JP2970918B2 - 新規物質 - Google Patents

新規物質

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JP2970918B2
JP2970918B2 JP1500399A JP50039989A JP2970918B2 JP 2970918 B2 JP2970918 B2 JP 2970918B2 JP 1500399 A JP1500399 A JP 1500399A JP 50039989 A JP50039989 A JP 50039989A JP 2970918 B2 JP2970918 B2 JP 2970918B2
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Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、DNA分子、および微生物宿主の形質転換
に用いる組み換え体ベクターに関する。特にこの発明
は、ペニシリンの生合成に関与する酵素の生合成用遺伝
子、この遺伝子を有するベクター、そのベクターで形質
転換された宿主細胞およびそのような宿主細胞のペニシ
リン生産への用途に関する。
ペニシリン類と(セファマイシン類を含む)セファロ
スポリン類の生合成経路は密接に関連していることが確
認されている。イソペニシリンNは、上記両グループの
化合物の生合成時の中間体であり、‘シクラーゼ(cycl
ase)’酵素がトリペプチドのδ(L−α−アミノアジ
ピル)−L−システイニル−D−バリン(以後LLD−ACV
またはさらに簡略化してACVと呼ぶ場合がある)に作用
して形成される。中間体のイソペニシリンNは、ペニシ
リンGに変換することができるが、または‘エピメラー
ゼ’酵素の作用でペニシリンNに変換可能で、このペニ
シリンNから‘エクスパンダーゼ(expandase)’酵素
で最初、環拡大反応に付した後、多段の経路を経て種々
のセファロスポリン類とセファマイシン類を誘導するこ
とができる。これら技術分野の水準の最近の要約は、ジ
ェイ・エフ・マーチンとピー・リラス(J.F.Martin and
P.Liras)がTrends in Biotechnology,3巻,39−44頁,1
985年に報告している。
その構成成分であるアミノ酸から中間体のトリペプチ
ドのACVが生成する反応は、充分理解されておらず、ア
ドリントンら(Adlington et al)、Biochem.J.,213
巻、573〜576頁、1983年で報告され、エス・イー・ジエ
ンセン(S.E.Jenson)CRC Critical Reviews in Biotec
hnology,第3巻、第3部、277−310頁、1986年や、ヌー
シュら(Nuesch et al)、Ann.Rev.Microbiol.41巻、54
頁、1987年にまとめられているように、全経路の研究を
するのに最も困難な段階である。
現在よく知られているように、組み換えDNA法によっ
て、宿主細胞に、ベクターが保有するDNAを挿入するこ
とができ、その結果、このようにして形質転換された宿
主に、挿入DNAが保有する遺伝子がコードするあらゆる
タンパク質や酵素を合成する性能を付与することができ
る(組み換えDNA法の詳細な考察と、本願で用いる用語
の用語集については、アール、ダブリュ、オールドとエ
ス、ビー、プリムローズ(R.W.Old and S.B.Primrose)
著、‘Principles of Gene Manipulation'第3版、Blac
kwell Scientific Publications、1985年を参照のこ
と)。
シイ・アクレモニウム(C.acremonium)由来のイソペ
ニシリンN シンテターゼ(シクラーゼ)遺伝子の単離
とイー・コリ(E.coli)での発現は、エス・エム・サム
スンら(S.M.Samson et al)、Nature、318巻、191−19
4頁、1985年に報告されている。
さらに、ペニシリウム・クリソゲナム(Penicillium
chryogenum)のイソペニシリンN シンテターゼ(IPN
S)遺伝子は、カールら(Carr et al)(Gene,48巻、25
7−266頁、1986年)が単離し、配列を決定している。
β−ラクタム化合物の生合成に関与するエス・クラブ
リゲルス(S.Clavuligerus)ATCC 27064のある種の遺伝
子の単離と発現は、ヨーロッパ特許願公開第0233715号
に開示されている。
しかし、今まで、ACVの合成に関与する酸素の産生に
有用であると具体的に同定されたDNAは全くない。
この発明は、ACVシンテターゼをコードする遺伝子か
らなるDNAを提供するものである。
本願で用いる場合、‘ACVシンテターゼをコードする
遺伝子‘または‘ACVシンテターゼ遺伝子‘という用語
は、ACVをその前駆体から生合成するのに関与する酸素
をコードするDNAを記載するに用いる。
この発明のDNAは、以下に述べるように、ペニシリン
類および/またはセファロスポリン類を産生する当該技
術分野で公知の生物、例えばペニシリウム(Penicilliu
m)、アスペルギルス(Aspergillus)、フラボバクテリ
ウム(Flavobacterium)およびストレプトマイセス(St
reptomyces)属に属する種の菌類の全DNAもしくは染色
体DNAから単離することができる。この発明のDNAが大多
数の前記の染色体DNAから単離され、それが‘天然状
態’すなわち天然に存在する形態ではないことは勿論理
解されるであろう。一つの態様として、この発明のDNA
は、単離された実質的に純粋な形態かおよび/または特
にACVシンテターゼ遺伝子で構成されている。
ACVシンテターゼ遺伝子に加えて、この発明のDNAは、
さらに、ペニシリンおよびセフィロスポリンのβ−ラク
タム化合物の生合成に関与する遺伝子、特にイソペニシ
リンNシンテターゼ(IPNS)遺伝子および/またはアシ
ルトランスフェラーゼ(ACT)遺伝子を有している。ま
たこの発明のDNAは、ペニシリンおよびセファロスポリ
ンのβ−ラクタム化合物の生合成に関与する調節要素も
しくは調節遺伝子をもっていてもよく、または特別なも
しくは公知の機能をもたない隣接DNAをもっていてもよ
い。
特別な態様において、この発明のDNAは、適切な宿主
生物特に真菌類の宿主に発現される、ペニシリン産生全
生合成遺伝子クラスターで構成されている。前記遺伝子
クラスターは、大部分の隣接する染色体DNAから分離さ
れたのであり、その天然状態のものではないことは理解
されてあろう。
本願に用いられる“ペニシリン”という用語にはイソ
ペニシリンNが含まれ、またペニシリンVとペニシリン
Gのようなペニシリンも含まれ、これらのペニシリン
は、宿主生物が適切な側鎖前駆体、例えばフェノキシ酢
酸もしくはフェニル酢酸の存在下で培養すると形成され
る。
さらにこの発明は、この発明のDNAを保有し、宿主細
胞を形質転換できる組み換え体ベクターを提供するもの
である。上記のベクターとしては、高レベルの遺伝子転
写を発現できる高発現ベクターが好ましい。
この発明の他の態様では、この発明の組み換え体ベク
ターで形質転換された宿主細胞特に真菌類の宿主が提供
される。
さらにこの発明は、通常の形質転換条件下で宿主と組
み換え体ベクターとを混合することからなる。この発明
の組み換え体ベクターで宿主細胞を形質転換する方法を
提供するものである。
この発明を明確に定義するために、下記図面を参照す
る。
第1(a)図は、フラボバクテリウム種(Flavobacte
rium sp.)SC 12,154DNAの一部分の制限地図であり、AC
Vの生合成に関与する1つ以上の遺伝子からなる(TPS/V
Eという印をつけた)領域と、シクラーゼ、エピメラー
ゼおよびエクスパンダーゼの遺伝子からなる(CXIとい
う印を付けた)領域とを示す。
第1(b)図は第1(a)図のDNAのCXI領域の制限地
図である。
第2(a)図はエス・クラブリゲルス ATCC 27064 D
NAの一部分の制限地図であり、その制限断片を第2
(b)図(pBROC138と命名された組み換え体プラスミド
内にクローン化されたDNA)と第2(c)図(pBROC 137
と命名された組み換え体プラスミドにクローン化された
DNA)とに示す。
第3図は、pBROC141と命名された組み換え体プラスミ
ドの制限地図である。
第4図は、pBROC147と命名された組み換え体プラスミ
ドの制限地図である。
第5(a)図は、エス・クラブリゲルスATCC 27064内
にあってペニシリンとセファロスポリンの生合成に関与
する遺伝子を構成するDNAの制限地図である。
第5(b)図は、pBROC371と命名された組み換え体プ
ラスミドにクローン化されたDNAの断片の制限地図であ
る。
第5(c)図は、pBROC401と命名された組み換え体プ
ラスミドにクローン化されたDNAの断片の制限地図であ
る。
第5(d)図は、フラボバクテリウム種SC 12,154の
断片TPS/VEが雑種形成するエス・クラブリゲルスDNAの
領域を示す。
第6図は、ACVとサイクラーゼの遺伝子を保有する第
1(a)図に示すフラボバクテリウムDNAの領域[第6
(a)図]と、pCX3.2と命名されるコスミドクローン内
のピー・クリソゲナムDNAのの対応する領域[第6図
(b)参照]との交差雑種形成地図を示し、その交差雑
種形成領域(GX1、GX2およびGX3と印がつけてある)
と、pGXS10、pGXE1、pGXS11、pGX−C1、pCYX4、pGXBGお
よびpGXB20と命名されたピー・クリソゲナムDNAのプラ
スミド サブクローンの範囲を示す。
第7図は、エイ・ニデュランス(A.nidulans)DNAの
交差雑種形成地図を示し、第6(b)図に示すピー・ク
リソゲナムDNAの対応する領域と交差雑種形成する(GX
1、GX2およびGX3という印をつけた)領域を示す。
上記の図において、略語のBamH I,Sph Iなどは制限エ
ンドヌクレアーゼの通常の略語であり(オールドとプリ
ムローズの前記文献参照)またアガロースゲル電気泳動
法で行う大きさ決定実験によって測定された、DNAのキ
ロベース(Kb)による概略の長さが示されている。第1
〜7図が、例示されたDNAに存在する可能性があるすべ
ての制限部位を示そうとするものではないことは理解さ
れるであろう。第6図の点線は、下記のようにプローブ
されたときに、とぎれていない線で示した断片よりも弱
く雑種形成する制限断片を示す。
好ましい態様において、この発明のDNAは、ペニシリ
ウム(Penicillium)、アスペルギルス(Aspergillu
s)、フラボバクテリウム(Flavobacterium)、もしく
はストレペトマイセス(Streptomyces)属の種から得ら
れ、より好ましくは、ペニシリウム、アスペルギルスも
しくはフラボバクテリウムから得られる。この発明のDN
Aは、ピー・クリソゲナムから有利に得られる。
この発明の特定の態様において、完全なACVシンテタ
ーゼ遺伝子からなるピー・クリソゲナムDNA(I)もし
くはこのDNA由来の制限断片を提供するものであり、こ
のDNA(I)は第6(b)図に示す制限部位の配列をも
っている。
DNA(I)は、下記の方法によってピー・クリソゲナ
ムから得ることができる。
DNA(I)の特定の副断片(subfragment)は、GX1、G
X2およびGX3という印をつけた領域にあるEcoR I〜EcoR
I断片である。
この発明のさらに特定の態様として、完全なACVシン
テターゼ遺伝子からなるフラボバクテリウム種SC12,154
DNAもしくはそのDNA由来の制限断片を提供するものであ
り、このDNAは第1(a)図に示す制限部位の配列をも
っている。
特定の態様として、上記のフラボバクテリウムDNAは
第6(a)図に示すような構造(II)を有する。
(II)の特定の副断片は、GX1、GX2およびGX3という
印をつけた領域にあるBamH I−BamH I断片である。
この発明は、さらに特定の実施態様として、ACVシン
テターゼ遺伝子からなるエス・クラブリゲルスDNA(II
I)もしくはそのDNA由来の制限断片を提供するものであ
り、上記DNA(III)は第5(d)図に示す制限部位の配
列をもっている。
この発明は、さらに特定の実施態として、完全なACV
シンテターゼ遺伝子からなるエイ・ニデュランスDNA(I
V)もしくはそのDNA由来の制限断片を提供するものであ
り、このDNA(IV)は第7図に示す制限部位の配列をも
っている。
この発明の、DNA(I)、(II)、(III)もしくは
(IV)の制限断片はDNAセグメント(I)〜(IV)か
ら、適切な制限酵素を用いて、公知の方法で切断するこ
とによって得ることができる。
特定の態様として、この発明は、宿主細胞を形質転換
することができて、完全なACVシンテターゼ遺伝子を保
有する、挿入DNA(I)、(II)、(III)もしくは(I
V)またはそれらDNA由来の制限断片をもった組み換え体
ベクターを提供するものである。
例えば第5(d)図、第1(a)図、第6(a)図、
第6(b)図もしくは第7図に特徴づけられているこの
発明のDNAまたはこれらのDNA由来の適切な制限断片は、
いずれの適切なベクターにも連結することができる。AC
Vシンテターゼを産生するために、このベクターは、ACV
遺伝子を発現することが可能な宿主細胞を、形質転換も
しくはトランスフェクトすることができなければならな
い。
通常前記ベクターはプラスミドであり、例えばストレ
プトマイシート(Streptomycete)または溶原性ファー
ジもしくは溶菌ファージ由来のプラスミドである。
適切なベクターの例はpIJ 702(分子量:8.9メガダル
トン)であり、これは、カッツ・イーら(Katz,E.et a
l)、J.Gen.Microbiol.129巻、2703−2714頁、1983年に
記載された高コピー数のプラスミドであり、英国、ノー
リッチのJohn Innes Instituteから入手できる。
適切な溶原性ファージの例はφC31として知られてい
るもので、これはロモフスカヤ・エヌ・デイ(Lomovska
ya,N.D.)、チャター・ケイ・エフ(Chater,K.F.)、マ
クルツミアン・エヌ・エム(Mkrtumian,N.M.)、Bacter
iol.Rev.,44巻、206〜229頁、1980年に記載されてい
る。
ACVシンテターゼ遺伝子を子嚢類(ascomycete)もし
くは不完全菌類(deuteromycete)の宿主に発現させる
ためには、フイラメント状真菌類のベクターを使用する
ことが有利である。適切なベクターには、amdS遺伝子を
保有するp3SR2[ベリーとターナー(Beri and Turne
r)、Current Genetics,11巻、639−641頁、1987年]
と、pyr−4マーカーを有するpCAP2とが含まれる。
この発明の組み換え体ベクターは、標準の方法によっ
て作製することができる。例えば、第1(a)図、第5
(d)図、第6(a)図、第6(b)図もしくは第7図
に特徴づけられる挿入DNA、またはそれらDNA由来の適切
な制限断片を、通常の方法、例えば付着末端の直接結合
法、ホモポリマーのテーリング法またはリンカー分子も
しくはアダプター分子によって、選択したベクターに結
合させることによって製造することができる。
上記の方法で製造した組み換え体ベクターは、2つの
可能性のある方向の1つに挿入DNAを保有していること
は明らかである。各方向に挿入DNAを有する組み換え体
ベクターはいずれもこの発明の範囲に含まれる。
さらにこの発明は、ペニシリンもしくはセファロスポ
リン産生微生物からこの発明のDNAを得る方法を提供す
るものである。その方法は、下記の工程: (a)ペニシリンもしくはセファロスポリン産生微生物
から得た染色体DNA断片から遺伝子ライブラリイを構築
し、 (b)1回以上の雑種形成実験を実施して、前記ライブ
ラリイから、この発明のDNAを含有するクローンを選択
し、および (c)この発明のDNAを単離する、 で構成されている。
上記方法において、適切な微生物は、中間体のトリペ
プチドACVを経てペニシリン類および/またはセファロ
スポリン類を産生するいずれの微生物でもよい。かよう
な生物には、例えば、ピー・クリソゲナム、エイ・ニデ
ュランス、シー・アクレモニウム、ストレプトマイセス
種の例えばエス・グラブリゲルス、およびフラボバクテ
リウム種例えばフラボバクテリウム種SC12,154が含まれ
る。
上記遺伝子ライブラリイは、通常の“ショット・ガ
ン”法、すなわち(a)ペニシリンもしくはセファロス
ポリン産生微生物の染色体DNAを、1つ以上の適切な制
限エンドヌクレアーゼ例えばSau3AIで部分的に消化し、 (b)サイズ分画を行って適切な長さの断片を得て、 (c)得られた断片をベクターに結合して組み換え体ベ
クターを得て、ついで (d)適切な宿主を上記組み換え体ベクターで形質転換
またはトランスフェクトする、 方法で製造することができる。
上記のように、形質転換またはトランスフェクション
は、当該技術分野で公知の通常の方法で実施できる。
サイズ分画は、ショ糖の勾配を用いて行うのが適切
で、選択されたサイズ限界内の断片が選択される。
好ましい態様において、“コスミドライブラリイ”
は、長さが約30〜50kb例えば35〜40kbの断片を選択し、
前記断片をコスミドベクター例えばベクターpCAP2[ブ
リストル大学のジイ・ターナー(G.Turner)より入手可
能]に前記断片を結合することによって製造することが
できる。
ACVシンテターゼ遺伝子を含有する遺伝子リイブラリ
イ中のクローンを同定するためには、その遺伝子と雑種
形成しうる標識をつけたプローブを用いる必要がある。
通常、該プローブは、例えば32Pで放射能標識がなさ
れている。放射能標識は、標準の方法、例えば5′末端
もしくは3′末端標識法またはニックトランスレーショ
ン法で行うことができる。
この発明のDNAを得る方法は、セファロスポリン類を
産生する第1微生物由来のDNA断片の遺伝子ライブラリ
イから単離した生合成遺伝子ラスターと、ペニシリン類
は産生するがセファロスポリン類は産生しない第2微生
物由来の全DNAとの交差雑種形成実験を実施する方法で
ある。上記2つの生物内の生合成経路は、イソペニシリ
ンNの形成後分岐するので、雑種形成すると予想される
生合成遺伝子は、ACVシンテターゼとイソペニシリンN
シンテターゼをコードする生合成遺伝子だけである。そ
の2つの遺伝子は、別の実験を行うことによって識別で
きるが、最も好都合な方法は、ピー・クリソゲナムのIP
NS遺伝子もしくはその断片のようなイソペニシリンNシ
ンテターゼ遺伝子に対して特異的なプローブと雑種形成
させる方法である(カールら、Gene,48巻、257−266頁,
1986年)。次いで第1微生物由来のACV遺伝子を標準の
方法で単離し、その遺伝子もしくはその遺伝子の断片か
らなるDNAを、第2のもしくはいずれかの他の適切なβ
−ラクタム化合物産生微生物の遺伝子ライブラリイから
ACV遺伝子を単離するためのプローブとして使用でき
る。変異体を後から酵素検定法もしくは相補的検定法に
付して、第1もしくは第2の生物のACV DNAからタンパ
ク質を発現させる実験を、DNAを同定するために、以下
に述べるように、実施しなければならない。
好ましい態様において、第1微生物はフラボバクテリ
ウム種SC12,154で第2微生物はピー・クリソゲナムであ
る。
当該技術分野の熟練者が上記のような交差雑種形成実
験を繰り返さなくてもよいように、この発明のDNAはブ
ダペスト条約の条件下にあるカルチャー・コレクション
に寄託されている。そのDNAはコスミドpCAP2中に、ピー
・クリソゲナムCMI 314652 DNAの約38kbの挿入物を保有
し、pCX3.2と命名されている。その挿入物は第6(b)
図に示す全遺伝子クラスターからなり、すなわちACVシ
ンテターゼ遺伝子のみならず、ピー・クラソゲナムのイ
ソペニシリンN(IPNS)遺伝子とアシルトランスフェラ
ーゼ(ACT)遺伝子を保有している。pCX3.2はイー・コ
リ(E.Coli)DH1に導入され、得られた形質転換宿主は1
987年11月23日に受託番号NCIB 12591号でNational Coll
ection of Industrial Bacteriaに寄託された。菌株NCI
B 12591とpCX3.2は、この発明の別の態様を構成する。
pCX3.2は上記の寄託された微生物から容易に得ること
ができ、所望により、上記のIPNS遺伝子とACT遺伝子を
もっていない副断片を作製することができる。
ACTシンテターゼ遺伝子の副断片も遺伝子プローブと
して価値のあるものであることは明らかである。このよ
うな副断片はこの発明の範囲に含まれる。
必要に応じてこの発明のDNAが単離されたという証拠
は、ACVを合成する性能を欠いている、ある種のペニシ
リンもしくはセファロスポリンを産生する“阻止された
変異体(blocked mutant)”を修復するのに、そのDNA
を用いることによって得ることができる。この目的のた
めに有用な変異体には、エイ・エデュランス菌株、特に
突然変異部分(mutation)npeA 0022[メイキングスら
(Makings et al)、J.Gen.Microbiol.,122巻、339頁、
1981頁]を含有するNPA5と命名された同菌株が含まれ
る。
この発明のフラボバクテリウムDNAを得るには、まず
フラボバクテリウム種SC12,154を入手することが必要で
ある。この微生物は、スクイブ社(Squibb)がそのカル
チャーコレクションから我々に親切に提供してくれたも
ので、グラム陰性の桿菌であり、その性質は、ピー・デ
イ・シンら(P.D.Singh et al)Journal of Antibiotic
s,XXXV巻、10号 1397〜1399頁、1982年に始めて報告さ
れた。この微生物の適切な醗酵条件もその報告に報告さ
れた。
フラボバクテリウム種SC12,154の再単離品を、英国、
スコットランド、アバディーンにあるNational Collect
ions of Industrial and Marine Bacteriaに寄託した。
その寄託(NCIB 12339号;寄託日1986年10月15日)は、
特許手続上の微生物の寄託の国際承認に関するブダペス
ト条約の条件下でなされている。
フラボバクテリウム種SC12,154の染色体DNA断片の
‘遺伝子ライブラリイ’は上記の方法で作製することが
できる。
フラボバクテリウム種SC12,154のコスミドライブラリ
イは、約30〜50kbのフラグメントを選択し、これらのフ
ラグメントをコスミドベクター例えばpMMB33に結合し、
次いでフレイら(Frey et al)Gene,24巻,299〜308頁,1
983年の方法によって有利に作製することができる。
あるいは、長さが一般に3〜15kb好ましくは4〜7kb
のフラボバクテリウム種SC12,154の染色体DNAの小片の
ライブラリイを、前記断片をプラスミドベクター例えば
pAT153に結合して作製してもよい。
この発明のフラボバクテリウムDNAを含有するクロー
ンを選択する前に、ペニシリン類やセファロスポリン類
の生合成に関与する多数の遺伝子を、フラボバクテリウ
ム種SC12,154以外の微生物が産生する、β−ラクタム化
合物の生合成に関与する酵素をコードするDNA片で、前
記遺伝子ライブラリイをプローブすることによってクロ
ーン化するのが有利である。適切なプローブには、シク
ラーゼ、エピメラーゼまたはエクスパンダーゼ酵素をコ
ードする遺伝子、または合成オリゴヌクレオチド類を保
有るす前記遺伝子の断片が含まれる。上記のプローブが
得られる適切な微生物にはストレプトマイセス属に属す
る種の微生物(Streptomyces species)があるが、特に
エス・クラブリゲルスATCC 27064が挙げられる。ピー・
クリソゲナムのIPNS遺伝子またはその副断片もプローブ
として用いるのに有利である。
付加されたDNAが‘バックグラウンド’雑種形成を起
こさないならば、プローブ中に存在していてもよい。例
えばそのプローブは、組換え体ベクターの一部を形成し
てもよい。正のクローンが選択されるライブラリイを作
製するのに用いたベクターと明確に相同でないならば、
いずれの好都合なベクターを使用してもよい。
プローブDNAとしては、第2(a)図に示す制限部位
の配列をもっているものが適切であり、またはエス・ク
ラブリゲルスATCC 27064のエクスパンダーゼ酵素または
エピメラーゼ酵素をコードする全遺伝子もしくはその一
部からなる前記制限部位の配列の断片が好ましい。
上記の好ましい断片には、第2(b)図と第2(c)
図に示す制限部位の配列を有するDNAとその適切な副断
片とが含まれる。
プローブとして用いられる特定の副断片は、第2
(c)図に示すDNAの3kb長のBamH Iフラグメントであ
る。そのフラグメントをpIJ702にクローン化するとpBRO
C141と命名された組換え体プロスミドが得られる(第3
図参照)。
プローブとして有用なその外の副断片は、pBROC141か
ら得られるKpnI−Pst I(2.1kb)DNA断片である。
第2図に示すエス・クラブリゲルスの染色体DNAは、
欧州特許出願公開第0233715号に記載されているように
して得ることができる。
この発明のDNAを保有するフラボバクテリウム遺伝子
のライブラリイからそれらのクローンを選択するため
に、標識を付けたプローブを通常の雑種形成実験に用い
て、正のコロニーを例えばオートラジオグラフィーで同
定することができる。組換え体ベクターは、通常の方法
によって、正の各コロニーから単離することができる。
組換え体ベクターを適切な制限酵素で消化する際に、各
ベクターに含まれているフラボバクテリウム種SC12.154
DNAは、この発明のDNAを含有しているということをチェ
ックするため、通常の方法で各種の制限酵素で切断する
ことによって同定され、大きさが測定され、地図が作成
される。このようにして単離された2つ以上の‘オーバ
ーラップしている’挿入物(すなわち共通DNAを有する
挿入物)は、この発明のDNA内に全部もしくは一部が包
含され、個々には小さすぎて完全な遺伝子を包含できな
いが、共通の制限部位で切断し、次いで通常の方法で
(例えばDNAリガーゼを用いて)結合することによって
融合させることができる。
プローブとして便利なものとしてはフラボバクテリウ
ム種SC12,154の染色体DNAの一片であってもよく、これ
はそのプローブの領域を越えて延びるこの発明の、フラ
ボバクテリウム種SC12,154染色体DNAを同定するのに用
いることができることは、勿論理解されるであろう。こ
の技術は、当該技術分野の熟練者には公知のものであ
り、時には染色体歩行法と呼ばれる。このように、一つ
の好ましい態様において、フラボバクテリウム種SC12,1
54DNAの比較的短い断片は、プラスミドベクター、例え
ばpAT153に包含されているフラボバクテリウム種SC12,1
54の染色体DNA断片のライブラリイを、エス・クラブリ
ゲルスの染色体DNAの適切な1片、例えば、第2(c)
図に示すDNAもしくはその副断片でプローブすることに
よって単離することができる。このようにして単離され
たフラボバクテリウム種SC12,154のDNA断片、例えばpBR
OC143にクローン化されたDNA[第1(b)図]は、この
発明のDNAもしくはその適切な断片を含むDNAの長い断片
をコスミドライブラリイから単離するためのプローブと
して使用することができる。
単離されたDNAがACV遺伝子を包含しているということ
の証明は、同じ酵素をコードする他の微生物、例えば上
記のようなピー・クリソゲナムとエス・クラブリゲルス
由来のDNAと直接交差雑種形成させる試験を行うことに
よって得られる。
このような雑種形成試験に用いるDNAとしては、ピー
・クリソゲナムNRRL 1951から得られる全染色体DNAが適
切である。
上記DNAは、フラボバクテリウムDNAの2つの領域[第
6(a)図にGX1−GX3およびIPNSという印がつけられて
いる]を同定するのに用いられるが、上記の領域は雑種
を形成して、そのDNAがペニシリンとセファロスポリン
の生合成の初期の段階で関与する遺伝子を包含している
ということを示す。これら領域の一つのフラボバクテリ
ウムイソペニシリンNシンテターゼ(IPNS)遺伝子とし
ての同定は、ピー・クリソゲナム由来のIPNS遺伝子また
はその断片でプローブすることによって行われ、したが
って交差雑種形成する残りの領域は、ACVの生合成に関
与する遺伝子に相当する。
ACVの生合成遺伝子もしくはその断片(例えばGX1と命
名されているもの)に相当するフラボバクテリウムDNA
の領域は、プローブとして使用して、ACV遺伝子を含有
するクローンをピー・クリソゲナム遺伝子ライブラリイ
から単離することができる[第6(b)図参照]。
ACVシンテターゼ酵素の産生は、この発明のDNAを適正
なベクターに挿入し、このようにして形成された組換え
体DNAで、適切な宿主、例えばイー・コリ、エス・リビ
ダンス66(S.lividans66)(DSM 1567)またはピー・ク
リソゲナムを形質転換することによって実施することが
できる。
上記のように、ピー・クリソゲナム内でACVシテター
ゼ遺伝子を発現するためにフイラメント状真菌ベクター
が通常用いられる。
ACVシンテターゼ酵素で、上記の組換えDNA技術によっ
て製造されるものは、この発明の他の態様に含まれる。
この酵素は、高純度の形態のものが好ましい。
その酵素は、通常の方法で単離し精製するこができ
る。
この発明のDNAとそのDNAを含むベクターは、産業活動
の多くの分野に用途を見つけることができる。また、こ
のことは前記ベクターで形質転換された宿主微生物にも
当てはまる。ACVシンテターゼ酵素にも産業用途があ
る。前記DNAを含有する組換え体ベクターは、適切な宿
主に形質転換されると、ペニシリンGやVのような価値
のある抗生物質の合成量が増大した遺伝子的に修飾され
た微生物を産生するか、または遺伝子転移法よって新規
なまたはハイブリッドの抗生物質を生成する価値あるベ
クターである[例えば、デイ・エイ・ホップウッドら
(D.A.Hopwood et al)、Nature,314巻、642〜644頁、1
985年参照]。
したがってこの発明には、ACVシンテターゼ遺伝子を
適切な宿主に導入し、その遺伝子にペニシリン生合成に
関与する他の生合成遺伝子または他のすべての生合成遺
伝子を任意に連結させることができるという重要な利点
がある。このように、ACV遺伝子をすでにもっている宿
主内で、ACV遺伝子のコピー数また発現レベルを増大さ
せるか、または宿主をACV合成の段階で阻止している変
異を修復することができる。
それ故、1つの態様として、この発明は、天然でペニ
シリンを産生する宿主細胞からまたはACV合成の段階で
阻止されている前記宿主の非産生突然変異体からペニシ
リンを産生する方法であって、 (a)前記宿主または、前記宿主の前記非産生突然変異
体を、この発明のDNAを包含するベクターで形質転換
し、ついで (b)その結果形成された形質転換体を、適切な条件下
で培養して、ペニシリンを産生させる、 段階からなる方法を提供するものである。
上記の方法に用いる宿主として好ましいのは真菌類の
宿主であり、特にピー・クリソゲナムである。
その上この発明のDNAは、上記のようなペニシリンを
産生する完全な生合成遺伝子クラスターで構成されてい
る場合、このクラスター化遺伝子を用いて天然ではペニ
シリンを産生しない適切な真菌類の宿主からペニシリン
を得ることができる。
したがって、他の態様として、この発明は、天然では
ペニシリンを産生しない真菌類の宿主にペニシリンを産
生する方法であって、下記段階: (a)ペニシリンを産生する完全な生合成遺伝子のクラ
スターを保有するDNAを単離し、 (b)得られたDNAを適切なベクターに挿入して組換え
体ベクターを形成し、 (c)前記宿主を該組換え体ベクターで形質転換し、つ
いで (d)得られた形質転換宿主を適切な条件下で培養して
ペニシリンを産生させる、 段階からなる方法を提供するものである。
この明細書で用いられる“真菌類の宿主”という用語
には子嚢菌類[サッカロミセス科類(Sacckaromycetace
ae)または酵母科菌のような半子嚢菌類を含む]、担子
菌類(Basidiomycetes)、接合菌類(Zygomycetes)お
よび不完全菌類が含まれる。
特に適切な真菌類の宿主は、フィラメント状の子嚢菌
類と不完全菌類であり、例えばペニシリウム属の特にピ
ー・クリソゲナム、セファロスポリウム属(Cephlospor
ium)の特にシー・アクレモニウム(C・acremoniu
m)、アスペルギルス属とニューロスポーラ属(Neurosp
ora)の種の真菌類である。
天然ではペニシリンを産生しない真菌類の宿主として
好ましいものにはアスペルギルス・ニガー(Aspergillu
s niger)とニューロスポーラ・クラッサ(Neurospora
crassa)がある。
適切な真菌類の宿主は、ACVの生合成に必要なすべて
のアミノ酸類を入手できることは明らかである。
上記の方法のいずれでも用いられる組換え体ベクター
として好ましいのはpCX3.2である。
上記の方法で産生することができる好ましいペニシリ
ンには、ペニシリンGとペニシリンVが含まれる。
この発明によれば、クラスター内の遺伝子が適切な宿
主に発現される場合の、セファロスポリンの製造法に用
いることができる(ACVシンテターゼ、IPNS,エピメラー
ゼおよびエクスパンダーゼからなる)遺伝子クラスター
を組立てることができることは、前記説明から明らかで
ある。このような遺伝子クラスターは、その遺伝子クラ
スターを保有する組換え体ベクターと、その遺伝子クラ
スターが形質転換された宿主と同様にこの発明の他の態
様を構成する。好ましい宿主にはフラボバクテリウム属
とストレプトマイセス属に属する種の微生物である。
フラボバクテリウム属の、例えばフラボバクテリウム
種SC12,154のIPNS、エキスパンダーゼおよびエピメラー
ゼの遺伝子は、(個々のもしくはクラスター化した)そ
の遺伝子を有する組換え体ベクターと、その組換え体ベ
クターが形質転換された宿主と同様にこの発明の他の態
様を構成する。
さらに別の態様としては、この発明のDNAもしくはそ
の断片(必ずしも完全な遺伝子を保有していない)は、
組換えDNA法もしくは天然の組換え過程で、β−ラクタ
ム化合物生合成に関与する遺伝子の断片を用いて結合さ
れ、雑種酵素の合成を指令できる雑種遺伝子を産生する
ことができる。このような酵素は、上記の過程と類似の
過程で新規な抗生物質の産生に利用できる。
また、この発明のDNAは、公知技術である部位特異的
突然変異誘発法[例えば、シー・ウィンターら(G.Wint
er et al)、Nature,299巻、756〜758頁、1982年、また
はゾラーとスミス(Zoller and Smith)、Nucleic Acid
s Research,10巻、6487〜6500頁1982年に記載されてい
るのと類似の方法]で修飾して、特異的な突然変異およ
び/または欠失を起こさせたDNAを提供することがてぎ
る。上記の突然変異をさせたDNAを利用して、公知のβ
−ラクタム抗生物質をすでに産生している適切な宿主微
生物から、該抗生物質を、増大した収量(もしくは力
価)で得ることができる。また上記の突然変異をさせた
DNAは、遺伝子転移によって新規抗生物質もしくはハイ
ブリッド抗生物質を得るのに利用したり、または上記方
法に類似した方法で新規な構成物質を産生するのに利用
できる突然変異酵素[ミューティン(Mutein)]を生産
するのに利用することができる。
このように突然変異させたDNAはこの発明の範囲に含
まれることは明らかであろう。
この発明を以下の実施例によって説明する。
製造例1 フラボバクテリウム種SC12,154由来で、エス
・クラブリゲルスエクスパンダーゼに相同のDNAのクロ
ーン化 (a)pBROC 137由来のエス・クラブリゲルスエクスパ
ンダーゼ遺伝子のpIJ 702へのサブクローン化。
3μgのpBROC 137DNA(欧州特許願公開第0233715号
と第2(c)図参照)を、BamH I,PstlおよびPvu IIの
制限酵素で消化し、得られた断片を、Bg1 IIで消化され
たpIJ702と、15℃で6時間かけて結合した。100ナノグ
ラムのDNAに相当する上記結合混合物の一部をエス・リ
ビダンス66(S.lividans66)に形質転換した。
形質転換体を、エキスパンダーゼ酵素活性を発現する
性能について(欧州特許願公開第0233715号の製造例7
に記載したのと同様して)選別した。pIJ702にクローン
化された第2(c)図に示す3キロベースのBamH I DNA
断片は、特にpBROC141に示す方向にクローン化させると
(第3図参照)、エス・リビダンス66にエキスパンダー
ゼ活性を与えることができることが見出された。
(b)雑種形成試験 pBROC141の、32Pで標識したKpnI/PstI(2.1キロベー
ス)DNA断片を、BamH Iで消化された、セファロスポリ
ン産生フラボバクテリウム種SC12,154由来の全細胞DNA
に対するサザーン雑種形成試験に用いた[シン・ピー・
デイら(Singh,P.D.)J.Antibiotics,35(10)巻、1397
〜1399頁、1982年参照]。雑種を形成しなかった32P標
識DNAを、70℃の2×SSC、0.1%SDSで洗浄して除去した
時、エス・クラブリゲルスDNAが、フラボバクテリウム
種SC12,154の全細胞DNAの大きさが約6キロベースの断
片と雑種形成することが見出された。
フラボバクテリウムDNAの上記断片をクローン化する
ために、100μgの全細胞DNAをBamH Iで完全に消化し、
ショ糖勾配法を用いて大きさで分画して5〜7キロベー
スの断片を得、次いでイー・コリDH1内のPAT153のBamH
I部位にクローン化した[ツイグ・エイ・ジェイとシェ
ラット・デイ(Twigg,A.j.and Sherratt,D.,Nature,283
巻、216頁、1980年]。このようにして得たフラボバク
テリウム種SC12,154DNAのpAT153クローンを保有する400
個のイー・コリDH1コロニーを、上記の雑種形成緊縮性
(hybridization stringency)を用いて、コロニーと、
pBROC141DNAの32Pで標識した断片との雑種形成によって
選択した。
2つの雑種形成するコロニーが得られたが、これら
は、pAT153にクローン化された、第1(b)図に示すフ
ラボバクテリウムDNAの6.3キロベースの断片を保有して
いた。このプラスミドはpBRC143と命名された。
製造例2 S.リビダンス66内の、pBROC143のフラボバク
テリウムDNAによる酵素活性の発現 イー・コリDH1由来のpBROC143の10μgをBamH I制限
酵素で消化し、Bg1 IIで消化したpIJ702DNAの2μgと
結合し、次いでエス・リビダンス66形質転換した。この
ようにしてpBROC147とpBROC148(第4図参照)、すなわ
ち可能な両方向にフラボバクテリウム種SC12,154DNAを
保有するpIJ702が構築された。
エス・リビダンス66:pBROC147、エス・リビダンス66:
pBROC148およびエス・リビダンス66:pIJ702を用い、欧
州特許願公開第0233715号製造例7に記載の方法によっ
て、細胞と粒子とを含有しない可溶性酵素の製剤を製造
した。
(a)バイオアッセイによるエキスパンダーゼ酵素活性
の証明 エス・リビダンス66:pBROC147とエス・リビダンス66:
pBROC148は、環拡張検定システム[ジェンセン・エス・
イーら(Jensen,S.E.et al)Antimicrob.Aq.Chemother.
(24)3巻、307〜312頁、1983年に記載されている]に
用いて、デアセトキシセファロスポリンCシンテターゼ
の存在を決定した。
イー・コリESS/ペニシリナーゼ[ディフコ(DIFCO)
ペニシリナーゼ濃縮物104u/ml]による上記著者らが発
表したバイオアッセイシステムを利用することによっ
て、エス・リビダンス66:pIJ702とエス・リビダンス66:
pBROC148の抽出物は、ペニシリンNをペニシリナーゼ耐
性抗生物質に変換することができないが、エス・リビダ
ンス66:pBROC147の抽出物は、上記の変換をかなり実施
できることが分かった。
(b)高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)分析法による
エキスパンダーゼ酵素活性の証明 エス・リビダンス66:pIJ702、エス・リビダンス66:pB
ROC147、およびエス・リビダンス66:pBROC148由来の酵
素製剤を、最終体積1.2mlで、環拡張検定システム(ジ
ェンセン・エス・イーらの前記文献参照)に用いた。
2時間培養後、30μの氷酢酸を撹拌しながら添加し
次いで遠心分離(10,000G,5分間)して、タンパク質が
除去された上澄み液を得た。この液体を、QAE−セファ
デックスのカラム(体積1ml)に吸収させた。カラムの
樹脂を200μの水と200μの0.2M NaClで洗浄した。
さらに250μの0.2M Naclで該樹脂からセファロスポリ
ン類を溶出させた。
これらの精製反応生成物の試料(2μ)を、C18
相マイクロボンダパック・カラム(Microbondapak colu
mm)(移動相0.1M NaH2PO4,pH3.2)を用いるHPLCで分析
した。溶出は2ml/分で260nmにおける紫外線検出法によ
って行った。試料を、セファロスポリナーゼによる処理
の前後に分析した。
上記の方法によって以下のことが分かった。すなわち
エス・リビダンス66:pIJ702とエス・リビダンス66:pBRO
C148の抽出物は、ペニシリンNをデアセトキシセファロ
スポリンCに変換することができなかったが、エス・リ
ビダンス66:pBROC147の抽出物は、ペニシリンNを変換
して標品のデアセトキシセファロスポリンCと同じ保持
時間(9.6分)を有するHPLCピークを与えた。
(c)イソペニシリンNエピメラーゼ活性のバアオアッ
セイとHPLCによる証明 ジェンセン・エス・イーらが開発したイソペニシリン
Nエピメラーゼアッセイ[Can.J Microbiol 29(11)
巻、1526〜1531頁、1983年]を用いてエス・リビダンス
66:pBROC147と特にエス・リビダンス66:pBROC148の、細
胞や粒子を含有しない酵素抽出物がイソペニシリンNそ
のものよりもイー・コリESSに対して少なくとも10倍以
上の活性を有する化学形態に変換することができること
を証明することができた。エス・リビダンス66:pIJ702
由来の同様の抽出物ではこのような活性を証明できなか
った。
イー・コリESS/ディフコペニシリナーゼ[製造例2
(a)に記載]の反応生成物をバイオアッセイに付した
結果、エス・リビダンス66:pBROC147由来の抽出物が、
イソペニシリンNをペニシリナーゼ耐性抗生物質[製造
例2(b)に示す精製法とHPLCによってデアセトキシセ
ファロスポリンCであることが分かった]に変換するこ
とができるが、一方エス・リビダンス66:pIJ702とエス
・リビダンス66:pBROC148由来の抽出物は、上記の変換
をすることができないことが分かった。
製造例3 クローン化されたpBROC143のフラボバクテリ
ウムDNA中のイソペニシリンNシンテターゼの位置決定 pBROC143のフラボバクテリウム種SC12,154DNAがイソ
ペニシリンNシンテターゼ遺伝子を保有しているという
ことを確認するために、サザーン雑種形成法を利用し、
ペニシリウムイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子で、
プラスミドDNAをプローブした。
ペニシリウムイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子DN
Aは、ディヴィッド・スミスとジョン・エイチ・ブル(D
avid Smith and John H.Bull(英国、ブリストル、ブリ
ストル大学、微生物学部)から入手した。彼等は、[サ
ムソンら(Samson et al)、Nature,318巻、191〜194
頁、1985年および欧州特許願公開第0200425号に記載さ
れたものと同様にして、上記のDNAを、セファロスポリ
ウム・アクレモニウム(Cephalosporium acremonium)
のイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子の205〜264位の
ヌクレオチドに相当するオリゴヌクレオチドプローブを
用いて、ピー・クリソゲナムCMI 314652の遺伝子バンク
から、雑種形成法で単離した。
(a)フラボバクテリウム種SC12,154の全細胞DNAの制
限酵素消化物の、ペニシリウムイソペニシリンNシンテ
ターゼ遺伝子によるプロービング。
32Pで標識したBamH I/XbaIで切断した一重鎖DNA断片
(大きさが約0.9kbで、ピー・クリソゲナムCMI 314652
のイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子の大部分に相当
する)25ng(108dpm/μg)を、BamH Iで消化された、
フラボバクテリウム種SC12,154由来の全細胞DNAの1μ
gによるサザーン雑種形成試験法に用いた。
ジーン・スクリーン・プラス(Gene Screen Plus)雑
種形成転移膜(NEN Research Products社が供給してい
る)に結合させたフラボバクテリウムDNAを用い、すべ
ての標識したプローブを利用して、予備雑種形成と雑種
形成とを1%SDS,1M塩化ナトリウム、10%硫酸デキスト
ランおよび変性サケ精液DNA(200μg/ml)含有混合液中
65℃で行った。
16時間培養後、上記の膜を、2.5の2×SSC、0.1%S
DSを用い、65℃で3時間洗って未結合のプローブを除去
した。次いで得られた膜を、増感紙を用い、−80℃で14
日間X線フィルムと接触させた。上記フィルムを現像し
た結果、大きさがほぼ6〜7kbの、フラボバクテリウムD
NAのBamH I断片に相当する放射能を示す単一の強いバン
ドが雑種形成膜上に存在することが分かった。このバン
ドはpBROC143が保有するBamH IフラボバクテリウムDNA
断片の大きさと非常によく類似している。
b)ペニシリウムイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子
による、pBROC143 DNAのプロービング いくつかの異なる組合わせの制限酵素で消化したpBRO
C143 DNAの試料を、製造例3a)の条件と同じ条件を用い
るサザーン雑種形成試験によって、32Pで標識したペニ
シリウムイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子DNAでプ
ローブした。
そのプローブは、pBROC143が保有するフラボバクテリ
ウム種SC12,154DNAの小さい方のBamH I/SacIDNA断片
(アガロースゲル電気泳動法で判定された大きさが約1.
3kb)とだけ強く結合した。このプローブはpBROC143中
の他の部分に結合しなかった。
この発見によって、ペニシリウム・クリソゲナムCMI
314652のイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子と高度に
相同のフラボバクテリウム種SC12,154DNAがpBROC143内
に存在することが確認された。
製造例4 フラボバクテリウム種SC12,154の染色体由来
で、pBROC143内に包含されている前記DNAの隣に存在す
るDNAの単離 a)フラボバクテリウム種SC12,154の全細胞DNAのpMMB3
3コスミドライブラリイの構築 グラム陰性のコスミドpMMB33を、英国、バーミンガ
ム、バーミンガム大学、遺伝学部のエフ・シー・エイチ
・フランクリン(F.C.H.Franklin)博士から入手した。
フラボバクテリウム種SC12,154の全細胞DNAのライブラ
リイを構築するのに用いる上記コスミドの使用法は、フ
ライら(Frey et al)(Gene,24巻、299〜308頁,1983
年)にシュードモナス(Pseudomonas)の全DNAのライブ
ラリイの構築について詳細に記載されている。
我々は、イー・コリDH1:pMMB33クローンのコロニー1
0,000個を得ることができた。またそのクローンの試料
は、前記コスミドベクターpMMB33にクローン化されたフ
ラボバクテリウムDNAの約35kbのSau 3AI断片を保有して
いることが分かった。
b)pBROC143に包含されているフラボバクテリウムDNA
による、フロボバクテリウム全細胞DNAのイー・コリDHI
pMMB33コスミドライブラリイのプロービング pBROC143の6.3kb BamH I断片25ngに、英国、アマーシ
ャムのAmersham International社が市販しているマルチ
プライムキット(Multiprime kit)を用いて、32P dctp
由来のリンで放射能の標識を付けた。フラボバクテリウ
ム種SC12,154のイー・コリDHIpMMBコスミドライブラリ
イを、米国、ボストン、アルバニイ・ストリート549のN
EN Research Products社が供給する82mmの雑種形成転移
膜ディスクにレプリカプレートした。転移させたコロニ
ーを溶解し、予備雑種形成し、メーカーのNEN社が推奨
する放射性プローブを用いて65℃で雑種形成させた。
一夜雑種形成させた後、得られた膜を、2×SSC,0.1
%SDSを用いて65℃で3時間洗浄し、最後に、0.1×SSC
を用いて室温で1時間洗浄した。
得られた膜をX線フィルムに24時間露出した結果、pB
ROC143DNAが雑種形成した37個のコロニーが現れた。
これらのコロニーを保存してあったライブラリイから
単離し、それらのコスミドDNA含量を試験した。雑種形
成しているコロニーの2つだけが欠失のないコスミドDN
Aの製剤を与えるということが分かった。これらのコス
ミド(pBROC155とpBROC156)を制限エンドヌクレアーゼ
を用いて地図を作成したところ、これらコスミドは、ほ
とんど同じDNA片を有するがコスミドpMMB33の場合の反
射方向であることが分かった。このDNAの関連部分を第
1(a)図に示す。
製造例5 エスクラブリゲルスATCC 27064 DNAのライブラリイのpH
C79への構築 10μgのpHC79 DNA[ホーン・ビーとコリンズ・ジェ
イ(Hohn,B and Collins J.)Gene,11巻、291〜298頁、
1980年]を制限酵素SalIとBamH Iで完全に消化した。別
の10μgのpHC79のDNAをEcoR IとBamH Iで完全に消化し
た。所要の‘コスミドアーム’を単離するために、上記
の両方の消化物をショ糖勾配法(10%〜40%)で分画し
た。各コスミドアームの収量は>5μgであった。
100μgのエス・クラブリゲルスATCC 27064の染色体D
NAをSau3AIで部分的に消化し、ショ糖勾配法(10〜40
%)で分画した。>30kbで<50kbの制限断片を含有する
画分をプールし、この大きさの範囲のSau 3AI断片約10
μgを得た。これらの断片を、1:1:1のモル比でコスミ
ドアームに結合させた(DNA濃度200μgml-1)。24時間
後、結合混合物をλファージに生体外でパッケージした
(ファージλをパッケージする抽出物とプロトコールは
Amersham International PLCが供給している)。イー・
コリDHIをトランスフェクトすることによって[ロウ・
ビー(Low,B.)PNAS、60巻、161〜167頁、1968年]1μ
gのパッケージされたDNA当たり5X107のトランスフェク
タントを得た。
製造例6 pBROC381の製造 エス・クラブリゲルスATCC 27064 DNA挿入物を保有す
るpHC79を包含する5000個のイー・コリDHIコロニーをニ
トロセルロースフィルター上に固定化し、溶解した。pB
ROC137由来でBamH I−KpnI末端を有する1.2kbの断片
[ヨーロッパ特許願公開第0233715号の記載どおりにし
て作製。第2(c)図参照]を単離し、切断修復で標識
した。この断片は、標準コロニー雑種形成法によって前
記フィルターをプローブするのに用いた。7つの雑種を
形成するコロニーを得たが、その中の1つ(pBROC371)
が第5(b)図に示すDNAセグメントを保有していた。
第5(b)図に示すpBROC371DNAの‘左方末端’に位
置する3.8kbのBamH I−BamH I断片を、次に、標準の方
法を用いてpAT153のBamH I部位にサブクローン化した。
得られた構築物をpBROC381と命名した。
製造例7 エス・クラブリゲルスATCC 27064 DNAライブラリイのプ
ロービング エス・クラブリゲルスATCC 27064 DNAの挿入物を有す
るpHC79をもった5000個のイー・コリDHIコロニーをニト
ロセルロースのフィルターに固定化して溶菌した。pBRO
C381由来の3.8kb BamH I断片を単離し、切断修復で標識
した。その標識断片を、標準のコロニー雑種形成法で前
記フィルターをプローブするのに用いた。11個の雑種形
成するコロニーを得たが、その内4個が第5図に示すDN
Aセグメント(C)を保有していた。これらのコスミド
類の1つのpBROC401の地図作成データによって、このDN
Aが、欧州特許願公開第0233715号の第1(a)図に開示
されたDNAの‘左方末端’をこえて約9kb延出しているこ
とが分かった。
製造例8 ペニシリウム・クリソゲナムCMI 314652由来のイソペニ
シリンNシンテターゼ遺伝子による、エス・クラブリゲ
ルスATCC 27064DNAのプロービング (a)染色体DNA ペニシリウム・クリソゲナムCMI 314652由来のイソペ
ニシリンNシンテターゼ遺伝子の0.9kbXbaI−BamH I断
片(製造例3に記載したとおりのもの)を単離し、32P
−dCTPを用いて切断修復で標識した。エス・クラブリゲ
ルスATCC 27064を、BclIとBgl IIの制限ヌクレアーゼで
消化したものを、アガロースを用いて電気泳動法に付
し、ニトロセルロースフィルターに移転させ、上記の0.
9kbの標識断片でプローブした[Genetic Manipulation
in Streptomyces:A Laboratory Manual;ホップウッドら
(Hopwood et al)が1985年にthe John Innes Foundati
onによって出版]。フィルターは、68℃で30分間、2×
SSC,0.1%SDS中で2回洗浄し、X線フィルムに露出させ
た。96時間の露出後、単一のBclI断片(1.8kb)と単一
のBg1 II断片(6.6kb)がプローブと雑種形成すること
が観察された。
(b)コスミドでクローン化されたDNA 第5(c)図に示すDNAセグメントを保有するコスミ
ドpBROC401(製造例7参照)を、BclI制限エンドヌクレ
アーゼで消化し、アガロースを用いて電気泳動させ、次
にニトロセルロースフィルターに移転させた。そのフィ
ルターを、上記のイソペニシリンNシンテターゼ遺伝子
の標識をつけた0.9kbの断片でプローブした。第5
(c)図のDNA内に含まれている1.8kbのBclI断片が該プ
ローブと雑種形成することが観察された。この断片は、
該プローブと雑種形成した染色体DNAのBclI断片と同じ
大きさであった。
製造例9 トリペブチド(ACV)シンテターゼ遺伝子のフラボバ
クテリウムのDNAとエス・クラブリゲルスDNA内の位置決
定 ペニシリウム・クリソゲナムはペニシリン類を産生す
るが、セフアロスポリン類は産生しない。したがってピ
ー・クリソゲナムがフラボバクテリウム種SC12,154と共
通してもっている唯一の抗生物質遺伝子は、イソペニシ
リンNを構成するアミノ酸類からのイソペニシリンNの
生合成に関与する遺伝子である。ペニシリウム・クリソ
ゲナムNRRL 1951の全染色体DNAを、pBROC155由来のDNA
の断片(第1(a)図参照)でプローブすることによっ
て、ピー・クリソゲナムNRRL 1951DNAと雑種形成する、
pBROC155内のフラボバクテリウムDNAの2つの断片(第
1(a)図においてTPS/VEとCXIと命名)を決定するこ
とができた。フラボバクテリウムのイソペニシリンNシ
ンテターゼ遺伝子をコードするDNAの、pBROC143とpBROC
155内のおおよその位置はすでに同定されているので
(製造例3)、pBROC155の他の雑種形成する断片を、AC
Vトリペプリドの生合成に関与する遺伝子として選定す
ることができた。
さらに、pBROC155のDNA断片TPS/VEが、抗生物質の生
合成に関与しかつACVシンテターゼ遺伝子であるという
ことは、このDNAが単独で、IPNS遺伝子が位置する部位
に近いエス・クラブリゲルス全細胞DNAの部位と雑種形
成することから分かった。
a)ペニシリウム・クリソゲナムNRRL 1951の全染色体
細胞の単離 40時間振盪フラスコで培養したピー・クリソゲナムNR
RL 1951の500ml[ハムリン・ピー・エフら(Hamlyn P.
F.et al)、Enzyme Microb.Technol.3巻、321〜325頁、
1981年の条件で培養)を、ブッフナー漏斗のモスリン布
を通して濾過して収穫した。濾過物を水で充分に洗浄
し、次いで小容積のSSE緩衝液(スペルミジン塩酸4mM、
スペルミン塩酸1mM、Na2EDTA 10mM、トリス塩基10mM、K
CL0.1mMをHCl溶液でpH7.0に調整)で洗浄した。
モスリンについた乾燥した菌系体をスキーズした後こ
れを、0.5×SSEでうすいペーストと混合し、液体窒素で
急速凍結し、乳鉢と乳棒で粉砕した。65℃で解凍し、ペ
ーストをミラクロス(Miracloth)(Calbiochem社から
供給され、10mMのEDTAで予め煮沸したもの)で濾過し、
0.5×SSEで洗浄し全容積40mlのホモジネートとする。濾
液を4℃にて6000gで20分間遠心分離し核のペレットを
得、これを0.5×SSE、0.2%ノニデットNP40(Nonidet N
P40)(Sigma社)の5mlに、組織粉砕器を用いて再分散
させた。
得られた懸濁液を、0.55mlの10%SDS、100μg/mlのプ
ロテイナーゼKとともに室温で培養し、前記の核を溶解
し、得られた混合物を等容積の中性フェノール/クロロ
ホルムで除タンパクした。−20℃のエタノールをDNAに
添加した後、DNAを溶液からガラス棒にまきとり、概略
乾燥させてTE緩衝液に再懸濁させた。
b)pBROC155DNAの断片と、ペニシリウム・クリソゲナ
ムNRRL 1951全染色体DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化
物との雑種形成。
25μgのpBROC155プラスミドDNAを、BamH I制限エン
ドヌクレアーゼで完全に消化し、得られた断片をすべて
アガロースゲルの電気泳動法に付した後単離した。各断
片(25μg)に、製造例4b)に記載の方法を用いて32P
で放射能の標識を付け、Bgl IIエンドンクレアーゼ制限
酵素で消化された、ピー・クリソゲナムの全染色体DNA
の試料を、2×SSC、0.1%SDS、64℃の緊縮条件を用い
るサザーン雑種形成試験でプローブするのに用いた。
CXI断片(第1図参照)は、ペニシリウム・クリソゲ
ナムNRRL 1951 DNAの5kb Bgl II断片と雑種形成した。
基準のペニシリウム・クリソゲナムのイソペニシリンN
シンテーゼDNA[製造例8a)と同じ]をプローブとして
用いる同様のサザーン雑種形成実験は、同じサイズの断
片との雑種形成を示した。断片TPS/VEを構成する2つの
BamH I断片(第1図参照)は、ペニシリウム・クリソゲ
ナムNRRL 1951 DNAの、Bgl IIで生成した8.5kbと5kbの
断片と雑種形成した。pBROC155DNAのその外の断片は全
く雑種を形成しなかった。
ACVシンテターゼに対応すると考えられる交差雑種形
成領域がフラボバクテリウムコスミドのクローン内の、
3.0kbと2.2kbの2つの隣接するBamH I断片に見出され
た。これらの断片は、交差雑種成形地図を構築するため
のプローブとして用いた(製造例10と第6図参照)。
c)pBROC155の断片TPS/VEの、エス・クラブリゲルス27
064DNAとの雑種形成。
製造9b)と同様にして32Pで標識したTPS/VE断片DNA25
ngを、2×SSC、0.1%SDS、65℃の緊縮条件を用い、種
々の制限エンドヌクレアーゼで消化したエス・クラブリ
ゲルス27064全細胞DNAに対するサザーン雑種形成試験の
プローブとして用いた。
TPS/VE断片が、エス・クラブリゲルスの1つもしくは
2つの断片としか雑種形成しないことが観察された。
pBROC371とpBROC401の制限エンドヌクレアーゼ消化断
片(製造例6と7参照)を、(2×SSC、0.1%SDS、65
℃の緊縮条件を用いて)32Pで標識したTPS/VE断片DNAで
プローブした所、pBROC371の‘左方’末端とpBROC401の
‘右方’末端の断片だけが雑種を形成した。上記のしか
たでさらにサザーン雑種形成を行わせることによって、
TPS/VE DNAが雑種形成するDNAの部分[第5d)図に示
す]が画きだされた。
製造例10〜16 製造例10〜16で用いた材料と方法は次の通りである。
材料と方法 (a)菌株 ピー・クリソゲナム CMI 314652は、オリゴマイシン耐性でニコチンアミド
要求性の菌株で、ブダペスト条約の規程に基づいてComm
onwealth Mycological Instituteに寄託した。1987年4
月16日付けで寄託した。
CMI 317734は、ニコチンアミド要求性野生型ピー・ク
リソゲナムであり、1987年7月22日にCommonwealth Myc
ological Instituteに寄託した。
エシエリキア・コリ DH1:recA,palA,hsr,hsm+,endolB,relA1;DH5α:F−,e
ndA1,hsdRl7,(rk−,mk+),supE44,thi−1,−,recA1,g
yrA96,φ80dlacz m15。菌株は、ハナハン(Hanahan)の
方法(J.Mol.Biol 166巻、557〜580頁、1983年)にした
がって形質転換した。NCIB 12591:第6b図に示す遺伝子
クラスターを含有するコスミドpCX3.2をもっている。
エイ・ニデュランス NPA5:pyr G189,pyroA4,fwA1,npeA 0022. (b)DNAの単離と処理 ピー・クリソゲナムからの全DNA抽出は、バランスら
(Ballance et al)、Biochem.Biophys.Res.Commun.,11
2巻、284〜289頁、1983年に記載されているのと同様に
行った。小規模のプラスミドの単離、制限酵素による消
化、連結、サザーン分析およびイー・コリのコロニーの
雑種形成を含むDNA処理の標準法を用いた[マニアティ
スら(Maniatis et al)、Molecular Cloning,A Labora
tory Manual,Cold Spring Harbour Laboratory,米国、
ニューヨーク、1982年]。DNA断片は、メーカーの指示
にしたがって、ジーンクリーンキット(Geneclean Ki
t)(BIO 101 INC.米国、カリフォリニア州、ラ・ジョ
ラ)を用いてアガロースゲルで精製した。
遺伝子ライブラリーを構築するために、ピー・クリソ
ゲナムCMI 314652由来の全DNAを部分的に制限酵素Sau 3
AIで消化し、分離用アガロースゲルでサイズ分画して35
〜40kbの断片を得た。これらの断片を、エイ・ニデュラ
ンスのクローン化ベクターpCAP2のBam HI部位に連結し
た。組換え体分子を、生体外でラムダ粒子にパッケージ
し、イー・コリDH1をアンピシリン耐性にトランスフェ
クトするのに用いた。
(c)エイ・ニデユランスの形質転換 エイ・ニデユランスの形質転換を、バランスとターナ
ー(Ballance and Turner)(Gene、36巻、321〜331
頁、1985年)に記載されているとの同様にして実施し
た。
(d)ベニシリンのバイオアッセイ 検定すべき菌株を、プラスチック製の組織培養皿のウ
エルに入れた2mlのFM倍地[ホルトとマクドナルド(Hol
t and Macdonald)、Antonie van Leeuwenhoek、34巻、
409−416頁、1968年]に接種した。25度で5日間静置培
養を行った後、そのブロス100μを、バシラス・サチ
リス(Bacillus subtilis)の胞子(100ml当り、2×10
8胞子数/mlの1ml)と、100ml当り、2%2,3,5−トリフ
エニルテトラゾリウム クロリド(TTC)の0.5mlとを接
種した普通寒天プレートのウェルに入れた。そのプレー
トを30℃で一夜培養した。
製造例10 ACVシンテターゼ遺伝子をコードするDNAの領域による、
フラボバクテリウムとピー・クリソゲナムとの交差雑種
形成地図の構築 製造例9(b)で得た3.0kbのフラボバクテリウムBam
H I断片をプローブとして用いて、上記のようにして作
製したピー・クリソゲナムCMI 314652コスミド遺伝子ラ
イブラリイの5000個のコロニーを選別した。5つの生に
雑種形成するコロニーを得た。これらコロニーを制限酵
素で消化した結果、これらコロニーの内4つは同一で、
第5番目のものは、その配列のかなりの部分が、これら
4つのコロニーと共通のものであった。これらのクロー
ンの1つであるpCX3.2を採取し、分析した。このクロー
ンは、コスミドベクターpCAP2内に約38kbのピー・クリ
ソゲナムDNAを含有している。ピー・クリソゲナムIPNS
遺伝子で、pCX3.2の制限酵素消化物のサザーンブロット
をプローブすることによって、IPNS遺伝子がこのコスミ
ド内に存在することが分かった。またそのブロットをフ
ラボバクテリウムの3.0kbのBamH I断片でプローブした
が、この断片は、単一の5.5kbのXho Iバンドと単一の8.
0kbのEcoR Iバンドと雑種形成した。これらの断片は、p
UC19にサブクローン化し、それぞれpGXS11とpGXE1を与
える。
制限地図を、これらの両サブクローンとその外のサブ
クローンについて構築して第6(b)図に示す。pGX−C
1は、プラスミドpUC9にクローン化されたピー・クリソ
ゲナムIPNS遺伝子と重なり合っているが、その構築物は
CYX4と命名されている。
コスミドクローンpCX3.2は、ACV遺伝子とIPNS遺伝子
をもっているだけでなく、さらにピー・クリソゲナムの
アシルトランスフエラーゼをもっている。ACT遺伝子
は、サブクローンpGXB20内に位置しているが[第6
(b)図参照]、このことは、この領域に関連するRNA
の転写を示す我々自身の実験で指摘され、次いで1988年
10月2日〜7日に米国、インゲイアナ州ブルーミントン
で開催された、工業用微生物の遺伝学と分子生物学に関
する米国微生物学会第4回大会において、エー・イー・
ビイーンストラ(A.E.Veenstra)が開示したピー・クリ
ソゲナムのACT遺伝子の位置についての報告で確認され
たものである。
第6図(b)に示すpCX3.2のサブクローン類の制限消
化物のサザーンブロットを、製造例9(b)で得た3.0k
bと2.2kbのフラボバクテリウムDNA断片でプローブし
た。その3.0kbの断片が、第6(b)図中にGX1という印
をつけた3.5kbのXhoI−SalI断片と雑種形成した。2.2kb
の断片は、GX1領域のXhoI−Pst断片と、GX2とGX3という
印が付けられた2つの別の領域と雑種形成した。したが
って、フラボバクテリウムの遺伝子クラスターとピー・
クリソゲナムのクラスター間に3つの明確な相同領域が
あることは明らかである。
製造例11 ACVシンテターゼ遺伝子をコードするDNA領域による、ピ
ー・クリソゲナムとエイ・ニデユランス間の交差雑種形
成地図の構築 コスミドベクターpCAP2内に構築された全エイ・ニデ
ユランスDNAのコスミドライブラリイを、GX1とGX3のDNA
領域を有するpGXS11のPatl−Sall断片(第6図参照)で
プローブした。正の雑種形成をおこなうクローンが同定
された。このようにして単離された1つのコスミドクロ
ーンをpNGX1と命名し、さらに、ピー・クリソゲナムの
コスミドクローンpCX3.2のGX1、GX2およびGX3の領域を
含む別のプローブを用いて地図を作製した。得られた交
差雑種形成地図を第7図に示す。相同領域がピー・クリ
ソゲナム中のその領域とほぼ同じ距離で延びており、か
つGX1、GX2およびGX3は、これらが連結しているIPN遺伝
子の転写にたいして同じ順に位置している。
製造例12 単一もしくは複数のピー・クリソゲナムACVシンテター
ゼ遺伝子に相同の配列がセフアロスポリウム・アクレモ
ニウム中に存在していることの例証 セフアロスポリウム・アクレモニウムは、セファロス
ポリン類のβ−ラクタム抗生物質を産生するので、生合
成経路の最初の部分の遺伝子を、ペニシリンを産生する
ピー・クリソゲナムと共通してもっている。これらはAC
Vシンテターゼ遺伝子とIPNS遺伝子である。配列分析の
結果、74%の相同性が、シー・アクレモニウムとピー・
クリソゲナムのIPNS遺伝子間にヌクレオチドレベルで存
在していることが分かった(カールら、Gene,48巻、257
−266頁)。同じレベルの相同性がACVシンテターゼ遺伝
子間に存在するが、このことから、上記のようにして単
離されたピー・クリソゲナムのACVシンテターゼ遺伝子
を、プローブとして用いて、シー・アクレモニウムから
同等の遺伝子を単離することができるであろう。このこ
とを例証するために、下記の実験を行った。
プラスミドpGXE1、すなわちピー・クリソゲナムのGX
1、GX2およびGX3(ACVシンテターゼ)の領域を保有する
pCX3.2のサブクローン(第6b図)を、32Pで標識して、
シー・アクレモニウムATCC 11550から作製した、全DNA
のBamH I消化物のサザーンブロットに対するプローブと
して使用した。緊縮条件は、2×SSC、0.1%SDSおよび5
5℃であった。ほぼ3.2kbと5.1kbの2つの雑種形成バン
ドを得た。β−ラクタム化合物を産生しない近縁のフィ
ラメント状の真菌類のエス・クラッサNCP4とエイ・ニガ
ーAB4.1由来の全DNAのBamH I消化物のサザンブロットを
PGXE1でプローブしたが、雑種形成の同じ緊縮条件下
で、雑種形成バンドは全く検出されなかった。
製造例13 エイ・ニデユランスのペニシリン非産生変異のpCX3.2に
よる修復 pCX3.2中に存在するDNA[第6(b)図]がACVトリペ
プチドの合成に関与しているという証拠は、そのクラス
ターをエイ・ニデユランス中のペニシリン非産生変異を
修復するのに利用できるということで提供された。
pCX3.2を用いて、ペニシリン生合成経路に関与する遺
伝子に変異を有するエイ・ニデユランス菌株を直接形質
転換した。問題の菌株NPA5は、ACV合成の段階で阻止さ
れている(npeA0022)[マーキンスら(Makins et a
l)、J.Gen.Microbiol.122巻、339−343頁、1981年]。
NPA5の形質転換体のペニシリン産生性能を検定してみ
ると、pPCY7(エイ・ニデユランスを形質転換しかつピ
ー・クリソゲナムINPS遺伝子を保有できるプラスミド)
で形質転換した場合、負であったが、試験した5つのpC
X3.2形質転換体の内3つは正のペニシリン産生性を示し
た。これら形質転換体は、バイオアッセイプレート上に
野生型よりは少し小さいかないしは非産生の対照品より
はわずかに大きい阻害領域を生成する。その領域はペニ
シリナーゼ感受性である。pCX3.2で得られる形質転換体
内の上記領域のサイズ変動する理由は明らかでないが、
ピー・クリソゲナムDNAを含有するエイ・ニデユランス
形質転換体は、成長速度が減少している時は、異種DNA
の存在に影響されるということが原因かもしれない。こ
の状態では、これら形質転換体は、野生型レベルのペニ
シリンを産生できない。これらの結果は、ピー・クリソ
ゲナムから単離された遺伝子クラスターは、ACVのペニ
シリン産生の合成が阻止されているエイ・ニデユランス
菌株の性能を回復できるということを示している。
製造例14 pCX3.2とp3SR2とで共形質転換された、ピー・クリソゲ
ナムCMI317734の形質転換体の、高レベルのACVシンテタ
ーゼの酵素活性の例証 ピー・クリソゲナムCMI 317734の酵素製剤と、pCX3.2
もしくはp3SR2で共形質転換された前記菌株の形質転換
体由来の酵素製剤とを、ACVシンテターゼ活性のレベル
を測定するのに用いた。
ピー・クリソゲナムCMI 317734とその形質転換体を、
35g/のコーン・スティープ・リカー(corn steep liq
uor)、15g/のグルコース、5g/のCaCO3および8g/
の菜種油からなりpH5.9の20mlの種培地の入った250ml振
盪フラスコに105胞子/mlを接種するのに用いた。振盪フ
ラスコを2日間25℃、260rpmで培養し、85g/のラクト
ース、35g/のコーン・スティープ・リカー、6g/の
フエノキシ酢酸、10g/のCaCO3、6g/の菜種油pH6.0
(10%交差)を含有する液20mlが入っている最終段階の
振盪フラスコに接種するのに用いた。
次に最終段階の振盪フラスコを、収穫前に類似の条件
で、1〜2日間成長させた。
収穫するために、2〜3個の振盪フラスコの内容物を
集め、5.5cmのGF/Aディスクで濾過し、200mlの氷冷した
等張食塩水で洗浄した。次いで菌系体のパッドを12mlの
抽出緩衝液[0.1M−MOPS、pH7.5、50mM−KC1、20mM−ED
TA、30mM−2メルカプトエタノール、50%のグリセロー
ル(V/V)]に浸漬し、動力設定6のウルトラソニック
スW−385型超音波処理器の1/2インチのホーンで20秒間
づつ4バースト超音波処理を行った。超音波処理をした
抽出物を40,000gで20分間遠心分離し、2mlの上澄み液
を、グリセロール含量が20%(V/V)であること以外は
抽出緩衝液と同じ緩衝液で予め平衡化したPD−10セファ
デックス(登録商標)カラムで脱塩した。タンパク質を
含有する画分を集めて、検定に用いた。
ACVシンテターゼの検定は、ジエンセンら(Jensen et
al)の方法(FEMS Microbiol.Letts.49巻、213−218
頁、1988年)と、バンコとデマイン(Banko and Demai
n)の方法(J.Am.Chem.Soc.109巻、2858−2860頁、1988
年)に基づいて行った。
培養混合物は、プロテアーゼ阻害剤のアプロチニンを
1mg/ml含有していることを除いてバンコとデマインが記
載しているのと同じものであった。培養時間は、120〜2
40分間の範囲で変えた。対照品として培養混合物をゼロ
時間で培養をやめてクロマトグラフイに付した。
チオライト MB(Thiolyte MB,登録商標)を用いる被
覆法(method of derivatisation)、HPLCによる分離法
および蛍光定量法による検出法は、ジエラセンらが報告
しているのと同様であるが以下のように変更した。酢酸
ナトリウム溶離緩衝液のpHは4.4に低下させた。溶出の
最初の5分間は同一溶離剤の90:10(V/V)の酢酸ナトリ
ウム:メタノールで行った。5分〜35分の間は、酢酸ナ
トリウム:メタノールが90:10から55:45へと変化する直
線勾配を採用した。
ACVの溶出は(基準液に0.5mM−ジチオトレイトールが
含有されているために還元された単量体の形態であ
る)、29.5分の保持時間で観察された。0.1ナノモルACV
の感度が達成された。
pCX3.2で形質転換されたCMI 317734の形質転換体に
は、pCX3.2に存在するペニシリウム・クリソゲナムDNA
の配列を欠いたp3SR2で形質転換されたCMI 317734に比
べて著しく高レベルのACVシンテターゼが一貫して検出
された。
このようにpCX3.2に入っているピー・クリソゲナムDN
Aのほぼ38kbの挿入物が、ACVシンテターゼの酵素活性の
レベルに直接影響する単一もしくは複数の遺伝子を含有
しているということを示すことができた。
製造例15 pPEN3で形質転換されたピー・クリソゲナムCMI 317734
の形質転換体の高レベルのACVシンテターゼの酵素活性
の例証 pCX3.2のように、GX1、GX2およびGX3の配列(フラボ
バクテリウム種のACVシンテターゼ遺伝子と相同の領
域)を有するが、IPNS遺伝子とACT遺伝子を欠いたプラ
スミドベクターpPEN3を構築した。この構築は、pGXE1由
来のEcoR I断片をp3SR2にサブクローン化することによ
って行った。次いでこのベクターを用いてCMI 317734を
形質転換し、形質転換体をACVシンテターゼ活性につい
て検定した。抽出法と酵素検定法は製造例14に記載した
のと同じである。
の形質転換体には、CMI 317734と、p3SR2だけで形質
転換されたCMI 317734の形質転換体と比べて高いレベル
のACVシンテターゼが測定された。
このようにして、pPEN3に含まれているピー・クリソ
ゲナムDNAの8.0kb挿入物は、ACVシンテターゼのレベル
に直接影響する単一もしくは複数の遺伝子を保有してい
ることを例証することができた。
製造例16 ニユーロスポーラ・クラッサとアスペルギルス・ニガー
内でのピー・クリソゲナムACVシンテターゼ遺伝子の不
均一な発現 エヌ・クラッサとエイ・ニガーは、検出可能なβ−ラ
クタム化合物を全く産生せず、またピー・クリソゲナム
の、ACVシンテターゼ、イソペニシリンNシンテターゼ
(IPNS)もしくはアシルトランスフエラーゼ(ACT)の
遺伝子に著しく相同性のDNA配列を全くもっていない。
これらの遺伝子が他のβ−ラクタム化合物産生体と高い
相同性を有することが知られているならば[ウエイゲル
ら(Weigel et al)、J.Bacteriology、170巻、3817−3
826頁、1988年]、これらの真菌類はペニシリン生合成
酵素をコードする遺伝子をもっていないと考えられる。
エヌ・クラッサとエイ・ニガー内でのピー・クリソゲ
ナムACVシンテターゼ遺伝子の発現を利用して、コスミ
ドクローンpCX3.2内でのペニシリン生合成に必須の上記
の遺伝子とその外のすべての遺伝子の存在を例証した
[製造例10と第6(b)図参照]。
a)エヌ・クラッサのpCX3.2による形質転換 エヌ・クラッサのpyr−4遺伝子を有するpCX3.2を用
い、ボルマーとヤノフスキイ(Vollmer and Yanofsky)
の方法(Proc.Nat.Acad.Sci.83巻、4869−4873頁、1986
年)によって、エヌ・クラッサNCP4すなわちpyr−4栄
養要求体を原栄養体に形質転換した。形質転換体を選択
培地で画線培養することによって3回精製し、胞子を50
mlのFM改良培地に接種するのに使用した。振盪しながら
30℃で3日間培養した後、その醗酵ブロス150μを標
準法を用いてバイオアッセイに付した。試験した20個の
形質転換体の内4個が、バシラス・サチリスに対する抗
生作用領域を生成したが、これらの領域はペニシリナー
ゼ感受性であった。親菌株のNCP4はこのような領域を全
く生成しなかった。
2つの形質転換体のPCX1とPCX5と、親菌株NCP4を、さ
らに、バシラス・キャリドラクティスC953(Bacillus c
alidolactis C953)に対する抗生物質の産生について、
バイオアッセイ(トリプトン大豆寒天中0.5×107胞子/m
lの濃度で一夜46℃で培養)によって試験した。10ng〜
1μg/mlの基準を含めたが常に直線関係が観察された。
試験結果は、PCX1がペニシリンを170ng/mlの濃度まで
産生し、PCX5がペニシリンを64ng/mlの濃度まで産生す
ることを示した。NCP4には、同条件下でペニシリンは全
く検出されたかった。
産生されたペニシリンVは、シヤーら(Shah et al)
がAnalyst、113巻、1197−1200頁、1988年に発表したの
と同様にして1−ヒドロキシベンゾトリアゾールで被覆
した後、HPLCで証明された。
3種の酵素の、ACVシンテターゼ、IPNシンテターゼお
よびアシルトランスフエラーゼをこれらの3つの培養物
中に検定した。3つの培養物をすべて、106胞子/mlの濃
度で最終段階の培地(製造例14参照)に直接接種し、30
℃にて260rpmで24〜48時間培養した。
ACVシンテターゼとアシルトランスフエラーゼについ
ての抽出法は、製造例14に記載したのと類似の方法であ
った。IPNシンテターゼについての抽出法は、抽出緩衝
液が30mM−トリスHC1 pH8.0、0.1mM−DTTおよび1.0mMフ
エニルメチルスルホニルフルオリドで構成され、PD−10
カラムがこの緩衝液で予め平衡化されることを除いて同
様である。
ACVシンテターゼの培養条件は製造例14に記載したと
おりである。アシルトランスフエラーゼの培養条件は、
ルエンゴら(Luengo et al)、J.Antibiotics XXX巻、I
X号、1565−1573頁、1986年に記載されたのと同じであ
る。培養は120分間行った。生成したペニシリンは、ペ
ニシリンGを基準品として用いたことを除いて上記した
のと同様にして、バイオアッセイによって、バシラス・
キャリドラクチスに対して測定した。IPNシンテターゼ
の培養条件は、ラモスら(Ramosら)Anti.Microb.Agent
s.Chemother.27巻、380−387頁、1985年に記載されてい
るのと同じである。培養は120分間行った。生成したIPN
は、0.1〜10μg/mlの濃度のIPNを基準に用いること意外
は、上記と同様にして、バイオアッセイによって、バシ
ラス・キャリドラクチスに対して測定した。
得られた測定値を第1表に示す。3種の全酵素がPCX1
とPCX5の両方に検出されたが対照品には検出されないか
またはごく低レベルしか存在していなかった。
PCX1、PCX5およびNCP4のサザーンブロット分析の結果
から、PCX1とPCX5が、ACVシンテターゼ、IPNSおよびACT
の遺伝子を有する領域をもつ完全なpCX3.2のDNAをもっ
ていることが分かった。NCP4は、pCX3.2に含まれている
ピー・クリソゲナムDNAとは全く相同でなかった。
上記の結果は、pCX3.2が、第一級アミノ酸からペニシ
リンを生合成するのに必要なすべての遺伝子を有し、そ
れ故、公知のIPNSとACTの遺伝子のみならずACVシンテタ
ーゼ遺伝子を包含しているにちがいないということを例
証している。またpCX3.2はその外の必要な未確認の遺伝
子と調節遺伝子を保有していてもよい。
b)エイ・ニガーのpCX3.2による形質転換 エイ・ニガーAB4.1すなわちpyrG栄養素要求体を、エ
ルトンら(Yelton et al)Proc.Nat.Acad.Sci.,81巻、1
470−1474頁、1984年の方法を用いて、pCX3.2で形質転
換した。得られた形質転換体を精製し、上記したのと同
様にしてペニシリン産生量についてバイオアッセイを行
った。試験を行った4つの形質転換体のうち3つが、ビ
ー・サチリスに対する抗生作用領域を生成した。この領
域はペニシリナーゼを処理すると著しく減少するが、親
菌株はごく小さなペニシリナーゼ耐性領域を与えただけ
である。
3つの形質転換体AN33、AN34およびAN36と、親菌株の
AB4.1とを、製造例16(a)に記載したのと同様にし
て、バシルス・キャリドラクティスC953に対する抗生物
質の生産を、バイオアッセイで、試験した。試験結果
は、AN33,AN34およびAN36がそれぞれ1.3、0.8および2.3
μg/mlの濃度でペニシリンを産生したことを示した。AB
4.1には、類似の条件下でペニシリンは全く検出されな
かった。産生されたペニシリンVは、シヤーらの文献11
3巻、1197−1200頁1988年に記載のとおりにして1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾールで被覆した後HPLCで証明さ
れた。
前記の4つの培養物中の、3つの酵素、すなわちACV
シンテターゼ、IPNSおよびACTを、製造例16(a)に記
載したものと類似の方法で検定した。
測定値を第2表に示す。ACVシンテターゼの活性は、
検出されたACVを定量することが難しいので正と負だけ
で示してある。3つの形質転換体はすべて酵素活性を有
していたがAB4.1はもっていなかった。IPNシンテターゼ
活性も3つの形質転換体に見出されたがAB4.1には見出
されなかった。アシルトランスフエラーゼ活性は、AB4.
1に小レベルで検出されたが、3つの形質転換体全部に
ついては著しく大きかった。
2つの形質転換体AN33とAN34由来の全DNAのサザーン
ブロック分析結果は、これらのDNAが完全なpCX3.2DNAを
含有し、一方親菌株は、pCX3.2に含まれているピー・ク
リソゲナムDNAと全く相同性でないことを示した。AN36
については試験しなかった。
上記の結果によって、pCX3.2が、第一級アミノ酸から
ペニシリンを生合成するのに必要なすべての遺伝子を保
有し、それ故、公知のIPNSとACTの遺伝子のみならずACV
シンテターゼ遺伝子を保有しているに違いないことが例
証された。またpCX3.2はその外の必要な未確認遺伝子と
調節遺伝子を含有していてもよい。
フロントページの続き (72)発明者 アール,アリスン ジエーン イギリス、ウエスト・サセツクス ビー エヌ14 8キユーエイチ、ウオーシン グ、クラレンドン・ロード、ビーチヤ ム・フアーマシヨーテイカルズ (番地 なし) (72)発明者 ブル,ジヨン ヘンリイ イギリス、ブリストル ビーエス8 1 テイデイ、ユニバーシテイ・ウオーク、 ユニバーシテイ・オブ・ブリストル、デ パートメント・オブ・マイクロバイオロ ジイ、ザ・メデイカル・スクール (番 地なし) (72)発明者 スミス,ダビツド ジヨン イギリス、ブリストル ビーエス8 1 テイデイ、ユニバーシテイ・ウオーク、 ユニバーシテイ・オブ・ブリストル、デ パートメント・オブ・マイクロバイオロ ジイ、ザ・メデイカル・スクール (番 地なし) (72)発明者 ターナー,ジヨフレイ イギリス、ブリストル ビーエス8 1 テイデイ、ユニバーシテイ・ウオーク、 ユニバーシテイ・オブ・ブリストル、デ パートメント・オブ・マイクロバイオロ ジイ、ザ・メディカル・スクール (番 地なし) (56)参考文献 Gene,57(1987),p.171−181 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 WPI(DIALOG) BIOSIS(DIALOG)

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)ペニシリウム・クリソゲナムの染色
    体DNA断片から遺伝子ライブラリイを構築し、 (b)1回以上の雑種形成実験を実施して、δ(L−α
    −アミノアジピル)−L−システイニル−D−バリンを
    生じることができるシンテターゼ酵素をコードする遺伝
    子からなり、下図: に示す制限部位の配列を有するDNAを含有するクローン
    を前記ライブラリイから選択し、 (c)そのDNAを単離すること により得られるDNA。
  2. 【請求項2】請求項1に定義するDNAとアシルトランス
    フェラーゼをコードする遺伝子からなるDNA。
  3. 【請求項3】真菌類の宿主内でペニシリンを産生する全
    生合成遺伝子クラスターを保有する請求項1に記載の遺
    伝子をコードするDNA。
  4. 【請求項4】請求項2又は3項のいずれか1つに記載の
    DNAからなる組換え体ベクター。
  5. 【請求項5】高発現ベクターである請求項4記載のベク
    ター。
  6. 【請求項6】pCX3.2と命名され、受託番号NCIB 12591の
    大腸菌株で寄託された請求項5に記載のベクター。
  7. 【請求項7】請求項5又は6に記載のベクターで形質転
    換された宿主。
  8. 【請求項8】真菌類の宿主である請求項7に記載の宿
    主。
  9. 【請求項9】天然ではペニシリン非産生体である真菌類
    宿主内でペニシリンを産生させる方法であって、下記段
    階: (a)請求項3に記載のDNAを単離し、 (b)前記DNAをベクターに挿入して組換え体ベクター
    を形成し、 (c)前記宿主を上記組換え体ベクターで形質転換し、
    ついで (d)上記の形質転換された宿主を適切な条件下で培養
    してペニシリンを産生させる ことからなる方法。
  10. 【請求項10】組換え体ベクターが、受託番号NCIB 125
    91の大腸菌株で寄託されたpCX3.2である請求項9記載の
    方法。
  11. 【請求項11】天然でペニシリン産生体である宿主細
    胞、またはδ(L−α−アミノアジピル)−L−システ
    イニル−D−バリン合成の段階で阻止された前記宿主の
    非産生性突然変異体からペニシリンを産生させる方法で
    あって、下記段階: (a)前記宿主、またはその非産生性突然変異体を、請
    求項4〜6のいずれか1つに記載のベクターで形質転換
    し、ついで (b)このようにして形成された形質転換体を、適切な
    条件下で培養し、ペニシリンを産生させる ことからなる方法。
  12. 【請求項12】宿主がペニシリウム・クリソゲナムであ
    る請求項11記載の方法。
  13. 【請求項13】ペニシリンGまたはペニシリンVを産生
    する請求項9〜11のいずれか1つに記載の方法。
  14. 【請求項14】クレーム6に記載のベクターpCX3.2を大
    腸菌に導入して得られ、1987年11月23日にNational Col
    lection of Industrial Bacteriaに寄託された菌株NCIB
    12591。
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