのままS状結腸41から抜けてしまう虞れがあ
った。 【0030】本実施の形態では、内視鏡挿入補助具3
は、管状部材にひれ状突起部32を設けているので、図
5(b)に示すような状態を形成し易くなっている。こ
こで、内視鏡挿入部2aの先端部11は、下行結腸42
の入口に近づく。ユーザは、湾曲部12を湾曲操作して
先端部11を下行結腸42に入れるようにする。 【0031】そして、ユーザは、更に、内視鏡挿入部2
aを引き操作すると図5(c)に示すようにS状結腸4
1、下行結腸42は、略直線状になる。そして、ユーザ
は、内視鏡挿入部2aを押し操作することで、この先端
部11が下行結腸42の前方へ進んでいく。 【0032】このことにより、内視鏡挿入部2aに装着
した内視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aが押し操
作されて進む方向と、引き操作されて引かれる方向と
で、腸壁に対する摩擦が大きく異なる。このことによ
り、内視鏡挿入補助具3は、腸の短縮化操作を容易にす
ると共に、前進時にスムーズに挿入操作が可能となる。 【0033】更に、具体的に図4を用いて説明すると、
内視鏡挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aを押し操作さ
れたとき、腸壁に対して矢印B方向の摩擦がひれ状突起
部32に生じる。一方、内視鏡挿入補助具3は、内視鏡
挿入部2aを引き操作されたとき、腸壁に対して矢印C
方向の摩擦が生じる。矢印B方向の摩擦は、ひれ状突起
部32の表面なので潤滑性が良い。一方、矢印C方向の
摩擦は、ひれ状突起部32の裏面なので潤滑性が良くな
く、更にひれ状突起部32が元に戻ろうとする力で腸壁
に作用するので摩擦が増大する。 【0034】尚、このときひれ状突起部32が元に戻ろ
うとする力が腸壁面の略垂直方向に作用する力は、具体
的には3kg/cm2未満の力量である。この3kg/
cm 2未満の力量に設定した理由は、文献、医科器械学
(Vo1.67,N0.7,289−292,199
7)に示されており、物体が腸壁に向かって3kg/c
m2以上の力で押し当たると、腸壁に過度の負担を与え
る可能性があるためである。従って、ひれ状突起部3
は、3kg/cm2未満の力量で作用するので、腸壁に
過度の負担を与えることがない。 【0035】また、内視鏡挿入補助具3は、ひれ状突起
部32の端部が腸壁に当たってひれ状突起部32が捲か
れるとき、図4の破線で示すようになる。このとき、内
視鏡挿入補助具3(3a,3b)は、先ず、ひれ状突起
部32の薄肉部34が腸壁に当接し、その薄い部分が容
易に捲かれていく。このため、内視鏡挿入補助具3は、
腸壁に対するひれ状突起部32の当たり方が非常に軟ら
かく、これらひれ状突起部32が腸壁に強く食い込んで
抜け難くなるようなことがない。 【0036】ここで、内視鏡挿入補助具3は、ひれ状突
起部32の全てが薄肉部34のように非常に薄いと、こ
れらひれ状突起部32の元に戻ろうとする力が弱くな
る。このため、内視鏡挿入補助具3は、腸壁に対するひ
れ状突起部32の摩擦が弱まり、上述した効果が出難く
くなる。 【0037】本実施の形態では、内視鏡挿入補助具3
は、ひれ状突起部32に厚肉部33を設け、ひれ状突起
部32の縁部以外を肉厚にしている。このため、内視鏡
挿入補助具3は、ひれ状突起部32が、柔軟ながらも適
度な腰(捲かれた時に元に戻ろうとする力)を有するよ
うに構成している。 【0038】尚、本実施の形態では、内視鏡挿入補助具
3は、ひれ状突起部32の表面に親水潤滑処理を施した
が、超撥水処理やその他の潤滑処理によるコーティング
であっても良い。いずれにせよ、内視鏡挿入補助具3
は、ひれ状突起部32の表面と裏面とで摩擦係数が異な
る状態にしてあれば良い。 【0039】この結果、本実施の形態の内視鏡挿入補助
具3は、内視鏡挿入部2aを押し操作したとき進み易
く、引き操作したとき抵抗(摩擦)が増え、体腔管内へ
の内視鏡挿入部2aの挿入性が向上するという効果を得
る。 【0040】また、内視鏡挿入補助具3は、図6に示す
ように湾曲部12の手元側(湾曲部後部12b)だけで
なく湾曲部12の先端側(湾曲部前部12a)にも装着
しても良い。図6及び図7は、上記第1の実施の形態の
変形例を示し、図6は第1の実施の形態の変形例の内視
鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明
図、図7は図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結腸
41,下行結腸42が略直線状となった際の概略説明図
である。 【0041】内視鏡挿入部2aは、図4で説明したのと
同様に湾曲部後部12bに内視鏡挿入補助具3a,3b
を2つ装着されると共に、湾曲部前部12aに内視鏡挿
入補助具3cを装着され、内視鏡挿入補助具3が湾曲部
12の先端側と基端側とに離して配置される。ここで、
内視鏡挿入部2aは、先端硬質長をL1で示す。この先
端硬質長L1は、先端部11の先端面から湾曲部12が
曲がることのできる最も先端位置までの距離である。 【0042】また、内視鏡挿入補助具3cは、管状部材
31の長手軸方向の長さをL2とする。すると、内視鏡
挿入補助具3cは、抜け防止である凸部12の直ぐ手元
側に管状部材31を装着したとき、L2が先端硬質長L
1の範囲内に収まることになる。尚、内視鏡挿入部2a
は、湾曲部12に凸部21cを設けていない場合、適切
な位置に上記3つの内視鏡挿入補助具3(3a〜3c)
を配置することが困難である可能性もある。このため、
3つめの内視鏡挿入補助具3cと湾曲部12手元側に設
けた内視鏡挿入補助具3aとの間をひも状部材で繋げて
構成しても良い。 【0043】そうすることで、ユーザが凸部12に合わ
せて3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着すれば、内視
鏡挿入部2aの湾曲部12に凸部21cが設けられてい
なくても適切な位置に配置できる。 【0044】このように3つの内視鏡挿入補助具3(3
a〜3c)を湾曲部12の先端側と基端側とに離して内
視鏡挿入部2aに装着した内視鏡2は、図5で説明した
ように患者の体腔内に挿入されて内視鏡検査等を行う。
そして、内視鏡挿入部2aの先端部11は、大腸のS状
結腸41,下行結腸42へ挿入される。 【0045】上記第1の実施の形態では、内視鏡挿入部
2aは、引き操作することで図5(b)から図5(c)
にかけて、S状結腸41を短縮化させる。このとき、内
視鏡挿入部2aは、湾曲部12の手元側(湾曲部後部1
2b)に設けた2つの内視鏡挿入補助具3a,3bより
手元側のS状結腸41を短縮した状態で保持可能である
が、先端側のS状結腸41の保持が容易でない。 【0046】しかしながら、本変形例では、内視鏡挿入
部2aは、3つめの内視鏡挿入補助具3cを湾曲部12
の先端側(湾曲部前部12a)に装着している。このた
め、内視鏡挿入部2aは、図5(c)に相当する図7に
示すように湾曲部12の途中や先端側のS状結腸41の
短縮状態を保持し易くなる(つまり、内視鏡挿入部2a
の先端部11は、S状結腸41に対して更に抜け難
い)。 【0047】例えば、内視鏡挿入部2aは、湾曲部12
の中間に3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着すること
も考えられる。しかしながら、この場合、内視鏡挿入部
2aは、湾曲部12の湾曲機能を阻害する虞れがある。 【0048】特に、湾曲部12の湾曲機能は、先端側ほ
ど重要である。湾曲部12は、先端側の湾曲部前部12
aの湾曲角ができるだけ小さいほど曲がりくねったS状
結腸などで小回りがきいて良い。湾曲部12は、手元側
の湾曲部後部12bが多少曲がり難くなったとしても、
それほど湾曲機能の善し悪し(及びそれによる挿入性の
良し悪し)に影響しない。 【0049】このため、本変形例では、内視鏡挿入部2
aは、湾曲部12の手元側(湾曲部後部12b)に内視
鏡挿入補助具3a,3bを装着すると共に、湾曲部12
の先端側(湾曲部前部12a)の途中でなく、先端硬質
長L1の範囲内に3つめの内視鏡挿入補助具3cを装着
している。これにより、本変形例は、湾曲機能を損なわ
ずに、内視鏡挿入部2aの引き操作で、内視鏡挿入部2
aが腸壁に対してより滑り難くなり、短縮化した大腸を
保持し易くなる。 【0050】(第2の実施の形態)図8及び図9は本発
明の第2の実施の形態に係り、図8は本発明の第2の実
施の内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切った
半断面図、図9はひれ状突起部の裏面を正面視した説明
図であり、図9(a)は縞模様のような凹凸を複数形成
したひれ状突起部の裏面の正面図、図9(b)は文字や
数字等の凹凸を複数形成したひれ状突起部の裏面の正面
図、図9(c)は非常に細かい凹凸を多数形成したひれ
状突起部の裏面の正面図である。 【0051】上記第1の実施の形態では、前記内視鏡挿
入補助具3は、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との
摩擦係数に差をつけるために、前記ひれ状突起部32の
表面にコーティングとして親水潤滑処理を施し、表面よ
りも裏面の滑り性が低下するように構成しているが、本
第2の実施の形態はひれ状突起部32の表面の形状によ
って、前記ひれ状突起部32の表面と裏面との摩擦係数
に差をつけるように構成する。それ以外の構成は、上記
第1の実施の形態とほぼ同様なので説明を省略し、同一
構成には、同じ符号を付して説明する。 【0052】即ち、図8に示すように本第2の実施の形
態の内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突起部32の裏面
に凹凸部51を設けて構成される。この凹凸部51は、
ひれ状突起部32の表面における矢印B方向よりも摩擦
が大きくなるように、ひれ状突起部32の裏面において
矢印C方向に設けられている。即ち、この凹凸部51
は、ひれ状突起部32の裏面において縁端部側の摩擦が
大きくなるように形成されている。 【0053】この凹凸部51は、例えば、図9に示すよ
うに形成される。図9は、ひれ状突起部32の裏面を正
面視した説明図であり、図9(a)は縞模様のような凹
凸を複数形成したひれ状突起部32の裏面の正面図、図
9(b)は文字や数字等の凹凸を複数形成したひれ状突
起部32の裏面の正面図、図9(c)は非常に細かい凹
凸を多数形成したひれ状突起部32の裏面の正面図であ
る。 【0054】図9(a)に示すようにひれ状突起部32
の裏面は、矢印C方向に対して引っかるような段差とな
るように、体腔管内への挿入方向に対して略垂直方向の
縞模様のような凹凸を複数形成することで、凹凸部51
aを設けている。また、図9(b)に示すようにひれ状
突起部32の裏面は、ユーザが識別できるような文字や
数字(或いは何らかの記号や絵等)の凹凸形状を形成す
ることで、凹凸部51bを設けている。 【0055】尚、図9(b)中、凹凸部51bは、「F
IN1」と刻まれている。しかしながら、内視鏡挿入補
助具3Bが複数種類ある場合(例えば、内視鏡挿入部2
aの外径が異なる複数機種の内視鏡に対応するため)、
他にも「FIN2」や「FIN3」等、ユーザが異なる
種類の内視鏡挿入補助具3Bの中から、使用したい種類
を識別できるように凹凸部51bを形成しても良い。ま
た、この凹凸部51bは、製造メーカの名称でも良い。
いずれにしろ、凹凸部51bは、ユーザが内視鏡挿入補
助具3Bの何らかの特徴を識別できるようになってい
る。 【0056】また、図9(c)に示すようにひれ状突起
部32の裏面は、非常に細かい凹凸を多数形成すること
で、(砂地のような)凹凸部51cを設けている。これ
ら図9(a)〜(c)に示す凹凸部51a〜51cは、
いずれも、下地のひれ状突起部32の裏面と一体で形成
されている。このことにより、内視鏡挿入補助具3B
は、ひれ状突起部32の表面に2次加工としてコーティ
ング処理を施すよりも安価に製造できる。 【0057】また、図9(b)の凹凸部51bは、内視
鏡挿入補助具3Bの何らかの特徴の識別手段を兼ねるこ
とで、安価に識別手段を設けたことになる。尚、ひれ状
突起部32は、上述したように厚肉部33とその縁部分
に設けた薄肉部34とから構成されている。このため、
図8に示した内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突起部3
2の表面に段差が形成されている。しかしながら、この
段差は矢印B方向に対して腸壁に引っかかることはな
い。いずれにせよ、内視鏡挿入補助具3Bは、ひれ状突
起部32の表面全体と裏面全体とで、矢印B方向、矢印
C方向にある物に擦ったと、全体として摩擦係数に差が
生じるような形状となっている。 【0058】このように構成される内視鏡挿入補助具3
Bは、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に内視
鏡挿入部2aに装着されて用いられる。この結果、本第
2の実施の形態の内視鏡挿入補助具3Bは、上記第1の
実施の形態と同様な効果を得ることに加え、安価に提供
できる。 【0059】(第3の実施の形態)図10ないし図12
は本発明の第3の実施の形態に係り、図10は本発明の
第3の実施の形態の内視鏡挿入補助具を示す説明図であ
り、図10(a)は内視鏡挿入補助具の外観斜視図、図
10(b)は同図(a)のひれ状突起部付近の拡大斜視
図、図11は図10の内視鏡挿入補助具の第1の変形例
を示す説明図であり、図11(a)は内視鏡挿入補助具
を内視鏡挿入部に装着した際の外観図、図11(b)は
同図(a)の内視鏡挿入部を引き操作した際に内視鏡挿
入補助具がスライドしたときの外観図、図12は図10
の内視鏡挿入補助具の第2の変形例を示す説明図であ
り、図12(a)は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に
装着した際の外観図、図12(b)は同図(a)の内視
鏡挿入部を引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライ
ドしたときの外観図である。 【0060】上記第1,第2の実施の形態では、内視鏡
挿入補助具3は、内視鏡挿入部2aに複数装着するよう
に構成しているが、本第3の実施の形態では1つの細長
い柔軟チューブで内視鏡挿入補助具を構成する。それ以
外の構成は、上記第1の実施の形態とほぼ同様なので説
明を省略し、同一構成には、同じ符号を付して説明す
る。 【0061】即ち、図10(a)に示すように本第3の
実施の形態の内視鏡挿入補助具60は、柔軟チューブ6
1に様々な切れ込みを形成して構成されている。前記柔
軟チューブ61は、上記第1の実施の形態で説明した3
つの内視鏡挿入補助具3(3a〜3c)に相当する位置
にひれ状突起部用切れ込み部62を形成している。ま
た、前記柔軟チューブ61は、前記ひれ状突起部用切れ
込み部62の先端側から1番目と2番目との間に湾曲用
切れ込み部63を形成している。 【0062】前記柔軟チューブ61は、この表面に上記
第1の実施の形態で説明したのと同様な親水潤滑処理や
超撥水処理やその他の潤滑処理によるコーティングが施
されている。尚、この柔軟チューブ61は、内面に潤滑
処理によるコーティングが施されていない。 【0063】前記湾曲用切れ込み部63は、長手軸方向
に複数の切れ込みを形成され、前記内視鏡挿入部2aの
湾曲部12の湾曲機能を極力阻害しないようになってい
る。一方、前記ひれ状突起部用切れ込み部62は、外周
側に少し離すようにして熱を加える等することで、図1
0(b)に示すように体腔管内への挿入方向に対して後
方であって前記柔軟チューブ61の長手軸方向に沿わせ
て突出するひれ状突起部32を形成される。 【0064】このように構成される内視鏡挿入補助具6
0は、上記第1の実施の形態の変形例で説明した図6と
ほぼ同様に内視鏡挿入部2aに装着される。内視鏡挿入
補助具60は、内視鏡挿入部2aの凸部21cを乗り越
え凸部21aと凸部21bとの間の湾曲部前部12a及
び湾曲部後部12bを含む湾曲部12全体を覆って装着
される。 【0065】このことにより、内視鏡挿入補助具60
は、図6と同様にひれ状突起部用切れ込み部62が湾曲
部12の湾曲部前部12a及び湾曲部後部12bに位置
するようになっている。尚、この柔軟チューブ61は、
内径が湾曲部12の外径より小さく形成されていても良
い。また、この柔軟チューブ61は、端部の内径だけが
湾曲部12の外径より小さく形成され、且つこの端部以
外の内径が湾曲部12の外径より大きく形成されていて
も良い。 【0066】このように内視鏡挿入補助具60は、内視
鏡挿入部2aに装着することで、図6と同様な装着状態
を実現できる。また、内視鏡挿入補助具60は、一つの
柔軟チューブ61に多数のひれ状突起部32を形成する
ことで、上記第1,第2の実施の形態のように複数の内
視鏡挿入補助具3,3Bを準備して装着する煩わしさも
なく、コストも下げられる。 【0067】更に、内視鏡挿入補助具60は、内視鏡挿
入部2aの湾曲部12の湾曲部前部12a及び湾曲部後
部12bに相当する柔軟チューブ61のひれ状突起部3
2の相対位置関係が固定されている。このため、内視鏡
挿入補助具60は、上記第1,第2の実施の形態と比
べ、複数の内視鏡挿入補助具3,3Bを適切な距離で配
置する手間が省ける。 【0068】そして、このように内視鏡挿入補助具60
を内視鏡挿入部2aに装着した内視鏡2は、上記第1の
実施の形態で説明したのと同様に患者の体腔内に挿入さ
れて内視鏡検査等を行う。この結果、本第3の実施の形
態の内視鏡挿入補助具60は、上記第1の実施の形態と
同様な効果を得ることに加え、コスト低減、ユーザの苦
労低減が可能となる。 【0069】また、内視鏡挿入補助具は、図11に示す
ように構成しても良い。図11は、図10の内視鏡挿入
補助具の第1の変形例を示す説明図であり、図11
(a)は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部2aに装着し
た際の外観図、図11(b)は同図(a)の内視鏡挿入
部2aを引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライド
したときの外観図である。 【0070】図11(a)に示すように内視鏡挿入補助
具70は、1つの細長い柔軟チューブとしてシース71
で構成されている。前記シース71は、内視鏡挿入部2
aの湾曲部後部12b付近で固定される先端固定部72
を有して構成される。そして、このシース71は、内視
鏡挿入部2aの湾曲部後部12b付近で固定されて軟性
部13の途中まで装着されるようになっている。 【0071】前記シース71は、前記先端固定部72か
ら後端部73までの間に複数のスリット74が長手軸方
向に沿って形成されている。また、前記シース71は、
前記後端部73に上記第1,第2の実施の形態で説明し
たのと同様なひれ状突起部32が複数設けられている。
この後端部73のひれ状突起部32は、後述するように
前記複数のスリット74によってスライド可能に構成さ
れている。 【0072】このように構成される内視鏡挿入補助具7
0は、上述したように内視鏡挿入部2aに装着されて用
いられる。そして、内視鏡2は、上記第1の実施の形態
で説明したのと同様に患者の体腔内に挿入されて内視鏡
検査等を行う。このとき、上記第1の実施の形態で説明
したのと同様に内視鏡挿入部2aは、引き操作すること
で図5(b)から図5(c)にかけて、S状結腸41を
短縮化させる。 【0073】すると、内視鏡挿入補助具70は、最初に
ひれ状突起部32が腸壁に引っかかり、すぐに捲れて裏
返しとなる。そして、内視鏡挿入補助具70は、ひれ状
突起部32の裏面が腸壁に対して引っかかるように擦
れ、腸壁に対して摩擦が大きくなる。すると、内視鏡挿
入補助具70は、図11(b)に示すように軟性部13
に対して相対的に後端部73が先端側に移動することに
なる。 【0074】このとき、内視鏡挿入補助具70は、先端
固定部72が内視鏡挿入部2aの湾曲部後部12b付近
で固定されている。このため、内視鏡挿入補助具70
は、複数のスリット74が開き、これらスリット74と
スリット74との間の部分が凸状部75として盛り上が
る。この凸状部75が形成されて腸壁を圧迫するように
なるので、内視鏡挿入補助具70は、シース71が益々
腸壁に対してずれ難くなる。 【0075】このことにより、内視鏡挿入補助具70
は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に内視鏡
挿入部2aがS状結腸41を短縮した状態で保持可能で
ある。尚、内視鏡挿入補助具70は、内視鏡挿入部2a
を押し操作したとき、凸状部75が形成されない。この
ため、内視鏡挿入補助具70は、シース71の表面と腸
壁との摩擦が少ないので、内視鏡挿入部2aは進み易い
(挿入し易い)。 【0076】この結果、本変形例の内視鏡挿入補助具7
0は、内視鏡挿入部2aを押し操作したとき、進み易く
(挿入し易く)、引き操作したとき抵抗が増えて内視鏡
挿入部2aが体腔管内から抜け難く、内視鏡挿入部2a
の挿入性が向上する。 【0077】また、内視鏡挿入補助具は、図12に示す
ように構成しても良い。図12は図10の内視鏡挿入補
助具の第2の変形例を示す説明図であり、図12(a)
は内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部2aに装着した際の
外観図、図12(b)は同図(a)の内視鏡挿入部2a
を引き操作した際に内視鏡挿入補助具がスライドしたと
きの外観図である。 【0078】図12(a)に示すように内視鏡挿入補助
具80は、1つの細長い柔軟チューブとして前記シース
71よりも更に柔らかいシース81で構成されている。
前記シース81は、内視鏡挿入部2aの湾曲部前部12
a付近の凸部21cの直後に圧入として固定装着される
先端固定部82を有して構成される。 【0079】このシース81は、この内径が内視鏡挿入
部2aの最大外径より大きく、十分なクリアランスを有
している。また、前記シース81は、後端部83に上記
第1,第2の実施の形態で説明したのと同様なひれ状突
起部32が軟性部13に対してスライド可能(特に固定
されていない)である。 【0080】一方、前記先端固定部82は、上記第1,
第2の実施の形態で説明したのと同様なひれ状突起部3
2が複数設けられている。そして、内視鏡挿入補助具8
0は、このシース81の表面に親水潤滑処理や超撥水処
理やその他の潤滑処理によるコーティングが施されてい
る。 【0081】このように構成される内視鏡挿入補助具8
0は、上述した内視鏡挿入補助具70と同様に内視鏡挿
入部2aに装着されて用いられる。そして、内視鏡2
は、上記第1の実施の形態で説明したのと同様に患者の
体腔内に挿入されて内視鏡検査等を行う。 【0082】このとき、上記内視鏡挿入補助具70と同
様に内視鏡挿入部2aが引き操作されることでS状結腸
41を短縮化させると、内視鏡挿入補助具80は、最初
に後端部83のひれ状突起部32が腸壁に引っかかり、
すぐに捲れて裏返しとなる。そして、内視鏡挿入補助具
80は、ひれ状突起部32の裏面が腸壁に対して引っか
かるように擦れ、腸壁に対して摩擦が大きくなり、図1
2(b)に示すように軟性部13に対して相対的に後端
部83が先端側に移動することになる。 【0083】このとき、内視鏡挿入補助具80は、先端
固定部72が内視鏡挿入部2aの湾曲部前部12a付近
で固定され且つ軟性部13の外径に対して十分なクリア
ランスを有している。このため、内視鏡挿入補助具80
は、シース81の途中から手元側に皺部84が形成さ
れ、多数の凸状部が出現する。 【0084】この凸状部75が形成されて腸壁を少し圧
迫するようになるので、内視鏡挿入補助具80は、シー
ス81が益々腸壁に対してずれ難くなる。尚、内視鏡挿
入補助具80は、シース81が軟性部13の外径に対し
てクリアランスが足りなかったり、シース81の厚みが
厚かったり、シース81の材質が比較的硬いものである
と、上述した皺部84が形成されないので、多数の凸状
部が出現しない。 【0085】また、本変形例の内視鏡挿入補助具80
は、先端固定部82にひれ状突起部32を設けているの
で、上記第1の実施の形態の変形例で説明した図7と同
様に湾曲部12の途中や先端側のS状結腸41の短縮状
態を保持し易くなる(つまり、内視鏡挿入部2aの先端
部11は、S状結腸41に対して更に抜け難い)。 【0086】尚、内視鏡挿入補助具80は、内視鏡挿入
部2aを押し操作したとき、雛部27が形成されないの
で、凸状部75が形成されず、更に、シース81のコー
ティングによりシース81の表面と腸壁との摩擦が少な
いので、内視鏡挿入部2aは進み易い(挿入し易い)。 【0087】この結果、本変形例の内視鏡挿入補助具8
0は、上記変形例の内視鏡挿入補助具70と同様の効果
を得ることに加え、スリット加工が必要なく、安価であ
る。尚、本発明は、以上述べた実施の形態のみに限定さ
れるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
変形実施可能である。 【0088】[付記] (付記項1) 内視鏡挿入部の一部に着脱自在である柔
軟な管状部材と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後
方又は体腔管内への挿入方向に対して後方であって前記
管状部材の長手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状
のひれ状突起部とを有し、前記管状部材を前記内視鏡挿
入部の一部に装着してこの内視鏡挿入部を体腔管内で引
き操作するとき、この引き操作によって前記ひれ状突起
部が体腔管壁に捲れて裏返り、この裏返った裏面が体腔
管壁に当接することで、体腔管内での前記内視鏡挿入部
の位置を保持する内視鏡挿入補助具であって、前記ひれ
状突起部の裏面を、表面よりも滑り性が低下するように
したことを特徴とする内視鏡挿入補助具。 【0089】(付記項2) 前記ひれ状突起部の表面に
潤滑コートを施すようにしたことを特徴とする付記項1
に記載の内視鏡挿入補助具。 【0090】(付記項3) 前記ひれ状突起部の裏面に
前記管状部材の長手軸方向に対して段差となる凹凸部を
設けたことを特徴とする付記項1に記載の内視鏡挿入補
助具。 【0091】(付記項4) 前記管状部材は、一端を前
記内視鏡挿入部に固定し、他端を前記内視鏡挿入部の長
手軸方向に移動可能とし、この他端が前記内視鏡挿入部
の長手軸方向の所定方向に移動すると、少なくとも一部
が凸状に拡径することを特徴とする付記項1に記載の内
視鏡挿入補助具。 【0092】(付記項5) 前記ひれ状突起部を前記内
視鏡挿入部の湾曲部先端側と湾曲部基端側とに離間して
設けることを特徴とする付記項1に記載の内視鏡挿入補
助具。 【0093】(付記項6) 前記凹凸部として文字又は
記号を形成したことを特徴とする付記項3に記載の内視
鏡挿入補助具。 【0094】(付記項7) 前記文字又は記号は、複数
種類を識別するための表示であることを特徴とする付記
項4に記載の内視鏡挿入補助具。 【0095】(付記項8) 前記内視鏡挿入部の湾曲部
先端側に設けるひれ状突起部と前記湾曲部基端側に設け
るひれ状突起部との相対位置を保持するようにしたこと
を特徴とする付記項5に記載の内視鏡挿入補助具。 【0096】(付記項9) 細長な挿入部に設けた湾曲
自在な湾曲部の先端側及び基端側に、体腔管内での前記
挿入部の位置を保持するための内視鏡挿入補助具を着脱
自在に設けたことを特徴とする内視鏡。 【0097】(付記項10) 前記内視鏡挿入補助具
は、前記挿入部の一部に着脱自在である柔軟な管状部材
と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後方又は体腔管
内への挿入方向に対して後方であって前記管状部材の長
手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状のひれ状突起
部とを有し、前記管状部材を前記挿入部の一部に装着し
てこの挿入部を体腔管内で引き操作するとき、この引き
操作によって前記ひれ状突起部が体腔管壁に捲れて裏返
り、この裏返った裏面が体腔管壁に当接することで、体
腔管内での前記挿入部の位置を保持することを特徴とす
る付記項9に記載の内視鏡。 【0098】(付記項11) 前記挿入部の湾曲部先端
側に設けるひれ状突起部と前記湾曲部基端側に設けるひ
れ状突起部との相対位置を保持する保持手段を設けたこ
とを特徴とする付記項9に記載の内視鏡。 【0099】 【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、ユ
ーザが特別な作業をしなくても、押し操作したときは進
み易く(挿入し易く)、引き操作したときは抵抗が増え
て体腔管内での内視鏡挿入部の位置を保持し、内視鏡挿
入部の挿入性が向上可能な内視鏡挿入補助具を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を備えた内視鏡装置
を示す外観図 【図2】図1の内視鏡挿入部に着脱自在な内視鏡挿入補
助具を示す斜視図 【図3】内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切
った半断面図 【図4】内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様
子を示す説明図 【図5】内視鏡挿入部を大腸のS状結腸,下行結腸に挿
入していく様子を示す概略説明図 【図6】第1の実施の形態の変形例の内視鏡挿入補助具
を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明図 【図7】図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結腸,
下行結腸が略直線状となった際の概略説明図 【図8】本発明の第2の実施の内視鏡挿入補助具を管状
部材の長手中心軸で切った半断面図 【図9】ひれ状突起部の裏面を正面視した説明図 【図10】本発明の第3の実施の形態の内視鏡挿入補助
具を示す説明図 【図11】図10の内視鏡挿入補助具の第1の変形例を
示す説明図 【図12】図10の内視鏡挿入補助具の第2の変形例を
示す説明図 【符号の説明】 1…内視鏡装置 2…内視鏡 2a…内視鏡挿入部 3(3a,3b)…内視鏡挿入補助具 11…先端部 12…湾曲部 12a…湾曲部前部 12b…湾曲部後部 13…軟性部 21a,21b,21c…凸部 31…管状部材 32…ひれ状突起部 33…厚肉部 34…薄肉部 41…S状結腸 42…下行結腸
を示す外観図 【図2】図1の内視鏡挿入部に着脱自在な内視鏡挿入補
助具を示す斜視図 【図3】内視鏡挿入補助具を管状部材の長手中心軸で切
った半断面図 【図4】内視鏡挿入補助具を内視鏡挿入部に装着した様
子を示す説明図 【図5】内視鏡挿入部を大腸のS状結腸,下行結腸に挿
入していく様子を示す概略説明図 【図6】第1の実施の形態の変形例の内視鏡挿入補助具
を内視鏡挿入部に装着した様子を示す説明図 【図7】図6の内視鏡挿入部を引き操作してS状結腸,
下行結腸が略直線状となった際の概略説明図 【図8】本発明の第2の実施の内視鏡挿入補助具を管状
部材の長手中心軸で切った半断面図 【図9】ひれ状突起部の裏面を正面視した説明図 【図10】本発明の第3の実施の形態の内視鏡挿入補助
具を示す説明図 【図11】図10の内視鏡挿入補助具の第1の変形例を
示す説明図 【図12】図10の内視鏡挿入補助具の第2の変形例を
示す説明図 【符号の説明】 1…内視鏡装置 2…内視鏡 2a…内視鏡挿入部 3(3a,3b)…内視鏡挿入補助具 11…先端部 12…湾曲部 12a…湾曲部前部 12b…湾曲部後部 13…軟性部 21a,21b,21c…凸部 31…管状部材 32…ひれ状突起部 33…厚肉部 34…薄肉部 41…S状結腸 42…下行結腸
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1】 内視鏡挿入部の一部に着脱自在である柔
軟な管状部材と、体腔管内への挿入方向に対して斜め後
方又は体腔管内への挿入方向に対して後方であって前記
管状部材の長手軸方向に沿わせて突出する柔軟な薄肉状
のひれ状突起部とを有し、前記管状部材を前記内視鏡挿
入部の一部に装着してこの内視鏡挿入部を体腔管内で引
き操作するとき、この引き操作によって前記ひれ状突起
部が体腔管壁に捲れて裏返り、この裏返った裏面が体腔
管壁に当接することで、体腔管内での前記内視鏡挿入部
の位置を保持する内視鏡挿入補助具であって、 前記ひれ状突起部の裏面を、表面よりも滑り性が低下す
るようにしたことを特徴とする内視鏡挿入補助具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001384934A JP2003180611A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 内視鏡挿入補助具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001384934A JP2003180611A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 内視鏡挿入補助具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003180611A true JP2003180611A (ja) | 2003-07-02 |
Family
ID=27594535
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001384934A Withdrawn JP2003180611A (ja) | 2001-12-18 | 2001-12-18 | 内視鏡挿入補助具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003180611A (ja) |
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-
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- 2001-12-18 JP JP2001384934A patent/JP2003180611A/ja not_active Withdrawn
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