JP2970450B2 - 高炉操業方法 - Google Patents
高炉操業方法Info
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- JP2970450B2 JP2970450B2 JP32932694A JP32932694A JP2970450B2 JP 2970450 B2 JP2970450 B2 JP 2970450B2 JP 32932694 A JP32932694 A JP 32932694A JP 32932694 A JP32932694 A JP 32932694A JP 2970450 B2 JP2970450 B2 JP 2970450B2
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- Japan
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- ore
- coke
- blast furnace
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鉱石とコークスを層状
に装入する高炉操業方法に係り、より詳しくは高炉の炉
壁側の温度が低下して炉況が不安定になった場合に、炉
中心部および周辺部のガス流速を適正化することによっ
て操業の安定化をはかる高炉操業方法に関する。
に装入する高炉操業方法に係り、より詳しくは高炉の炉
壁側の温度が低下して炉況が不安定になった場合に、炉
中心部および周辺部のガス流速を適正化することによっ
て操業の安定化をはかる高炉操業方法に関する。
【0002】
【従来の技術】高炉においては、炉下部に設置された羽
口から吹込まれる熱風とコークスとの反応によって生成
する還元性ガス(CO)の作用で、鉱石は炉内を降下し
つつ徐々に還元され、軟化融着帯を形成した後、炉芯コ
ークス層の隙間を伝って炉底に溜り、溶銑は定期的また
は連続的に出銑口より抜き出される。
口から吹込まれる熱風とコークスとの反応によって生成
する還元性ガス(CO)の作用で、鉱石は炉内を降下し
つつ徐々に還元され、軟化融着帯を形成した後、炉芯コ
ークス層の隙間を伝って炉底に溜り、溶銑は定期的また
は連続的に出銑口より抜き出される。
【0003】このような高炉操業の安定性を高めるため
には、高炉内を上昇するガスの流速分布を中心流化し
て、融着帯形状を逆V字形に維持することが有効である
ことが経験的に知られている。
には、高炉内を上昇するガスの流速分布を中心流化し
て、融着帯形状を逆V字形に維持することが有効である
ことが経験的に知られている。
【0004】一方、炉中心部でのガス流速が他の部分よ
りも速くなりすぎると、壁側の温度が低下したり、付着
物の形成、成長等の問題が起こり炉況が不安定になる。
そこで、かかる対策として、従来より種々の原料装入方
法が提案されている。
りも速くなりすぎると、壁側の温度が低下したり、付着
物の形成、成長等の問題が起こり炉況が不安定になる。
そこで、かかる対策として、従来より種々の原料装入方
法が提案されている。
【0005】例えば、特開昭55−18764号公報に
は、高炉の下部炉壁に付着物が形成しプロフィルの乱れ
が生じた場合に、コークスの数チャージ連続装入を行う
ことにより、周辺流を強めて炉壁付着物を溶融除去する
方法が提案されている。また、特開昭61−20177
1号公報には、シャフト部の任意の設定位置における炉
壁近傍の鉱石/コークスの層厚比を、前記設定位置にお
ける平均層厚比に比べ10%以上増大するように原料を
装入することで、炉壁近傍の荷重応力および鉱石層の溶
融に伴う消滅体積を増加させ、その結果炉壁近傍の装入
物の降下速度が増加することにより原料降下停滞域が縮
小、炉腹部以下の装入物の降下領域が拡大され、降下速
度を小さくして平均化することが可能となり、生鉱下り
等による急激な炉熱低下を防止できるとした原料装入方
法が提案されている。
は、高炉の下部炉壁に付着物が形成しプロフィルの乱れ
が生じた場合に、コークスの数チャージ連続装入を行う
ことにより、周辺流を強めて炉壁付着物を溶融除去する
方法が提案されている。また、特開昭61−20177
1号公報には、シャフト部の任意の設定位置における炉
壁近傍の鉱石/コークスの層厚比を、前記設定位置にお
ける平均層厚比に比べ10%以上増大するように原料を
装入することで、炉壁近傍の荷重応力および鉱石層の溶
融に伴う消滅体積を増加させ、その結果炉壁近傍の装入
物の降下速度が増加することにより原料降下停滞域が縮
小、炉腹部以下の装入物の降下領域が拡大され、降下速
度を小さくして平均化することが可能となり、生鉱下り
等による急激な炉熱低下を防止できるとした原料装入方
法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記し
た従来の原料装入方法には、以下に示す問題点がある。
すなわち、コークスの数チャージ連続装入を行うことに
より、周辺流を強めて炉壁付着物を溶融除去する方法
(特開昭55−18764号)では、高炉中心部より周
辺部の方がガスが流れ易くなるため、炉内を上昇するガ
スの流速分布を中心流化して融着帯形状をV字形に維持
し、操業の安定化をはかることが難しいという問題があ
る。また、シャフト部の任意の設定位置における炉壁近
傍の鉱石/コークスの層厚比を増大するように原料を装
入する方法(特開昭61−201771号)では、炉壁
周辺部における鉱石の存在率が高くなるため、炉壁周辺
部のガス流れが悪くなり、炉壁部の急激な温度低下を招
き、結果として炉況不調に陥るという問題がある。
た従来の原料装入方法には、以下に示す問題点がある。
すなわち、コークスの数チャージ連続装入を行うことに
より、周辺流を強めて炉壁付着物を溶融除去する方法
(特開昭55−18764号)では、高炉中心部より周
辺部の方がガスが流れ易くなるため、炉内を上昇するガ
スの流速分布を中心流化して融着帯形状をV字形に維持
し、操業の安定化をはかることが難しいという問題があ
る。また、シャフト部の任意の設定位置における炉壁近
傍の鉱石/コークスの層厚比を増大するように原料を装
入する方法(特開昭61−201771号)では、炉壁
周辺部における鉱石の存在率が高くなるため、炉壁周辺
部のガス流れが悪くなり、炉壁部の急激な温度低下を招
き、結果として炉況不調に陥るという問題がある。
【0007】本発明は、このような従来技術の問題点に
鑑みなされたものであり、炉中心部でのガス流速に起因
する壁側の温度低下、あるいは付着物の形成、成長等に
より起こる炉況の不安定化を防止し、あるいは不調に陥
った高炉を迅速に正常な状態に回復させることが可能な
高炉操業方法を提案しようとするものである。
鑑みなされたものであり、炉中心部でのガス流速に起因
する壁側の温度低下、あるいは付着物の形成、成長等に
より起こる炉況の不安定化を防止し、あるいは不調に陥
った高炉を迅速に正常な状態に回復させることが可能な
高炉操業方法を提案しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、高炉の炉壁側
の温度が低下してステーブ給排水温度差が所定の管理値
以下になった時に鉱石とコークスを同時にかつ中心およ
び炉壁部において粗粒コークスが偏析するように装入す
ることによって、炉芯の通気、通液性を確保するととも
に、同時装入する鉱石とコークスの炉内落下位置を適正
に制御することによって、中心部を流れるガス流速を高
位に維持しながら壁側のガス流速も高めて壁側の温度を
上昇させ操業の安定化をはかるもので、その要旨は、鉱
石、コークスを層状に炉内に装入して高炉を操業するに
際し、ステーブ給排水温度差が所定の管理値以下になっ
た時に、鉱石の粒度の粗い方から10vol%の加重平
均粒径の2.5倍以上の加重平均粒径を持つ粗粒コーク
スを鉱石と同時に装入することによって中心部の鉱石存
在率を低減し、さらにその鉱石とコークスの炉内落下位
置を高炉の無次元半径で0.7〜0.9の範囲に制御す
ることによって、原料の偏析現象により中心部の鉱石存
在率を低減させたままで炉壁近傍の鉱石存在率も低減さ
せ、壁側のガス流速の低下による操業の不安定化を解消
することを特徴とするものである。
の温度が低下してステーブ給排水温度差が所定の管理値
以下になった時に鉱石とコークスを同時にかつ中心およ
び炉壁部において粗粒コークスが偏析するように装入す
ることによって、炉芯の通気、通液性を確保するととも
に、同時装入する鉱石とコークスの炉内落下位置を適正
に制御することによって、中心部を流れるガス流速を高
位に維持しながら壁側のガス流速も高めて壁側の温度を
上昇させ操業の安定化をはかるもので、その要旨は、鉱
石、コークスを層状に炉内に装入して高炉を操業するに
際し、ステーブ給排水温度差が所定の管理値以下になっ
た時に、鉱石の粒度の粗い方から10vol%の加重平
均粒径の2.5倍以上の加重平均粒径を持つ粗粒コーク
スを鉱石と同時に装入することによって中心部の鉱石存
在率を低減し、さらにその鉱石とコークスの炉内落下位
置を高炉の無次元半径で0.7〜0.9の範囲に制御す
ることによって、原料の偏析現象により中心部の鉱石存
在率を低減させたままで炉壁近傍の鉱石存在率も低減さ
せ、壁側のガス流速の低下による操業の不安定化を解消
することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】本発明において、ステーブ給排水温度差が所定
の管理値以下になった時の対応として、鉱石の粒度の粗
い方から10vol%の加重平均粒径の2.5倍以上の
加重平均粒径を持つ粗粒コークスを鉱石と同時に装入
し、さらにその鉱石とコークスの炉内落下位置を高炉の
無次元半径で0.7〜0.9の範囲に制御する理由につ
いて以下に説明する。
の管理値以下になった時の対応として、鉱石の粒度の粗
い方から10vol%の加重平均粒径の2.5倍以上の
加重平均粒径を持つ粗粒コークスを鉱石と同時に装入
し、さらにその鉱石とコークスの炉内落下位置を高炉の
無次元半径で0.7〜0.9の範囲に制御する理由につ
いて以下に説明する。
【0010】本発明者は、図1に示す高炉炉頂部の装入
実験装置を用いて、鉱石とコークスの混合装入物が炉内
で堆積する際の粒度および密度偏析機構を定量化するた
めの装入実験を行った。
実験装置を用いて、鉱石とコークスの混合装入物が炉内
で堆積する際の粒度および密度偏析機構を定量化するた
めの装入実験を行った。
【0011】装入実験は、ベル1上にまず鉱石粒子を装
入し、ベル駆動装置2によってベル1を降下させ、これ
を繰返すことにより円筒4内に一定の堆積角を持った鉱
石充填層を形成した。次に、着色した鉱石粒子をベル1
上に装入し、ベル駆動装置2によってベル1を降下さ
せ、先に形成させた鉱石充填層上に色の異なる鉱石層を
形成させ、最後にコークス粒子を混合した鉱石粒子をコ
ークス層上に装入した。なお、装入実験装置には、ムー
バブルアーマの代りとなる取外し可能なアーマ3が設置
されており、このアーマ3を角度の違うものと交換する
ことで、実炉におけるムーバブルアーマの操作による原
料落下位置の変更が再現できる機能を備えている。
入し、ベル駆動装置2によってベル1を降下させ、これ
を繰返すことにより円筒4内に一定の堆積角を持った鉱
石充填層を形成した。次に、着色した鉱石粒子をベル1
上に装入し、ベル駆動装置2によってベル1を降下さ
せ、先に形成させた鉱石充填層上に色の異なる鉱石層を
形成させ、最後にコークス粒子を混合した鉱石粒子をコ
ークス層上に装入した。なお、装入実験装置には、ムー
バブルアーマの代りとなる取外し可能なアーマ3が設置
されており、このアーマ3を角度の違うものと交換する
ことで、実炉におけるムーバブルアーマの操作による原
料落下位置の変更が再現できる機能を備えている。
【0012】本実験では、鉱石とコークスの粒径比とし
て、鉱石の粒度の粗い方から10vol%の加重平均粒
径の2.5倍以上の加重平均粒径を持つ粗粒コークスを
使用した。ここで、鉱石の粗粒側10vol%の粒度を
コークス粒度と比較する根拠は、従来の鉱石単一層にお
いて、粒度偏析により炉軸より体積比で10%以内の領
域に堆積する粗粒鉱石を、混合したコークスによって偏
析現象を利用し置き換えるという技術思想に基づく。こ
の置換えによって、高炉中心部においてコークスに対す
る鉱石の存在率が減少するので、コークスを反応劣化さ
せるCO2ガスおよびH2Oガスの発生量を低位に抑え
ることができる。さらに、コークスの炉内反応劣化量の
評価を行ったところ、炉芯を構成するコークスが良好な
通気、通液性を有する粒径を保つためのコークスの最大
反応量を超えないように炉頂中心部における鉱石とコー
クスの重量比を制御するためには、鉱石と混合するコー
クスの加重平均粒径が鉱石の粒度の粗い方から10vo
l%の加重平均粒径の2.5倍以上であることが判明し
た。かかる知見より、本発明では鉱石と同時に装入コー
クスの粒径を鉱石の2.5倍以上と限定したのである。
て、鉱石の粒度の粗い方から10vol%の加重平均粒
径の2.5倍以上の加重平均粒径を持つ粗粒コークスを
使用した。ここで、鉱石の粗粒側10vol%の粒度を
コークス粒度と比較する根拠は、従来の鉱石単一層にお
いて、粒度偏析により炉軸より体積比で10%以内の領
域に堆積する粗粒鉱石を、混合したコークスによって偏
析現象を利用し置き換えるという技術思想に基づく。こ
の置換えによって、高炉中心部においてコークスに対す
る鉱石の存在率が減少するので、コークスを反応劣化さ
せるCO2ガスおよびH2Oガスの発生量を低位に抑え
ることができる。さらに、コークスの炉内反応劣化量の
評価を行ったところ、炉芯を構成するコークスが良好な
通気、通液性を有する粒径を保つためのコークスの最大
反応量を超えないように炉頂中心部における鉱石とコー
クスの重量比を制御するためには、鉱石と混合するコー
クスの加重平均粒径が鉱石の粒度の粗い方から10vo
l%の加重平均粒径の2.5倍以上であることが判明し
た。かかる知見より、本発明では鉱石と同時に装入コー
クスの粒径を鉱石の2.5倍以上と限定したのである。
【0013】また、同時に装入する鉱石とコークスの炉
内落下位置の適正制御範囲を調べるため、アーマ3を使
って原料の装入実験を行い、実験後のサンプリングの結
果求められた半径方向での鉱石重量/コークス重量(以
下O/Cと略す)の一例を図2に示す。図2の(A)〜
(F)はそれぞれXが1.0、0.95、0.9、0.
7、0.65、0.6における無次元半径(ー)と相対
O/C(ー)の関係を示したものである。ここで、Xと
相対O/Cはそれぞれ下記(1)式、(2)式で表され
る。
内落下位置の適正制御範囲を調べるため、アーマ3を使
って原料の装入実験を行い、実験後のサンプリングの結
果求められた半径方向での鉱石重量/コークス重量(以
下O/Cと略す)の一例を図2に示す。図2の(A)〜
(F)はそれぞれXが1.0、0.95、0.9、0.
7、0.65、0.6における無次元半径(ー)と相対
O/C(ー)の関係を示したものである。ここで、Xと
相対O/Cはそれぞれ下記(1)式、(2)式で表され
る。
【0014】図2の結果より明らかなごとく、鉱石とコ
ークスを同時に装入(以下「混合装入」と称する)した
ときの落下位置が実験装置の無次元半径0.9より炉芯
側になると、壁側に偏析するコークスの量が増えるの
で、壁側のO/Cが2以下になった。また、落下位置が
無次元半径0.7より炉壁側にあると、中心のO/Cは
0であった。
ークスを同時に装入(以下「混合装入」と称する)した
ときの落下位置が実験装置の無次元半径0.9より炉芯
側になると、壁側に偏析するコークスの量が増えるの
で、壁側のO/Cが2以下になった。また、落下位置が
無次元半径0.7より炉壁側にあると、中心のO/Cは
0であった。
【0015】
【0016】
【0017】また、図2に示す結果を基に、同一の操業
条件を与えてシミュレートしたガス流速分布の変化を調
査した結果を図3に示す。図3の結果より明らかなごと
く、混合装入したときの落下点が無次元半径0.9であ
ると、壁側のガス流速は、落下点が壁近傍であったとき
に1.8m/sだったのが2.2m/sになった。落下
点をさらに炉内側に移動させていくと、落下地点が壁近
傍の時に比べて、壁側のガス流速は速くなるのに対し中
心のガス流速は遅くなった。そして、落下点が無次元半
径0.7になると、炉中心部でのガス流速は4.8m/
sになった。
条件を与えてシミュレートしたガス流速分布の変化を調
査した結果を図3に示す。図3の結果より明らかなごと
く、混合装入したときの落下点が無次元半径0.9であ
ると、壁側のガス流速は、落下点が壁近傍であったとき
に1.8m/sだったのが2.2m/sになった。落下
点をさらに炉内側に移動させていくと、落下地点が壁近
傍の時に比べて、壁側のガス流速は速くなるのに対し中
心のガス流速は遅くなった。そして、落下点が無次元半
径0.7になると、炉中心部でのガス流速は4.8m/
sになった。
【0018】以上の結果より、落下点が無次元半径0.
9よりも炉内側にあると、壁側のガス流速は落下点が壁
近傍であるときに比べて2割以上速くなり、落下点が無
次元半径0.7よりも炉内側にあると、炉中心部のガス
流速は落下点が壁近傍にあるときに比べて2割以上遅く
なることが判明した。
9よりも炉内側にあると、壁側のガス流速は落下点が壁
近傍であるときに比べて2割以上速くなり、落下点が無
次元半径0.7よりも炉内側にあると、炉中心部のガス
流速は落下点が壁近傍にあるときに比べて2割以上遅く
なることが判明した。
【0019】
【実施例】容積2700m3、炉口径8.6mのステー
ブ冷却方式の高炉に本発明を適用して操業した時の炉壁
冷却水の温度推移を図4に示す。すなわち、最初の1ケ
月間においては中旬から下旬にかけて、ステーブ給排水
温度差に大きな変化は見られず、休風時(休風A)にボ
ーリングを行って測定した付着物の平均厚さは500m
mであった。ところがその後徐々にステーブ給排水温度
差が下がりはじめ、翌月の下旬にはこの月の初旬の温度
差に比べて管理値(5℃)以下に下がり、付着物の平均
厚さは540mmと厚くなっていた(休風B)ので、こ
の時点で本発明を適用し期間aにわたって実施した。こ
の期間aにおける混合装入原料の落下位置Xは、高炉の
無次元半径で0.65であった。その結果、短期間でス
テーブ給排水温度差は再び管理値を超えるレベルまで回
復したが、今度は管理値を大幅に超える状態が続き、炉
体熱負荷の高まりで炉体延命の立場から問題が出てき
た。また、休風B直前まで6m/sあった中心ガス流速
が、この期間で4.2m/sになり炉内通気性が悪化し
た。そこで、期間bにおいて、混合装入原料の落下位置
Xを高炉の無次元半径で0.95に変更した。その結
果、中心のガス流速は5.3m/sまで回復し、炉内通
気性も改善されたが、再びステーブ給排水温度差が低下
し、休風Cでの付着物厚を測定した結果530mmであ
った。そこで、期間cにおいて、混合装入原料の落下位
置Xを高炉の無次元半径0.7〜0.9に限定して操業
を行った結果、中心のガス流速は5.3m/s、炉壁ガ
ス流速は2.5m/sが維持されて炉況が安定し、ステ
ーブ給排水温度差も当初のほぼ正常なレベルまで回復し
た。
ブ冷却方式の高炉に本発明を適用して操業した時の炉壁
冷却水の温度推移を図4に示す。すなわち、最初の1ケ
月間においては中旬から下旬にかけて、ステーブ給排水
温度差に大きな変化は見られず、休風時(休風A)にボ
ーリングを行って測定した付着物の平均厚さは500m
mであった。ところがその後徐々にステーブ給排水温度
差が下がりはじめ、翌月の下旬にはこの月の初旬の温度
差に比べて管理値(5℃)以下に下がり、付着物の平均
厚さは540mmと厚くなっていた(休風B)ので、こ
の時点で本発明を適用し期間aにわたって実施した。こ
の期間aにおける混合装入原料の落下位置Xは、高炉の
無次元半径で0.65であった。その結果、短期間でス
テーブ給排水温度差は再び管理値を超えるレベルまで回
復したが、今度は管理値を大幅に超える状態が続き、炉
体熱負荷の高まりで炉体延命の立場から問題が出てき
た。また、休風B直前まで6m/sあった中心ガス流速
が、この期間で4.2m/sになり炉内通気性が悪化し
た。そこで、期間bにおいて、混合装入原料の落下位置
Xを高炉の無次元半径で0.95に変更した。その結
果、中心のガス流速は5.3m/sまで回復し、炉内通
気性も改善されたが、再びステーブ給排水温度差が低下
し、休風Cでの付着物厚を測定した結果530mmであ
った。そこで、期間cにおいて、混合装入原料の落下位
置Xを高炉の無次元半径0.7〜0.9に限定して操業
を行った結果、中心のガス流速は5.3m/s、炉壁ガ
ス流速は2.5m/sが維持されて炉況が安定し、ステ
ーブ給排水温度差も当初のほぼ正常なレベルまで回復し
た。
【0020】
【発明の効果】以上説明したごとく、本発明方法によれ
ば、炉中心部でのガス流速に起因する壁側の温度低下、
あるいは付着物の形成、成長等により起こる炉況の不安
定化を、鉱石と混合するコークスの粒径の適正化と混合
装入原料の落下位置制御という比較的簡易な方法で防止
し、あるいは不調に陥った高炉を迅速に正常な状態に回
復させることができるので、高炉操業の安定化に大なる
効果を奏するものである。
ば、炉中心部でのガス流速に起因する壁側の温度低下、
あるいは付着物の形成、成長等により起こる炉況の不安
定化を、鉱石と混合するコークスの粒径の適正化と混合
装入原料の落下位置制御という比較的簡易な方法で防止
し、あるいは不調に陥った高炉を迅速に正常な状態に回
復させることができるので、高炉操業の安定化に大なる
効果を奏するものである。
【図1】本発明における高炉炉頂部の装入実験装置を示
す概略図である。
す概略図である。
【図2】同上の実験装置を使用して行った装入実験によ
る半径方向での鉱石重量/コークス重量(以下O/Cと
略す)の一例を示す図で、(A)〜(F)はそれぞれX
が1.0、0.95、0.9、0.7、0.65、0.
6における無次元半径(ー)と相対O/C(ー)の関係
を示したものである。
る半径方向での鉱石重量/コークス重量(以下O/Cと
略す)の一例を示す図で、(A)〜(F)はそれぞれX
が1.0、0.95、0.9、0.7、0.65、0.
6における無次元半径(ー)と相対O/C(ー)の関係
を示したものである。
【図3】同上の実験装置を使用し、図2に示す結果を基
に、同一の操業条件を与えてシミュレートしたガス流速
分布の変化を調査した結果を示す図である。
に、同一の操業条件を与えてシミュレートしたガス流速
分布の変化を調査した結果を示す図である。
【図4】本発明の実施例における炉壁冷却水の温度推移
を示す図である。
を示す図である。
1 ベル 2 ベル駆動装置 3 アーマ 4 円筒
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 和明 大阪府大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金属工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭60−208404(JP,A) 特開 平3−267308(JP,A) 特開 平7−150207(JP,A) 特開 平4−45210(JP,A) 特開 平4−45209(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21B 5/00 311
Claims (1)
- 【請求項1】 鉱石、コークスを層状に炉内に装入して
高炉を操業するに際し、ステーブ給排水温度差が所定の
管理値以下になった時に、鉱石の粒度の粗い方から10
vol%の加重平均粒径の2.5倍以上の加重平均粒径
を持つ粗粒コークスを鉱石と同時に装入し、その鉱石と
コークスの炉内落下位置を高炉の無次元半径で0.7〜
0.9の範囲に制御することを特徴とする高炉操業方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32932694A JP2970450B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 高炉操業方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32932694A JP2970450B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 高炉操業方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08157912A JPH08157912A (ja) | 1996-06-18 |
JP2970450B2 true JP2970450B2 (ja) | 1999-11-02 |
Family
ID=18220211
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32932694A Expired - Lifetime JP2970450B2 (ja) | 1994-12-02 | 1994-12-02 | 高炉操業方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2970450B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100360112B1 (ko) * | 2000-12-23 | 2002-11-07 | 주식회사 포스코 | 노체온도 상승을 위한 스테이브 고로의 장입방법 |
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1994
- 1994-12-02 JP JP32932694A patent/JP2970450B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH08157912A (ja) | 1996-06-18 |
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