JP2960452B2 - ヒト以外の動物内でのヒトの免疫系 - Google Patents

ヒト以外の動物内でのヒトの免疫系

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 この発明は免疫学および腫瘍学に関する。特定的に
は、この発明は生きた実験動物内でのヒトの免疫系機能
の形成に関し、かつ生きた実験動物内に含まれる間のヒ
トのリンパ球内の悪性腫瘍の選択的誘導に関する。
発明の背景 以下に述べる発明の背景に対して、本発明者らによる
次の2つの重要な発見が後述されるが、 (1)供与体動物の免疫系が供与体動物とは異なる種の
受容体動物の生体内で作られ得、受容体動物の生体内で
供与体動物の免疫応答を発生させることができること (2)供与体動物の悪性でない免疫系細胞を異なる種の
受容体動物に注入し、受容体動物を十分な期間飼育すれ
ば、受容体動物の生体内で供与体動物の免疫系細胞の悪
性化が誘導されること 本発明は、薬剤評価、治療薬の開発、免疫合成物の開
発、およびヒトまたは他の動物における免疫系の研究等
のため、特に、供与体動物の免疫系細胞の注入により生
体内に誘発された該供与体動物の免疫応答を示すヒト以
外の受容体動物およびその生産方法を提供するものであ
る。
ヒトの免疫系は、外来性の異物や生物体から人体を保
護する巧妙でかつ複雑な器官系であり、それはまた一方
で生かされた生体移植片の効力を大きく制限する。免疫
系は体内の器官系であり、それは後天性免疫不全症候群
(AIDS)によってひどく損われる。免疫系は、感染を避
け、かつ/または具合が悪い状態から無毒な状態に及ぶ
応答を誘導するために、細胞の軍隊を配列させる。
細胞および分子が関係する、様々な免疫応答の通常の
シーケンスおよび免疫応答を修飾する因子のいくつかは
現在一般的に理解されているが、免疫応答の特異細胞、
促進および抑制因子、および制御に関しては多くがまだ
研究されないままである。
免疫応答は、多かれ少なかれ、典型的にはアレルゲン
または病原体である免疫作因を制するため、および/ま
たは特定の免疫の病原体に対する防御システムを築くた
めに働くいくつかの分子および細胞を含む。骨髄で産生
される好中球は、抗原決定基を保持する外来性の分子お
よび生物体を貪食し、かつ補体系は侵入した外来種に付
着する。マクロファージもまた、身体自体の細胞からの
断片と同様に、外来の分子および細胞を取込み、かつ侵
入物の抗原決定基を表示し、こうして細胞系の他の細胞
組織に対して応答するようにシグナルを発する。
T細胞は或る特異的な抗原を認識する受容体の配列を
保持し、かつT細胞系は一般的に全体の免疫系の鍵とな
る組織の1つを構成する。3つの基本的なT細胞のクラ
スがあり、それらはヘルパーT細胞、サプレッサT細胞
およびキラーT細胞と呼ばれる。ヘルパーT細胞は、マ
クロファージによって放出された蛋白質、インターロイ
キン−1(I1−1)によって再生するように活性化さ
れ、かつそれらは他のT細胞およびB細胞を活性化する
様々なインターロイキンを産生する。キラーT細胞は、
外来性の源からの組織などの或る免疫細胞、寄生体、お
よびウィルスに感染された細胞などの細胞を含む免疫原
を攻撃しかつ破壊する。サプレッサT細胞は、過剰応答
がないように外来性侵入物からの攻撃に対処するように
免疫応答を修飾する。
B細胞は、T細胞に刺激されて、侵入種の抗原決定基
に大変特異的に結合する抗体を産生する。抗原に結合さ
れた抗体は細胞を載せた抗原を不活性化し、かつ/また
はマクロファージ、好中球および免疫系の他の要素によ
る摂取または破壊に対するそれらの抵抗力を弱め、かつ
それらは補体系を活性化して侵入種への攻撃を増加す
る。B細胞およびT細胞の両方が特定の抗原に対する免
疫持続性のために貢献し、それは数週間または一生続く
かもしれない。
この発明は、免疫機能を発現する器官または体液の細
胞の転移および生体内培養によって、ヒトまたは或る動
物からマウスまたは異なる種の実験動物へ、上記で一般
的に説明された免疫応答系の決定的な機構を転移するこ
とを意図する。脊椎動物の免疫に関係する2つの主要な
細胞の型は食細胞とリンパ球である。食細胞は時に細網
内皮系と呼ばれ、かつより最近は単核食細胞系と呼ば
れ、一方、リンパ球、それらの前駆体、誘導体および支
持細胞はリンパ系と呼ばれる。これらの系からの細胞
は、ヒトまたは他の供与体の種からSCIDマウス、SCID馬
またはその免疫系が研究される供与体の種とは異なる他
の実験動物への、免疫機能系の転移において用いられて
もよい。単核食細胞系(MPS)は、免疫グロブリンおよ
び血清補体の関与によって特徴づけられる骨髄前駆細胞
から由来する防御関連食作用に関係する細胞を含む。大
部分のMPS細胞が偏在する器官は、骨髄、末梢血、結合
組織、肝臓、肺、リンパ節、脾臓および神経系である。
リンパ系は、リンパ球前駆体およびそれらの誘導体が
発生し、成熟し、宿りかつ運動させられる組織および器
官を含む。成熟したヒトのリンパ系の主要な器官は、リ
ンパ管および血管に加えて、胸腺、脾臓、骨髄、リンパ
節、たとえば頸管、腋窩、腰椎、腸骨および鼠蹊の節で
あり、かつより低い程度には、心臓および胃である。胎
児のリンパ系は、卵黄嚢、咽頭嚢、骨髄、肝臓、脾臓お
よび胸腺を含む。
この発明は免疫系の上記の器官の何らかのまたは1つ
より多い細胞の転移を含んでもよい。
この発明の目的および特徴は、薬剤評価、治療薬の開
発、免疫合成物の開発、および、人体またはその免疫系
が研究されるべき他の供与体の種内で病原性であるかま
たは好ましくない、またはそうなるかもしれない、様々
な異物に対する免疫応答を防止、制御、促進または抑制
するための方法の一般的研究などである。この原理の重
要な応用例は病原性の生体物に対するワクチン治療の開
発である。いくつかの病原性生体物の抗原決定基は世代
が代わっても一定のままであり、かつそのような生物体
によって引き起こされる疾患に対する免疫を誘導するこ
とが可能であり、たしかに、予防摂取によって、過去に
おいて世界中を襲ってきた疾患の多くが、地球の人間集
団に対する驚異として本質的に除かれてきた。しかしな
がら、インフルエンザウィルスなどの他の生物体は急速
に変異し、かつ/または単一の種ではなく、しかも、免
疫的に異なる多数の種を構成する。そのような種の単一
の形に対するワクチンはすべての形の種に対する持続す
る免疫を誘導しない。
生物体のためのワクチンおよび治療法、および免疫応
答の引き金を引く物質の開発に成功するためには、その
ような生物体および物質による攻撃に対する免疫応答を
追跡する能力が必要である。多くの例において、幾分完
全に、いくつかの方法でヒトの免疫応答を追跡すること
が可能である。免疫応答の最も完全な追跡は、理論上で
は、全体の免疫系が存する人体内において可能であろ
う。しかしながら、侵入の種が致命的でない最良の環境
の下でさえ、それは一般的に便利なものではなく、なぜ
ならば長期の研究のための免疫系宿主として人体を用い
ることは一般的に実際的ではないからである。それゆ
え、ヒトの免疫系の研究のためにヒトの細胞の生体外で
の培養を用いることが一般的方法である。しかしなが
ら、このアプローチは制限されており、すなわち複合免
疫系のいくつかの特徴は培養では良好に機能しない。別
のアプローチは、典型的にはマウス、ラットまたはモル
モットなどの他種の免疫系を研究することである。
制御された環境で管理されることができ、かつヒトの
免疫系のための適当な生体内宿主を提供するであろう実
験動物を利用可能にすることは、ヒトの免疫系の研究に
おいて大きな前進であろう。この発明の重要な特徴のう
ちの1つは、まさにそのような実験動物の開発であり、
その例はSCID動物、たとえばマウスであり、そこではヒ
トの免疫系の本質的要素が存在し、かつこうして特定の
免疫原で攻撃されるとき、ヒトの抗体を産生する。
マウスまたは他の実験動物内でのヒトの免疫系機能の
利用可能性が主要な利点となるであろう1つの特定の例
は、AIDS研究においてである。最近、免疫学者に対する
最も困難な挑戦が、ヒト免疫不全ウィルス、HIVの拡が
りとともに生じ(これはまた、最近の報告において一般
的には、リンパ節関連ウィルス、LAV、およびヒトTリ
ンパ球性ウィルス、HTLV、および、後天性免疫不全症候
群(AIDS)関連ウィルス、ARVとも呼ばれる)、それは
一般的に後天性免疫不全症候群AIDSを引き起こすと考え
られる。少なくとも2つのHIVウィルス、HIV−1および
HIV−2がAIDS感染の作因として識別された。遺伝物質
がDNAではなくRNAであるこれらのレトロウィルスは、宿
主内でのDNAへのウィルスRNAの転写を触媒する酵素を保
持する。それからDNAは感染された細胞のゲノムに統合
され、そこでそれは娘細胞によって形質を受継ぎ得て、
かつ新しいウィルス粒子を形成する。ヒトにおいて十分
に理解されていない機構を介して、HIVウィルスは、ヒ
トの免疫系の機能のすべてではなくとも大部分の誘導を
行なうベき、Tヘルパー/誘導細胞、特定的にはT4また
はCD4細胞を消耗させることによって、正常な免疫応答
を混乱させる。AIDSの進行における第1のおよび結局最
も致命的な事象のうちの1つは、ヒトの免疫系の大部分
またはすべての抑制であり、それによって、一般的に細
菌、ウィルス、植物または動物産生の抗原、化学物質お
よび異物による人体への間断ない攻撃に対する防御が、
ほとんどまたは全く人体からなくなってしまう。
いくつかの理由のために、HIVの免疫学の研究は、よ
り伝統的な免疫原物質の研究よりも骨が折れる。HIVがA
IDSの徴候を誘導するすべてまたはほとんどすべての人
は、1〜2年の間に死亡し、かつ正常に機能する免疫系
を持つ人にとってはほとんど驚異ではない多くの感染性
の生物体の影響を受けやすい。こうして、よく言ってさ
えも、免疫学の研究のためには大変不十分な生体内宿主
である人体は、HIVの研究のためにはさらにより適さな
い。これらの要因に加えて、HIVがAIDSの徴候を誘導す
ることにおいて呈する潜伏、HIVを有する完全に感染さ
れたAIDS患者においてさえも低いリンパ球の割合(1:1
0,000ないし1:100,000)、HIVが自己免疫応答を誘導す
る可能性、およびHIV感染T4細胞上の表面蛋白質で反応
し、T4細胞の増殖を抑制しかつT4細胞の細胞毒性を誘導
する、自己抗体のHIVによる誘発の可能性により、人体
がHIVに関する多くの免疫学的研究のために適する被験
体ではないことが明らかとなるであろう。加えて、AIDS
患者での試験薬のテスト、または健康な患者でのHIVワ
クチンのテストは、ヒトを使うそのような研究が倫理的
に反するものになるかもしれない危険な要因を含んでい
る。
もちろん、HIVの免疫学およびウィルスを検出するた
めの方法に関する多くの研究がなされてきた。たとえ
ば、AIDSおよびプレAIDS(潜伏期間中のAIDS)のための
診断法、およびそれらのための抗原抗体複合体の形成に
関するキットが、アクスラー−ブリン(Axler−Blin)
などの米国特許第4,708,818号によって説明された。リ
ンパ節症候群(LAS)またはAIDSに蝕まれた患者の血清
からウィルスが分離されている。免疫不全ウィルス(HI
V)、ウィルス抽出物、構造蛋白質およびレトロウィル
スのその他の分画がそのような患者の血清から認められ
ている。
ヒトの免疫系は、注射、経口摂取または他の態様によ
る、人体にとっては外来性である物質の人体への導入に
直接または間接的に応答する。厳密な意味ではそれらの
応答のいくつかは免疫学的なものではないが、免疫系に
現われる応答は外来性物質の効力または毒性を示すもの
として用いられ得る。新薬の評価において、薬剤が人体
でのテストを考慮され得る前に、多くの場合霊長目を含
む3つまたは時にはそれ以上の種に関して薬剤をテスト
することが必要とされてきた。この目的の特徴のうちの
1つは、ヒトをそのようなテストの被験者とする必要が
なく、ヒトに対して外来性である物質に対するヒトの免
疫系の応答をテストするために、比較的安価なテスト動
物が利用可能とされることである。
この発明の例示的な実施例において、ヒトの免疫系の
細胞構成物がマウスの変異系に注入されるが、これらの
マウスは重症複合免疫不全(SCID)を有し、かつよく知
られた広く用いられる実験動物であり、かつ多くの免疫
学的および腫瘍学的研究において用いられており、それ
らはたとえば、以下に示されるものである。ドーシュキ
ンド・ケイ等「重症複合免疫不全を有するマウスのリン
パ系および骨髄系組織からの細胞の機能状態」(Dorshk
ind K.,et al.,“Functional Status of Cells from Ly
mphoid and Myeloid Tissues in Mice with Severe Com
bined Immunodeficiency Disease,)“J.Immunol.,132
(4):1804−1808,1984;チトロム・エイ・エイ・等、
「重症複合免疫不全を有する抗原提示細胞の機能」(Cz
itrom,A.A.,et al.,“The Function of Antigen−Prese
nting Cells in Mice with Severe Combined Immunodef
iciency,)“Immunol.,134(4):2276−2280,1985;ド
ーシュキンド・ケイ等「重症複合免疫不全を有するマウ
スでのナチュラルキラー細胞の存在」(Dorshkind.K.et
al.,“Natural Killer Cells are present in Mice wi
th Severe Combined Immunodeficieycy,)"J.Immunol.,
134(6):3798−3801,1985;カスター・アール・ピー
「マウス病原再構築腫瘍における重症複合免疫不全」
(Custer,R.P.,“Severe Combined Immunodeficiency i
n the Mouse Pathology Reconstitution Neoplasms,)"
Am.J.Pathol.,120(3):464−477,1985;ウェアー・シ
ー・エフ「重症複合免疫不全を有するマウスへの移植後
のヒトラットまたはマウスハイブリドーマの高レベルモ
ノクローナル抗体の分泌」(Ware,C.F.,“Human Rat or
Mouse Hybridomas Secret High Levels of Monoclonal
Antibodies Following Transplantation into Mice wi
th Severe Combined Immunodeficiency Disease,)"J.I
mmunol.Methods,85(2):353−362,1985。最後の刊行
物は、重症複合免疫不全(SCID)を有するマウスでの、
マウス、ラットおよびヒト起源の異種間のハイブリドー
マを成長させる能力の研究を報告する。腹水腫としてプ
リスタン処理されたSCIDマウス内で(腹水腫として)増
殖された2つのラット×マウスハイブリドーマ系(187.
1.10および3B9)および1つのマウス×マウスハイブリ
ドーマ(2D9)は、動物あたり0.5gを越える抗体の全収
量で、生体外で生成された量の100−200倍のモノクロー
ナル抗体の増加を示した。ヒト×ヒトハイブリドーマ、
CLL−11−D1は、組織培養で得られるそれと比較して、
腹水内でヒト免疫グロブリンレベルにおいて1000倍の増
加(1.3mg/ml)を示した。
重症複合免疫不全(SCID)を有するマウスは、Tおよ
びB細胞の両方の成熟における欠陥を示す。ローゼン・
アール・ジェイ(Lauzon,R.J.)など、「T細胞レセプ
タ遺伝子の再配列および発現を欠く重症複合免疫不全を
有するマウスのナチュラルキラー細胞の増加」(J.Exp.
Med.,164(5):1797−1802,1986)、ドーシュキンド・
ケイ(Dorshind,K)など、「リンパ球骨髄培養は重症複
合免疫不全のマウス内でのヘテロジニアスなBおよびT
細胞依存応答を再構成し得る」(J.Immunol.,137(1
1):3457−3463:1986)。
それら自身の免疫系をほとんどまたは一切持たない
か、または薬剤または放射線照射で処理されたか、また
は伝統的な遺伝子形成または遺伝子工学を介して産生さ
れた抑制された免疫系、弱められた免疫系または修飾さ
れた免疫系を有するかまたは免疫系を一切有さない、他
の実験動物、たとえばSCID馬および他のSCID動物の他
に、潜在的には、動物の免疫系の破壊または不活性化の
後にAIDSの進行が止められたAIDSに感染した動物でさえ
もが、この発明で用いられるための実験動物の候補と考
えられ、かつこうしてSCID動物と機能的に同一または均
等であると考えられる。多数のそのような動物、たとえ
ばSCIDマウス、SCID馬、ヌードマウスなどが周知であ
り、かつこれらと同等な動物の候補が必要に応じて疑い
なく利用可能となるであろう。たとえば、SCID馬は幅広
く研究されており、たとえば次のものを参照されたい、
ペリーマン・エル・イー,マクガイア・ティー・シー,
トルベック・アール・エルおよびマグナソン・エヌ・エ
ス,「免疫−再構築のための胎児肝臓細胞移植の評価」
(Perryman L.E.,McGuire,T.C.,Torbeck,R.L.,and Magn
uson,N.S.,“Evaluation of Fetal Liver Cell Transpl
antation for Immuno−Reconstitution,)"Clin.Immuno
l.Immunopath.,23(1):1−9,1982。たとえば、同書に
おいてペリーマンなどは、重症複合免疫不全(SCID)を
有する14匹の子馬に、45ないし201日の妊娠期間の馬の
胎児の肝臓から調製された単一細胞の懸濁液を与え、SC
ID馬に対して正常な馬から免疫系を転移する試みについ
て報告する。子馬はどれも、同定可能な供与体リンパ球
に関する機能しうる移植、末梢血リンパ球の数の増加、
フィトレクチンまたは抗原応答リンパ球の発生、ならび
にIgおよび特異抗体を合成する能力を示さなかった。以
前は、免疫系の少なくとも一部のそのような転移が、胎
児の肝臓および胸腺細胞を組合わせて用いるこの技術を
用いて同じ種内で転移されたようである。或る種から別
の種への免疫学的系の転移の報告は知られていない。
ヒトの免疫系の細胞の成分がマウスまたは他の実験動
物内で機能するようにし得るモデルのための別の必要性
は、ヒトの免疫系に関する腫瘍または癌発生の研究にあ
る。悪性細胞の移植によって、または動物を発癌物質に
さらすことによって、悪性化が実験動物内で誘導され得
る。第1の例において、移植された悪性細胞の型が悪性
化を規定し、かつ第2の例において、予測される悪性化
の性質は主として発癌物質に動物をさらす時期の関数で
ある。たとえば、SCIDマウスがヒトの肺腫瘍を増殖する
ために用いられ、レディ・エス(Reddy,S.)他の、「重
症複合免疫不全を有するマウスの肺内および皮下組織で
確立されたヒトの肺腫瘍の成長」(“Human Lung Tumor
Growth Established in the Lung and Subcutaneous T
issue of Mice with Severe Combined Immunodeficienc
y"),Cancer Res.,47(9):2456−2460,1987を参照さ
れたい。従って、この発明の特徴は、或る条件の下で、
ヒトのリンパ球の悪性化が比較的短い期間で、すなわち
約8週間の間に誘導されることができ、こうしてヒトの
リンパ球の悪性転換の研究のための迅速でかつ魅力ある
モデルを提供することである。
発明の要約 この要約および明細書を通じて用いられる以下の略語
は次のような意味を有する: AIDS=後天性免疫不全症候群 ConA=コンカナバリンA。ヒトT細胞の増殖を刺激する
分裂促進因子。
DNA=デオキシリボ核酸。レトロウィルスを除く、ほと
んどすべての形態の生命の遺伝子物質。
ELISA=固相酵素免疫測定法。この場合、ヒト抗体のた
めの測定法。
GVH=移植片対宿主症。免疫不全宿主内への機能しうる
T細胞の注入によって起こることが予想される状態。
i.v.=静脈注入径路。
i.p.=腹腔内注入径路。
MHC=主要組織適合遺伝子複合体。外来抗原のTリンパ
球認識のために重要な細胞表面分子をコードする遺伝子
領域。
MLR=混合リンパ球反応。異なるMHCでの個体からの細胞
での刺激によるTリンパ球の増殖。ヒトの場合、1卵性
双生児を除く2つの任意の個体からのT細胞はMLRにお
いて反応するであろう。
MPS=単核食細胞系。幹細胞、前駆細胞、単球およびマ
クロファージ、およびそのような細胞が局在する器官を
含み、それらはたとえば骨髄、末梢血、結合組織、肝
臓、肺、リンパ節、脾臓および神経系に存在する。
MΦ=マクロファージ(単数または複数) PBL=末梢血白血球。この場合ヒトからのもの。
PWM=アメリカヤマゴボウマイトジエン。ヒトのTおよ
びB細胞の増殖を刺激するもの TNP−TT=トリニトロフェニル−破傷風毒素。大部分の
ヒトが免疫されている蛋白質に簡単な化学物質が結合さ
れたもの。
SCID=重症複合免疫不全(Severe Combined−Immunodef
iciency)。SCIDという用語は、マウス、ウマなどの動
物に関しては、通常、遺伝的に免疫系を有さないか、ま
たは著しく不完全または欠損した免疫系を有する動物を
示すが、ここで用いられる場合は、遺伝子操作で処理さ
れるかまたはそれからもたらされた動物を含み、それら
は効果的な免疫系を有さず、かつそれゆえ生体内で別の
動物の免疫系の宿主となり得る。
AIDS研究のためのより良い実験系に対する差迫った必
要性は、利用可能な動物モデルの不足、およびヒトにお
ける免疫応答およびウィルス病原体の研究の実際的かつ
道徳的制限を浮かび上がらせた(「ニュース・アンド・
ビューズ」(“News and Views,")Nature,333:699,198
8;Zagury,D.et al.,Nature,332:728,1988)。ヒトの免
疫応答の現在の研究は次のような点で制限される:
(1)比較的制限された生体内実験;および(2)有益
ではあるが、短期間の研究のみを可能としかつ2、3の
抗原に対しての応答だけを支持するいくつかの生体外の
系(Immunological Reviews,45:1−275,1979)。いずれ
のモデルも免疫系の病原の研究に対して特定的には馴染
みにくい。
この発明に従えば、重症複合免疫不全を有するマウス
(C.B.−17scid、この後はSCID)は、成長したヒトの末
梢血白血球(PBL)の異種移植片を受入れる。移植され
たヒトのPBLは数が増えかつ少なくとも15か月の間生き
延び、かつTおよびB細胞レベルの両方においてヒトの
免疫機能を再構築することが示された。ヒト免疫グリブ
リン生産が回復され、かつ次に破傷風毒素などの抗原に
対する抗体応答が導入され得た。こうして、この発明
は、ヒトの末梢血白血球(PBL)が重症複合免疫不全(S
CID)を有するマウス内で免疫機能を再構築する新規の
実験免疫系を提供する。なお、SCIDを有するマウスにつ
いては、ボスマ・ジー・シー、カスター・アール・ピー
およびボスマ・エム・ジェイ、(Bosma,G.C.,Custer,R.
P.Bosma,M.J.,)Nature,301:527,1983を参照。
SCIDマウス内に移植されたPBLは少なくとも15か月の
間数が増え、かつすべての再構築されたマウスはヒト免
疫グロブリンの自然分泌を示す。PBLで再構築されたSCI
Dマウスは免疫処置の際に特異的なヒト抗体応答を発生
する。PBL内に存在するすべての主要な細胞個体群がSCI
D受容体のリンパ系組織および血液内で見出される。
エプスタイン−バーウィルス(EBV)血清陽性供与体
から50×106またはそれ以上のPBLを移植されたマウス
は、PBLの植付けの後8ないし16週間でEBV陽性B細胞リ
ンパ腫を発生し、一方、EBV血清陰性供与体からのPBLで
再構築されたマウスは腫瘍を発生しない。これらの腫瘍
はリンパ球および非リンパ球器官の両方を含み、かつ未
分化型免疫芽リンパ腫瘍に類似である。その腫瘍は高い
レベルのヒト免疫グロプリン分泌と相関であり、かつ血
清の電気泳動はオリゴクローナル免疫グロブリンの泳動
パターンを示す。腫瘍のDNAの分析は、EBVゲノムおよび
免疫グロブリンJH遺伝子の再配列のオリゴクローナルパ
ターンの存在を示す。総合すれば、これらの観察は、B
リンパ球のEBV関連の増殖を示し、それは「正常な」供
与体からSCIDマウスへのBリンパ球の移植に続くオリゴ
クローナルB細胞悪性化の急速な発現に通じる。
EBV血清陰性供与体からのPBLで再構築されたSCIDマウ
スは、ヒト免疫不全ウィルス(HIV−1)のLAV−1株で
感染された。ウィルスがひどく感染された動物からのT
リンパ芽球との共培養によって回収され、かつウィルス
の回収は感染の後時間とともに増加した。高いウィルス
力価を有するいくらかのマウスは急性消耗症候群および
ヒトT細胞の消耗を発生した。ウィルスに感染された同
系T細胞芽を注入されたマウスは、遊離HIVを注入され
たマウスよりも速い疾患の進行を示した。こうして、HI
Vに感染されたヒトPBLで再構築されたSCIDマウスがAIDS
研究における小動物モデルとして今利用可能である。
EBV−陽性供与体からのより少ないPBLの注入またはEB
V−陰性供与体からのPBLの使用は、すべてのSCID受容体
におけるヒトの免疫系機能の長期間安定な再構築をもた
らす。このヒトのリンパ系細胞の異種間の移植は、正常
なヒトの免疫機能、病原性の作因に対する免疫系の応
答、リンパ腫形成における初期事象の研究のための、か
つヒトに対して外来性である任意の物質からのヒトの免
疫系の応答の或る局面、たとえば薬品の効力および副作
用の評価におけるおよび人間に対して毒性を持つかもし
れない物質の評価における研究のための有益なモデルを
提供する。
SCIDマウスは、それらの免疫不全のために、転移され
たヒトの細胞系の増殖を許容することが知られている
(ウェア・シー、ドナートウ・エヌおよびドーシュキン
ド・ケイ(Ware,C.,Donato,N.and Dorshkind,K.,J.Immu
nol.Methods,85:353,1985;Reddy,S.et al.,Cancer Re
s.,47:2456,1987)、しかしSCIDマウスが正常な成熟し
たリンパ球個体群の生存を支持する能力を有することは
これまで知られていなかった。
この発明は2つの重要な発見に基づく。
第1に、供与体動物の免疫系が供与体動物とは異なる
種の受容体動物の生体内で作られ得ることが見出され
た。そのような供与体動物の免疫機能を発生することが
できる骨髄球またはリンパ球の系列の供与体動物の細胞
を、非常に不十分な免疫系を有するかまたは免疫系機能
を欠く異なる種の生きた受容体動物内に注入することに
よってこれが達成される。これらの注入された細胞は受
容体動物を生きたまま維持し、かつ受容体動物内で供与
体の免疫応答特性を示す免疫系を発生する。たとえば、
ヒトまたは他の供与体の免疫系器官の細胞、たとえばヒ
トの白血球を、SCID動物、たとえばSCIDマウスに転移
し、かつ後に(たとえば2週間)それらの細胞をヒト抗
体応答を生体内で発生するように刺激すると、それはヒ
トの免疫系のすべての本質的構成物がSCID動物の環境内
で機能し得ることを示す。このモデル系は正常および異
常なヒトの免疫機能の研究のために有益であろう。
第2に、供与体動物の悪性でない免疫系を異なる種の
受容体動物内に注入し、その受容体動物を約8週間また
はそれ以上の期間生きたまま維持し、かつ受容体動物内
のまたはそこから抽出された悪性のヒト免疫系細胞を研
究することによって、1つの種の免疫系細胞の悪性化が
別の種に誘導され、かつ研究され得ることが見出され
た。たとえば、ヒトまたは動物の供与体の免疫系の正常
な悪性でない細胞、たとえばヒト白血球を注入された、
マウスなどのSCID動物は、約8ないし16週間の間に、ヒ
ト免疫細胞の悪性化、たとえばリンパ球の悪性化を発生
する傾向がある。これは、いくつかの、しかしすべてで
はない環境において、供与体の白血球のエプスタイン−
バーウィルス(EBV)による潜伏感染を含む。こうし
て、正常なヒトのリンパ球の悪性転換の研究のための迅
速でかつ魅力的なモデルが発明された。
1つの実施例において、この発明は、供与体の細胞系
の悪性でない細胞を供与体とは異なる種の免疫欠損受容
体動物内に導入し、かつその受容体動物を約8週間から
それ以上飼育して供与体の悪性細胞が受容体動物の生体
内で増殖することを引き起こすことによって、供与体の
免疫系の悪性細胞の継続的供給を生じるための方法であ
る。
生きた実施例として、この発明は生体内で誘導された
悪性ヒト免疫細胞の宿主となるマウスを含み、その悪性
細胞は、悪性でないヒト免疫系細胞をマウス内に注入す
ることによってそのようなマウス内で誘導される。
別の生きた実施例として、この発明は、ヒトの免疫応
答を示す、ヒト免疫系の本質的要素、すなわちヒトマク
ロファージ、Tリンパ球およびBリンパ球の宿主となる
マウスを含む。
1つの重要な生きた実施例として、この発明は、たと
えば再構築されたヒト免疫系を含むSCIDマウスである、
SCID動物であり、それは、ヒト免疫系の本質的要素を含
むことに加えて、ヒト免疫応答を活性化するためのヒト
MHC(クラスII)拘束抗原を含む。そのようなクラスII
抗原は、ここで説明された移植および再構築によって、
またはヒト免疫系の移植に先立ってヒトのクラスII遺伝
子を保持する形質転換したマウスにSCIDマウスをかけ合
わせることによって導入される。
別の実施例において、この発明は、ヒトの細胞骨髄
球、リンパ球または赤血球の系列を免疫欠損動物内に注
入し、かつその動物内でヒト免疫系細胞を研究すること
によってヒトの免疫系の細胞を研究する方法である。こ
の注入は好ましくは腹腔内に行なわれ、かつ好ましい細
胞は末梢血の白血球成分である。
類似の実施例において、悪性でないヒト免疫系細胞を
動物内に注入し、その動物を約8週間またはそれ以上の
期間生きたまま維持し、かつその動物内のまたはそこか
ら抽出された悪性ヒト免疫系細胞を研究することによっ
てヒト免疫系細胞内での悪性化を研究するための方法で
ある。再び、注入は好ましくは腹腔内で行なわれ、かつ
1つの好ましい源または細胞は末梢血の白血球成分であ
り、そのような細胞の特定的に好ましい源はEBVヒト供
与体からである。
より一般的な意味において、この発明は、供与体動物
の免疫機能を発生することができる骨髄球、赤血球また
はリンパ球の系列の供与体動物の細胞、好ましくは白血
球を、ひどく欠損した免疫系を有するかまたは免疫系機
能を欠く生きた受容体動物内に注入するステップと供与
体の免疫応答特性を示す免疫系を供与体免疫細胞が受容
体動物内で発生するのに十分である、約2週間またはそ
れ以上の期間の間受容体動物を生きたまま維持するステ
ップとを含む。好ましい受容体動物は免疫欠損ヌード、
xid.ベージュマウスである。
この発明はまた、供与体の免疫機構を発生することが
できる骨髄球、赤血球またはリンパ球の系列の供与体動
物細胞、好ましくは白血球を、供与体の種とは異なる種
の生きた実験動物内に注入し、その受容体動物はひどく
欠損した免疫系を有するかまたは免疫系機能を欠いてお
り、かつ供与体免疫細胞が生体内で増殖し、かつ供与体
の免疫応答特性を示す前記実験動物内でかつそのような
方法に従って生産された実験動物内で免疫系を発生する
のに十分である、約2週間からそれ以上の期間の間前記
実験動物を生きたままに維持することによって、供与体
動物の免疫系を研究するための実験動物を準備する方法
において実施される。
この発明はまた第1の種の動物の免疫系の細胞の研究
における改良としてみなされることができ、そこにおい
てそのような細胞は、その中に第1の種の免疫機能を発
現することができるかまたはそうする能力を発生し得
る、第1の種のリンパ球、骨髄球また赤血球の系列細
胞、好ましくは白血球を第2の種内に注入し、第2の種
の動物を少なくとも1ないし2週間の間生きたままにす
ることによってそのような細胞が第2の種の動物の生体
内で産生され、かつ第2の種内のまたはそこから抽出さ
れた第1の種の免疫系細胞を研究する。
1つの好ましい応用例および実施例において、ヒトの
免疫系の器官の悪性でない細胞をSCID動物内に注入し、
ヒトの免疫細胞が受容体実験動物の生体内で増殖するこ
とを可能とするために約2週間またはそれ以上の間その
動物を生きたまま保ち、人体内で免疫応答を誘導するか
または人体内で免疫細胞を修飾することが知られている
かまたはそう考えられている物質で動物内におけるヒト
の免疫系の細胞を攻撃し、かつ受容体動物内のまたはそ
こから収集された免疫応答および免疫系を研究すること
による、ヒトの免疫系の細胞を研究する方法においてこ
の発明が実施される。免疫機能を発生することができる
リンパ球、骨髄球および赤血球の系列などの、ヒトの免
疫系細胞、好ましくは白血球が好ましくは動物の腹腔内
に注入され、かつリンパ球、たとえばBリンパ球または
末梢血リンパ球を含んでもよい。
この発明の別の特徴は、ヒトの免疫系の器官の細胞内
での悪性化を研究するための方法において実施され、そ
の方法は、ヒトの免疫系のそのような器官の悪性でない
細胞を受容体動物内に注入し、その受容体動物を約8な
いし約16週間またはそれ以上の間生きたまま維持し、か
つその受容体動物内でヒトの免疫系のそのような器官の
悪性細胞を研究することによって、SCID動物を処理する
ことを含む。その注入は好ましくは腹腔内に与えられ、
かつ免疫系細胞は好ましくは、EBVヒト供与体からのも
のかもしれない、ヒトの末梢血リンパ球である。
この発明は、免疫学に関連の疾患、たとえば後天性免
疫不全症候群などを研究するための方法を含む。この例
示的な研究において、ヒトの免疫機能を発生することが
できる骨髄球、赤血球またはリンパ球の系列のヒト細
胞、好ましくは白血球をヒト以外のSCID動物内に注入
し、その動物を約8週間またはそれ以上の間生きたまま
飼育して前記動物の生体内でそのような細胞が増殖する
ことを可能とすることによって実験動物を作ること、ま
たはそのような実験動物を得るための均等のステップを
含む。約8週間でまたはその後に、ヒトの免疫不全ウィ
ルスが前記実験動物内に導入され、かつその後、その動
物および/または前記動物内のまたはそこから採取され
たヒトの免疫不全ウィルスが研究される。
図面の簡単な説明 第1図は、機能するヒト免疫系がSCIDマウス内に宿る
かどうか確かめるために行なわれた最初の実験の結果を
示す図である。
第2図はSCIDにヒト免疫系を異種間に移植して16週間
観察を行なった結果を示す図である。
第3図は、ヒト免疫系の主要な要素の3つのすべて
が、2から3週間後に、SCIDで機能していること、およ
び、特にヒトPBLで再構築されたSCIDマウスが、破傷風
毒素の免疫処置によって抗体応答を形成するようになる
ことを示す一連の実験を行なうプロトコルおよびその結
果を示す図である。
第4図は、PBL−再構築マウスの腹腔より回収された
ヒトのリンパ球細胞のフローサイトメトリーによる分析
を示すものである。その結果は、ヒトのT細胞(CD4お
よびCD8サブセットの両方)およびB細胞の生存を示す
とともに、ヒトおよびマウスの細胞を含むラージ細胞の
活性化を示している。ラージ細胞は、非特異的に抗体に
結合し、in situサイトハイブリダイゼーションのよう
な選択的方法によって、それらの同定が行なわれてい
る。
好ましい実施例の記載 次に述べる記述および特に述べられる実験は、広く一
般的な適用のために、2つの一般的な原則を示そうとす
るものであって、この発明を限定するものではない。第
1に、データは、ヒト免疫系の重要な要素が、SCIDマウ
スの生体内で機能することを示している。第2に、デー
タは、ヒトリンパ球の悪性化がSCIDマウス内で、再現的
に、引き起こされることを示している。
第1の原則は、免疫系を導入された実験動物が、どん
な抗原でも実質的に応答するヒト免疫系を生物体内にお
いて研究するために用いることができるという一般的適
用性を有している。そのようなヒト免疫系のための生き
た実験系は、実質的に適用が制限されることなく、すべ
ての免疫に関連した応答および疾病の研究に大きな価値
があり、特に、AIDSおよび、免疫系が破壊されたり不活
性化されたりするその他の疾病の研究に有用である。
第2の原則は、ヒトの癌形成を治療するために有用な
化学薬品および生物製剤のスクリーニングおよび評価に
おいて、研究用悪性細胞の生きた実験系を提供すること
によって、腫瘍学への一般的適用性を有している。
これらの原則の広く一般的な適用を考えるとともに、
特に行なわれた実験および結果について、そこに含まれ
る原則を単に例示的に述べることにする。
そのようなモデルは、ヒト細胞およびHIVを用いて、A
IDS病原性の初期事象に関する問題にアプローチする重
要な手法を提供するであろうし、また、それはワクチン
や薬のテスト段階に非常に有用なものとなるだろう。SC
IDマウスは、それが、簡単に利用できるものであり、か
つ、実験動物として容易に取扱うことができる理由か
ら、選択された。しかしながら、関心のある免疫系が、
その中に通常は存在し、それが関心のある免疫系器官を
生体内に受入れるようにするため、通常の免疫系が取除
かれ、修飾されるようになった動物ならば、SCIDマウス
と異なったどんな動物でも、関心のある免疫系を研究す
るための実験用宿主としてみなすことができる。そのよ
うな、PBL再構築のための代用動物として、その他のも
のの中から、SCIDベージュ(scid、dg)マウスのT、B
およびNK細胞が欠損したもの、ヌード、xid、ベージュ
(nu、xid、bg)マウスでT、BおよびNK細胞が欠損し
たもの、300radの放射線を照射したSCIDマウス、SCID、
HLA−DQトランスジェニックマウスでTおよびB細胞が
欠損しヒトクラスIIHLA分子を発現するマウス抗原提示
細胞を有しているもの、および、SCID、HLA−DQマウス
で300radの放射線を照射されたもの。
一連の実験は、免疫不全であるSCIDマウスが、機能し
得るヒト免疫系で再構築することができるかどうか確か
めるために企てられたものである。このようなモデル
は、ヒトの細胞およびHIVを用いて、AIDS病原性の初期
事象に関する問題にアプローチする重要な手段を提供す
るであろうし、また、それはワクチンおよび薬のテスト
段階に有用なものとなるだろう。SCIDマウスは、それが
簡便に使用できしかも実験動物として容易に扱えること
から、選択されたが、それと異なる種のどんな動物で
も、それが正常時には関心とする免疫系を備えており、
しかも実験時には本来の免疫系が排除され、その生体内
で関心とする免疫系器官が受入れられるように修飾され
たものであれば、関心とする免疫系研究のための実験用
宿主モデルとみなすことができる。ヌードマウス、SCID
馬などをこのようなものとしてみなすことができる。
前もって選別され、マウスIgのレベルが検出できない
ようなC.B.−17SCIDマウスのパネルに、i.v.またはi.p.
で、ヒトPBL(107−108)が簡単に注入された。マウス
は、1週間おきに採血され、その血清は、ELISAアッセ
イで、ヒトIgのレベルがモニタされる。このようなアッ
セイの結果は、第1図に示される。異種GVH症の臨床上
の形跡は何も認められなかった。仮にヒトT細胞がマウ
スMHC抗原に応答したとすれば、或る結果が予想できた
だろう。i.p.で注入されたマウスのすべてに移植の1週
間後、ヒトIgの力価が検出された。その後、そのレベル
は1−4mg/mlまで指数的に上昇した。そのレベルはほぼ
ヒトの正常な血清のレベルであり、そのレベルは、26週
間以上28週間まで持続した。
別の実験では、SCIDマウス群が、ヒトPBLによる再構
築の2週間後、100μgのトリニトロフェノール−破傷
風毒素(TNP−TT)で免疫処置された。1および2週間
後、ヒト免疫グロブリンの全レベルがELISAで、決定さ
れるとともに、ヒト抗体がTNPおよびTTの両者に応答し
た。実質的な抗体がTTに応答し、TNPへの弱い応答が、
2つの異なる供与体からのPBLで再構築された2つの群
のマウスに誘発された。TT−特異的抗体の量は、最もよ
く応答したものの中で、ヒト免疫グロブリン全体の10%
以上であった。ヒトPBLで再構築された、SCIDマウス
で、免疫処置しなかったものもしくは、ヒトPBCを含ま
ない対照のSCIDマウスには、TNPまたはTT−特異的抗体
が産生されなかった。したがって、TNP−TTに応答する
抗体は、ヒトのヘルパーT細胞、マクロファージおよび
B細胞の関与が必要となることが知られていることか
ら、十分機能し得るヒト免疫系が、SCIDマウスで再構築
されていた。
多数の正常で悪性でないヒトPBLをi.p.で注入されたS
CIDマウスは、再構築の後、8から16週間で、リンパ系
の悪性化が生じた。悪性化の形跡は、リンパ系器官の著
しい拡大、組織学的に悪性な細胞による肝臓、肺および
腎臓への侵害、ならびに血清電気泳動および、ヒト免疫
グロブリンブローブを用いるDNAのサザン(Southern)
分析による拡張されたB細胞クローンの1つまたは少数
個の検出であった。ヒト由来の腫瘍は、ヒトJhプローブ
およびヒト特異的Alu−配列プローブとのハイブリタイ
ゼーションによって確かめられた。腫瘍が組織培養で細
胞系として確立され得るとはいえ、これらの腫瘍の移植
の可能性を示す形跡は既に得られている。細胞移植のた
めの適切な条件下で、リンパ系の悪性化を再現性良く発
生させることは、PBL−再構築SCIDマウスが、悪性転換
の研究の有力なモデルになることをはっきりと示してい
る。
この発明の方法を用いて、ヒト免疫系器官の細胞、た
とえばヒト白血球を、異なる種の実験用動物で、その免
疫系が、不全か、欠損しているか、または他の免疫系を
受入れることができるように修飾されている動物、たと
えばSCIDマウス、に移植することができる。しかも、そ
の移植された細胞を刺激して、ヒト免疫応答を発現さ
せ、ヒト抗体を形成させることができる。その理由は、
実験用動物内でヒトT細胞およびヒトB細胞が存在し、
機能していることによる。ヒト免疫系機能の必須構成要
素のすべてによって、ヒト免疫機能の正常な状態および
異常な状態を研究するために、有用な新しい実験動物を
入手することができる。
実験は、予期されるGVH反応を、最小にするような条
件を決定するために、SCIDマウス内に、異なった経路
で、PBLを異なった数移植することから始められた。第
1表は、これらの実験から我々の知見をまとめたもので
ある。
いくつかの結論が明らかとなった。(1)穏やかで、
一過性のGVH反応が、自発的なB細胞の活性化に寄与し
ているとはいえ、異種GVH症は、どの受容体において
も、重要な問題ではなかった。(2)ヒトリンパ系細胞
の生存は、PBL腹腔内注入に依存し、静脈内注入は効果
的でなかった。(3)PBL供与体のEBVの状態および移植
されたPBLの数は共に重要であった。機能し得るSCID受
容体で、ヒトリンパ系細胞をうまく形成し維持すること
は、EBV−陽性供与体から少数(10×106)のPBLを注入
することと、または、EBV−陰性供与体から、多数(50
×106)のPBLを注入することによって達成された。対照
的に、EBV−陽性供与体から50×106またはそれ以上のPB
Lを移植すると、ほとんどのマウスで、ヒト免疫機能の
急速な再構築が起こり、細胞移植後の、8から16週間
で、ヒトのリンパ球の腫瘍が発生した。詳細に分析され
たその腫瘍は、組織学的および免疫学的標準により、ヒ
トB細胞リンパ腫であった。これらの腫瘍からのDNA
は、ヒトAlu配列と同様に、FBVのプローブとハイブリッ
ド形成し、腫瘍を有するマウスからの血清は、モノクロ
ーナルまたはオリゴクローナル免疫グロブリンのパター
ンを示した。
SCID血清中のヒト免疫グロブリン(Ig)レベルは、B
細胞の生存および機能を追跡するために、1週間ごとに
測定された。第2図は、それぞれが異なる供与体からPB
Lを注入されたSCIDマウスの3つの群における結果を示
している。これは、ヒト末梢血白血球(PBL)を腹腔内
に注入した後、時間をおいて、SCIDマウスの血清中のヒ
ト免疫グロブリン(Ig)レベルを見たものである。方
法:エプスタイン−バーウィルス(EBV)血清陽性およ
び血清陰性の供与体からPBLが、フィコール−ハイパー
ク(Ficoll−Hypaque)分離によって調製された。無菌
のPBL懸濁液が、8から10週間成長したC.B−17SCIDマウ
ス内に、i.p.で注入された。このマウスはあらかじめマ
ウスIgを生産しないと確認されたものである。(SCIDマ
ウスの10%は、マウスIgのいくらかを分泌する。そのよ
うなマウスは、これらの実験に用いられなかった)。ヒ
トIgは、ヤギの抗−ヒトIg(カッペル ラボラトリー
ズ)(Cappel Labs)を捕獲試薬として用い、“サンド
イッチ"ELISAによって、定量された。Igが既知の濃度の
保存されたヒト血清を、標準に用い、パーオキシダーゼ
と共役されたヤギの抗−ヒトIgを検出試薬として用い
た。捕獲試薬でプリコートされたマイクロプレート(ダ
イナテック)(Dynatech)は、室温で3時間、SCID血清
の希釈液または、標準液でインキュベートされ、洗浄さ
れた後、検出試薬が添加された。バーオキシダーゼで触
媒される発色の後、490nmの吸光度で、バイオテックマ
イクロプレートリーダにより定量が行なわれた。
供与体のEBVの状態を考慮せずに、50×106PBLが注入
された受容体では、自発的なヒトIgの分泌に急速な増加
が認められた。このIg生産の原因は、現在わかっていな
い。しかし、これらのデータは、このことがB細胞のEB
V転換と必ずしも関係していないこと、(エイマン・ピ
ー,エスリン−ヘンリクソン・ビーおよびクライン・ジ
ー・ジェイ)(Aman,P.,Ethlin−Henriksson,B.and Kle
in,G.,J.Immunol.Methods,87:119,1986.)および、SCID
マウスに正常なマウスリンパ系細胞を移植した結果、マ
ウスIgの同様な分泌が認められるので、それが必ずしも
異常でないこと(未発表の見解)を示唆している。より
少数のPBLの移植は、ヒトIgレベルのより遅い増加をも
たらす。長い期間(目下16から26週間)生存したSCID受
容体は、0.1から1.0mg/mlの範囲の安定したヒトIgレベ
ルを示し(ヒト血清Igの通常の範囲は、7−24mg/m
l)、一方EBV−血清陽性の供与体から、より多数のPBL
を注入された受容体は、Ig生産を5mg/ml以上まで、増加
し続けた。
基本的に無傷なヒト免疫系が、SCID受容体内で生存し
得ることは、モデル系の利用にとって、根本的に重要で
ある。破傷風毒素やPBL供与体がそれに対し免疫される
ことが知られている蛋白質抗原で、PBL−再構築SCIDマ
ウスが免疫処置された後、1から3週間後に、抗体応答
が測定された。第3図は、5×106PBLを移植した後、3
週間内の免疫処置されたマウスの結果を示すものであ
る。この図は、5×106EBV+PBLで再構築した後、破傷風
毒素で、免疫処置された代表的なSCIDマウスの、1週間
後(2440および2442)または2週間後(マウス2333およ
び2334)の破傷風毒素特異的抗体のレベルを示してい
る。選択されたデータは、20匹の免疫処置された動物の
10匹に見られる応答について、3つのパターンを代表し
ている。選択されたデータは、リン酸緩衝液内で、100
μgトリニトロフェニル(TNP)−共役破傷風毒素で、
i.p.において、免疫処置された20匹のマウスの10匹に見
られる応答の3つのパターンを代表している。血清は、
免疫処置に先立って、採取され、その後、1週間おきに
採取された。TNPおよび破傷風毒素に対する抗体は、ELI
SAによって定量された。破傷風毒素−特異的抗体の1つ
のデータがここに報告されている。TNP−特異的抗体は
免疫処置に続いて検出されたが、抗体の適切な制御がな
いので、定量が困難であった。破傷風毒素−特異的ELIS
Aは、直接結合型の測定法であり、そこでは、破傷風毒
素(ウェス ラボラトリーズ)(Wyeth Labs)は、マイ
クロプレートに結合され、SCID血清のプレートヘの結合
は、250IUml-1含有で標準化されたハイパー免疫抗−破
傷風グロブリン(ハイパーテット カッター ラボラト
リーズ)(Hypertet Cutter Labs)と比較される。洗浄
の後、結合された対照および標準抗体が、バーオキサイ
ド−共役ヤギ抗−ヒトIgで、検出され、第2図に示すと
おりとなる。第3図の右手パネルは、このELISAの感度
を示すとともに、免疫処置後2週間のSCIDマウスの血清
が、標準の適定曲線と平行になっていることを示してい
る。このアッセイの検出限界は、約0.003IUml-1であ
り、示されたすべてのデータは、マウス2440での1およ
び3週間の点を除いて、すべて検出限界の十分上にあ
る。2匹の免疫処置されたPBL−再構築SCIDマウスは、
移植20週間後に、それぞれ、0.20および0.12IUの抗体の
生産によって応答した。比較のために、破傷風毒素で免
疫処置された正常なものは、8から16IUの抗体形成が、
同様のELISAを用いて報告された。(ファーザド・ジ
ィ,ジェイムズ・ケイおよびマクレランド・ディ・ビー
・エル)(Farzad,Z.,James,K.and McClelland,D.B.L.,
J.Immunol.Methods,87:199,1986) 最も高い抗体力価を通常示す最も速い応答体を有する
10匹のうち8匹の動物が、破傷風毒素に対して検出可能
な抗体を生産した。抗体の量は、応答するマウス中で、
免疫処置されたヒトに認められる量の1から10%の範囲
であった。(ファーザドら同上)(Farzad et al.,ibi
d,)。10×106PBLの2匹のSCID受容体は、PBL再構築の
後、2週間で免疫処置された。そして、これら2匹のマ
ウスは、共に破傷風毒素に対して正常なヒトのレベルの
約1%の抗体を生産した。
ヒトリンパ系細胞のフローサイトメトリーによる分析
の結果を第4図に示す。50×106ヒトPBLで、あらかじめ
注入され48時間後のSCIDマウスから、腹腔内細胞が回収
された。その細胞は、CD3(pan−T細胞マーカー)およ
びCD19(B細胞マーカー)に対し、特異的なフルオレス
セイン−またはフィコエリスリン−共役モノクローナル
抗体で30分間色付けされた。2色免疫螢光法が、ベクト
ン−ディッキンソンファクスキャン(FACSCAN)フロー
サイトメータで分析された。その結果、サイズの小さな
T細胞(全細胞の16%)の分離した固体群、B細胞の固
体群、マウス細胞を含む非−T細胞、非−B細胞および
両方の抗体に非特異的に結合するラージ活性細胞が生存
することが認められた。この人為的な活性細胞の存在
は、おそらく、マウスまたはヒト由来のものであり、移
植の後、数週間ヒト細胞の数量化を複雑にする。しかし
ながら、PBL注入の後、12週間またはそれ以上経つと、
活性細胞は少なくなり、生存するヒトTおよびB細胞を
同定することが容易になる。T細胞は、受容体の脾臓お
よび腹腔内に長い期間存在し、Tリンパ球の大半は、CD
4サブセットに属している。
この実験は、ネズミ料の抗原提示細胞の役割が完全に
排除され得ないとはいえ、機能し得るヒト抗原提示細
胞、ヘルパーT細胞およびB細胞が少なくとも20週間、
SCID受容体内で持続することを示唆している。機能し得
る再構築のさらなる証拠が、PBL−再構築SCIDマウスの
脾臓または腹腔内の細胞を、破傷風毒素、植物性血球凝
集素またはアメリカヤマゴボウマイトジェンと培養する
ことによって得られた。これらの抗原/マイトジェン
は、テストされる受容体のほとんど、しかしすべてでは
ない、から細胞のチミジン結合の増加を刺激した(デー
タは示さず)。一方、再構築されなかったSCIDマウス
は、これらの刺激に応答しなかった。
この発明の最も大きく、最も共通し、かつおそらく最
も重要な適用は、ヒト以外の実験動物、最も一般的には
SCIDマウスまたはヌードマウスに、ヒトの免疫系細胞を
移植することにある。一方、この発明は、供与体動物の
免疫系をそれ以外の種の受容体動物で研究することがで
きるものである。上述したように、受容体動物は、供与
体動物の免疫機能を発生させることができる、リンパ球
系、骨髄球系および赤血球系のような免疫系細胞を受入
れて、そのような細胞を生体内で繁殖させ、受容体動物
に、供与体動物の免疫応答を生じさせる。
加えて、リンパ球、骨髄球および赤血球のようなヒト
の免疫系細胞、たとえば白血球が注入された受容体実験
動物は、ヒトリンパ球の悪性化が非常に起こりやすい。
したがって、正常なヒト免疫系器官細胞の悪性転換を研
究するための、簡便で魅力的な実験動物を提供すること
ができる。今までのところに見られる悪性化は、B細胞
に由来してきたが、T細胞悪性化もこの系において発生
するであろう。EBVまたはその他のウィルスの細胞への
感染は、それらの悪性転換の或る形態において重要であ
る。しかし、感染するウィルスの存在または不存在の役
割は、十分に明確にされてきておらず、現在、ウィルス
に感染された細胞が必須でないことが示されている。
実験SCID動物に注入するために用いられる細胞の源お
よび細胞の経歴は、もしその細胞が供与体の免疫特性を
保持していれば、重要ではない。こうして、供与体の免
疫系からの凍結され、前もって刺激された別の細胞が用
いられてもよい。例に示されるように、免疫機能を発生
することができるリンパ球、骨髄および赤血球の系列な
どの、ヒト免疫系細胞は、この発明において用いられる
免疫系転移細胞の重要な源の1つを構成するが、他の動
物の免疫系がこの発明に従って研究されてもよい。
供与体の免疫系は、患者が悪性のものを有しているか
どうかにかかわりなく、正常な細胞、またはたとえばエ
リテマトーデスを有する患者からの欠損しているかまた
は異常な細胞を用いて受容体内に誘導され得る。それが
正常であるかどうかにかかわらず、供与体からの悪性で
ない細胞を用いて、悪性が受容体内に誘導され得る。
大変重要な第1のステップが達成され、実験動物の生
体内でヒトの免疫応答をテストするための系の形成が明
らかになった。もちろん、発見された現象の正確な説明
に関して解明されるべき本質的な問題が存在するが、発
見の重要性の真価は、関連の生物学的メカニズムの十分
な理解を待つ必要はない。たとえば、SCIDマウス内の機
能しうるヒトTおよびBリンパ球は主に長命の再循環成
熟細胞から由来すると推定されるが、再循環する幹細胞
または原種からのそのような再構築はおそらく別のおよ
び/またはより良い説明となっている。無傷免疫系内の
ホメオスタシスに通じる正常な調節相互作用はPBL−再
構築SCIDマウス内で変えられると考えられ、すべての受
容体においてB細胞の活性化および多数のEBV+PBLの受
容体内において腫瘍形成をもたらす。これらのプロセス
においてマウスの異種間抗原に対して応答するヒトT細
胞の役割は今のところ明確にされていない。高いまたは
低くない数のPBLのSCID受容体内でのヒトB細胞リンパ
腫の発生は刺激的な発見であり、かつ骨髄移植を受ける
ヒトのSCID患者内でのEBV陽性リンパ腫の発生を想い出
させるシーラー・ダブリュ・ティーら、(Searer,W.T.e
t al.,N.Engl.J.Med.,312:1159,1985)。この成果は、
B細胞における低い頻度の潜伏EBV感染、トサト・ジー
ら、(Tosato,G.et al.,J.Clin.Invest.,73:1789,198
4)、珍しい形質転換事象、T細胞による異種間GVH反応
の強さに比例するB細胞の広がり、またはすべてのこれ
らの要因の組合わせを反映するかもしれない。それにも
かかわらず、B細胞腫瘍の急速な発生のこの観察は、ヒ
トリンパ腫の研究のための重要な新しいモデルを提供す
る。
ヒトの細胞で再構築されたSCIDマウスの初期の研究に
おいて、10ないし100×106の健康な成熟した男性供与体
からフィコール−ハイパーク(Ficoll−Hypaque)で分
離されたPBLが、SCIDマウス受容体の腹腔内(i.p.)ま
たは静脈内(i.v.)のいずれかに注入された。i.p.で注
入されたすべてのマウスにおけるヒトの細胞の植付けが
観察されたが、i.v.で与えられたPBLの植付けに関して
はその形跡は観察されなかった。i.p.で40×106以上のP
BLを注入された8匹のマウスは、移植後6ないし8週間
で臨床的疾患の形跡を示し始めたが、10×106PBLの4匹
の受容体は注入の後も1年以上生存しかつ健康である。
影響された動物の解剖は、腹腔、肝臓、肺および腎臓内
の巨大な腫瘍塊の存在ならびに脾臓および末梢リンパ節
の広汎的拡大を示した。これらの腫瘍塊の組織試験はリ
ンパ芽球性増殖を示し、かつ腫瘍DNAは、ヒトのAluシー
ケンスプローブおよびEBVの内部繰返し要素に対して特
異的なプローブの両方でハイブリッド形成された。腫瘍
の細胞は、ヒト免疫グロブリンおよびBリンパ球特定マ
ーカーCD19およびCD20の両方に対する抗体によって色付
けされた。これらの実験に関連した両方の供与体は、EB
Vに対する抗体に対して血清陽性であると見出された。
これらのデータは、先行のEBV感染が、SCIDマウスヘ
の十分な数のPBLの移植によるポリクローナルまたはモ
ノクローナルB細胞リンパ増殖疾患のいずれかを引き起
こすという仮説に至った。これらの仮説は、EBV陽性ま
たはEBV陰性供与体のいずれかから均等な数のPBLを受取
ったSCIDマウス内での腫瘍の発生を比較することによっ
てテストされた。その研究の結果は第5図に示される。
これらの結果は、EBVの供与がこれらの自然のリンパ腫
の発生に関係することを示す。さらなるデータは、これ
らの腫瘍がしばしばバイクローナルまたはトリクローナ
ルであり、かつIgM陽性腫瘍はより一般的であるが、IgM
およびIgG産生B細胞の両方を含むということを示す。
SCIDマウス内でのEBV関連B細胞リンパ腫の発生は、
リンパ腫形成における初期のステップを研究するための
新しいモデルを提供する。
EBV血清陰性供与体からの10×106PBLで再構築されたS
CIDマウスは、遊離ウィルスおよび生体外で感染された
同系Tリンパ芽球の混合物として与えられる、HIV−1
のLAV−1株で8週間後に感染された。第6図に示され
るデータによって示されるように、HIVがほとんどすべ
てのこれらのマウスからのウィルスの培養によって回収
された。HIVの複製は、新鮮なヒトTリンパ芽球とPBLで
再構築されたSCIDマウスからの細胞との共培養によって
検出された。ウィルスの複製は、アボットp24捕捉アッ
セイを用いて培養上澄み中のp24コア蛋白質の発生によ
って定量された。ウィルスの存在はPCRおよび原位置(i
n situ)ハイブリダイゼーションによって確認された。
さらに、大変高いレベルのウィルスを有する4匹の動物
が、ヒトTリンパ球の消耗、重量欠損および消耗によっ
てAIDS様症候群特性を示した。こうして、AIDSの病因を
理解するための有益な動物モデルが開発された。
これらの観察が多くの未解決な問題を提示する一方
で、最も注目に価すると考えられるのは、異種間移植が
第1に成功であったことである。さらなる操作で、ヒト
リンパ球細胞で再構築されたSCIDマウスが無傷ヒト免疫
系をよりさらに近く擬態するようにされ得ると考えられ
る。こうして、ワクチンに対するヒトの免疫応答を予測
し、免疫調節因子をテストし、かつHIV感染およびヒト
の腫瘍における病原のメカニズムを調べるための手段が
提供される。
この発明は、ヒトの免疫系の研究において特定の応用
に関して広い範囲のものでありかつ有利であると理解さ
れるであろうけれども、そのような研究または上記に述
べられた詳論に制限されない。
産業上の応用 この発明は免疫学的研究を行なう上で有益であり、診
断物質および装置の評価ならびにヒトと動物との治療の
応用のための化学的および生物学的薬剤の評価において
有益である実験動物および方法を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ウィルソン,ダーシー・ビー アメリカ合衆国、92037 カリフォルニ ア州、ラ・ホイア ラ・ホイア・シーニ ック・ドライブ・ノース、8669 (56)参考文献 特開 平2−31632(JP,A) Nature Vol.335,P.256 −259(1988)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】自己と異なる種の供与体哺乳動物の免疫応
    答を示すヒト以外の受容体哺乳動物であって、 自己の免疫系については重症複合免疫不全(SCID)で、
    自己のIgレベルが検出されず、 供与体哺乳動物の悪性でない末梢血の白血球が腹腔内経
    路で注入されており、 該供与体哺乳動物の白血球の注入による明らかな腫瘍を
    形成せずに生きることができ、かつ 該供与体哺乳動物の白血球の注入により生体内で該供与
    体哺乳動物の免疫応答が発現され、該供与体哺乳動物の
    T細胞、B細胞およびマクロファージが産生される、 該供与体哺乳動物の免疫系研究用のヒト以外の受容体哺
    乳動物。
  2. 【請求項2】該供与体哺乳動物がヒトであり、該受容体
    哺乳動物がマウスである請求項1に記載の哺乳動物。
  3. 【請求項3】供与体哺乳動物の免疫系研究用の哺乳動物
    モデルを生産する方法であって、 成熟した供与体哺乳動物の悪性でない末梢血の白血球
    を、重症複合免疫不全(SCID)で、自己のIgレベルが検
    出されない、該供与体哺乳動物と異なる種の生きたヒト
    以外の受容体哺乳動物に腹腔内注入経路で注入する工程
    と、 該受容体哺乳動物が該供与体哺乳動物の白血球の注入に
    より生体内で該供与体哺乳動物の免疫応答を発現するま
    で、該受容体哺乳動物を生きた状態に保つ工程とを備え
    てなる、該供与体哺乳動物の白血球の注入による明らか
    な腫瘍を形成しない免疫系研究用の哺乳動物モデルの生
    産方法。
  4. 【請求項4】107〜108セルの該悪性でない末梢血の白血
    球が注入される、請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】該供与体哺乳動物がヒトであり、該受容体
    哺乳動物がマウスである請求項3または4に記載の方
    法。
  6. 【請求項6】該供与体哺乳動物がEBウィルス陰性であ
    る、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 【請求項7】該供与体哺乳動物がEBウィルス陽性であ
    り、かつ50×106より少ない数の該悪性でない末梢血の
    白血球が注入される、請求項3〜5のいずれか1項に記
    載の方法。
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