JP2963996B1 - ポリシラン類の製造方法 - Google Patents

ポリシラン類の製造方法

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JP2963996B1 JP26935398A JP26935398A JP2963996B1 JP 2963996 B1 JP2963996 B1 JP 2963996B1 JP 26935398 A JP26935398 A JP 26935398A JP 26935398 A JP26935398 A JP 26935398A JP 2963996 B1 JP2963996 B1 JP 2963996B1
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康嗣 大洞
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Abstract

【要約】 【課題】 有機トリヒドロシラン化合物の脱水素重合反
応において、合成が容易な触媒を用い、高分子量、高立
体選択度を有するものも製造しうるポリシラン化合物の
製造方法、及び比較的入手の容易な原料より簡便に合成
でき、異性体の分離の必要のないポリシラン化合物製造
のための触媒を提供する 【解決手段】 シクロペンタジエニル基と{N,N’−
ビス(トリアルキルシリル)アリールアミジナート}基
を配位子として有するジハロゲノ金属錯体を、還元剤を
用いて還元したものを触媒として用い、有機トリヒドロ
シラン化合物を脱水素重合反応させるポリシラン化合物
の製造方法、及びシクロペンタジエニル基と{N,N’
−ビス(トリアルキルシリル)アリールアミジナート}
基を配位子として有するジハロゲノ金属錯体を還元した
ポリシラン化合物製造用触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、種々の置換基を有
する有機トリヒドロシラン化合物を脱水素重合反応させ
る、ポリシラン化合物の製造方法およびそれに用いる触
媒に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリシラン類は、導電材料、発光材料、
光電変換材料、フォトレジスト等として期待される有用
化合物であり、また、セラミックスプリカーサーや重合
開始剤としても用いうる物質群である。ポリシラン化合
物の製造において現在用いられている方法は、主にシリ
ルクロリドとアルカリ金属との反応によるものと、チタ
ノセンまたはジルコノセン錯体触媒を用いた有機トリヒ
ドロシラン化合物の脱水素重合反応によるものの2種類
がある。その中でも特に、後者の脱水素重合反応による
ポリシラン化合物の合成方法は、より穏和な条件下進行
するという点で有利な方法であるといえる。しかしなが
ら、従来用いられているビス(シクロペンタジエニル)
配位子を有する第4族金属錯体を触媒として用いたポリ
シラン合成においては、一般に重合度は高くないという
問題がある。また、配位子として有するシクロペンタジ
エニル基間の構造の類似性のため、これら錯体を触媒と
して用いる立体選択度の高いポリシラン化合物の合成は
困難であった。また、近年になって、キラルC2対称の
構造を有するシクロペンタジエニル基を有するジルコノ
セン錯体、あるいは、一方のシクロペンタジエニル基上
に立体的にかさ高い置換基を導入したジルコノセン錯体
触媒を用いて、ポリシラン化合物の立体構造を制御する
合成方法が報告されている。しかし、これらの錯体を合
成するためには、たとえば前者の場合には合成、単離の
際、副生する異性体の分離が困難であり、また後者の場
合には錯体合成に多段を要し、特別な反応方法を要する
等、工業的には必ずしも有利ではない手法を講じなけれ
ばならないという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、有機トリヒ
ドロシラン化合物の脱水素重合反応において、新規な触
媒を用い、高分子量、高立体選択度を有するものも製造
しうるポリシラン化合物の製造方法を提供することを目
的とする。また、本発明は、比較的入手の容易な原料よ
り簡便に合成でき、異性体の分離の必要のない、ポリシ
ラン化合物製造用の触媒を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を行った結果、シクロペンタジエ
ニル基と、シクロペンタジエニル基と等電子供与体配位
子である、N,N’−ビス(トリアルキルシリル)アリ
ールアミジナート配位子を有する金属錯体を触媒として
用いることにより、有機ヒドロシラン化合物の脱水素重
合反応が、高分子量で、高立体選択的に進行することを
見いだし、この知見に基づき本発明を完成するに至っ
た。すなわち本発明は、(1)一般式(I)
【0005】
【化8】
【0006】(式中、R1 〜R5 は水素原子又は炭素数
3以下のアルキル基を示し、互いに同一でも異なってい
てもよく、任意の2つが結合し環を形成していてもよ
い。)で表されるシクロペンタジエニル基L1 と一般式
(II)
【0007】
【化9】
【0008】(式中、R6 〜R10は水素原子または炭素
数3以下のアルキル基を示し、互いに同一でも異なって
いてもよく、R11は炭素数10以下のアルキル基を示
す。)で表わされる{N,N’−ビス(トリアルキルシ
リル)アリールアミジナート}基L2 を配位子として有
する一般式(III)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、Mは第4族金属、Xはハロゲン原
子を示し、L 、L は前記と同じ意味を有する。)
で表される金属錯体を、還元剤を用いて還元したものを
触媒として用い、一般式(IV) R12SiH (IV) (式中、 12 はアルキル基、アルケニル基もしくは置
換又は未置換のアリール基を示す。)で表される有機ト
リヒドロシラン化合物を脱水素重合反応させることを特
徴とする、一般式(V)
【0011】
【化11】
【0012】(式中R12は前記と同じ意味を有し、nは
6以上の数を示す。)で表わされるポリシラン化合物の
製造方法、及び(2)一般式(I)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、R1 〜R5 は水素原子又は炭素数
3以下のアルキル基を示し、互いに同一でも異なってい
てもよく、任意の2つが結合し環を形成していてもよ
い。)で表されるシクロペンタジエニル基L1 と一般式
(II)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、R6 〜R10は水素原子または炭素
数3以下のアルキル基を示し、互いに同一でも異なって
いてもよく、R11は炭素数10以下のアルキル基を示
す。)で表わされる{N,N’−ビス(トリアルキルシ
リル)アリールアミジナート}基L2 を配位子として有
する一般式(III)
【0017】
【化14】
【0018】(式中、Mは第4族金属、Xはハロゲン原
子を示し、L1 、L2 は前記と同じ意味を有する。)で
表される第4族金属錯体を還元したことを特徴とするポ
リシラン化合物製造用触媒を提供するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で反応原料として用いる有
機トリヒドロシラン化合物は前記一般式(IV)で表わさ
れる。前記一般式(IV)において、 12 はアルキル
基、アルケニル基もしくは置換又は未置換のアリール基
を意味する。 12 のアルキル基またはアルケニル基
は、鎖状であっても環状であってもよく、その炭素数は
好ましくは1〜18、さらに好ましくは1〜8である。
その具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プ
ロピル基、ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、オク
チル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0020】 12 アリール基の炭素数は好ましくは
6〜14、さらに好ましくは6〜10である。アリール
基の置換基としては例えば、アルコキシ基、アミノ基、
チオメチル基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基
等の酸素、窒素、イオウ、ケイ素、ハロゲン原子等のヘ
テロ原子を含む基が挙げられる。このときのアルコキシ
基、アルキルシリル基、フルオロアルキル基のアルキル
基の炭素数は好ましくは1〜18、さらに好ましくは1
〜8である。R12で表されるアリール基として具体的
には例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基、(ア
ルキルアミノ)フェニル基、(アルコキシ)フェニル
基、(アルキルシリル)フェニル基、トリメチルシリル
基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
【0021】前記一般式(IV)で表される有機トリヒド
ロシラン化合物の具体例としては、フェニルシラン、メ
チルシラン、エチルシラン、プロピルシラン、ブチルシ
ラン、ヘキシルシラン、オクチルシラン、トリルシラ
ン、ナフチルシラン、{(エチル)フェニル}シラン、
{(プロピル)フェニル}シラン、{(ブチル)フェニ
ル}シラン、{(メトキシ)フェニル}シラン、{(エ
トキシ)フェニル}シラン、{(プロポキシ)フェニ
ル}シラン、{(ブトキシ)フェニル}シラン、{フェ
ノキシ)フェニル}シラン、{(チオメチル)フェニ
ル}シラン、{(チオエチル)フェニル}シラン、
{(ジメチルアミノ)フェニル}シラン、{(ジエチル
アミノ)フェニル}シラン、{(ジブチルアミノ)フェ
ニル}シラン、{(トリメチルシリル)フェニル}シラ
ン等が挙げられる。
【0022】本発明において触媒前駆体として用いられ
る、一般式(III)で表される金属錯体において、Mは第
4属金属を示し、好ましくはTi、Zrであり、Xはハ
ロゲン原子を示し、好ましくは塩素原子、ヨウ素原子で
ある。また、L は一般式(I)で表されるシクロペ
ンタジエニル基からなる配位子であり、L は一般式
(II)で表される{N,N’−ビス(トリアルキルシリ
ル)アリールアミジナート}基からなる配位子である。
一般式(I)で表される配位子L において、R
は水素原子又は炭素数3以下のアルキル基であ
り、互いに同一でも異なっていてもよく、任意の2つが
結合し環を形成していてもよい。R 〜R の任意の
2つが環を形成したときのL の例としては、フルオ
レニル、インデニル、オクタヒドロフルオレニルがあげ
られる。一般式(II)で表される配位子L におい
て、R 〜R10は水素原子又は炭素数3以下のアル
キル基であり、互いに同一でも異なっていてもよい。R
11は炭素数10以下、好ましくは1〜4のアルキル基
であり、鎖状であっても環状であってもよい。R11
しては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブ
チル基、オクチル基等が挙げられる。この触媒前駆体
は、例えば{N,N’−ビス(トリアルキルシリル)ア
リールアミジナート金属塩(金属としては例えば、リチ
ウム、ナトリウム、カリウムが挙げられる)と(シクロ
ペンタジエニル)第4族金属3塩化物(第4族金属とし
ては、チタン、ジルコニウム、ハフニウムが挙げられ
る)との反応で入手(合成)できる。
【0023】一般式(III) で表される触媒前駆体の具体
例としては、ジクロロ{N,N’−ビス(トリメチルシ
リル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエニル)
チタン、ジクロロ{N,N’−ビス(トリメチルシリ
ル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエニル)ジ
ルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス(トリエチルシ
リル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエニル)
ジルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス(トリエチル
シリル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエニ
ル)チタン、ジクロロ{N,N’−ビス(トリプロピル
シリル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエニ
ル)ジルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス(トリブ
チルシリル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタジエ
ニル)ジルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス(トリ
オクチルシリル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス
(トリメチルシリル)ベンゾアミジナート}{(1,
2,3,4,5−ペンタメチル)シクロペンタジエニ
ル}ジルコニウム、ジクロロ{N,N’−ビス(トリメ
チルシリル)ベンゾアミジナート}(フルオレニル)ジ
ルコニウム等が挙げられる。また、これらの第4族金属
錯体には、テトラヒドロフラン、ベンゼン等の汎用溶媒
と溶媒和した錯体も含まれる。これらの錯体は、反応系
中で合成したものを精製せずそのまま用いてもよく、ま
た二種以上の錯体を混合して用いてもよい。
【0024】前記錯体は有機ヒドロシランとの反応に際
しては還元して用いる必要があり、その際の還元剤とし
ては、錯体中の配位子であるハロゲン原子を脱離させ、
有機基または水素原子に変換させ得るものであればよ
い。このような還元剤としては、有機金属化合物を用い
ることができる。この場合の有機金属化合物としては、
例えば、アルミニウムや、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム等の金属を含む有機金属化合物を挙げることができ
る。また、金属に結合させる有機基は、脂肪族基又は芳
香族基である。脂肪族基としては、鎖状または環状のア
ルキル基があげられ、その具体例としては、メチル、エ
チル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル等の好ましく
は炭素数1〜8、さらに好ましくは1〜4の低級アルキ
ル基を挙げることができる。芳香族基としては、アリー
ル基、アリールアルキル基があげられ、その炭素数は好
ましくは6〜14、さらに好ましくは6〜10であり、
例えば、フェニル、トリル、ベンジル、ナフチル等が挙
げられる。本発明で用いる好ましい還元剤としては、実
用的観点から、トリエチルアルミニウム、メチルアルモ
キサン、ブチルリチウム、メチルリチウム、ブチルナト
リウム、ブチルカリウム、フェニルリチウム、ジイソブ
チルアルミニウムヒドリド、リチウムアルミニウムヒド
リド等が挙げられる。還元剤の使用量は、金属錯体中の
金属1モルに対して好ましくは0.5〜4モル、さらに
好ましくは1.5〜2.5モルである。
【0025】本発明においては、前記一般式(III)で表
される第4族金属錯体を上記還元剤を用いて還元したも
のを触媒とし、一般式(IV)で表される有機トリヒドロ
シラン類を脱水素重合する。本発明の方法によると高重
合度のポリシラン化合物が得られ、また、シンジオタク
ト構造のものが高い選択率で得られる。本発明方法によ
り得られる一般式(V)で表されるポリシラン化合物の
重合度nの値は、通常、6以上、好ましくは、10〜5
00である。一般式(V)におけるR12は一般式(IV)
におけると同義である。
【0026】本発明方法における反応温度は−70〜2
50℃、好ましくは、−20〜100℃である。反応時
間は、使用する基質により変化させることができ特に限
定しないが、例えばフェニルシランとの反応の場合、3
時間〜10日間である。触媒の使用量は特に制限されな
いが、一般式(IV)で表されるシラン化合物1モルに対
して好ましくは0.0000001モルから1モル、さ
らに好ましくは、0.0001モルから0.01モルの
割合とする。本発明のポリシラン化合物の製造方法にお
いて、反応溶媒は必ずしも必要ないが、溶媒を用いる場
合には、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素類、ペ
ンタン、ヘキサン、デカン等の脂肪族飽和炭化水素類等
が挙げられる。本発明方法における反応の中間体は酸素
に敏感であり、反応の実施は、窒素やアルゴン、メタン
等の不活性ガス雰囲気下で行うのが好ましい。反応後の
生成物の分離は、フロリジルクロマトグラフィー等によ
って容易に行うことができる。
【0027】本発明によれば、前記一般式(V)で表さ
れる、ポリシラン化合物が得られる。この化合物を具体
的に例示すると以下の通りであるが、これに限定される
ものではない。ポリ(フェニルシラン)、ポリ(メチル
シラン)、ポリ(エチルシラン)、ポリ(ブチルシラ
ン)、ポリ(ヘキシルシラン)、ポリ(オクチルシラ
ン)、ポリ(トリルシラン)、ポリ(ナフチルシラ
ン)、ポリ[{(エチル)フェニル}シラン]、[ポリ
{(プロピル)フェニル}シラン]、[ポリ{(ブチ
ル)フェニル}シラン]、[ポリ{(メトキシ)フェニ
ル}シラン]、[ポリ{(エトキシ)フェニル}シラ
ン]、[ポリ{(プロポキシ)フェニル}シラン]、
[ポリ{(ブトキシ)フェニル}シラン]、[ポリ
{(フェノキシ)フェニル}シラン]、[ポリ{(チオ
メチル)フェニル}シラン]、[ポリ{(チオエチル)
フェニル}シラン]、[ポリ{(ジメチルアミノ)フェ
ニル}シラン]、[ポリ{(ジエチルアミノ)フェニ
ル}シラン]、[ポリ{(ジブチルアミノ)フェニル}
シラン]、[ポリ{(トリメチルシリル)フェニル}シ
ラン]
【0028】
【実施例】次に本発明を実施例によってさらに具体的に
説明するが、本発明はそれらの実施例によって限定され
るものではない。
【0029】実施例1 反応はガラス容器に、窒素雰囲気下で、ジクロロ{N,
N’−ビス(トリメチルシリル)ベンゾアミジナート}
(シクロペンタジエニル)ジルコニウム(0.04mm
ol)を秤取し、トルエン(0.2m1)に溶解した
後、−78℃にてn−ブチルリチウム(0.08mmo
l)を滴下した。滴下後、反応溶液を0℃にて30分間
撹拌し、フェニルシラン(6.5mmol)を加え、室
温にて4日間反応させた。このとき、原料のフェニルシ
ランは完全に消失していた。反応後触媒を失活させるた
めに少量のTHFを加え、溶媒を留去させた。得られた
ゴム状化合物を分取ゲルパーミエーションクロマトグラ
フィー(GPC)を用いて精製し、目的とするポリ(フ
ェニルシラン)を得た。得られた化合物をGPC分析し
たところ、ポリスチレン基準に対して重量平均分子量
6,398であった。またその構造をプロトンNMRに
より分析した結果、鎖状のポリ(フェニルシラン)(重
合度n=59)及びフェニルシランが6単位からなる環
状オリゴマーが81:19の重量比率で生成しているこ
とが判明した(収率77%)。また鎖状ポリマーをケイ
素NMRにより分析したところ、主として、シンジオタ
クト構造からなることが判明した。以下にここで得られ
たポリマーのスペクトルデータを示す。1 HNMR(C66 ):δ4.08−4.85(b
r,s,linear Si−H),4.85−5.3
0(br,s,cyclic Si−H),6.82−
7.68(br,5H).
【0030】比較例1 実施例1と同じ反応を、ジクロロ{N,N’−ビス(ト
リメチルシリル)ベンゾアミジナート}(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムに代えて、ジクロロビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムを用いて行ったとこ
ろ、得られたポリマーの重量平均分子量はポリスチレン
基準に対して3,300と低く、鎖状:環状の重量比は
64:36であった(収率69%)。また鎖状ポリマー
をケイ素NMRにより分析したところ、主として規則性
のないアタクト構造であった。
【0031】実施例2 フェニルシランに代えてナフチルシランを用い、反応時
間を7日間とした以外は実施例1と同様に反応を行っ
た。得られた化合物を精製単離後、GPCで分析したと
ころ、ポリスチレン基準に対して重量平均分子量が88
2のポリマーが得られていることが判明した(収率45
%)。以下にここで得られたポリシランのスペクトルデ
ータを示す。1 HNMR(C66 )δ4.40−5.40(br,
Si−H),6.40−8.30(br,7H).13 CNMR(C66 )δ125.43(br),12
8.83(br),130.37(br),133.5
6(br),137.48(br).
【0032】実施例3 フェニルシランに代えて(p−ジメチルアミノ)フェニ
ルシランを用い、反応時間を7日間とした以外は、実施
例1と同様に反応を行った。得られた化合物を精製単離
後、GPCで分析したところ、ポリスチレン基準に対し
て重量平均分子量が841のポリマーが得られているこ
とが判明した(収率21%)。以下にここで得られたポ
リシランのスペクトルデータを示す。1 HNMR(C66 ):δ2.45(br,s,6
H),4.80−5.42(br,s,Si−H),
6.32−6.60(m,2H),7.39−7.95
(m,2H).
【0033】実施例4 フェニルシランに代えてn−ヘキシルシランを用い、反
応時間を15日間とした以外は、実施例1と同様に反応
を行った。反応溶液をGPCで分析したところ、ポリス
チレン基準に対して重量平均分子量が704のポリマー
が得られていることが判明した(収率43%)。以下に
ここで得られたポリシランのスペクトルデータを示す。1 HNMR(C66 )δ0.67−0.96(m,5
H),1.12−1.65(m,8H),3.82−
4.13(br,Si−H).
【0034】
【発明の効果】本発明の触媒を用いれば、高分子量、高
立体選択度を有するポリシラン化合物を製造することが
できる。本発明方法によれば、導電材料、発光材料、光
電変換材料、非線形光学材料、フォトレジスト、セラミ
ックスプリカーサー、重合開始剤などとして有用なポリ
シラン化合物を、簡便、安全、かつ効率的に合成するこ
とができ、その分離精製も容易である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、R 〜R は水素原子又は炭素数3以下のア
    ルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、
    任意の2つが結合し環を形成していてもよい。)で表さ
    れるシクロペンタジエニル基L と一般式(II) 【化2】 (式中、R 〜R10は水素原子または炭素数3以下
    のアルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよ
    く、R11は炭素数10以下のアルキル基を示す。)で
    表わされる{N,N’−ビス(トリアルキルシリル)ア
    リールアミジナート}基L を配位子として有する一
    般式(III) 【化3】 (式中、Mは第4族金属、Xはハロゲン原子を示し、L
    、L は前記と同じ意味を有する。)で表される金
    属錯体を、還元剤を用いて還元したものを触媒として用
    い、一般式(IV) R12SiH (IV) (式中、 12 はアルキル基、アルケニル基もしくは置
    換又は未置換のアリール基を示す。)で表される有機ト
    リヒドロシラン化合物を脱水素重合反応させることを特
    徴とする、一般式(V) 【化4】 (式中R12は前記と同じ意味を有し、nは6以上の数
    を示す。)で表わされるポリシラン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(I) 【化5】 (式中、R1 〜R5 は水素原子又は炭素数3以下のアル
    キル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、任
    意の2つが結合し環を形成していてもよい。)で表され
    るシクロペンタジエニル基L1 と一般式(II) 【化6】 (式中、R6 〜R10は水素原子または炭素数3以下のア
    ルキル基を示し、互いに同一でも異なっていてもよく、
    11は炭素数10以下のアルキル基を示す。)で表わさ
    れる{N,N’−ビス(トリアルキルシリル)アリール
    アミジナート}基L2 を配位子として有する一般式(II
    I) 【化7】 (式中、Mは第4族金属、Xはハロゲン原子を示し、L
    1 、L2 は前記と同じ意味を有する。)で表される第4
    族金属錯体を還元したことを特徴とするポリシラン化合
    物製造用触媒。
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