JP2971064B1 - 炉壁の構造 - Google Patents

炉壁の構造

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JP2971064B1 JP31767498A JP31767498A JP2971064B1 JP 2971064 B1 JP2971064 B1 JP 2971064B1 JP 31767498 A JP31767498 A JP 31767498A JP 31767498 A JP31767498 A JP 31767498A JP 2971064 B1 JP2971064 B1 JP 2971064B1
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Abstract

【要約】 【課題】 炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱・保温
性を有し、且つ、優れた強度および耐久性を維持す。 【解決手段】 耐火材料によって平板状に形成された基
部3の一方の板面に複数の柱状の突起部4を一体に有し
た第一の炉壁体1に対し、前記突起部4の先端部4bに
対面する如く耐火材料によって平板状に形成された第二
の炉壁体2を積層し、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2
との間に突起部4を介した空間5をなす。これにより、
該空間5を以て熱の伝導を低減させ、且つ、板状部分に
温度変化による膨張収縮が生じても突起部4の歪みによ
って、この膨張収縮を受け流す。ゆえに、厚さの薄い炉
壁であっても、優れた断熱・保温性を有し、優れた強度
をおよび耐久性を維持することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内部に火などを蓄
えることにより内部の物品を焼成、焼付、焼却、溶解、
加熱などをする炉にかかり、該炉の外壁をなす炉壁の構
造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】炉壁は、炉の外壁をなすものであり、そ
の目的の一つは、炉内に熱を閉じ込めて高温とすること
にある。このように適宜断熱・保温が行われることで、
熱エネルギーの損失を防ぎ、少ない熱エネルギーでの焼
成、焼付、焼却、溶解、加熱などを短時間で行うことを
目的としている。
【0003】従来、この種の炉壁の構造は、その厚さを
大きくすることにより断熱・保温効果を得ようとするも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の炉壁の構造では、断熱・保温性を高めようとす
る場合には、自ずと厚さが増すことになる。この場合、
熱を受ける炉壁の内面と、外面とには著しい温度差が生
じることとなり、炉壁の内面は高温となって膨張し、外
面は膨張がない状態となる。また、炉内の温度が低下し
たときに炉壁に収縮が生じるが、この収縮は炉壁の内面
では大きく、外面は小さいこととなる。このため、炉壁
の内面と外面との間で膨張収縮が異なり、且つ、上述の
如く炉壁の厚さが増せばこの差異が大きくなるため、炉
壁が劣化して亀裂が生じてしまうという問題点があっ
た。
【0005】また、炉壁の厚さを増すことは、炉の大き
さが大型化してしまうために、限られた敷地部分に対し
て炉を設置することができなかった。
【0006】このような問題から、薄い厚さで断熱・保
温性を有する材質を用いて炉壁を構成することが考えら
れるが、この種の材質は高価であるために、コストが嵩
み、実現性が低い。
【0007】そこで本発明は、上記課題を解消するため
に、炉壁の厚さを増すことなく優れた断熱・保温性を有
し、且つ、優れた強度および耐久性を維持することがで
きる炉壁の構造を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明による炉壁の構造は、耐火材料によって板状に形
成され、その一方の板面に複数の突起部を一体に有した
第一の炉壁体と、耐火材料によって板状に形成された第
二の炉壁体と、を備え、前記第一の炉壁体における前記
突起部の先端部に対面する如く前記第二の炉壁体を積層
し、前記第一の炉壁体と前記第二の炉壁体との間に前記
突起部を介した空間をなすことを特徴としている。
【0009】また、本発明による炉壁の構造は、耐火材
料によって板状に形成され、その双方の板面に複数の突
起部を一体に有した第三の炉壁体と、耐火材料によって
板状に形成された第二の炉壁体と、を備え、前記第二の
炉壁体における前記突起部の先端部に対面する如く前記
第二の炉壁体をそれぞれ積層し、前記第二の炉壁体と前
記第三の炉壁体との間に前記突起部を介した空間をなす
ことを特徴としている。
【0010】そして、前記第一の炉壁体、第二の炉壁体
及び第三の炉壁体の種々の積層組み合わせにより、前記
各炉壁体の間に前記突起部を介した空間を多層に有する
如く形成することを特徴としている。
【0011】さらに、前記各突起部は、前記第一あるい
は第三の炉壁体の板面より突出する基端部の総面積が、
前記板面の全体面積の約20〜70%を占めるととも
に、その高さが、前記第一あるいは第三の炉壁体の厚さ
の略1.5倍以下となる如く形成されていることが好ま
しい。
【0012】また、前記突起部は、柱状に形成され、そ
の先端部が基端部よりも細径、あるいは尖る如く、その
周面が傾斜あるいは湾曲をなして形成されていてもよ
い。
【0013】また、前記突起部は、前記第一あるいは第
三の炉壁体の板面より隆起する如く山状に形成されてい
てもよい。
【0014】また、前記突起部は、第一あるいは第三の
炉壁体の厚さを貫通しない筒状に形成されていることが
好ましい。
【0015】また、前記突起部は、前記板状部分と別体
に形成され、第一の炉壁体あるいは第三の炉壁体の板面
に対して耐火性の接着剤を以て取り付けられていること
を特徴としている。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して具体的に説明する。本発明による炉壁の構造
は、炉の外壁をなすものであり、炉内に熱を閉じ込めて
高温とすることで、適宜断熱・保温を行って、熱エネル
ギーの損失を防ぎ、少ない熱エネルギーでの焼成、焼
付、焼却、溶解、加熱などをなす。図1は本発明による
炉壁の構造を示す分解斜視図、図2は同炉壁の構造の断
面図である。
【0017】この実施の形態の炉壁の構造は、図1およ
び図2に示すように、第一の炉壁体1と、第二の炉壁体
2とで構成されている。
【0018】第一の炉壁体1は、耐火材料によって平板
状に形成された基部3の一方の板面に複数の柱状の突起
部4が一体形成されている。この第一の炉壁体1をなす
耐火材料としては、火に触れても極表面だけしか変質せ
ず、不燃性の材料であって、例えば、耐火金属(タング
ステン,タンタル,モリブデンなど)、耐火セメント
(アルミナセメントなど)、耐火粘土(ケイ酸,アルミ
ナおよび水などを主成分とするもの)、セラミックス繊
維(アルミナ繊維など)がある。また、第一の炉壁体1
を成形するには、上記の耐火材料を彫込型に入れて圧力
を加える押型式と、上記の耐火材料を枠型に入れて不要
部分をバキュームする吸入式とがある。
【0019】また、各突起部4は、図1に示す円柱、あ
るいは角柱などの柱状に形成され、その基端部4aの総
面積が、基部3の板面の全体面積の約20〜70%(好
ましくは30%)を占めている。また、各突起部4は、
その高さが、基部3の厚さの略1.5倍以下となるよう
に形成されている。
【0020】第二の炉壁体2は、第一の炉壁体1におけ
る基部3と同様に、耐火材料によって平板状に形成され
ている。
【0021】そして、図2に示すように、第一の炉壁体
1における突起部4の先端部4bに、第二の炉壁体2の
板面を対面するように積層し、第一の炉壁体1と第二の
炉壁体2との間に突起部4の高さ分を介した空間5をな
す。この空間5は、各突起部4の間隔を以て連通されて
いる。また、積層された第一の炉壁体1と第二の炉壁体
2とは、耐火性の接着剤で接着されているか、あるいは
耐火性の締結体(ボルトなど)で固定される。
【0022】このような炉壁により炉を構成する場合、
第一の炉壁体1を炉の内側とし、第二の炉壁体2を炉の
外側とする。即ち、図2に矢印で示す如く、第一の炉壁
体1の基部3側から熱が加えられる。
【0023】第一の炉壁体1の基部3側に熱が加わる
と、この熱は基部3を介して温度が多少低下されて空間
5側に伝導される。空間5に伝達された熱は、空気を介
していることにより温度の伝導が著しく低下する。ゆえ
に、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2との積層により、
優れた断熱・保温性を得ることとなる。
【0024】さらに、空間5は、各突起部4の間隔を以
て連通されているため、基部3に加わる熱に部分的な温
度差があっても、連通する空間5でこの熱を均一化する
ので、炉内温度を均等にするとともに、外方に伝導する
熱の温度をも均等にすることができる。
【0025】また、第一の炉壁体1と第二の炉壁体2と
の間に連通する空間5を有していることから、この空間
5内の空気を排気流の圧力で引く抜くエゼクト作用を起
こすことができ、炉内の温度を安定して上昇させること
が可能である。
【0026】一方、第一の炉壁体1の基部3側に熱が加
わると、基部3が熱膨張を起こすこととなる。この際、
突起部4が基部3の膨張を受けて歪むために、基部3の
膨張変形があっても、第二の炉壁体2側には何ら影響が
ない。また、第一の炉壁体1の基部3が収縮した場合に
おいても、突起部4の歪みにより、基部3の収縮が第二
の炉壁体2側に影響しない。ゆえに、第一の炉壁体1と
第二の炉壁体2との積層により、優れた強度を得ること
となる。
【0027】なお、上述した第一の炉壁体1と第二の炉
壁体2との積層を、図3に示す如く多層に構成してもよ
い。この場合、温度の伝導を、各突起部4がなす多層の
空間5を以て相乗して低減することが可能となる。さら
に、多層構造によれば、第一の炉壁体1におこる膨張収
縮を、各突起部4を以て相乗して受け流すことが可能と
なる。
【0028】また、第一の炉壁体1の基部3の厚さは、
突起部4がなす空間5によって優れた断熱・保温性が得
られるので、厚く形成する必要がない。むしろ、基部3
の厚みは、熱が加わる面と、突起部4をなす面とで、膨
張収縮に差異がないように薄い方が好ましい。ゆえに、
積層構造としても全体の厚さは、厚くなることがない。
【0029】ここで、図4(a),(b)で示す本発明
の炉壁の構造と従来との比較対照図のように、同一の耐
火部材を用いて、従来の一枚板の構造の炉壁101(図
4(a))の厚さと、本発明の炉壁の構造(図4
(b))の厚さを同一に構成したとする。このような場
合、従来の炉壁101において一方の面(図中左側)か
ら熱が加わった際、他方の面(図中右側)に向かって図
示の付線hの如く熱の伝導が生じる。これに対し、本発
明の炉壁の構造では、図示の付線Hの如く基部3での熱
の伝導は従来と同様であるが、空間5にかかる熱の伝導
は著しく低下する。そして、点線hで示す従来の熱の伝
導と比較すると他方の面での伝導熱に差異Pが生じるこ
ととなる。
【0030】このように、本発明の炉壁の構造では、従
来と同じ厚さであっても、熱の伝導を著しく低下するこ
とが可能であり、且つ使用する耐火材料をも空間5の分
低減させることが可能となる。また、従来と同様の熱の
伝導の炉壁を本発明の構成で得る場合、従来よりも厚さ
を薄くできることは勿論である。
【0031】ところで、上述した第一の炉壁体1におけ
る突起部4は、柱状としているが、図5乃至図8に示す
構成とすることにより、上述した効果を助勢することが
可能となる。図5(a),(b)に示すように、突起部
4の形状を、基端部4aに対し、先端部4bが細径とな
る如く、その周面を傾斜して形成する。あるいは、図6
(a),(b)に示すように、突起部4の形状を先端部
4bが尖る如く、その周面を傾斜して形成する。また
は、図7(a),(b)に示すように、突起部4の形状
を基端部4aに対し、先端部4bが細径あるいは尖る如
く、その周面を湾曲して形成する。
【0032】このように突起部4の形状を変えることに
より、第二の炉壁体2の板面に接触する突起部4の先端
部4bが基端部4aよりも面積が小さくなるため、突起
部4を介して第一の炉壁体1から第二の炉壁体2への熱
の伝導を低減させるため、さらに断熱・保温性を向上さ
せることが可能となる。
【0033】さらに、突起部4の周面が傾斜あるいは湾
曲して形成されたことにより、第一の炉壁体1の基部3
が膨張収縮した際の歪みに対する突起部4の強度を増す
ことが可能となる。
【0034】そして、突起部4の先端部4bを尖る如く
形成した場合においては、図2あるいは図3のように炉
壁を構成する際、突起部4の先端部4b側を熱を受ける
側に向けるとよい。これによれば、熱が伝導される側へ
の突起部4の接触面積が少ないことにより、熱の伝導を
著しく低下させ、さらに断熱・保温効果を向上すること
ができる。
【0035】また、図8(a),(b)に示すように、
突起部4を先端部4b側に開口する中空とし、第一の炉
壁体1の基部3を貫通することがない筒状に形成する。
これにより、突起部4内に上述の空間5とは別の内部空
間4cをなすこととなるので、該内部空間4cを以て熱
の伝導をさらに低下させることが可能となる。また、筒
状の形状により、第一の炉壁体1の基部3が膨張収縮し
た際の歪みに対する突起部4の強度を増すことが可能と
なる。
【0036】そして、上記突起部4の筒状の構成は、図
5乃至図7に示す突起部4の形状に加えて構成すること
も可能である。
【0037】なお、突起部4は、図示しないが、第一の
炉壁体1の板面より隆起する如く山状に形成されていて
もよい。これによれば、突起部4の成形を容易とするこ
とが可能となる。また、山状の突起部4においても、筒
状の構成をなしてもよい。
【0038】ここで、上述した第一の炉壁体1の変形例
を図9に示し説明する。図9に示す第三の炉壁体10
は、第一の炉壁体1と同様に、耐火材料によって平板状
に形成された基部3を備えている。そして、基部3の双
方の板面に複数の柱状の突起部4を一体形成している。
【0039】そして、第三の炉壁体10を、上述した第
二の炉壁体2で挟むようにして、積層構成することによ
り、第三の炉壁体10の両面側に空間5が形成される。
【0040】このように構成された第三の炉壁体10を
採用した場合でも、その空間5と突起部4により、優れ
た断熱・保温性を有するとともに、優れた強度を得るこ
とが可能である。
【0041】なお、第三の炉壁体10のおける突起部4
の形状は、図5乃至図8で示して説明した構成を用いる
ことが可能である。
【0042】また、上述の第一の炉壁体1、第二の炉壁
体2及び第三の炉壁体10を種々積層組み合わせしても
よい。
【0043】また、上述した実施の形態では、第一の炉
壁体1及び第三の炉壁体10を平板状の基部3に縦横数
列(図示では五列)の突起部4を備えた構成とし、第二
の炉壁体2を、第一の炉壁体1及び第三の炉壁体10の
基部3の大きさに対応した平板状の構成としている。つ
まり、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁
体10はパネル状に形成されて、このパネル状を複数接
続することにより炉壁が構成される。また、第一の炉壁
体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10はパネル状
に限らず、図10に示すように、第一の炉壁体1及び第
三の炉壁体10を基部3に突起部4を数個(例えば二個
など)備えたブロック状に形成し、第二の炉壁体2を第
一の炉壁体1及び第三の炉壁体10に対応したブロック
状に形成して、このブロック状を複数接続して炉壁を構
成してもよい。このように、パネル状あるいはブロック
状の構成によれば、上述した効果を備えた炉壁によっ
て、様々な大きさおよび形状の炉を容易に得ることが可
能となる。なお、第一の炉壁体1、第二の炉壁体2及び
第三の炉壁体10をブロック状に構成した場合、図10
に示す如く、第一の炉壁体1(第三の炉壁体10)の継
ぎ目に対し、第二の炉壁体2をずらして組み合わせるこ
とにより、炉壁の強度を増すことができる。
【0044】また、上述した実施の形態において、第一
の炉壁体1、第二の炉壁体2及び第三の炉壁体10を用
いて多層の炉壁を構成できることから、異なる耐火材料
の炉壁体を組み合わせて構成することが可能となる。こ
の場合、耐火材料の性質(膨張収縮率・耐火性能など)
に応じて、炉壁の内外での順序を規定する必要はない
が、使用目的に応じて、例えば、炉の最も内側に膨張収
縮率の小さい高価な耐火材料の炉壁体を用い、外側に安
価な耐火材料の炉壁体を採用すれば、優れた性能で、且
つ安価な炉壁を得ることができる。
【0045】また、上述した実施の形態では、第一の炉
壁体1の基部3、第二の炉壁体2および第三の炉壁体1
0の基部3を平板状として図示して説明しているが、こ
れらは平板状に限らず、湾曲あるいは折曲した板状をな
していてもよい。このように、湾曲あるいは折曲した構
成があれば、平板状の構成を含めた様々な組み合わせに
よって、如何なる形状の炉を得ることが可能となる。
【0046】また、上述した実施の形態では、第一の炉
壁体1あるいは第三の炉壁体10にある突起部4を基部
3に対して一体に形成していると説明しているが、突起
部4と基部3とを別体で形成し、基部3に対して突起部
4を耐火性の接着剤で取り付けてもよい。このように、
別体で形成された突起部4を基部3に対して耐火性の接
着剤で取り付した場合、基部3に熱が加えられて基部3
が熱膨張を起こした際、耐火性の接着剤を間において突
起部4が微動し、基部3におこる膨張変形を受け流すこ
とができる。また、基部3が収縮した時も、同様に収縮
変形を受け流すことができるため、さらに優れた強度を
得る。
【0047】また、上述した実施の形態における突起部
4に関し、図示あるいは説明した形状は、基部3の板面
から突出する突起をなしているが、図11に示すよう
に、基部3の板面に沿って断続的に突出する突条をなし
ていてもよく、この構成であっても上述と同様の効果が
得られる。この突条の構成は、上述のように基部3と一
体あるいは別体どちらの構成であってもよい。また、こ
の突条の断面形状は図5乃至図7で示した形状と同様、
あるいは山状の形状でもよく、さらには、図8のように
筒状の構成をなしてもよい。
【0048】さらに、上述した全ての実施の形態におい
て、空間5内に突起部4で挟持されるように薄葉状の輻
射熱反射部材(不図示)を設けてもよい、この輻射熱反
射部材は、熱伝導率が低く、且つ耐火性の金属材(例え
ばアルミニウム合金など)からなる。この輻射熱反射部
材を設ければ、熱の伝導をさらに低下させることが可能
となり、さらに、炉内が白熱化した場合の輻射熱を反射
し、益々の断熱効果を得ることとなる。なお、輻射熱反
射部材は、空間5内の熱を受ける側に配するように構成
することが断熱・保温効果を得る上で好ましい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明による炉壁の
構造は、耐火材料によって板状に形成され、その一方の
板面に複数の柱状の突起部を一体に有した第一の炉壁体
に対し、前記突起部の先端部に対面する如く耐火材料に
よって板状に形成された第二の炉壁体を積層し、第一の
炉壁体と第二の炉壁体との間に突起部を介した空間をな
すことにより、該空間を以て熱の伝導を低減させ、且
つ、板状部分に膨張収縮が生じても突起部の歪みによっ
て、この膨張収縮を受け流す。ゆえに、厚さの薄い炉壁
であっても、優れた断熱・保温性を有し、優れた強度を
および耐久性を維持することができる。
【0050】また、空間は、複数の柱状の突起部により
なり、各突起部の間隔を介して連通しているので、炉壁
の一部が高温となっても、連通する空間によって熱を均
一化させるので、炉内温度を均等にするとともに、伝導
する熱をも均等にすることができる。
【0051】また、連通する空間により、この空間内の
空気を排気流の圧力で引く抜くエゼクト作用を起こし、
炉内の温度を安定して上昇させることができる。
【0052】また、板状部分は、膨張収縮することが許
されるので、膨張収縮が起こりやすい安価な耐火材料を
使用することができるとともに、炉壁の内部に空間を設
けることで、炉壁の外見上の厚みに対する耐熱材料の使
用量を減らすことができるため、炉壁のコストを低減す
ることができる。
【0053】また、耐火材料によって板状に形成され、
その双方の板面に複数の柱状の突起部を一体に有した第
三の炉壁体を用い、この第二の炉壁体における突起部の
先端部に対面する如く第二の炉壁体をそれぞれ積層し、
第二の炉壁体と第三の炉壁体との間に突起部を介した空
間をなす構成であっても同様の効果を得ることができ
る。
【0054】また、前記第一の炉壁体、第二の炉壁体及
び第三の炉壁体の種々の積層組み合わせを行えば、各炉
壁体の間に突起部を介した空間を多層に有する如く形成
することができる。この場合、異なる性質(膨張収縮率
・耐火性能など)の耐火材料を各層に採用し、目的に応
じた炉壁をなすことができる。
【0055】また、前記各突起部は、その基端部の総面
積が、板面の全体面積の約20〜50%を占めるととも
に、その高さが、板状部分の厚さの略1.5倍以下とな
る如く形成されていることが好ましく、この構成とする
ことにより上記効果を適宜得ることが可能である。
【0056】また、前記突起部は、先端部が基端部より
も細径、あるいは尖る如く、その周面が傾斜あるいは湾
曲をなして形成されていることが好ましく、この構成に
より、突起部の強度を向上し、炉壁の強度を増すことが
できる。
【0057】さらに、前記突起部を、第一あるいは第三
の炉壁体の厚さを貫通しない筒状に形成すれば、さらな
る強度の向上を図ることができる。
【0058】また、前記突起部を、第一あるいは第三の
炉壁体の板状部分と別体に形成し、第一あるいは第三の
炉壁体の板面に対して耐火性の接着剤を以て取り付ける
ことにより、板状部分が膨張変形あるいは収縮変形を起
こしても耐火性の接着剤を間において突起部が微動し、
板状部分の変形を受け流すことができ、さらに優れた強
度を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による炉壁の構造を示す分解斜視図。
【図2】同炉壁の構造の断面図。
【図3】同炉壁を多層構造にした状態の断面図。
【図4】(a)(b)本発明の炉壁の構造と従来との比
較対照図。
【図5】(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図お
よび断面図。
【図6】(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図お
よび断面図。
【図7】(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図お
よび断面図。
【図8】(a)(b)突起部の別の形状を示す斜視図お
よび断面図。
【図9】本発明による炉壁の構造の変形例を示す断面
図。
【図10】本発明による炉壁の構造の使用形態の一例を
示す斜視図。
【図11】突起部の他の構造を示す斜視図。
【符号の説明】
1…第一の炉壁体、2…第二の炉壁体、3…基部、4…
突起部、4a…基端部、4b…先端部、4c…内部空
間、5…空間、10…第三の炉壁体。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐火材料によって板状に形成され、その
    一方の板面に複数の突起部を一体に有した第一の炉壁体
    と、 耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、 を備え、前記第一の炉壁体における前記突起部の先端部
    に対面する如く前記第二の炉壁体を積層し、前記第一の
    炉壁体と前記第二の炉壁体との間に前記突起部を介した
    空間をなすことを特徴とする炉壁の構造。
  2. 【請求項2】 耐火材料によって板状に形成され、その
    双方の板面に複数の突起部を一体に有した第三の炉壁体
    と、 耐火材料によって板状に形成された第二の炉壁体と、 を備え、前記第二の炉壁体における前記突起部の先端部
    に対面する如く前記第二の炉壁体をそれぞれ積層し、前
    記第二の炉壁体と前記第三の炉壁体との間に前記突起部
    を介した空間をなすことを特徴とする炉壁の構造。
  3. 【請求項3】 前記第一の炉壁体、第二の炉壁体及び第
    三の炉壁体の種々の積層組み合わせにより、前記各炉壁
    体の間に前記突起部を介した空間を多層に有する如く形
    成することを特徴とする請求項1あるいは請求項2に記
    載の炉壁の構造。
  4. 【請求項4】 前記各突起部は、前記第一あるいは第三
    の炉壁体の板面より突出する基端部の総面積が、前記板
    面の全体面積の約20〜70%を占めるとともに、その
    高さが、前記第一あるいは第三の炉壁体の厚さの略1.
    5倍以下となる如く形成されていることを特徴とする請
    求項1〜請求項3の何れかに記載の炉壁の構造。
  5. 【請求項5】 前記突起部は、柱状に形成され、その先
    端部が基端部よりも細径、あるいは尖る如く、その周面
    が傾斜あるいは湾曲して形成されていることを特徴とす
    る請求項1〜請求項4の何れかに記載の炉壁の構造。
  6. 【請求項6】 前記突起部は、前記第一あるいは第三の
    炉壁体の板面より隆起する如く山状に形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の炉
    壁の構造。
  7. 【請求項7】 前記突起部は、第一あるいは第三の炉壁
    体の厚さを貫通しない筒状に形成されていることを特徴
    とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の炉壁の構
    造。
  8. 【請求項8】 前記突起部は、前記板状部分と別体に形
    成され、第一の炉壁体あるいは第三の炉壁体の板面に対
    して耐火性の接着剤を以て取り付けられていることを特
    徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の炉壁の構
    造。
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