JP4961178B2 - 密閉型スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍用、空調用などに用いられる密閉型スクロール圧縮機に係り、特に、密閉型スクロール圧縮機の冷却効率(COP)を向上させるための技術に関する。
近年、圧縮容器の内部に固定スクロールと揺動スクロールとを有する圧縮要素と、この揺動スクロールを旋回駆動させる電動要素とを配置した密閉型スクロール圧縮機が知られている。この種のスクロール圧縮機では、両スクロール間の冷媒の漏れを抑制するために、揺動スクロールの背面側にスラストリングを配置し、このスラストリングの支持部材に、当該スラストリングを収容するリング溝を設け、スラストリングの内周縁および外周縁にそれぞれシール部材を設け、スラストリングの背面側に圧縮過程の冷媒を導入することにより、このスラストリングを介して、揺動スクロールを固定スクロールに押し当てる構成を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
米国特許第6146119号
ところで、上記構成では、スラストリングの内周縁および外周縁にそれぞれ配置されたシール部材を介して、スラストリングと支持部材のリング溝との気密性を確保しているが、一般に、シール部材を介して気密性を確保する場合、スラストリングの内周縁および外周縁と、リング溝の内壁および外壁との間には、それぞれシール部材を潰して介装するだけの隙間を設ける必要がある。
このため、この隙間の分、スラストリングとリング溝との間には、がたが生じることにより、スラストリングがリング溝内で傾き、揺動スクロールに一様の押し付け力が作用しない。従って、揺動スクロールと固定スクロールとの間の圧縮空間から冷媒が漏れ、密閉型スクロール圧縮機の冷却効率の低下を招くといった問題があった。
そこで、本発明は、上述した課題を解決し、冷却効率の向上を図った密閉型スクロール圧縮機を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、圧縮容器内に、固定スクロールおよび揺動スクロールを有した圧縮要素と、前記揺動スクロールを旋回駆動する電動要素とを備え、一方のスクロールを他方のスクロールに向けて軸方向に移動自在に支持し、移動自在なスクロールの背面にスラストリングを設け、前記圧縮要素の駆動時には、前記スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、一方のスクロールを他方のスクロールに押し付ける機能を備えた密閉型スクロール圧縮機において、前記スラストリングの支持部材に、このスラストリングを受け入れるリング溝を設け、前記スラストリングの内周縁および外周縁にそれぞれシール部材を設け、前記リング溝に、前記スラストリングの内周縁もしくは外周縁の少なくとも一方とインロー嵌合し、当該スラストリングを当該リング溝内で摺動自在に案内するガイド部を設け、前記両スクロール間における中間圧の圧縮空間と、前記スラストリングの背面空間とを連通する連通孔を備え、前記連通孔は、前記一方のスクロールに形成され、前記圧縮空間と当該一方のスクロールの背面に設けられた第1開口とを連通する第1連通孔と、前記スラストリングに形成され、前記第1開口に連なる第2開口と前記背面空間とを連通する第2連通孔とを備え、前記第2開口は、前記一方のスクロールが旋回する際に、前記第1開口の旋回軌跡を含む大きさに形成され、前記スラストリングは、前記第2開口の周囲に気密部材を備えることを特徴とする。
また、前記スラストリングを前記リング溝に配置した場合、このリング溝は、前記ガイド部の上方に前記シール部材と当接するシール部を備える構成としても良い。また、前記揺動スクロールを前記固定スクロールに対して旋回させるオルダムリングを備え、このオルダムリングが当該揺動スクロールの旋回に伴い、前記固定スクロールと前記メインフレームとの間に形成された摺動スペース内を摺動する場合、前記スラストリングの外周面の一部が当該摺動スペースの内壁を形成する構成としても良い。また、前記スラストリングの内周縁に設けられた内側シール部材は、外周縁に設けられた外側シール部材よりも高い位置に配置されている構成としても良い。また、前記スラストリングは、鉄系の焼結部材によって形成されている構成としても良い。
本発明によれば、リング溝内におけるラストリングの傾きを防止することにより、このスラストリングを介して、一方のスクロールを他方のスクロールに押し付ける際に、当該一方のスクロールの傾きを抑制することができる。従って、一方のスクロールと他方のスクロールとが密着することにより、各スクロール間の冷媒漏れが抑制され、ひいては冷却効率の向上を図ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳述する。図1は、本実施形態にかかる密閉型スクロール圧縮機100の構成を示す縦断面図である。この密閉型スクロール圧縮機100は、図1に示すように、上下方向に沿って延びる円筒状に形成された圧縮容器10を備え、この圧縮容器10内の上部には、当該圧縮容器10内を上下に仕切る仕切板11が設けられている。圧縮容器10の内部は、この仕切板11の上方が高圧側空間12となり、当該仕切板11の下方が低圧側空間13となっている。
この低圧側空間13には、冷媒を圧縮する圧縮要素14と、この圧縮要素14を駆動する電動要素15とが配置され、低圧側空間13の底部は、上記圧縮要素14等を潤滑する潤滑油が貯留される油溜まり16となっている。また、圧縮容器10には、低圧側空間13に冷媒を導入する冷媒吸込管17と、圧縮要素14にて圧縮された冷媒を高圧側空間12を介して機外に吐出する冷媒吐出管18とが形成されている。
圧縮要素14は、固定スクロール19と揺動スクロール20とを備え、これら固定スクロール19および揺動スクロール20の各ラップ32、39(後述する)を相互に噛み合わせて内部に複数の圧縮空間21を形成している。固定スクロール19は、円板状の鏡板31と、この鏡板31の下面に立設された渦巻状のラップ32と、このラップ32の周囲を取り囲むように立設した周壁33と、この周壁33の周囲に設けられたフランジ34とを備え、鏡板31の略中心部に吐出ポート35が形成されている。本構成では、固定スクロール19の鏡板31は、上記鏡板31の上面側に突出するとともに、上記吐出ポート35を有する円柱形状の突出部36を備える。この突出部36は、上記仕切板11に形成された保持孔37に嵌合し、当該突出部36の上面36Aが高圧側空間12に臨むようになっている。この突出部36の上面36Aには、上記吐出ポート35に連なる吐出バルブ75と、この吐出バルブ75の隣接する複数のリリースバルブ76とが配置されている。このリリースバルブ76は、圧縮過程の冷媒圧力が吐出ポート35に至る以前に、吐出圧力に達した場合に、当該リリースバルブ76を開弁して、圧縮空間21内の冷媒圧力の過圧縮を防止するためのものである。このリリースバルブ76は、リリースポート77を介して、圧縮過程の圧縮空間21と連通している。また、揺動スクロール20は、円板状の鏡板38と、この鏡板38の上面に立設し、上記固定スクロール19のラップ32と同一形状に形成されたラップ39とを備え、上記鏡板38の下面略中央には円筒状のボス40が形成されている。
固定スクロール19および揺動スクロール20の下方には、これら固定スクロール19および揺動スクロール20を支持するメインフレーム22が設けられている。このメインフレーム22には、その略中央に上記揺動スクロール20を旋回駆動する回転軸23を軸支する軸受部41と、当該揺動スクロール20のボス40が収容されるボス収容部42とが形成されている。回転軸23の上端には、この回転軸23に対して偏心した偏心軸23Aが形成され、この偏心軸23Aは、スイングリング43および旋回軸受49を介して、上記ボス40に旋回駆動が可能なように挿入されている。
また、固定スクロール19は、この固定スクロール19のフランジ34が複数本のボルト24を介してメインフレーム22に固定され、揺動スクロール20は、オルダムリング25を介してメインフレーム22に支持されている。このオルダムリング25は、揺動スクロール20を固定スクロール19に対して旋回させるものであり、180度対称の位置で上方に突出して形成されたオルダムキー25A、25Aを備える。これらオルダムキー25A、25Aは、固定スクロール19の下面に形成されたキー溝19Aに摺動自在に係合する。揺動スクロール20が旋回運動する場合、オルダムリング25は、この旋回に伴い、固定スクロール19とメインフレーム22との間に形成された摺動スペース80内を上記オルダムキー25Aの延出方向に沿って摺動する。
電動要素15は、圧縮容器10に固定されたステータ26と、このステータ26の内側に配置されたロータ27とを備え、このロータ27に上記回転軸23が固定される。この回転軸23の下端部23Bは、圧縮容器10の底部に配置された軸受28に軸支されている。本構成では、圧縮要素14および回転軸23の軸受28、41、49等に潤滑油を供給するため、回転軸23の内部には潤滑油が通過する油路44が形成されている。この油路44は、回転軸23の下端に潤滑油の吸込口45と、この吸込口45の上部に形成されたパドル46とを備え、回転軸23の軸方向に沿って形成されている。また、この油路44は各軸受に相当する位置に潤滑油を給油する給油口47を備える。
回転軸23が回転すると、油溜まり16に溜まった潤滑油は、この回転軸23の吸込口45から油路44に入り、この油路44のパドル46に沿って上方に汲み上げられる。そして、この汲み上げられた潤滑油は、各給油口47を通じて各軸受28、41、49を潤滑する。また、ボス収容部42まで汲み上げられた潤滑油は、メインフレーム22に形成された返送管48を通じて当該メインフレーム22の外周部に導かれ、この外周部に形成された排出口48Aから排出されることにより、再び油溜まり16に戻される。
図2は圧縮要素14周辺の拡大図である。メインフレーム(支持部材)22の上面には、図2に示すように、上記ボス収容部42の周囲に環状のリング溝51が形成され、このリング溝51には、鉄系の焼結部材にて形成されたスラストリング52が配置されている。このスラストリング52は、揺動スクロール20の鏡板38を支持し、この揺動スクロール20の旋回時における当該揺動スクロール20とメインフレーム22との摺動抵抗を軽減させるためのものである。このスラストリング52の下面には、位置決めピン53が突設され、この位置決めピン53はリング溝51に設けられた係合穴54に挿入されている。このため、揺動スクロール20がスラストリング52上を旋回した場合であっても、スラストリング52は、位置決めピン53により、当該スラストリング52の回転が阻止された状態でメインフレーム22に位置決めされる。
また、本構成では、揺動スクロール(一方のスクロール)20は、固定スクロール(他方のスクロール)19に向けて軸方向に移動自在に支持されており、上記圧縮要素14の駆動時に、スラストリング52の下面(背面)に当該圧縮要素14による圧縮過程の冷媒を導入することにより、当該スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に押し付け可能な構成となっている。
具体的には、スラストリング52とメインフレーム22との間には、上記圧縮過程の冷媒が導入される背面空間55が形成され、スラストリング52の内周縁および外周縁には、背面空間55の気密性を確保するために、それぞれOリング(シール部材)56、57が配置されている。また、揺動スクロール20およびスラストリング52には、上記圧縮空間21と背面空間55とを連通する連通孔58が設けられている。この連通孔58は、揺動スクロール20に形成された第1連通孔59と、スラストリング52に形成された第2連通孔60とを備えて構成されている。
第1連通孔59は、揺動スクロール20の鏡板38の半径方向に延出するように形成され、この鏡板38の上面(ラップ面)に形成された上面口59Aと、当該鏡板38の下面(背面)に設けられた下面口59B(第1開口)とを備える。この上面口59Aは、中間圧力の圧縮空間21に連通する位置に設けられ、この中間圧力は吸込圧力により近い値に設定されている。より具体的には、上面口59Aは、例えば、吸込圧力を5kg/cm2、吐出圧力を30kg/cm2とした場合、導入する中間圧力が10〜15kg/cm2となる圧縮空間21に連通する位置に設けられている。本構成では、背面空間55に吸込圧力に近い値の中間圧力の冷媒を導入することができるため、スラストリング52を比較的弱い力で押圧することができる。これによれば、圧縮空間21の冷媒圧力に変動が生じた場合であっても、この圧力変動に伴う押圧力の変動を抑制することができ、スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に安定して押し付けることができる。
一方、第2連通孔60は、スラストリング52を上下方向に貫通する貫通孔であり、このスラストリング52の上面に形成された上面口(第2開口)60Aと、当該スラストリング52の下面に形成され、上記背面空間55に連通した下面口60Bとを備える。本構成では、揺動スクロール20が旋回駆動する際に、この揺動スクロール20に形成された第1連通孔59の下面口59Bが、スラストリング52に形成された第2連通孔60の上面口60Aと常時連通するように、この第2連通孔60の上面口60Aは、上記下面口59Bの旋回軌跡を含む位置、大きさに形成されている。これによれば、圧縮要素14の駆動時に、圧縮空間21の中間圧力を背面空間55に常時導入できることにより、スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に安定して押し付けることができる。また、万一、圧縮空間21内に塵埃等が生じ、この塵埃等が冷媒とともに、第1連通孔59に導入された場合であっても、この第1連通孔59の下面口59Bは、第2連通孔60の上面口60Aの内側に存在するため、上記塵埃等がスラストリング52と揺動スクロール20との摺動面内に侵入することはない。このため、揺動スクロール20の旋回時における当該揺動スクロール20とスラストリング52との摺動抵抗の増加、もしくは、上記塵埃等に基づく上記摺動面の損傷を防止できる。
また、スラストリング52の上面には、図3に示すように、第2連通孔60の上面口60Aに環状の溝61が形成され、この溝に気密部材62(図2)が配置されている。この気密部材62は、圧縮空間21から第1連通孔59に流入した冷媒が、スラストリング52と揺動スクロール20との摺動面を通じて、背面空間55以外の他の空間(例えば、ボス収容部42)へ流出することを防止するものである。
これによれば、揺動スクロール20の旋回時に、この揺動スクロール16を反転させようとする力が生じた場合であっても、上記気密部材62により、圧縮空間21から第1連通孔59に流入した冷媒が、スラストリング52と揺動スクロール20との摺動面を通じて、ボス収容部42に流入することを防止される。従って、ボス収容部42に流入した中間圧力の冷媒が油路44に流れ込むことにより、潤滑油の供給が阻害されることが防止される。
また、スラストリング52の上面には、図3に示すように、潤滑油が流れる油溝63が設けられている。この油溝63は、スラストリング52の内周縁と外周縁とを連通するものであり、このスラストリング52の内周縁に連通し、当該スラストリング52の半径方向に延びる第1油溝63Aと、この第1油溝63Aに連なり、上記スラストリング52の周方向に延びる第2油溝63Bと、この第2油溝63Bと上記スラストリング52の外周縁とを連結し、当該スラストリング52の半径方向に延びる第3油溝63Cとを備えて構成されている。ボス収容部42に溜まった潤滑油は、スラストリング52の内周縁から第1油溝63Aを介して第2油溝63Bを流れ込み、揺動スクロール20の旋回動作によってスラストリング52の上面に広がることにより、このスラストリング52と揺動スクロール20との摺動面の潤滑が実行される。また、第2油溝63Bを流れる潤滑油は、第3油溝63Cを流れてスラストリング52の外周縁に至り、この外周縁に至った潤滑油は、圧縮要素14に吸い込まれる冷媒とともに、圧縮要素14内に供給され、各スクロール19、20間の潤滑を実行する。
上述したようにスラストリング52の内周縁および外周縁には、それぞれOリング56、57が設けられ、このOリング56、57を介して、スラストリング52とメインフレーム22のリング溝51との気密性が確保されている。本実施形態では、スラストリング52の内周縁に設けられたOリング(内側シール部材)56は、外周縁に設けられたOリング(外側シール部材)57よりも高い位置に配置されている。具体的には、図4に示すように、スラストリング52の内周縁に下段部65と、この下段部65よりも内方に突出した上段部66とを形成し、この上段部66にOリング56を配置している。これに対して、スラストリング52の外周縁では、この外周縁の下部81にOリング57を配置している。更に、この外周縁の上部82は、図2に示すように、リング溝51から上方に突出するように構成され、この上部82が上記オルダムリング25の摺動スペース80の内壁として機能する。
このように、スラストリング52の内周縁に設けたOリング56を、外周縁に設けたOリング57よりも高い位置に配置することにより、この外周縁の上部82をオルダムリング25の摺動スペース80の内壁として利用することができ、スペースの有効活用を図ることにより、装置の小型化を図ることができる。
ところで、一般に、Oリングを介して気密性を確保する場合、スラストリングの内周縁および外周縁と、リング溝の内壁および外壁との間には、それぞれOリングを潰して介装するだけの隙間を設ける必要がある。これによれば、この隙間の分、スラストリングとリング溝との間には、がたが生じることにより、スラストリングがリング溝内で傾くため、揺動スクロールに一様の押し付け力が作用しない。このため、揺動スクロールが傾くことにより、この揺動スクロールと固定スクロールとの間の圧縮空間から冷媒が漏れ、密閉型スクロール圧縮機の冷却効率の低下を招くことが考えられる。
これを防止するため、本実施形態では、メインフレーム22のリング溝51にスラストリング52を配置した場合、このリング溝51の内壁には、図5に示すように、スラストリング52の内周縁の上段部66にOリング56を介して対向するシール面(シール部)70と、当該スラストリング52の下段部65とインロー(例えば、すきま嵌め)に嵌合するガイド面(ガイド部)71とが形成されている。
スラストリング52の内周縁の上段部66と、リング溝51の内壁のシール面70との間には、長さtの隙間が形成されており、この隙間に上記Oリング56が介装されている。一方、スラストリング52の内周縁の下段部65は、リング溝51の内壁のガイド面71にインローに嵌合し、当該スラストリング52は、ガイド面71に沿って上記リング溝51内を摺動自在に案内されるようになっている。本構成では、スラストリング52の内周縁の下段部65には、図3および図4に示すように、この下段部65の上下方向に延びる通気溝67が形成され、背面空間55に導入された冷媒はこの通気溝67を通じて、Oリング56の下方の空間に至る。
このように、スラストリング52の内周縁の下段部65は、リング溝51の内壁のガイド面71にインローに嵌合しているため、これら下段部65とガイド面71との間に、がたが生じることはない。従って、背面空間55に冷媒を導入させて、スラストリング52をリング溝51のガイド面71に沿って上下方向に摺動することにより、このスラストリング52がリング溝51内で傾くことが防止される。このため、このスラストリング52を介して揺動スクロール20に一様な押し付け力を作用させることにより、この揺動スクロール20の傾きが防止されるため、これら揺動スクロール20と固定スクロール19とが密接する。このため、揺動スクロール20と固定スクロール19間に形成される圧縮空間21からの冷媒漏れが抑制されることにより、密閉型スクロール圧縮機100の冷却効率の向上を図ることができる。
ここで、スラストリングを傾かせることなく、ガイド溝に沿って摺動させる構成として、ガイド溝にガイドピンを立設し、このガイドピンをスラストリングに貫通させる構成が考えられる。しかしながら、この構成では、立設するガイドピンの位置精度が要求されるため、加工が困難になるといった問題がある。これに対して、本構成では、リング溝51の内壁の下段部65は、スラストリング52の内周縁とインロー嵌合する精度を備えていれば良い。特に、周面加工においては、高い加工精度を発揮することが比較的容易であるため、ガイドピンを立設するものに比べて、容易に加工することができるといった効果を奏する。
以上、説明したように、本実施形態によれば、圧縮容器10内に、固定スクロール19および揺動スクロール20を有した圧縮要素14と、揺動スクロール20を旋回駆動する電動要素15とを備え、揺動スクロール20を固定スクロール19に向けて軸方向に移動自在に支持し、揺動スクロール20の背面にスラストリング52を設け、圧縮要素14の駆動時には、スラストリング52の背面空間55に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に押し付ける機能を備えた密閉型スクロール圧縮機100において、メインフレーム22に、スラストリング52を受け入れるリング溝51を設け、スラストリング52の内周縁および外周縁にそれぞれOリング56、57を設け、リング溝51に、スラストリング52の内周縁の下段部65とインロー嵌合し、当該スラストリング52を当該リング溝51内で摺動自在に案内するガイド71面を設けたため、これら下段部65とガイド面71との間に、がたが生じることはない。
従って、背面空間55に冷媒を導入させて、スラストリング52をリング溝51のガイド面71に沿って上下方向に摺動することにより、このスラストリング52がリング溝51内で傾くことが防止される。このため、このスラストリング52を介して揺動スクロール20に一様な押し付け力を作用させることにより、この揺動スクロール20の傾きが防止されるため、これら揺動スクロール20と固定スクロール19とが密接する。このため、揺動スクロール20と固定スクロール19間に形成される圧縮空間21からの冷媒漏れが抑制されることにより、密閉型スクロール圧縮機100の冷却効率の向上を図ることができる。
また、本実施形態によれば、両スクロール19間における中間圧の圧縮空間21と、スラストリング52の背面空間55とを連通する連通孔58を備えるため、この背面空間55に中間圧力の冷媒を導入することができ、スラストリング52を比較的弱い力で押圧することができる。これによれば、圧縮空間21の冷媒圧力に変動が生じた場合であっても、この圧力変動に伴う押圧力の変動を抑制することができ、スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に安定して押し付けることができる。
また、本実施形態によれば、連通孔58は、揺動スクロール20に形成され、圧縮空間21と当該揺動スクロール20の背面に設けられた下面口59Bとを連通する第1連通孔59と、スラストリング52に形成され、上記下面口59Bに連なる上面口60Aと背面空間55とを連通する第2連通孔60とを備え、上記上面口60Aは、揺動スクロール20が旋回する際に、上記下面口59Bの旋回軌跡を含む大きさに形成されているため、圧縮要素14の駆動時に、圧縮空間21の中間圧力を背面空間55に常時導入できることにより、スラストリング52を介して、揺動スクロール20を固定スクロール19に安定して押し付けることができる。また、万一、圧縮空間21内に塵埃等が生じ、この塵埃等が冷媒とともに、第1連通孔59に導入された場合であっても、この第1連通孔59の下面口59Bは、第2連通孔60の上面口60Aの内側に存在するため、上記塵埃等がスラストリング52と揺動スクロール20との摺動面内に侵入することはない。このため、揺動スクロール20の旋回時における当該揺動スクロール20とスラストリング52との摺動抵抗の増加、もしくは、上記塵埃等に基づく上記摺動面の損傷を防止できる。
また、本実施形態では、スラストリング52は、第2連通孔60の上面口60Aの周囲に気密部材62を配置したため、揺動スクロール20の旋回時に、この揺動スクロール20を反転させようとする力が生じた場合であっても、上記気密部材62により、圧縮空間21から第1連通孔59に流入した冷媒が、スラストリング52と揺動スクロール20との摺動面を通じて、ボス収容部42に流入することを防止される。従って、ボス収容部42に流入した中間圧力の冷媒が油路44に流れ込むことにより、潤滑油の供給が阻害されることが防止される。
また、本実施形態によれば、スラストリング52をリング溝51に配置した場合、このリング溝51は、ガイド面71の上方にOリング56と当接するシール面70を備えるため、スラストリング52とリング溝51との気密性を十分に確保するとともに、スラストリング52を安定して上下方向に動作させることができる。また、本実施形態では、スラストリング52は、鉄系の焼結部材で形成されているため、無垢の鉄系材料を切削加工するものに比べて加工が容易となる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものでない。例えば、本実施形態では、メインフレーム22のリング溝51の内壁にガイド面71を形成し、このガイド面71にスラストリング52の内周縁の下段部65をインローに嵌合する構成について説明したが、スラストリングをリング溝内で摺動させるものであれば、このガイド面をリング溝の外壁に形成しても良い。この場合、リング溝の外壁をガイド面として利用することにより、このリング溝の内壁側に切削加工を施す必要がなく、ボス収容部の近傍におけるメインフレームの高い剛性を確保することができる。また、ガイド面をリング溝の内壁および外壁に形成する構成としても良い。
また、上記実施形態では、リング溝51に形成されたガイド面71と、このガイド面71の上方に形成されたシール面70とを異なる面に形成する構成について説明したが、これに限るものではなく、図6に示すように、これらガイド面71Aおよびシール面70Aを同一面上に形成する構成としても良い。この図6において、上記した実施形態と同様の機能を有する部材には、同様の符号を付して説明を省略する。
この構成では、リング溝51の内壁の上部側がシール面70Aとして機能し、当該内壁の下部側がガイド面71Aとして機能する。一方、スラストリング52Aでは、このスラストリング52Aの内周縁の上段部66Aを下段部65Aよりも僅かに内側に設け、この上段部66AにOリングを配置している。この構成によれば、リング溝51Aの加工が容易となり、より精度の高いガイド面71Aを形成することが可能となる。
また、図7に示すように、リング溝51Bの内壁にシール面70Bの上下にガイド面71B、71Bを設け、これらシール面70Bおよびガイド面71B、71Bを同一面に配置する構成としても良い。この場合、スラストリング52Bは、内周縁の高さ方向の中央部66Bが上段部65Bおよび下段部65Cに比べて凹んだ状態に形成されており、この中央部66BにOリング56が配置されている。
この構成では、上記と同様に、リング溝51Bの加工が容易となり、より精度の高いガイド面71Bを形成することが可能となる。これに加えて、これらガイド面71Bに沿ってスラストリング52Bの内周縁の上段部65Bおよび下段部65Cを案内するため、リング溝51B内におけるスラストリング52Bの上下方向に安定して動作させることができる。
また、本実施形態では、揺動スクロール20を固定スクロール19に向けて軸方向に移動自在に支持する構成について説明したが、これに限るものではなく、固定スクロールを揺動スクロールに向けて軸方向に移動自在に支持する構成としても良い。この場合、図示は省略したが、固定スクロールの背面側に配置されるスラストリングは、仕切板に支持され、この仕切板が支持部材として機能する。
本発明の実施の形態に係る密閉型スクロール圧縮機の縦断面図である。 圧縮要素周辺の拡大図である。 スラストリングの上面図である。 スラストリングのA−A断面図である。 スラストリングとメインフレームとの係合状態を示す断面図である。 スラストリングとメインフレームとの係合状態の変形例を示す断面図である。 スラストリングとメインフレームとの係合状態の他の変形例を示す断面図である。
符号の説明
10 圧縮容器
14 圧縮要素
15 電動要素
19 固定スクロール(他方のスクロール)
20 揺動スクロール(一方のスクロール)
21 圧縮空間
22 メインフレーム(支持部材)
51 リング溝
55 背面空間
56 Oリング(シール部材、内側シール部材)
57 Oリング(シール部材、外側シール部材)
58 連通孔
59 第1連通孔
59B 下面口(第1開口)
60 第2連通孔
60A 上面口(第2開口)
62 気密部材
70、70A、70B シール面(シール部)
71、71A、71B ガイド面(ガイド部)
80 摺動スペース
100 密閉型スクロール圧縮機

Claims (5)

  1. 圧縮容器内に、固定スクロールおよび揺動スクロールを有した圧縮要素と、前記揺動スクロールを旋回駆動する電動要素とを備え、一方のスクロールを他方のスクロールに向けて軸方向に移動自在に支持し、移動自在なスクロールの背面にスラストリングを設け、前記圧縮要素の駆動時には、前記スラストリングの背面空間に圧縮過程の冷媒を導入し、当該スラストリングを介して、一方のスクロールを他方のスクロールに押し付ける機能を備えた密閉型スクロール圧縮機において、
    前記スラストリングの支持部材に、このスラストリングを受け入れるリング溝を設け、前記スラストリングの内周縁および外周縁にそれぞれシール部材を設け、前記リング溝に、前記スラストリングの内周縁もしくは外周縁の少なくとも一方とインロー嵌合し、当該スラストリングを当該リング溝内で摺動自在に案内するガイド部を設け、前記両スクロール間における中間圧の圧縮空間と、前記スラストリングの背面空間とを連通する連通孔を備え、前記連通孔は、前記一方のスクロールに形成され、前記圧縮空間と当該一方のスクロールの背面に設けられた第1開口とを連通する第1連通孔と、前記スラストリングに形成され、前記第1開口に連なる第2開口と前記背面空間とを連通する第2連通孔とを備え、前記第2開口は、前記一方のスクロールが旋回する際に、前記第1開口の旋回軌跡を含む大きさに形成され、前記スラストリングは、前記第2開口の周囲に気密部材を備えることを特徴とする密閉型スクロール圧縮機。
  2. 前記スラストリングを前記リング溝に配置した場合、このリング溝は、前記ガイド部の上方に前記シール部材と当接するシール部を備えることを特徴とする請求項1にいずれかに記載の密閉型スクロール圧縮機。
  3. 前記揺動スクロールを前記固定スクロールに対して旋回させるオルダムリングを備え、このオルダムリングが当該揺動スクロールの旋回に伴い、前記固定スクロールと前記メインフレームとの間に形成された摺動スペース内を摺動する場合、前記スラストリングの外周面の一部が当該摺動スペースの内壁を形成することを特徴とする請求項1または2に記載の密閉型スクロール圧縮機。
  4. 前記スラストリングの内周縁に設けられた内側シール部材は、外周縁に設けられた外側シール部材よりも高い位置に配置されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の密閉型スクロール圧縮機。
  5. 前記スラストリングは、鉄系の焼結部材によって形成されていることを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の密閉型スクロール圧縮機。
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