JP2960665B2 - 耐熱性材料およびその製造方法 - Google Patents

耐熱性材料およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン、ジェッ
トエンジンなどの動翼、静翼ならびに燃焼器などの高温
被曝用部材、あるいはデイーゼルエンジン、ボイラ、加
熱炉などの高温被曝用部材などとして好適に用いられる
耐熱性材料およびそれの製造方法に関し、とくに、耐剥
離性に優れた耐熱性の改質複合皮膜を具える耐熱性材料
に関しての提案である。
【0002】
【従来の技術】ガスタービン、ジェットエンジン、デイ
ーゼルエンジンあるいはボイラなどの高温プラントで
は、化石燃料の燃焼ガス温度が高いほど、運転効率が上
がり、燃料の有効利用にもなるので、プラントの高温化
研究が精力的に行われている。これに伴い、プラントを
建設するために用いられる部材(金属材料)について
も、耐熱性, 耐高温環境性への要求が一段と高まり、そ
の対策として、次のような技術が開発され、広く採用さ
れている。 (1) 高温被曝部材を空気あるいは水蒸気などによって効
果的に冷却し、部材の機械的強度の低下を防止する。 (2) 高温被曝部材の表面を耐熱性を有するセラミックス
等を被覆して断熱し、さらに冷却して部材の機械的強度
と耐酸化性の低下を防止する。
【0003】本発明は、前記(2) の耐高温被覆に関連す
る改善提案であるが、この分野については、従来、次の
ような技術が提案されている。すなわち、ガスタービ
ン、ジェットエンジンなどの動翼、静翼および燃焼器、
ディーゼルエンジンのピストンクラウン、ボイラのバー
ナディフューザコーンなどの高温被曝用部材に対して
は、予め耐熱性, 耐酸化性を有するNi, Cr, Alあるいは
Coなどを主成分とする合金をアンダーコートとして溶射
し、その上に耐熱性、高融点(2900 ℃) 、低熱伝導性を
有する、例えば、ZrO2系セラミックスを溶射する方法な
どが採用されている( 例えば、特開昭55−112805号公
報) 。
【0004】上述したZrO2系セラミック溶射被覆層は多
孔質であるため、断熱効果が大きく、 100〜300 μm程
度の膜厚でも、母材の被曝温度を50℃前後低下させる効
果がある。しかしながら、このZrO2系セラミック溶射皮
膜に生成している多数の孔は逆に、燃焼ガス中に含まれ
る腐食成分( Na2SO4, SOx , V2O5, NaClなど) の内部侵
入を許し、アンダーコートの酸化消耗を促して、最終的
にはアンダーコートとZrO2系セラミック溶射被覆層の接
合強度を低下させ、ひいては上層部の剥離を招いて、熱
遮蔽被覆層としての本来的機能を消失させる原因となっ
ている。
【0005】これを防止する対策として、従来、アンダ
ーコートの表面(ZrO2系セラミック溶射被覆層との接合
面)に、耐酸化性Al2O3 皮膜を形成することによって、
ZrO2系セラミック溶射被覆層との結合力を向上させる方
法が、特開昭62−211388号公報、特開昭62−211390号公
報で提案している。さらに、アンダーコートの表面をAl
拡散浸透処理を行ってAl濃度を高め、これを酸化するこ
とによってAl濃度の高い酸化皮膜を積極的に形成し、Zr
O2系セラミック溶射被覆層との密着性を向上させる方法
(特開昭62−211387号公報)が提案されている。
【0006】以上は、アンダーコート表面にAlを主成分
とする酸化皮膜を形成することによってZrO2系セラミッ
クス溶射被覆層との密着性の向上を図る方法であるが、
ZrO2系セラミック溶射被覆層の空隙部に金属や酸化物を
充填して、腐食成分の内部侵入を防止する方法も、特開
平4−143262号公報、特開平4−147960号公報によって
提案されている。
【0007】しかし、このような方法を施したとして
も、アンダーコートの金属層と酸化物セラミック溶射被
覆層のように、両者の比熱, 熱膨張係数, 熱伝導率, ヤ
ング率などの諸性質が甚だしく相違する場合、これらの
境界面では、加熱, 冷却が繰返されると、その都度大き
な剪断応力が発生するため、やがて互いに剥離すること
になる。
【0008】このような二層構造を有する熱遮蔽被覆層
のもつ欠点を補う方法として、従来、アンダーコートに
使用する耐熱合金とセラミック成分の配合比を、母材側
ほど耐熱合金成分を多くし、外側ほどセラミックスの量
を多くした、いわゆる配合比率を連続して変化させる方
法(特開昭62−156938号公報)が提案されている。この
ような傾斜配合被覆は、加熱, 冷却の繰返しに伴う剪断
応力の発生に対しては強い抵抗力を発揮するものの、燃
焼ガス中の腐食成分の作用に対しては、合金成分の酸化
消耗が早く、化学反応に対して極めて弱いという欠点が
あった。
【0009】さらに、従来から提案されている熱遮蔽被
覆層は、二層構造および多層構造(含む傾斜配合型)と
も、その適用部がガスタービン, ジェットエンジンなど
の静翼や燃焼器内筒のような, 高温被曝部であっても静
的な場所に限定され、動翼のように音速以上の回転運動
をするような場所には被覆層が剥離するために適用され
ていない。また、試験的に使用されても、静的な場所に
比較し、動的な環境では被覆層の寿命が甚だしく短いた
め、実用化されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の傾斜配合型の熱遮蔽被覆層では、最外層は 100%ZrO2
系セラミックスとなるが、この層は非常に多孔質である
ため、燃焼ガス中に含まれている腐食成分が容易に空隙
部内へ侵入する。また、100 %ZrO2系セラミックスから
なる領域下では、傾斜配合にすると、ZrO2系セラミック
スの量に比べて耐熱合金成分の割合が非常に少なくな
り、しかも、その分布が点在状態となるために、腐食成
分による侵食が合金粒子の全周に及ぶと同時にその消耗
速度も非常に速くなる傾向がある。さらに、腐食成分に
よって酸化消耗した前記耐熱合金粒子は、ZrO2系セラミ
ック粒子との結合力が低下するので熱衝撃に対しても弱
くなり、被覆層は外層部から剥離しはじめ、次第に内部
へ波及拡大し、遂には全被覆層が剥離して、その機能を
完全に消失することとなるのである。本発明の狙いは、
こうした問題点を克服するのに有効な技術を開発するこ
とにある。
【0011】以上説明したように、現在使用されている
傾斜配合型熱遮蔽被覆層は、耐酸化性と耐高温腐食性に
乏しいうえ、とくに使用環境がガスタービン動翼のよう
に高速回転運動を伴う場所での使用では寿命は著しく短
いという問題点があった。そこで、本発明の目的は、耐
熱性合金とZrO2系セラミックスとからなる前記被覆層の
耐酸化性と耐高温腐食性とを共に向上させることができ
るとともに、合金とZrO2系セラミックスとの相互結合力
(密着力)を高めて、該被覆層の耐剥離性能をも改善し
て皮膜寿命の向上を図ることにある。本発明の他の目的
は、金属製基材の表面に、耐熱合金とZrO2系セラミック
スとからなる複合皮膜の有利な改質(耐酸化性, 耐高温
腐食性, 耐剥離性)方法を提案することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述したよう
な問題点を有する従来型の熱遮蔽被覆層の性能を改善す
るため、次のような解決手段、即ち、耐熱合金とZrO2
セラミックスとを均一に混合してなる混合物を溶射した
混合溶射層の表面から金属Al微粒子を 600〜1200℃に加
熱してAl拡散浸透処理(金属Al蒸気の拡散浸透も含む)
を行う点に特徴を有する。 (1) このような処理を行うと、まず微細な金属Al微粒子
を多孔質な混合物溶射層の最外層部を通って、それの内
部へ容易に侵入させることができる。なお、この金属Al
微粒子の拡散は、Al濃度が表面ほど高く(約35wt%)、内
部にいくに従って低濃度となる逆傾斜型の組成分布とな
る。 (2) 内部へ侵入した金属Al微粒子は、さらに耐熱合金粒
子の外周部へも付着し、その付着部分をAlリッチ層に変
化させる。この耐熱合金粒子の表面を覆うAlリッチ層
は、酸化雰囲気中では耐酸化性, 耐食性に富んだ緻密な
Al2O3 皮膜を形造っており、前記被覆層の長寿命化に貢
献する。 (3) 同時に、前記被覆層内部へ侵入した金属Al微粒子
は、極めて化学的活性度が高く、耐熱合金粒子とZrO2
セラミック粒子との相互結合力(密着力)を高め、前記
被覆層の耐剥離性能を向上させる。 以上説明したように、前記基材表面を覆う多孔質の複合
皮膜に対しAl浸透拡散処理を行えば、このAlの挙動は、
燃焼ガス中の腐食成分の皮膜内部への侵入挙動と全く同
じであるから、上記のような拡散処理を予め施すことに
よって、このAlによって前記腐食成分の侵入通路が完全
に塞がれ、燃焼ガス腐食に対して強い抵抗力をもつよう
になるのである。
【0013】本発明は正に、上述した皮膜改善メカニズ
ムを利用することによって開発した耐熱性材料とその製
造方法であり、以下にその要旨構成を列挙する。 (1) 金属製基材の表面に、耐熱合金溶射層と、その上に
形成した耐熱合金と部分安定化ZrO2系セラミックスとが
均一分散状態にある混合物溶射層とから構成されてお
り、かつこの混合物溶射層の表層側、とくに空隙部およ
び耐熱合金部に金属Al微粒子を拡散充填してなる改質複
合皮膜を、設けたことを特徴とする耐熱性材料。 (2) 金属製基材の表面に、耐熱合金溶射層と、その上に
耐熱合金と部分安定化ZrO2系セラミックスとが均一分散
状態にある混合物溶射層および、部分安定化ZrO2系セラ
ミックス層とを順次に形成してなり、かつこの部分安定
化ZrO2系セラミックス層および前記混合物溶射層の表層
側、とくに空隙部および耐熱合金部に金属Al微粒子を拡
散充填してなる改質複合皮膜を、設けたことを特徴とす
る耐熱性材料。 (3) 上記混合物溶射層は、耐熱合金と部分安定化ZrO2
セラミックスを、容量%で合金95/セラミックス5〜合
金20/セラミックス80の範囲内で、全体を均一分散状態
になるようにしたことを特徴とする請求項1または2に
記載の耐熱性材料。 (4) 上記金属Al微粒子は、ハロゲン化アルミニウムガス
と水素ガスとの反応によって気相析出する遊離状態の反
応金属Alの微粒子を用いることを特徴とする。 (5) 上記金属Al微粒子は、電子ビーム, プラズマあるい
はレーザを用いた物理的手段を介して蒸発させた金属Al
の蒸気を用いることを特徴とする。 (6) 上記改質複合皮膜は、耐熱合金層が30〜200 μm、
混合物溶射層が 200〜800 μm、部分安定化ZrO2系セラ
ミックス層が0〜300 μmからなり、そして皮膜の表層
側には金属Al微粒子の被覆層が10〜200 μmの厚さに拡
散している構造にしたことを特徴とする。 (7) 上記耐熱合金は、M−Cr−Al−X系耐熱合金(ただ
し、M=Coおよび/またはNi、X=希土類金属)である
ことを特徴とする。
【0014】次に、上記耐熱性材料を製造する方法の構
成について説明する。 (8) 金属製基材の表面に、まず耐熱合金を溶射し、次い
でその上に、耐熱合金と部分安定化ZrO2系セラミックス
とを、容量%で合金95/セラミックス5〜合金20/セラ
ミックス80の範囲内で均一に混合してなる混合物を溶射
し、その後、気相析出させた反応金属Al微粒子もしくは
金属Al蒸気を前記混合物溶射層中に加熱拡散させること
により、該混合物溶射層の表層側に金属Al微粒子が充填
された状態の改質複合皮膜を形成することを特徴とする
耐熱性材料の製造方法。 (9) 金属製基材の表面に、まず耐熱合金を溶射し、次い
でその上に、耐熱合金と部分安定化ZrO2系セラミックス
とを、容量%で合金95/セラミックス5〜合金20/セラ
ミックス80の範囲内で均一に混合してなる混合物を溶射
し、さらにその上に部分安定化ZrO2系セラミックスを溶
射し、その後、気相析出させた反応金属Al微粒子もしく
は金属Al蒸気を前記混合物溶射層中に加熱拡散させるこ
とにより、該混合物溶射層の表面側に金属Al微粒子が充
填された状態の改質複合皮膜を形成することを特徴とす
る耐熱性材料の製造方法。 (10) 金属基材の表面に、耐熱合金を30〜200 μmの厚
みに溶射し、その上に耐熱合金と部分安定化ZrO2系セラ
ミックスとを均一に混合した混合物を 200〜800 μmの
厚みに溶射し、さらに必要に応じて部分安定化ZrO2系セ
ラミックスを0〜300 μmの厚みに溶射して混合物溶射
層を形成し、その後、遊離した金属Al微粒子を前記混合
物溶射層中に加熱拡散させることを特徴とする。 (11) 上記方法において、混合物溶射層もしくは部分安
定化ZrO2系セラミックス層中に金属Al微粒子を充填して
この層の改質層を形成する方法が、金属性基材を、ハロ
ゲン化アルミニウムガスと水素との反応によって化学的
に析出した遊離状態の反応金属Alの微粒子、もしくは電
子ビーム, プラズマあるいはレーザの如き物理的手段に
よって蒸発させた金属Alの蒸気を 600〜1200℃の加熱雰
囲気下に置くことによって拡散処理する方法であること
を特徴とする。 (12) 上記方法において、金属基材の表面に成膜させる
耐熱合金、さらにその上に施工する耐熱合金と部分安定
化ZrO2系セラミックスからなる混合物溶射層の形成に用
いる溶射法は、プラズマジェットもしくは炭化水素の燃
焼フレームを用い、また、最外層を形成する部分安定化
ZrO2系セラミックス層用熱源がプラズマジェットを用い
ることが好ましいが、同じ目的を達成することができる
他の溶射法であってもよい。
【0015】
【作用】一般的な熱遮蔽質の複合皮膜は、耐熱, 耐酸化
合金のM−Cr−Al−X系耐熱合金(ここで、MはCoおよ
び/またはNiである。また、XはY, Hf, Ce, La, Sc,T
hなどの希土類金属である) をアンダーコートとして施
工し、その上に部分安定化ZrO2系セラミックス( 例え
ば、助剤としてY2O3, CaO, MgO, CeO2などを8〜25wt
%添加したZrO2) を溶射して二層構造としたものであ
る。このような二層構造形式の熱遮蔽質複合皮膜では、
物理的および化学的性質の全く異なる層が相対峙して存
在することとなるので、加熱−冷却などの熱的変化を受
けると、例えば、弾性率, 熱伝導率, 熱膨張係数などの
性質が境界面において極端に変化し、この部分に大きな
応力が発生して剥離することとなる。図1(A) はこのよ
うな状態を模式的に示したものである。
【0016】これに対し、ZrO2系セラミックスと上記M
−Cr−Al−X系耐熱合金粒子の配合割合を、例えば、外
側から順に 100%ZrO2系セラミックス、次いで90%ZrO2
−10%M−Cr−Al−X系耐熱合金、さらに80%ZrO2−20
%M−Cr−Al−X系耐熱合金のように内側へ進むに従っ
てZrO2系セラミックスの含有量を少なくし、最下層部を
100%M−Cr−Al−X系耐熱合金のみとなるように成膜
すると、代表的な傾斜配合型(連続変化する場合の他、
段階的に変化する場合の両方を含む)の熱遮蔽質の複合
皮膜となる。このような混合被覆層では、物理的および
化学的性質の異なるZrO2系セラミックスとM−Cr−Al−
X系耐熱合金から構成されてはいても、図1(B)に示すよ
うに、弾性率, 熱伝導率, 熱膨張係数などは、見掛け
上、緩やかな曲線を描いて変化することとなる。このた
め被覆層が急激な加熱・冷却の繰返しを受けたり、強い
振動や応力などの機械的な負荷がかかっても、極めて強
い抵抗力を発揮するようになる。
【0017】しかしながら、化学反応的な見地から、上
記傾斜配合型および段階的配合型の熱遮蔽質混合被覆層
については、なお次のような欠点があった。すなわち、
最外層を構成するZrO2系セラミックスの層は多孔質(通
常10〜25%の空隙率) であるため、実用環境中では空気
や燃焼ガス成分が容易に内部に侵入する。その結果、単
独粒子や小さな粒子塊として存在するM−Cr−Al−X系
耐熱合金は、これらのガス成分と反応する面積が相対的
に多くなり、短期間のうちに酸化したり腐食損耗を受け
る。さらに、こうした反応にともなって体積膨張した
り、M−Cr−Al−X系耐熱合金粒子が崩壊するなどの体
積変化を伴うため、ZrO2系セラミックス粒子との結合力
が低下する。そして、最終的にはこうした混合被覆層は
外層部から早期に剥離が発生し、時間の経過に伴って剥
離や層の局部崩壊が次第に内部へ進行する過程を経て、
やがてその機能を完全に消失するようになる。
【0018】そこでこのような傾斜配合型混合溶射層が
抱えている耐酸化性, 耐高温腐食性に乏しくかつ剥離性
能が悪いという性質を改善するため、本発明では、次の
ような処理を行うことにしたのである。それは、溶射法
で形成した混合物溶射層に対し、この溶射層の外層部が
多孔質であることから、逆にこのことを利用することに
したのである。すなわち、前記混合物溶射層を 600〜11
00℃の高温雰囲気中で、例えば、ハロゲン化アルミニウ
ムガスの気相反応で析出するか、もしくは物理的に蒸発
させた金属蒸気から得られる極めて微細な金属Al微粒子
( 約 0.1μm以下) に接触させ、この微粒子を層中の空
隙内に侵入させ、さらにこの微粒子をM−Cr−Al−X系
耐熱合金粒子やその小塊と接触させてこれを覆うように
すると、次に示すような反応と現象が発生する。
【0019】(1) ハロゲン化アルミニウムガスの気相反
応によって析出する金属Al微粒子や蒸発金属Al微粒子と
接触したM−Cr−Al−X系耐熱合金粒子の表面には、Al
濃度の高い層が形造られ、耐熱合金粒子の耐酸化性, 耐
高温腐食性が向上する。 (2) 混合物溶射層への上記の金属Al微粒子の拡散浸透処
理は高温下で行われるため、M−Cr−Al−X系耐熱合金
粒子の表面に付着した金属Al微粒子は溶融状態であり、
それ故に、隣接するM−Cr−Al−X系耐熱合金粒子とも
容易に冶金結合を行い、強固で耐酸化性, 耐高温腐食性
に富んだ耐熱合金の粒子塊を生成する。 (3) さらに、M−Cr−Al−X系耐熱合金粒子に付着した
金属Al微粒子は溶融状態を呈しているため、ZrO2系セラ
ミックス粒子とも強く結合する。この金属Al微粒子は、
実用環境中においては、緻密でAl濃度の高いAl2O3 を生
成して、M−Cr−Al−X系耐熱合金とZrO2系セラミック
ス粒子の結合剤的役目を果たす。 (4) 上記諸反応は、混合物溶射層が酸化消耗しはじめる
外層部において起こり、次第に内部へ進展する過程を経
るので、腐食性の燃焼ガス成分の侵入径路を閉塞した
り、また狭くする作用をする。その結果、前記燃焼ガス
成分と接触する面積が小さくなり、さらに腐食反応速度
を遅らせることができる。
【0020】以上説明したように、本発明にかかる改質
混合物溶射層は、本来の特徴である機械的強度に加え、
優れた耐酸化性, 耐高温腐食性を兼ね備えた被覆層とな
り、ガスタービン動翼のような環境下においても、長期
間にわたって剥離することなく、その機能を発揮するこ
ととなる。
【0021】次に、本発明にかかる耐熱性材料の製造方
法について、特に金属製基材の表面に形成した混合物溶
射層の空隙部および耐熱合金部に、金属Al微粒子を浸透
し拡散させることにより充填して改質層を形成する方法
(ハロゲン化アルミニウムの気相反応によって析出させ
たものや、蒸発させた微細な金属Al粒子を前記空隙中に
侵入させる方法)について、具体的に説明する。
【0022】図2は、処理容器の外部からハロゲン化ア
ルミニウムガスを導入して金属Al微粒子を気相中に極め
て微小な状態で析出させるとともに、これを前記混合物
溶射層の内部へ侵入させて、空隙内で露出しているM−
Cr−Al−X系耐熱合金の表面に付着させると同時にその
表面を被覆するための装置である。図において、21はNi
基合金製の処理容器、22はハロゲン化アルミニウムガス
導入管、23はアルゴンガス導入管、24は水素ガス導入
管、25はガス排出管であり、それぞれの配設管には供給
あるいは排出調整可能なバルブ2V,3V,4V,5V
を備えている。また、処理容器21全体は、電気炉中に収
容され、外部から加熱されるようになっており、26は処
理容器内の温度計測用の管である。27は被処理体であ
り、多孔質なアルミナ焼結板28が設置できるようになっ
ている。
【0023】この装置を用いて処理する場合は、先ずア
ルゴンガスを導入して処理容器中の空気を完全に系外に
排出した後、ハロゲン化アルミニウムガスを導入する。
このガスは 600〜1200℃において、次のような反応によ
って極めて微小な金属Al微粒子が気相中に析出する。 AlX → Al + X …(1) また、ハロゲン化アルミニウムはガス状態で、被処理体
( 例えば、混合物溶射層の最外層部を構成するZrO2系セ
ラミックス) の空隙部から内部へ侵入し、ここでもM−
Cr−Al−X系耐熱合金成分と反応して金属Al微粒子を生
成し、合金粒子の表面に付着する。 AlX+M → Al +MX …(2) なお、Xはハロゲン元素、Mは、M−Cr−Al−X系耐熱
合金を構成するAl以外の金属元素である。ここで、ハロ
ゲン化アルミニウムガスに水素ガスを添加すると、次の
ような還元反応により金属Al微粒子が析出し、これもM
−Cr−Al−X系耐熱合金の表面に付着する。 AlX+H2 → Al + H2X …(3)
【0024】以上の(1) , (2) , (3) 式によって生成し
た金属Al微粒子は、処理温度が高い(>600 ℃) ため、
直にM−Cr−Al−X系耐熱合金と冶金反応を行って内部
へ拡散し、その表面層に高濃度Al層を形成する。この侵
入したAlがM−Cr−Al−X系耐熱合金の耐酸化性, 耐高
温腐食性を高めるとともに、ZrO2系セラミックスとM−
Cr−Al−X系耐熱合金粒子の結合力を向上させる役目を
果たすこととなる。
【0025】また、図3に示すような装置によっても、
上記金属Al微粒子層の形成処理を行うことができる。図
3において、31はNi基合金製処理容器、32は水素ガス導
入管、33はアルゴンガス導入管、34はガス排出管、35は
処理容器内の温度計測管、36は被処理体、37は浸透剤(
Al(30)−Ni(70)合金粉末70wt% 、アルミナ29wt% 、塩化
アンモン1.0wt% ) である。
【0026】この方法では、アルゴンガスを導入しつつ
処理容器を加熱していくと、先ず 330℃で塩化アンモン
が次のように分解する。 NH4Cl → NH3 + HCl …(4) 次いで、HCl がAl−Ni合金粉末と反応してそれぞれ塩化
物のガスを発生する。 (Al−Ni)合金中のAl+2HCl → AlCl2+H2 …(5) (Al−Ni)合金中のNi+2HCl → NiCl2+H2 …(6) ここで、 NiCl2の蒸気圧は低く、逆に AlCl2のそれは非
常に高いため、 AlCl2は前記(1) および(2) の反応によ
って気相中に金属Alの微粒子を析出する。また、(5) ,
(6) 式の反応によって発生する水素ガスによって金属Al
微粒子が気相中に析出するが、水素ガスを導入すると前
記(3) によっても金属Al微粒子が多量に析出するので、
これらの金属Al微粒子を前記混合物溶射層の空隙中に侵
入させて、空隙中に露出するM−Cr−Al−X耐熱合金粒
子と接触させる。
【0027】なお、上記の処理において用いるハロゲン
元素としては、塩素以外に弗素, 臭素, 沃素なども使用
できるが、安全, 衛生および環境公害の点から考慮すれ
ば、塩素を塩化物の形で使用することが望ましい。
【0028】上記の反応金属Al微粒子によるAl拡散浸透
処理の温度は、 600〜1200℃が適しており、 600℃より
低いとハロゲン化アルミニウムの蒸気圧が低くなって反
応に長時間を要し、実用的でない。一方、1200℃を超え
る高温では母材となる金属材料の結晶が粗大化し、機械
的性質が甚だしく低下する。このAl拡散浸透処理の時間
は、0.5 〜20時間が適しており、0.5 時間より短いとア
ルミニウム拡散浸透処理効果が不十分であり、一方、20
時間を超えると処理効果は十分得られるものの、処理コ
ストの増大を招くので不利である。
【0029】以上は化学反応によって気相中に析出する
微細な反応型金属Al微粒子の前記混合物溶射層への拡散
の様子について述べたが、このことから明らかなよう
に、微細な金属Al微粒子を生成する方法であれば、上述
した化学反応を伴わなくても本発明製造方法を実施する
ことができる。例えば、電子ビームやレーザー根プラズ
マなどの方法によって金属Alの蒸気を蒸発させると、前
記混合物溶射層表面に達するとき、粒径0.1 μm以下の
微細な金属Al微粒子が生成するので、この微粒子を利用
することができる。この場合の拡散処理の条件は、前記
化学反応による気相析出と同じように、600 〜1200℃の
温度範囲で 0.5〜20時間処理する。
【0030】例えば、図4は、物理的に発生させた金属
Alの蒸気から微細な金属Al粒子を付着させる装置の概要
を示したものである。この装置は、真空容器41、直流電
源42、真空ポンプ43などが容器外に設けられ、容器内に
は電子ビーム発生装置44、水冷るつぼ45内に蒸着用の金
属Al塊46が配設され、その直上に被処理体 (試験片)47
が取付けられるようになっている。この被処理体47は、
加熱器48によって所定の温度に加熱することができる。
なお、49は必要に応じて容器外から不活性ガス(Ar)を導
入するための配管であり、50は電子ビーム発生装置から
蒸着用の金属Al塊へ電子ビームが照射している状態を示
したものである。
【0031】この装置の運転は、先ず真空ポンプを運転
して、容器内の真空度を1×10-5〜10Paとした後、電子
ビームを発生させて金属Alを加熱してこれを蒸発させ、
真上に取付けられた被処理体の表面に付着させる。蒸発
する金属Al蒸気の量と粒子径は、電子ビームの発生出力
を変化させることによって制御することができ、また、
蒸発時に直流電源を用いて水冷るつぼを+、被処理体を
−として電圧を負荷させると、蒸発する金属Alの蒸気の
一部はAlイオンとなって被処理体へ付着し、さらに内部
へ侵入させることができる。
【0032】また、本発明は、上述した混合物溶射層の
形成に用いる耐熱合金の溶射材料として、M−Cr−Al−
X系耐熱合金を用いるが、これの化学組成範囲は次のと
おりである。 M成分として、Ni:0〜75 wt%、Co:0 〜70 wt%、Fe:
0〜30 wt% Cr:5 〜70 wt% Al:1 〜29 wt% X成分として、Y:0〜5wt% 、Hf:0〜10 wt% その他必要に応じて、Ta:1〜20 wt%、Si:0.1 〜14 w
t%、B:0〜0.1 wt%、C:0〜0.25 wt%、Mn:0〜10
wt%、Zr:0〜3wt% 、W:0〜5.5 wt% 、Pt:0〜20
wt%を添加してもよい。
【0033】一方、ZrO2系セラミックスとしては、次に
示すようなZrO2の結晶形を安定化させる酸化物を1種以
上含む部分安定化ZrO2を用いることが好ましい。 Y2O3:4〜16 wt% CaO :5〜50 wt% MgO :7〜24 wt% CeO2:10〜25 wt%
【0034】上記耐熱合金溶射層と混合物溶射層の形成
手段としては、プラズマを熱源として大気中もしくは実
質的に酸素を含まない不活性ガスの減圧雰囲気中で行う
方法が適用でき、また、上記耐熱合金溶射層の形成につ
いては、気体や液体の燃料の燃焼炎を熱源とする高速フ
レーム溶射法などを使用することができる。
【0035】さて、本発明において、前記均等配合型混
合物溶射層中に金属Al微粒子を浸透させて得た改質複合
皮膜の最適膜厚は、母材側から (1) 100wt%M−Cr−Al−X系耐熱合金層:30〜200 μm (2) 10〜90vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金/90〜10vol%
ZrO2 :200〜800 μm (3) 100 wt% ZrO2 (結晶型制御成分を含む) :0〜300
μm である。ただし、上記において、M−Cr−Al−X系耐熱
合金とZrO2系セラミックスとの配合比を容量比としたの
は、溶射材料の混合調整が容易なうえ、熱伝導率、膨張
係数などの物性値の変化が、その体積比によって制御可
能との知見を得たためである。なお、アンダーコートと
して成膜するM−Cr−Al−X系耐熱合金による耐熱合金
溶射層の厚さは、30μmより薄いとアンダーコートとし
ての機能に乏しく、一方、200 μmより厚いとアンダー
コートとしての役目は果たすものの経済的でないので30
〜200 μmの範囲とする。
【0036】また、中間層を形成するM−Cr−Al−X系
耐熱合金とZrO2系セラミックスとからなる混合物溶射層
の厚さは、200 μmより薄いとこの層を設けることの効
果が少なく、また、800 μmより厚い場合には物理的な
効果は十分であっても経済的でなく、また、余り厚くす
ると動的環境で使用する場合、溶射粒子間から剥離する
可能性が大きい。
【0037】また、必要に応じて最外層部を構成させる
ZrO2系セラミックス層は、その下に形成したM−Cr−Al
−X系耐熱合金とZrO2系セラミックスからなる混合物溶
射層の厚さが大きい場合(300μm以上) は特に必要とし
ない。しかし、被曝条件が非常に厳しい場合には、最外
層を形成した方が断熱効果がよい。ただし、300 μmよ
り厚い場合は最外層のみが剥離し易くなる欠点がある。
【0038】なお、本発明方法として、溶射皮膜形成
後、Al拡散浸透を施す工程以外に、次に示すような工程
であっても、本発明の効果は期待できる。即ち、 溶射皮膜形成後、1000〜1100℃で 0.5〜10時間熱処
理を行ってから、Al拡散浸透処理を行う。 上記のもしくはの工程を経た後、1000〜1100℃
で 0.5〜10時間、さらにその後 680〜900 ℃で 0.5〜10
時間の熱処理を行う。この方法は、Al拡散処理の熱履歴
による母材金属の機械的強度を回復させることを目的と
して行う処理である。
【0039】
【実施例】
実施例1 本実施例では、Ni基合金の上に、耐熱合金層と均等配合
型混合物溶射層とを形成し、さらにその上からアルミニ
ウム拡散浸透処理を施して改質複合皮膜を形成した断熱
性材料について、それの耐熱衝撃性を調査した。 1.供試母材(寸法:巾50mm×長 100mm×厚さ5mm) 化学組成;C:0.12wt% 、Cr:15.0wt% 、Co:28.5wt%
、Mo:3.75wt% 、Ti:2.2 wt% 、Al:3.0 wt% 、Fe:
0.7 wt% 、残り:Niwt% 2.溶射材料 2-1 M−Cr−Al−X系耐熱合金の化学組成:10wt% Ni
−56.5wt% Co−25wt%Cr−3.0wt% Al −5.0 wt%Ta −0.5
wt%Y 2-2 ZrO2系セラミックスの化学組成:8wt% Y2O3−92
wt% ZrO2(以下、8YZrO2と略記する。)
【0040】3.被覆の構造(第一層/第二層均等配合
/第三層8YZrO2) 3-1 第一層として前記M−Cr−Al−X系耐熱合金を100
μm厚に施工 3-2 第二層として第一層上に次の配合割合の溶射皮膜
を順次施工 (1) 95vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−5vol% 8YZrO2
50μm (2) 80vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−20vol% 8YZrO2
50μm (3) 60vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−40vol% 8YZrO2
50μm (4) 20vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−80vol% 8YZrO2
50μm 3-3 第三層として 8YZrO2O3 を (1) 0 μm、 (2) 30μm、 (3) 100 μm、(4)
200 μm、 (5) 300μm、 (6) 500 μm、 4.溶射方法 4-1 第一層および第二層は、アルゴンガス分圧 200hPa
(ヘクトパスカル) 中でプラズマ溶射 4-2 第三層は大気中でプラズマ溶射 5.アルミニウム拡散浸透処理 図2の装置を用い、950 ℃×8時間の処理を実施 6.比較例として供試した被覆 アルミニウム拡散浸透処理を行わない上記と同じ被覆構
造を有するもの。
【0041】評価試験方法 熱サイクル試験:1050℃に維持した電気炉中で10分加熱
した後、これを25℃の水中へ投入、これを1サイクルと
して被覆層の剥離状況を観察し、剥離面積が全体の50%
に達するまで実施し、その回数で表示した。試験結果 上記熱サイクル試験結果を図5に取りまとめた。この図
から明らかなように、比較例の被覆層は3〜20サイクル
で第三層を構成する8YZrO2層が剥離した。第三層を有し
ない被覆層においても第二層中の8YZrO2粒子が局部的に
脱落し、この傾向が次第に全体に及ぶ状況にあった。こ
れに対し、本発明にかかるアルミニウム拡散浸透処理を
施した耐熱性改質複合皮膜を形成した場合は、いずれも
良好な耐熱サイクル性を発揮し、40〜50回の熱サイクル
に耐えた。ただ、第三層の8YZrO2層を500 μm厚に施工
したものは20サイクル目でほぼ完全に剥離した。このよ
うな結果から、本発明にかかる耐熱性複合皮膜における
第三層の100% 8YZrO2 層の厚さは、0〜300 μmが適し
ていることが明らかとなった。
【0042】実施例2 実施例1に用いた均等配合型混合物溶射層/アルミニウ
ム拡散浸透処理層からなる改質複合皮膜を用いた本発明
例と、比較例の被覆層を試料としてSO2 ガスを含む雰囲
気中で腐食試験を行い、熱サイクル試験を行って被覆層
の耐食性と耐剥離性を調査した。 1.供試母材: 実施例1と同じ 2.溶射材料: M−Cr−Al−X系耐熱合金, 8YZrO2
も実施例1と同じ 3.被覆層の構造 3-1 第一層として前記M−Cr−Al−X系耐熱合金を100
μm厚に施工 3-2 第二層として第一層の上に次の均等配合の溶射皮
膜を施工 (1) 20vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−80vol% 8YZrO2
50μm (2) 80vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−20vol% 8YZrO2
50μm 3-3 第三層として8YZrO2 (1) 0 μm (2) 100 μm (3) 300 μm 4.溶射方法 4-1 第一層および第二層は、アルゴンガス分圧 180hPa
中でプラズマ溶射 4-2 第三層は大気中でプラズマ溶射 5.アルミニウム拡散浸透処理方法 図3の装置を用い 950℃×8時間の処理を実施 6.比較例の被覆 6-1 アルミニウム拡散浸透処理を行わない上記と同じ
混合物溶射層のみを有するもの。 6-2 前記M−Cr−Al−X系耐熱合金 200μm溶射後、
その上に8YZrO2を 300μm厚施工した二層構造被覆
【0043】評価方法 高温腐食試験:供試被覆を管状の電気炉中に設置し、そ
の後 SO2ガスを1000ppm 含むプロパンの燃焼ガスを1分
間に 500ml送りながら 950℃×300 時間の腐食試験を行
った。 熱サイクル試験:高温腐食試験後の供試被覆を用い、大
気中で1000℃×10min加熱後、これを圧縮空気を直接吹
きつけて 100℃以下になるまで冷却する操作をサイクル
とした試験を行い、被覆層の外観状況を観察した。試験結果 試験結果を表1に示した。比較例としての傾斜配合型被
覆層(No.7, 8, 9, 10) は、高温腐食試験後すでに 1.5
〜2.8 cm2 の小剥離現象が発生したが、二層構造被覆
(No.11)は外観上異常は認められなかった。しかし、高
温腐食試験後熱サイクル試験を行うと、比較例の傾斜配
合型被覆層(No.7,8,9,10)の剥離面積は試験回数毎に増
加し、10〜23サイクルで剥離面積は全体の50%に達し
た。また、二層構造被覆層(No.11)も16サイクルで最外
層部のみが完全に剥離した。このように、高温腐食試験
後やその後の熱サイクル試験において、比較例の被覆層
に剥離が認められたのは、高温状態のSO2 ガスによっ
て、M−Cr−Al−X系耐熱合金成分が腐食され、被覆層
を構成する粒子間結合力が低下したものと考えられる。
これに対し、アルミニウム拡散浸透処理を施した本発明
にかかる均等配合型複合溶射層( No.1〜6)は、M−Cr−
Al−X系耐熱合金粒子がAlの富化によって耐食性が向上
し、高い粒子間結合力を維持することになるため、熱サ
イクル試験後も健全な状態を維持したものと考えられ
る。
【0044】
【表1】
【0045】実施例3 実施例1に用いた本発明にかかる断熱性複合溶射皮膜と
比較例の被覆層を試料として、実機のガスタービン動翼
の運転条件を模擬した環境で動的な加熱, 冷却の熱サイ
クル試験を行った。 1.供試母材: 実施例1と同じ(寸法:直径20mm×長
さ80mm) 2.溶射材料: M−Cr−Al−X系耐熱合金 8YZrO2
も実施例1と同じ 3.被覆層の構造: 実施例2と同じ 4.溶射方法: 実施例2と同じ 5.アルミニウム拡散浸透方法: 実施例2と同じ 6.比較例の被覆: 実施例2と同じ
【0046】評価試験方法 図6に示すような装置を用いて各試料の動的環境下にお
ける耐熱性および耐熱サイクル性能を調査した。すなわ
ちこの装置は、供試被覆層を形成した試験片61を回転台
62に6本取付け、これを回転速度可変型のモータ63によ
ってベルト64を介して回転軸65を回転させる。一方、回
転する試験片に対し固定した燃焼器(バーナー)66を用
いて燃焼ガス67を直接吹き付けるようになっている。こ
の装置によると、試験片上に形成された被覆層は、バー
ナに直接加熱された後、直に冷却されるプロセスを繰返
すこととなるが、バーナからの高速の燃焼ガス(20m/s)
を直接受けるとともに、回転台の運動による機械的な振
動を同時に受けることとなる。本実施例では、回転台の
回転数1分間当たり 300回、燃料としてプロパンを用
い、この中にSO2 が100 ppm となるようにボンベから注
入し、燃焼ガスが直接当たる溶射被覆層の表面温度が10
30〜1060℃の条件で連続5時間試験した。表2はこのと
きの試験結果を取りまとめたものである。動的な環境下
における溶射被覆層の耐熱サイクル性は一般に低く、比
較例の被覆(No7, 8, 9, 10, 11)はすべて剥離が発生し
た。これに対し、本発明にかかる改質複合溶射層(No1,
2, 3, 4, 5, 6) は、変色はするものの被覆は健全な状
態を維持し、この種の動的な環境下においても優れた耐
熱サイクル性を発揮した。
【0047】
【表2】
【0048】実施例4 本発明にかかる断熱性複合溶射層について、この層を構
成するM−Cr−Al−X系耐熱合金およびZrO2系セラミッ
クスの部分安定化成分の異なる溶射材料を用いて成膜し
たものの耐熱サイクル性を調査した。 1.供試母材: 実施例1と同じ 2.溶射材料 2-1 M−Cr−Al−X系耐熱合金の化学組成: (1) 76.5wt% Ni−17.0wt% Cr−6.0wt% Al −0.5wt%Y (2) 63.4wt% Co−23.0wt% Cr−13.0wt% Al−0.6wt%Y 2-2 ZrO2系セラミックスの化学組成 (1) 24wt% MgO −76wt% ZrO2 (以下 24MgO・ZrO2) (2) 10wt% CaO −90wt% ZrO2 (以下 10CaO・ZrO2) (3) 15wt% CeO2−85wt% ZrO2 (以下15CeO2・ZrO2) 3.被覆の構造(第一層/第二層均等配合/第三層x・
ZrO2) 3-1 第一層として前記M−Cr−Al−X系耐熱合金を200
μm厚に施工 3-2 第二層として第一層上に次の配合割合の溶射皮膜
を施工 (1) 50vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−50vol%x・ZrO2
0μm (2) 20vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−80vol%x・ZrO2
50μm (3) 30vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−70vol%x・ZrO2
50μm (4) 50vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−50vol%x・ZrO2
50μm (5) 70vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−30vol%x・ZrO2
50μm (6) 90vol%M−Cr−Al−X系耐熱合金−10vol%x・ZrO2
50μm 3-3 第三層としてx・ZrO2 (1) 0 μm (2) 300 μm 4.溶射方法 4-1 第一層は白灯油を燃料とする高速フレーム溶射法
によって施工 4-2 第二層および第三層は大気プラズマ溶射法によっ
て施工 5.アルミニウム拡散浸透処理 図2の装置を用い 950℃×8時間の処理を実施 6.比較例の被覆 6-1 アルミニウム拡散浸透処理を行わない本発明の被
覆構造を有するもの。 6-2 前記M−Cr−Al−X系耐熱合金 200μm溶射後、
その上にx・ZrO2を 300μm施工
【0049】評価試験方法 実施例1と同じ方法で評価した。試験結果 M−Cr−Al−X系耐熱合金として76.5wt% Ni−17.0wt%
Cr−6.0wt% Al −0.5wt%Yを使用した場合の被覆層の熱
サイクル試験結果を表3に、63.4wt% Co−23.0wt% Cr−
13.0wt% Al−0.6wt%Yを用いた場合の試験結果を表4に
それぞれ示した。これらの結果から明らかなように、比
較例の均等配合型の被覆層は第三層を有しないもの(N
o.7, 9, 11)は比較的良好な耐熱サイクル性を発揮する
が、それでも最高14回で第二層の傾斜配合層部が8〜30
%の範囲で剥離した。また、均等配合層を有しない二層
構造の被覆層(No.13)は、2〜3サイクル後ZrO2層部の
みが完全に剥離し、この耐熱サイクルに対し極めて弱い
ことがわかった。これに対し、本発明のAl拡散浸透処理
を施した傾斜形混合物溶射層(No.1〜6)は、M−Cr−Al
−X系耐熱合金およびx・ZrO2の種類が変化しても優れ
た耐熱サイクル性を発揮し、僅かに第三層を300 μm厚
に形成した被覆層( No. 2, 4, 6)のみ30サイクル試験
後、微小な割れの発生が認められるだけであり、剥離は
全く認められなかった。
【0050】
【表3】
【0051】
【表4】
【0052】実施例5 本実施例では、Ni基合金上に均等配合型の混合物溶射層
を形成した後、真空容器中で電子ビームによって蒸発し
た金属Alの蒸気に曝した後、これを加熱して前記溶射層
の空隙中に侵入させたものをつくり、その耐熱衝撃性を
調査した。 1.供試母材および寸法: 実施例1と同じ 2.溶射材料の種類と組成: 実施例1と同じ 3.被覆の構造: 実施例1と同じ 4.溶射方法: 実施例1と同じ 5.アルミニウムの加熱拡散処理 図4に示した装置を用い、0.1 〜1.0 Paの真空容器中で
出力2KWの電子ビームを用いて金属Alを蒸発させ、その
蒸気中に供試試験片を30分間曝露させた後、同じ容器中
で 800℃×15分間の加熱を行った。 6.評価試験方法: 実施例1と同じ
【0053】試験結果 さきに図4に示したように、金属Alによる加熱・拡散を
施さない被覆層は、No.4〜18サイクルで第三層が剥離す
るが、電子ビーム蒸発であっても微細な金属Alの蒸気中
に被曝し、さらにこれを加熱拡散したものはすべて40回
以上の熱サイクルに耐えることが判明した。ただ、この
実施例においても、第三層の8YZrO2層を500 μm厚に施
工したものは、20サイクルでほぼ完全に剥離した。した
がって、第三層の8YZrO2層の厚さは0〜300 μmが適し
ていることが認められ、改質混合溶射層を処理するため
の微細な金属Al微粒子の生成は、電子ビームによる物理
的な方法によっても可能であることがわかった。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の耐熱性材
料は、化学反応によって析出した金属Al微粒子もしくは
物理的に発生させた蒸気から得られる金属Al微粒子を、
混合物溶射層中に加熱, 拡散させたものであるから、静
的および動的な熱サイクル試験をはじめ、耐高温酸化試
験においても優れた性能を発揮する。従って、このよう
な耐熱性材料は、従来のガスタービン, ジェットエンジ
ンの静翼, 燃焼器内筒などのような静的な状態で使用さ
れている高温被曝部材のみならず、動翼のような高速回
転運動を行う部材に対して十分実用化できる見通しが得
られ、ガスタービンの高温化、高効率化を促進させるこ
とが期待できる。しかも、本発明によれば、混合溶射皮
膜の耐熱性, 耐高温腐食性, 耐剥離性を効果的に改質す
る有利な方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】耐熱合金粒子とZrO2系セラミックス粒子の組成
分布(配合割合)の差による溶射層の構造の模式図。
【図2】実施例1および実施例4で用いたAl拡散浸透処
理装置の概略図。
【図3】実施例2および実施例4で用いたAl拡散浸透処
理装置の概略図。
【図4】実施例5で用いた物理的方法により金属Al粒子
を発生させる装置の概略図。
【図5】実施例1で実施した熱サイクル試験の結果を示
すグラフ。
【図6】実施例3で用いた動的環境下における熱サイク
ル試験を行う装置の概略図。
【符号の説明】
1 ZrO2系セラミックス粒子、2 耐熱合金粒子、3
被覆層の弾性率の変化、4 被覆層の熱伝導率の変化、
5 被覆層の熱膨張係数の変化、21 Ni基合金製処理容
器、22 ハロゲン化アルミニウムガス導入管、23 アル
ゴンガス導入管、24 水素ガス導入管、25 ガス排出
管、26 処理容器内の温度計測管、31 Ni基合金製処理
容器、 32 水素ガス導入管、33 アルゴンガス導入
管、 34 ガス排出管、35 処理容器内の温度計測管、
36 被処理体、37 浸透剤、 41 真空容器、 42
直流電源、43 真空ポンプ、 44 電子ビーム発生装
置、45 水冷坩堝、 46 蒸発用金属Al、47 被処理
体、 48 加熱器、49 不活性ガス導入管、 50 電
子ビーム照射波、61 供試被覆試験片、 62 回転
台、63 回転速度可変型電動機、 64 ベルト、65 回
転軸、 66 燃焼器(バーナー)、67 燃焼ガス

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製基材の表面に、 耐熱合金溶射層と、その上に形成した耐熱合金と部分安
    定化ZrO2系セラミックスとが均一分散状態にある混合物
    溶射層とから構成されており、かつこの混合物溶射層の
    表層側に金属Al微粒子を拡散充填してなる改質複合皮膜
    を、設けたことを特徴とする耐熱性材料。
  2. 【請求項2】 金属製基材の表面に、 耐熱合金溶射層と、その上に耐熱合金と部分安定化ZrO2
    系セラミックスとが均一分散状態にある混合物溶射層お
    よび、部分安定化ZrO2系セラミックス層とを順次に形成
    してなり、かつこの部分安定化ZrO2系セラミックス層お
    よび前記混合物溶射層の表層側に金属Al微粒子を拡散充
    填してなる改質複合皮膜を、設けたことを特徴とする耐
    熱性材料。
  3. 【請求項3】 上記混合物溶射層は、耐熱合金と部分安
    定化ZrO2系セラミックスを、容量%で合金95/セラミッ
    クス5〜合金20/セラミックス80の範囲内で、全体を均
    一分散状態になるようにしたことを特徴とする請求項1
    または2に記載の耐熱性材料。
  4. 【請求項4】 上記金属Al微粒子は、ハロゲン化アルミ
    ニウムガスと水素ガスとの反応によって化学的に析出さ
    せた遊離状態の反応金属Alの微粒子を用いることを特徴
    とする請求項1または2に記載の耐熱性材料。
  5. 【請求項5】 上記金属Al微粒子は、物理的手段を介し
    て蒸発させた金属Alの蒸気を用いることを特徴とする請
    求項1または2に記載の耐熱性材料。
  6. 【請求項6】 上記改質複合皮膜は、耐熱合金層が30〜
    200 μm、続く混合物溶射層が 200〜800 μm、それに
    続く部分安定化ZrO2系セラミックス層が0〜300 μmか
    らなり、そしてこの皮膜の表層側には金属Al微粒子が10
    μm以上の厚さで拡散していることを特徴とする請求項
    1または2に記載の耐熱性材料。
  7. 【請求項7】 上記耐熱合金は、M−Cr−Al−X系耐熱
    合金(ただし、M=Coおよび/またはNi、X=希土類金
    属)であることを特徴とする請求項1〜3および6のい
    ずれか1に記載の耐熱性材料。
  8. 【請求項8】 金属製基材の表面に、まず耐熱合金を溶
    射し、次いでその上に、耐熱合金と部分安定化ZrO2系セ
    ラミックスとを、容量%で合金95/セラミックス5〜合
    金20/セラミックス80の範囲内で均一に混合してなる混
    合物を溶射し、その後、気相析出させた反応金属Al微粒
    子もしくは金属Al蒸気を前記混合物溶射層中に加熱拡散
    させることにより、該混合物溶射層の表層側に金属Al微
    粒子が充填された状態の改質複合皮膜を形成することを
    特徴とする耐熱性材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 金属製基材の表面に、まず耐熱合金を溶
    射し、次いでその上に、耐熱合金と部分安定化ZrO2系セ
    ラミックスとを、容量%で合金95/セラミックス5〜合
    金20/セラミックス80の範囲内で均一に混合してなる混
    合物を溶射し、さらにその上に部分安定化ZrO2系セラミ
    ックスを溶射し、その後、気相析出させた反応金属Al微
    粒子もしくは金属Al蒸気を前記混合物溶射層中に加熱拡
    散させることにより、該混合物溶射層の表面側に金属Al
    微粒子が充填された状態の改質複合皮膜を形成すること
    を特徴とする耐熱性材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 金属基材の表面に、耐熱合金を30〜20
    0 μmの厚みに溶射し、その上に耐熱合金と部分安定化
    ZrO2系セラミックスとを均一に混合した混合物を 200〜
    800 μmの厚みに溶射し、さらに必要に応じて部分安定
    化ZrO2系セラミックスを0〜300 μmの厚みに溶射して
    混合物溶射層を形成し、その後、遊離した金属Al微粒子
    を前記混合物溶射層中に加熱拡散させることを特徴とす
    る請求項8または9に記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記混合物溶射層もしくは上記部分安
    定化ZrO2系セラミックス層中に金属Al微粒子を充填して
    この層の改質層を形成する方法として、金属性基材を、
    ハロゲン化アルミニウムガスと水素との反応によって化
    学的に析出した遊離状態の反応金属Alの微粒子、もしく
    は物理的手段を介して蒸発させた金属Al蒸気を 600〜12
    00℃の加熱雰囲気中に置くことによって拡散処理する方
    法を用いることを特徴とする請求項8または9に記載の
    製造方法。
  12. 【請求項12】 金属基材の表面に成膜させる耐熱合金
    層、さらにその上に施工する耐熱合金と部分安定化ZrO2
    系セラミックスからなる混合物溶射層の形成に用いる溶
    射法は、プラズマジェットもしくは炭化水素の燃焼フレ
    ームを用い、また、最外層を形成する部分安定化ZrO2
    セラミックス層用熱源としてプラズマジェットとするこ
    とを特徴とする請求項8または9に記載の製造方法。
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