JP2962842B2 - 乗り物のヘッドライト装置 - Google Patents

乗り物のヘッドライト装置

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JP2962842B2
JP2962842B2 JP1371991A JP1371991A JP2962842B2 JP 2962842 B2 JP2962842 B2 JP 2962842B2 JP 1371991 A JP1371991 A JP 1371991A JP 1371991 A JP1371991 A JP 1371991A JP 2962842 B2 JP2962842 B2 JP 2962842B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車等乗り
物の車体が左右に傾斜したときでも、照射方向が所望の
方向に向うようにするヘッドライト装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車のヘッドライト装置は、一般
に、バルブと、このバルブを構成するフィラメントから
の光を前方に向って反射させるリフレクタとを備え、こ
の反射による照射光が車体の前方に向うようになってい
る。
【0003】ところで、自動二輪車の操向時にその車
左右いずれかに傾斜する、これに伴い上記ヘッド
ライト装置も傾斜し、このために、このヘッドライト装
置による照射方向が車体の手前に寄り過ぎるなど、所望
の方向から外れてしまうおそれがある。
【0004】そこで、自動二輪車の操向時に車体が傾斜
したときでも、照射方向が所望の方向に向うようにした
ものが提案されており、これには、従来、特開昭63‐
312280号公報で示されるものがある。
【0005】これによれば、上記リフレクタの左右各部
がそれぞれ前後に移動可能な可動リフレクタで構成さ
れ、これら各可動リフレクタをそれぞれ前後に移動させ
る駆動手段が設けられると共に、この駆動手段が同上リ
フレクタの後側に設けられている。一方、自動二輪車の
左右の傾斜を検出する傾斜検出装置が設けられ、この傾
斜検出装置の検出信号により上記駆動手段が作動させら
れるようになっている。
【0006】そして、自動二輪車の操向時に車体が傾斜
したとき上記駆動手段の作動により上記可動リフレク
タが前後に移動させられ、もって、この可動リフレクタ
で反射させられるフィラメントからの光により、所望の
方向照射さるようになっている。
【0007】一方、従来、上記ヘッドライト装置のバル
ブがハイビームフィラメントとロービームフィラメント
とを有して、これらハイビームフィラメントとロービー
ムフィラメントとを択一的に通電させるディマースイッ
チが設けられたものがあり、通常、対向車があるときに
は、この対向車にヘッドライト装置の照射光による眩惑
を生じさせないよう上記ロービームフィラメントを通電
させてロービームにさせることが行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする問題点】ところで、上記従来
の技術では、上記可動リフレクタが前後にほぼ直線運動
するものであるのに対し、この可動リフレクタを移動さ
せる駆動手段は回転運動を出力する電動機とされてお
り、このため、この電動機に上記可動リフレクタを連
連結させるための連動手段は、運動の方向を変換するた
めにリンク機構やカム機構とされるなど極めて複雑な構
成で大形のものになっており、つまり、ヘッドライト装
置の構成が複雑で、大形になるという問題がある。
【0009】また、上記したように自動二輪車の操向時
に車体が傾斜するのに伴い、上記ヘッドライト装置によ
る照射光の照射方向が変更させられて所望の方向が照射
させられるとき、対向車があるにもかかわらず、何らか
の理由で上記ハイビームフィラメントへの通電によりヘ
ッドライト装置がハイビームにされているとすると、こ
のハイビームであることに加えて上記照射方向が変更さ
せられることにより、対向車がより眩惑させられるおそ
れが生じて、好ましくない。
【0010】
【発明の目的】この発明は、上記のような事情に注目し
てなされたもので、乗り物と共にヘッドライト装置が傾
斜したとき、その照射方向が所望の方向に向うように
る場合において、上記ヘッドライト装置の構成を簡単に
できるようにし、かつ、対向する乗り物が、上記ヘッド
ライト装置の照射光によって眩惑されないようにするこ
とを目的とする。
【0011】
【発明の構成】上記目的を達成するためのこの発明の特
徴とするところは、バルブ3がハイビームフィラメント
10とロービームフィラメント11とを有し、これらハ
イビームフィラメント10とロービームフィラメント1
1を択一選択的に通電させるディマースイッチ36を設
け、上記バルブ3の後方に位置して上記フィラメント1
0,11からの光4を前方に向って反射させるリフレク
タ5を設け、このリフレクタの左右各部をそれぞれ前
後に移動可能な可動リフレクタ16,17で構成し、こ
れら各可動リフレクタ16,17をそれぞれ前後に移動
させる駆動手段21,22を設けると共に、この駆動手
21,22を同上リフレクタの後側に設け、一方、
自動二輪車(乗り物)1の左右の傾斜を検出する傾斜検
出装置26を設け、この傾斜検出装置26の検出信号に
より上記駆動手段21,22を作動させるようにした
り物のヘッドライト装置において、
【0012】1)上記駆動手段21,22をソレノイド
23で構成し、
【0013】2)上記ハイビームフィラメント10とロ
ービームフィラメント11のうち、上記ディマースイッ
チ36によりロービームフィラメント11が通電させら
れているときのみに、上記駆動手段21,22の作動が
許容されるようにした点にある。
【0014】
【作 用】上記構成による作用は次の如くである。
【0015】本発明の「前提条件」として、リフレクタ
5の左右各部をそれぞれ前後に移動可能な可動リフレク
タ16,17で構成し、これらを前後に移動させる駆
手段21,22を設け、一方、自動二輪車(乗り物)1
の左右の傾斜を検出する傾斜検出装置26を設け、この
傾斜検出装置26の出力信号により上記駆動手段21
22を作動させるようにしてある。
【0016】このため、自動二輪車(乗り物)1の操向
時に、この自動二輪車(乗り物)1と共にヘッドライト
装置2が傾斜してその照射光7が所望の方向から外れよ
うとするときには、上記傾斜検出装置26の検出信号に
り駆動手段21,22の作動を介して、可動リフレク
タ16,17を前後に移動させ、この可動リフレクタ1
,17の反射による照射光7の照射方向を変更させて
所望の方向を照射させることができる。
【0017】上記構成において、1)上記駆動手段2
1,22をソレノイド23で構成している。
【0018】このため、上記各可動リフレクタ16,1
7は前後にほぼ直線的に移動するも のであるのに対し、
上記ソレノイド23も直線的に駆動するものであること
から、このソレノイド23に上記可動リフレクタ16,
17を連動連結させるための手段は極めて簡単なもので
足りる。
【0019】また、2)上記ハイビームフィラメント1
0とロービームフィラメント11のうち、上記ディマー
スイッチ36によりロービームフィラメント11が通電
させられているときのみに、上記駆動手段21,22の
作動が許容されるようにしてある。
【0020】このため、ハイビームフィラメント10へ
の通電によりヘッドライト装置2がハイビームにされて
いるときは、駆動手段21,22の作動が阻止されて照
射方向の変更が阻止される。
【0021】よって、自動二輪車(乗り物)1の走行時
に、ヘッドライト装置2のハイビームに加えてその照射
方向が変更される、ということが回避される。
【0022】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面により説明す
る。
【0023】(第1実施例)
【0024】図1から図8は第1実施例を示している。
【0025】図4と図5において、符号1は乗り物であ
る自動二輪車で、この自動二輪車1はその前部にヘッド
ライト装置2を備えている。また、符号Rはライダーで
ある。
【0026】図1から図3において、図1中矢印Frは
車体の前方を示している。上記ヘッドライト装置2はバ
ルブ3と、このバルブ3からの光4を反射させるリフレ
クタ5と、このリフレクタ5の前面を覆うレンズ6とで
構成され、上記反射による照射光7が車体の前方に向う
こととなっている。
【0027】上記リフレクタ5は全体として半円球状を
なし、その内部凹面が前方に向って開いている。上記バ
ルブ3は上記リフレクタ5の中央に取り付けられた本体
9、この本体9に取り付けられた発光源たるハイビーム
フィラメント10ロービームフィラメント11を有
し、これらハイビームフィラメント10とロービームフ
ィラメント11とは上記リフレクタ5ととレンズ6とで
囲まれた空間12に位置している。また、上記ロービー
ムフィラメント11はその下半分がフード13で覆わ
れ、このフード13は、リフレクタ5に向おうとするロ
ービームフィラメント11からの光の一部を遮る。
【0028】そして、上記ハイビームフィラメント10
とロービームフィラメント11とは択一選択的に通電さ
れて、発光するようになっている。
【0029】上記リフレクタ5は半円球状のリフレクタ
本体15と、このリフレクタ本体15の上部凹面に沿っ
て設けられる円弧状の左側可動リフレクタ16と右側可
動リフレクタ17とを備えている。上記左側可動リフレ
クタ16や右側可動リフレクタ17の各後面には、後方
に向って互いに平行な上ガイドバー18と下ガイドバー
19とが突設されている。一方、上記リフレクタ本体1
5には上記上ガイドバー18と下ガイドバー19とをそ
れぞれ摺動自在に内嵌させるガイド孔20が形成されて
いる。
【0030】そして、上記上ガイドバー18と下ガイド
バー19とが各ガイド孔20に対し摺動することで、左
側可動リフレクタ16や右側可動リフレクタ17がそれ
ぞれ前後に平行移動可能とされている。この場合、左側
可動リフレクタ16と右側可動リフレクタ17が図1中
仮想線で示すように最も後方に移動したとき、これらの
内面と、これらと対面していない部分のリフレクタ本体
15の内面とがある一つの点を中心としたほぼ球面上に
位置することとされている。
【0031】上記左側可動リフレクタ16と右側可動リ
フレクタ17とを前後に移動させる左側駆動手段21と
右側駆動手段22とが設けられ、これらの主体はソレノ
イド23で構成されている。このソレノイド23はリフ
レクタ本体15の後側にビス24によりねじ止めされて
いる。上記ソレノイド23には前記下ガイドバー19の
突出端が連結されている。
【0032】上記ソレノイド23は、通電(ON)によ
り、図1中実線で示すように左側可動リフレクタ16や
右側可動リフレクタ17を前方に移動させ、通電解除
(OFF)によるスプリングリターンにより、同上図1
中仮想線で示すように左側可動リフレクタ16や右側可
動リフレクタ17を後方に移動させる。
【0033】そして、上記したように左側可動リフレク
タ16や右側可動リフレクタ17を後方移動させたとき
には、ロービームフィラメント11からの光4は上記左
側可動リフレクタ16や右側可動リフレクタ17で反射
した後、図1中仮想線で示すように前下方に向う照射光
7とされる。一方、上記したように左側可動リフレクタ
16や右側可動リフレクタ17を前方移動させると、こ
れらにより反射される光4は同上図1中実線で示すよう
にほぼ水平方向前方に向う照射光7とされる。
【0034】図4と図5において、自動二輪車1が直進
走行するときには、上記左側可動リフレクタ16と右側
可動リフレクタ17は前記したように後方移動の状態と
する。すると、このときのロービームフィラメント11
による路面への照射域は、図5中二点鎖線で示す、ライ
ダーRが視認したい領域を含むAの範囲である。
【0035】図4において、自動二輪車1を左方に操向
させようとすると、車体は左方に傾斜し、これと共にヘ
ッドライト装置2も傾斜する。すると、上記ロービーム
フィラメント11による照射域Bは、図5中一点鎖線で
示すように操向方向とは逆に移動しようとする。しか
し、この操向時において、ライダーRが視認したいのは
操向方向に位置する領域Cである。
【0036】そこで、前記左側可動リフレクタ16を前
方移動させる。すると、この左側可動リフレクタ16に
より反射した照射光7は、左側可動リフレクタ16を後
方移動させていたときよりも上方に向うこととなり、よ
って、その分、照射光7の方向が操向方向に向うことと
なる。この結果、その照射域Dは上記視認したい領域C
を含むこととなる。
【0037】なお、自動二輪車1を右方に操向させると
きには、上記左側可動リフレクタ16に代えて、右側可
動リフレクタ17を前方移動させれば、上記と同じ結果
が得られる。
【0038】図6において、上記自動二輪車1の操向に
対しての左側可動リフレクタ16や右側可動リフレクタ
17の前後移動は、車体に設けられた傾斜検出装置26
と、電子制御装置27とにより自動的に行われるように
なっている。
【0039】上記傾斜検出装置26は車体が左右に傾斜
したとき、それぞれに信号を出力する地磁気センサー2
9を備えている。この地磁気センサー29は地磁気と常
時通電された励磁コイルとを組み合わせることによっ
て、上記信号を出力するようになっている。また、同上
傾斜検出装置26は車体が傾斜したとき信号を出力する
傾斜角センサー30も備えている。この傾斜角センサー
30は操向時の遠心力を受けて電気抵抗を変化させる感
圧センサーを有し、このセンサーにより信号を出力する
ようになっている。
【0040】前記電子制御装置27は、上記地磁気セン
サー29の出力信号を入力して左右いずれの方向に傾斜
しているかを検出する左右検出回路31を備え、この左
右検出回路31の検出信号はアンド回路32に入力され
る。一方、上記傾斜角センサー30の出力信号を入力し
て傾斜角(垂線に対する傾斜角、つまり、バンク角)を
検出する傾斜角検出回路33が設けられ、この傾斜角検
出回路33の検出信号は比較器34を介して上記アンド
回路32に入力される。上記比較器34には基準傾斜角
としての第1所定値θ1と第2所定値θ2とが入力され
る。
【0041】36はディマースイッチで、このディマー
スイッチ36はバルブ3による発光がハイビームフィラ
メント10とロービームフィラメント11のうちいずれ
によるものかを検出し、その検出信号は同上ディマース
イッチ36の判別回路37に入力され、この判別回路3
7の出力も同上アンド回路32に入力される。
【0042】そして、上記アンド回路32の出力信号は
駆動回路38を介して前記各ソレノイド23に接続され
る。
【0043】図7と図8とは、上記傾斜検出装置26や
電子制御装置27についてのフローチャートを示し、図
中(P‐1)〜(P‐16)は各ステップを示してい
る。また、図7中のAは図8中のAに連なるものとす
る。
【0044】図7と図8とにおいて、自動二輪車1の走
行中、地磁気センサー29の出力信号により、左右検出
回路31が左右いずれの方向に傾斜しているかを読み込
む(P‐1)。そして、この左右検出回路31が左右い
ずれの方向に傾斜しているかを判別し、その検出信号を
出力する(P‐2)。次に、傾斜角センサー30の出力
信号により車体の傾斜角(θ)がどのような値であるか
を傾斜角検出回路33が読み込む(P‐3)。更に、デ
ィマースイッチ36の検出信号を判別回路37が読み込
む(P‐4)。
【0045】次に、傾斜角検出回路33により傾斜角
(θ)が0であるか否かが判断される(P‐5)。そし
て、これが0であるとき、つまり、直進状態にあるとき
には、上記(P‐1)に戻る。一方で、0でないとき、
つまり、操向により車体に傾斜が生じていると判断され
ると、同上傾斜角検出回路33により上記傾斜角が前記
第1所定値θ1(図4図示)以上であるか否かが判断さ
れる(P‐6)。
【0046】そして、この(P‐6)において、上記第
1所定値θ1未満であると判断されれば、(P‐1)と
同じく、左右検出回路31が左右傾斜の検出信号を読み
込んで(P‐7)、上記(P‐3)に戻る。一方、同上
第1所定値θ1以上であると判断されれば、次に、判別
回路37によりバルブ3による発光がロービームフィラ
メント11によるものであるか否かが判断される(P‐
8)。
【0047】そして、この(P‐8)において、ロービ
ームフィラメント11によらないと判断されれば、同上
(P‐7)に戻り、ロービームフィラメント11による
と判断されれば、左右検出回路31により車体が右方に
傾斜しているか否かが判断される(P‐9)。
【0048】そして、この(P‐9)において、右方へ
の傾斜でないと判断されれば、左側駆動手段21のソレ
ノイド23がONされて(P‐10)、前記したように
左側可動リフレクタ16が前方に移動させられる。一
方、右方への傾斜であると判断されれば、右側駆動手段
22のソレノイド23がONされて(P‐11)、前記
したように右側可動リフレクタ17が前方に移動させら
れる。そして、これにより、図5に基づき説明したよう
に、視認したい領域Cが照射される。
【0049】その後、再びディマースイッチ36の検出
信号を判別回路37が読み込み(P‐12)、この判別
回路37によりバルブ3による発光がロービームフィラ
メント11によるものであるかが判断される(P‐1
3)。
【0050】そして、この(P‐13)において、ロー
ビームフィラメント11によらないと判断されれば、ソ
レノイド23がOFFして(P‐14)、左側可動リフ
レクタ16が後方の元の位置に戻る。一方、ロービーム
フィラメント11によると判断されれば、前記(P‐
3)と同じく傾斜角(θ)の読み込みが行われ(P‐1
5)、次いで、上記傾斜角(θ)が前記第1所定値θ1
よりも少し小さい前記第2所定値θ2(図4図示)以下
か否かが判断される(P‐16)。
【0051】そして、この(P‐16)において、傾斜
角(θ)が上記第2所定値θ2未満であると判断されれ
ば、ソレノイド23がOFFされ(P‐14)、一方、
同上第2所定値θ2以上であると判断されば、(P‐1
2)に戻る。
【0052】以下、上記動作が繰り返されることによ
り、所定の傾斜角以上での操向時には、左側可動リフレ
クタ16と右側可動リフレクタ17のうちいずれか一方
が前方移動して、前記したように操向方向においてライ
ダーRが視認したい領域Cが照射されることとなる。
【0053】なお、上記第1所定値θ1以外に第2所定
値θ2を設定した理由は、ヒステリシスにより、ソレノ
イド23のON,OFFが頻繁に繰り返されることを防
止するためである。
【0054】(第2実施例)
【0055】図9から図13は第2実施例を示してい
る。なお、この実施例において前記第1実施例と同じ構
成のものについては、図面に共通の符号を付してその説
明を省略する。
【0056】左側可動リフレクタ16と右側可動リフレ
クタ17は、それぞれリフレクタ本体15の上部を切り
抜くことにより形成され、これらにおけるリフレクタ本
体15の中央側の端部がこのリフレクタ本体15に枢支
軸40により枢支され、リフレクタ本体15の外縁側の
端部が前後回動自在とされている。この場合、左側可動
リフレクタ16と右側可動リフレクタ17が最も前方に
回動したとき、これらは切り抜き孔41に嵌り込んで、
これらの内面と、リフレクタ本体15の内面とがある一
つの点を中心としたほぼ球面上に位置することとされて
いる。一方、各ソレノイド23はそれぞれ無段階、比例
式のものとされ、上記左側可動リフレクタ16や右側可
動リフレクタ17をそれぞれ前後に回動させる。
【0057】そして、これら各可動リフレクタ16,1
7を図9中実線で示すように後方に回動させると、ロー
ビームフィラメント11からの光4は左側可動リフレク
タ16や右側可動リフレクタ17で反射した後、実線で
示すような前方に向う照射光7とされる。従って、上記
左側可動リフレクタ16や右側可動リフレクタ17を最
も前方に回動したところから徐々に後方に回動させる
と、照射光7の方向は、同上図9中二点鎖線図示、一点
鎖線図示、上記実線図示の順序で漸次上方に向うことと
なる。
【0058】図12と図13とにおいて、自動二輪車1
を左方に操向させようとして、図12中α1で示すよう
に車体を少し左方に傾斜させたときには、上記左側可動
リフレクタ16と右側可動リフレクタ17は共に最も前
方に回動したところから左側可動リフレクタ16だけを
少し後方に回動させる。すると、このときのロービーム
フィラメント11による路面への照射域は、図13中二
点鎖線で示すEの範囲となり、これは操向方向に向って
わずかに偏位したものとなる。
【0059】図12において、車体をα2のように更に
大きく傾斜させるときには、左側可動リフレクタ16を
更に後方に回動させる。すると、この左側可動リフレク
タ16により反射した照射光7は、更に上方に向うこと
となり、よって、その分、照射光7の方向が操向方向に
向い、その照射域は図13中一点鎖線で示すFの範囲と
なる。
【0060】同上図12において、車体をα3のように
更に大きく傾斜させるときには、上記したと同じように
左側可動リフレクタ16を更に後方に回動させる。する
と、上記したと同じように、その照射域は図13中実線
で示すGの範囲となる。
【0061】なお、自動二輪車1を右方に操向させると
きには、上記左側可動リフレクタ16に代えて右側可動
リフレクタ17を後方回動させれば、左右逆として、上
記と同じ結果が得られる。
【0062】上記自動二輪車1の操向と、左側可動リフ
レクタ16や右側可動リフレクタ17の前後回動は前記
第1実施例と同じく傾斜検出装置26や電子制御装置2
7とにより自動的に行われるようになっている。
【0063】ただし、この実施例における電子制御装置
27には比較器34は設けられない。
【0064】なお、以上は図示の例によるが、この発明
はボートなど他の乗物に適用してもよい。
【0065】
【発明の効果】この発明によれば、バルブがハイビーム
フィラメントとロービームフィラメントとを有し、これ
らハイビームフィラメントとロービームフィラメントを
択一選択的に通電させるディマースイッチを設け、上記
バルブの後方に位置して上記フィラメントからの光を前
方に向って反射させるリフレクタを設け、このリフレク
タの左右各部を前後に移動可能な可動リフレクタで構成
し、これら各可動リフレクタを前後に移動させる駆動手
段を設けると共に、この駆動手段を同上リフレクタの後
側に設け、一方、乗り物の左右の傾斜を検出する傾斜検
出装置を設け、この傾斜検出装置の出力信号により上
動手段を作動させるようにしたことを「前提条件」と
している。
【0066】上記「前提条件」によれば、乗り物の操向
時に、この乗り物と共にヘッドライト装置が傾斜してそ
の照射光が所望の方向から外れようとするときには、上
記傾斜検出装置の検出信号により駆動手段の作動を介し
、可動リフレクタを前後に移動させ、この可動リフレ
タの反射による照射光の照射方向を変更させて所望の
方向を照射させることができる。
【0067】上記構成において、1)上記駆動手段をソ
レノイドで構成している。
【0068】このため、上記各可動リフレクタは前後に
ほぼ直線的に移動するものであるの に対し、上記ソレノ
イドも直線的に駆動するものであることから、このソレ
ノイドに上記可動リフレクタを連動連結させるための手
段は極めて簡単なもので足り、よって、その分、ヘッド
ライト装置の構成を簡単にできる。
【0069】また、2)上記ハイビームフィラメントと
ロービームフィラメントのうち、上記ディマースイッチ
によりロービームフィラメントが通電させられていると
きのみに、上記駆動手段の作動が許容されるようにして
ある。
【0070】このため、ハイビームフィラメントへの通
電によりヘッドライト装置がハイビームにされていると
きは、駆動手段の作動が阻止されて照射方向の変更が阻
止される。
【0071】よって、乗り物の走行時に、ヘッドライト
装置のハイビームに加えてその照射方向が変更される、
ということが回避され、このため、対向する乗り物が眩
惑されるということが抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例で、ヘッドライト装置の側面断面図
である。
【図2】第1実施例で、ヘッドライト装置を後方からみ
た図である。
【図3】第1実施例で、ヘッドライト装置を前方からみ
た図である。
【図4】第1実施例で、走行中の自動二輪車を後方から
みた図である。
【図5】第1実施例で、照射域を示す平面図である。
【図6】第1実施例で、電気配線図である。
【図7】第1実施例で、フローチャート図である。
【図8】第1実施例で、フローチャート図である。
【図9】第2実施例で、ヘッドライト装置の側面断面図
である。
【図10】第2実施例で、ヘッドライト装置を後方から
みた図である。
【図11】第2実施例で、ヘッドライト装置を前方から
みた図である。
【図12】第2実施例で、走行中の自動二輪車を後方か
らみた図である。
【図13】第2実施例で、照射域を示す平面図である。
【符号の説明】
1 自動二輪車(乗り物) 2 ヘッドライト装置 3 バルブ 4 光 5 リフレクタ 7 照射光 10 ハイビームフィラメント 11 ロービームフィラメント 16 動リフレクタ 17 動リフレクタ 21 動手段 22 動手段23 ソレノイド 26 傾斜検出装置 27 電子制御装置36 ディマースイッチ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62J 6/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 バルブがハイビームフィラメントとロー
    ビームフィラメントとを有し、これらハイビームフィラ
    メントとロービームフィラメントを択一選択的に通電さ
    せるディマースイッチを設け、上記バルブの後方に位置
    して上記フィラメントからの光を前方に向って反射させ
    るリフレクタを設け、このリフレクタの左右各部をそれ
    ぞれ前後に移動可能な可動リフレクタで構成し、これら
    各可動リフレクタをそれぞれ前後に移動させる駆動手段
    を設けると共に、この駆動手段を同上リフレクタの後側
    に設け、一方、乗り物の左右の傾斜を検出する傾斜検出
    装置を設け、この傾斜検出装置の検出信号により上記駆
    動手段を作動させるようにした乗り物のヘッドライト装
    置において、 1)上記駆動手段をソレノイドで構成し、 2)上記ハイビームフィラメントとロービームフィラメ
    ントのうち、上記ディマースイッチによりロービームフ
    ィラメントが通電させられているときのみに、上記駆動
    手段の作動が許容されるようにした 乗り物のヘッドライ
    ト装置。
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