JP2970004B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

スクロール圧縮機

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JP2970004B2
JP2970004B2 JP4474591A JP4474591A JP2970004B2 JP 2970004 B2 JP2970004 B2 JP 2970004B2 JP 4474591 A JP4474591 A JP 4474591A JP 4474591 A JP4474591 A JP 4474591A JP 2970004 B2 JP2970004 B2 JP 2970004B2
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正浩 坪川
良一 松崎
靖 饗場
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、スクロール圧縮機に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スクロール圧縮機は特開昭61−
28782号公報に示すような構造で、以下その構成に
ついて図4を参照にして説明する。
【0003】図に示すように、密閉容器101の内部に
圧縮機構102とその下方に電動機の固定子103を固
定し、さらにその下方に潤滑油を溜める潤滑油溜104
が設けられている。密閉容器101には、密閉容器10
1内を駆動室105Aと圧縮機構室105Bとに二分す
る大略円板形状の軸受部品106が一体的に固定してあ
り、この軸受部品106には駆動室105Aと圧縮機構
室105Bとを連通する連通孔107が設けてある。さ
らに連通孔107から離反した位置には、密閉容器10
1に設けた吐出管108と駆動室105Aとを連通する
切欠溝状の連通路109が形成してある。
【0004】電動機の固定子103は前記のように、前
記駆動室105A内において密閉容器101に一体的に
取付けてあり、回転子110は、前記軸受部品106の
中央部に垂直かつ回転自在に支承された回転軸111に
一体的に取付けてある。回転軸111の下端部は、密閉
容器101内の底部の潤滑油溜104内に没入してあ
り、回転軸111の軸心部に設けられた潤滑油吸入孔1
12を通して各部に給油される。
【0005】圧縮機構部102は、前記圧縮機構室10
5B内に配置されており、円板形状の固定鏡板114の
上に一体に形成した固定スクロール113を有する固定
スクロール部品115と前記固定スクロール113と噛
み合って複数個の圧縮空間117を形成する旋回スクロ
ール118を円板形状の旋回鏡板119の上に形成した
旋回スクロール部品120等より構成してある。
【0006】前記固定鏡板114は複数個のボルト12
1によって前記軸受部品106に密着固定してあり、前
記固定鏡板114のほぼ中央部には圧縮された高圧ガス
を前記圧縮機構室105B内に吐出する吐出ポート12
2が穿設してある。また、前記固定スクロール113ま
たは前記固定鏡板114と前記旋回スクロール118と
の接合によって形成される前記圧縮空間117の最外側
に対応する位置の部分において、前記固定鏡板114に
はガスを吸入するための吸入ポート123が穿設してあ
り、この吸入ポート123には吸入管124が接続して
ある。
【0007】前記旋回鏡板119は、一体に備えた前記
旋回スクロール118が前記固定スクロール113と複
数箇所において摺接することにより、複数箇所に前記圧
縮空間117を形成すべく前記固定鏡板114と互いに
組合せてある。前記旋回鏡板119の裏面の中央部に
は、円筒形状の嵌合部125が形成してあり、この嵌合
部125内には、前記回転軸111の偏心部111Eが
回転自在に嵌合してある。また、前記旋回鏡板119の
裏面は、前記軸受部品106に一体に形成した環状の突
起部126の端面に摺動自在に支承されている。前記突
起部126の外側には前記吸入室116と連通自在な低
圧室127が形成してあり、この低圧室127内には自
転拘束部品128が配設してある。
【0008】前記自転拘束部品128は前記固定鏡板1
14に対する前記旋回鏡板119の方向性を常に一定に
保持する作用をなすものであって、前記自転拘束部品1
28の下面には径方向の下部凸条128Lが形成してあ
り、上面には下部凸上128Lに対して直行する方向の
上部凸条(図示省略)が形成してある。前記自転拘束部
品128の下部凸条128Lは、前記低圧室127の底
部に形成したガイド溝129に摺動自在に係合してあ
り、上部凸条は前記旋回鏡板119の裏面に形成したガ
イド溝130と摺動自在に係合してある。
【0009】以上のごとき構成において、電動機によっ
て前記回転軸111を回転すると、前記回転軸111の
前記偏心部111Eが偏心回転することとなる。したが
って、前記旋回鏡板119は前記自転拘束部品128に
よって方向性を一定に保持されたまま旋回される。この
際、前記圧縮空間117は外周側から次第に内周側へ移
動し、前記圧縮空間117を次第に縮小する。したがっ
て、前記圧縮空間117内のガスは圧縮されて、前記吐
出ポート122から前記圧縮機構室105Bへ吐出され
る。
【0010】前記圧縮機構室105B内へ吐出された高
圧ガスは、前記連通孔107を経て前記駆動室105A
に至り、前記吐出管108から外部へ吐出される。
【0011】前述のごとく電動機によって前記旋回鏡板
119を旋回してガスの圧縮を行うに際し、ガスの吸入
管124を経て吸入ポート123から行われる。また、
高圧ガスが前記密閉容器101内へ吐出されるので、前
記密閉容器101内が高圧となり、この高圧が前記旋回
鏡板119の裏面に作用することとなる。ところが、前
記軸受部品106に形成した前記環状の突起部106に
よって前記旋回鏡板119の裏面を当接支持し、前記突
起部126の外側を前記低圧室127に形成してあるの
で、前記突起部126の内側においてのみ前記旋回鏡板
119に高圧が作用することとなる。したがって、前記
旋回鏡板119を前記固定鏡板114側へ押圧する押圧
力をある程度は小さくできる。
【0012】しかし、前記圧縮空間117内の圧力によ
って、前記旋回鏡板119は前記固定鏡板114から離
反する方向の力を受けるがその分布は前記旋回鏡板11
9の外周よりも中央部側の方が大きくなるものであるか
ら、前記突起部126の径は、上記のごとき圧力分布を
考慮して適宜に設定されなければならない。
【0013】また、前記旋回スクロール部品120の軸
方向の可動隙間は、前記軸受部品106の端面から前記
環状の突起部126の深さと前記旋回鏡板119の板厚
との差で調整している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のスク
ロール圧縮機では、旋回鏡板の裏面を支承する部分が軸
受部品106と一体で、回転軸111の外周に環状の突
起部126として設け、かつ自転拘束部品128を配設
し、運動する空間を確保しなければならず、かつまた前
述のとおり、前記旋回鏡板119の裏面の中央部には、
前記回転軸111の偏心部111Eが回転自在に嵌入さ
れる円筒形状の嵌合部125が形成されているため、
承部分を大きくとれず、旋回鏡板119にスラスト力が
作用する場合、スラスト力による負荷が大きくなり、支
承部の摩耗が大きくなったり、摩擦による入力が増加し
たりする。また、旋回鏡板119の支承部を軸受部品1
06と一体で構成することにより軸受部品106の形状
が複雑になり、かつ支承部を大きくとれないため、旋回
スクロール部品120の軸方向の可動隙間の調整が難し
い。
【0015】また、支承部を大きくとれないため、支承
部内外周の高低圧の確実なシールができない。たとえシ
ール材を使用して高低圧のシールを行うとしても、シー
ル材を挿入する溝の径を旋回鏡板に作用する圧力分布が
最適になるように自由に選択できない。したがって、旋
回鏡板119に作用する圧力分布を調整することが難し
く、負荷が大きくなって、支承部が摩耗したり、入力が
増加したりする。
【0016】
【課題を解決するための手段】以上に述べた従来のスク
ロール圧縮機の課題を解決するための第1の技術的手段
は、密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する
圧縮機構を配設し、前記圧縮機構を固定鏡板と一体に固
定または形成した固定スクロールを有する固定スクロー
ル部品と、前記固定スクロールと噛み合い、複数個の圧
縮空間を形成する旋回スクロールを旋回鏡板の上に固定
または形成した旋回スクロール部品と、前記旋回スクロ
ール部品の自転を拘束する自転拘束部品と、前記旋回ス
クロール部品を偏心旋回駆動する回転軸と、前記回転軸
の一端に、前記旋回鏡板の旋回スクロールとは反対側に
形成した旋回駆動軸を支承する偏心軸受を内側に嵌入し
た主軸を形成し、前記主軸を支承する軸受部品とを含ん
で構成し、前記旋回スクロール部品の前記旋回鏡板の前
記旋回駆動軸側の面を支承する環状のスラスト軸受を別
部品として前記軸受部品に配置し、前記スラスト軸受の
内径を前記回転軸の主軸外径よりも小さく構成すること
である。課題を解決するための第2の技術的手段は、前
記の第1の解決手段に加えて、前記スラスト軸受の前記
旋回スクロール部品を支承する面に、内周側あるいは外
周側とのみ連通する溝または、内周側と外周側を連通す
る溝を放射状あるいは渦巻き状に設けることである。課
題を解決するための第3の技術的手段は前記の第1の解
決手段に加えて、前記スラスト軸受の内周から回転軸の
主軸外径相当の径の部分までの厚さを、外周部の厚さよ
り薄くすることである。課題を解決するための第4の技
術的手段は、前記の第1の解決手段に加えて、前記スラ
スト軸受を耐摩耗性のある焼結鉄で構成することであ
る。
【0017】課題を解決するための第5の技術的手段
は、密閉容器の内部に電動機と、この電動機で駆動する
圧縮機構を配設し、前記圧縮機構を固定鏡板と一体に固
定または形成した固定スクロールを有する固定スクロー
ル部品と、前記固定スクロールと噛み合い、複数個の圧
縮空間を形成する旋回スクロールを旋回鏡板の上に固定
または形成した旋回スクロール部品と、前記旋回スクロ
ール部品の自転を拘束する自転拘束部品と、前記旋回ス
クロール部品を偏心旋回駆動する回転軸と、前記回転軸
の一端に、前記旋回鏡板の旋回スクロールとは反対側に
形成した旋回駆動軸を支承する偏心軸受を内側に嵌入し
た主軸を形成し、前記主軸を支承する軸受部品とを含ん
で構成し、前記旋回スクロール部品の前記旋回鏡板の前
記旋回駆動軸側の面を支承する環状のプレートを別部品
として前記軸受部品に配置し、前記プレートの内径を前
記回転軸の主軸外径よりも小さく構成し、かつ、前記旋
回スクロール部品に対向する面にシール材挿入用の環状
溝を設け、シール材を挿入することである。課題を解決
するための第6の技術的手段は、前記第5の解決手段に
加え、前記プレートをスラスト軸受として旋回スクロー
ル部品スラスト荷重受けるように構成することである。
課題を解決するための第7の技術的手段は、第5の解決
手段に加えて、前記プレートの旋回スクロール部品に対
向する面に、内周側あるいは外周側とのみ連通する溝を
放射状あるいは渦巻き状に設けることである。課題を解
決するための第8の技術的手段は、第5の解決手段に加
えて、前記プレートの内周から回転軸の主軸外径相当の
径の部分までの厚さを、外周部の厚さより薄くすること
である。
【0018】
【作用】上述した本発明の第1の技術的手段の作用は、
旋回スクロール部品の旋回鏡板の旋回駆動軸側に旋回ス
クロール部品のスラスト力を受けるスラスト軸受を配設
し、スラスト軸受の内径を回転軸の主軸外径より小さく
することにより、スラスト受面を大きくでき、加えて旋
回スクロール部品の軸方向の可動隙間の調整が容易とな
り、軸受部品の形状も簡素化できる。第2の技術的手段
の作用は、スラスト軸受に油溝を設けることによってス
ラスト受面の潤滑を良好にすることである。第3の技術
的手段の作用は、スラスト軸受の内径から回転軸の主軸
外径相当の径までの部分の厚さを、外周部の厚さより薄
くすることにより、広いスラスト受面を維持しつつ、旋
回スクロール部品と回転軸との距離を短くすることが可
能となり、旋回スクロール部品の振れ回りのモーメント
力を小さくでき、スラスト面にかかる力を低減できるこ
とである。第4の技術的手段の作用は、スラスト軸受が
軸受部品とは別部品であるため、耐摩耗性の良い焼結鉄
を使用でき、信頼性を向上できることである。第5の技
術的手段の作用は旋回スクロール部品の旋回鏡板の旋回
駆動軸側の面に対向する環状のプレートを設け、環状の
プレートの内径を回転軸の主軸外径より小さくし、旋回
スクロール部品に対する面にシール材挿入用の環状溝を
設け、シール材を挿入することにより、シール材でシー
ル材内外周の圧力分布を調整でき、かつ、環状溝の径を
自由に選択できることである。第6の技術的手段の作用
は、環状のプレートをスラスト軸受として旋回スクロー
ル部品のスラスト荷重を受けるように構成することによ
って、圧力分布調整とスラスト軸受の2つの機能を1つ
の部品で簡単に構成できることである。第7の技術的手
法の作用は、環状のプレートの旋回スクロール部品に対
向する面に油溝を設けることにより、プレートと旋回ス
クロール部品との摺動部を潤滑するとともに、シール材
によるシール部に給油できることである。第8の技術的
手法の作用は、環状のプレートの内径から回転軸の主軸
外径相当の径までの部分の厚さを、外周部の厚さより薄
くすることにより、広い平面部を維持しつつ、旋回スク
ロール部品と回転軸との距離を短くすることが可能とな
り、旋回スクロール部品の振れ回りのモーメント力を小
さくでき、スラスト面にかかる力を低減できることであ
る。
【0019】
【実施例】本発明の一実施例を、図1〜図3に示す。
【0020】図に示すように、密閉容器1の内部に圧縮
機構2とその下方に電動機の固定子3を固定し、さらに
その下方に潤滑油を溜める潤滑油溜4が設けられてい
る。密閉容器1には、密閉容器1内を駆動室5Aと圧縮
機構室5Bとに二分する大略円板形状の軸受部品6が一
体的に固定してあり、この軸受部品6には駆動室5Aと
圧縮機構室5Bとを連通する連通孔7が設けてある。さ
らに連通孔7から離反した位置には、密閉容器1に駆動
室5Aと連通する吐出管8が形成してある。電動機の固
定子3は前記のように、前記駆動室5A内において密閉
容器1に一体的に取付けてあり、回転子10は、前記軸
受部品6の中央部に垂直かつ回転自在に支承された回転
軸11に一体的に取付けてある。回転軸11の下端部
は、密閉容器1内の底部の潤滑油溜4内に没入してあ
り、回転軸11の軸心部に設けられた潤滑油吸入孔12
を通して各部に給油される。
【0021】圧縮機構部2は、前記圧縮機構室5B内に
配置されており、円板形状の固定鏡板14の上に一体に
形成した固定スクロール13を有する固定スクロール部
品15と前記固定スクロール13と噛み合って複数個の
圧縮空間17を形成する旋回スクロール18を円板形状
の旋回鏡板19の上に形成した旋回スクロール部品20
等より構成してある。
【0022】前記固定鏡板14は複数個のボルト21に
よって前記軸受部品6に密着固定してあり、前記固定鏡
板14のほぼ中央部には圧縮された高圧ガスを前記圧縮
機構室5B内に吐出する吐出ポート22が穿設してあ
る。また、前記固定スクロール13または前記固定鏡板
14と前記旋回スクロール18との接合によって形成さ
れる前記圧縮空間17の最外側に対応する位置の部分に
おいて、前記固定鏡板14にはガスを吸入するための吸
入ポート23が穿設してあり、この吸入ポート23には
吸入管24が接続してある。
【0023】前記旋回鏡板19は、一体に備えた前記旋
回スクロール18が前記固定スクロール13と複数箇所
において摺接することにより、複数箇所に前記圧縮空間
17を形成すべく前記固定鏡板14と互いに組合せてあ
る。前記旋回鏡板19の前記旋回スクロール18とは反
対側の面には旋回駆動軸25が設けてあり、前記回転軸
11の偏心駆動軸受11Eに回転自在に嵌合してある。
【0024】また、前記旋回鏡板19の前記旋回駆動軸
側の面は、前記軸受部品6とは別部品で形成した環状の
プレート26の端面に摺動自在に支承されている。前記
環状のプレート26は、前記環状のプレート26は、前
記旋回駆動軸25が運動する空間を確保できるまで前記
環状のプレート26の内径26Dを小さくできるため、
前記内径26Dを前記回転軸11の主軸外径11Aより
も小さくし、摺動面を大きく確保している。前記環状の
プレート26の外側には前記吸入室16と連通自在な低
圧室27が形成してあり、この低圧室27内には自転拘
束部品28が配設してある。前記自転拘束部品28は前
記固定鏡板14に対する前記旋回鏡板19の方向性を常
に一定に保持する作用をなすものであって、前記自転拘
束部品28の上面には径方向の上部凸条28Uが形成し
てあり、下面には上部凸条28Uに対して直行する方向
の下部凸条(図示省略)が形成してある。前記自転拘束
部品28の下部凸条は、前記低圧室27の底部に形成し
たガイド溝(図示省略)に摺動自在に係合してあり、上
部凸条28Uは前記旋回鏡板19の裏面に形成したガイ
ド溝30と摺動自在に係合してある。以上のごとき構成
において、電動機によって前記回転軸11を回転する
と、前記回転軸11の前記偏心軸受部11Eが偏心回転
することとなる。したがって、前記旋回鏡板19は前記
自転拘束部品28によって方向性を一定に保持されたま
ま旋回される。この際、前記圧縮空間17は外周側から
次第に内周側へ移動し、前記圧縮空間17を次第に縮小
する。したがって、前記圧縮空間17内のガスは圧縮さ
れて、前記吐出ポート22から前記圧縮機構室5Bへ吐
出される。前記圧縮機構室5B内へ吐出された高圧ガス
は、前記連通孔7を経て前記駆動室5Aに至り、前記吐
出管8から外部へ吐出される。前述のごとく電動機によ
って前記旋回鏡板19を旋回してガスの圧縮を行うに際
し、ガスの吸入管24を経て吸入ポート23から行われ
る。また、高圧ガスが前記密閉容器1内へ吐出されるの
で、前記密閉容器1内が高圧となり、この高圧が前記旋
回鏡板19の裏面に作用することとなる。ところが、前
記環状のプレート26によって前記旋回鏡板19の裏面
を当接支持し、前記環状のプレート26の外側を前記低
圧室27に形成してあるので、前記環状のプレート26
の内側においてのみ前記旋回鏡板19に高圧が作用する
こととなる。したがって、前記旋回鏡板19を前記固定
鏡板14側へ押圧する押圧力を小さくでき、前記環状の
プレート26の内径の大きさや前記圧縮空間17内の圧
力によっては、前記旋回鏡板19は前記固定鏡板14か
ら離反する方向の力を受けるが、その場合、前記環状の
プレートは、前述のように広いスラスト受面をもつた
め、スラスト軸受としても機能を十分果たす。
【0025】また、前記旋回スクロール部品20の軸方
向の可動隙間は、前記軸受部品6の端面から前記環状の
プレート26の端面までの深さと前記旋回鏡板19の板
厚との差で調整しているため、前記環状のプレート26
の端面が広く前記軸受部品6とは別部品ということか
ら、隙間調整が容易となり、前記軸受部品6の形状も簡
素化できる。その上、前記環状プレート26を前記軸受
部品6とは異なる材料、たとえば耐摩耗性の高い焼結鉄
を使用することもできる。
【0026】加えて、本実施例では、前記環状のプレー
ト26による内外周の高低圧のシールを確実なものに
し、前記旋回鏡板19に作用する圧力分布をほぼ固定的
に調整できるよう、前記環状のプレート26の前記旋回
鏡板19側端面にシール材31挿入用の環状溝26Aを
形成し、シール材31を挿入してある。平面部が広いの
で、前記シール材31挿入用の環状溝26Aの径を圧力
分布の調整に応じて最適に選定できる。同時に、摺動部
潤滑用に放射状の油溝26Bを形成してある。
【0027】また、本実施例では、前記環状のプレート
26を均一の厚さで形成すると、前記旋回鏡板19と前
記回転軸11の前記偏心駆動軸受11Eの距離が大きく
なり過ぎ、前記旋回スクロール部品20の振れ回りのモ
ーメントが大きくなるため、前記環状のプレート26D
の内径から前記回転軸11Aの主軸外径に相当する径の
部分までの厚さを、外周部の厚さより薄くしている。
【0028】
【発明の効果】以上のように本発明の第1の効果は、旋
回スクロール部品の旋回鏡板の旋回駆動軸側の面を支承
する環状のスラスト軸受を別部品として前記軸受部品に
配置し、前記スラスト軸受の内径を前記回転軸の主軸外
径よりも小さく構成したことにより、旋回スクロール部
品からのスラスト力を受ける面を大きくでき、摺動部の
摩耗防止や入力低減ができることである。また、スラス
ト軸受が軸受部品とは別部品であるので、旋回スクロー
ル部品の軸方向の可動隙間を容易に調整でき、旋回スク
ロール部品がこじることなく運動し、スクロール頂面か
らのガス洩れを最小に抑える隙間設定が可能となり、圧
縮機性能が向上する。さらに、軸受部品の形状も簡素化
できる。
【0029】本発明の第2の効果は、前記スラスト軸受
の旋回スクロール部品を支承する面を大きくできるた
め、この面に潤滑油を通す溝を設けることができ、これ
によって、摺動面の潤滑を良好にし、摩耗防止、入力低
減の効果がある。
【0030】本発明の第3の効果は、前記スラスト軸受
の内周から回転軸の主軸外径相当の径までの厚さを、外
周部の厚さより薄くすることによって、広いスラスト面
を維持しながら、旋回スクロール部品に回転軸を近づけ
ることができるので、旋回スクロール部品の旋回運動に
起因して回転軸を傾けようとするモーメントを小さく抑
制でき、その結果、スラスト軸受部や回転軸を支承する
軸受でのこじれが抑制され、その損傷あるいは損耗を抑
制でき、圧縮機の信頼性が向上し、さらに軸方向の全体
長が短くできることである。
【0031】本発明の第4の効果は、前記スラスト軸受
を軸受部品とは別部品で構成することにより、スラスト
軸受の材料を自由に選択できるので、耐摩耗性材料を使
用でき、信頼性を向上できることである。
【0032】本発明の第5の効果は、旋回スクロール部
品の前記旋回鏡板の前記旋回駆動軸側の面を支承する環
状のプレートを別部品として前記軸受部品に配置し、前
記プレートの内径を前記回転軸の主軸外径よりも小さく
構成し、かつ、前記旋回スクロール部品に対向する面に
シール材挿入用の環状溝を設け、シール材を挿入する構
成であるので、シール材の挿入位置により、旋回鏡板背
面に作用する高低圧力域の面積を調整でき、旋回スクロ
ール部品に対向する面が広いので、広範囲にシール材の
挿入位置を選択できる。よって、旋回鏡板に作用するス
ラスト力(各方向から作用する軸方向ガス圧力の合力を
最適に調整できるので、摺動部の摩耗防止や入力低減で
きることである。
【0033】本発明の第6の効果は、前記環状のプレー
トをスラスト軸受として構成することにより、第5の効
果に加えて、スラスト面を広くとれるので、摺動部の摩
耗低減や入力低減が可能となることである。
【0034】本発明の第7の効果は、前記環状のプレー
トの旋回スクロール部品に対向する面に溝を設けること
によって、シール材によるシール性を向上することがで
き、旋回スクロール部品に作用する高低圧力域を確実な
ものにできるとともに、摺動面の潤滑を良好な状態にす
ることができるもので、摩耗防止、入力低減の効果があ
る。
【0035】本発明の第8の効果は、前記環状のプレー
トの内周から回転軸の主軸外径相当の径までの厚さを、
外周部の厚さより薄くすることによって、広いシール材
挿入面を維持しながら、旋回スクロール部品に回転軸を
近づけることができるので、旋回スクロール部品の旋回
運動に起因して回転軸を傾けようとするモーメントを小
さく抑制でき、その結果スラスト軸受部や回転軸を支承
する軸受でのこじれが抑制され、その損傷あるいは損耗
を抑制でき、圧縮機の信頼性が向上し、軸方向の全体長
が短くできるので、圧縮機が小型化できることである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるスクロール圧縮機の一実施例の
断面図
【図2】本発明にかかる環状のプレートの一実施例の分
解斜視断面図
【図3】本発明にかかる環状のプレートの別の一実施例
の斜視図
【図4】従来のスクロール圧縮機の断面図
【符号の説明】
1 密閉容器 6 軸受部品 11 回転軸 15 固定スクロール部品 19 旋回鏡板 20 旋回スクロール部品 26 環状のプレート 26A 環状溝 26B 放射状の油溝 26C 渦巻き状の油溝 27 低圧室 31 シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 村松 繁 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F04C 18/02 311 F04C 29/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】密閉容器の内部に電動機と、この電動機で
    駆動する圧縮機構を配設し、前記圧縮機構を固定鏡板と
    一体に固定または形成した固定スクロールを有する固定
    スクロール部品と、前記固定スクロールと噛み合い、複
    数個の圧縮空間を形成する旋回スクロールを旋回鏡板の
    上に固定または形成した旋回スクロール部品と、前記旋
    回スクロール部品の自転を拘束する自転拘束部品と、前
    記旋回スクロール部品を偏心旋回駆動する回転軸と、
    記回転軸の一端に、前記旋回鏡板の旋回スクロールとは
    反対側に形成した旋回駆動軸を支承する偏心軸受を内側
    に嵌入した主軸を形成し、前記主軸を支承する軸受部品
    とを含んで構成し、前記旋回スクロール部品の前記旋回
    鏡板の前記旋回駆動軸側の面を支承する環状のスラスト
    軸受を別部品として前記軸受部品に配置し、前記スラス
    ト軸受の内径を前記回転軸の主軸外径よりも小さく構成
    してなるスクロール圧縮機。
  2. 【請求項2】スラスト軸受の旋回スクロール部品を支承
    する面に、内周側あるいは外周側とのみ連通する溝また
    は、内周側と外周側を連通する溝を放射状あるいは渦巻
    き状に設けてなる請求項1記載のスクロール圧縮機。
  3. 【請求項3】スラスト軸受の内周から回転軸の主軸外径
    相当の径の部分までの厚さを、外周部の厚さより薄くし
    てなる請求項1記載のスクロール圧縮機。
  4. 【請求項4】スラスト軸受を焼結鉄にて構成してなる請
    求項1記載のスクロール圧縮機。
  5. 【請求項5】密閉容器の内部に電動機と、この電動機で
    駆動する圧縮機構を配設し、前記圧縮機構を固定鏡板と
    一体に固定または形成した固定スクロールを有する固定
    スクロール部品と、前記固定スクロールと噛み合い、複
    数個の圧縮空間を形成する旋回スクロールを旋回鏡板の
    上に固定または形成した旋回スクロール部品と、前記旋
    回スクロール部品の自転を拘束する自転拘束部品と、前
    記旋回スクロール部品を偏心旋回駆動する回転軸と、
    記回転軸の一端に、前記旋回鏡板の旋回スクロールとは
    反対側に形成した旋回駆動軸を支承する偏心軸受を内側
    に嵌入した主軸を形成し、前記主軸を支承する軸受部品
    とを含んで構成し、前記旋回スクロール部品の前記旋回
    鏡板の前記旋回駆動軸側の面を支承する環状のプレート
    を別部品として前記軸受部品に配置し、前記プレートの
    内径を前記回転軸の主軸外径よりも小さく構成し、か
    つ、前記旋回スクロール部品に対向する面にシール材挿
    入用の環状溝を設け、その環状溝にシール材を挿入して
    なるスクロール圧縮機。
  6. 【請求項6】プレートをスラスト軸受として旋回スクロ
    ール部品のスラスト荷重を受けるように構成してなる請
    求項5記載のスクロール圧縮機。
  7. 【請求項7】プレートの旋回スクロール部品に対向する
    面に、内周側あるいは外周側とのみ連通する溝を放射状
    あるいは渦巻き状に設けてなる請求項5記載のスクロー
    ル圧縮機。
  8. 【請求項8】プレートの内周から回転軸の主軸外径相当
    の径の部分までの厚さを、外周部の厚さより薄くしてな
    る請求項5記載のスクロール圧縮機。
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