JP2964281B2 - 制振人工地盤 - Google Patents

制振人工地盤

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JP2964281B2 JP19340891A JP19340891A JP2964281B2 JP 2964281 B2 JP2964281 B2 JP 2964281B2 JP 19340891 A JP19340891 A JP 19340891A JP 19340891 A JP19340891 A JP 19340891A JP 2964281 B2 JP2964281 B2 JP 2964281B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種建築構造物や土木
構造物等が設置される人工地盤における、特に地震時の
制振対策として採用された場合に好適な制振人工地盤に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】人工地盤上に構築された構造物の制振対
策として、地盤振動に伴う構造物の振動は、構造物が設
置された人工地盤を振動減衰装置により抑制している。
この振動減衰装置を構造物等に設ける振動抑制の具体例
としては、地盤とその上の人工地盤とに、ゴム積層構
造、オイルダンパー、履歴ダンパー等の振動減衰装置を
多数取り付けていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、人工地盤で
は質量が大きいため地震時に生じる慣性力が大きく、地
震時に地盤と人工地盤との間に取り付けられた多数の振
動減衰装置に、相対変形および剛体回転が生じる。この
振動減衰装置にねじり回転による力がかかると、地盤と
人工地盤とに多数の振動減衰装置が取り付けられている
ため、振動減衰装置がねじり回転によってひきちぎられ
たり、人工地盤自身に応力が集中し、人工地盤が破壊さ
れるおそれを生じるという問題があった。そして、地盤
と人工地盤とに取り付けられた振動減衰装置がひきちぎ
られ、人工地盤が左右に自由に移動して、人工地盤が地
盤の上に落ちるというおそれがあった。このため、地震
時における振動、特に人工地盤のねじり回転による安全
性に問題があった。また、人工地盤ではスパンが大きく
形成されているため、振動減衰装置が多数必要となり、
振動減衰装置にかかる費用が高くなるという問題もあっ
た。
【0004】本発明は前記課題を有効に解決するもの
で、安全性を向上させた制振人工地盤を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の制振人工
地盤は、地盤上に複数の振動減衰体が載置され、これら
振動減衰体上に人工地盤が載置され、人工地盤の一軸線
回りの回転を自在にする回転支持部材が地盤と人工地盤
との間に取り付けられていることを特徴とするものであ
る。
【0006】請求項2記載の制振人工地盤は、請求項1
記載の制振人工地盤において、前記回転支持部材は、板
状の弾性体と金属板とが交互に積み重ねられ、一端を地
盤に固定されるとともに、他端を人工地盤に固定された
積層体と、該積層体の軸中心部に該積層体の積層方向に
沿って設けられ、人工地盤の一軸線回りの回転を減衰す
る多角柱体とを有していることを特徴とするものであ
る。
【0007】請求項3記載の制振人工地盤は、請求項2
記載の制振人工地盤において、前記回転支持部材が人工
地盤の中心部に設けられているとともに、前記人工地盤
の外周面に対向する面に弾性体が取り付けられ、これら
人工地盤と弾性体との間に人工地盤を覆う間隙が設けら
れていることを特徴とするものである。
【0008】
【作用】請求項1記載の制振人工地盤によれば、地盤上
に複数の振動減衰体が載置され、これら振動減衰体上に
人工地盤が載置されているために、人工地盤はこれら振
動減衰体上を左右自由に滑ることができ、地盤の振動を
直接人工地盤に伝えることなく、地盤から人工地盤に伝
わる振動を抑制することができる。そして、人工地盤の
一軸線回りの回転を自在にする回転支持部材が地盤と人
工地盤との間に取り付けられているために、人工地盤の
移動距離を抑えることができるとともに、これら振動減
衰体に大きなねじれの回転がかかって場合に、人工地盤
が回転支持部材を中心に回転することができる。
【0009】請求項2記載の制振人工地盤によれば、請
求項1記載の作用と同様に、人工地盤はこれら振動減衰
体上を左右自由に滑ることができ、地盤から人工地盤に
伝わる振動を抑制することができる。この人工地盤の一
軸線回りの回転を減衰する回転支持部材が地盤と人工地
盤とにの間に取り付けられているために、人工地盤の移
動距離を抑えることができ、この回転支持部材に大きな
ねじれの回転がかかって場合に、回転支持部材を中心に
人工地盤が回転するとともに、この地盤から人工地盤に
かかるねじれの回転を回転支持部材により減衰すること
ができる。
【0010】請求項3記載の制振人工地盤によれば、請
求項1記載及び請求項2記載の作用と同様に、複数の振
動減衰体上を人工地盤は左右自由に滑ることができ、地
盤から人工地盤に伝わる振動を抑制することができ、人
工地盤の移動距離を抑えることができる。この人工地盤
に大きなねじれの回転がかかって場合に、回転支持部材
を中心に人工地盤が回転し、この地盤から人工地盤にか
かるねじれの回転を減衰することができる。そして、こ
の回転支持部材は人工地盤の中心部に設けられているた
め、人工地盤にねじれの回転がかかっても、人工地盤の
中心部を中心に人工地盤が回転し、人工地盤の回転によ
る移動半径を短くし、人工地盤の移動距離を短くするこ
とができる。この人工地盤の外周面に対向する面に弾性
体が取り付けられ、これら人工地盤と弾性体との間に人
工地盤を覆う間隙が設けられているため、人工地盤の回
転による移動距離をさらに一定距離に短くすることがで
き、人工地盤と振動減衰体との載置状態を維持すること
ができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の制振人工地盤の第一実施例を
図1ないし図5を参照して説明する。この制振人工地盤
1では、図1及び図2に示すように、地盤2に上方向に
開放されたくぼみ部3が設けられ、このくぼみ部3の対
向する一組の両側壁4に支持台6が設置されている。こ
れら支持台6に複数の振動減衰体8が一列に固定され、
これら振動減衰体8上に、例えば桁等の土木構造物から
なる人工地盤10が載置されている。この人工地盤10
と地盤2上に設置された支持台6とに、人工地盤10の
一軸線回りの回転(実施例では鉛直軸回りの回転)を自
在にする回転支持部材11が取り付けられている。この
回転支持部材11は、図1に示すように、地盤2に設置
された一方の支持台6に取り付けられ、一列に配置され
た振動減衰体8の最後部に取り付けられている。
【0012】この回転支持部材11では、図3に示すよ
うに、上部ブロック12と下部ブロック13とを有して
いる。この下部ブロック13は、支持台6上に例えばセ
メントアスファルト17を介して固定されている。この
下部ブロック13には、上方向に開放された円柱体状凹
部14が形成され、この円柱体状凹部14に円柱体状の
上部ブロック12が挿入されている。この上部ブロック
12は、人工地盤10の下面に直接取り付けられてい
る。これら上部ブロック12と下部ブロック13の円柱
体状凹部14との間に粘弾性体15が嵌め合わされ、人
工地盤10の一軸線回りの回転を自在にしている。
【0013】一方、振動減衰体8では、図4に示すよう
に、例えばタイヤ再生ゴム等からなる板状の弾性体16
aと金属板16bとが交互に積み重ねられ、これら弾性
体16aと金属板16bとが支持台6上に設置されたセ
メントアスファルト17上に上下方向に沿って固定され
ている。この振動減衰体8では、これら弾性体16aと
金属板16bとにより外部が覆われているとともに、内
部には円柱状空間が設けられ、この円柱状空間内に例え
ば円柱状鉛プラグ(図示略す)が嵌め合わされている。
また、この人工地盤10の中心部に粘弾性体ダンパー1
8が取り付けられている。この粘弾性体ダンパー18
は、図5に示すように、例えばゴムアスファルト19が
人工地盤10の下面に直接取り付けられ、このゴムアス
ファルト19の下面に耐候性鋼20が直接取り付けられ
ている。
【0014】このような制振人工地盤1の作用について
説明する。地震等により地盤2が水平方向(例えばX、
Y)の一方向(X)に振動した場合、即ち、地盤2が並
進運動した場合、地盤2上に人工地盤10を支持する複
数の振動減衰体8に、地盤2のX方向の振動が伝わり、
これら振動減衰体8の内部に嵌合された円柱状鉛プラグ
が変形し、この円柱状鉛プラグの変形が繰り返されるこ
とにより振動が減衰される。これら振動減衰体8により
減衰されたX方向の振動が人工地盤10に伝わる。ま
た、Y方向に地盤2が振動した場合も、振動減衰体8は
X方向と同様な作用をする。これら振動減衰体8によ
り、地盤2の振動を減衰して人工地盤10に伝えること
ができる。
【0015】また、地盤2がねじり回転(X、Y方向の
ねじり振動)をした場合、即ち、地盤2が回転運動をし
た場合、人工地盤10は振動減衰体8上に載置されてい
るため、人工地盤10はこれら振動減衰体8上をすべる
ことができる。このときに、人工地盤10を一軸線回り
の回転を自在にする回転支持部材11が地盤2と人工地
盤10との間に取り付けられているため、人工地盤10
が大きく移動せずに回転する。この人工地盤10の回転
は、図1の点線で示すように、一方の支持台6がねじれ
の位置に移動した場合、人工地盤10が回転支持部材1
1を中心に回転する。ここで、人工地盤10は、左側の
支持台6にある前方の振動減衰体8上をすべるととも
に、右側の支持台6にある前方の振動減衰体8上をすべ
る。しかし、左側の支持台6の後部に回転支持部材11
が取り付けられているために、左側後方の振動減衰体8
と人工地盤10との載置状態を維持し、右側後方の振動
減衰体8と人工地盤10との載置状態を維持する。この
ため、人工地盤10が支持台6から落下するのを防ぐこ
とができる。さらに、人工地盤10に、歩行者や車等の
通過に伴う上下動の振動が伝わった場合、粘弾性ダンパ
ー18が人工地盤10の中心部に取り付けられているた
め、この上下動の振動を吸収することができる。
【0016】このような制振人工地盤1によれば、複数
の振動減衰体8上に人工地盤10が載置されているた
め、地盤2の振動を人工地盤10に直接伝えることな
く、地盤2の振動を減衰して人工地盤10に伝えること
ができる。そして、人工地盤10が振動減衰体8に載置
されているため、人工地盤10と振動減衰体8とにねじ
り回転が伝わるのを防ぎ、振動減衰体8がひきちぎれた
り、支持台6が破壊されたりするのを防止することがで
きる。このため、地震時に振動減衰体8と人工地盤10
とに作用する相対変形を小さくすることができ、人工地
盤10が落下するのを防ぐことができ、人工地盤10の
安全性、特にねじり回転に対する安全性を高めるととも
に、振動減衰体8と人工地盤10との構造上の安定性を
保つことができる。また、粘弾性ダンパー18が人工地
盤10の中心部に取り付けられているため、振動減衰体
8とともに、水平方向及び上下方向の振動を吸収するこ
とができる。
【0017】そして、人工地盤10を一軸線回りの回転
を自在にする回転支持部材11が地盤2と人工地盤10
との間に取り付けられているため、地盤2にねじれの回
転がかかった場合、人工地盤10が回転支持部材11を
中心に回転される。この回転支持部材11により、地盤
2から人工地盤10にかかるねじれの回転に対応するこ
とができ、人工地盤10を支持台6から落下されるのが
防止される。そして、伝達されるねじれの回転を防ぐこ
とにより、人工地盤10にねじれの応力が集中するのを
防ぎ、人工地盤10が破壊されるのを防ぐことができ
る。また、振動減衰体8上に人工地盤10を載置すれば
よいことから、あらためて振動減衰装置を取り付ける必
要性をなくし、振動減衰装置等にかかる費用を低減する
ことができる。なお、第一実施例では、鉛直方向を一軸
線としたが、斜面に人工地盤10を設置する場合、回転
支持部材11が若干斜めに設けられる場合設けられるあ
り、この場合にも本発明の制振人工地盤1は対応でき
る。
【0018】以下、本発明の制振人工地盤の第二実施例
を図6ないし図9を参照して説明する。ここで、第一実
施例と同様のものについては同一の符号を用い説明を簡
略化する。この制振人工地盤23では、図6に示すよう
に、地盤2に上方向に開放されたくぼみ部3が設けら
れ、このくぼみ部3の対向する一組の両側壁4・5に支
持台6、6が設置されている。これら支持台6に載置部
24がそれぞれ設けられている。これら載置部24は、
断面L字状に形成されるとともに、平面コ字型に形成さ
れ、それぞれ対向して形成されている。これら載置部2
4に複数の振動減衰体8が立てられて状態で、水平方向
に一列に並べられている。これら振動減衰体8上に例え
ば平面H型形状をなす大梁等の土木構造物からなる人工
地盤25の両端部が載置されている。この土木構造物か
らなる人工地盤25の外周面に対向する載置部24の側
壁26に、弾性体27が取り付けられている。これら弾
性体27は人工地盤25の外周面に向けて固定され、土
木構造物からなる人工地盤25の外周面を覆っている。
これら土木構造物からなる人工地盤25と弾性体27と
の間に、人工地盤25の外周面を覆う間隙28が設けら
れている。
【0019】この土木構造物からなる人工地盤25上に
は、図7に示すように、上下面に振動減衰体8が例えば
H型状の位置に複数配列されている。これら振動減衰体
8では、第一実施例と同様に、弾性体16aと金属板1
6bとが交互に積み重ねられ、内部に円柱状鉛プラグが
挿入されて構成されている。これら振動減衰体8上に例
えば建築構造物からなる人工地盤29が載置されてい
る。この建築構造物からなる人工地盤29の中心部に回
転支持部材30が取り付けられ、この回転支持部材30
は土木構造物からなる人工地盤25と建築構造物からな
る人工地盤29との間に取り付けられている。
【0020】この回転支持部材30では、図8に示すよ
うに、例えば円柱体からなり、上下両端部にレベルプレ
ート31がそれぞれ取り付けられている。これらレベル
プレート31は土木構造物からなる人工地盤25と建築
構造物からなる人工地盤29とにそれぞれ直接取り付け
られる。これらレベルプレート31を介してフランジプ
レート32がそれぞれの人工地盤25・29に複数本の
定着用ボルト33により固定されている。これらフラン
ジプレート32間に、例えばタイヤ再生ゴム等からなる
板状の弾性体34と金属板35とが交互に積み重ねられ
て、積層体36が構成されている。この積層体36の内
部には、図9に示すように、これら弾性体34と金属板
35との軸中心部に、多角柱の空間である十字状空間3
7が、積層体36の積層方向である例えば鉛直方向に沿
って設けられ、この十字状空間37内に十字状鉛プラグ
38が嵌め合わされている。この十字状鉛プラグ38の
四方の端部にスチールロッド39がそれぞれ鉛直方向に
貫通され、これらスチールロッド39の両端部はロッド
固定ボルト40によりフランジプレート32に固定され
ている。
【0021】このような制振人工地盤23の作用につい
て説明する。地震等により地盤2が振動した場合、即
ち、並進運動の振動の場合、地盤2から支持台6、6に
振動が伝達し、この支持台6、6の振動が人工地盤25
を支持する複数の振動減衰体8に伝達する。これら振動
減衰体8では、第一実施例と同様に、内部に嵌合された
円柱状鉛プラグにより振動が減衰される。これら振動減
衰体8により減衰された振動が土木構造物からなる人工
地盤25に伝わり、この土木構造物からなる人工地盤2
5の振動が振動減衰体8によりさらに減衰して建築構造
物からなる人工地盤29に伝達する。
【0022】そして、地盤2がねじり回転をした場合、
即ち、回転運動の振動の場合、土木構造物からなる人工
地盤25は振動減衰体8上に載置されているため、人工
地盤25はこれら振動減衰体8上をすべり、ねじれ回転
を減衰することができる。この人工地盤25の外周面に
対向する面に弾性体29が取り付けられ、これら人工地
盤25と弾性体29との間に間隙28が設けられている
ため、人工地盤25の回転による移動が間隙28内に限
られるとともに、人工地盤25の移動により支持台6に
かかる衝撃を弾性体29で柔らげ、人工地盤25と振動
減衰体8との載置状態を維持することができる。
【0023】この土木構造物からなる人工地盤25から
振動減衰体8を介して建築構造物からなる人工地盤29
にねじれ回転が伝わる。これら振動減衰体8は土木構造
物からなる人工地盤25上に載置されているために、建
築構造物からなる人工地盤29は振動減衰体8上をすべ
ることができる。このときに、建築構造物からなる人工
地盤29を一軸線回りの回転を自在にする回転支持部材
30が、それぞれの人工地盤25・29に取り付けられ
ているため、それぞれの人工地盤25・29が回転支持
部材30を中心に回転することができる。この回転支持
部材30にねじれの回転がかかると、十字状鉛プラグ3
8は回転方向にねじれた変形をして、回転振動エネルギ
ーを塑性エネルギーとして吸収する。この回転振動にと
もない、スチールロッド39がねじれ、これら十字状鉛
プラグ38とスチールロッド39とのねじれに対応し
て、積層体36の金属板35と弾性体34とが互いに平
行に滑って位置ずれを生じる。これら積層体36とスチ
ールロッド39との回転振動に対する反作用により、変
形した十字状鉛プラグ38変形前の状態に戻る。このよ
うに、回転振動エネルギーを塑性エネルギーとして吸収
するため、人工地盤29に伝達されるねじれの回転が減
衰される。
【0024】このような制振人工地盤によれば、第一実
施例と同様に、複数の振動減衰体8上に土木構造物から
なる人工地盤25が載置されているため、地盤2の振動
を減衰して土木構造物からなる人工地盤25に伝達さ
れ、支持台6と振動減衰体8とにねじり回転が伝わるの
を防ぎ、支持台6が破壊されたり、振動減衰体8がひき
ちぎれたりするのを防止することができる。この土木構
造物からなる人工地盤25に、振動減衰体8を介して建
築構造物からなる人工地盤29が設置されているため、
この建築構造物からなる人工地盤29に地盤2から伝達
される振動およびねじれ回転をさらに減衰させることが
できる。このため、地震時に支持台6と各人工地盤25
・29とに作用する相対変形を小さくすることができ、
各人工地盤25・29が落下するのを防ぐことができ、
それぞれの人工地盤25・29の安全性、特にねじり回
転に対する安全性を高めるとともに、振動減衰体8と各
人工地盤25・29との構造上の安定性を保つことがで
きる。
【0025】これら人工地盤25・29間に一軸線回り
の回転を減衰する回転支持部材30が取り付けられてい
るために、各人工地盤25・29の移動距離を抑えるこ
とができ、この回転支持部材30に大きなねじれの回転
がかかった場合に、回転支持部材30を中心に各人工地
盤25・29が回転するとともに、各人工地盤25・2
9にかかるねじれの回転を減衰することができ、質量の
大きい人工地盤25・29においても、伝達される回転
振動を減衰することにより、慣性力を小さくし、各人工
地盤25・29にねじれの応力が集中するのを防ぎ、人
工地盤25・29が破壊されるのを防ぐことができる。
【0026】また、土木構造物からなる人工地盤25の
外周面に対向する面に弾性体29が取り付けられ、これ
ら人工地盤25と弾性体29との間に間隙28が設けら
れているため、土木構造物からなる人工地盤25の回転
による移動距離を一定距離に抑えることができ、土木構
造物からなる人工地盤25と振動減衰体8との載置状態
を維持することができる。このため、人工地盤25が振
動減衰体8から落下するのを防ぐことができるととも
に、回転支持部材30を介して取り付けられた建築構造
物からなる人工地盤29が大きく移動するのを防ぐこと
ができる。このように、地盤2から建築構造物からなる
人工地盤29にかかるねじれの回転による振動減衰体8
と支持台6とへの影響を少なくすることができる。な
お、回転支持部材30に多角柱である十字状鉛プラグ3
8を用いたが、ねじれ回転に対して反作用を有する形状
であればよく、第二実施例では、十字状としたが、三角
形や星形でもよい。
【0027】以下、本発明の制振人工地盤の第三実施例
を図10ないし図11を参照して説明する。ここで、第
一実施例および第二実施例と同様のものについては同一
の符号を用い説明を簡略化する。この制振人工地盤41
では、図10に示すように、地盤2上に支持台42が埋
め込まれ、この支持台42には上方向に開放された凹部
43が設けられ、この凹部43の長方形状底面に振動減
衰体8が碁盤の目状に複数配置されている。これら振動
減衰体8上に建築構造物からなる人工地盤45が直接載
置されている。この人工地盤45の底面の中央部に一軸
回りの回転を減衰する回転支持部材30が取り付けら
れ、この回転支持部材30は人工地盤45と支持台42
との間に取り付けられている。この人工地盤45の底部
の外周面を覆う弾性体46が設けられている。この弾性
体46は、人工地盤45の底部の外周面全体に対向する
とともに、支持台42の凹部43の側壁面に取り付けら
れている。これら人工地盤45と弾性体46との間に間
隙48が設けれている。
【0028】この回転支持部材30では、第二実施例と
同様に、例えば円柱体からなり、上下面のレベルプレー
ト31が建築構造物からなる人工地盤45と支持台42
とにそれぞれ直接取り付けられる。これらレベルプレー
ト31にフランジプレート32がそれぞれ取り付けら
れ、これらフランジプレート32間に、積層体36が構
成されている。この積層体36の内部に多角柱体からな
る十字状鉛プラグ38が嵌め合わされ、この十字状鉛プ
ラグ38の四方の端部にスチールロッド39が鉛直方向
に固定されている。一方、これら振動減衰体8では、第
一実施例と同様に、弾性体16aと金属板16bとが交
互に積み重ねられ、内部に円柱状鉛プラグが挿入されて
構成されている。
【0029】このような制振人工地盤41の作用につい
て説明する。地震等により地盤2が振動した場合、即
ち、並進運動の振動の場合、地盤2上に人工地盤45を
支持する複数の振動減衰体8に、地盤2の振動が伝わ
り、第一実施例と同様に、円柱状鉛プラグにより振動が
減衰される。これら振動減衰体8により減衰された振動
を建築構造物からなる人工地盤45に伝えることができ
る。そして、地盤2がねじり回転をした場合、人工地盤
45は振動減衰体8上に載置されているため、人工地盤
45はこれら振動減衰体8上をすべることができる。こ
のときに、人工地盤45を一軸線回りの回転を減衰する
回転支持部材30が支持台42と人工地盤45とに取り
付けられているため、人工地盤45が回転支持部材30
を中心に回転することができる。この人工地盤45の外
周面を覆う弾性体46が取り付けられているため、人工
地盤45の移動による支持台42にかかる衝撃を柔らげ
るとともに、これら人工地盤45と弾性体46との間に
間隙48が設けられているため、人工地盤45の回転に
よる移動が間隙48内で行われ、人工地盤45と振動減
衰体8との載置状態を維持することができる。この回転
支持部材30にねじれの回転がかかった場合、即ち、ね
じれ回転運動の振動の場合、第二実施例と同様に、これ
ら十字状鉛プラグ38とスチールロッド39とがねじれ
た変形をして、回転振動エネルギーを塑性エネルギーと
して吸収し、ねじれ回転を減衰することができる。
【0030】このような制振人工地盤41によれば、第
一実施例と同様に、複数の振動減衰体8により、地盤2
の振動を減衰して建築構造物からなる人工地盤45に伝
えることができ、振動減衰体8と人工地盤45とがそれ
ぞれ載置状態にあるため、振動減衰体8と人工地盤45
とにねじり回転が伝わるのを防ぎ、振動減衰体8がひき
ちぎれたり、支持台42が破壊されたりするのを防止す
ることができる。このため、地震時に支持台42と人工
地盤45とに作用する相対変形を小さくすることがで
き、人工地盤45が落下するのを防ぐことができ、人工
地盤45の安全性、特にねじり回転に対する安全性を高
めるとともに、支持台42と人工地盤45との構造上の
安定性を保つことができる。この人工地盤45の一軸線
回りの回転を減衰する回転支持部材30が取り付けられ
ているために、人工地盤45が移動する距離を抑え、こ
の回転支持部材30に大きなねじれの回転がかかって場
合に、回転支持部材30を中心に人工地盤45にかかる
ねじれの回転を減衰することができ、慣性力を小さく
し、人工地盤45にねじれの応力が集中するのを防ぎ、
人工地盤45が破壊されるのを防ぐことができる。
【0031】そして、この人工地盤45の外周面を覆う
弾性体46が取り付けられ、これら人工地盤45と弾性
体46との間に間隙48が設けられているため、人工地
盤45の回転による移動する距離を一定に抑えることが
でき、建築構造物からなる人工地盤45が大きく移動す
るのを直接防ぐことができ、人工地盤45が振動減衰体
8から落下するのを防ぐことができ、地盤2から人工地
盤45にかかるねじれの回転による振動減衰体8と支持
台42とへの影響を少なくすることができる。さらに、
建築構造物からなる人工地盤45が支持台42に振動減
衰体8を介して載置されているために、広範囲なエリア
の人工地盤をあらためて設ける必要がなく、振動減衰体
の数を減らすことができ、作業性を向上させ、費用を低
減させることができる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の制振人工地盤によれば、以下のような効果を奏するこ
とができる。
【0033】請求項1記載の制振人工地盤によれば、複
数の振動減衰体上に人工地盤が載置されているため、地
盤の振動を人工地盤に直接伝えることなく、地盤の振動
を減衰して人工地盤に伝えることができる。この人工地
盤が載置状態にあるため、振動減衰体にねじり回転が伝
わるのを防ぎ、振動減衰体がひきちぎれたりするのを防
止することができる。このため、地震時に人工地盤に作
用する相対変形を小さくすることができ、人工地盤が落
下するのを防ぐことができ、人工地盤の安全性、特にね
じり回転に対する安全性を高めるとともに、人工地盤の
構造上の安定性を保つことができる。また、人工地盤を
一軸線回りの回転を自在にする回転支持部材が地盤と人
工地盤とに取り付けられているため、地盤にねじれの回
転がかかった場合、人工地盤が回転支持部材を中心に回
転される。この回転支持部材により、地盤から人工地盤
にかかるねじれの回転に対応することができ、人工地盤
が落下されるのが防止される。
【0034】請求項2記載の制振人工地盤によれば、請
求項1記載の効果と同様に、複数の振動減衰体に人工地
盤が載置されているため、地盤の振動が減衰され、振動
減衰体にねじり回転が伝わるのを防ぎ、振動減衰体がひ
きちぎれたりするのを防止することができる。このた
め、地震時に人工地盤に作用する相対変形を小さくする
ことができ、人工地盤の安全性、特にねじり回転に対す
る安全性を高めるとともに、人工地盤の構造上の安定性
を保つことができる。これら人工地盤間に一軸線回りの
回転を減衰する回転支持部材が地盤と人工地盤との間に
取り付けられているために、人工地盤の移動距離を抑え
ることができ、この回転支持部材に大きなねじれの回転
がかかった場合に、回転支持部材を中心に人工地盤が回
転するとともに、人工地盤にかかるねじれの回転を減衰
することができ、質量の大きい人工地盤においても、伝
達される振動を減衰することにより、慣性力を小さく
し、人工地盤にねじれの応力が集中するのを防ぎ、人工
地盤が破壊されるのを防ぐことができる。
【0035】請求項3記載の制振人工地盤によれば、請
求項1記載及び請求項2記載の効果と同様に、振動減衰
体に人工地盤が載置されているため、地盤の振動が減衰
され、振動減衰体がひきちぎれたりするのを防止し、人
工地盤の安全性、特にねじり回転に対する安全性を高め
るとともに、人工地盤の構造上の安定性を保つことがで
きる。この人工地盤と地盤との間に、人工地盤の回転を
減衰する回転支持部材が取り付けられているために、人
工地盤の移動距離を抑え、人工地盤にかかるねじれの回
転を減衰することができ、人工地盤にねじれの応力が集
中するのを防ぎ、人工地盤が破壊されるのを防ぐことが
できる。そして、人工地盤の外周面に対向する面に弾性
体が取り付けられ、これら人工地盤と弾性体との間に間
隙が設けられているため、人工地盤の回転による移動距
離を一定距離に直接抑えることができ、人工地盤と振動
減衰体との載置状態を維持することができる。このた
め、人工地盤が振動減衰体から落下するのを防ぐことが
できるとともに、人工地盤が大きく移動するのを防ぐこ
とができる。さらに、人工地盤が振動減衰体を介して載
置されているために、広範囲なエリアの人工地盤をあら
ためて設ける必要がなく、振動減衰体の数を減らすこと
ができ、作業性を向上させ、費用を低減させることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の制振人工地盤の第一実施例の正面図で
ある。
【図2】図1の側面図である。
【図3】図1の回転支持部材の側面図である。
【図4】図1の振動減衰体の側面図である。
【図5】図1の粘弾性ダンパーの断面図である。
【図6】本発明の制振人工地盤の第二実施例の縦断面図
である。
【図7】図6のAーA線に沿う横断面図である。
【図8】本発明の制振人工地盤の第二実施例及び第三実
施例にかかる回転支持部材の正面図である。
【図9】図8のBーB線に沿う横断面図である。
【図10】本発明の制振人工地盤の第三実施例の縦断面
図である。
【図11】図10のC−C線に沿う横断面図である。
【符号の説明】 1 制振人工地盤 2 地盤 8 振動減衰体 10 人工地盤 11 回転支持部材 30 回転支持部材 27 弾性体 28 間隙

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤上に複数の振動減衰体が載置され、
    これら振動減衰体上に人工地盤が載置され、人工地盤の
    一軸線回りの回転を自在にする回転支持部材が地盤と人
    工地盤との間に取り付けられていることを特徴とする制
    振人工地盤。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の制振人工地盤において、
    前記回転支持部材は、板状の弾性体と金属板とが交互に
    積み重ねられ、一端を地盤に固定されるとともに、他端
    を人工地盤に固定された積層体と、該積層体の軸中心部
    に該積層体の積層方向に沿って設けられ、人工地盤の一
    軸線回りの回転を減衰する多角柱体とを有していること
    を特徴とする制振人工地盤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の制振人工地盤において、
    前記回転支持部材が人工地盤の中心部に設けられている
    とともに、前記人工地盤の外周面に対向する面に弾性体
    が取り付けられ、これら人工地盤と弾性体との間に人工
    地盤を覆う間隙が設けられていることを特徴とする制振
    人工地盤。
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