JP2962748B2 - ドレックスレラ属菌又はその代謝産物を含有する雑草防除剤及びそれらによる雑草防除法 - Google Patents

ドレックスレラ属菌又はその代謝産物を含有する雑草防除剤及びそれらによる雑草防除法

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JP2962748B2
JP2962748B2 JP1300810A JP30081089A JP2962748B2 JP 2962748 B2 JP2962748 B2 JP 2962748B2 JP 1300810 A JP1300810 A JP 1300810A JP 30081089 A JP30081089 A JP 30081089A JP 2962748 B2 JP2962748 B2 JP 2962748B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は雑草、特にイネ科の重要な穀物であるイネ、
コムギ等の有用植物栽培において強害雑草であるノビエ
(学名:エキノクロア)の防除に有効な植物病原微生物
ドレックスレラ属菌の該生菌体又はその代謝産物を含有
する雑草防除剤及びそれらによる雑草防除法に関するも
のである。
〔従来の技術〕
雑草や病害虫の防除方法は、およそ100年前より化学
の発展によってそれまでの耕種的防除方法から化学的防
除方法へと発展した。特に、1900年代中期のDDTをはじ
めとする有機合成農薬の飛躍的な発展によって、農作物
収量の増加、品質の向上、農作業の省力化等が行なえる
ようになったことによって世界の食糧生産は急速に向上
した。しかしながら、有機合成農薬の使用による環境汚
染や薬剤抵抗性を獲得した病原微生物、害虫の出現に起
因する防除効果の減少等がここ数年来深刻の問題となっ
ている。そこで、近年の合成農薬の開発は明かに高性能
指向となっている。すなわち、人畜に対する安全性はも
とより、低薬量で優れた効果を示し、残留性、環境汚染
等についても十分に配慮したものとなっている。一方、
最近では有機合成農薬を使用しないで作物を栽培すると
いったような有機農法も人気を集めつつある。この様
に、有機合成農薬の人体への影響および自然環境の及ぼ
す影響が大きく取り上げられる様になって、近年、作物
農薬への関心が非常に大きくなっていると共に一般に広
く研究開発が行なわれるようになってきた。例えば、天
敵等を利用した生物的防除あるいは輪作等の栽培体系を
熟考した耕種的防除を組み合わせた総合的防除体系の確
立等が挙げられる。
この様な背景から、生物的防除方法の確立が切望され
ている。特に、微生物の生体を直接的に利用した微生物
農薬あるいは微生物の生産する生理活性物質を利用した
微生物源農薬の開発に大きな期待が寄せられている。除
草剤の分野では、米国において雑草に対する病原微生物
を利用する微生物除草剤の研究が近年精力的に行なわれ
ている。これまで既に上市されている微生物除草剤とし
て、デヴァイン(アボット社商品名)及びコレゴ(エゴ
ジェン社商品名)があり、各々ストラングルバイン、ノ
ーザンジョイントベッチの防除に使用されている。更
に、近々マイコジェン社よりピーナッツやダイズ畑のシ
ックルポッドを防除するのに有効である微生物除草剤が
製品化されようとしている。しかしながら、日本におい
ては未だ微生物除草剤の研究開発が進んでいない。従っ
て主要穀物であるイネ、コムギ等の栽培において強害雑
草であるノビエを対象とする微生物除草剤或は微生物源
除草剤は未だ知られていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、農作物生産における現在の前記不利な点を
解決し、合成農薬に代わる新しい雑草防除手段を提供す
るものである。すなわち、イネ及びコムギ等の有用植物
の栽培において強害雑草であるノビエを防除するのに有
効な病原微生物としてドレックスレラ属菌を見い出し、
その生菌体又はその代謝産物を含有する雑草防除剤及び
防除法を提供する。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、水田および畑地の重要雑草であるノビ
エを防除することを目的とし、ノビエに対する病原微生
物に注目し、多くの微生物を探索した結果、ノビエに対
して除草作用を示し、イネ、コムギ等の作物に対して病
原性を持たない病原微生物が糸状菌のトレックスレラ属
菌に多いことを見い出し、本発明を完成するに至った。
本発明の対象となるノビエとは、イネ科のエキノクロ
ア(Echinochloa)に属する植物であり、具体的にはタ
イヌビエ(Echinochloa oryzicola)、ヒメタイヌビエ
(Echinochloa crus−galli var.formosensis)、イヌ
ビエ(Echnochloa crus−galli var.crus−galli)また
はヒメイヌビエ(Echinochloa crus−galli var.pratic
ola)がある。
すなわち、本発明は、自然発病しているノビエの病斑
部から、病原微生物を純粋分離し、これらの分離微生物
の中から前記ノビエに対して病原性を示しイネをはじめ
有用植物に対して病原性を持たない微生物を検索して見
だしたドレックスレラ属の新菌株の生菌体又はその代謝
産物を含有することを特徴とする雑草防除剤及びそれら
による雑草防除法を提供するものである。
本発明に係わる病原微生物は、自然発病しているノビ
エから純粋分離された菌株に対してノビエ及びイネに対
する殺草活性試験及び寄生力検定を実施することにより
選出された。選出した病原微生物6株を形態学に基づき
同定した結果、ドレックスレラ モノセラス(Drechsle
ra monoceras)3株(MH−0015,MH−2653,MH−2679)、
ドレックスレラ ラベネリ(Drechslera ravenelii)2
株(MH−0042,MH−0060)、ドレックスレラ ポア(Dre
chslera poa)1株(MH−0122)に分類されるべきもの
であることが認められた。
これらの6株は、通産省工業技術院生命工学工業技術
研究所に寄託され、その後各寄託はブダペスト条約下の
国際寄託に変更された。各株の受託日及び受託番号は以
下のおとりである。
株名 受託日 受託番号 MH−0015 平成1年6月17日 FERM BP−2652 MH−2653 平成1年6月17日 FERM BP−2653 MH−2679 平成1年8月31日 FERM BP−2656 MH−0042 昭和63年10月28日 FERM BP−2659 MH−0060 平成1年9月28日 FERM BP−2657 MH−0122 平成1年8月31日 FERM BP−2655 本発明のノビエに対してのみ作用を示す雑草防除剤
は、上記の検索されたドレックスレラ属菌のいずれも利
用することができる。
ドレックスレラ属菌を雑草防除剤に用いる方法として
は、培養した生菌体を直接利用する方法と菌体を培養し
た後、培養液を無菌濾過しその代謝産物を利用する方法
がある。
前者の方法は、ドレックスレラ属菌を栄養培地で培養
することによって得られる胞子をTriton X−100又はTwe
en 80等の非イオン系界面活性剤水溶液中に懸濁して雑
草防除剤とするものである。
胞子は、液体培地、固体培地のいずれを用いて培養し
たものからでも得られる。即ち、液体培地を利用する場
合は菌体をポテト・デキストロース液体培地又はオート
ミル液体培地に接種し増殖させたものを集菌し、得られ
た菌糸体を破砕した後濾紙上に広げて放置することによ
り胞子を形成させることが出来る。又、固体培地を利用
する場合は、菌体をポテト・デキストロース寒天培地ま
たはオートミル寒天培地で培養した後、気中菌糸を蒸留
水で除去することにより胞子を得ることが出来る。
一方、後者の菌体の代謝産物を利用する方法は、菌体
をホテト・デキストロース液体培地で静置培養した後無
菌濾過し、その濾液を雑草防除剤とするものである。
本発明のドレックスレラ属菌を大量培養し効率的に胞
子を得るとともにその工程を無菌的に操作することによ
って、有効な微生物雑草防除剤及び微生物源雑草防除剤
を製造することが可能である。これらの雑草防除剤は、
水田にイネを移植する前後の時期に散布することによっ
てノビエに対してのみ除草作用を示し、イネ、コムギ、
オオムギ、トウモロコシ等の有用植物に対しては病原性
がなく高い選択的除草活性を有し、かつ環境汚染の心配
がなく安全に利用できるものである。
〔実施例〕
以下に本発明に係わる病原微生物ドレックスレラ属菌
について実施例により具体的に説明するが、これに限定
されるものではない。
実施例1 有効病原微生物の分離及び同定 1)病原微生物の分離方法 水田で自然発病しているノビエを採集し、病斑を中心
として10〜20mmの切片を作製し、70%エチルアルコール
水溶液に1〜2秒間浸漬後、有効塩素濃度2%の次亜鉛
素酸ナトリウム水溶液に10分間浸漬することにより、ノ
ビエ切片の表面殺菌を行なった。表面殺菌したノビエ切
片は、滅菌蒸留水で3回洗浄後、無栄養寒天培地上に置
床し、25℃の恒温器中で72時間静置培養し、生育してき
た糸状菌の菌糸を実体顕微鏡下で単菌糸分離を行ない、
栄養培地上に純粋分離した。得られた分離微生物は、ノ
ビエに対する殺草及び寄生性およびイネに対する病原性
を検定するために使用した。
2)分離微生物のノビエ及びイネに対する殺草活性検定 ノビエとイネを無菌的に試験管内で1.5葉期まで育成
し、試験材料とした。すなわち、ノビエとイネの種子
を、70%のエチルアルコール水溶液に1〜2秒間浸漬し
た後、有効塩素2%次亜鉛素酸ナトリウム水溶液に10分
間浸漬することにより表面殺菌し、滅菌蒸留水で3回洗
浄した。この種子を、予め調整し滅菌した以下に示すB5
寒天培地の入った試験管内に播種し植物育成用のチャン
バーで育成した。
一方、分離した微生物は、ポテト・デキストロース寒
天培地で平板培養を行い、滅菌したコルクボーラーで打
ち抜くことにより作製した菌叢ディスクを接種源とし
た。
菌叢ディスクは、無菌的にノビエとイネを育成した試
験管内の培地上に置床し、植物育成用のチャンバー内で
10日間培養した後、微生物の殺草活性を検定した。その
結果を第1表に示した。
3)分離した微生物のノビエ及びイネに対する寄生力検
定 ノビエとイネを無菌的に試験管内で1.5葉期で育成
し、試験材料とした。すなわち、ノビエとイネの種子
を、2)の殺草活性検定と同様の方法で表面殺菌し、予
め滅菌した無栄養液体培地の入った試験管内に播種し、
植物育成用のチャンバーで培養した。一方、分離した微
生物は、2)の殺草活性検定と同様の方法で作製した菌
叢ディスクを接種源とした。
対象とする植物に微生物接種源を接種後10日間培養し
た後、微生物の寄生力を判定した。その結果を第2表に
示した。
第1表に示すように本発明の微生物(ドレックスレラ
属菌MH−0015,MH−0042,MH−0060,MH−00122,MH−2653,
MH−2679)は、ノビエに対して強い殺草活性を有してい
る。分離した微生物中にはMH−0001の様に全くノビエに
対して病原性を示さないもの、MH−0007の様にイネにの
み病原性を示すもの更にノビエ、イネの両方に強い病原
性を示す菌株等があり、多数得られた微生物の中から本
発明の微生物が選択された。更に、第2表に示した様に
本発明の菌株は、ノビエに対して特異的に寄生性を有し
ていることより微生物除草剤としての利用に非常に有利
である。
4)分離した微生物の同定 2),3)の検定でノビエに対して優れた殺草活性及び
寄生力を示しイネに対する影響が認められなかった6菌
株、即ち、MH−0015,MH−0042,MH−0060,MH−0122,MH−
2653,MH−2679について微生物の同定を行なった。これ
らの菌株の同定は、微生物を麦芽寒天培地で培養して行
なった。その結果、MH−0015,MH−2653,MH−2679は、28
℃、7日間で、コロニーの大きさは直径65〜75mmに達
し、不規則な生育を示した。コロニーの色は、灰黒色で
ある。分生子は、出痕があり、大きさは幅が15〜17.5μ
m、長さが87.5〜127.5μmで、その形は少し曲がって
いる。分生子の隔壁は、最高9個で、大部分が5〜7個
である。分生子柄の形状は真直である。以上の特徴か
ら、この3種の微生物はドレックスレラ モノセラス
(Drechslera monoceras)と判定された。
MH−0042,MH−0060は、分生子に出痕が無く、大きさ
は幅が17〜22μm、長さが40〜90μmで、しばしば分枝
している。分生子の形は、円筒状で曲がっているものも
あり、隔壁は、1〜5個である。以上の特徴から、これ
ら2種の微生物はドレックスレラ ラベネリ(Drechsle
ra ravenelii)と判定された。
MH−0122は、78℃、7日間でコロニーの大きさが直径
20〜25mmに達する。コロニーの色は、明灰色で、中央部
は灰緑色、裏面は灰黒色である。分生子は、出痕が無
く、大きさは幅が20〜25μm、長さが55〜95μmであ
る。分生子の隔壁は、5〜6個である。分生子柄の形状
は、真直である。以上の特徴から、本微生物は、ドレッ
クスレラ ポア(Drechslera poa)と判定された。
これらの判定には、M.B.Ellils(1971)Demariaceus
Hyphomycetes p.608,Commonwealth Mycological Instit
ute,Kew,EnglandとM.B.Ellis(1976)とMora Demariace
us Hyphomycetes p.507,Commonwealth Mycological Ins
titute,kew,Englandを参照して行なった。
本発明に係わるドレックスレラ属菌(Drechslera sp
p.)は、国立予防衛生研究所の病原体等安全管理規程に
おいて病原体としての記載がなく、人畜に対して安全で
ある。
実施例2 ドレックスレラ属菌の生菌体を含有する雑草
防除剤の製法及びそれによる雑草防除方法 分離したドレックスレラ属菌6菌株をオートミル寒天
培地上に接種し25℃で7日間静置培養を行なった。この
後、気中菌糸を蒸留水で除去することにより胞子を得、
これを0.05%のTriton X−100水溶液中に106胞子/mlの
割合で懸濁しドレックスレラ菌の生菌体を有効成分とす
る雑草防除剤を調製した。
一方、ノビエとイネの種子を直径10cmのビニール製の
ポット内の土壌に播種し、1.5葉期の苗まで育成した。
この堪水状態のポット内に107個のドレックスレラ菌の
胞子を接種するように上記雑草防除剤を滴下し、昼間30
℃、夜間25℃に保った人工気象室内で栽培を20日間行な
った。その結果を第3表に示した。
試験の結果、本発明に係わる病原微生物ドレックスレ
ラ属菌MH−0015,MH−0042,MH−0060,MH−0122,MH−265
3,MH−2679はノビエに対する優れた病原性を示し、イネ
に対する影響は全く認められなかった。
実施例3 ドレックスレラ モノセラス(Drechslera m
onoceras)MH−2653を有効成分とする雑草防除剤の製法
及びそれによる雑草防除法 本発明に係わる病原微生物ドレックスレラ モノセラ
ス(Drechslera monoceras)MH−2653をポテト・デキス
トロース液体培地100mlに種菌を接種し、25℃で7日間
培養した。培養後、濾過して得られたマット上の菌糸体
をホモジナイズした後濾紙上に広げそのまま3日間放置
して胞子を形成させた。この胞子を用いて実施例2と同
様の方法で雑草防除剤を調製した。
一方、3個の1/5000aのワグネルポットにノビエ50個
体をそれぞれ播種し1.5葉期まで育成させた。湛水状態
の各々のポット内に105、106、107、108個のドレックス
レラ モノセラス(Drechslera moneceras)MH−2653の
胞子を接種出来るように上記雑草防除剤を滴下し、15か
ら35℃の温室内で育成し、30日後に枯死株の割合で除草
活性を調べた。その結果を第4表に示した。
試験の結果、本発明に係わるドレックスレラ モノセ
ラス(Drechslera monoceras)MH−2653は、ノビエに対
して優れた除草作用を示した。
実施例4 ドレックスレラ属菌の代謝産物を含有する雑
草防除剤の製法及びそれによる雑草防除法 分離したドレックスレラ属菌6菌株をポテト・デキス
トロース液体培地100mlで10日間、25℃で静置培養を行
なった。この後、マット状の菌糸体を培養液中でホモジ
ナイズし、更にメンブランフィルターを用いて濾過した
濾液を濃縮して雑草防除剤として試験に用いた。
一方、ノビエの種子を実施例1の殺草活性検定と同様
の方法で表面殺菌し、予め滅菌した無栄養液体培地5ml
の入った試験管内に播種し植物育成チャンバー内で1.5
葉期まで育成した。このノビエ植物体の入った試験管内
に上記の雑草防除液の0.5mlを添加し10日間育成した後
殺草活性を検定した。その結果を第5表に示した。
試験の結果、本発明に係わる微生物ドレックスレラ属
菌MH−0015,MH−0042, MH−0060,MH−0122,MH−2653,M
H−2679の代謝産物は、ノビエに対して顕著な殺草活性
を示した。
実施例5 ドレックスレラ属菌の主要作物に対する病原
性の検定 本発明に係わる病原微生物ドレックスレラ属菌が他の
有用植物に対して病原性を持たないことを確認した。実
施例4と同様の方法で、イネ、コムギ、オオムギ、トウ
モロコシを対象として行なった。その結果を第6表に示
した。
試験の結果、本発明に係わるドレックスレラ属菌は、
イネ、コムギ、オオムギ、トウモロコシに対する病原性
を全く持っていないことが判明し、微生物除草剤として
使用可能であることが確認された。
〔発明の効果〕
本発明に係わる病原微生物ドレックスレラ属菌は、ノ
ビエに対して選択的な病原性を示し、本微生物を接種源
として用いることにより、他の有用植物に影響を与える
ことなしに、重要雑草であるノビエを除草することがで
きる。
更に、本発明に係わる病原微生物は、自然界に生息す
る微生物から選抜されたものであり、有機合成農薬で懸
念される環境汚染の心配がなく、安全に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 微生物の受託番号 FERM BP−2657 微生物の受託番号 FERM BP−2655 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 63/00 C12N 1/14

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】イネ、コムギ、オオムギ及びトウモロコシ
    に病原性を示さずエキノクロア(Echinochloa)属に病
    原性を示すドレックスレラ属菌(Drechslera spp.)を
    含有することを特徴とする水田用ノビエ防除剤。
  2. 【請求項2】ドレックスレラ属菌の生菌体を溶液1ml中1
    04〜109の割合で懸濁したものからなる請求項1に記載
    の水田用ノビエ防除剤。
  3. 【請求項3】ドレックスレラ属菌の生菌体として胞子を
    用いる請求項2に記載の水田用ノビエ防除剤。
  4. 【請求項4】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレック
    スレラ モノセラス(Drechslera monoceras)の新菌株
    である請求項1に記載の水田用ノビエ防除剤。
  5. 【請求項5】病原微生物ドレックレスラ モノセラス
    (Drechslera monoceras)の新菌株がMH−0015(FERM
    BP−2652)、MH−2653(FERM BP−2653)またはMH−26
    79(FERM BP−2656)である請求項4に記載の水田用ノ
    ビエ防除剤。
  6. 【請求項6】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレック
    スレラ ラベネリ(Drechslera ravenelii)の新菌株で
    ある請求項1に記載の水田用ノビエ防除剤。
  7. 【請求項7】病原微生物ドレックスレラ ラベネリ(Dr
    echslera ravenelii)の新菌株がMH−0042(FERM BP−
    2659)またはMH−0060(FERM BP−2657)である請求項
    6に記載の水田用ノビエ防除剤。
  8. 【請求項8】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレック
    スレラ ポア(Drechslera poa)の新菌株である請求項
    1に記載の水田用ノビエ防除剤。
  9. 【請求項9】病原微生物ドレックスレラ ポア(Drechs
    lera poa)の新菌株がMH−0122(FERM BP−2655)であ
    る請求項8に記載の水田用ノビエ防除剤。
  10. 【請求項10】イネ、コムギ、オオムギ及びトウモロコ
    シに病原性を示さずエキノクロア(Echinochloa)属に
    病原性を示すドレックスレラ属菌(Drechslera spp.)
    を培養液中でホモジナイズして濾過して濾液を含有する
    ことを特徴とする水田用ノエビ防除剤。
  11. 【請求項11】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ モノセラス(Drechslera monoceras)の新菌
    株である請求項10に記載の水田用ノビエ防除剤。
  12. 【請求項12】病原微生物ドレックスレラ モノセラス
    (Drechslera monoceras)の新菌株がMH−0015(FERM
    BP−2652)、MH−2653(FERM BP−2653)またはMH−26
    79(FERM BP−2656)である請求項11に記載の水田用ノ
    ビエ防除剤。
  13. 【請求項13】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ラベネリ(Drechslera ravenelii)の新菌株
    である請求項10に記載の水田用ノビエ防除剤。
  14. 【請求項14】病原微生物ドレックスレラ ラベネリ
    (Drechslera ravenelii)の新菌株がMH−0042(FERM
    BP−2659)またはMH−0060(FERM BP−2657)である請
    求項13に記載の水田用ノビエ防除剤。
  15. 【請求項15】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ポア(Drechslera poa)の新菌株である請求
    項10に記載の水田用ノビエ防除剤。
  16. 【請求項16】病原微生物ドレックスレラ ポア(Drec
    hslera poa)の新菌株がMH−0122(FERM BP−2655)で
    ある請求項15に記載の水田用ノビエ防除剤。
  17. 【請求項17】イネ、コムギ、オオムギ及びトウモロコ
    シに病原性を示さずエキノクロア(Echinochloa)属に
    病原性を示すドレックスレラ属菌(Drechslera spp.)
    を水田に用いることを特徴とする水田でのノエビ防除方
    法。
  18. 【請求項18】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ モノセラス(Drechslera monoceras)の新菌
    株である請求項17に記載のノビエ防除方法。
  19. 【請求項19】病原微生物ドレックスレラ モノセラス
    (Drechslera monoceras)の新菌株がMH−0015(FERM
    BP−2652)、MH−2653(FERM BP−2653)またはMH−26
    79(FERM BP−2656)である請求項18に記載のノビエ防
    除方法。
  20. 【請求項20】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ラベネリ(Drechslera ravenelii)の新菌株
    である請求項17に記載のノビエ防除方法。
  21. 【請求項21】病原微生物ドレックスレラ ラベネリ
    (Drechslera ravenelii)の新菌株がMH−0042(FERM
    BP−2659)またはMH−0060(FERM BP−2657)である請
    求項20に記載のノビエ防除方法。
  22. 【請求項22】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ポア(Drechslera poa)の新菌株である請求
    項17に記載のノビエ防除方法。
  23. 【請求項23】病原微生物ドレックスレラ ポア(Drec
    hslera poa)の新菌株がMH−0122(FERM BP−2655)で
    ある請求項22に記載のノビエ防除方法。
  24. 【請求項24】イネ、コムギ、オオムギ及びトウモロコ
    シに病原性を示さずエキノクロア(Echinochloa)属に
    病原性を示すドレックスレラ属菌(Drechslera spp.)
    を培養液中でホモジナイズして濾液した濾液を水田に用
    いることを特徴とする水田でノエビ防除方法。
  25. 【請求項25】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ モノセラス(Drechslera monoceras)の新菌
    株である請求項24に記載のノビエ防除方法。
  26. 【請求項26】病原微生物ドレックスレラ モノセラス
    (Drechslera monoceras)の新菌株がMH−0015(FERM
    BP−2652)、MH−2653(FERM BP−2653)またはMH−26
    79(FERM BP−2656)である請求項25に記載のノビエ防
    除方法。
  27. 【請求項27】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ラベネリ(Drechslera ravenelii)の新菌株
    である請求項24に記載のノビエ防除方法。
  28. 【請求項28】病原微生物ドレックスレラ ラベネリ
    (Drechslera ravenelii)の新菌株がMH−0042(FERM
    BP−2659)またはMH−0060(FERM BP−2657)である請
    求項27に記載のノビエ防除方法。
  29. 【請求項29】ドレックスレラ属菌が病原微生物ドレッ
    クスレラ ポア(Drechslera poa)の新菌株である請求
    項24に記載のノビエ防除方法。
  30. 【請求項30】病原微生物ドレックスレラ ポア(Drec
    hslera poa)の新菌株がMH−0122(FERM BP−2655)で
    ある請求項29に記載のノビエ防除方法。
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