JP2962281B2 - 半導体装置の検査パターンおよび半導体装置の検査方法 - Google Patents

半導体装置の検査パターンおよび半導体装置の検査方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体装置の検査方
法に関し、特にコンタクトホール又はスルーホール内の
ボイドの有無を検出する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体集積回路の微細化にともない、コ
ンタクトホールやスルーホールの金属配線、特にAl合
金配線のステップカバレッジが低下し、導通不良、配線
抵抗の増大が問題となっている。そこで、基板にコンタ
クトホールやスルーホールにAl合金材料をスパッタ法
で埋め込む方法が使用されるようになってきた。スパッ
タ法により合金材料を埋め込む方法は、半導体基板を数
百度(通常400度以上)に加熱した状態でAl合金材
料をスパッタ成膜することにより、Al合金材料をリフ
ロー、またはそれに近い挙動を示す状態にしてコンタク
トホール又はスルーホールに埋め込み、成膜する方法が
ある(以下、「高温スパッタ法」という。)。しかし高
温スパッタ法では、いくつかの要因、例えば、スパッタ
中、チャンバー大気リークがあった場合や、半導体基板
の加熱温度が装置故障で低い場合に埋め込み不良が発生
する。
【0003】ここで埋め込み不良の検出が必要となる
が、高温スパッタ法により埋め込み形成した場合、図4
(A)に示す様にAl合金材料がコンタクトホール部で
平坦化されない不良と、図4(B)に示す様にAl合金
材料がコンタクトホール内でボイドとなる不良の2種が
ある。
【0004】図4(A)のタイプの埋め込み不良は外観
検査にて判定できるが、図4(B)のタイプの埋め込み
不良は、コンタクトホール部をへき開してSEM観察す
るという方法が従来行われていた。しかし、この方法で
は多数のサンプルについて観察しなければ正確な評価を
行い得ず、多大な時間と労力を要する点で問題があっ
た。そこで、へき開確認以外の手段として以下のような
検査方法が提案されている。
【0005】特開平6−69307号公報には、図5
(A)に示す様に、埋め込み性を良くする為スパッタし
たTi等の下地金属9とその後高温スパッタするAl合
金材料との反応合金層10の有無を反応合金層上のAl
合金材料をエッチング除去することにより確認し、この
存在の有無により埋め込み不良を検査する方法が提案さ
れている。
【0006】また特開平7−297277号公報には、
図5(B)に示す様に、Al合金材料埋め込み形成後の
コンタクトホールの上部Al合金材料をエッチング除去
してコンタクトホールの中のボイドをSEM等で検査す
る方法が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術はいずれもコンタクトホール又はスルーホール上
のAl合金材料をエッチング除去することが必要とな
り、工程数が増加するという問題があった。これは、コ
ンタクトホール又はスルーホール上のAl合金材料をエ
ッチング除去する条件と、Al合金材料の配線形成のエ
ッチング条件が異なることによる。
【0008】また、Al合金材料と下地金属との反応合
金属の有無の確認により埋め込み性を検査する方法は、
所定の下地金属が存在しない場合には反応合金層が形成
されないため適用できない。また、反応合金層が形成さ
れた場合であっても埋め込み不良が発生していることも
あり、検査の精度の点で問題が生じることがあった。そ
の理由は、高温スパッタ中にチャンバー大気リークが発
生した場合やスパッタ中に何らかの理由で半導体基板温
度が低下した場合には、埋め込み不良が発生した場合で
あっても反応合金層が形成されるからである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の半導体の検査パターンは、半導体基板上に、一また
は二以上の溝状開口部が設けられた絶縁膜を有し、該溝
状開口部に金属材料が埋め込まれ、前記溝状開口部と交
差するように前記金属材料の断面が露出したことを特徴
とする。
【0010】本発明の半導体の検査パターンは、前記溝
状開口部と前記検査パターンとを金属材料で埋め込んだ
後、前記金属材料を選択的にエッチングして前記検査パ
ターンの前記溝に埋め込まれた前記金属材料の断面を露
出させることにより作製され、該断面をSEM等により
観察することで前記製品領域の前記金属材料による埋め
込みの良否を正確かつ簡便に検査することができる。
【0011】また本発明の半導体装置の検査方法は、半
導体基板上に絶縁膜を形成し、該絶縁膜に一または二以
上の溝状開口部を設ける工程と、該溝状開口部を金属材
料で埋め込みつつ金属膜を成膜する工程と、前記金属材
料を選択的にエッチングすることにより、前記溝状開口
部に埋め込まれた前記金属材料の断面を前記溝状開口部
と交差するように露出させる工程と、前記断面のボイド
の有無を検査する工程とを含むことを特徴とする。
【0012】また本発明の半導体装置の検査方法は、半
導体基板上に製品領域と検査領域とを形成し、前記製品
領域に開口部を設け、前記検査領域に一または二以上の
溝状開口部を設ける工程と、前記製品領域の前記開口部
と前記溝状開口部とを金属材料で埋め込みつつ金属膜を
成膜する工程と、前記金属材料を選択的にエッチングす
ることにより、前記溝状開口部に埋め込まれた前記金属
材料の断面を前記溝状開口部と交差するように露出させ
る工程と、前記断面のボイドの有無を検査する工程とを
含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明における半導体基板とは、
特に限定されないが例えばシリコン基板等をいう。
【0014】本発明における溝状開口部には、金属材料
が埋め込まれ、選択エッチングによりその金属材料の断
面を露出させることにより検査パターンが形成される。
【0015】本発明における製品領域とは、スルーホー
ルやコンタクトホール等の開口部を有する半導体装置が
形成される領域である。また本発明における検査領域と
は、製品領域の開口部の埋め込み性を検査するために製
品領域以外の部分に形成される領域である。検査領域に
は、後の工程で金属材料により埋め込みを行うための溝
状開口部が設けられる。製品領域の開口部および溝状開
口部は、CVD法等により層間絶縁膜を成膜した後、フ
ォトレジスト、選択エッチングを行うことにより形成さ
れる。エッチングは通常、塩素系のドライエッチングに
よる方法が用いられる。なお、この選択エッチングは工
程数削減のため同一工程で形成されることが望ましい。
【0016】溝状開口部の形状・寸法は、製品領域の開
口部と、金属材料による埋め込み性が実質的に同等とな
るように選択される。ここで金属材料による埋め込み性
とは、金属材料による埋め込みの良否の程度をいい、開
口部のアスペクト比、形状、スパッタ条件等により変動
する。
【0017】本発明における検査パターンの形状は、一
または二以上の溝状開口部を含む形態とする。このよう
な形態とすることにより、金属材料による埋め込み部の
断面を容易に観察することができる。
【0018】また、製品領域の開口部と溝状開口部とで
は、形状が異なるため埋め込み性も異なるが、製品領域
の開口部の形状等に対応して溝状開口部の溝幅を適宜設
定することにより埋め込み性を同等にすることができ、
これにより検査の精度を高めることができる。このよう
な目的のため、製品領域の開口部の埋め込み性と溝状開
口部の埋め込み性は、あらかじめ予備検査を行うことに
よりその相関性を把握しておくことが望ましい。これに
より、与えられた製品領域の開口部の形状・寸法に対
し、適切な溝幅を設定することができる。また、溝状開
口部は、溝幅の異なる二以上の溝状開口部を含むことと
し、溝幅は製品領域に設けられた開口部の金属材料によ
る埋め込み性に応じて設定することが好ましい。このよ
うにすることにより、製品領域の開口部における埋め込
み不良の発生と、溝状開口部における埋め込み不良の発
生との相関が良好となる。
【0019】本発明において製品領域の開口部と検査領
域の溝状開口部は、同一工程で金属材料により埋め込ま
れる。金属材料としては、例えば、Al合金やCu含有
Al合金を用いることができる。
【0020】このようにして製品領域の開口部と検査領
域の溝状開口部を埋め込みつつ半導体基板の表面全体に
金属膜が成膜される。
【0021】金属材料による埋め込み部を形成した後、
金属膜は選択的にエッチングされる。これにより、製品
領域に金属配線を形成するとともに金属材料により埋め
込まれた溝状開口部の断面を露出させる。このとき、図
1(c)のように溝の方向と交差する方向の断面を露出
させるように金属埋め込み部の一部を残す。図では、溝
の方向と断面を露出する方向はほぼ垂直となっている
が、垂直ではなく一定の角度の斜めの方向とすることも
できる。このようにすることにより、露出させた断面の
観察が容易になるという効果がある。ここで、一定の角
度とは、溝の方向と断面を露出する方向のなす角度をい
い、30度〜90度、好ましくは45度〜90度とす
る。
【0022】本発明の半導体装置の検査方法は、上記の
ように断面を露出させた後、断面中のボイドの有無を検
査することによって行う。ボイドの有無の確認手段は、
SEMにより検査する方法が好ましい。
【実施例】
(実施例1)本発明の実施例を図面を参照して詳細に説
明する。まず、半導体装置のシリコン基板1上にCVD
法により酸化膜(層間絶縁膜3)を1μmの厚さで形成
した後、フォトレジスト、選択エッチングにより、製品
領域には直径1μmのコンタクトホール4、検査パター
ン領域には、それぞれ0.8、0.9、1.0μmの幅
で5μmの長さの検査パターン溝11を同時に形成する
(図1(A))。
【0023】次に図1(B)に示す様に、Al−0.5
wt%Cuの金属材料5を温度450℃、スパッタレー
ト0.1μm/minの条件にて高温スパッタすること
により、コンタクトホール4と検査パターン溝11を埋
め込みつつ、厚さ1μmで全面成膜する。
【0024】次に図1(C)に示す様にフォトレジス
ト、選択エッチングを行い、製品領域の金属配線6を形
成すると同時に、検査パターン領域では、検査パターン
溝11にクロスする様にAl−0.5%Cuの金属材料
5を形成する。このときのエッチング条件は一般の選択
エッチング条件と同じで、金属配線6の厚さ1μmに対
して20%のオーバーエッチを行う。検査パターン溝1
1の部分では、フォトレジストの無い部分において、A
l−0.5%Cu(金属材料)5がエッチングされ、層
間絶縁膜3の表面が露出した時点でエッチング過多とな
り、検査パターン溝11の底までエッチングされる。
【0025】エッチング後にSEMにて検査パターン溝
11の断面露出部を斜めから観察することで溝部の埋め
込み状態を検査する。図1(C)では全部の検査パター
ン溝11が埋め込まれているが、埋め込み不良が発生し
た場合は図2に示す様にボイド7が検査パターン溝11
の断面露出部に検出できる。
【0026】本実施例では、製品のコンタクトホールが
直径1μmであるのに対して、検査パターン溝の溝幅を
0.8、0.9、1.0μmとしている。これは、製品
のコンタクトホールが円柱形状であるのに対し検査パタ
ーンが溝状であり、これらの形状の相違による埋め込み
性の差が生じないようにするためである。この検査パタ
ーン溝の幅と製品のコンタクトホールの直径との関係、
すなわち検査パターン溝と製品のコンタクトホールの埋
め込み性の関係は、コンタクトホールと検査パターンの
アスペクト比、形状、高温スパッタ条件等により変化す
る為、目的とする製品での検査パターン溝の幅は、あら
かじめ求めておく必要がある。
【0027】(実施例2)図3は、本発明の半導体装置
の検査方法をスルーホール部の埋め込みの良否の検査に
適用した例を示す。下層配線8上には層間絶縁膜3が形
成され、層間絶縁膜3には所定の幅の検査パターン溝1
1が形成される。検査パターン溝11には金属材料5
が、製品領域のスルーホール(不図示)と同時に埋め込
まれ、金属膜が形成される。この金属膜を実施例1と同
様にエッチングした後、SEMにて検査パターン溝11
の断面露出部を斜めから観察することで溝部の埋め込み
状態を検査する。
【0028】
【発明の効果】本発明の半導体装置の検査パターンによ
れば、コンタクトホールやスルーホールへの金属材料に
よる埋め込み性の良否を、簡便な方法で正確に検査する
ことができる。
【0029】また、本発明の半導体装置の検査方法によ
れば、煩雑な工程を経ることなく、コンタクトホールや
スルーホールへの金属材料による埋め込み性の良否を、
非破壊で正確に検査することができる。
【0030】また、製品領域の開口部と検査領域の検査
パターンとを同時に形成し金属材料で埋め込み、さらに
選択エッチングすることにより、半導体装置の製造の工
程数を増やすことなく、製品領域と検査領域の埋め込み
性を正確に比較し検査することができる。
【0031】また、製品領域の開口部の形状等に対応し
て検査パターンの溝幅を適宜設定することにより、製品
領域に設けられた開口部と検査パターン溝の埋め込み性
を同等にすることができ、検査の精度を高めることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置の検査方法を示す図であ
る。
【図2】本発明の半導体装置の検査方法を示す図であ
る。
【図3】本発明の半導体装置の検査方法を示す図であ
る。
【図4】埋め込み不良の形態を示す図である。
【図5】従来の半導体装置の検査方法を示す図である。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 拡散層 3 層間絶縁膜 4 コンタクトホール 5 金属材料 6 金属配線 7 ボイド 8 下層配線 9 下地金属 10 反応合金層 11 検査パターン 12 下層層間絶縁膜

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板上に、一または二以上の溝状
    開口部が設けられた絶縁膜を有し、該溝状開口部に金属
    材料が埋め込まれ、前記溝状開口部と交差するように前
    記金属材料の断面が露出したことを特徴とする半導体装
    置の検査パターン。
  2. 【請求項2】 前記断面が、前記溝開口部の形成された
    方向に対して略直角の方向に形成された請求項1に記載
    の半導体装置の検査パターン。
  3. 【請求項3】 前記断面が、前記溝開口部の形成された
    方向に対して斜めの方向に形成された請求項1または2
    に記載の半導体装置の検査パターン。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に絶縁膜を形成し、該絶縁
    膜に一または二以上の溝状開口部を設ける工程と、該溝
    状開口部を金属材料で埋め込みつつ金属膜を成膜する工
    程と、前記金属材料を選択的にエッチングすることによ
    り、前記溝状開口部に埋め込まれた前記金属材料の断面
    を前記溝状開口部と交差するように露出させる工程と、
    前記断面のボイドの有無を検査する工程とを含むことを
    特徴とする半導体装置の検査方法。
  5. 【請求項5】 半導体基板上に製品領域と検査領域とを
    形成し、前記製品領域に開口部を設け、前記検査領域に
    一または二以上の溝状開口部を設ける工程と、前記製品
    領域の前記開口部と前記溝状開口部とを金属材料で埋め
    込みつつ金属膜を成膜する工程と、前記金属材料を選択
    的にエッチングすることにより、前記溝状開口部に埋め
    込まれた前記金属材料の断面を前記溝状開口部と交差す
    るように露出させる工程と、前記断面のボイドの有無を
    検査する工程とを含むことを特徴とする半導体装置の検
    査方法。
  6. 【請求項6】 前記一または二以上の溝状開口部の溝幅
    を、前記製品領域に設けられた前記開口部の前記金属材
    料による埋め込み性に応じて設定する請求項5に記載の
    半導体装置の検査方法。
  7. 【請求項7】 前記一または二以上の溝状開口部が、溝
    幅の異なる二以上の溝状開口部を含む請求項4乃至6い
    ずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  8. 【請求項8】 前記断面を、前記溝開口部の形成された
    方向に対して略直角の方向に形成する請求項4乃至7い
    ずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  9. 【請求項9】 前記断面を、前記溝開口部の形成された
    方向に対して斜めの方向に形成する請求項4乃至8いず
    れかに記載の半導体装置の検査方法。
  10. 【請求項10】 前記製品領域に設けられた前記開口部
    がスルーホールまたはコンタクトホールである請求項4
    乃至9いずれかに記載の半導体装置の検査方法。
  11. 【請求項11】 前記ボイドの有無をSEMにより検査
    する請求項4乃至10いずれかに記載の半導体装置の検
    査方法。
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