JP2959745B2 - 表面欠陥評価装置 - Google Patents

表面欠陥評価装置

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JP2959745B2 JP6231781A JP23178194A JP2959745B2 JP 2959745 B2 JP2959745 B2 JP 2959745B2 JP 6231781 A JP6231781 A JP 6231781A JP 23178194 A JP23178194 A JP 23178194A JP 2959745 B2 JP2959745 B2 JP 2959745B2
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    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
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    • G01N23/20Investigating or analysing materials by the use of wave or particle radiation, e.g. X-rays or neutrons, not covered by groups G01N3/00 – G01N17/00, G01N21/00 or G01N22/00 by using diffraction of the radiation by the materials, e.g. for investigating crystal structure; by using scattering of the radiation by the materials, e.g. for investigating non-crystalline materials; by using reflection of the radiation by the materials

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  • Analysing Materials By The Use Of Radiation (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線の回折現象を利用
して、単結晶試料に含まれる格子欠陥や格子歪などの欠
陥の空間分布を測定するX線トポグラフ法を用いた表面
欠陥評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】X線トポグラフ法は、転位密度が少ない
良質の単結晶について、転位、積層欠陥、双晶面、不純
物析出、偏析等の欠陥を観察することができる。測定分
解能は、X線源の大きさ、装置の幾何学的条件、X線の
波長幅、写真乾板の粒子の大きさ等で決定される。X線
トポグラフ法には種々の方法が提案されている。
【0003】ラング法では、スポット状のX線束を薄い
試料に照射して、試料を通過した回折X線を写真乾板に
記録し、試料および写真乾板を結晶面に沿って走査する
ことによって、広い領域の欠陥分布を一枚の写真に撮影
する。
【0004】ベルグ−バレット法では、X線源を遠ざけ
てスリットによってX線束を平行性を良くしてから試料
に入射させる。写真乾板を試料表面近くに配置して、表
面で反射した回折X線が乾板に対して垂直に入るように
構成している。
【0005】二結晶法では、スポット状のX線束を第1
結晶で回折させて平行性を良くし、さらに試料である第
2結晶に照射して、試料から反射回折したX線を写真乾
板に記録する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
X線トポグラフ法では、X線管の陰極としてタングステ
ンから成る巻線型のフィラメントが使用されているた
め、陰極から放射される電子線の強度分布がフィラメン
トの疎密分布に対応して不均一となり、陽極ターゲット
から発生するX線の強度分布は空間的に均一でなくな
る。このような不均一なX線束を用いると、写真乾板上
での記録濃度にムラが発生し、測定精度が著しく低下す
ることになる。
【0007】本発明の目的は、試料の表面欠陥を高い空
間分解能で、高精度かつ短時間に評価することができる
表面欠陥評価装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、X線束を発生
するためのX線発生器と、X線発生器からのX線束を所
定結晶面で回折させるための回折結晶と、回折結晶で回
折したX線束を試料表面に対して斜めに照射し、試料の
所定結晶面で回折するX線束の強度分布を検出するため
のX線撮像手段と、試料の姿勢を調整するための姿勢調
整手段と、試料で回折したX線束の強度を検出するため
のX線検出手段と、X線検出手段からの出力に基づい
て、姿勢調整手段を制御するための制御手段とを備え、
X線発生器は陽極および非巻線型の陰極を有し、陽極上
に電子の線焦点を形成して、線焦点と同様な形状をした
スリット状のX線束を線焦点長手方向に対して略垂直方
向に発生し、該X線束の長手方向を試料に関して入射X
線および出射X線を含む平面に対して略平行に設定し、
さらに試料表面に関してX線束の入射角度と回折角度と
が相違するとともに、X線撮像手段を用いた試料撮影を
行う前に、試料をステップ搬送して、各搬送位置におけ
る試料の最適姿勢を記憶した後、試料撮影時には、試料
をステップ搬送して、各搬送位置における試料の姿勢を
先に記憶した最適姿勢に基づいて設定し撮影することを
特徴とする表面欠陥評価装置である。また本発明は、前
記陰極は、LaB6 結晶またはLaB6 焼結体から成る
熱電子発生部を有し、熱電子発生部のジュール加熱によ
る直熱型または熱電子発生部を発熱体で挟んだ傍熱型で
あることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に従えば、X線発生器において非巻線型
の陰極を用いることによって、該陰極から均一な強度を
持つ電子線が放射され、陽極上の線焦点から均一強度の
X線束が発生する。そのため、写真乾板等のX線撮像手
段で撮影されるX線情報に陰極の誤差要因が混入しなく
なって、濃度ムラの少ないX線トポグラフが得られ、高
精度の評価が可能になる。
【0010】また、陽極上に電子の線焦点を形成して、
線焦点と同様な形状をしたスリット状のX線束を線焦点
長手方向に対して略垂直方向に発生し、該X線束の長手
方向を試料に関して入射X線および出射X線を含む平面
に対して略平行に設定している。たとえば、従来の点焦
点によるX線束が1mm×1mm程度の断面であるのと
比べて、本発明によるX線束は10mm×0.1mm程
度の断面が実現可能となる。これによって、試料でのX
線照射領域が拡大して、一度に撮影できる面積がたとえ
ば200mm×30mm程度に大きくなり、全体の測定
時間を短縮化できる。
【0011】さらに、X線束の長手方向に関して、回折
結晶でのブラッグ反射によってほぼ平行化されるため、
この方向の空間分解能はあまり劣化しない。また、X線
束の幅方向は従来と比べてより小さくなるため、幅方向
の空間分解能が格段に向上し、たとえば5μm程度の空
間分解能が容易に達成できる。
【0012】また、試料表面に関して、X線束の入射角
度と回折角度とが相違する、いわゆる非対称反射の配置
を採用することによって、試料表面に対して斜めに存在
する結晶面でのX線回折が検出可能になり、X線束の入
射角度を小さく設定でき、試料でのX線照射領域をより
拡大することができる。さらに、回折結晶での回折面格
子間隔と試料での回折面格子間隔とを相違させることが
可能になり、回折結晶および試料の両方で回折条件を満
足するX線波長が限定的になる。したがって、X線発生
器からのX線が白色X線やマルチスペクトルであって
も、X線撮像手段に到達するX線が単色化され、所定以
外のX線波長によるゴースト像が回避される。
【0013】さらに、試料の姿勢調整手段と、試料で回
折したX線束の強度を検出するX線検出手段と、X線検
出手段からの出力に基づいて姿勢調整手段を制御する制
御手段とを設けることによって、試料の姿勢調整が容易
になる。特に試料でのX線回折強度が最大となるように
試料の姿勢を調整することによって、X線撮像手段に到
達するX線強度が大きくなり、測定感度が最適となる姿
勢を容易に設定することができる。また、X線撮像手段
を用いた試料撮影を行う前に、試料をステップ搬送し
て、各搬送位置における試料の最適姿勢をメモリ等に予
め記憶しておいて、試料撮影時には、試料をステップ搬
送して、各搬送位置における試料の姿勢を先に記憶した
最適姿勢に基づいて設定して撮影することによって、試
料のセッティングを迅速に行うことができる。
【0014】また、X線発生器の陰極はLaB結晶ま
たはLaB焼結体から成る熱電子発生部を有すること
によって、熱電子放出効率が良好な非巻線型の陰極を実
現できる。さらに、陰極が熱電子発生部のジュール加熱
による直熱型または熱電子発生部を発熱体で挟んだ傍熱
型であることによって、陰極の温度分布が均一になり、
強度分布の均一な電子線が得られる。特にLaB結晶
は、焼結体のものより結晶性が優れているため、強度分
布がより均一な電子線が得られる。
【0015】
【実施例】図1は、本発明の一実施例を示す正面図であ
る。表面欠陥評価装置1は、X線束を発生するX線発生
器10と、X線発生器10からのX線束を整形するため
のスリット装置21と、スリット装置21を通過したス
リット状のX線束が斜め入射して、所定結晶面で回折さ
せるための回折結晶22と、回折結晶22から出射した
X線束を整形するためのスリット装置30と、スリット
装置30を通過したスリット状のX線束が半導体ウエハ
等の試料SPに斜め入射して、所定結晶面で回折するX
線束の強度分布を検出する写真乾板41と、写真乾板4
1の背面側に設置され、X線束の強度を検出するための
スリット装置42およびシンチレータ43などで構成さ
れる。
【0016】X線発生器10は、陰極から放射された電
子が陽極に衝突して、陽極材料に固有のX線を発生する
ものであり、図1では陽極を回転させるためのモータ1
1が取付けられた回転陽極型のものを示す。なお、陽極
が固定された固定X線管も同様に使用可能である。X線
発生器10には、陰極および陽極に印加される電圧を制
御する高圧回路12や、陰極および陽極の周囲を真空状
態に保つための真空ポンプ13が設置される。X線発生
器10は水平面に対して上向きに傾斜するように支持台
14に支持され、さらに基台2に固定されている。
【0017】図2(a)はX線発生器10の陽極15お
よび陰極16の配置を示す概略斜視図であり、図2
(b)は陰極16の構造図である。銅やモリブデン等か
ら成る陽極15が円柱状に形成され、一定速度で回転す
るように軸支される。陽極15の側面に対向して、陽極
15の回転軸と長手方向とが略平行になるように陰極1
6が配置される。
【0018】陰極16は、フィラメント構造を持たない
非巻線型であって、図2(b)に示すように、細長のL
aB6 焼結体から成る熱電子発生部16aをカーボン等
の発熱体16bで挟んだ傍熱型陰極であり、積層方向に
電流を流すことによって電気抵抗の大きい発熱体16b
が加熱されて、熱電子発生部16aが高温になって熱電
子がスリット状に放射される。こうして均一な強度分布
を持つ電子線が得られる。
【0019】陰極16と陽極15の間には高電圧が印加
されているため、図2(a)に示すように、陰極16か
ら出た電子は、陰極16の形状をほぼ保ちながら陽極1
5に衝突して線焦点17を形成する。線焦点17からは
放射状にX線が発生するが、線焦点17の長手方向に対
して略垂直方向で、かつ陽極16の側面の接線方向に発
生するX線をスリット18で取り出すことによって、均
一な強度分布を持つスリット状のX線束を得ている。
【0020】以上の説明において、陰極16がLaB
焼結体を用いた傍熱型陰極である例を説明したが、熱電
子発生部16aはLaB結晶で形成してもよく、また
LaB以外の材料を使用しても構わない。さらに陰極
16は、発熱体16bを用いないで、熱電子発生部16
aの通電によってそれ自体がジュール熱を発生する直熱
型でもよい。特にLaB結晶は、焼結体のものより結
晶性が優れているため、強度分布がより均一な電子線が
得られる。
【0021】図1に戻って、X線発生器10から上向き
発生したX線束は、スリット装置21を通過してX線束
の平行化と断面形状の整形が行われる。このときX線束
の断面XBは、10mm×0.1mm程度のものが得ら
れ、その長手方向は紙面平行になる。
【0022】スリット装置21を通過したX線束は、回
折結晶22に斜め入射して、所定結晶面で回折する。回
折結晶22は、たとえば転位が極力少ないSi、Ge等
の単結晶材料が用いられ、その表面はたとえば(11
1)結晶面に設定される。回折結晶22はコ字状のホル
ダ23の上内面に固定され、X線束はホルダ23の中を
通過する。ホルダ23は、各制御軸毎にモータが取付け
られた微動ステージ24に搭載され、遠隔制御によって
回折結晶の姿勢および高さを高精度で調整可能にしてい
る。回折結晶22では、回折結晶面の格子間隔、X線波
長および入射角で決まるブラッグ反射条件を満足するX
線束だけが所定角度で回折する。
【0023】回折結晶22で回折したX線束は、スリッ
ト装置30を通過してX線束の平行化と断面形状の整形
が行われ、試料SPの表面に対して小さい角度で入射
し、試料SPの所定結晶面で回折する。このときX線束
の長手方向は、試料への入射平面、すなわち試料に関し
て入射X線および出射X線を含む平面(紙面平行)に対
して略平行に設定されている。
【0024】試料SPの所定結晶面で回折したX線束
は、そのまま平行に進行してホルダ40に着脱自在に装
着された写真乾板41を感光させる。所定の露光が終了
すると、試料SPおよび写真乾板41をX線束に対して
相対的に移動させて、再びX線束による撮影を行い、こ
れを繰返すことによって試料SPの全面を撮影すること
ができる。その後、現像処理を経て回折X線の強度分布
が濃度変化として記録される。
【0025】試料SPが欠陥の少ない完全結晶である場
合は、入射X線束の殆ど全てがX線回折条件を満足する
ため、写真乾板41への露光量が多くなり、濃度が高く
なる。一方、試料SPに欠陥が存在する場合は、欠陥部
分でX線回折条件を満足しなくなり、写真乾板41への
露光量が減少して、濃度が低くなる。したがって、記録
濃度の低い部分に対応して、試料SPに表面欠陥が存在
することになる。
【0026】なお、X線撮像手段として、写真乾板41
の代わりに、感光フィルム、半導体エリアセンサ、IP
(イメージングプレート)等を使用しても、同様なX線
トポグラフを得ることができる。
【0027】図3は、試料SPのX線回折の様子を示す
拡大図である。回折結晶22の表面である(111)面
で回折したX線束は、試料SPの表面をほぼ全て照射す
るように低い角度で入射する。なお、試料SPとしてS
iウエハを使用する場合、表面の切断面は(100)面
であることが多い。試料SPに入射したX線束は、試料
SPの(311)結晶面に対してブラッグ反射条件を満
たしており、(311)面に関してX線の入射角と反射
角が一致している。一方、試料SPの表面と(311)
面とは所定角度で交差しているため、試料SPの表面に
関してX線束の入射角と回折角とが相違する非対称反射
の配置となっている。なお、試料SPの回折結晶面は
(311)面に限られず、他の面指数の結晶面を使用し
ても構わなない。試料SPの姿勢を調整して、任意の結
晶面を選択するために、試料SPは各制御軸毎にモータ
が取付けられた微動ステージ32に保持されている。微
動ステージ32は制御回路44によって制御され、シン
チレータ43からの出力をモニタしながら動作する。試
料SPの姿勢および高さを調整する場合は、写真乾板4
1をホルダ40から取り外して、ホルダ40の背面側に
設置されたシンチレータ43に試料SPで回折したX線
束を直接入射させ、シンチレータ43からの出力が最大
になるように微動ステージ32を制御する。
【0028】図1に戻って、微動ステージ24、32、
スリット装置21、30、ホルダ40およびシンチレー
タ43等は、防振台20の上に固定され、外部からの振
動がX線露光に悪影響を与えるのを防止しており、特に
回転陽極の駆動源であるモータ11からの振動を防止す
るため、支持台14と分離して設置されている。
【0029】図4(a)は試料SPでの対称反射の配置
を示し、図4(b)は試料SPでの非対称反射の配置を
示す。X線発生器10の線焦点17から、たとえばCu
−Kα1線(以下、X1という)、Cu−Kα2線(以
下、X2という)という異なる波長のX線が発生して、
回折結晶22の(111)面で回折する。
【0030】図4(a)において、X1はブラッグ角α
の回折条件を満たし、X2はブラッグ角βの回折条件を
満たす。さらに、試料SPの(111)面は、回折結晶
22の(111)面と同じ格子面間隔を持ち、かつ互い
に平行に配置されており、試料SPに入射するX1、X
2は、同様にブラッグ角α、βの回折条件をそれぞれ満
足する。そのため、X1、X2ともに写真乾板に到達
し、波長の違いによって回折角がずれているため、X線
トポグラフにゴースト像が発生して、観察し難くくな
る。
【0031】一方、図4(b)において、試料SPの回
折面は、回折結晶22の(111)面と異なる格子面間
隔を持つ(311)面に設定され、試料SPに入射する
X1がブラッグ角γの回折条件を満足するように、試料
SPの回折面が角度設定される。また、試料SPに入射
するX2は、(311)面ではブラッグ反射条件を満足
しないため、回折されないでそのまま通過することにな
る。したがって、X1だけが写真乾板に到達するため、
ゴースト像が無く、高い解像度のX線トポグラフを得る
ことができる。
【0032】図5は、試料SPのX線照射領域を示す図
である。試料SPとしてIC製造用のSiウエハを用い
る場合、切断面である表面は(100)面であることが
多く、X線回折面として傾斜した高次の結晶面、たとえ
ば(311)面を使用すると、X線束の入射方向と結晶
面とのなす角度γは28.060度となり、(100)
の表面と(311)面とのなす角度δは25.239度
となるので、入射角εは引算して2.821度になる。
このような小さい入射角εは、一度に撮影できる領域が
大きくなることを意味し、入射X線束の幅t、入射角ε
および照射野の長さLを用いて、t=L×sinεが成
立する。
【0033】たとえば、直径8インチのSiウエハを端
から端まで一度に測定するには、L=200mm、ε=
2.821度を代入すると、t=9.84mmが求ま
る。すなわち、約10mmの線焦点を持つX線発生器を
使用することによって、8インチウエハの表面欠陥を短
時間に評価できることになる。
【0034】図6は、X線トポグラフの撮影の様子を示
す斜視図である。X線発生器10から縦長のX線束が発
生して、回折結晶22によって回折して、8インチウエ
ハ等の試料SPに対して長さLの細長い領域XWを照射
している。領域XWの幅は、X線発生器10からある程
度拡がって30mm程度になるため、試料SPを領域X
Wの直角方向にステップ搬送させながら約7回に分けて
X線露光を行うことによって、試料SPの全体の表面欠
陥を1枚の写真乾板に収めることができる。
【0035】なお、試料SPをステップ搬送する度に、
搬送誤差によって回折条件から外れることがあるため、
写真乾板41を装着する前にシンチレータ43を用いて
各搬送位置毎に微動ステージ32の最適姿勢を予めメモ
リ等に記憶しておいた後、撮影開始後は各搬送位置に対
応して微動ステージ32の調整を行う。こうして試料S
Pをステップ搬送しても、最適な姿勢を迅速に設定する
ことができる。
【0036】こうして従来の方法ではX線照射領域が2
0mm×20mm程度であったため、ウエハ1枚の撮影
に約1日必要であったが、本発明ではウエハ1枚につき
約1時間で完了することができる。
【0037】また、本発明では高分解能の撮影が可能に
なるため、X線発生器10と試料SPとの距離を近付け
ても所望の分解能が確保される。したがって、従来の方
法ではX線源と試料との間の距離が2m程度必要であっ
たが、本発明では60cm程度に縮めることが可能にな
り、それによってX線強度も増加するため、全体の測定
感度の向上、測定時間の短縮化が図られる。
【0038】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、X
線発生器において非巻線型の陰極を用いることによっ
て、強度が均一なX線束が発生するため、濃度ムラの少
ないX線トポグラフが得られ、高精度の評価が可能にな
る。また、試料でのX線照射領域が拡大して、全体の測
定時間を短縮化できる。
【0039】また、試料表面に関して、X線束の入射角
度と回折角度とが相違する、いわゆる非対称反射の配置
を採用することによって、X線撮像手段に到達するX線
が単色化され、所定以外のX線波長によるゴースト像が
回避される。
【0040】また、X線発生器の陰極から強度分布の均
一な電子線を発生することが可能になり、X線束の強度
が均一化される。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す正面図である。
【図2】図2(a)はX線発生器10の陽極15および
陰極16の配置を示す概略斜視図であり、図2(b)は
陰極16の構造図である。
【図3】試料SPのX線回折の様子を示す拡大図であ
る。
【図4】図4(a)は試料SPでの対称反射の配置を示
し、図4(b)は試料SPでの非対称反射の配置を示
す。
【図5】試料SPのX線照射領域を示す図である。
【図6】X線トポグラフの撮影の様子を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 表面欠陥評価装置 2 基台 10 X線発生器 11 モータ 12 高圧回路 13 真空ポンプ 14 支持台 15 陽極 16 陰極 17 線焦点 18 スリット 20 防振台 21、30、42 スリット装置 22 回折結晶 23、40 ホルダ 24、32 微動ステージ 41 写真乾板 43 シンチレータ 44 制御回路
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−36719(JP,A) 特開 平2−204952(JP,A) 特開 平4−301800(JP,A) 特開 平6−273357(JP,A) 日本結晶学会誌 Vol.4,NO. 1&2(1977)PP.55−72 高良和武編「X線回析」1988−7−15 共立出版,PP.428−431

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 X線束を発生するためのX線発生器と、 X線発生器からのX線束を所定結晶面で回折させるため
    の回折結晶と、 回折結晶で回折したX線束を試料表面に対して斜めに照
    射し、試料の所定結晶面で回折するX線束の強度分布を
    検出するためのX線撮像手段と、 試料の姿勢を調整するための姿勢調整手段と、 試料で回折したX線束の強度を検出するためのX線検出
    手段と、 X線検出手段からの出力に基づいて、姿勢調整手段を制
    御するための制御手段とを備え、 X線発生器は陽極および非巻線型の陰極を有し、陽極上
    に電子の線焦点を形成して、線焦点と同様な形状をした
    スリット状のX線束を線焦点長手方向に対して略垂直方
    向に発生し、該X線束の長手方向を試料に関して入射X
    線および出射X線を含む平面に対して略平行に設定し、
    さらに試料表面に関してX線束の入射角度と回折角度と
    が相違するとともに、 X線撮像手段を用いた試料撮影を行う前に、試料をステ
    ップ搬送して、各搬送位置における試料の最適姿勢を記
    憶した後、 試料撮影時には、試料をステップ搬送して、各搬送位置
    における試料の姿勢を先に記憶した最適姿勢に基づいて
    設定し撮影することを特徴とする表面欠陥評価装置。
  2. 【請求項2】 前記陰極は、LaB6 結晶またはLaB
    6 焼結体から成る熱電子発生部を有し、熱電子発生部の
    ジュール加熱による直熱型または熱電子発生部を発熱体
    で挟んだ傍熱型であることを特徴とする請求項1記載の
    表面欠陥評価装置。
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