JP2966546B2 - セルロース系繊維糸条又は布帛の耐久性防炎加工方法 - Google Patents

セルロース系繊維糸条又は布帛の耐久性防炎加工方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,セルロース系繊維糸条
または布帛の耐久性防炎加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在行われている代表的なセルロース系
繊維糸条や布帛の耐久性防炎加工方法には,オルブライ
ト・アンド・ウイルソン社のプロバン加工とチバ・ガイ
ギー社のピロバテツクス加工が挙げられる。
【0003】前者のプロバン加工は,リン窒素モノマー
を尿素との前縮合物にし,セルロース系繊維の非結晶領
域やミセル間隙に浸透させた後,アンモニアガスによっ
てリン窒素ポリマーを形成する方法で,セルロースのフ
イブリルの隙間に防炎ポリマーを形成する方法である。
この防炎ポリマー形成のためにはアンモニアガスを用い
るので,アンモニアキユアー用の特殊な装置が必要とな
り,しかも,アンモニアによる染色物の変色や耐光性の
悪化を回避するため,バツト染料しか使用することがで
きないという問題がある。
【0004】一方,後者のピロバテツクス加工は,N−
メチロールジアルキルフオスフオノカルボキシリツク酸
アミドを主成分とし,これをセルロースの水酸基と直接
反応またはN−メチロールメラミン樹脂を媒体にセルロ
ースと反応せしめる方法である。このピロバテツクス加
工では,セルロース間に架橋結合を形成するため,強力
の低下や風合いの硬化を生じ,しかも,架橋反応を促進
させる目的で使用する酸触媒によってもセルロースが加
水分解し,強力が低下するなどの問題もある。この防炎
加工では,防炎性能と強力とは一種の相反関係にあり,
高い防炎性能を得るような防炎加工条件を選ぶと強力の
著しい低下を招き,一方,この欠点を避け得るような加
工条件を選べば,強力は保持されても防炎性能が低くな
る。このため強力がある程度強い厚地織物等にこの防炎
加工を行うことは可能であるが,高密度織物や薄地織物
等には,防炎性能と強力のバランスから,高い防炎性能
を有した防炎加工を行うことは困難であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,このような
現状に鑑みて行われたもので,セルロース系繊維糸条や
布帛に,その強力を保持しつつ,しかも高い防炎性能を
付与することができる加工方法を得ることを目的とする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記目的を達
成するもので,次の構成よりなるものである。すなわ
ち,本発明は,セルロース系繊維糸条または布帛に,N
−メチロールジアルキルフオスフオノカルボキシリツク
酸アミドを主成分とする水溶液で防炎加工を行うに際し
て,該水溶液に平均分子量200〜20000のポリエ
チレングリコールおよび2種類以上の有機酸を併用して
防炎加工を行うことを特徴とするセルロース系繊維糸条
又は布帛の耐久性防炎加工方法を要旨とするものであ
る。
【0007】以下,本発明を詳細に説明する。本発明方
法では,セルロース系繊維糸条または布帛を加工の対象
として用いる。ここでいうセルロース系繊維糸条とは,
木綿,麻,ビスコースレーヨン等のセルロース繊維のみ
からなる糸条またはこれらのセルロース繊維を85%以上
含有する糸条をいい,15%未満の範囲でナイロン繊維,
ポリエステル繊維,ポリアクリロニトリル繊維,ビニロ
ン繊維等の合成繊維と混紡されたり,混繊されたりした
混紡糸や混繊糸であってもよい。
【0008】本発明でいうセルロース系繊維布帛につい
ても,同様に木綿,麻,レーヨン等のセルロース繊維の
みからなる織物,編物,不織布またはこれらのセルロー
ス繊維を85%以上含有する織物,編物,不織布等をい
い,15%未満の範囲で前述の合成繊維が混用されてい
てもよい。
【0009】上述の合成繊維の混用率は,いずれの場合
にも15%以下でなければならない。これは,セルロー
ス繊維と合成繊維の燃焼機構,挙動が異なるため,合成
繊維の混用率が15%以上になると,セルロース繊維の
炭化反応による防炎作用が合成繊維の溶融,ドリツプ,
収縮等の燃焼挙動により阻害され,防炎効果が低下して
しまうためである。
【0010】本発明では,上述のセルロース系繊維糸条
または布帛に,N−メチロールジアルキルフオスフオノ
カルボキシリツク酸アミドを主成分とする水溶液で防炎
加工を行う。
【0011】ここでいうN−メチロールジアルキルフオ
スフオノカルボキシリツク酸アミドを主成分とする水溶
液は,現在セルロース繊維用の耐久性防炎加工剤として
広く市販されているN−メチロール基を分子内に反応基
として含有するタイプのもので,例えば,チバ・ガイギ
ー社のピロバテツクスCPや明成化学工業〔株〕のホス
コン82等を挙げることができる。
【0012】これらの防炎加工剤は,通常の樹脂加工の
装置を用いて,通常の方法で繊維に付与されるが,この
防炎加工に際して,本発明方法では,上述のN−メチロ
ールジアルキルフオスフオノカルボキシリツク酸アミド
を主成分とする水溶液に,膨潤剤として平均分子量20
0〜20000のポリエチレングリコールおよび反応用
触媒として2種類以上の有機酸を併用して加工を行う。
【0013】ポリエチレングリコールは,防炎剤が繊維
の内部へ浸透しやすくするため,セルロース繊維を膨潤
させる目的で併用される。ポリエチレングリコールは平
均分子量が200〜20000のものを用いるが,加熱
下にセルロースの非晶領域をできるだけ膨潤させるため
には,沸点の高い平均分子量1000以上のものを用い
るほうが,より一層好ましいことである。ポリエチレン
グリコールの使用濃度は20〜400g/l程度が適当
である。
【0014】反応用触媒として用いる有機酸としては,
酒石酸,クエン酸,マレイン酸,無水マレイン酸,フマ
ル酸,シュウ酸等を挙げることができ,これらは防炎加
工処理浴に添加すると,いずれも電離して水素イオンを
生成するものである。本発明ではこのような有機酸を2
種類以上用いることが必要である。有機酸の組み合わせ
は任意でよいが,酒石酸とクエン酸を組み合わせて用い
ると,特に良好な結果が得られる。有機酸の使用濃度
は,2〜50g/l程度が適当である。
【0015】防炎加工後,未固着のジアルキルフオスフ
オノカルボキシリツク酸アミドおよび樹脂架橋用触媒の
有機酸を除去するため,水酸化ナトリウムや炭酸ナトリ
ウム等を用いて通常のアルカリソーピングを行う。 本
発明は,以上の構成よりなるものである。
【0016】
【作用】本発明において,水溶性エマルジヨンタイプの
柔軟剤で前処理を行う第1工程と耐久性のある防炎加工
を行う第2工程との結合により,なぜセルロース系繊維
糸条や布帛に強力の大きい,高い防炎性能を有する耐久
性防炎加工を施すことができるのか,その理由は必ずし
も明確ではないが,本発明者らは次のように推測してい
る。
【0017】本発明に使用するポリエチレングリコール
は親水性の高い物質であり,セルロースに対して水と同
様に高い膨潤性を有し,特に分子量が200〜2000
0と高沸点であり,N−メチロール基を含有するジアル
キルフオスフオノカルボキシリック酸アミドおよびメラ
ミン樹脂をセルロースに反応させる乾熱高温下において
も蒸発することなくセルロースを膨潤状態に保ったまま
となる。従って,この状態で反応を行うと,上記N−メ
チロール基を有する防炎性物質は数分子が縮合し,セル
ロース分子間に比較的長い架橋鎖を形成していくものと
推定される。そして,併用する2種以上の有機酸の混合
触媒は,このとき,N−メチロール基を有する物質(ジ
アルキルフオスフオノカルボキシリック酸アミド,メラ
ミン樹脂)の縮合反応と,セルロースの水酸基への反応
を分担して,共に効率よく促進する役割を果たすものと
考えられる。
【0018】このようにして,膨潤状態で導入された架
橋鎖は,その後のソーピング工程で膨潤剤が除去される
と,セルロース非晶部の分子間距離よりも長くなるた
め,もはや,セルロース分子間を拘束する力は弱くな
り,分子間のすべりが生じるようになり,その結果,外
部からの応力に対して緩和作用が生じ,強力低下の少な
い防炎加工が実現されるものと考えられる。
【0019】
【実施例】次に,本発明を実施例によってさらに具体的
に説明するが,実施例における布帛の性能の測定評価
は,下記の方法で行った。 (1) 燃焼性 JISL−1091(A−4法)および DOC FF
3−71により炭化長(cm)を測定した。 (2) 引裂強さ JISL−1018 ペンジユラム法 (3) 風 合 感応テストにより,次の3段階判定を行う。 ◎:非常に柔軟 ○:柔軟 △:やや硬い (4) 洗濯繰り返し試験 JISL−0217,103法(ホームランドリー法)
にて50回行った。
【0020】実施例1 木綿100%の綾織物(経緯合計密度170本/吋,目
付217g/m2)を用意し,これに下記処方1の耐久
性防炎加工処理液を含浸し,マングルで絞液率80%に
て絞液後,100℃で2分間の乾燥を行い,続いて16
0℃で3分間のキユアリングを行った。
【0021】 〔処方1〕 ピロバテツクスCP 300g/l (日本チバ・ガイギー〔株〕,防炎剤) スミテックスレジンM−6 80g/l (住友化学工業〔株〕,メラミン樹脂) ウルトラテツクスFSA 30g/l (日本チハ゛・カ゛イキ゛ー〔株〕,シリコン系柔軟剤) 酒石酸 10g/l クエン酸 10g/l ホ゜リエチレンク゛リコール (平均分子量2000) 50g/l
【0022】この後,炭酸ナトリウムを用いて80℃で
5分間の通常のアルカリソーピングを行い,湯水洗後,
100℃で1分間乾燥し,本発明の耐久性防炎加工織物
を得た。
【0023】本発明との比較のため,本実施例において
処方1からポリエチレングリコールを省き,酒石酸とク
エン酸に代えてリン酸(85%)20g/lを用いるほ
かは,本実施例と全く同一の方法により従来法による比
較用の防炎加工織物(以下,比較例1とする。)を得
た。
【0024】また,本発明との比較のため,本実施例に
おいて処方1からクエン酸を省き,酒石酸の濃度を倍の
20g/lとするほかは,本実施例と全く同一の方法に
より比較用の防炎加工織物(以下,比較例2とする。)
を得た。
【0025】本発明および比較用の織物の性能を測定評
価し,その結果を合わせて表1に示した。
【0026】
【0027】表1より明らかなごとく,本発明方法によ
る加工布帛は,高い強力と高い防炎性能を兼ね備えた耐
久性防炎加工布帛であり,その風合も非常に柔らかいも
のであった。
【0028】
【発明の効果】本発明方法によれば,セルロース系繊維
糸条や布帛に強力の大きい,しかも高い防炎性能を有す
る耐久性防炎加工を施すことができ,また,風合も柔ら
かいものを得ることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セルロース系繊維糸条又は布帛に,N−
    メチロールジアルキルフオスフオノカルボキシリツク酸
    アミドを主成分とする水溶液で防炎加工を行うに際し
    て,該水溶液に平均分子量200〜20000のポリエ
    チレングリコールおよび2種類以上の有機酸を併用して
    防炎加工を行うことを特徴とするセルロース系繊維糸条
    又は布帛の耐久性防炎加工方法。
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