JP2967852B2 - 電子放出素子、電子線発生装置及び画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子、電子線発生装置及び画像形成装置

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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

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  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は表面伝導型電子放出素
子、電子放出素子を用いた電子線発生装置および画像形
成装置に関するもである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極電子源の2種類が知られている。冷陰極電子源には
電界放出型(以下FEと略す)、金属/絶縁層/金属型
(以下MIMと略す)や表面伝導型電子放出素子(以下
SCEと略す)等がある。
【0003】FE型の例としては、W.P.Dyke&
W.W.Dolan,“Fieldemissio
n”,Advance in Electron Ph
ysics、8、89(1956)およびC.A.Sp
indt、“Physicalproperties
of thin film−field emissi
on cathodes with molybden
um cones”、J.Appl.Phys.、4
7、5248(1976)等が知られている。
【0004】MIM型の例としては、C.A.Mea
d、“The tunnel−emission am
plifier、J.Appl.Phys.、32、6
46(1961)等が知られている。
【0005】SCE型の例としては、M.I.Elin
son、Radio Eng. Electron P
ys.、10(1965)等がある。
【0006】SCEは基板上に形成された小面積の薄膜
に、膜面に平行に電流を流すことにより、電子放出が生
ずる現象を利用するものである。
【0007】この表面伝導型電子放出素子(SCE)と
しては、前記エリンソン等によるSnO2 薄膜を用いた
もの、Au薄膜によるもの[G.Dittmer:“T
hin Solid Films”、9、317(19
72)]、In23 /SnO2 薄膜によるもの[M.
Hartwell and C.G.Fonstad:
“IEEE Trans.ED Conf.”、519
(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等
が報告されている。
【0008】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成として前述のM.ハートウェル(M.Har
twell)の素子構成を図12に示す。同図において
1は基板である。5は電子放出部を含む薄膜であり、ス
パッタで形成されたH型形状の金属酸化物薄膜等からな
り、後述のフォーミングと呼ばれる通電処理により電子
放出部4が形成されている。また、図中の素子の長さL
はおよそ0.5mm〜1mm、素子の幅Wは約0.1m
mである。なお、2,3は素子電極である。
【0009】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に電子放出部形成薄膜を予
めフォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部
4を形成するのが一般的であった。即ち、フォーミング
とは、前記電子放出部形成用薄膜の両端に電圧を印加通
電し、電子放出部形成用薄膜を局所的に破壊、変形もし
くは変質せしめ、電気的に高抵抗な状態にした電子放出
部4を形成することである。尚、電子放出部4は電子放
出部形成用薄膜の一部に亀裂が発生し、その亀裂付近か
ら電子放出が行なわれる場合もある。以下、フォーミン
グにより形成した電子放出部を含む電子放出部形成用薄
膜を電子放出部を含む薄膜5と呼ぶ。
【0010】前記フォーミング処理をした表面伝導型電
子放出素子は上述の電子放出部を含む薄膜5に電圧を印
加し、素子表面に電流を流すことにより、上述の電子放
出部4より電子を放出せしめるものである。
【0011】また、本発明者らは特開平4−28139
号公報において、素子電極間に微粒子膜を配置し、これ
に通電処理を施すことにより電子を放出せしめる電子放
出部を形成した新規な表面伝導形電子放出素子を技術開
示した。
【0012】この電子放出素子は、(1)高い電子放出
効率が得られる、(2)構造が簡単であるため、製造が
容易である、(3)同一基板上に多数の素子を配列形成
できる、等の利点を有する素子である。
【0013】この表面伝導型電子放出素子の典型的な素
子構成を図9に示す。同図において、2及び3は電気的
接続を得るための素子電極、6は電子放出材からなる微
粒子膜、4は通電処理により形成された電子放出部、1
は絶縁性基板である。
【0014】近年、上述した表面伝導型電子放出素子を
画像形成装置に用いようとする試みが成されており、本
発明者らも、例えば米国特許第5066883号明細書
等において技術開示を行っている。その例を図10に示
す。同図は上述した電子放出素子を多数並べた画像形成
装置を示すものである。ここで、2及び3は素子電極、
6は微粒子膜、4は電子放出部、7はグリッド電極、8
は電子通過孔、9は画像形成部材、12,13は配線電
極である。この画像形成部材は例えば、蛍光体、レジス
ト材等、電子衝突することにより、発光、変色、帯電、
変質等する部材から成る。また、この画像形成装置は、
素子電極2及び3の間に複数の電子放出部4が線状に並
べられた線状電子源とグリッド電極7でXYマトリック
ス駆動を行い、画像形成部材9に情報信号に応じて電子
を衝突させることにより、画像形成を行う装置である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来の表面伝導型電子放出素子を実用化する際、
製法等の観点からも、基板と電子放出材からなる電子放
出部を含む微粒子膜の密着性をより向上させることが課
題となっている。
【0016】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
ので、電子放出素子及びそれを用いた画像形成装置にお
いて基板と電子放出材からなる電子放出部を含む薄膜の
密着性をより向上させることを目的とするものである。
【0017】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、基板上
の電極間に電子放出部を有する微粒子膜が設られ、基板
上の少なくとも微粒子膜と接する表面に金属化合物の下
びき膜を有する電子放出素子において、該金属化合物が
酸化亜鉛であり、かつ微粒子膜がパラジウムまたはパラ
ジウムを主たる成分とする材料からなることを特徴とす
る電子放出素子である。
【0018】また、本発明は、上記の複数の電子放出素
子と、該電子放出素子から放出される電子線を情報信号
に応じて変調する変調手段とを有することを特徴とする
電子線発生装置、および上記の電子放出素子を用いたこ
とを特徴とする画像形成装置である。
【0019】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、電子放出素子の基板と電子放出材からなる電子
放出部を含む微粒子膜の密着性をより向上させるために
講じられた手段は、基板上の電極間に金属化合物を下び
き膜として設け、その上部に微粒子膜が配置された電子
放出素子において、金属化合物が酸化亜鉛であり、上記
微粒子がパラジウム、もしくはパラジウムを主たる成分
とする材料から成ることとした。
【0020】また、本発明の電子線発生装置では、上記
本発明の電子放出素子の複数と、該電子放出素子から放
出される電子線を情報信号に応じて変調する変調手段と
を有するものである。
【0021】また、本発明の画像形成装置では、上記本
発明の電子放出素子の複数と、該電子放出素子から放出
される電子線を情報信号に応じて変調する変調手段と、
該電子線の照射により画像を形成する画像形成部材とを
有するものである。
【0022】次に、本発明を図面を用いながら詳細に説
明する。図1は本発明の電子放出素子の一実施例態様を
示す斜視図であり、図2は図1のAA線断面図である。
【0023】これらの図において、1は基板、2及び3
は電気的接続を得るための素子電極、6は素子電極2,
3間に配置された電子放出部を含む微粒子膜であり、電
子放出部4を形成している。11は基板1の表面に形成
されている下びき膜で酸化亜鉛より成る。
【0024】本発明において、素子電極2,3は電子放
出部を含む微粒子膜6に電圧を供給するものであり、通
常使われている電極材料であればいかなるものを用いて
も良く、その成形方法も通常のリソグラフィー、印刷等
いかなる方法を用いても良い。
【0025】微粒子膜6は、複数の微粒子が集合した膜
であり、その微細構造として、微粒子が個々に分散配置
した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あるいは重
なり合った状態(島状も含む)の膜をさす。また、その
材料はパラジウム、もしくはパラジウムを主たる成分と
する化合物からなる。そしてこれらの膜は蒸着法、ガス
デポジション法、分散塗布法、ディッピング法、スピナ
ー法、めっき法等によって形成される。
【0026】基板1の表面に形成されている下びき膜1
1は酸化亜鉛膜からなり、その膜厚は特に限定されない
が、通常は50〜2000Å、好ましくは50〜100
0Å、さらに好ましくは100〜300Åが最適であ
る。
【0027】また、下びき膜の酸化亜鉛膜は、基板上の
形成領域は少なくとも微粒子膜を形成する領域に形成さ
れていれば良い。
【0028】基板の表面に酸化亜鉛膜を形成する方法
は、蒸着法、スパッタ法、MOCVD法またはメッキ法
などが挙げられるが、その中でもスパッタ法、MOCV
D法が好ましい。MOCVD法ではソースガスとして有
機亜鉛が用いられ、例えばZn4 O(CH3 COO)6
が挙げられる。
【0029】基板1は、概平坦な表面を持つものであれ
ばいかなる材料のものでもよいが、絶縁性基板あるいは
半導体基板であるのが好ましい。基板の導電性が高い場
合には、特に電極が上記酸化亜鉛膜上に形成されておら
ず、基板と直接接触して形成されていると、素子駆動時
に基板を流れる電流が多くなるため、効率の面で好まし
くない。このため、基板は導電性が低いことが望まし
い。
【0030】その基板の材料として、具体的には石英、
ソーダライムガラス等のガラス類、Al22 ,Cr2
3 ,NiO,TiO2 ,WO3 ,CuO,Fe2
3 ,Ta23 等の金属酸化物、SiN,AlN,BN
等の窒化物が適当である。
【0031】上記のようにして作製された本発明の電子
放出素子では基板上に下びき膜11に酸化亜鉛膜を用い
て、電子放出材料にPdもしくはPdを主成分とする材
料からなる微粒子膜を用いることにより、従来の電子放
出素子と比べて基板と微粒子の密着性が向上する。
【0032】電子放出材料に用いられるPdを主成分と
する材料としては、例えばPd,PdO,Pd・nH2
O等が挙げられるが、この限りではない。
【0033】また、本発明の電子放出素子を複数配置し
た電子源を用いた電子線発生装置および画像形成装置で
は、各素子の基板と微粒子膜の密着性が向上するため、
歩留まりよく電子線発生装置および画像形成装置が得ら
れる。
【0034】また、本発明の画像形成装置において、上
記電子源からの電子線の照射により、画像を形成する画
像形成部材としては、従来のように、例えば蛍光体、レ
ジスト材など、電子が衝突することにより、発光、変
色、帯電、変質等する部材を用いることができ、特に前
記電子線の照射により発光する赤、青、緑の三原色発光
体を用いた時には、カラー画像の表示が可能となる。
【0035】
【実施例】以下実施例を用いて、本発明を更に詳述す
る。
【0036】実施例1 図1は本発明の電子放出素子を説明する概略図であり、
図3は本実施例1の電子放出素子の製造方法を示す工程
図である。以下これらの図を用いて本実施例の製造方法
を説明する。 基板1として石英ガラスを用い、脱脂、洗浄後、スパ
ッタ法によって酸化亜鉛(ZnO)の薄膜からなる下び
き膜11を100Åの厚さに堆積した。(図3(a)参
照)
【0037】次に、微粒子を形成したくないところに
レジスト膜を設け、その後ディッピング法又はスピナー
法で有機パラジウム(奥野製薬(株)製、商品名CCP
−4230)を塗布した後、レジスト膜をはく離するこ
とにより所定の位置に微粒子膜を形成した後、大気中、
400℃で1時間焼成し、酸化パラジウム(PdO)粒
子を主体とする微粒子膜6を形成した。(図3(b)参
照)この時、基板と微粒子膜の密着性は、石英ガラス基
板上に同様の方法で直接酸化パラジウム微粒子膜を形成
した場合に比べると、その付着力は引っ張り法で測定し
て40倍程度の増加が見られた。
【0038】次に、真空蒸着技術、フォトリソグラフ
ィー技術により、基板表面上に素子電極2,3を形成し
た。素子電極の材料としては、導電性を有するものであ
れば如何なるものでもよいが、本実施例ではクロム(C
r)金属を用い、電極間隔は5μmとし、膜厚は100
0Åとした。(図3(c)参照)
【0039】以上のようにして作製した素子を真空容
器に入れ、容器内の雰囲気を排気管(図示せず)を通じ
真空ポンプにて排気し、十分な真空度に達した後、素子
電極2,3間に電圧を印加し、微粒子膜6を通電処理
(フォーミング処理)することにより電子放出部4を形
成した。(図3(d)参照)フォーミング処理の電圧波
形を図11に示す。
【0040】図11中、T1 及びT2 は電圧波形のパル
ス幅とパルス間隔であり、本実施例ではT1 を1ミリ
秒、T2 を10ミリ秒とし、三角波の波高値(フォーミ
ング時のピーク電圧)は5Vとし、フォーミング処理は
約1×10-6torrの真空雰囲気下で60秒間行っ
た。このようにして作成された電子放出部4は、パラジ
ウム元素を主成分とする微粒子が分散配置された状態と
なり、その微粒子の平均粒径は30Åであった。
【0041】上記のようにして作成した本実施例の電子
放出素子と、基板1上に直接微粒子膜を形成した以外は
同様の材料を用いて同様に作製した従来の電子放出素子
とをその素子特性において比較したところ、電子放出効
率はほぼ同等の値が得られ、本実施例の素子では密着性
の大幅な向上が見られた。
【0042】また、有機パラジウムを塗布するというP
d膜の形成方法のかわりに、通常無電解めっきの触媒付
与工程に用いられるキャタリスト液を用いて、触媒付与
工程を通してPd膜を形成し、上記と同様にして素子を
作製した際も、上記と同様の効果が得られた。即ち、パ
ラジウム形成方法に関わらず、密着性の向上が見られ
た。
【0043】実施例2 図4は本発明の電子放出素子の他の例を示す概略図であ
り、図5は本実施例の電子放出素子の製造方法を示す工
程図である。以下これらの図を用いて本実施例の製造方
法を説明する。 基板1として青板ガラスを用い、脱脂・洗浄後、スパ
ッタ法によって酸化亜鉛(ZnO)の薄膜からなる下び
き膜11を300Åの厚さに堆積した。(図5(a)参
照)
【0044】次に真空蒸着で金(Au)薄膜を100
0Åの厚さに堆積し、フォトリソグラフィー技術によ
り、電極間隔が2μmの素子電極2,3を形成した。
(図5(b)参照)
【0045】次に実施例1と同様にしてパラジウム微
粒子膜6を塗布・形成した後、大気中、300℃で10
分間焼成し、酸化パラジウム(PdO):パラジウム
(Pd)=8:2の割合で混合された微粒子膜4を形成
した。(図5(c)参照)この際、基板と微粒子膜の密
着性は実施例1と同様に増加した。
【0046】次に、実施例1と同様の方法で微粒子膜4
に電子放出部4を形成して電子放出素子を作製した。上
記の様にして作製した本実施例の電子放出素子と、基板
1上に直接微粒子膜を形成した以外は同様の材料を用い
て同様に作製した従来の電子放出素子とをその素子特性
において比較したところ、電子放出効率はほぼ同等の値
が得られ、本実施例の素子では密着性の向上が見られ
た。
【0047】即ち、実施例1と同様の効果が得られたこ
とから、電子放出素子の構造に関わらず、基板1表面に
酸化亜鉛膜を下びき膜として設け、その上部に微粒子膜
を形成し、その微粒子膜がパラジウム、もしくはパラジ
ウムを主たる成分とする材料からなることにより、密着
性を向上させることができた。
【0048】実施例3 本実施例は図6に示されたように実施例2の電子放出素
子を直線状に複数配置した線電子放出素子を複数併設し
た電子線発生装置を作製した。同図において、1は基板
(リアプレート)、11は下びき膜で酸化亜鉛より成
る。更に、12及び13は配線電極、6は微粒子膜、4
は電子放出部、7aは変調手段、8は電子通過孔であ
る。
【0049】本実施例では、基板1と変調手段7aとの
間隔は10μm、各線電子放出素子の間隔は1mmとし
た。以上の電子線発生装置を次の方法にて駆動した。即
ち、該装置を真空度1×10-6Torrの環境下に配置
し、まず配線電極12,13間に14Vの電圧パルスを
印加し、次に変調手段7aを情報信号に応じた電圧を印
加した。
【0050】即ち、0V以下で電子線をオフ制御でき、
+20V以上でオン制御できた。また、+20V〜0V
の間で電子線の電子量を連続的に変化できた。その結
果、素子電極2,3間の複数の電子放出部4から該電子
放出部の1ライン分の情報信号に応じた電子線の放出が
得られた。以上の動作を隣接する線電子放出素子に対し
て順次行うことにより、全情報信号に応じた電子線の放
出が得られた。
【0051】本発明の電子放出素子を複数配置して構成
した本実施例の電子線発生装置は下びき膜を酸化亜鉛と
することで基板と電子放出材との密着性がよくなり、歩
留まりが向上する効果が得られた。
【0052】実施例4 本発明の電子放出素子をアレイ状に複数作成し、画像形
成部材を配置することにより、画像表示装置を作製する
ことができる。図7は本発明の画像表示装置の一実施例
を示す概略図である。
【0053】図7において、実施例2と同様にして電子
放出素子を作製した基板1をリアプレート18上に接着
し、更に基板1の上方に、電子通過孔8を有するグリッ
ド電極7を電子放出素子の素子電極3と直交する方向に
配置した。
【0054】更に基板1の5mm上方に、画像形成部材
9(ガラス基板14の内面に蛍光膜15とメタルバック
16が形成されて構成される)を支持枠17を介し配置
し、画像形成部材9、支持枠17、リアプレート18の
接合部にフリットガラスを塗布し、大気中あるいは窒素
雰囲気中で400℃〜500℃で10分以上焼成するこ
とで封着した。また、リアプレート18への基板1の固
定もフリットガラスで行った。図7において、4は電子
放出部である。
【0055】本実施例では上述の如く、画像形成部材
9、支持枠17、リアプレート18で外囲器19を構成
したが、リアプレート18は主に基板1の強度を補強す
る目的で設けられるため、基板1自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート18は不要であり、基板1
に直接支持枠17を封着し、画像形成部材9、支持枠1
7、基板1にて外囲器19を構成しても良い。
【0056】蛍光膜15は、モノクロームの場合は蛍光
体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の
配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリ
クスなどと呼ばれる黒色導電材20と蛍光体21とで構
成される。(図8参照)
【0057】ブラックストライプ、ブラックマトリクス
が設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原
色蛍光体の、各蛍光体21間の塗り分け部を黒くするこ
とで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜15におけ
る外光反射によるコントラストの低下を抑制することで
ある。本実施例では蛍光体はストライプ形状を採用し、
先にブラックストライプを形成し、その間隙部に各色蛍
光体を塗布し、蛍光膜15を作製した。ブラックストラ
イプの材料として通常良く用いられている黒鉛を主成分
とする材料を用いたが、導電性があり、光の透過及び反
射が少ない材料であればこれに限るものではない。
【0058】ガラス基板14に蛍光体を塗布する方法は
モノクロームの場合は沈澱法や印刷法が用いられるが、
カラーである本実施例では、スラリー法を用いた。カラ
ーの場合にも印刷法を用いても同等の塗布膜が得られ
る。
【0059】また、蛍光膜15の内面側には通常メタル
バック16が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光
体の発光のうち内面側への光を画像形成部材9側へ鏡面
反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加
速電圧を印加するための電極として作用すること、外囲
器内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの蛍
光体の保護等である。
【0060】メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の
内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれ
る)を行い、その後Alを真空蒸着することで作製し
た。
【0061】画像形成部材9には、更に蛍光膜15の導
電性を高めるため、蛍光膜15の外面側に透明電極(不
図示)が設けられる場合もあるが、本実施例では、メタ
ルバックのみで十分な導電性が得られたので省略した。
【0062】前述の封着を行う際、カラーの場合は、各
色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけない
ため、十分な位置合わせを行った。
【0063】以上のようにして完成したガラス容器内の
雰囲気を排気管(図示せず)を通じ真空ポンプにて排気
し、十分な真空度に達した後、容器外端子Drlないし
DrmとDllないしDlmを通じ素子電極3間に電圧
を印加し、前述のフォーミングを行い、電子放出部4を
形成し、電子放出素子を作製した。最後に10-6tor
r程度の真空度で、不図示の排気管をガスバーナーで熱
することで溶着し外囲器の封止を行った。
【0064】最後に封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行った。これは、封止を行う直前あるい
は封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法に
より、画像表示装置内の所定の位置(不図示)に配置さ
れたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。
ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着
作用により、真空度を維持するものである。
【0065】以上のように完成した本発明の画像表示装
置において、各電子放出素子には、容器外端子Drlな
いしDrmとDllないしDlmを通じ、電圧を印加す
ることにより電子放出させ、放出させた電子はグリッド
電極7の電子通過孔8を通過した後、高圧端子Hvを通
じ、メタルバック16、あるいは透明電極(不図示)に
印加された数kV以上の高圧により加速され、蛍光膜1
5に衝突し、励起・発光させる。その際、グリッド電極
7に情報信号に応じた電圧を容器外端子GlないしGn
を通じ印加することにより、電子通過孔8を通過する電
子ビームを制御し、画像表示するものである。
【0066】本実施例では、絶縁層であるSiO2 (不
図示)を介し、基板1の10μm上方に50μm径の電
子通過孔8を有するグリッド電極7を配置することで、
加速電圧として6kV印加したとき、電子ビームのON
とOFFは50V以内の変調電圧で制御できた。
【0067】なお、本実施例は画像形成部材として蛍光
体を用いたが、他にレジスト材や薄膜金属のような電子
線が衝突することにより、状態が変化する全ての部材を
用いることができる。上記の本発明の電子放出素子を用
いた本実施例の画像形成装置は下びき膜を酸化亜鉛とす
ることで基板と電子放出材との密着性が向上する効果が
得られた。
【0068】以上、実施例は画像形成装置についてのみ
説明してきたが、電子線応用装置としては、記録装置、
記憶装置、電子線描画装置等様々な装置があり、本発明
は電子放出素子が複数配置された面状電子源を用いた装
置であれば、同等の効果が得られることはいうまでもな
い。
【0069】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の電子放出
素子、及び該電子放出素子を複数配置して構成した電子
源を用いた電子線発生装置では、基板表面に酸化亜鉛膜
を設け、これを下びき膜として、パラジウムもしくはパ
ラジウムを主たる成分とする材料からなる微粒子膜を形
成することにより、基板と微粒子膜の密着性が向上する
という効果を奏する。
【0070】また、本発明の電子放出素子を複数配置し
て構成した電子源を用いた電子線発生装置及び画像形成
装置にも応用でき、基板と微粒子膜の密着性が向上する
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一実施例態様を示す斜
視図である。
【図2】図1のAA線断面図である。
【図3】実施例1の電子放出素子の製造方法を示す工程
図である。
【図4】本発明の実施例2の電子放出素子を示す概略図
である。
【図5】実施例2の電子放出素子の製造方法を示す工程
図である。
【図6】実施例3の電子線発生装置を示す概略図であ
る。
【図7】実施例4の画像表示装置を示す概略図である。
【図8】蛍光膜の黒色導電材のパターンを示す説明図で
ある。
【図9】従来の電子放出素子を示す概略図である。
【図10】図9の電子放出素子を用いた画像表示装置を
示す概略図である。
【図11】フォーミング処理の電圧波形を示すグラフで
ある。
【図12】従来の電子放出素子を示す概略図である。
【符号の説明】
1 基板 2,3 素子電極 4 電子放出部 5 電子放出部を含む薄膜 6 微粒子膜 7 グリッド電極 7a 変調手段 8 電子通過孔 9 画像形成部材 11 下びき膜 12,13 配線電極 14 ガラス基板 15 蛍光膜 16 メタルバック 17 支持枠 18 リアプレート 19 外囲器 20 黒色導電材 21 蛍光体

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上の電極間に電子放出部を有する微
    粒子膜が設られ、基板上の少なくとも微粒子膜と接する
    表面に金属化合物の下びき膜を有する電子放出素子にお
    いて、該金属化合物が酸化亜鉛であり、かつ微粒子膜が
    パラジウムまたはパラジウムを主たる成分とする材料か
    らなることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電子放出素子の複数と、
    該電子放出素子から放出される電子線を情報信号に応じ
    て変調する変調手段とを有することを特徴とする電子線
    発生装置。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の電子放出素子を用いたこ
    とを特徴とする画像形成装置。
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