JP3323750B2 - 電子放出素子及びそれを備えた電子源並びに画像形成装置 - Google Patents
電子放出素子及びそれを備えた電子源並びに画像形成装置Info
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Description
電子放出素子を多数個配置してなる電子源、該電子源を
用いて構成した表示装置や露光装置等の画像形成装置に
関する。
て熱電子放出素子と冷陰極電子放出素子の2種類が知ら
れている。冷陰極電子放出素子には電界放出型(以下、
「FE型」と称す。)、金属/絶縁層/金属型(以下、
「MIM型」と称す。)や表面伝導型電子放出素子等が
有る。
and W.W.Dolan,“Field Emis
sion”,Advance in Electron
Physics,8,89(1956)あるいはC.
A.Spindt,“Physical Proper
ties of thin−filmfield em
ission cathodes withmolyb
denum cones”,J.Appl.Phy
s.,47,5248(1976)等に開示されたもの
が知られている。
d,“Operation ofTunnel−Emi
ssion Devices”,J.Appl.Phy
s.,32,646(1961)等に開示されたものが
知られている。
M.I.Elinson,RadioEng.Elec
tron Phys.,10,1290(1965)等
に開示されたものがある。
に形成された小面積の薄膜に、膜面に平行に電流を流す
ことにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。この表面伝導型電子放出素子としては、前記エリン
ソン等によるSnO2薄膜を用いたもの、Au薄膜によ
るもの[G.Dittmer:“ThinSolid
Films”,9,317(1972)]、In2O3
/SnO2薄膜によるもの[M.Hartwell a
nd C.G.Fonstad:“IEEE Tran
s.ED Conf.”,519(1975)]、カー
ボン薄膜によるもの[荒木久 他:真空、第26巻、第
1号、22頁(1983)]等が報告されている。
な例として、前述のM.ハートウェルの素子構成を図1
5に模式的に示す。同図において1は基体である。4は
導電性膜で、H型形状のパターンに、スパッタで形成さ
れた金属酸化物薄膜等からなり、後述の通電フォーミン
グと呼ばれる通電処理により電子放出部5が形成され
る。尚、図中の間隔L’は、0.5〜1mm、W’は、
0.1mmで設定されている。
構成とは別に、本出願人は、例えば特開平7−2352
55号公報に開示されているように、電子放出部を含む
導電性膜を、これに通電するための素子電極とは別の適
当な材質により形成した構成のものを報告している。こ
の中で、導電性膜の形成手法の好ましい例として、有機
金属化合物を塗布・乾燥後加熱焼成して有機成分を熱分
解し、除去し、金属若しくは金属酸化物とする手法が開
示されている。
示す。図16(a)は平面図、図16(b)は断面図で
ある。図中の2,3は、導電性膜4とは別に形成された
一対の素子電極である。
おいては、電子放出を行う前に導電性膜4を予め通電フ
ォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放出部5を
形成するのが一般的であった。即ち、通電フォーミング
とは、前記導電性膜4の両端(素子電極を有する場合に
は、両素子電極2,3間)に直流電圧あるいは非常にゆ
っくりとした昇電圧(例えば1V/分程度)を印加通電
し、導電性膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質させ
て構造を変化させ、電気的に高抵抗な状態の電子放出部
5を形成する処理である。尚、電子放出部5では導電性
膜4の一部に亀裂が発生しており、その亀裂付近から電
子放出が行われる。かかる通電フォーミング処理をした
表面伝導型電子放出素子は、上述の導電性膜4に電圧を
印加し、素子に電流を流すことにより、上述の電子放出
部5より電子を放出せしめるものである。
単純で製造も容易であるという特徴を有することから、
大面積に亙って多数素子を配列形成できる利点がある。
そこで、この特徴を活かすための種々の応用が研究され
ている。例えば、荷電ビーム源、表示装置等の画像形成
装置への利用が挙げられる。
列形成した例としては、並列に表面伝導型電子放出素子
を配列し、個々の表面伝導型電子放出素子の両端を配線
(共通配線とも呼ぶ)にて夫々結線した行を多数行配列
(梯子型配置とも呼ぶ)した電子源が挙げられる(例え
ば、特開昭64−31332号公報、特開平1−283
749号公報、同2−257552号公報)。
いた表示装置と同様の平板型表示装置とすることが可能
で、しかもバックライトが不要な自発光型の表示装置と
して、表面伝導型電子放出素子を多数配置した電子源
と、この電子源からの電子線の照射により可視光を発光
する蛍光体とを組み合わせた表示装置が提案されている
(アメリカ特許第5066883号明細書)。
成装置等に用いられる電子放出素子については、明るく
鮮明な画像を提供できるよう、電子放出電流が大きく、
また電子放出効率が高いことが望ましい。ここで電子放
出電流(Ie)とは、例えば前述の表面伝導型電子放出
素子であれば、導電性膜の両端に電圧を印加した際に真
空中に放出される電流のことを指し、導電性膜に流れる
素子電流(If)に対する電子放出電流(Ie)の比を
電子放出効率という。
素子においては、必ずしも満足できる電子放出特性が得
られているとは限らず、より大きな電子放出電流を得る
ための手段、及びより高い電子放出効率を得るための手
段の開発が望まれてきた。また、従来の表面伝導型電子
放出素子においては、電子放出部より放出された電子の
一部が導電性膜の高電位側に捕捉され、アノード電極ま
で到達できず、電子放出電流及び電子放出効率が低下す
る原因の一つとなっていた。また、放出された電子の軌
道がずれて蛍光体の正しい位置に当たらず、輝度の低下
や混色を招くこともあった。
出効率の向上を図ると共に、放出電子の軌道を修正する
ことが可能な電子放出素子を提供することにある。ま
た、本発明の目的は、かかる電子放出素子を複数用い
て、明るく鮮明な表示画像を実現し得る画像形成装置を
提供することにある。
発明の構成は、以下の通りである。
形成された第1の電極と第2の電極、及び第1の電極と
第2の電極上に各々絶縁層を介して積層された第3の電
極と第4の電極とを有し、第1の電極と第2の電極の
間、第1の電極と第3の電極の間、第2の電極と第4の
電極の間に夫々電子放出部が形成されていることを特徴
とする電子放出素子にある。
の特徴として、「前記第1の電極と第4の電極、及び前
記第2の電極と第3の電極には、夫々同じ電位が与えら
れる」こと、「前記第1〜第4の電極には、夫々独立し
た電位が与えられる」こと、をも含むものである。
形成された第1の電極と第2の電極、及び第1の電極と
第2の電極上に各々絶縁層を介して積層された第3の電
極と第4の電極とを有し、第1の電極と第2の電極の
間、及び第1の電極と第3の電極の間に電子放出部が形
成されており、第2の電極と第4の電極の間は絶縁され
ていることを特徴とする電子放出素子にある。
の特徴として、「前記第4の電極は、前記第1〜第3の
電極とは独立した電位が与えられる電界補正電極であ
る」こと、「前記第4の電極には、前記第1〜第3の電
極に与えられる電位よりも高い電位が与えられる」こ
と、「前記第2の電極と第3の電極には、同じ電位が与
えられる」こと、「前記第2の電極と第3の電極には、
前記第1の電極に与えられる電位よりも高い電位が与え
られる」こと、をも含むものである。
電子放出素子が配列された電子源において、前記電子放
出素子が、上記本発明第一若しくは本発明第二の電子放
出素子であることを特徴とする電子源にある。
として、「前記複数の電子放出素子が、マトリクス状に
配線されている」こと、「前記複数の電子放出素子が、
梯子状に配線されている」こと、をも含むものである。
子放出素子が配列された電子源と、該電子源から放出さ
れる電子線の照射により画像を形成する画像形成部材と
を有する画像形成装置において、前記電子源が、上記本
発明第三の電子源であることを特徴とする画像形成装置
にある。
その特徴として、「上記画像形成装置に用いた電子源に
おいて、上記第1〜第4の電極により形成される2個な
いし3個の電子放出部の組のうち一部を通常の電子放出
部となし、他を予備の電子放出部となし、通常の電子放
出部を通常の駆動回路により、予備の電子放出部を予備
の駆動回路により駆動し、通常の電子放出部が正常に電
子放出を行わない場合に、対応する予備の電子放出部に
より電子放出を行うよう、上記予備の駆動回路を動作さ
せる制御装置を有する」こと、をも含むものである。
の素子電極上に絶縁層を介してさらに素子電極を形成
し、3次元方向にも電子放出部を形成したことにより、
素子面積(本発明を応用した画像形成装置においては画
素ピッチ)を増大させることなく電子放出面積を増大さ
せることができ、より大きな電子放出電流を得ることが
できる。
ば、上記効果に加え、第4の電極に適当な電圧を印加す
ることにより、電子放出効率を向上させることができる
と共に、電子を蛍光体の正位置に照射させるように電子
の軌道を修正することも可能であり、これにより輝度の
低下や混色を防ぐことができる。
を示す。
冷陰極型の電子放出素子に分類される表面伝導型電子放
出素子である。
素子の一例を示す模式図であり、図1(a)は縦断面
図、図1(b)は平面図である。同図において、1は基
体、4は導電性膜、5a〜5cは電子放出部、6は絶縁
層である。2,3,7及び8は素子電極であり、素子電
極7,8は素子電極2,3上に絶縁層6を介して積層さ
れている。2は第1の電極、3は第2の電極、7は第3
の電極、8は第4の電極に相当する。
極2,3と一対の電極を形成しており、素子電極2と
3、素子電極2と7、及び素子電極3と8との間に夫々
電子放出部5a〜5cが形成されている。
電子放出部5a〜5cから同時に電子放出させる駆動方
法を採用する場合には、素子電極2と7、素子電極3と
8を夫々共通の配線に接続して駆動することができ、配
線を新たに設ける必要がない。なお、カラーディスプレ
イ等に応用する場合において、R,G,B3色の蛍光体
の発光効率の違いを補償するように、3つの電子放出部
5a〜5cのうちの電子放出させる電子放出部の数を変
化させて電子放出量を制御する場合には、各素子電極を
異なる配線に接続することができる。
の他の1例を示す模式図である。図2において、図1に
示した符号と同一のものは同一である。8’は補正電極
であり、補正電極8’は素子電極3上に絶縁層6を介し
て積層されている。補正電極8’は第4の電極に相当す
る。
対の電極を形成しており、素子電極2と3、素子電極2
と7との間に夫々電子放出部5a,5bが形成されてい
る。補正電極8’と素子電極3との間は絶縁されてい
る。
は、補正電極8’に適切な電圧を印加することによっ
て、電子放出効率の向上を図ることができる。特に補正
電極8’の電位を素子電極3と素子電極7の電位よりも
高電位とするのが好ましい。補正電極8’の電位は、電
子放出部5a,5bと補正電極8’間の距離、電子放出
部5a,5bとアノード電極間の距離、アノード電極の
電位等によって最適値が選択されるが、好ましくは素子
電極3,7の電位に対して十数V〜数百V程度高電位と
する。これにより、従来素子電極に吸い込まれていた電
子をアノード電極まで引き上げることが可能となり、電
子放出効率を向上させることができる。
子電極2の電位よりも高電位すると(素子電極3と素子
電極7を陽極、素子電極2を陰極とする。)、放出され
た電子はより補正電極8’の影響を受けやすくなるた
め、電子放出効率の向上により大きな効果が得られる。
純物含有量を減少させたガラス、青板ガラス、青板ガラ
スにスパッタ法等によりSiO2 を積層した積層体、ア
ルミナ等のセラミックス及びSi基体等を用いることが
できる。
の材料としては、一般的な導体材料を用いることがで
き、例えばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、
Al、Cu、Pd等の金属或は合金及びPd、Ag、A
u、RuO2 、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガ
ラス等から構成される印刷導体、In2 O3 −SnO2
等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体導体材料等
から適宜選択することができる。
料を用いることができ、例えばSiO2 ,SiN,PS
G等を用いることができる。素子電極間隔L1,L2、
素子電極長さW、導電性膜4の形状等は、応用される形
態等を考慮して、設計される。なお、ここでは素子電極
間隔L2は絶縁層6の膜厚に等しい。素子電極間隔L
1,L2は、好ましくは、数百nmから数百μmの範囲
とすることができ、より好ましくは、素子電極間に印加
する電圧等を考慮して数μmから数十μmの範囲とする
ことができる。
出特性を考慮して、数μmから数百μmの範囲とするこ
とができる。素子電極2,3,7,8及び補正電極8’
の膜厚dは、数十nmから数μmの範囲とすることがで
きる。
ばPd,Pt,Ru,Ag,Au,Ti,In,Cu,
Cr,Fe,Zn,Sn,Ta,W,Pb等の金属、P
dO,SnO2 ,In2 O3 ,PbO,Sb2 O3 等の
酸化物、HfB2 ,ZrB2,LaB6 ,CeB6 ,Y
B4 ,GdB4 等の硼化物、TiC,ZrC,HfC,
TaC,SiC,WCなどの炭化物、TiN,ZrN,
HfN等の窒化物、Si,Ge等の半導体、カーボン等
が挙げられる。
るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いるのが好
ましい。その膜厚は、素子電極2,3,7,8及び補正
電極8’へのステップカバレージ、素子電極2と3、2
と7、3と8間の抵抗値及び後述するフォーミング条件
等を考慮して適宜設定されるが、通常は、数Å〜数千Å
の範囲とするのが好ましく、より好ましくは10Å〜5
00Åの範囲とするのが良い。その抵抗値は、Rsが1
02 Ω/□から107 Ω/□の値である。なおRsは、
幅がwで長さがlの薄膜の長さ方向に測定した抵抗R
を、R=Rs(l/w)とおいたときに現れる値であ
る。本願明細書において、フォーミング処理について
は、通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング処
理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさせ
て高抵抗状態を形成する処理を包含するものである。
が集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に
分散配置した状態のみならず、微粒子が互いに隣接、あ
るいは重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、
全体として島状構造を形成している場合も含む)をとっ
ている。微粒子の粒径は、数Åから数百nmの範囲、好
ましくは、10Åから200Åの範囲である。
う言葉を用いるので、その意味について説明する。
も小さなものを「超微粒子」と呼ぶ。「超微粒子」より
もさらに小さく、原子の数が数百個程度以下のものを
「クラスター」と呼ぶことは広く行われている。
ではなく、どの様な性質に注目して分類するかにより変
化する。また「微粒子」と「超微粒子」を一括して「微
粒子」と呼ぶ場合もあり、本明細書中での記述はこれに
沿ったものである。
粒子」(木下是雄 編、共立出版1986年9月1日発
行)では、「本稿で微粒子と言うときにはその直径がだ
いたい2〜3μm程度から10nm程度までとし、特に
超微粒子というときは粒径が10nm程度から2〜3n
m程度までを意味することにする。両者を一括して単に
微粒子と書くこともあってけっして厳密なものではな
く、だいたいの目安である。粒子を構成する原子の数が
2個から数十〜数百個程度の場合はクラスターと呼
ぶ。」(195ページ 22〜26行目)と記述されて
いる。
微粒子プロジェクト”での「超微粒子」の定義は、粒径
の下限はさらに小さく、次のようなものであった。
ジェクト”(1981〜1986)では、粒子の大きさ
(径)がおよそ1〜100nmの範囲のものを“超微粒
子”(ultra fine particle)と呼
ぶことにした。すると1個の超微粒子はおよそ100〜
108 個くらいの原子の集合体という事になる。原子の
尺度でみれば超微粒子は大〜巨大粒子である。」(「超
微粒子−創造科学技術」林主税、上田良二、田崎明
編;三田出版 1988年 2ページ1〜4行目)/
「超微粒子よりさらに小さいもの、すなわち原子が数個
〜数百個で構成される1個の粒子は、ふつうクラスター
と呼ばれる」(同書2ページ12〜13行目)。
本明細書において「微粒子」とは多数の原子・分子の集
合体で、粒径の下限は数Å〜10Å程度、上限は数μm
程度のものを指すこととする。
部に形成された高抵抗の亀裂により構成され、導電性膜
4の膜厚、膜質、材料及び後述する通電フォーミング等
に依存したものとなる。電子放出部5a〜5cの内部に
は、数Åから数百Åの範囲の粒径の導電性微粒子が存在
する場合もある。この導電性微粒子は、導電性膜4を構
成する材料の元素の一部、あるいは全ての元素を含有す
るものとなる。電子放出部5a〜5c及びその近傍の導
電性膜4には、炭素及び炭素化合物を有することもでき
る。
について、図1の素子構成図と、図3の製造工程図を用
いて説明する。尚、図3においても、図1に示した部位
と同じ部位には同一の符号を付している。
を真空蒸着法、スパッタリング法、印刷法等により成膜
し、導電層10/絶縁層6/導電層11を積層して形成
する(図3(a))。
り、導電層10/絶縁層6/導電層11の一部を除去し
て開口部12を形成する(図3(b))。
(図3(c))。導電性膜4の形成は、真空蒸着法、ス
パッタリング法、化学的気相堆積法等により成膜する方
法や、有機金属化合物を含む溶液をスピンコート法、デ
ィッピング法、インクジェット法等により塗布する方法
などにより行うことができる。
絶縁層6、素子電極7と8及び導電性膜4が形成され
る。
5a〜5cを形成する(図3(d))。フォーミング工
程の方法の一例として通電処理による方法を説明する。
素子電極2と3、素子電極2と7、素子電極3と8間に
夫々、不図示の電源より通電すると、導電性膜4の部位
に、構造の変化した部位が形成される。この部位が電子
放出部5a〜5cを構成する。通電フォーミングの電圧
波形の例を図4に示す。
これにはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に
印加する図4(a)に示した手法と、パルス波高値を増
加させながらパルスを印加する図4(b)に示した手法
がある。
ついて図4(a)で説明する。図4(a)におけるT1
及びT2は電圧波形のパルス幅とパルス間隔である。通
常、T1は1μ秒〜10m秒、T2は10μ秒〜100
m秒の範囲で設定される。三角波の波高値(ピーク電
圧)は、表面伝導型電子放出素子の形態に応じて適宜選
択される。このような条件のもと、例えば、数秒から数
十分間電圧を印加する。パルス波形は三角波に限定され
るものではなく、矩形波等の所望の波形を採用すること
ができる。
パルスを印加する場合について図4(b)で説明する。
図4(b)におけるT1及びT2は、図4(a)に示し
たのと同様とすることができる。三角波の波高値(通電
フォーミング時のピーク電圧)は、例えば0.1Vステ
ップ程度づつ、増加させることができる。
隔T2中に、導電性膜4を局所的に破壊,変形しない程
度の電圧を印加し、電流を測定して検知することができ
る。例えば0.1V程度の電圧印加により流れる電流を
測定し、抵抗値を求めて、1MΩ以上の抵抗を示した時
に通電フォーミングを終了させることができる。
子を作製する場合には、上記フォーミング工程におい
て、素子電極2と3および素子電極2と7の間にフォー
ミングにより電子放出部5aと5bを形成し、素子電極
3と補正電極8’との間にはフォーミング電圧よりも高
い電圧を印加して導電性膜4に広い亀裂を形成して、素
子電極3と補正電極8’とを絶縁させる。
化工程と呼ばれる処理を施すのが好ましい。この工程に
より、素子電流If及び放出電流Ieを著しく変化させ
ることができる。
含有する雰囲気下で、通電フォーミングと同様にパルス
の印加を繰り返すことで行うことができる。この雰囲気
は、例えば油拡散ポンプやロータリーポンプなどを用い
て真空容器内を排気した場合に雰囲気内に残留する有機
ガスを利用して形成することができる他、イオンポンプ
などにより一旦十分に排気した真空中に適当な有機物質
のガスを導入することによっても得られる。このときの
好ましい有機物質のガス圧は、前述の素子の形態、真空
容器の形状や、有機物質の種類などにより異なるため、
場合に応じ適宜設定される。適当な有機物質としては、
アルカン、アルケン、アルキンの脂肪族炭化水素類、芳
香族炭化水素類、アルコール類、アルデヒド類、ケトン
類、アミン類、フェノール、カルボン、スルホン酸等の
有機酸類等を挙げることが出来、具体的には、メタン、
エタン、プロパンなどCn H2n+2で表される飽和炭化水
素、エチレン、プロピレンなどCn H2n等の組成式で表
される不飽和炭化水素、ベンゼン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、アセトン、メチルエチルケトン、メチルアミン、エ
チルアミン、フェノール、蟻酸、酢酸、プロピオン酸等
が使用できる。この処理により、雰囲気中に存在する有
機物質から、炭素或は炭素化合物が素子上に堆積し、素
子電流If,放出電流Ieが、著しく変化するようにな
る。
イト(いわゆるHOPG,PG,GCを包含するもの
で、HOPGはほぼ完全なグラファイト結晶構造、PG
は結晶粒が20nm程度で結晶構造がやや乱れたもの、
GCは結晶粒が2nm程度になり結晶構造の乱れがさら
に大きくなったものを指す。)、非晶質カーボン(アモ
ルファスカーボン及び、アモルファスカーボンと前記グ
ラファイトの微結晶の混合物を指す。)であり、その膜
厚は、500Å以下の範囲とするのが好ましく、300
Å以下の範囲とすることがより好ましい。
素子電流Ifと放出電流Ieを測定しながら、適宜行う
ことができる。なおパルス幅、パルス間隔、パルス波高
値などは適宜設定される。
放出素子は、安定化工程を行うことが好ましい。この工
程は、真空容器内の有機物質を排気する工程である。真
空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオ
イルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使
用しないものを用いるのが好ましい。具体的には、ソー
プションポンプ、イオンポンプ等の真空排気装置を挙げ
ることが出来る。
散ポンプやロータリーポンプを用い、これから発生する
オイル成分に由来する有機ガスを用いた場合には、この
成分の分圧を極力低く抑える必要がある。真空容器内の
有機成分の分圧は、上記炭素あるいは炭素化合物がほぼ
新たに堆積しない分圧で1.3×10-6Pa以下が好ま
しく、さらには1.3×10-8Pa以下が特に好まし
い。さらに真空容器内を排気するときには、真空容器全
体を加熱して、真空容器内壁や、電子放出素子に吸着し
た有機物質分子を排気しやすくするのが好ましい。この
とき、できるだけ高温で長時間処理するのが望ましい
が、真空容器の大きさや形状、電子放出素子の構成など
の諸条件により適宜選ばれる条件により行う。真空容器
内の圧力は極力低くすることが必要で、1.3×10-5
Pa以下が好ましく、さらには1.3×10-6Pa以下
が特に好ましい。
は、上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ま
しいが、これに限るものではなく、有機物質が十分除去
されていれば、圧力自体は多少上昇しても十分安定な特
性を維持することが出来る。このような真空雰囲気を採
用することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆
積を抑制でき、結果として素子電流If,放出電流Ie
が、安定する。
放出素子の基本特性について、図5及び図6を参照しな
がら説明する。
であり、この真空処理装置は測定評価装置としての機能
をも兼ね備えている。図5においても、図1に示した部
位と同じ部位には図1に付した符号と同一の符号を付し
ている。
6は排気ポンプである。真空容器55内には電子放出素
子が配されている。また、51は電子放出素子に素子電
圧Vfを印加するための電源、50は素子電極間の導電
性膜4を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、
54は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを
捕捉するためのアノード電極、53はアノード電極54
に電圧を印加するための高圧電源、52は電子放出部よ
り放出される放出電流Ieを測定するための電流計であ
る。一例として、アノード電極54の電圧を1kV〜1
0kVの範囲とし、アノード電極54と電子放出素子と
の距離Hを2mm〜8mmの範囲として測定を行うこと
ができる。
等の真空雰囲気下での測定に必要な機器が設けられてい
て、所望の真空雰囲気下での測定評価を行えるようにな
っている。排気ポンプ56は、ターボポンプ,ドライポ
ンプからなる通常の高真空装置系と、更に、イオンポン
プ等からなる超高真空装置系とにより構成されている。
ここに示した電子放出素子基体を配した真空処理装置の
全体は、不図示のヒーターにより加熱できる。従って、
この真空処理装置を用いると、前述の通電フォーミング
以降の工程も行うことができる。
て測定された放出電流Ie及び素子電流Ifと、素子電
圧Vfとの関係を模式的に示した図である。図6におい
ては、放出電流Ieが素子電流Ifに比べて著しく小さ
いので、任意単位で示している。尚、縦・横軸ともリニ
アスケールである。
伝導型電子放出素子は、放出電流Ieに関して次の3つ
の特徴的性質を有する。
圧と呼ぶ;図6中のVth)以上の素子電圧を印加する
と急激に放出電流Ieが増加し、一方閾値電圧Vth以
下では放出電流Ieが殆ど検出されない。つまり、放出
電流Ieに対する明確な閾値電圧Vthを持った非線形
素子である。
調増加依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制
御できる。
捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に
依存する。つまり、アノード電極54に捕捉される電荷
量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
の表面伝導型電子放出素子は、入力信号に応じて、電子
放出特性を容易に制御できることになる。この性質を利
用すると複数の電子放出素子を配して構成した電子源、
画像形成装置等、多方面への応用が可能となる。
Vfに対して単調増加する(MI特性)例を示したが、
素子電流Ifが素子電圧Vfに対して電圧制御型負性抵
抗特性(VCNR特性)を示す場合もある(不図示)。
これらの特性は、前述の工程を制御することで制御でき
る。
下に述べる。本発明の表面伝導型電子放出素子を複数個
基体上に配列し、例えば電子源或は画像形成装置が構成
できる。
のが採用できる。一例として、並列に配置した多数の電
子放出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を
多数個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向
(列方向と呼ぶ)で、該電子放出素子の上方に配した制
御電極(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子から
の電子を制御駆動する梯子状配置のものがある。これと
は別に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複
数個配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極
の一方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配さ
れた複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線
に共通に接続するものが挙げられる。このようなものは
所謂単純マトリクス配置である。まず単純マトリクス配
置について以下に詳述する。
は、前述した通り3つの特性がある。即ち、表面伝導型
電子放出素子からの放出電子は、閾値電圧以上では、対
向する素子電極間に印加するパルス状電圧の波高値と幅
で制御できる。一方、閾値電圧以下では、殆ど放出され
ない。この特性によれば、多数の電子放出素子を配置し
た場合においても、個々の素子にパルス状電圧を適宜印
加すれば、入力信号に応じて、表面伝導型電子放出素子
を選択して電子放出量を制御できる。
な電子放出素子を複数配して得られる電子源基板につい
て説明する。
子を用いた電子源基板の模式図であり、図7において、
71は電子源基板、72はX方向配線、73はY方向配
線である。74は表面伝導型電子放出素子、75,7
6,77,78は結線である。
子電極は、m本のX方向配線72とn本のY方向配線7
3に、導電性金属等からなる結線75,76,77,7
8によって電気的に接続されている。素子電極2は結線
75によって配線73に、素子電極3は結線76によっ
て配線72に、素子電極7は結線77によって配線72
に、素子電極8は結線78によって配線73に接続され
ている。本構成において、素子電極2と8、及び素子電
極3と7は夫々配線72、73を共有することができ
る。
子を用いた電子源基板の模式図であり、図7に示した符
号と同一のものは同一である。79は補正電極用配線で
ある。素子電極2は結線75によって配線73に、素子
電極3は結線76によって配線72に、素子電極7は結
線77によって配線72に、補正電極8’は結線79に
よって補正電極用配線79に接続されている。
……,Dxmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ
法等を用いて形成された導電性金属等で構成することが
できる。配線の材料、膜厚、幅は適宜設計される。Y方
向配線73はDy1,Dy2,……,Dynのn本の配
線よりなり、補正電極用配線79はDh1,Dh2,…
…,Dhnのn本の配線よりなり、これらはX方向配線
72と同様に形成される。これらm本のX方向配線72
と、n本のY方向配線73及び補正電極用配線79との
間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を
電気的に分離している(m,nは、共に正の整数)。
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。例えば、X方向配線72を形成した基体71の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特に、X方向配
線72と、Y方向配線73及び補正電極用配線79との
交差部の電位差に耐え得るように、膜厚、材料、製法が
適宜設定される。X方向配線72とY方向配線73と補
正電極用配線79は、それぞれ外部端子として引き出さ
れている。
材料、結線75,76,77,78を構成する材料及び
素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部あるい
は全部が同一であっても、また夫々異なってもよい。こ
れらの材料は、例えば前述の素子電極の材料より適宜選
択される。素子電極を構成する材料と配線材料が同一で
ある場合には、素子電極に接続した配線は素子電極とい
うこともできる。
面伝導型電子放出素子74の行を選択するための走査信
号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続される。
一方、Y方向配線73には、Y方向に配列した表面伝導
型電子放出素子74の各列を入力信号に応じて変調する
ための、不図示の変調信号発生手段が接続される。各電
子放出素子に印加される駆動電圧は、当該素子に印加さ
れる走査信号と変調信号の差電圧として供給される。
線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆動可能とす
ることができる。
用いて構成した画像形成装置について、図9と図10及
び図11を用いて説明する。図9は、図7の電子源を用
いた画像形成装置の表示パネルの一例を示す模式図であ
り、図10は、図9の画像形成装置に使用される蛍光膜
の模式図である。図11は、NTSC方式のテレビ信号
に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロッ
ク図である。
配した電子源基板、81は電子源基板71を固定したリ
アプレート、86はガラス基体83の内面に蛍光膜84
とメタルバック85等が形成されたフェースプレートで
ある。82は支持枠であり、該支持枠82には、リアプ
レート81、フェースプレート86がフリットガラス等
を用いて接続されている。88は外囲器であり、例えば
大気中あるいは窒素中で、400〜500℃の温度範囲
で10分間以上焼成することで、封着して構成される。
ート86、支持枠82、リアプレート81で構成され
る。リアプレート81は主に基体71の強度を補強する
目的で設けられるため、基体71自体で十分な強度を持
つ場合は別体のリアプレート81は不要とすることがで
きる。即ち、基体71に直接支持枠82を封着し、フェ
ースプレート86、支持枠82及び基体71で外囲器8
8を構成してもよい。一方、フェースプレート86とリ
アプレート81の間に、スぺーサーと呼ばれる不図示の
支持体を設置することにより、大気圧に対して十分な強
度をもつ外囲器88を構成することもできる。
光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみで構成す
ることができる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配
列により、ブラックストライプ(図10(a))あるい
はブラックマトリクス(図10(b))等と呼ばれる黒
色導電材91と蛍光体92とから構成することができ
る。ブラックストライプ、ブラックマトリクスを設ける
目的は、カラー表示の場合、必要となる三原色蛍光体の
各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等を
目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射に
よるコントラストの低下を抑制することにある。黒色導
電材91の材料としては、通常用いられている黒鉛を主
成分とする材料の他、導電性があり、光の透過及び反射
が少ない材料を用いることができる。
は、モノクローム、カラーによらず、沈澱法や印刷法等
が採用できる。蛍光膜84の内面側には、通常メタルバ
ック85が設けられる。メタルバックを設ける目的は、
蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート8
6側へ鏡面反射することにより輝度を向上させること、
電子ビーム加速電圧を印加するための電極として作用さ
せること、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダ
メージから蛍光体を保護すること等である。メタルバッ
クは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理
(通常、「フィルミング」と呼ばれる。)を行い、その
後Alを真空蒸着等を用いて堆積させることで作製でき
る。
4の導電性を高めるため、蛍光膜84の外面側に透明電
極(不図示)を設けてもよい。
蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、十分
な位置合わせが不可欠となる。
のようにして製造される。
に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープションポ
ンプ等のオイルを使用しない排気装置により不図示の排
気管を通じて排気し、1.3×10-5Pa程度の真空度
の有機物質の十分に少ない雰囲気にした後、封止が成さ
れる。外囲器88の封止後の真空度を維持するために、
ゲッター処理を行うこともできる。これは、外囲器88
の封止を行う直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは
高周波加熱等を用いた加熱により、外囲器88内の所定
の位置に配置されたゲッター(不図示)を加熱し、蒸着
膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成
分であり、該蒸着膜の吸着作用により、例えば1.3×
10-3〜1.3×10-5Pa以上の真空度を維持するも
のである。ここで、表面伝導型電子放出素子のフォーミ
ング処理以降の工程は、適宜設定できる。
て構成した表示パネルに、NTSC方式のテレビ信号に
基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動回路の構成例
について、図11を用いて説明する。図11において、
101は画像表示パネル、102は走査回路、103は
制御回路、104はシフトレジスタ、105はラインメ
モリ、106は同期信号分離回路、107は変調信号発
生器、Vx及びVaは直流電圧源である。
m、端子Dy1乃至Dyn及び高圧端子87を介して外
部の電気回路と接続している。端子Dx1乃至Dxmに
は、表示パネル101内に設けられている電子源、即
ち、m行n列の行列状にマトリクス配線された表面伝導
型電子放出素子群を1行(n素子)づつ順次駆動する為
の走査信号が印加される。端子Dy1乃至Dynには、
前記走査信号により選択された1行の表面伝導型電子放
出素子の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信
号が印加される。高圧端子87には、直流電圧源Vaよ
り、例えば10K[V]の直流電圧が供給されるが、こ
れは表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビーム
に、蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する
為の加速電圧である。
は、内部にm個のスイッチング素子(図中、S1乃至S
mで模式的に示している)を備えたものである。各スイ
ッチング素子は、直流電圧電源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル101の端子Dx1乃至Dxmと電気的に接
続される。各スイッチング素子S1乃至Smは、制御回
路103が出力する制御信号Tscanに基づいて動作
するものであり、例えばFETのようなスイッチング素
子を組み合わせることにより構成することができる。
導型電子放出素子の特性(電子放出閾値電圧)に基づ
き、走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子
放出閾値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう
設定されている。
像信号に基づいて適切な表示が行われるように、各部の
動作を整合させる機能を有する。制御回路103は、同
期信号分離回路106より送られる同期信号Tsync
に基づいて、各部に対してTscan,Tsft及びT
mryの各制御信号を発生する。
されるNTSC方式のテレビ信号から、同期信号成分と
輝度信号成分とを分離するための回路で、一般的な周波
数分離(フィルター)回路等を用いて構成できる。同期
信号分離回路106により分離された同期信号は、垂直
同期信号と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便
宜上Tsync信号として図示した。前記テレビ信号か
ら分離された画像の輝度信号成分は、便宜上DATA信
号と表した。このDATA信号は、シフトレジスタ10
4に入力される。
アルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライン
毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記制
御回路103より送られる制御信号Tsftに基づいて
動作する(即ち、制御信号Tsftは、シフトレジスタ
104のシフトクロックであると言い換えてもよ
い。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
のデータ(電子放出素子n素子分の駆動データに相当)
は、Id1乃至Idnのn個の並列信号として前記シフ
トレジスタ104より出力される。
データを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路103より送られる制御信号Tmryに従
って適宜Id1乃至Idnの内容を記憶する。記憶され
た内容は、Id’1乃至Id’nとして出力され、変調
信号発生器107に入力される。
d’1乃至Id’nの各々に応じて、表面伝導型電子放
出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、
その出力信号は、端子Dy1乃至Dynを通じて表示パ
ネル101内の表面伝導型電子放出素子に印加される。
放出電流Ieに関して以下の基本特性を有している。即
ち、電子放出には明確な閾値電圧Vthがあり、Vth
以上の電圧が印加された時のみ電子放出が生じる。電子
放出閾値以上の電圧に対しては、素子への印加電圧の変
化に応じて放出電流も変化する。このことから、本素子
にパルス状の電圧を印加する場合、例えば電子放出閾値
電圧以下の電圧を印加しても電子放出は生じないが、電
子放出閾値電圧以上の電圧を印加する場合には電子ビー
ムが出力される。その際、パルスの波高値Vmを変化さ
せることにより、出力電子ビームの強度を制御すること
が可能である。また、パルスの幅Pwを変化させること
により、出力される電子ビームの電荷の総量を制御する
ことが可能である。
変調する方式としては、電圧変調方式とパルス幅変調方
式等が採用できる。電圧変調方式を実施するに際して
は、変調信号発生器107としては、一定長さの電圧パ
ルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パル
スの波高値を変調できるような電圧変調方式の回路を用
いることができる。パルス幅変調方式を実施するに際し
ては、変調信号発生器107として、一定の波高値の電
圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧
パルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を
用いることができる。
5は、デジタル信号式のものでもアナログ信号式のもの
でも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変換や
記憶が所定の速度で行なわれれば良いからである。
号分離回路106の出力信号DATAをデジタル信号化
する必要があるが、これには同期信号分離回路106の
出力部にA/D変換器を設ければ良い。これに関連して
ラインメモリ105の出力信号がデジタル信号かアナロ
グ信号かにより、変調信号発生器107に用いられる回
路が若干異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用
いた電圧変調方式の場合、変調信号発生器107には、
例えばD/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路等
を付加する。パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器
107には、例えば高速の発振器及び発振器の出力する
波数を計数する計数器(カウンタ)及び計数器の出力値
と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパレー
タ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、比較
器の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝導型
電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための増幅
器を付加することもできる。
合、変調信号発生器107には、例えばオペアンプ等を
用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシフト
回路等を付加することもできる。パルス幅変調方式の場
合には、例えば電圧制御型発振回路(VCO)を採用で
き、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆動電圧に
まで電圧増幅するための増幅器を付加することもでき
る。
成装置においては、各電子放出素子に、容器外端子Dx
1乃至Dxm、Dy1乃至Dynを介して電圧を印加す
ることにより、電子放出が生じる。高圧端子87を介し
てメタルバック85あるいは透明電極(不図示)に高圧
を印加し、電子ビームを加速する。加速された電子は、
蛍光膜84に衝突し、発光が生じて画像が形成される。
明の画像形成装置の一例であり、本発明の技術思想に基
づいて種々の変形が可能である。入力信号についてはN
TSC方式を挙げたが、入力信号はこれに限られるもの
ではなく、PAL、SECAM方式等の他、これらより
も多数の走査線からなるTV信号(例えば、MUSE方
式をはじめとする高品位TV)方式をも採用できる。
て説明する。
素子を用いた電子源基板の模式図である。図12におい
て、110は電子源基板、111は電子放出素子であ
る。112は、電子放出素子111を接続するための共
通配線D1〜D10であり、これらは外部端子として引
き出されている。113,114,115,116は結
線である。
素子電極の内、素子電極2は結線113によって奇数番
目の配線112(D1,D3,…,D(m−1))に、
素子電極3は結線114によって偶数番目の配線112
(D2,D4,…Dm)に、素子電極7は結線115に
よって偶数番目の配線112に、素子電極8は結線11
6によって奇数番目の配線112に接続されている。本
構成において、素子電極2と8、及び素子電極3と7は
夫々配線112を共有することができる。
素子を用いた電子源基板の模式図である。図13におい
て、図12に示した符号と同一のものは同一である。1
17は補正電極用配線である。素子電極2は結線113
によって奇数番目の配線1112(D1,D3,…,D
(m−1))に、素子電極3は結線114によって偶数
番目の配線112に、素子電極7は結線115によって
偶数番目の配線112(D2,D4,…,Dm)に、補
正電極8’は結線116によって補正電極用配線117
に接続されている。
X方向に並列に複数個配置されている(これを素子行と
呼ぶ)。この素子行が複数個配置されて、電子源を構成
している。各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加する
ことで、各素子行を独立に駆動させることができる。即
ち、電子ビームを放出させたい素子行には、電子放出閾
値以上の電圧を印加し、電子ビームを放出させたくない
素子行には、電子放出閾値以下の電圧を印加する。各素
子行間に位置する共通配線D2〜D(m−1)は例えば
D2とD3、D4とD5、…、D(m−2)とD(m−
1)とを夫々一体の同一配線とすることもできる。
子源を備えた画像形成装置におけるパネル構造の一例を
示す模式図である。120はグリッド電極、121は電
子が通過するための開口、D1乃至Dmは容器外端子、
G1乃至Gnはグリッド電極120と接続された容器外
端子である。110は各素子行間の共通配線を同一配線
とした電子源基板である。図14においては、図9、図
12に示した部位と同じ部位には、これらの図に付した
のと同一の符号を付している。ここに示した画像形成装
置と、図9に示した単純マトリクス配置の画像形成装置
との大きな違いは、電子源基板110とフェースプレー
ト86の間にグリッド電極120を備えているか否かで
ある。
プレート86の間には、グリッド電極120が設けられ
ている。グリッド電極120は、表面伝導型電子放出素
子111から放出された電子ビームを変調するためのも
のであり、梯子型配置の素子行と直交して設けられたス
トライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各素
子に対応して1個ずつ円形の開口121が設けられてい
る。グリッド電極の形状や配置位置は、図14に示した
ものに限定されるものではない。例えば、開口としてメ
ッシュ状に多数の通過口を設けることもでき、グリッド
電極を表面伝導型電子放出素子の周囲や近傍に設けるこ
ともできる。
外端子G1乃至Gnは、不図示の制御回路と電気的に接
続されている。
つ順次駆動(走査)して行くのと同期してグリッド電極
列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加する。これ
により、各電子ビームの蛍光体への照射を制御し、画像
を1ラインずつ表示することができる。
レビジョン放送の表示装置、テレビ会議システムやコン
ピューター等の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて
構成された光プリンターとしての画像形成装置等として
も用いることができる。
く説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもの
ではなく、本発明の目的が達成される範囲内での各要素
の置換や設計変更がなされたものも包含する。
子を作製した。以下、図3を参照して本実施例における
製造方法を説明する。
トレジストパターンを形成した。次にスパッタリング法
を用いて、厚さ500Å/50ÅのPt/Tiを成膜
し、その上にスパッタリング法により厚さ4μmのSi
O2 層を形成した後、同様に厚さ500Å/50ÅのP
t/Tiを成膜した(図3(a))。
て開口部12を形成することにより、素子電極2,3,
7,8および絶縁層6を形成した(図3(b))。素子
電極の電極間距離L1は4μmとした。
/奥野製薬社製)をスピンコート法により塗布し、30
0℃で20分加熱処理をして酸化パラジウムの微粒子か
らなる導電性膜を形成し、Arガスを用いたドライエッ
チングにより所定の形状にパターニングして導電性膜4
を形成した(図3(c))。
子電極2と3、2と7、3と8間に同時に電圧を印加し
て通電フォーミングを行い、素子電極2と3、2と7、
3と8間に夫々電子放出部5a〜5cを形成した(図3
(d))。通電フォーミングの電圧波形は図4(b)に
示す波形とし、パルス幅T1を0.1msec、パルス
間隔T2を25msecとし、ピーク電圧を0〜15V
とした。
囲気中にて素子電極2と3、2と7、3と8間に10〜
16Vの電圧を印加し、活性化処理を行った。活性化の
印加電圧パルスはフォーミング時の印加電圧パルスと同
様にした。
図5に示した測定系を用い、1.3×10-5Pa以下の
圧力まで排気した後、駆動電圧14V、アノード電圧3
kVを印加して素子の電子放出特性を測定したところ、
素子電流If=2.6mA、放出電流Ie=3.2μA
が得られ、良好な電子放出特性を示した。なお、フォー
ミング、活性化、駆動において、素子電極2と8の電位
は0V(グランドレベル)とし、素子電極3と7に夫々
所定の電圧を印加した。
いて図7及び図9に示すような、マトリクス配線の電子
源基板および画像形成装置を作製した。
りPtペーストを印刷し、加熱焼成することにより、厚
み500Åの素子電極2,3を形成した。素子電極2,
3の電極間距離L1は30μmとした。
刷し、加熱焼成することにより、X方向配線72および
結線75、結線76を形成した。次に素子電極2,3
上、およびX方向配線72とY方向配線73の交差部に
スクリーン印刷法により絶縁性ペーストを印刷し、加熱
焼成して厚さ30μmの絶縁層6を形成した。オフセッ
ト印刷法によりPtペーストを印刷し、加熱焼成するこ
とにより、絶縁層6上に厚み500Åの素子電極7,8
を形成した。スクリーン印刷法によりAgペーストを印
刷し、加熱焼成することにより、Y方向配線73および
結線77、結線78を形成し、さらに結線75とY方向
配線73とを接続した。
方式の噴射装置(キヤノン社製BJ−10V)を用い、
酢酸パラジウム−エタノールアミン錯体水溶液を滴下
し、300℃で1時間加熱処理をして素子電極2と3、
2と7、3と8間に酸化パラジウムの微粒子からなる導
電性膜4を形成した。
リアプレート81上に固定した後、基体71の5mm上
方にフェースプレート86(ガラス基体の内面に蛍光膜
とメタルバックが形成されて構成される)を支持枠82
を介して配置し、フリットガラスを用いて400℃にて
封着を行った。なお、蛍光膜にはRGB3色がストライ
プ形状に配置されたものを用いた。
ポンプにて排気した後、容器外端子を通じて、電子放出
素子の素子電極間に0〜17Vの電圧を印加してフォー
ミングを行い、電子放出部5a〜5cを形成した。
囲気中で10〜18Vの電圧を印加し、活性化処理を行
った。
持するためにゲッター処理をおこなった後、排気管をガ
スバーナーで溶着して容器を封止し、画像形成装置を作
製した。
おいて、各電子放出素子には容器外端子を通じて、15
Vの電圧を印加し、高圧端子87を通じてメタルバック
に5kVの電圧を印加したところ、フェースプレート上
で高輝度の発光スポットを得ることができた。また、図
11に示すような駆動回路を用いて、NTSC方式のテ
レビ信号に基づいてテレビジョン表示を行ったところ、
全面において明るく良好な画像を表示させることができ
た。なお、フォーミング、活性化、駆動において、各素
子には容器外端子を通じて、素子電極2と8の電位は0
V(グランドレベル)とし、素子電極3と7にそれぞれ
所定の電圧を印加した。
すような電子放出素子を作製した。
上にリフトオフ用のフォトレジストパターンを形成し
た。次にスパッタリング法を用いて、厚さ500Å/5
0ÅのPt/Tiを成膜し、その上にスパッタリング法
により厚さ5μmのSiO2 層を形成した後、同様に厚
さ500Å/50ÅのPt/Tiを成膜した。有機溶剤
を用いてフォトレジストを除去して開口部12を形成す
ることにより、素子電極2、3、7、補正電極8’、お
よび絶縁層6を形成した。素子電極の電極間距離L1は
5μmとした。次に、実施例1と同様にして導電性膜4
を形成した。
2と3、2と7間に同時に電圧を印加して通電フォーミ
ングを行い、素子電極2と3、2と7間に電子放出部5
を形成した。通電フォーミングの電圧波形は図4(b)
に示す波形とし、パルス幅T1を0.1msec、パル
ス間隔T2を25msecとし、ピーク電圧を0〜15
Vとした。また、素子電極3と補正電極8’との間には
20Vの電圧を印加して、素子電極3と補正電極8’間
の導電性膜4を破壊して素子電極3と補正電極8’間を
絶縁させた。
囲気中にて素子電極2と3、2と7間に10〜16Vの
電圧を印加し、活性化処理を行った。活性化の印加電圧
パルスはフォーミング時の印加電圧パルスと同様にし
た。なお、フォーミング、活性化において、素子電極3
と7の電位は0V(グランドレベル)とし、素子電極2
にそれぞれ所定の電圧を印加した。
図5と同様の測定系に設置し、1.3×10-5Pa以下
の真空度まで排気した。素子電極3と7に0V、素子電
極2に14Vを印加して素子を駆動し、アノード電圧を
3kVとして素子の電子放出特性を測定した。補正電極
8’に100Vを印加したところ、素子電流If=1.
7A、放出電流Ie=4.5μAが得られ、補正電極
8’に電圧を印加しない場合に比べて電子放出効率は2
倍以上に向上した。
同様の測定系に設置し、1.3×10-5Pa以下の真空
度まで排気した。素子電極3と7に0V、素子電極2に
−14Vを印加して素子を駆動し、アノード電圧を3k
Vとして素子の電子放出特性を測定した。補正電極8’
に100Vを印加したところ、素子電流If=1.7
A、放出電流Ie=5.1μAが得られ、良好な電子放
出効率が得られた。
いて図8および図9(但し、補正電極用配線は不図示)
に示すような電子源基板および画像形成装置を作製し
た。
りPtペーストを印刷し、加熱焼成することにより、厚
み500Åの素子電極2,3を形成した。素子電極2,
3の電極間距離L1は30μmとした。
刷し、加熱焼成することにより、X方向配線72および
結線75、結線76を形成した。次に素子電極2,3
上、X方向配線72とY方向配線73の交差部、および
X方向配線72と補正電極用配線79の交差部にスクリ
ーン印刷法により絶縁性ペーストを印刷し、加熱焼成し
て厚さ30μmの絶縁層6を形成した。オフセット印刷
法によりPtペーストを印刷し、加熱焼成することによ
り、絶縁層6上に厚み500Åの素子電極7、および補
正電極8’を形成した。スクリーン印刷法によりAgペ
ーストを印刷し、加熱焼成することにより、Y方向配線
73、補正電極用配線79、および結線77、結線78
を形成し、さらに結線75とY方向配線73とを接続し
た。
方式の噴射装置(キヤノン社製BJ−10V)を用い、
実施例2と同様にして酸化パラジウムの微粒子からなる
導電性膜4を形成した。
リアプレート81上に固定した後、基体の5mm上方に
フェースプレート86(ガラス基体の内面に蛍光膜とメ
タルバックが形成されて構成される)を支持枠82を介
して配置し、フリットガラスを用いて400℃にて封着
を行った。なお、蛍光膜にはRGB3色がストライプ形
状に配置されたものを用いた。
ポンプにて排気した後、容器外端子を通じて、実施例4
と同様に素子電極2,3間および素子電極2,7間に0
〜17Vの電圧を印加してフォーミングを行い、素子電
極2,3間および素子電極2,7間に電子放出部5a,
5bを形成した。素子電極3と補正電極8’との間には
23Vの電圧を印加して素子電極3と補正電極8’間の
導電性膜4を破壊して素子電極3と補正電極8’間を絶
縁させた。
囲気中にて素子電極2,3間および素子電極2,7間に
10〜18Vの電圧を印加し、活性化処理を行った。
持するためにゲッター処理をおこなった後、排気管をガ
スバーナーで溶着して容器を封止し、画像形成装置を作
製した。
おいて、容器外端子を通じて、素子電極3と7に15
V、素子電極2に0Vを印加して素子を駆動し、補正電
極8’には150Vを印加した。高圧端子を通じてメタ
ルバックに4kVの電圧を印加したところ、フェースプ
レート上で高輝度の発光スポットを得ることができた。
また、図11に示すような駆動回路を用いて、NTSC
方式のテレビ信号に基づいてテレビジョン表示を行った
ところ、全面において明るく良好な画像を表示させるこ
とができた。
構成の電子放出素子を、多数配置した電子源において、
実施例5と同様のマトリクス配線を各電子放出素子に接
続したもの(ただし電極8は補正電極ではなく、他の電
極と同様の素子電極として用いる)で、電極2と電極3
の間、及び電極2と電極7の間に形成された電子放出部
5a,5bが正常に機能する場合は、電極3と電極8の
間の電子放出部5cは、電子放出させず、上記電子放出
部5aまたは5bに異常が生じた場合、電子放出部5c
から電子を放出させることにより、機能を補うものであ
る。
実施例5において説明したものと同様である。ただし、
実施例5では、電極8と電極3の間の導電成膜を破壊し
ているが、この処理は行わず、実施例1のように、電子
放出部5cを形成する処理を行った。
1に示したものとほぼ同様であるが、上述のような駆動
を行うために、一部変更される。変更される部分の説明
を図17により行う。
信号発生器107は、図11と同様である。該変調信号
発生器107には、図8のY方向配線Dy1〜Dymが
外部端子Doy1〜Doymを介して接続されている。
131は予備変調信号発生器で、図8のDh1〜Dhn
(ただし本実施例においては、補正電極用配線ではな
く、第2のY方向配線)が外部端子D′oy〜D′oy
nを介して、接続されている。132は、予備変調信号
制御装置である。
Dxmには、走査回路により、選択された行の配線には
+7.5V、それ以外には0Vの電位が印加される。Y
方向配線には、変調信号発生器107により0Vから−
7.5Vに立ち下がるパルスが、信号に応じて適当なパ
ルス幅で、それぞれの配線に印加される。第2のY方向
配線には、予備変調信号発生器131により、通常は0
Vの電位が与えられている。ただし、対応する位置の電
子放出部に異常があり、十分な電子放出が得られない場
合には、対応するY方向配線に印加するのと同じ電圧パ
ルスが、予備変調信号発生器131により印加される。
これを制御するのは、予備変調信号制御装置132で、
予め行った検査に基づいて、必要な場合のみ対応する電
子放出部5cから電子を放出させるよう、予備変調信号
発生器131を駆動するものである。
を、本発明のような電子源を用いて形成する場合、多数
の電子放出素子の中に僅かでも不良の素子があると、そ
の部分の画素が欠落し、画像の品位が著しく悪くなって
しまうため、不良素子を含まない電子源を得ることは難
しくなり、製造歩留まりが著しく低くなる。そこで本実
施例の如く、各画素毎に予備の素子を備え、不良の素子
があった場合にこれを補償するようにすることにより、
製造歩留まりが大きく向上する。さらに本実施例では、
先述の如く、電子放出素子を立体的に構成しているた
め、上記のように予備の素子を配置しても、十分に小さ
なピッチを保ったまま電子放出素子を配置することがで
き、高精細に対する要求を満たしうるものである。
5を同様に補正電極とし、例えば、電子放出部5aを通
常の電子放出部、5bを予備の電子放出部として、上記
と相似の駆動方法によって駆動する方法によっても得ら
れる。
下の効果を奏する。
ば、従来の素子電極上に絶縁層を介してさらに素子電極
を形成し、3次元方向にも電子放出部を形成したことに
より、素子面積(本発明を応用した画像形成装置におい
ては画素ピッチ)を増大させることなく電子放出面積を
増大させることができ、より大きな電子放出電流を得る
ことができる。
子放出させる駆動方法を採用する場合には、第1の電極
と第4の電極、及び第2の電極と第3の電極を夫々共通
の配線に接続して駆動することができ、配線を新たに設
ける必要がない。
ことにより、3つの電子放出部5a〜5cのうちの電子
放出させる電子放出部の数を変化させることができる。
このため、カラーディスプレイ等に応用する場合におい
て、R,G,B3色の蛍光体の発光効率の違いを補償す
るように、電子放出量を制御することができ、輝度特性
に優れた画像形成装置が実現される。
よれば、上記(1)の効果に加え、第4の電極(電界補
正電極)に適当な電圧を印加することにより、電子放出
電流及び電子放出効率を向上させることができると共
に、電子を蛍光体の正位置に照射させるように電子の軌
道を修正することも可能であり、これにより輝度の低下
や混色を防ぐことができる。
と第3の電極の電位よりも高電位とすることにより、従
来素子電極に吸い込まれていた電子をより多くアノード
電極に到達させることができる。更に、第2の電極と第
3の電極の電位を第1の電極の電位よりも高電位にし
(第2の電極と第3の電極を陽極、第1の電極を陰極と
する)、第4の電極の電位を第2の電極と第3の電極の
電位よりも高電位とすることにより、電子放出効率の向
上により大きな効果が得られる。
数用いて構成した電子源・画像形成装置においては、明
るく鮮明な表示画像を実現し得る。
した断面図及び平面図である。
した断面図である。
の模式図である。
る通電フォーミング処理における電圧波形の一例を示す
模式図である。
るための測定評価系を示す概略図である。
である。
示す模式図である。
を示す模式図である。
す模式図である。
図である。
ビ信号に応じて表示を行うための駆動回路の一例を示す
ブロック図である。
式図である。
模式図である。
示す模式図である。
模式図である。
す模式図である。
めのブロック図である。
源 52 電子放出部より放出される放出電流Ieを測定す
るための電流計 53 アノード電極に電圧を印加するための高圧電源 54 電子放出部より放出される電子を捕捉するための
アノード電極 55 真空容器 56 排気ポンプ 71 電子源基板 72 X方向配線 73 Y方向配線 74 電子放出素子 75,76,77,78 結線 79 補正電極用配線 81 リアプレート 82 支持枠 83 ガラス基体 84 蛍光膜 85 メタルバック 86 フェースプレート 87 高圧端子 88 外囲器 91 黒色導電材 92 蛍光体 101 表示パネル 102 走査回路 103 制御回路 104 シフトレジスタ 105 ラインメモリ 106 同期信号分離回路 107 変調信号発生器 Vx,Va 直流電圧源 110 電子源基板 111 電子放出素子 112 電子放出素子を配線するための共通配線 113,114,115,116 結線 117 補正電極用配線 120 グリッド電極 121 電子が通過するための開口 131 予備変調信号発生器 132 予備変調信号制御装置
Claims (13)
- 【請求項1】 基体上に対向して形成された第1の電極
と第2の電極、及び第1の電極と第2の電極上に各々絶
縁層を介して積層された第3の電極と第4の電極とを有
し、第1の電極と第2の電極の間、第1の電極と第3の
電極の間、第2の電極と第4の電極の間に夫々電子放出
部が形成されていることを特徴とする電子放出素子。 - 【請求項2】 前記第1の電極と第4の電極、及び前記
第2の電極と第3の電極には、夫々同じ電位が与えられ
ることを特徴とする請求項1に記載の電子放出素子。 - 【請求項3】 前記第1〜第4の電極には、夫々独立し
た電位が与えられることを特徴とする請求項1に記載の
電子放出素子。 - 【請求項4】 基体上に対向して形成された第1の電極
と第2の電極、及び第1の電極と第2の電極上に各々絶
縁層を介して積層された第3の電極と第4の電極とを有
し、第1の電極と第2の電極の間、及び第1の電極と第
3の電極の間に電子放出部が形成されており、第2の電
極と第4の電極の間は絶縁されていることを特徴とする
電子放出素子。 - 【請求項5】 前記第4の電極は、前記第1〜第3の電
極とは独立した電位が与えられる電界補正電極であるこ
とを特徴とする請求項4に記載の電子放出素子。 - 【請求項6】 前記第4の電極には、前記第1〜第3の
電極に与えられる電位よりも高い電位が与えられること
を特徴とする請求項5に記載の電子放出素子。 - 【請求項7】 前記第2の電極と第3の電極には、同じ
電位が与えられることを特徴とする請求項4〜6のいず
れかに記載の電子放出素子。 - 【請求項8】 前記第2の電極と第3の電極には、前記
第1の電極に与えられる電位よりも高い電位が与えられ
ることを特徴とする請求項4〜7のいずれかに記載の電
子放出素子。 - 【請求項9】 基体上に、複数の電子放出素子が配列さ
れた電子源において、前記電子放出素子が、請求項1〜
8のいずれかに記載の電子放出素子であることを特徴と
する電子源。 - 【請求項10】 前記複数の電子放出素子が、マトリク
ス状に配線されていることを特徴とする請求項9に記載
の電子源。 - 【請求項11】 前記複数の電子放出素子が、梯子状に
配線されていることを特徴とする請求項9に記載の電子
源。 - 【請求項12】 基体上に複数の電子放出素子が配列さ
れた電子源と、該電子源から放出される電子線の照射に
より画像を形成する画像形成部材とを有する画像形成装
置において、前記電子源が、請求項9〜11のいずれか
に記載の電子源であることを特徴とする画像形成装置。 - 【請求項13】 上記画像形成装置に用いた電子源にお
いて、上記第1〜第4の電極により形成される2個ない
し3個の電子放出部の組のうち一部を通常の電子放出部
となし、他を予備の電子放出部となし、通常の電子放出
部を通常の駆動回路により、予備の電子放出部を予備の
駆動回路により駆動し、通常の電子放出部が正常に電子
放出を行わない場合に、対応する予備の電子放出部によ
り電子放出を行うよう、上記予備の駆動回路を動作させ
る制御装置を有することを特徴とする請求項12に記載
の画像形成装置。
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-
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