JP2960532B2 - モノエポキサイドの重合方法 - Google Patents

モノエポキサイドの重合方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は複合金属シアン化物錯体触媒を使用したモノ
エポキサイドの重合方法に関するものである。
[従来の技術] 従来、アルキレンオキシドなどのモノエポキサイドを
開環反応させる触媒として複合金属シアン化物錯体が知
られている(US 3278457,US 3278458,US 3278459)。こ
のとき用いられる複合金属シアン化物錯体触媒の製造方
法は、US3427256,US 3941849,US 4472560,US 4477589明
細書などにより提案されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記複合金属シアン化物錯体触媒の製造においてはハ
ロゲン化金属塩水溶液にアルカリ金属シアノメタレート
水溶液を滴下することにより、複合金属シアン化物を形
成し、次いで有機配位子を滴下して複合金属シアン化物
錯体触媒を合成している。この触媒を乾燥、粉砕し、こ
れを直ちに、又は常温で保存した後に使用している。し
かし、モノエポキサイドの開環反応における触媒の活性
についての再現性が悪い、保存により活性が低下する等
の欠点を有している。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前述の問題点を解決すべくなされた下記の発
明である。
複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にモノエポキサ
イドを重合する方法において、上記触媒を重合反応に使
用する直前に0℃〜120℃の下、5〜180分間、0.1〜10
/分の流量の不活性ガスで、単位触媒量あたり0.01〜
5.0/gのパージ処理を行うことを特徴とするモノエポ
キサイドの重合方法。
本発明における複合金属シアン下物錯体の製造に用い
られるハロゲン化金属塩の金属として、Zn(II),Fe(I
I),Fe(III),Co(II),Ni(II),Mo(IV),Mo(VI),
Al(III),V(V),Sr(II),W(IV),W(VI),Mn(I
I)およびCrからなる群より1種類、或は2種類以上を
選ぶことが好ましく、Zn(II),Fe(II)を選ぶことが
好ましい。複合金属シアン化物錯体の製造に用いられる
アルカリ金属シアノメタレートのアルカリ金属としてFe
(II),Fe(III),Co(II),Co(III),Cr(III),Mn
(II),Mn(III),V(IV)およびV(V)からなる群よ
り1種類、或は2種類以上を選ぶことが好ましく、Co
(III),Fe(II)を選ぶことが特に好ましい。複合金属
シアン化物錯体の製造に用いられる有機配位子としてエ
ーテル、エステル、アルコール、アルデヒド、ケトン、
アミド、ニトリルおよびスルフィドからなる群より選ぶ
1種類、或は2種類以上の混合配位子を用いることが好
ましく、エーテル、エステルより選ぶことが特に好まし
く、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレン
グリコールジメチルエーテルを選ぶことが最も好まし
い。
パージ処理を行う際のガスとしては、乾燥空気、或い
は乾燥窒素等の不活性ガスを用いる。
本発明において複合金属シアン化物錯体触媒がモノエ
ポキサイドを開環重合させる機構は必ずしも明確になっ
ていないが、複合金属シアン化物の水分含有率が触媒活
性に多大な影響を及ぼしているものと考えられる。上記
の観点より、種々の検討の結果、複合金属シアン化物錯
体は水分含有率が低い状態において、より高活性な触媒
が安定して得られることを見い出した。そこで本発明は
水分含有率を下げるために、上記触媒を重合反応に使用
する直前に、乾燥空気或は乾燥窒素等の不活性ガスによ
ってパージ処理を行い、複合金属シアン化物錯体触媒が
再現性良く高活性を示すという触媒の使用方法を提案す
るものである。
モノエポキシサイドとしては、プロピレンオキシド、
エチレンオキシド、ブチレンオキシドなどの炭素数2〜
4のアルキレンオキサイドが適当であり、これらは2種
以上混合して、あるいは順次に重合させることができ
る。重合は、開始剤と称するヒドロキシ化合物の存在下
に行ってもよい。特に、アルコール性あるいはフェノー
ル性水酸基を1〜8個、特に2〜6個有する開始剤が好
ましい。最も好ましくは、ある程度アルキレンオキシド
が重合したポリオキシアルキレンポリ(あるいはモノ)
オールである。
実施例 [実施例1] 塩化亜鉛とカリウムヘキサシアノコバルテートとエチ
レングリコールジメチルエーテルとにより製造した触媒
4種類(A〜D)を80℃のオーブン中で2時間乾燥後、
めのう乳ばちを用いて粉砕した。上記の触媒を1.0g、ナ
ス形フラスコ(50ml)に取り、2.0/分の流量の乾燥
窒素で20分間パージ処理を行い(窒素量2.0/g)窒素
ガス処理触媒を得た。
上記の触媒を用いてプロピレンオキシドの開環重合を
行うと以下に示す結果が得られた。
[実施例1] 開 始 剤:分子量1000のポリオキシプロピレントリ
オール 触媒添加量:開始剤に対して300ppm 反応温度 :120℃ [実施例2] 塩化亜鉛とカリウムヘキサシアノコバルテートとエチ
レングリコールジメチルエーテルとにより製造した触媒
4種類(E〜H)を80℃のオーブン中で2時間乾燥後、
めのう乳ばちを用いて粉砕した。これをポリエチレン製
のサンプルびんに取り、室温で2か月間保存した。上記
の触媒を50g、フラスコ(500ml)に取り、室温下0.5
/分の流量の乾燥空気で1時間パージ処理を行い(窒素
量0.01/g)、空気処理触媒を得た。
上記の触媒を用いてプロピレンオキシドの開環重合を
行うと以下に示す結果が得られた。
開 始 剤:分子量600のポリオキシプロピレンジオ
ール 触媒添加量:開始剤に対し300ppm 反応温度 :120℃ 比較例 [比較例1] 塩化亜鉛とカリウムヘキサシアノコバルテートとエチ
レングリコールジメチルエーテルとにより製造した実施
例1と同じ触媒を80℃のオーブン中で2時間乾燥後、め
のう乳ばちを用いて粉砕した。上記の触媒を用いてプロ
ピレンオキシドの開環重合を行うと以下に示す結果が得
られた。
開 始 剤:分子量1000のポリオキシプロピレントリ
オール 触媒添加量:開始剤に対して300ppm 反応温度 :120℃ [比較例2] 塩化亜鉛とカリウムヘキサシアノコバルテートとエチ
レングリコールジメチルエーテルとにより製造した実施
例2と同じ触媒を80℃のオーブン中で2時間乾燥後、め
のう乳ばちを用いて粉砕した。これをポリエチレン製サ
ンプルびんに取り、室温下2か月間保存した。これを用
いてプロピレンオキシドの開環重合を行うと以下に示す
結果が得られた。
開 始 剤:分子量1000のポリオキシプロピレンジオ
ール 触媒添加量:開始剤に対し300ppm 反応温度 :120℃ [発明の効果] 本発明は比較的長期に保存した触媒の活性向上の方法
であり、モノエポキサイドの重合開始前に窒素ガス等で
パージすることによりそれを行なわない場合に比較して
高い触媒活性が発揮される。この触媒活性は、たとえば
実施例や比較例に示したように、重合によって到達可能
な重合体の分子量により測定されるものである。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複合金属シアン化物錯体触媒の存在下にモ
    ノエポキサイドを重合する方法において、上記触媒を重
    合反応に使用する直前に0℃〜120℃の下、5〜180分
    間、0.1〜10/分の流量の不活性ガスで、単位触媒量
    あたり0.01〜5.0/gのパージ処理を行うことを特徴と
    するモノエポキサイドの重合方法。
  2. 【請求項2】不活性ガスが、窒素ガス又は乾燥空気であ
    る、請求項1記載の重合方法。
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