JP3252196B2 - 筒内噴射２サイクルエンジン - Google Patents
筒内噴射２サイクルエンジンInfo
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- Y02T—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃焼室内に燃料
を噴射して点火する筒内噴射２サイクルエンジンに関す
る。
を噴射して点火する筒内噴射２サイクルエンジンに関す
る。
【０００２】
【従来の技術】このような筒内噴射２サイクルエンジン
は、例えばシリンダヘッドに燃料噴射弁と点火プラグを
備え、この燃料噴射弁からシリンダ内を往復動するピス
トンの頭部とシリンダヘッドとの間に形成される燃焼室
に燃料を噴射し、点火プラグで霧化した燃料に着火する
ものがある。このような筒内噴射２サイクルエンジンで
は、特にアイドリングや低負荷時において、炭化水素
（ＨＣ）等の低減を図る等の公害対策上から少量の燃料
を噴射して層状燃焼を行なうようにしている。
は、例えばシリンダヘッドに燃料噴射弁と点火プラグを
備え、この燃料噴射弁からシリンダ内を往復動するピス
トンの頭部とシリンダヘッドとの間に形成される燃焼室
に燃料を噴射し、点火プラグで霧化した燃料に着火する
ものがある。このような筒内噴射２サイクルエンジンで
は、特にアイドリングや低負荷時において、炭化水素
（ＨＣ）等の低減を図る等の公害対策上から少量の燃料
を噴射して層状燃焼を行なうようにしている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
筒内噴射２サイクルエンジンでは、燃料噴射量の少ない
領域、例えばアイドリングや低負荷時等において、燃焼
室に噴射された少量の燃料が拡散しすぎることで失火が
生じやすくなり、燃焼安定性が妨げられると共に、この
失火で排気ガスが排出され、炭化水素（ＨＣ）が増大す
る等公害対策上問題がある。
筒内噴射２サイクルエンジンでは、燃料噴射量の少ない
領域、例えばアイドリングや低負荷時等において、燃焼
室に噴射された少量の燃料が拡散しすぎることで失火が
生じやすくなり、燃焼安定性が妨げられると共に、この
失火で排気ガスが排出され、炭化水素（ＨＣ）が増大す
る等公害対策上問題がある。
【０００４】この発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、アイドリングや低負荷時等の燃料噴射量の少ない領
域おいて、エンジン要求最低噴射量で燃焼安定性の向上
を図ると共に、排気ガス中の炭化水素（ＨＣ）を低減さ
せる筒内噴射２サイクルエンジンを提供することを目的
としている。
で、アイドリングや低負荷時等の燃料噴射量の少ない領
域おいて、エンジン要求最低噴射量で燃焼安定性の向上
を図ると共に、排気ガス中の炭化水素（ＨＣ）を低減さ
せる筒内噴射２サイクルエンジンを提供することを目的
としている。
【０００５】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、この発明は、シリンダ内を往復動するピストンの
頭部とシリンダとシリンダヘッドとで形成される燃焼室
に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃焼室の燃料に点
火する点火プラグを備える筒内噴射２サイクルエンジン
において、前記シリンダヘッドに燃焼室の一部をなす凹
部を設け、前記シリンダのシリンダ軸線を縦向きとし
て、前記凹部の天井面の高さを一端側から他端側に向う
に従って前記シリンダに近付くように傾斜させ、かつ天
井面の幅を前記一端側から他端側に向うに従って狭くな
るように形成し、前記凹部の一端側に他端側に向って燃
料を噴射する燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁の中心
線の傾斜角度を前記凹部の天井面の傾斜角度と略等しい
かやや大きく設定させ、且つ前記中心線の延長が前記凹
部の他端側と交差させると共に、他端側であって前記燃
料噴射弁の噴射範囲に前記点火プラグの放電部を臨ま
せ、前記点火プラグが設けられた他端側のスキッシュエ
リアを他のスキッシュエリアより小さくもしくは無しと
したことを特徴としている。
めに、この発明は、シリンダ内を往復動するピストンの
頭部とシリンダとシリンダヘッドとで形成される燃焼室
に燃料を噴射する燃料噴射弁と、この燃焼室の燃料に点
火する点火プラグを備える筒内噴射２サイクルエンジン
において、前記シリンダヘッドに燃焼室の一部をなす凹
部を設け、前記シリンダのシリンダ軸線を縦向きとし
て、前記凹部の天井面の高さを一端側から他端側に向う
に従って前記シリンダに近付くように傾斜させ、かつ天
井面の幅を前記一端側から他端側に向うに従って狭くな
るように形成し、前記凹部の一端側に他端側に向って燃
料を噴射する燃料噴射弁を設け、この燃料噴射弁の中心
線の傾斜角度を前記凹部の天井面の傾斜角度と略等しい
かやや大きく設定させ、且つ前記中心線の延長が前記凹
部の他端側と交差させると共に、他端側であって前記燃
料噴射弁の噴射範囲に前記点火プラグの放電部を臨ま
せ、前記点火プラグが設けられた他端側のスキッシュエ
リアを他のスキッシュエリアより小さくもしくは無しと
したことを特徴としている。
【０００６】この発明では、シリンダのシリンダ軸線を
縦向きとして、燃焼室の一部をなす凹部の天井面の高さ
を一端側から他端側に向うに従ってシリンダに近付くよ
うに傾斜させ、かつ天井面の幅を一端側から他端側に向
うに従って狭くなるように形成したから、燃焼室の一端
側に設けられた燃料噴射弁の作動で燃料が燃焼室に噴射
されると、この燃料は他端側に向って高さも幅も次第に
狭くなる凹部によってこの一端側から他端側に導かれ燃
料の拡散が抑えられるため、燃焼室の他端側に放電部を
臨ませて設けられた点火プラグの作動で、アイドリング
や低負荷時の燃料噴射量の少ない領域においても、エン
ジン要求最低噴射量で確実に着火できる。
縦向きとして、燃焼室の一部をなす凹部の天井面の高さ
を一端側から他端側に向うに従ってシリンダに近付くよ
うに傾斜させ、かつ天井面の幅を一端側から他端側に向
うに従って狭くなるように形成したから、燃焼室の一端
側に設けられた燃料噴射弁の作動で燃料が燃焼室に噴射
されると、この燃料は他端側に向って高さも幅も次第に
狭くなる凹部によってこの一端側から他端側に導かれ燃
料の拡散が抑えられるため、燃焼室の他端側に放電部を
臨ませて設けられた点火プラグの作動で、アイドリング
や低負荷時の燃料噴射量の少ない領域においても、エン
ジン要求最低噴射量で確実に着火できる。
【０００７】また、燃料噴射弁の中心線の傾斜角度を凹
部の天井面の傾斜角度と略等しいかやや大きく設定さ
せ、且つ中心線の延長が凹部の他端側と交差させると共
に、他端側であって燃料噴射弁の噴射範囲に点火プラグ
の放電部を臨ませたから、噴射された燃料が凹部の天井
面に付着するのを軽減できるばかりかスキッシュエリア
とピストンの頭部との間に燃料が入り込み、この燃料が
所定の点火時期からづれたタイミングで着火することを
防止でき、耐ノック性が向上する。
部の天井面の傾斜角度と略等しいかやや大きく設定さ
せ、且つ中心線の延長が凹部の他端側と交差させると共
に、他端側であって燃料噴射弁の噴射範囲に点火プラグ
の放電部を臨ませたから、噴射された燃料が凹部の天井
面に付着するのを軽減できるばかりかスキッシュエリア
とピストンの頭部との間に燃料が入り込み、この燃料が
所定の点火時期からづれたタイミングで着火することを
防止でき、耐ノック性が向上する。
【０００８】また、点火プラグが設けられた他端側のス
キッシュエリアを他のスキッシュエリアより小さくもし
くは無しとしたから、スキッシュエリアとピストンの頭
部との間に入り込む燃料の量が一層少なくなり、耐ノッ
ク性が一層向上する。
キッシュエリアを他のスキッシュエリアより小さくもし
くは無しとしたから、スキッシュエリアとピストンの頭
部との間に入り込む燃料の量が一層少なくなり、耐ノッ
ク性が一層向上する。
【０００９】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施例を添付図
面に基づいて詳細に説明する。図１は筒内噴射２サイク
ルエンジンの縦断面図、図２は図１のIIーII断面図、図
３は燃焼室の拡大図、図４はシリンダヘッドの燃焼室の
底面図、図５は図４のV ーV 断面図である。
面に基づいて詳細に説明する。図１は筒内噴射２サイク
ルエンジンの縦断面図、図２は図１のIIーII断面図、図
３は燃焼室の拡大図、図４はシリンダヘッドの燃焼室の
底面図、図５は図４のV ーV 断面図である。
【００１０】図中符号１は並列の複数気筒を有する筒内
噴射２サイクルエンジンで、クランクケース２にシリン
ダボディ３が載置され、さらにこのシリンダボディ３に
シリンダヘッド４が取付けられている。シリンダボディ
３にはスリーブ５が圧入され、このスリーブ５のシリン
ダ内にピストン６が往復動可能に設けられ、このピスト
ン６はコンロッド７を介してクランク軸８に連結されて
いる。クランク軸８はクランクケース２に回動可能に軸
支され、このクランクケース２のクランク室９には吸気
通路１０が形成され、この吸気通路１０からリードバル
ブ１１を介して空気が吸入される。
噴射２サイクルエンジンで、クランクケース２にシリン
ダボディ３が載置され、さらにこのシリンダボディ３に
シリンダヘッド４が取付けられている。シリンダボディ
３にはスリーブ５が圧入され、このスリーブ５のシリン
ダ内にピストン６が往復動可能に設けられ、このピスト
ン６はコンロッド７を介してクランク軸８に連結されて
いる。クランク軸８はクランクケース２に回動可能に軸
支され、このクランクケース２のクランク室９には吸気
通路１０が形成され、この吸気通路１０からリードバル
ブ１１を介して空気が吸入される。
【００１１】シリンダ内を往復動するピストン６の頭部
６ａとシリンダヘッド４との間に燃焼室１２が形成さ
れ、さらにシリンダボディ３には燃焼室１２から排気ガ
スを排出する排気通路１３が形成されている。この排気
通路１３にはエンジンの運転状態に応じて排気タイミン
グを変化させる排気時期制御弁１４が設けられ、高回転
時には排気ポート１３ａの上方位置にあり排気タイミン
グを早くし、低回転時にはこの位置から下方へ移動させ
て排気タイミングを遅くする。
６ａとシリンダヘッド４との間に燃焼室１２が形成さ
れ、さらにシリンダボディ３には燃焼室１２から排気ガ
スを排出する排気通路１３が形成されている。この排気
通路１３にはエンジンの運転状態に応じて排気タイミン
グを変化させる排気時期制御弁１４が設けられ、高回転
時には排気ポート１３ａの上方位置にあり排気タイミン
グを早くし、低回転時にはこの位置から下方へ移動させ
て排気タイミングを遅くする。
【００１２】シリンダボディ３の排気通路１３と反対側
には吸気通路１０と燃焼室１２とを連通する対向掃気通
路１５が形成され、この対向掃気通路１５と排気通路１
３との間の位置にはクランク室９と燃焼室１２とを連通
する主掃気通路１６が形成され、これらの掃気ポート１
５ａ，１６ａは排気ポート１３ａより下方に位置してい
る。この一対の主掃気通路１６は対向掃気通路１５方向
に向けて形成され、主掃気通路１６の掃気が対向掃気通
路１５の掃気と合流して排気通路１３方向へ向って流れ
るようになっている。
には吸気通路１０と燃焼室１２とを連通する対向掃気通
路１５が形成され、この対向掃気通路１５と排気通路１
３との間の位置にはクランク室９と燃焼室１２とを連通
する主掃気通路１６が形成され、これらの掃気ポート１
５ａ，１６ａは排気ポート１３ａより下方に位置してい
る。この一対の主掃気通路１６は対向掃気通路１５方向
に向けて形成され、主掃気通路１６の掃気が対向掃気通
路１５の掃気と合流して排気通路１３方向へ向って流れ
るようになっている。
【００１３】シリンダヘッド４には、燃焼室１２の一部
をなす凹部１２０が設けられ、シリンダ軸線Ｌ１を縦向
きとして、側面視断面で燃焼室１２の一部をなす凹部１
２０の天井面１２ａが一端側１２ｂから他端側１２ｃに
延びるに従ってシリンダに近づくようにシリンダ軸線Ｌ
１と直交する線Ｌ３に対して所定角度θ１傾斜させて形
成され、さらに天井面１２ａの幅Ｄ１も一端側１２ｂか
ら他端側１２ｃに延びるに従って狭くなっている。
をなす凹部１２０が設けられ、シリンダ軸線Ｌ１を縦向
きとして、側面視断面で燃焼室１２の一部をなす凹部１
２０の天井面１２ａが一端側１２ｂから他端側１２ｃに
延びるに従ってシリンダに近づくようにシリンダ軸線Ｌ
１と直交する線Ｌ３に対して所定角度θ１傾斜させて形
成され、さらに天井面１２ａの幅Ｄ１も一端側１２ｂか
ら他端側１２ｃに延びるに従って狭くなっている。
【００１４】この燃焼室１２の一部をなす凹部１２０の
一端側１２ｂには他端側１２ｃに向って燃料を噴射する
燃料噴射弁１７が設けられ、この燃料噴射弁１７には燃
料を供給するインジェクタ１７０と空気を供給するエア
レール１７１とが備えられている。さらに、燃焼室１２
の一部をなす凹部１２０の他端側１２ｃには一対の点火
プラグ１８がその放電部１８ａを臨ませて設けられてい
る。この点火プラグ１８の放電部１８ａの位置は燃料噴
射弁１７の燃料噴射範囲Ｓにあり、しかも点火プラグ１
８の放電部１８ａは燃料噴射弁１７に対して燃料の霧化
に十分な距離Ｄ２にある。
一端側１２ｂには他端側１２ｃに向って燃料を噴射する
燃料噴射弁１７が設けられ、この燃料噴射弁１７には燃
料を供給するインジェクタ１７０と空気を供給するエア
レール１７１とが備えられている。さらに、燃焼室１２
の一部をなす凹部１２０の他端側１２ｃには一対の点火
プラグ１８がその放電部１８ａを臨ませて設けられてい
る。この点火プラグ１８の放電部１８ａの位置は燃料噴
射弁１７の燃料噴射範囲Ｓにあり、しかも点火プラグ１
８の放電部１８ａは燃料噴射弁１７に対して燃料の霧化
に十分な距離Ｄ２にある。
【００１５】燃料噴射弁１７の中心線Ｌ２の傾斜角度θ
４は天井面１２ａの傾斜角度θ１と略等しいかやや大き
く設定されており、燃料噴射弁１７から噴射される燃料
が天井面１２ａに付着することを軽減している。
４は天井面１２ａの傾斜角度θ１と略等しいかやや大き
く設定されており、燃料噴射弁１７から噴射される燃料
が天井面１２ａに付着することを軽減している。
【００１６】また、燃料噴射弁１７は、その中心線Ｌ２
がシリンダ内を通過しないように配置されており、これ
でシリンダヘッド４のスキッシュエリア１９とピストン
６の頭部６ａとの間に燃料が入り込み、この燃料が所定
の点火時期からづれたタイミングで着火することがない
ようにして耐ノック性の向上を図っている。さらに、シ
リンダヘッド４には、図１及び図２に示すように、燃焼
室１２の一部をなす凹部１２０の周りにスキッシュエリ
ア１９があり、燃料噴射弁１７が設けられた一端側１２
ｂのスキッシュエリア１９より、燃料噴射弁１７の噴射
方向の他端側１２ｃのスキッシュエリア１９が小さくも
しくはスキッシュエリアを設けないことで、スキッシュ
エリア１９とピストン６の頭部６ａとの間に入り込む燃
料の量を一層少なくして耐ノック性の一層の向上を図っ
ている。
がシリンダ内を通過しないように配置されており、これ
でシリンダヘッド４のスキッシュエリア１９とピストン
６の頭部６ａとの間に燃料が入り込み、この燃料が所定
の点火時期からづれたタイミングで着火することがない
ようにして耐ノック性の向上を図っている。さらに、シ
リンダヘッド４には、図１及び図２に示すように、燃焼
室１２の一部をなす凹部１２０の周りにスキッシュエリ
ア１９があり、燃料噴射弁１７が設けられた一端側１２
ｂのスキッシュエリア１９より、燃料噴射弁１７の噴射
方向の他端側１２ｃのスキッシュエリア１９が小さくも
しくはスキッシュエリアを設けないことで、スキッシュ
エリア１９とピストン６の頭部６ａとの間に入り込む燃
料の量を一層少なくして耐ノック性の一層の向上を図っ
ている。
【００１７】さらに、燃料噴射弁１７は排気通路１３側
に位置しているが、その噴射方向が排気方向ＥＸに対し
て所定の角度θ２をもっており、噴射される燃料が排気
通路１３から未燃焼で排気される吹き抜けを軽減してい
る。
に位置しているが、その噴射方向が排気方向ＥＸに対し
て所定の角度θ２をもっており、噴射される燃料が排気
通路１３から未燃焼で排気される吹き抜けを軽減してい
る。
【００１８】また、一対の点火プラグ１８は燃料噴射弁
１７の中心線Ｌ２に対して対称位置に配置され、拡散し
ようとする燃料を両側から挟む位置にあり、燃料の着火
を円滑に行なうことができるようになっている。また、
一対の点火プラグ１８はそれぞれシリンダ軸線Ｌ１方向
に対して所定角度θ３傾斜させて取付けてある。
１７の中心線Ｌ２に対して対称位置に配置され、拡散し
ようとする燃料を両側から挟む位置にあり、燃料の着火
を円滑に行なうことができるようになっている。また、
一対の点火プラグ１８はそれぞれシリンダ軸線Ｌ１方向
に対して所定角度θ３傾斜させて取付けてある。
【００１９】このように、燃料噴射弁１７から噴射され
る燃料の噴射方向に進むに従って燃焼室１２が狭くなっ
ており、しかもその狭くなっている部分に点火プラグ１
８の放電部１８ａが臨んでいるから、燃料噴射量の少な
い領域、例えばアイドリングや低負荷時等において燃料
の拡散が少なくなり、燃料が十分に霧化したところで確
実に着火できる。
る燃料の噴射方向に進むに従って燃焼室１２が狭くなっ
ており、しかもその狭くなっている部分に点火プラグ１
８の放電部１８ａが臨んでいるから、燃料噴射量の少な
い領域、例えばアイドリングや低負荷時等において燃料
の拡散が少なくなり、燃料が十分に霧化したところで確
実に着火できる。
【００２０】従って、燃料噴射量の少ない領域、例えば
アイドリングや低負荷時の運転を維持するのに必要最小
限最の噴射量であるエンジン要求最低噴射量で失火なく
燃焼させることができ、アイドリングや低負荷運転が安
定すると共に、排気ガス中の炭化水素（ＨＣ）が低減す
る。
アイドリングや低負荷時の運転を維持するのに必要最小
限最の噴射量であるエンジン要求最低噴射量で失火なく
燃焼させることができ、アイドリングや低負荷運転が安
定すると共に、排気ガス中の炭化水素（ＨＣ）が低減す
る。
【００２１】なお、図１及び図２に仮想線で示すよう
に、左右の点火プラグ１８の間に１個の点火プラグ１８
を追加して、合計３個設けても良い。また、左右の点火
プラグ１８の間に１個の点火プラグ１８を設け、左右の
点火プラグ１８の内いずれかを廃止しても良い。
に、左右の点火プラグ１８の間に１個の点火プラグ１８
を追加して、合計３個設けても良い。また、左右の点火
プラグ１８の間に１個の点火プラグ１８を設け、左右の
点火プラグ１８の内いずれかを廃止しても良い。
【００２２】図６及び図８は点火プラグの配置のさらに
他の実施例を示し、図６は燃焼室の拡大図、図７はシリ
ンダヘッドの燃焼室の底面図、図８は図７のVIIIーVIII
断面図である。
他の実施例を示し、図６は燃焼室の拡大図、図７はシリ
ンダヘッドの燃焼室の底面図、図８は図７のVIIIーVIII
断面図である。
【００２３】この実施例では燃焼室１２に２個の点火プ
ラグ１８がシリンダ軸線Ｌ１上と、シリンダ軸線Ｌ１よ
りも燃焼室１２の他端側１２ｃ寄りに設けられており、
この両点火プラグ１８の放電部１８ａはシリンダ軸線方
向視において燃料噴射弁１７の中心線Ｌ２上に位置して
いる。
ラグ１８がシリンダ軸線Ｌ１上と、シリンダ軸線Ｌ１よ
りも燃焼室１２の他端側１２ｃ寄りに設けられており、
この両点火プラグ１８の放電部１８ａはシリンダ軸線方
向視において燃料噴射弁１７の中心線Ｌ２上に位置して
いる。
【００２４】燃料噴射弁１７に近い位置の点火プラグ１
８はアイドリングまたは極低負荷（スロットル弁が約１
／５開度以下）時に使用し、燃料噴射弁１７から遠い他
端側１２ｃに設けられた点火プラグ１８はそれ以外の負
荷領域で使用する。
８はアイドリングまたは極低負荷（スロットル弁が約１
／５開度以下）時に使用し、燃料噴射弁１７から遠い他
端側１２ｃに設けられた点火プラグ１８はそれ以外の負
荷領域で使用する。
【００２５】この実施例では、燃焼室１２の凹部１２０
が燃料噴射弁１７から両方の点火プラグ１８側に行くに
従って、シリンダに近付くように傾斜しているため、燃
料の拡散を防止して確実に着火できる。
が燃料噴射弁１７から両方の点火プラグ１８側に行くに
従って、シリンダに近付くように傾斜しているため、燃
料の拡散を防止して確実に着火できる。
【００２６】また、燃料噴射弁１７から噴射された燃料
は、燃料噴射領域Ｓ内で必ずしも均一に分布しているの
ではなく、燃料噴射弁１７の精度等により不均一に分布
している場合がある。この場合、燃料噴射量の特に少な
いアイドリングまたは極低負荷領域では、燃料噴射弁１
７から離れるほど燃料噴射弁１７の中心線Ｌ２に対す
る、噴射された燃料のずれが大きくなることが考えられ
る。
は、燃料噴射領域Ｓ内で必ずしも均一に分布しているの
ではなく、燃料噴射弁１７の精度等により不均一に分布
している場合がある。この場合、燃料噴射量の特に少な
いアイドリングまたは極低負荷領域では、燃料噴射弁１
７から離れるほど燃料噴射弁１７の中心線Ｌ２に対す
る、噴射された燃料のずれが大きくなることが考えられ
る。
【００２７】しかしながら、この実施例においてアイド
リング、極低負荷域では燃料噴射弁１７に近い点火プラ
グ１８を使用しているので、中心線Ｌ２に対して噴射さ
れた燃料のずれが小さいうちに確実に着火できる。この
場合、燃料噴射弁１７と点火プラグ１８との距離は近く
になるが、中負荷域に比べて燃料噴射時期が遅角してい
るので、燃焼室１２内の空気が圧縮されてその温度が上
昇した時点で燃料を噴射することになり、燃料の霧化が
悪化することはなく、確実に着火できる。
リング、極低負荷域では燃料噴射弁１７に近い点火プラ
グ１８を使用しているので、中心線Ｌ２に対して噴射さ
れた燃料のずれが小さいうちに確実に着火できる。この
場合、燃料噴射弁１７と点火プラグ１８との距離は近く
になるが、中負荷域に比べて燃料噴射時期が遅角してい
るので、燃焼室１２内の空気が圧縮されてその温度が上
昇した時点で燃料を噴射することになり、燃料の霧化が
悪化することはなく、確実に着火できる。
【００２８】このように、この発明においては燃焼室１
２の他端側１２ｃに設けられた点火プラグ１８は必ずし
もアイドリング時に使用しなくてもよく、燃料噴射量の
少ない領域のいずれかで用いていれば良い。
２の他端側１２ｃに設けられた点火プラグ１８は必ずし
もアイドリング時に使用しなくてもよく、燃料噴射量の
少ない領域のいずれかで用いていれば良い。
【００２９】図９はこの筒内噴射２サイクルエンジンの
燃料噴射作動を示す図である。燃料噴射弁１７には常時
空気が供給されており、アイドリングや低負荷等の噴射
燃料量が少ない領域では掃気ポートが閉じて所定のタイ
ミングで燃料と空気との略同時の噴射が行われる。
燃料噴射作動を示す図である。燃料噴射弁１７には常時
空気が供給されており、アイドリングや低負荷等の噴射
燃料量が少ない領域では掃気ポートが閉じて所定のタイ
ミングで燃料と空気との略同時の噴射が行われる。
【００３０】負荷が増えるに従って、空気と燃料の噴射
開始時期は次第に進角される。そして高負荷領域になる
と、燃料の噴射開始時期のみが進角し、掃気ポートが開
く前から燃料噴射が行われる。
開始時期は次第に進角される。そして高負荷領域になる
と、燃料の噴射開始時期のみが進角し、掃気ポートが開
く前から燃料噴射が行われる。
【００３１】なお、この実施例では燃料噴射弁１７は空
気と燃料を噴射できるものであるが、燃料のみを噴射す
るものでもよい。また、燃焼室１２の天井面１２ａは一
様に傾斜している必要はなく、一端側１２ｂから他端側
１２ｃに向かうに従ってシリンダに近づくように全体と
して傾斜していれば良い。即ち、その一部がシリンダ軸
線Ｌ１と直交するようになっていても良い。
気と燃料を噴射できるものであるが、燃料のみを噴射す
るものでもよい。また、燃焼室１２の天井面１２ａは一
様に傾斜している必要はなく、一端側１２ｂから他端側
１２ｃに向かうに従ってシリンダに近づくように全体と
して傾斜していれば良い。即ち、その一部がシリンダ軸
線Ｌ１と直交するようになっていても良い。
【００３２】
【発明の効果】前記のように、この発明は、シリンダの
シリンダ軸線を縦向きとして、燃焼室の一部をなす凹部
の天井面の高さを一端側から他端側に向うに従ってシリ
ンダに近付くように傾斜させ、かつ天井面の幅を一端側
から他端側に向うに従って狭くなるように形成したか
ら、燃焼室の一端側に設けられた燃料噴射弁の作動で燃
料が燃焼室に噴射されると、この燃料は他端側に向って
高さも幅も次第に狭くなる凹部によってこの一端側から
他端側に導かれ燃料の拡散が抑えられるため、燃焼室の
他端側に放電部を臨ませて設けられた点火プラグの作動
で、アイドリングや低負荷時の燃料噴射量の少ない領域
においても、エンジン要求最低噴射量で確実に着火でき
る。
シリンダ軸線を縦向きとして、燃焼室の一部をなす凹部
の天井面の高さを一端側から他端側に向うに従ってシリ
ンダに近付くように傾斜させ、かつ天井面の幅を一端側
から他端側に向うに従って狭くなるように形成したか
ら、燃焼室の一端側に設けられた燃料噴射弁の作動で燃
料が燃焼室に噴射されると、この燃料は他端側に向って
高さも幅も次第に狭くなる凹部によってこの一端側から
他端側に導かれ燃料の拡散が抑えられるため、燃焼室の
他端側に放電部を臨ませて設けられた点火プラグの作動
で、アイドリングや低負荷時の燃料噴射量の少ない領域
においても、エンジン要求最低噴射量で確実に着火でき
る。
【００３３】また、燃料噴射弁の中心線の傾斜角度を凹
部の天井面の傾斜角度と略等しいかやや大きく設定さ
せ、且つ中心線の延長が凹部の他端側と交差させると共
に、他端側であって燃料噴射弁の噴射範囲に点火プラグ
の放電部を臨ませたから、噴射された燃料が凹部の天井
面に付着するのを軽減できるばかりかスキッシュエリア
とピストンの頭部との間に燃料が入り込み、この燃料が
所定の点火時期からづれたタイミングで着火することを
防止でき、耐ノック性が向上する。
部の天井面の傾斜角度と略等しいかやや大きく設定さ
せ、且つ中心線の延長が凹部の他端側と交差させると共
に、他端側であって燃料噴射弁の噴射範囲に点火プラグ
の放電部を臨ませたから、噴射された燃料が凹部の天井
面に付着するのを軽減できるばかりかスキッシュエリア
とピストンの頭部との間に燃料が入り込み、この燃料が
所定の点火時期からづれたタイミングで着火することを
防止でき、耐ノック性が向上する。
【００３４】また、点火プラグが設けられた他端側のス
キッシュエリアを他のスキッシュエリアより小さくもし
くは無しとしたから、スキッシュエリアとピストンの頭
部との間に入り込む燃料の量が一層少なくなり、耐ノッ
ク性が一層向上する。
キッシュエリアを他のスキッシュエリアより小さくもし
くは無しとしたから、スキッシュエリアとピストンの頭
部との間に入り込む燃料の量が一層少なくなり、耐ノッ
ク性が一層向上する。
【図１】筒内噴射２サイクルエンジンの縦断面図であ
る。
る。
【図２】図１のIIーII断面図である。
【図３】燃焼室の拡大図である。
【図４】シリンダヘッドの燃焼室の底面図である。
【図５】図４のV ーV 断面図である。
【図６】燃焼室の拡大図である。
【図７】シリンダヘッドの燃焼室の底面図である。
【図８】図７のVIIIーVIII断面図である。
【図９】この筒内噴射２サイクルエンジンの燃料噴射作
動を示す図である。
動を示す図である。
１ 筒内噴射２サイクルエンジン ２ クランクケース ３ シリンダボディ ４ シリンダヘッド ６ ピストン １２ 燃焼室 １２ａ 天井面 １２ｂ 一端側 １２ｃ 他端側 １７ 燃料噴射弁 １８ 点火プラグ
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 ＦＩ Ｆ０２Ｐ 13/00 ３０３ Ｆ０２Ｐ 13/00 ３０３Ａ (56)参考文献 特開 昭52−53110（ＪＰ，Ａ) 特開 昭48−65307（ＪＰ，Ａ) 実開 昭51−65112（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭51−65111（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭48−70017（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F02B 23/10 F02B 25/16 F02M 61/14 F02P 13/00
Claims (1)
- 【請求項１】シリンダ内を往復動するピストンの頭部と
シリンダとシリンダヘッドとで形成される燃焼室に燃料
を噴射する燃料噴射弁と、この燃焼室の燃料に点火する
点火プラグを備える筒内噴射２サイクルエンジンにおい
て、 前記シリンダヘッドに燃焼室の一部をなす凹部を設け、 前記シリンダのシリンダ軸線を縦向きとして、前記凹部
の天井面の高さを一端側から他端側に向うに従って前記
シリンダに近付くように傾斜させ、かつ天井面の幅を前
記一端側から他端側に向うに従って狭くなるように形成
し、 前記凹部の一端側に他端側に向って燃料を噴射する燃料
噴射弁を設け、 この燃料噴射弁の中心線の傾斜角度を前記凹部の天井面
の傾斜角度と略等しいかやや大きく設定させ、且つ前記
中心線の延長が前記凹部の他端側と交差させると共に、 他端側であって前記燃料噴射弁の噴射範囲に前記点火プ
ラグの放電部を臨ませ、 前記点火プラグが設けられた他端側のスキッシュエリア
を他のスキッシュエリアより小さくもしくは無しとした
ことを特徴とする筒内噴射２サイクルエンジン。
Priority Applications (2)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03692091A JP3252196B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 筒内噴射２サイクルエンジン |
| US07/814,865 US5163396A (en) | 1991-02-06 | 1991-12-30 | Combustion chamber for injected engine |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP03692091A JP3252196B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 筒内噴射２サイクルエンジン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04365928A JPH04365928A (ja) | 1992-12-17 |
| JP3252196B2 true JP3252196B2 (ja) | 2002-01-28 |
Family
ID=12483199
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP03692091A Expired - Fee Related JP3252196B2 (ja) | 1991-02-06 | 1991-02-06 | 筒内噴射２サイクルエンジン |
Country Status (2)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US5163396A (ja) |
| JP (1) | JP3252196B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| US5327864A (en) * | 1993-03-08 | 1994-07-12 | Chrysler Corporation | Stratified-charge internal combustion engine with fuel injection and dual ignition |
| US5692468A (en) * | 1995-07-25 | 1997-12-02 | Outboard Marine Corporation | Fuel-injected internal combustion engine with improved combustion |
| DE19527550A1 (de) * | 1995-07-27 | 1997-01-30 | Ficht Gmbh | Verfahren zum Steuern des Zündzeitpunktes bei Brennkraftmaschinen |
| JPH09280053A (ja) * | 1996-04-16 | 1997-10-28 | Kioritz Corp | ２サイクルエンジン |
| US6435159B1 (en) * | 2000-05-10 | 2002-08-20 | Bombardier Motor Corporation Of America | Fuel injected internal combustion engine with reduced squish factor |
| US7278382B1 (en) * | 2006-05-25 | 2007-10-09 | Suzuki Motor Corporation | Water-cooled two-cycle engine |
| WO2008140036A1 (ja) * | 2007-05-09 | 2008-11-20 | Cd-Adapco Japan Co., Ltd. | ４サイクルエンジン |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US2988067A (en) * | 1957-06-12 | 1961-06-13 | Bottger Josef | Arrangement of fuel jets within an open combustion space of a compression ignition engine |
| IT1118641B (it) * | 1979-05-22 | 1986-03-03 | Fiat Ricerche | Motore a combustione interna ad accensione comandata e a iniezione di benzina nel cilindro |
| FR2617240B1 (fr) * | 1987-06-26 | 1992-10-02 | Inst Francais Du Petrole | Dispositif et methode d'introduction sous pression de melange carbure dans le cylindre d'un moteur |
| JPH0826772B2 (ja) * | 1988-02-26 | 1996-03-21 | トヨタ自動車株式会社 | 火花点火筒内噴射エンジン |
| US4844025A (en) * | 1988-09-29 | 1989-07-04 | Brunswick Corporation | Dual spark plug combustion chamber |
| JPH03156122A (ja) * | 1989-08-14 | 1991-07-04 | Yamaha Motor Co Ltd | 並列多気筒２サイクルエンジンの排気制御弁装置 |
| US5105795A (en) * | 1990-06-13 | 1992-04-21 | Yamaha Hatsudoki Kabushiki Kaisha | Fuel injection system for engine |
-
1991
- 1991-02-06 JP JP03692091A patent/JP3252196B2/ja not_active Expired - Fee Related
- 1991-12-30 US US07/814,865 patent/US5163396A/en not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| US5163396A (en) | 1992-11-17 |
| JPH04365928A (ja) | 1992-12-17 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |