JP2961779B2 - 成層燃焼内燃機関の燃料供給装置 - Google Patents

成層燃焼内燃機関の燃料供給装置

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JP2961779B2
JP2961779B2 JP1326950A JP32695089A JP2961779B2 JP 2961779 B2 JP2961779 B2 JP 2961779B2 JP 1326950 A JP1326950 A JP 1326950A JP 32695089 A JP32695089 A JP 32695089A JP 2961779 B2 JP2961779 B2 JP 2961779B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃焼室内の混合気にバレルスワール(タン
ブル流)を発生させることのできる成層燃焼内燃機関に
関し、特にかかる成層燃焼内燃機関の燃料供給装置に関
する。
[従来の技術] 従来より、気筒の燃焼室に少なくとも2つの吸気ポー
トより空燃比リッチな混合気とリーンな混合気または空
気を層状(不均一)に供給し、全体としては希薄燃焼を
行なわせて、燃費の改善やCOの低減あるは低ノック性の
向上等を図る成層燃焼内燃機関が提案されている。
このようなものでは、上記2つの吸気ポートより供給
される気筒内混合気流により、気筒内に層状のバレルス
ワール(タンブル流)が生成され、気筒中央から偏心し
た位置にあるいずれかの吸気ポートのみに燃料を噴射
し、その燃料が噴射する吸気ポート側に気筒中心から偏
心した位置、即ち空燃比リッチな領域において、点火栓
を設けることにより、空燃比をリーンにしても、従来の
エンジンに比べ、比較的安定な燃焼が得られることが判
っている。
これを第28,29図を用いて、更に詳細に説明すると、
図示の成層燃焼内燃機関(エンジン)は、4気筒ガソリ
ンエンジン1であって、各気筒2にはそれぞれ2つの独
立した吸気ポート3,4(吸気弁の図示を省略)が設けら
れており、これにより吸気2弁エンジンが構成されてい
る。
そして、各吸気ポート3,4は吸気マニホールド5の分
岐管5a,5bに接続されるとともに、吸気マニホールド5
はサージタンク5cよりスロットルバルブ6を介して図示
しない吸気管に接続されている。
さらに、吸気ポート3および4はその平面投影軸線X,
Yがいずれもエンジンの中心線CLに沿う気筒の径に対し
て略直交するよう配設されており、吸気は燃焼室7に向
けピストン8の往復動方向に対して斜め下方に吹き込ま
れるようになっている。
そして、一方の吸気ポート3には、電磁式燃料噴射弁
(インジェクタ)9が設けられ、更に各気筒2における
燃料が供給される吸気ポート3の開口端近傍のシリンダ
ヘッド2aには、燃焼室7に臨む点火栓10が設けられてい
る。
このように構成された成層燃焼内燃機関での作用を説
明すると、まずエンジン1の吸気行程時にピストン8の
下降に伴い混合気および空気が、各吸気ポート3および
4から吸引され、燃焼室7に導かれる。このとき、点火
栓10に近い一方の吸気ポート(点火栓側吸気ポート)3
には、燃料噴射弁9より燃料が噴射されて空気と燃料と
の混合気が燃焼室7に吸引される一方、他方の吸気ポー
ト(非点火栓側吸気ポート)4からは空気のみが吸引さ
れる。
そして、各吸気ポート3,4はその各平面投影軸線X,Yが
気筒の径に対して略直交し、且つ、左右対象位置にある
ので、燃焼室7に吸気される混合気および空気の大部分
は、ピストン8の往復動方向に沿って層状に分離して流
れる、いわゆるバレルスワールC,Dとなって旋回する。
ここで、Cは混合気のバレルスワール、Dは空気のバレ
ルスワールである。
こうして、燃焼室7に吸入された吸気は、続く圧縮行
程で圧縮された後、吸気ポート3の開口端近傍に取り付
けた点火栓10によって点火され、しかも、燃焼室7内で
は、混合気と空気の層が分離したまま旋回しているの
で、混合気は安定に燃焼する。
つまり、吸気ポート3から燃焼室1に供給される混合
気を空燃比リッチに設定すると、吸気ポート4から供給
される空気と合わせて全体としてはリーンの空燃比を有
する希薄混合気であっても安定に燃焼が行なわれるので
ある。
そして、このような希薄燃焼は、抗ノック性に優れ、
且つ、燃費やCOの排出量改善に寄与する。
[発明が解決しようとする課題] しかしなが、このような従来の成層燃焼内燃エンジン
では、加速運転時等のリーンフィードバック領域以外で
の特に燃料の加速増量が必要な運転条件時には、燃料を
片側の吸気ポートにだけ噴射すると、スモークの発生を
招くおそれがある。
ところで、本発明者は、着火する側(即ち点火栓側吸
気ポート側)の混合気の当量比φが濃過ぎることが、上
記スモーク発生原因の一つになることを実験等を行なう
ことにより知った。
即ち、点火栓側吸気ポート3での当量比φ(あるいは
空燃比)とスモーク排出量との関係を示すと、第30図の
ようになるが、この第30図から、当量比φが2.1を超え
るころからスモーク発生量が多くなりはじめることがわ
かる。また、当量比φが2.9を超えると、発生するスモ
ーク量は肉眼で見えるほどになる。
なお、当量比φとは、理論空燃比において必要な燃料
量の何倍であるかを示すもので、吸気過剰率λの逆数情
報をもつ。従って、理論空燃比の場合の当量比φは1
で、空燃比がリッチなほど、大きな値となり、空燃比が
リーンなほど、小さな値となる。
また、上記第30図における噴射ポート(点火栓側吸気
ポート)の空燃比および当量比は、それぞれ(弁傘径)
×(弁リフト)×(弁開機関)から吸入ポートの吸入
空気量を求めて算出されたものである。
本発明は、上記のような発明者の知見に基づき創案さ
れたもので、点火栓側の吸気ポートへ供給されるローカ
ルな(即ち、吸気流範囲における部分的な)当量比がス
モーク排出量に基づいて設定される限界値以下となるよ
うに燃料を供給できるようにした、成層燃焼内燃機関の
燃料供給装置を提供することを目的とする。
[課題を解決するための手段] このため、本発明の成層燃焼内燃機関の燃焼供給装置
(請求項1)は、気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポ
ートをそなえ、該吸気ポート側へ運転状態に応じた吸入
空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設け、
且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1つに
近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓を配
設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該燃焼
室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向に流
れるタンブル流を生じさせるように構成された成層燃焼
内燃機関において、該燃料供給手段が、該点火栓に近接
する吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲における
部分的な当量比がスモーク排出量に基づいて設定される
限界値以下となるように、燃料を供給すべく構成された
ことを特徴としている。
また、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項2)は、気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
燃焼内燃機関において、該燃料供給手段による該点火栓
に近接する吸気ポートへの供給燃料量が、それ以外の燃
焼供給される吸気ポートへの供給燃料量より多くなるよ
うに設定され、且つ、該点火栓に近接する吸気ポートを
通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比が
スモーク排出量に基づいて設定される限界値以下となる
ように、該燃料供給手段から燃料供給される吸気ポート
間の燃料量の比率が設定されていることを特徴としてい
る。
さらに、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置
(請求項3)は、上記請求項2に記載された成層燃焼内
燃機関の燃料供給装置において、出力性能上必要な最高
トータル当量比と、該点火栓に近接する吸気ポートの許
容最高当量比と、各吸気ポートを流れる吸入空気量の比
とから決まる比率で、該点火栓に近接する吸気ポート及
びそれ以外の燃料供給される吸気ポートへの燃料の供給
状態が設定されることを特徴としている。
また、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項4)は、気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
燃焼内燃機関において、該点火栓に近接する吸気ポート
を通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比
がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下とな
るように、該燃料供給手段から該点火栓に近接する吸気
ポートへ供給される燃料量を制御する制御手段が設けら
れたことを特徴としている。
さらに、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置
(請求項5)は、気筒の燃焼室に開口する2つの吸気ポ
ートをそなえ、これら2つの吸気ポートへ共に運転状態
に応じた吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給
手段を設け、且つ、これら2つの吸気ポートの中間位置
から一方の吸気ポート側に偏倚した該燃焼室に臨む位置
に点火栓を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポー
トから該燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往
復動方向に流れるタンブル流を生じさせるように構成さ
れた成層燃焼内燃機関において、該点火栓に近い一方の
吸気ポートを通じ供給される吸気流範囲における部分的
な当量比がスモーク排出量に基づいて設定される限界値
以下となるように、該燃料供給手段によって該一方の吸
気ポートへ供給される燃料量を制御する制御手段が設け
られるとともに、該一方の吸気ポートを通じて供給され
る吸気流範囲における部分的な当量比がスモーク排出量
に基づいて設定される限界値を超えるような燃料量を該
燃焼室へ供給すべき必要性が生じた場合は、他方の吸気
ポートを通じて必要な燃料量を補充する補助制御手段が
設けられたことを特徴としている。
また、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項6)は、気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
燃焼内燃機関において、該点火栓に近接する吸気ポート
を通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比
がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下とな
るように、該燃料供給手段から該点火栓に近接する吸気
ポートとそれ以外の燃料供給される吸気ポートとへ供給
される燃料量の比率を制御する制御手段が設けられたこ
とを特徴としている。
さらに、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置
(請求項7)は、請求項6に記載の成層燃焼内燃機関の
燃料供給装置において、該点火栓に近接する吸気ポート
を通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比
がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下の場
合は、該点火栓に近接する吸気ポート及びそれ以外の燃
料供給される吸気ポートを通じて供給される燃料量の増
減を許容するように、該点火栓に近接する吸気ポートと
それ以外の燃料供給される吸気ポートとに供給される燃
料量の比率を制御し、該点火栓に近接する吸気ポートを
通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比が
上記限界値を超えるような燃料量を該燃焼室へ供給すべ
き必要性が生じた場合は、該点火栓に近接する吸気ポー
トを通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量
比が上記限界値を超えないような燃料量を該点火栓に近
接する吸気ポートへ供給しながら、該点火栓に近接する
吸気ポートに対するそれ以外の燃料供給される吸気ポー
トを通じて供給される燃料量の比率を大きくするよう
に、該点火栓に近接する吸気ポートとそれ以外の燃料供
給される吸気ポートとへ供給される燃料量の比率を制御
することを特徴としている。
[作 用] 上述の本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項1)では複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する
吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲における部分
的な当量比がスモーク排出量に基づいて設定される限界
値以下となるように、燃料供給手段から燃料が供給され
る。
また、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項2)では、複数の吸気ポートのうち点火栓に近接す
る吸気ポートの方がそれ以外の燃料供給される吸気ポー
トよりも多くの燃料が燃料供給手段から供給され、且
つ、複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポー
トを通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量
比がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下と
なるような燃料量の比率で、上記複数の吸気ポートへ燃
料が供給される。
その際、出力性能上必要な最高トータル当量比と、複
数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートの許
容最高当量比と、各吸気ポートを流れる吸入空気量の比
とから決まる比率で、複数の吸気ポートへ燃料が供給さ
れる(請求項3)。
また、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置(請
求項4)では、制御手段によって、複数の吸気ポートの
うち点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給される吸
気流範囲における部分的な当量比がスモーク排出量に基
づいて設定される限界値以下となるように、燃料供給手
段から複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポ
ートへ供給される燃料量が制御される。
さらに、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置
(請求項5)では、制御手段によって、一方の吸気ポー
トを通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量
比がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下と
なるように、燃料供給手段から一方の吸気ポートへ供給
される燃料量が制御されているが、一方の吸気ポートを
通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比が
スモーク排出量に基づいて設定される限界値を超えるよ
うな燃料量を燃焼室へ供給すべき必要性が生じた場合
は、補助制御手段によって、他方の吸気ポートを通じて
必要な燃料量が補充される。
また、本発明の成層燃焼内燃機機関の燃料供給装置
(請求項6)では、制御手段により、複数の吸気ポート
のうち点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給される
吸気流範囲における部分的な当量比がスモーク排出量に
基づいて設定される限界値以下となるように、燃料供給
手段から複数の吸気ポートへ供給される燃料量の比率が
制御される。
さらに、本発明の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置
(請求項7)では、制御手段によって、複数の吸気ポー
トへ供給される燃料量の比率が制御される際に、複数の
吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートを通じて
供給される吸気流範囲における部分的な当量比がスモー
ク排出量に基づいて設定される限界値以下の場合は、2
つの吸気ポートを通じて供給される燃料量の増減を許容
するように、2つの吸気ポートへ供給される燃料量の比
率を制御し、複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する
吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲における部分
的な当量比が上記限界値を超えるような燃料量を該燃焼
室へ供給すべき必要性が生じた場合は、複数の吸気ポー
トのうち点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給され
る吸気流範囲における部分的な当量比が上記限界値を超
えないような燃料量を複数の吸気ポートのうち点火栓に
近接する吸気ポートへ供給しながら、複数の吸気ポート
のうち点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給される
燃料量に対するそれ以外の燃料供給される吸気ポートを
通じて供給される燃料量の比率を大きくするように、複
数の吸気ポートへ供給される燃料量の比率が制御され
る。
[実施例] 以下、図面により本発明の実施例について説明する
と、第1〜4図は本発明の第1実施例としての成層燃焼
内燃機関の燃料供給装置を示すもので、第1図は本装置
を有する成層燃焼内燃機関における燃焼室の透視斜視
図、第2図は本装置を有する成層燃焼内燃機関の全体構
成を示す模式的平面図、第3図は本装置を有する成層燃
焼内燃機関の部分的な模式的平面図、第4図はその制御
ブロック図であり、第5〜12図は本発明の第2実施例と
しての成層燃焼内燃機関の燃料供給装置を示すもので、
第5図は本装置を有する成層燃焼内燃機関における燃焼
室の透視斜視図、第6図は本装置を有する成層燃焼内燃
機関の全体構成を示す模式的平面図、第7図は本装置を
有する成層燃焼内燃機関の部分的な模式的平面図、第8
図はその制御ブロック図、第9図(a)は燃料噴射弁の
平面図、第9図(b)は第9図(a)のIX b矢視図、第
10図は燃料噴射弁の噴口径算出要領を説明するための模
式図であり、第11,12図は燃料噴射弁の変形例を示すも
ので、第11図はその燃料噴射口の配置を説明するための
図、第12図は第11図のXII−XII矢視断面図であり、第13
〜19図は本発明の第3実施例としての成層燃焼内燃機関
の燃料供給装置を示すもので、第13図は本装置を有する
成層燃焼内燃機関における燃焼室の透視斜視図、第14図
は本装置を有する成層燃焼内燃機関の全体構成を示す模
式的平面図、第15図は本装置を有する成層燃焼内燃機関
の部分的な模式的平面図、第16図は燃料噴射弁の平面
図、第17図は第16図のXVII矢視図、第18図は燃料噴射弁
の燃料噴射口配置の変形例を第17図に対応させて示す図
であり、第19図は点火栓配置が隣接する気筒で異なる成
層燃焼内燃機関に燃料噴射弁を配置した例を示す模式的
平面図であり、第20〜25図は本発明の第4実施例として
の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置を示すもので、第20
図は本装置を有する成層燃焼内燃機関における燃焼室の
透視斜視図、第21図は本装置を有する成層燃焼内燃機関
の全体構成を示す模式的平面図、第22図は燃料噴射弁の
平面図、第23図は第22図のXXIII矢視図、第24図は燃料
噴射弁の燃料噴射口配置の変形例を第23図に対応させて
示す図であり、第25図は第20図のXXV矢視方向から見た
燃料噴射の様子を説明するための模式図、第26図は点火
栓配置が隣接する気筒で異なる成層燃焼内燃機関に燃料
噴射弁を配置した例を示す模式的平面図、第27図(a)
および第27図(b)はそれぞれ第26図のXXVII a矢視方
向およびXXVII b矢視方向から見た燃料噴射の様子を説
明するための模式図であり、第1〜27図中、第28,29図
と同じ符号はほぼ同様の部分を示している。
まず、第1実施例について第1〜4図を用いて説明す
る。この第1実施例にかかる成層燃焼内燃機関(エンジ
ン)も、第2図に示すように、4気筒ガソリンエンジン
1であって、各気筒2にはそれぞれ2つの独立した等径
の吸気ポート3,4(吸気弁の図示の省略)が設けられて
おり、これにより吸気2弁エンジンが構成されている。
そして、各吸気ポート3,4は吸気マニホールド5の分
岐管5a,5bに接続されるとともに、吸気マニホールド5
はサージタンク5cよりスロットルバルブ6を介して図示
されない吸気管に接続されている。
さらに、吸気ポート3および4はその平面投影軸線X,
Yがいずれもエンジンの中心線CLに沿う気筒の径に対し
て略直交するよう配設されており、吸気は燃焼室7に向
けピストン8の往復動方向に対して斜め下方に吹き込ま
れるようになっている。
そして、第1,2,3図に示すごとく、各吸気ポート3,4に
は、それぞれ燃料供給手段としての第1,2の電磁式燃料
噴射弁(インジェクタ)91,92が設けられ、更に各気筒
2における燃料が供給される吸気ポート3の開口端近傍
のシリンダヘッド2aには、燃焼室7に臨む点火栓10が設
けられている。
なお、同一の運転状態では、燃料噴射弁91から点火栓
10に近い一方の吸気ポート3(以下、「点火栓側吸気ポ
ート3」ということがある)への供給燃料量の方が、燃
料噴射弁92から他方の吸気ポート4(以下、「非点火栓
側吸気ポート4」ということがある)への供給燃料量よ
り多くなるように設定されている。すなわち、点火栓側
吸気ポート3がリッチ側ポートとして構成され、非点火
栓側吸気ポート4がリーン側ポートとして構成されてい
る。
このような構成により、まずエンジン1の吸気行程時
にピストン8の下降に伴い、点火栓側吸気ポート3から
混合気が吸引されるとともに、非点火栓側ポート4から
空気(あるいは混合気)が吸引され、それぞれ燃焼室7
に導かれる。このとき、点火栓側吸気ポート3には、燃
料噴射弁91より燃料が噴射されて空気と燃料との混合気
が燃焼室7に吸引される一方、非点火栓側吸気ポート4
からは、空気のみあるいは必要に応じて燃料噴射弁92よ
り噴射された燃料との混合気(以下、この混合気を必要
に応じて「リーン混合気」という)が吸引される。
そして、各吸気ポート3,4はその各平面投影軸線X,Yが
気筒の径に対して略直交し、且つ、左右対象位置にある
ので、燃焼室7に吸気される混合気および空気の大部分
は、ピストン8の往復動方向に沿って層状に分離して流
れる、いわゆるタンブル流と称されるバレルスワールC,
D(第1図参照)となって旋回する。ここで、Cは混合
気のタンブル流(バレルスワール)、Dは空気あるいは
リーン混合気のタンブル(バレルスワール)である。
こうして、燃焼室7に吸入された吸気は、続く圧縮行
程で圧縮された後、吸気ポート3の開口端近傍に取り付
けた点火栓10によって点火され、しかも、燃焼室7内で
は、混合気と空気(あるいはリーン混合気)の層が分離
したまま旋回し、混合気が安定に燃焼する。
つまり、吸気ポート3から燃焼室1に供給される混合
気を空燃比リッチに設定すると、吸気ポート4から供給
される空気(あるいはリーン混合気)と合わせて全体と
してはリーンの空燃比を有する希薄混合気であっても安
定に燃焼が行なわれるのである。
そして、このような希薄燃焼は、抗ノック性に優れ、
且つ、燃費やCOの排出量改善に寄与する。
ところで、各燃料噴射弁91,92は、エンジンの運転状
態に応じた燃料量を噴射しうるよう電子燃料制御を施さ
れるが、このために、第4図に示すように、エンジン回
転数センサ21,エンジン負荷センサ22,エンジン温度セン
サ23,加速センサ24が設けられるとともに、これらのセ
ンサ21〜24からの検出信号を受けて各燃料噴射弁91,92
からの燃料噴射量を制御する電子制御ユニット(ECU)2
5が設けられている。
ここで、エンジン回転数センサ21はエンジン回転数を
検出するもので、エンジン負荷センサ22は、エンジン負
荷を検出するもので、このエンジン負荷センサ22として
は、例えばエアフローセンサやスロットルセンサが使用
される。
また、エンジン温度センサ23は、冷却水温等のエンジ
ン温度を検出するもので、加速センサ24は、加速状態を
検出するもので、例えばスロットル開度変化を検出する
ものが使用される。
前述したように、本発明者は、着火する側(即ち点火
栓側吸気ポート3側)の混合気の当量比φが濃過ぎる
と、スモーク発生原因の一つになることを実験等を行な
うことにより知った。即ち、実験により、点火栓側吸気
ポート3での当量比φ(あるいは空燃比)とスモーク排
出量との関係が第30図のようになることがわかったが、
この第30図から、当量比φが2.1を超えるころからスモ
ーク発生量が多くなりはじめることがわかり、更には当
量比φが2.9を超えると、発生するスモーク量は肉眼で
見えるほどになるということがわかったのである。
このような発明者の知見に基づき、本実施例では、点
火栓10側の吸気ポート3へ供給されるローカルな(局部
的な、即ち、吸気流範囲における部分的な)当量比φが
スモーク排出量に基づいて設定される限界値(この例で
は2.9;好ましくは2.1)以下となるように、燃料噴射弁9
1から噴射されるの燃料量を制御するようになってい
る。
このため、ECU25は、ほぼ全運転領域(ただし、暖機
運転等の特殊条件時は除いてもよい)で、点火栓側吸気
ポート3を通じて供給されるローカルな当量比φがスモ
ーク排出量に基づいて設定される上記の限界値以下とな
るように、燃料噴射弁91,92によって吸気ポート3へ供
給される燃料量を制御する制御手段の機能を有する。
また、加速時等においてエンジン出力確保のために、
吸気ポート3を通じて供給されるローカルな当量比φが
上記限界値を超えるような燃料量を燃焼室7へ供給すべ
き必要性も生じるが、かかる場合を考慮して、本実施例
のECU25は、吸気ポート3を通じて供給されるローカル
な当量比φが上記限界値を超えるような燃料量を燃焼室
7へ供給すべき必要性が生じた場合は、他方の吸気ポー
ト4を通じて必要な燃料量を補充すべく燃料噴射弁92か
らの噴射燃料量を制御する補助制御手段の機能も有して
いる。
これにより、点火栓側吸気ポート3を通じて供給され
るローカルな当量比φがスモーク排出量に基づいて設定
される上記限界値以下に抑えられながら、全体としては
上記限界値を超えるような燃料量を燃焼室7へ供給する
ことができる。その結果、どのような運転状態において
も、スモーク排出量を十分に抑えながら、十分な加速運
転等を行なうことができる。つまり、この実施例では、
全運転領域において、バレルストラティファイによるリ
ーンバーンを成立させながら、リーン燃焼領域以外で発
生するおそれのあるスモーク排出を十分に抑制すること
ができるのである。
なお、暖機運転等の特殊条件時においては、点火栓側
吸気ポート3を通じて供給されるローカルな当量比φが
上記の限界値以下となるように行なう燃料噴射弁91,92
についての燃料量制御を解除する場合がある。
また、ECU25は、従来から行なわれているところのエ
ンジンの運転状態に応じた吸入空気量に応じて燃料を供
給することにより、所要の空燃比となるように、各燃料
噴射弁91,92を制御する手段(いわゆる空燃比制御手
段)を有していることはいうまでもない。
さらに、各燃料噴射弁91,92からは常に燃料を噴射す
るようにするが、点火栓側吸気ポート3を通じて供給さ
れるローカルな当量比φがスモーク排出量に基づいて設
定される上記の限界値以下となるように、各燃料噴射弁
91。92によってそれぞれの吸気ポート3,4へ供給される
燃料量の比率F1:F2を制御するようにしてもよい。この
場合は、ECU25に、点火栓側吸気ポート3を通じて供給
されるローカルな当量比φが上記限界値以下となるよう
に、各燃料噴射弁91,92によってそれぞれの吸気ポート
3,4へ供給される燃料量の比率F1:F2を制御する制御手段
の機能を持たせる。
ここで、点火栓側吸気ポート3を通じて供給されるロ
ーカルな当量比φが上記限界値以下となるような燃料量
の比率F1:F2の求め方について説明する。
まず、第30図のスモーク排出量はエンジン機種によっ
て異なるので、実機試験により第30図のデータを取得
し、これから得られたデータより噴射ポート(点火栓側
吸入ポート3)の許容最大当量比φmaxを決定してか
ら、以下の式を用いて上記の比率を求める。
今、気筒当たりのトータルな最高当量比φTmax(定
数),実機試験により得られたデータから求めた噴射ポ
ート(点火栓側吸入ポート3)の許容最大当量比φmax
(定数),各吸気ポート3,4を流れる空気量A1,A2[A1
点火栓側の吸気ポート(リッチポート)3のもので,A2
は非点火栓側の吸気ポート(リーンポート)4のもので
ある]、各吸気ポート3,4に噴射する燃料量F1,F2[F1
点火栓側の吸気ポート(リッチポート)3のもので,F2
は非点火栓側の吸気ポート(リーンポート)4のもので
ある],リーン側の吸気ポート4の当量比φL,許容最大
当量比φmaxおよび各吸気ポート3,4を流れる空気量A1,A
2から求められるトータル燃料量FTとして、次式を計算
する。
F2=FT−F1 ‥(1) A1=F1(14.7/φmax) ‥(2) A2=F2(14.7/φ) ‥(3) (1)式と(3)式より、 A2=(FT−F1)(14.7/φ) ‥(4) (2)式と(4)式より、 F1(14.7/φmax)=(A1/A2)(FT−F1)(14.7/φ) ‥(5) また、 (14.7/φTmax)=(A1+A2)/(F1+F2) ={F1(14.7/φmax)+(FT−F1)(14.7/φ)} /{F1+(FT−F1)} ‥(6) (6)式を(5)式に代入して、 (14.7/φmax)={F1(14.7/φmax) +(A2/A1)F1(14.7/φmax)}/FT ‥(7) (7)式から F1=(φmax/φTmax)[FT/{1+(A2/A1)}] ‥(8) (8)式と(1)式とから F2=FT(1−α) ‥(9) ここで、α=(φmax/φTmax)[1/{1+(A2A
/1)}]である。
以上(8)式,(9)式から、 F1:F2=α:1−α =(φmax/φTmax)[1/{1+(A2/A1)}] :1−(φmax/φTmax)[1/{1+(A2/A1)}] ‥(10) 以上の如く、出力性能上必要な最高トータル当量非φ
Tmaxと、点火栓側吸気ポート3の許容最高当量比φmax
と、各吸気ポート3,4を流れる吸入空気量の比(A2/A1
とで、各吸気ポート3,4への燃料噴射量比F1:F2が求めら
れるのである。
そして、上記の各燃料噴射弁91,92から各吸気ポート
3,4へ噴射される燃料の比が上記の比F1:F2となるよう
に、ECU25によって制御されるのである。
このようにすれば、最大噴射量時においても、リッチ
側ポート3を通じて供給されるローカルな当量比φが上
記限界値以下となるので、スモークの発生を確実に抑制
することができる。
なお、燃料を点火栓側吸気ポート3からだけ供給し非
点火栓側吸気ポート4からは空気のみを供給することに
より完全成層にしなくても、良好な抗ノック性が得られ
るとともに、燃費やCO排出量の改善に十分な効果が得ら
れることが確認されている。
また、上記のように各燃料噴射弁91,92から各吸気ポ
ート3,4へ噴射される燃料の比が常に上記の一定比F1:F2
となるように、ECU25によって制御するのではなく、一
方の吸気ポート3を通じて供給されるローカルな当量比
φがスモーク排出量に基づいて設定される上記の限界値
以下の場合は、2つの吸気ポート3,4を通じて供給され
る燃料量の増減を許容するように、2つの吸気ポート3,
4へ供給される燃料量の比率を制御し、一方の吸気ポー
ト3を通じて供給されるローカルな当量比φが上記限界
値を超えるような燃料量を燃焼室7へ供給すべき必要性
が生じた場合は、点火栓側吸気ポート3を通じて供給さ
れるローカルな当量比が上記限界値を超えないような燃
料量を点火栓側吸気ポート3へ供給しながら、点火栓側
吸気ポート3を通じて供給される燃料量に対する非点火
栓側吸気ポート4を通じて供給される燃料量の比率を大
きくするように、2つの吸気ポート3,4へ供給される燃
料量の比率を制御するようにしてもよい。
なお、燃料噴射弁92は設けずに、燃料噴射弁91だけを
点火栓側吸気ポート3に設け、ほぼ全運転領域(ただ
し、暖機運転等の特殊条件時は除いてもよい)で、この
点火栓側吸気ポート3を通じて供給されるローカルな当
量比φが上記の限界値以下となるように、燃料噴射弁91
によって吸気ポート3へ供給される燃料量を制御するよ
うにしてもよい。
次に、第5〜12図を用いて第2実施例を説明する。こ
の第2実施例にかかる成層燃焼内燃機関(エンジン)
も、第6図に示すように、4気筒ガソリンエンジン1で
あるが、この第2実施例にかかるエンジンでは、その各
気筒2に、基端が合流し吸気マニホールド5の分岐管5a
に接続された等径の吸気ポート3,4(即ち、これらの吸
気ポート3,4は前述の第1実施例における吸気ポート3,4
のようにそれぞれ独立したポートではない)が設けられ
ており、更にはこれら2つの吸気ポート3,4が、これら
の吸気ポート3,4の平面投影軸線が気筒2の径に対して
いずれも略直交するように配設されている。なお、各吸
気ポートに設けられる吸気弁はその図示を省略されてい
る。
これにより、機関吸気行程時に各吸気ポート3,4から
燃焼室7に吸引される吸気により、ピストン8の往復動
方向に流れるタンブル流を生じさせることができる。
また、上記2つの吸気ポート3,4へ共に運転状態に応
じた吸入空気量に応じ2条の燃料を供給しうる第9図
(a),(b)に示すようなマルチスプレー式の燃料噴
射弁(燃料供給手段)93が設けられるとともに、これら
2つの吸気ポート3,4の中間位置から一方の吸気ポート
3側に偏倚した燃焼室7に臨む位置に、点火栓10が配設
されているが、上記の燃料噴射弁93は、第9図(a)に
示すような外形をしており、その先端部が吸気ポート3,
4の分岐部P付近へ向くように配設されており(第5〜
7図参照)、更には第9図(b)に示すように、大小2
つの燃料噴射口931,932(これらの燃料噴射口931,932は
円形をしている)をそなえていて、大きい噴口面積を有
する燃料噴射口931からの燃料が点火栓側吸気ポート3
へ噴射されるとともに、小さい噴口面積を有する他方の
燃料噴射口932からの燃料が非点火栓側の吸気ポート4
へ噴射されるようになっている。
これにより、これらの燃料噴射口931,932を通じて2
つの吸気ポート3,4に対して噴射される燃料量が異なる
ように設定されていることになる。即ち、点火栓側吸気
ポート3への噴射燃料量が他の吸気ポート4への噴射燃
料量より多くなるのである。
この場合、吸気ポート3を通じて供給されるローカル
な当量比φがスモーク排出量に基づいて設定される上記
限界値以下となるように、燃料噴射弁93まら2つの吸気
ポート3,4へ供給される燃料量の比率が設定されてお
り、この場合も、出力性能上必要な最高トータル当量比
φTmaxと、一方の吸気ポート3の許容最高当量比φmax
と、各吸気ポート3,4を流れる吸入空気量の比(A2/A1
とから決まる一定の比率F1:F2[この比率については前
述の(10)式参照]で、2つの吸気ポート3,4へ燃料が
供給されるようになっている。
ところで、上記のように各吸気ポート3,4へ一定比(F
1:F2)で燃料を供給するために、各燃料噴射口径の比は
次のように設定されている。
まず、以下の式が成り立つ。
xr1 2/F1=xr2 2F2 ‥(11) ここで、r1は燃料噴射口931の半径、r2は燃料噴射口9
32の半径である。
この(11)式を変形すると、 r1=(F1/F21/2r2 ‥(12) したがって、 r1:r2=(F1/F21/2:1={α/(1−α)}1/2:1 ‥(13) ここで、α=(φmax/φTmax)[1/{1+(A2/
A1)}]である。
すなわち、燃料噴射弁93の燃料噴射口径の比(r1:
r2)は上記(13)式のように設定されるのである。
そして、この(13)式からもわかるように、燃料噴射
弁93の燃料噴射口径の比(r1:r2)は、出力性能上必要
な最高トータル当量比φTmaxと、一方の吸気ポート3の
許容最高当量比φmaxと、各吸気ポート3,4を流れる吸入
空気量の比(A2/A1)とから決まる。なお、第10図から
もわかるように、φTmaxはφmaxとφとの和である。
このように燃料噴射弁93の燃料噴射口径の比をr1:r2
(一定)に設定することにより、吸気ポート3を通じて
供給されるローカルな当量比φを常にスモーク排出量に
基づいて設定される上記の限界値以下にすることができ
る。
したがって、この第2実施例に示すような燃料噴射弁
93を使用することによって、従来と同様に各気筒につき
1本の燃料噴射弁を使用しながら、しかも複雑な可動機
構を使わずに、全運転域において、バレルストラティフ
ァイによるリーンバーンを成立させて燃費やCO排出量の
低減を図ることができるとともに、リーン燃焼を用いな
い運転条件時(急加速運転等)に発生するおそれのある
スモーク排出をも十分に抑制できるのである。
また、この大小の燃料噴射口931,932を有するマルチ
スプレー式燃料噴射弁93を用いて、各気筒につき1本の
燃料噴射弁による常時両ポート噴射を行なうことによ
り、従来のバレルスワール利用式リーンバーンエンジン
用の独立吸気系(第28,29図参照)を不要にすることが
できる。なお、独立吸気系を不要にできるのは次の理由
による。すなわち、従来はリーン燃焼域で完全成層を狙
っていたので、吸気の吹き返し等による燃料の非点火側
ポート4への回り込みを回避するため、各吸気ポートを
独立吸気系としていたが、その後の研究で、完全成層に
までしなくても、成層燃焼による十分な効果が得られる
ことがわかったからである。
また、第11,12図に示すように、燃料噴射口を三角形
の各頂点部に位置するよう合計3つ(符号941,942,943
参照)配置し、3つの燃料噴射口941〜943のうち2つの
燃料噴射口941,942からの燃料が点火栓側吸気ポート3
へ噴射されるとともに、上記3つの燃料噴射口941〜943
のうち1つの燃料噴射口943からの燃料が他方の吸気ポ
ート4へ噴射されるように、燃料噴射弁94の吸気系への
取付位置を制定し、これら3つの燃料噴射口941〜943の
うち2つの燃料噴射口941,942からの噴射された燃料が
噴射後合流して点火栓側吸気ポート3へ噴射されるよう
に、上記の2つの燃料噴射口941,942を形成するように
してもよい。
この場合、2つの燃料噴射口941,942からの合計の燃
料量と、残り1つの燃料噴射口943からの燃料量との比
は、上記のF1:F2に設定されていることはいうまでもな
い。
そして、このようにすれば、上述の燃料噴射弁93を用
いたものとほぼ同様の効果ないし利点が得られるほか、
燃料噴射後合流させるので、噴霧の微粒化を図ることが
でき、燃焼性能が向上する利点もある。
なお、この燃料噴射弁93,94は、第8図に示すごと
く、エンジン回転数センサ21,エンジン負荷センサ22,エ
ンジン温度センサ23,加速センサ24からの検出信号を受
けてこの燃料噴射弁93,94からの燃料噴射量を制御するE
CU25′[このECU25′は、エンジンの運転状態に応じた
吸入空気量に応じ燃料が供給されるように、所要の空燃
比となるように、燃料噴射弁93を制御する手段(いわゆ
る空燃比制御手段)を有している]によって制御されて
おり、これによりエンジンの運転状態に応じた燃料を供
給する電子燃料制御が施されるようになっているが、か
かる電子制御の容量は従来同様であるので、その詳細な
説明は省略する。
次に、第13〜19図を用いて第3実施例を説明する。こ
の第3実施例にかかる成層燃焼内燃機関(エンジン)
も、第14図に示すように、4気筒ガソリンエンジン1で
あって、各気筒2には、第2実施例と同様、基端が合流
し吸気マニホールド5の分岐管5aに接続された等径の吸
気ポート3,4(吸気弁の図示を省略)が設けられてお
り、更にこれら2つの吸気ポート3,4が、これらの吸気
ポート3,4の平面投影軸線を気筒2の径に対していずれ
も略直交させるように配設されている。
これにより、機関吸気行程時に各吸気ポート3,4から
燃焼室7に吸引される吸気により、ピストン8の往復動
方向に流れるタンブル流を生じさせることができる。
また、これらの2つの吸気ポート3,4へ共に運転状態
に応じた吸入空気量に応じ合計3条の燃料を供給しうる
第16,17図に示すようなマルチスプレー式の燃料噴射弁
(燃料供給手段)95が設けられるとともに、これら2つ
の吸気ポート3,4の中間位置から一方の吸気ポート3側
に偏倚した燃焼水7に臨む位置に、点火栓10が配設され
ているが、上記の燃料噴射弁95は、第16図に示すような
外形をしており、その先端部が吸気ポート3,4の分岐部
P付近へ向くように配設されていて(第13〜15図参
照)、更には第17図に示すように、等しい噴口面積を有
する3つの燃料噴射口951,952,953(これらの燃焼噴射
口951〜953はいずれも円形をしている)が直線上に配置
されている。
そして、これら3つの燃料噴射口951〜953のうち2つ
の燃料噴射口951,952からの燃料が点火栓側吸気ポート
3へ噴射されるとともに、残り1つの燃料噴射口953か
らの燃料が他方の吸気ポート4へ噴射されるように、燃
料噴射弁95が吸気ポート3,4の分岐点Pへ向かう方向に
対しθだけ振った角度位置で取り付けられている(第13
〜15図参照)。
これにより、燃料噴射弁95の2つの燃料噴射口951,95
2からの燃料が点火栓側吸気ポート3へ噴射されるとと
もに、残り1つの燃料噴射口953からの燃料が非点火栓
側の吸気ポート4へ噴射されるようになっている。その
結果、点火栓側吸気ポート3の噴射燃料量が非点火栓側
吸気ポート4への噴射燃料量より多くなる。
そして、この場合、通常は、出力性能上必要な最高ト
ータル当量比φTmax,点火栓側吸気ポート3の許容最高
当量比φmax,各吸気ポート3,4を流れる吸入空気量の比
(A2/A1)が所要の関係になっているので、吸気ポート
3を通じて供給されるローカルな当量比φがスモーク排
出量に基づいて設定される上記の限界値以下となるよう
に、燃料噴射弁95から2つの吸気ポート3,4へ燃料を供
給することができる。
また、第18図に示すように、直線状に配置された3つ
の燃料噴射口951,952′,953のうち中間に配置された燃
料噴射口952′の噴口面積を他の燃料噴射口951,953の噴
口面積と異なるように(この例では大きくなるように)
すれば、出力性能上必要な最高トータル当量比φTmax
と、点火栓側吸気ポート3の許容最高当量比φmaxと、
各吸気ポート3,4を流れる吸入空燃比の(A2/A1)とから
決まる一定の比率F1:F2[この比率については前述の(1
0)式参照]で、2つの吸気ポート3,4へ燃料を供給でき
るように調整することができる。
なお、3つの燃料噴射口951〜953のうち中間に配置さ
れた燃料噴射口952′の噴口面積を他の燃料噴射口951,9
53の噴口面積と異なるように構成するもののほか、3つ
の燃料噴射口951〜953のうち両端の部分に配設されたい
ずれかの燃料噴射口の噴射面積を他の燃料噴射口の噴口
面積と異なるように構成してもよく、3つの燃料噴射口
951〜953の噴口面積をそれぞれ異なるように構成しても
よい。
このようにすれば、正確に上記一定の比率F1:F2で、
2つの吸気ポート3,4へ燃料を供給することができるの
で、効果的に点火栓側吸気ポート3を通じて供給される
ローカルな当量比φを常に上記限界値以下にすることが
できる。
したがって、この第3実施例に示すような燃料噴射弁
95を使用することによっても、前述の第2実施例と同様
の効果ないし利点が得られる。
すなわち、従来と同様に各気筒につき1本の燃料噴射
弁を使用しながら、しかも複雑な可動機構を使わずに、
全運転域において、バレルストラティファイによるリー
ンバーンを成立させて燃費やCO排出量の低減を図ること
ができるとともに、リーン燃焼を用いない運転条件時
(急加速運転等)に発生するおそれのあるスモーク排出
をも十分に抑制することができる。
また、この3条のマルチスプレー式燃料噴射弁95を用
いて、各気筒につき1本の燃料噴射弁による常時両ポー
ト噴射を行なうことにより、従来のバレルスワール利用
式リーンバーンエンジン用の独立吸気系を不要にするこ
とができる。
なお、この燃料噴射弁95も、前述の第2実施例にかか
る燃料噴射弁93,94と同様に、エンジン回転数センサ21,
エンジン負荷センサ22,エンジン温度センサ23,加速セン
サ24からの検出信号を受けてこの燃料噴射弁95からの燃
料噴射量を制御するECU25′によって制御されているこ
とはいうまでもない(第8図参照)。
ところで、第16〜17図に示す第3実施例にかかる燃料
噴射弁95を用いれば、第19図に示すように、隣り合う気
筒2の形状が左右対称なエンジン(成層燃焼内燃機関)
にも、燃料噴射弁95の取付角度を左右対象に変更するこ
とで、容易に取り付けることができる。すなわち、一方
の燃料噴射弁95は右側へθだけ振って取り付けるととも
に、他方の燃料噴射弁95は右側へθだけ振って取り付け
るのである。
次に、第20〜27図を用いて第4実施例を説明する。こ
の第4実施例にかかる成層燃焼内燃機関(エンジン)
も、第21図に示すように、4気筒ガソリンエンジン1で
あって、各気筒2には、第2,3実施例と同様、基端が合
流し吸気マニホールド5の分岐管5aに接続された等径の
吸気ポート3,4(吸気弁の図示を省略)が設けられてお
り、更にこれら2つの吸気ポート3,4が、これらの吸気
ポート3,4の平面投影軸線を気筒2の径に対していずれ
も略直交させるように配設されている。
これにより、機関吸気行程時に各吸気ポート3,4から
燃焼室7に吸引される吸気により、ピストン8の往復動
方向に流れるタンブル流を生じさせることができる。
また、これらの2つの吸気ポート3,4へ共に運転状態
に応じた吸気空気量に応じ合計3条の燃料を供給しうる
第22,23図に示すようなマルチスプレー式な燃料噴射弁
(燃料供給手段)96が設けられるとともに、これら2つ
の吸気ポート3,4の中間位置から一方の吸気ポート3側
に偏倚した燃焼室7に臨む位置に、点火栓10が配設され
ているが、上記の燃料噴射弁96は、第22図に示すような
外形をしており、その先端部が吸気ポート3,4の分岐部
P付近へ向くように配設されており(第20,21図参
照)、更には第23図に示すように、等しい噴口面積を有
する3つの燃料噴射口961,962,963(これらの燃料噴射
口961〜963はいずれも円形をしている)が三角形の各頂
点部に位置するよう配置されている。
そして、これら3つの燃料噴射口961〜963のうち2つ
の燃料噴射口961,962からの燃料が点火栓側吸気ポート
3へ噴射されるとともに、残り1つの燃料噴射口963か
らの燃料が他方の吸気ポート4へ噴射されるように、燃
料噴射弁96が正規位置からその中心軸線の回りにηだけ
回動せしめられた位置で取り付けられている(第23図参
照)。
これにより、第25図に示すように、燃料噴射弁96の2
つの燃料噴射口961,962からの燃料が点火栓側吸ポート
3へ噴射されるとともに、残り1つの燃料噴射口963か
らの燃料が非点火栓側の吸気ポート4へ噴射されるよう
になっている。その結果、点火栓側吸気ポート3への噴
射燃料量が非点火栓側吸気ポート4への噴射燃料量より
多くなる。
そして、この場合も、通常は、出力性能上必要な最高
トータル当量比φTmax,点火栓側吸気ポート3の許容最
高当量比φmax,各吸気ポート3,4を流れる吸入空気量の
比(A2/A1)が所要の関係になっているので、吸気ポー
ト3を通じて供給されるローカルな当量比φがスモーク
排出量に基づいて設定される限界値以下となるように、
燃料噴射弁96から2つの吸気ポート3,4へ燃料を供給す
ることができる。
また、第24図に示すように、三角形の各頂点部に配置
された3つの燃料噴射口961,962′,963のうちの1つの
燃料噴射口962′の噴口面積を他の燃料噴射口961,963の
噴口面積と異なるように(この例では大きくなるよう
に)すれば、出力性能上必要な最高トータル当量比φTm
axと、点火栓側吸気ポート3の許容最高当量比φmax
と、各吸気ポート3,4を流れる吸入空気量の比(A2/A1
とから決まる一定の比率F1:F2[この比率については前
述の(10)式参照]で、2つの吸気ポート3,4へ燃料を
供給できるように調整することができる。
なお、その他、3つの燃料噴射口961〜963のうち燃料
噴射口961または962の噴口面積を他の燃料噴射口の噴口
面積と異なるように構成してもよく、3つの燃料噴射口
961〜963の噴口面積をそれぞれ異なるように構成しても
よい。
このようにすれば、正確に上記一定の比率F1:F2で、
2つの吸気ポート3,4へ燃料を供給することができるの
で、効果的に吸気ポート3を通じて供給されるローカル
な当量比φを常に上記限界値以下にすることができる。
したがって、この第4実施例に示すような燃料噴射弁
96を使用することによっても、前述の第2,3実施例と同
様の効果ないし利点が得られるものである。
すなわち、従来と同様に各気筒につき1本の燃料噴射
弁を使用しながら、しかも複雑な可動機構を使わずに、
全運転域において、バレルストラティファイによるリー
ンバーンを成立させて燃費やCO排出量の低減を図ること
ができるとともに、リーン燃焼を用いない運転条件時
(急加速運転等)に発生するおそれのあるスモーク排出
をも十分に抑制することができる。
また、この3条のマルチスプレー式燃料噴射弁96を用
いて、各気筒につき1本の燃料噴射弁による常時両ポー
ト噴射を行なうことにより、従来のバレルスワール利用
式リーンバーンエンジン用の独立吸気系を不要にするこ
とができる。
なお、この燃料噴射弁96も、前述の第2,3実施例にか
かる燃料噴射弁93,94;95と同様に、エンジン回転数セン
サ21,エンジン負荷センサ22,エンジン温度センサ23,加
速センサ24からの検出信号を受けてこの燃料噴射弁93か
らの燃料噴射量を制御するECU25′によって制御されて
いることはいうまでもない(第8図参照)。
ところで、第22〜24図に示す第4実施例にかかる燃料
噴射弁96を用いた場合でも、第26図に示すように隣り合
う気筒2の形状が左右対称なエンジン(成層燃焼内燃機
関)にも、燃料噴射弁96の取付回動角度を左右対称に変
更することで、容易に取り付けることができる。すなわ
ち、一方の燃料噴射弁96は正規位置から右側へηだけ回
動させたところで取り付けるとともに、他方の燃料噴射
弁96は正規位置から左側へηだけ回動させたところで取
り付けるのである[第23,24,27図(a),(b)参
照]。
これにより、隣接する気筒について、一方の気筒で
は、燃料噴射弁96の2つの燃料噴射口961,962からの燃
料が点火栓側吸気ポート3へ噴射されるとともに、残り
1つの燃料噴射口963からの燃料が非点火栓側の吸気ポ
ート4へ噴射されるようにすることができる[第27図
(a)参照]とともに、他方の気筒では、燃料噴射弁96
の2つの燃料噴射口962,963からの燃料が点火栓側吸気
ポート3へ噴射されるとともに、残り1つの燃料噴射口
961からの燃料が非点火栓側の吸気ポート4へ噴射され
るようにすることができる[第27図(b)参照]。
なお、上記の各実施例においては、2吸気ポートの成
層燃焼内燃機関について説明したが、3つ以上の吸気ポ
ートをもつ火花点火吸気多弁式の成層燃焼内燃機関につ
いても同様のして適用することができる。
また、上記の第2〜4実施例においては、燃料噴射口
の数が2ないし3のものについて説明したが、4以上の
燃料噴射口数をもつものについても同様にして本発明を
適用することができる。
[発明の効果] 以上詳述したように、本発明の成層燃焼内燃機関の燃
料供給装置によれば、成層燃焼内燃機関において、複数
の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートを通じ
て供給される吸気流範囲における部分的な当量比がスモ
ーク排出量に基づいて設定される限界値以下となるよう
に燃料を供給すべく燃料供給手段を構成したり(請求項
1)、燃料供給手段から複数の吸気ポートのうち点火栓
に近接する吸気ポートへの供給燃料量がそれ以外の燃料
供給される吸気ポートへの供給燃料量より多くなるよう
に設定し、且つ、複数の吸気ポートのうち点火栓に近接
する吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲における
部分的な当量比がスモーク排出量に基づいて設定される
限界値以下となるように燃料供給手段から複数の吸気ポ
ートへ供給される燃料量の比率(例えば請求項3に記載
のように、出力性能上必要な最高トータル当量比と、複
数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートの許
容最高当量比と、各吸気ポートを流れる吸入空気量の比
とから決まる比率)を設定したり(請求項2)、点火栓
に近い一方の吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲
における部分的な当量比がスモーク排出量に基づいて設
定される限界値以下となるように、燃料供給手段によっ
て複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポート
へ供給される燃料量を制御する制御手段を設けたり(請
求項4)、一方の吸気ポートを通じて供給される吸気流
範囲における部分的な当量比がスモーク排出量に基づい
て設定される限界値を超えるような燃料量を燃焼室へ供
給すべき必要性が生じた場合は、他方の吸気ポートを通
じて必要な燃料量を補充する補助制御手段を上記制御手
段に加えて設けたり(請求項5)、複数の吸気ポートの
うち点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給される吸
気流範囲における部分的な当量比がスモーク排出量に基
づいて設定される限界値以下となるように、燃料供給手
段によって複数の吸気ポートへ供給される燃料量の比率
を制御する制御手段(例えば請求項7に記載のように、
複数の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートを
通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比が
スモーク排出量に基づいて設定される限界値以下の場合
は、上記複数の吸気ポートを通じて供給される燃料量の
増減を許容するように、複数の吸気ポートへ供給される
燃料量の比率を制御し、複数の吸気ポートのうち点火栓
に近接する吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲に
おける部分的な当量比が上記限界値を超えるような燃料
量を燃焼室へ供給すべき必要性が生じた場合には、複数
の吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートを通じ
て供給される吸気流範囲における部分的な当量比が上記
限界値を超えないような燃料量を複数の吸気ポートのう
ち点火栓に近接する吸気ポートへ供給しながら、複数の
吸気ポートのうち点火栓に近接する吸気ポートを通じて
供給される燃料量に対するそれ以外の燃料供給される吸
気ポートを通じて供給される燃料量の比率を大きくする
ように、複数の吸気ポートへ供給される燃料量の比率を
制御する制御手段)を設けたりしている(請求項6)の
で、バレルストラティファイによるリーンバーンを成立
させて、燃費やCO排出量を低減することができるほか、
リーン燃焼域以外で発生するおそれのあるスモークの排
出も十分に抑制できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1〜4図は本発明の第1実施例としての成層燃焼内燃
機関の燃焼供給装置を示すもので、第1図は本装置を有
する成層燃焼内燃機関における燃焼室の透視斜視図、第
2図は本装置を有する成層燃焼内燃機関の全体構成を示
す模式的平面図、第3図は本装置を有する成層燃焼内燃
機関の部分的な模式的平面図、第4図はその制御ブロッ
ク図であり、第5〜12図は本発明の第2実施例としての
成層燃焼内燃機関の燃料供給装置を示すもので、第5図
は本装置を有する成層燃焼内燃機関における燃焼室の透
視斜視図、第6図は本装置を有する成層燃焼内燃機関の
全体構成を示す模式的平面図、第7図は本装置を有する
成層燃焼内燃機関の部分的な模式的平面図、第8図はそ
の制御ブロック図、第9図(a)は燃料噴射弁の平面
図、第9図(b)は第9図(a)のIX b矢視図、第10図
は燃料噴射弁の噴口径算出要領を説明するための模式図
であり、第11,12図は燃料噴射弁の変形例を示すもの
で、第11図はその燃料噴射口の配置を説明するための
図、第12図は第11図のXII−XII矢視断面図であり、第13
〜19図は本発明の第3実施例としての成層燃焼内燃機関
の燃料供給装置を示すもので、第13図は本装置を有する
成層燃焼内燃機関における燃焼室の透視斜視図、第14図
は本装置を有する成層燃焼内燃機関の全体構成を示す模
式的平面図、第15図は本装置を有する成層燃焼内燃機関
の部分的な模式的平面図、第16図は燃料噴射弁の平面
図、第17図は第16図のXVII矢視図、第18図は燃料噴射弁
の燃料噴射口配置の変形例を第17図に対応させて示す図
であり、第19図は点火栓配置が隣接する気筒で異なる成
層燃焼内燃機関に燃料噴射弁を配置した例を示す模式的
平面図であり、第20〜25図は本発明の第4実施例として
の成層燃焼内燃機関の燃料供給装置を示すもので、第20
図は本装置を有する成層燃焼内燃機関における燃焼室の
透視斜視図、第21図は本装置を有する成層燃焼内燃機関
の全体構成を示す模式的平面図、第22図は燃料噴射弁の
平面図、第23図は第22図のXXIII矢視図、第24図は燃料
噴射弁の燃料噴射口配置の変形例を第23図に対応させて
示す図であり、第25図は第20図のXXV矢視方向から見た
燃料噴射の様子を説明するための模式図、第26図は点火
栓配置が隣接する気筒で異なる成層燃焼内燃機関に燃料
噴射弁を配置した例を示す模式的平面図、第27図(a)
および第27図(b)はそれぞれ第26図のXXVII a矢視方
向およびXXVII b矢視方向から見た燃料噴射の様子を説
明するための模式図であり、第28,29図は従来の成層燃
焼内燃機関を示すもので、第28図はその全体構成を示す
模式的平面図、第29図はその燃焼室の透視斜視図であ
り、第30図は点火栓側吸気ポートの当量比(空燃比)と
スモーク排出量との関係を説明するためのグラフであ
る。 1……エンジン、2……気筒、2a……シリンダヘッド、
3……点火栓側吸気ポート(一方の吸気ポート)4……
非点火栓側吸気ポート(他方の吸気ポート)、5……吸
気マニホールド、5a,5b……分岐管、5c……サージタン
ク、6……スロットルバルブ、7……燃焼室、8……ピ
ストン、9……燃料噴射弁、10……点火栓、21……エン
ジン回転数センサ、22……エンジン負荷センサ、23……
エンジン温度センサ、24……加速センサ、25……制御手
段および補助制御手段の機能を有するECU、25′……EC
U、91〜96……燃料噴射弁(燃料供給手段)、931,932,9
41〜943,951〜953,952′,961〜963,962′……燃料噴射
口、X,Y……吸気ポートの平面投影軸線。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F02M 69/00 360 F02M 69/00 360B 69/04 69/04 R F02P 13/00 301 F02P 13/00 301A (56)参考文献 特開 昭60−111021(JP,A) 実開 昭61−118924(JP,U) 実開 平1−166722(JP,U) 実開 昭63−71423(JP,U) 実開 昭59−156122(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 1/00 - 23/10 F02D 41/00 - 41/40

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
    をそなえ、該吸気ポート側へ運転状態に応じた吸入空気
    量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設け、且
    つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1つに近
    接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓を配設
    し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該燃焼室
    に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向に流れ
    るタンブル流を生じさせるように構成された成層燃焼内
    燃機関において、該燃料供給手段が、該点火栓に近接す
    る吸気ポートを通じて供給される吸気流範囲における部
    分的な当量比がスモーク排出量に基づいて設定される限
    界値以下となるように、燃料を供給すべく構成されたこ
    とを特徴とする、成層燃焼内燃機関の燃料供給装置。
  2. 【請求項2】気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
    をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
    吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
    け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
    つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
    を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
    燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
    に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
    燃焼内燃機関において、該燃料供給手段による該点火栓
    に近接する吸気ポートへの供給燃料量が、それ以外の燃
    料供給される吸気ポートへの供給燃料量より多くなるよ
    うに設定され、且つ、該点火栓に近接する吸気ポートを
    通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比が
    スモーク排出量に基づいて設定される限界値以下となる
    ように、該燃料供給手段から燃料供給される吸気ポート
    間の燃料量の比率が設定されていることを特徴とする、
    成層燃焼内燃機関の燃料供給装置。
  3. 【請求項3】出力性能上必要な最高トータル当量比と、
    該点火栓に近接する吸気ポートの許容最高当量比と、各
    吸気ポートを流れる吸入空気量の比とから決まる比率
    で、該点火栓に近接する吸気ポート及びそれ以外の燃料
    供給される吸気ポートへの燃料の供給状態が設定される
    ことを特徴とする、請求項2記載の成層燃焼内燃機関の
    燃料供給装置。
  4. 【請求項4】気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
    をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
    吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
    け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
    つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
    を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
    燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
    に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
    燃焼内燃機関において、該点火栓に近接する吸気ポート
    を通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比
    がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下とな
    るように、該燃料供給手段から該点火栓に近接する吸気
    ポートへ供給される燃料量を制御する制御手段が設けら
    れたことを特徴とする、成層燃焼内燃機関の燃料供給装
    置。
  5. 【請求項5】気筒の燃焼室に開口する2つの吸気ポート
    をそなえ、これら2つの吸気ポートへ共に運転状態に応
    じた吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段
    を設け、且つ、これら2つの吸気ポートの中間位置から
    一方の吸気ポート側に偏倚した該燃焼室に臨む位置に点
    火栓を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートか
    ら該燃焼室に吸引される吸気により、ピストン往復動方
    向に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成
    層燃焼内燃機関において、該点火栓に近い一方の吸気ポ
    ートを通じ供給される吸気流範囲における部分的な当量
    比がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下と
    なるように、該燃料供給手段によって該一方の吸気ポー
    トへ供給される燃料量を制御する制御手段が設けられる
    とともに、該一方の吸気ポートを通じて供給される吸気
    流範囲における部分的な当量比がスモーク排出量に基づ
    いて設定される限界値を超えるような燃料量を該燃焼室
    へ供給すべき必要性が生じた場合は、他方の吸気ポート
    を通じて必要な燃料量を補充する補助制御手段が設けら
    れたことを特徴とする、成層燃焼内燃機関の燃料供給装
    置。
  6. 【請求項6】気筒の燃焼室に開口する複数の吸気ポート
    をそなえ、これら複数の吸気ポートへ運転状態に応じた
    吸入空気量に基づき燃料を供給しうる燃料供給手段を設
    け、且つ、これら複数の吸気ポートのうちのいずれか1
    つに近接させた位置において該燃焼室に臨ませて点火栓
    を配設し、機関吸気行程時に上記の各吸気ポートから該
    燃焼室に吸引される吸気により、ピストンの往復動方向
    に流れるタンブル流を生じさせるように構成された成層
    燃焼内燃機関において、該点火栓に近接する吸気ポート
    を通じて供給される吸気流範囲における部分的な当量比
    がスモーク排出量に基づいて設定される限界値以下とな
    るように、該燃料供給手段から該点火栓に近接する吸気
    ポートとそれ以外の燃料供給される吸気ポートとへ供給
    される燃料量の比率を制御する制御手段が設けられたこ
    とを特徴とする、成層燃焼内燃機関の燃料供給装置。
  7. 【請求項7】該点火栓に近接する吸気ポートを通じて供
    給される吸気流範囲における部分的な当量比がスモーク
    排出量に基づいて設定される限界値以下の場合は、該点
    火栓に近接する吸気ポート及びそれ以外の燃料供給され
    る吸気ポートを通じて供給される燃料量の増減を許容す
    るように、該点火栓に近接する吸気ポートとそれ以外の
    燃料供給される吸気ポートとに供給される燃料量の比率
    を制御し、該点火栓に近接する吸気ポートを通じて供給
    される吸気流範囲における部分的な当量比が上記限界値
    を超えるような燃料量を該燃焼室へ供給すべき必要性が
    生じた場合は、該点火栓に近接する吸気ポートを通じて
    供給される吸気流範囲における部分的な当量比が上記限
    界値を超えないような燃料量を該点火栓に近接する吸気
    ポートへ供給しながら、該点火栓に近接する吸気ポート
    に対するそれ以外の燃料供給される吸気ポートを通じて
    供給される燃料量の比率を大きくするように、該点火栓
    に近接する吸気ポートとそれ以外の燃料供給される吸気
    ポートとへ供給される燃料量の比率を制御することを特
    徴とする、請求項6記載の成層燃焼内燃機関の燃料供給
    装置。
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