JP2961881B2 - X線回折法による膜厚測定方法 - Google Patents

X線回折法による膜厚測定方法

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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、X線回折現象を利用して基板上に形成され
た多結晶膜の厚さを測定する方法に関する。
<従来の技術> 第5図に示すように、シリコンやガラス等の基板s上
に真空蒸着などによって形成される多結晶膜lの厚さt
をX線回折現象を利用して測定するには、従来、次のよ
うな2つの方法が提案されている。
第1の方法は、第6図に示すように、基板sと多結晶
膜lの各々の回折X線の強度Is、Ilを測定して両者の強
度比(=Il/Is)を求める。そして、予め多結晶膜lの
厚さtが既知の試料について、基板sと多結晶膜lの回
折X線の強度比(=Il/Is)を測定して得られた第7図
の関係に基づいて多結晶膜lの厚さtを決定するもので
ある。すなわち、この方法は、多結晶膜lの厚さtが大
きくなれば、それだけ基板sからの回折X線が多結晶膜
lで吸収されて強度Isが弱くなるので、これに応じて回
折X線の強度比(=Il/Is)が相対的に増加するという
現象を利用するものである。
第2の方法は、第8図に示すように、多結晶膜lのあ
る指数の回折X線の強度I1と、これよりも高次指数の回
折X線の強度I2とをそれぞれ測定して両者の強度比(=
I2/I1)を求める。そして、予め多結晶膜lの厚さtが
既知の試料について、両者の強度比(=I2/I1)を測定
して得られた第9図の関係に基づいて多結晶膜lの厚さ
tを決定するものである。すなわち、この方法は、第10
図に示すように、ある指数のX線(図中実践)と、これ
よりも高次のX線(図中破線)とでは、低次のX線ほど
行路長が長い(M1)ので、それだけ多結晶膜lによ
るX線の吸収率が大きくなり、多結晶膜の深いところか
らのX線回折の寄与が少なくなる。しかも、多結晶膜t
の厚さが大きくなる程、低次と高次のX線の多結晶膜l
を通過する間での行路長の差2(M1−M2)も大きくな
る。したがって、多結晶膜lの厚さtが大きくなると、
相対的に強度比(=I2/I1)が増加するという現象を利
用したものである。
<発明が解決しようとする課題> しかしながら、前記第1の方法は、多結晶膜lの配向
性が不明な場合には適用し難いという問題がある。すな
わち、第1の方法は、多結晶膜lからの回折X線の強度
Ilを測定することが前提となっているが、基板s上に形
成される多結晶膜lは、基板sとの結晶の方位関係や成
長条件等の要因によって特定の優先方位をもつことがあ
る。そして、多結晶膜lからの回折X線の強度Ilは、そ
の配向性に依存するため、多結晶膜lの配向性によって
基板sと多結晶膜lの回折X線の強度比(=Il/Is)も
変化する。したがって、多結晶膜lの配向性が不明な場
合には、回折X線の強度比(=Il/Is)を特定できない
から、多結晶膜lの厚さtを求めることができない。
また、第2の方法は、多結晶膜lのある指数の回折X
線の強度I1と、これよりも高次の回折X線の強度I2との
強度比(=I2/I1)を求めているので、多結晶膜lの配
向性に依存しないという利点があるものの、多結晶膜l
の向次の回折X線のピークが基板sによる回折X線のピ
ークと重なる場合や、高次の回折X線のピーク強度が極
めて小さいような場合は、高次指数の回折X線の強度I2
を測定することができない。したがって、強度比(=I2
/I1)も求められないので、多結晶膜lの厚さtを決定
することができない。
<課題を解決するための手段> 本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、多結晶膜の配向性の影響を受けず、しかも、多結
晶膜の高次指数の回折X線の強度を測定しなくても、多
結晶膜の厚さを精度良く決定できるようにするものであ
る。
いま、基板上に多結晶膜を形成した場合において、多
結晶膜は、基板に対して入射および反射するX線に対し
て吸収体として作用する。このようなX線の吸収体が基
板上に存在する場合、基板からの回折X線について、あ
る回折ピークの強度Iは、理論上、次式で与えられるこ
とが知られている(「Advances in Xray Analysis」vo
l.32、p279〜p283参照)。
I=(e2/mc2・(I0・|Fs|2・λ3/sinγ)・{(1 +cos22θ)/2sin2θ}・{exp(−μ・α・t)}/(μs・α)(1) ただし、 α=(1/sinγ)+(1/sinβ) (2) β=2θ−γ (3) ここに、 t:多結晶膜の厚さ I:基板からの回折X線の強度 e:電子の電荷 m:電子の質量 c:光の速度 I0:基板への入射X線の強度 λ:X線の波長 Fs:基板の構造因子 2θ:基板からのX線の回折角 μ:多結晶膜の線吸収係数 μs:基板の線吸収係数 である。
(1)式の右辺を入射角γを変えても値の変わらない
定数項と、そうでない変数項とに別けて記述すると、 I=K・exp(−μ・α・t)/(sinγ・α)
(4) ただし、Kは定数で、 K=(e2/mc2・(I0・|Fs|2・λ) ・{(1+cos22θ)/2sin2θ}/μs となる。
(4)式を変形すると、 ln(I・α・sinγ)=−μ・α・t+lnK (5) ここで、y=ln(I・α・sinγ)、x=αとすれ
ば、(5)式は傾きが(−μ・t)、切片がlnKの直
線となる。
したがって、横軸をα、縦軸をln(I・α・sinγ)
とした座標上にαの値を変えた場合のln(I・α・sin
γ)の値を複数点プロットし、これらの各点を結ぶ直線
の傾き(−μ・t)を求めれば、μは既知であるか
ら、X線吸収体としての多結晶膜の厚さtを決定するこ
とができる。
本発明は、かかる知見に基づいてなされたものであっ
て、試料に対するX線の入射角γを所定の値に固定する
一方、X線検出器を所定の角度範囲にわたって走査して
基板からの回折X線について、ある回折ピークの回折角
2θと回折強度Iとをそれぞれ測定し、 前記手順を入射角γを変更して複数回繰り返し、 こうして得られた各々の回折強度Ii(i=1、2、
…)、入射角γi(i=1、2、…)、および回折角2
θi(i=1、2、…)の関係から、 βi=2θi−γi αi=(1/sinγi)+(1/sinβi) をそれぞれ算出し、次に、αiの値を横軸に、自然対数
ln(Ii・αi・sinγi)の値を縦軸にして両者の関係
をプロットし、プロットした各点を直線近似してその直
線の傾きjを求め、この傾きjを多結晶膜の線吸収係数
μで割り算して前記多結晶膜の厚さtを算出するよう
にしている。
ここで、回折角2θiは、いまの場合、ある一つのピ
ークに着目しているので、理論的には一定の値であり、
上記の手順で算出しても測定誤差の範囲で一致すべき量
である。したがって、βiの算出時は、代表値2θiま
たは2θiの平均値を2θiの代わりに使用しても差し
支えない。
<作用> 上記方法によれば、試料に対するX線の入射角を変更
した場合の基板からの回折X線の強度変化のみを測定し
ており、多結晶膜に関する回折X線の強度とは無関係で
あるから、多結晶膜の配向性の影響を受けない。しか
も、多結晶膜の高次指数の回折X線の強度Iを測定する
必要もない。そのため、多結晶膜の厚さの測定におい
て、測定上の制限因子が少ないので、従来よりも適用範
囲が広がる。
<実施例> 第1図は本発明方法を適用する場合のX線回折装置の
構成図である。同図において、1は試料で、この試料1
は、基板sの表面に多結晶膜lが形成されている。2は
X線管球、3はゴニオメータ、4は第1ソーラスリッ
ト、5は第2ソーラスリット、6はX線検出器である。
本発明方法では、第2図に示すように、まず、試料1
に対するX線の入射角を所定の値γに固定する一方、
第2ソーラスリット5とX線検出器6とを所定の角度範
囲にわたって走査して、第3図に示すように、基板sか
らの回折X線ピークの回折角2θと回折強度(積分強
度)I1とをそれぞれ測定する。
次に、試料1に対するX線の入射角を変更してγ
し、上記と同様にして基板sからの同じ回折X線ピーク
の回折角2θと回折強度I2とをそれぞれ測定する。
以下、上記の手順を入射角γiを変更して繰り返し行
い、各々の回折強度Ii(i=1、2、…)、入射角γi
(i=1、2、…)、および回折角2θi(i=1、
2、…)を測定する。
これは、第3図において、多結晶膜lを基板sに対す
るX線の吸収体として捉え、基板sに対するX線の入射
角γiを変えることによって基板sの入射X線と回折X
線とが多結晶膜lを通過する際の行路長L1+L2を変化さ
せ、これに伴う多結晶膜lによるX線の吸収率を測定し
ていることを意味する。
そこで、次に、上記のようにして得られた各々の積分
強度Ii(i=1、2、…)、入射角γi(i=1、2、
…)、および回折角2θi(i=1、2、…)の関係か
ら βi=2θi−γi αi=(1/sinγi)+(1/sinβi) (i=1、2、…) を算出する。ここで、αiは多結晶膜lをX線が通過す
る場合の行路長L1+L2に対応している。
次に、第4図に示すように、αiの値を横軸に、自然
対数ln(Ii・αi・sinγi)の値を縦軸にとって両者
の関係をプロットし、プロットした各点をたとえば最小
二乗法等により直線近似してその勾配jを求める。
続いて、この勾配jを多結晶膜lの線吸収係数μで
割り算する。これにより、多結晶膜sの厚さtが決定さ
れる。
なお、上記の実施例では、試料1のX線照射面は固定
されたままであるが、X線照射面を一平面内で回動する
機構を設け、測定中は試料1を回転するようにしておけ
ば、基板sに配向性がある場合、その配向性の影響を最
小限に抑えることができるので、一層都合が良い。
<発明の効果> 本発明によれば、X線の入射角を変更した場合の基板
からの回折X線の強度変化のみを測定しており、多結晶
膜に関する回折X線の強度とは無関係であるから、多結
晶膜の配向性の影響を受けない。しかも、多結晶膜の高
次指数の回折X線の強度Iを測定する必要もない。その
ため、多結晶膜の厚さの測定において、従来よりも適用
範囲が広がる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明方法を適用する場合のX線回折装置の構
成図、第2図は基板上に多結晶膜が形成された試料のX
線の入射、反射の関係を示す説明図、第3図は試料に対
するX線の入射角γを固定してX線検出器のみを所定の
角度範囲にわたって走査して基板からの回折X線の強度
を測定する場合のピークプロファイル、第4図は試料に
対するX線の入射角を変更して得られた各々の回折強度
Ii、入射角γiおよび回折角2θiの関係から多結晶膜
の厚さを決定する場合の説明図である。 第5図は基板上に多結晶膜が形成された試料の断面
図、第6図および第7図は従来の膜厚測定方法の説明
図、第8図ないし第10図は従来の他の膜厚測定方法の説
明図である。 1……試料、3……ゴニオメータ、s……基板、l……
多結晶膜。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に多結晶膜が形成されてなる試料の
    前記多結晶膜の厚さを測定する方法であって、 前記試料に対するX線の入射角γを所定の値に固定する
    一方、X線検出器を所定の角度範囲にわたって走査して
    基板からの回折X線について、ある回折ピークの回折角
    2θと回折強度Iとをそれぞれ測定し、 前記手順を入射角γを変更して複数回繰り返し、 こうして得られた各々の回折強度Ii(i=1、2、
    …)、入射角γi(i=1、2、…)、および回折角2
    θi(i=1、2、…)の関係から、 βi=2θi−γi αi=(1/sinγi)+(1/sinβi) をそれぞれ算出し、次に、αiの値を横軸に、自然対数
    ln(Ii・αi・sinγi)の値を縦軸にして両者の関係
    をプロットし、プロットした各点を直線近似してその直
    線の傾きjを求め、この傾きjを多結晶膜の線吸収係数
    μで割り算して前記多結晶膜の厚さtを算出すること
    を特徴とするX線回折法による膜厚測定方法。
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