JP2958439B2 - 自動二輪車用vベルト式自動変速機 - Google Patents

自動二輪車用vベルト式自動変速機

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JP2958439B2
JP2958439B2 JP7087395A JP8739595A JP2958439B2 JP 2958439 B2 JP2958439 B2 JP 2958439B2 JP 7087395 A JP7087395 A JP 7087395A JP 8739595 A JP8739595 A JP 8739595A JP 2958439 B2 JP2958439 B2 JP 2958439B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】この発明は、自動二輪車用Vベル
ト式自動変速機、特に、樹脂系の固体潤滑剤を混入した
ナイロン樹脂を使ってつくったウェイトローラを用いる
自動二輪車用Vベルト式自動変速機に関する。 【0002】 【従来の技術】従来の自動二輪車に使うVベルト式自動
変速機は、エンジンに連動する駆動軸に取付けるVベル
ト用の駆動ブーリが、駆動軸に固定された固定フェース
と、駆動軸上に摺動自在に設けられた可動フェースとで
構成され、ウェイト装置が、駆動軸に固定された押え板
と、この押え板と可動フェースの背面との間に移動自在
に配したウェイトローラとで構成され、駆動軸の回転速
度の変化に伴うウェイトローラの遠心力の変化を利用し
て、可動フェースを軸方向に動かして、固定フェースと
可動フェースとの間の間隔を変化させ、駆動プーリのV
ベルト巻き掛け径を駆動軸の回転速度に対応させて変化
させ、Vベルト式自動変速機の従動プーリの回転速度を
自動的に変速するようになっている。上記Vベルト式自
動変速機のウェイトローラは、可動フェースの背面と押
え板とに常に接触して摺動するため、非常に摩耗しやす
いものである。そのため、可動フェースの背面と押え板
との間に潤滑用のグリースを供給してウェイトローラの
摩耗を抑制したり、可動フェース、押え板等の周囲をカ
バーで覆ってグリースの飛散を防止し(特開昭57−1
24152号公報参照)たりしている。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】従来のVベルト式自動
変速機のように、可動フェースの背面と押え板との間に
グリースを供給して、ウェイトローラを潤滑すると、駆
動プーリの回転によりグリースに遠心力が生じ、グリー
スが遠心力で飛散して消耗する。また、グリースは使用
により劣化するから、ウェイト装置のグリース量等を定
期的に点検し、グリースが不足している時には供給し、
グリースが劣化している時には交換する必要があり、保
守、点検が極めて煩雑である欠点がある。また、可動フ
ェース、押え板等の周囲をカバーで覆い、グリースの飛
散を防止するようにすると、シールの製作等に多くの手
間と費用がかかり、その保守、点検も煩雑になる欠点が
ある。さらに、無給油式のものもあるが、ウェイトロー
ラが可動フェースの背面及び押え板に接触しながら移動
するときに、ウェイトローラがうまく転動しないと、ウ
ェイトローラが局部摩耗し、長期にわたって安定した変
速特性を維持できない欠点がある。この発明の解決しよ
うとする課題は、上記のような欠点を有しない自動二輪
車用Vベルト式自動変速機を提供すること、換言する
と、ウェイトローラの局部摩耗がなく、長期にわたって
安定した変速特性が維持でき、潤滑剤の供給が不要で、
保守、点検が簡単な自動二輪車用Vベルト式Vベルト式
自動変速機を提供することにある。 【0004】 【課題を解決するための手段】この発明の自動二輪車用
Vベルト式自動変速機は、エンジンのクランク軸である
駆動軸上にVベルト用のプーリが設けられ、このプーリ
が互いに対面する固定フェースと可動フェースとで構成
され、固定フェースが駆動軸に固定され、可動フェース
が駆動軸にその軸方向に摺動自在に支承され、押え板が
可動フェースの背面に対面して駆動軸の軸方向に移動し
ないように駆動軸に固定され、可動フェースの背面と押
え板の可動フェース側の面との間の隙間が駆動軸の径方
向の外方にゆくに従い漸次狭くなるように、可動フェー
ス及び押え板が形成され、ウェイトローラが前記隙間内
に駆動軸の径方向に移動自在に配され、プーリの回転に
伴うウェイトローラの遠心力で、ウェイトローラが駆動
軸の径方向に移動しつつ可動フェースの背面を動かし
て、プーリのVベルト巻き掛け径を変化させるようにな
っている自動二輪車用Vベルト式自動変速機において、
前記駆動軸上のエンジンに接近する側に押え板が配さ
れ、駆動軸上の押え板の反エンジン側に可動フェースが
配され、駆動軸上の可動フェースの反押え板側に固定フ
ェースが配され、押え板が鋼でつくられ、可動フェース
がアルミニュームでつくられ、ウェイトローラが固体潤
滑剤としてポリテトラフルオルエチレンを混入したナイ
ロン樹脂を使ってつくられ、固定フェースと可動フェー
スの間に配されたVベルトが、可動フェースと押え板と
の間の隙間に配されたウェイトローラよりもエンジンか
ら離れた位置にあることを特徴とするものである。 【0005】 【作用】この発明の自動二輪車用Vベルト式自動変速機
は、ウェイトローラが固体潤滑剤としてポリテトラフル
オルエチレンを混入したナイロン樹脂を使ってつくられ
ているから、ナイロン樹脂が有する耐熱性及び耐衝撃性
と固体潤滑剤としてのポリテトラフルオルエチレンが有
する小さい摩擦係数とにより、ウェイトローラが優れた
自己潤滑性を有し、かつ耐熱性、耐摩耗性及び耐疲労性
にも優れたものになり、それに作用する熱や衝撃荷重等
に充分に耐え得るものになる。この発明の自動二輪車用
Vベルト式自動変速機は、その押え板が鋼でつくられ、
その可動フェースがアルミニュームでつくられいるか
ら、ウェイトローラの可動フェースに接触する部分の周
方向の摩擦力とウェイトローラの押え板に接触する部分
の周方向の摩擦力とに差が生じ、ウェイトローラが転動
し易くなり、ウェイトローラの局部摩耗を防止すること
ができる。自動二輪車用Vベルト式自動変速機の構成部
材のうち熱的影響を受け易いものはVベルト及びナイロ
ン樹脂を使ってつくられいるウェイトローラである。こ
の発明の自動二輪車用Vベルト式自動変速機は、固定フ
ェースと可動フェースの間に配されたVベルトが、可動
フェースと押え板との間の隙間に配されたウェイトロー
ラよりもエンジンから離れた位置にあるため、Vベルト
がエンジンの放出熱から保護されることになり、また、
ウェイトローラは、上述したように、耐熱性に優れた樹
脂材料を使ってつくられ、かつ転動し易くしてあって、
ウェイトローラの局部摩耗を防止することができ、長期
にわたって安定した変速特性を維持することができるも
のになっている。この発明の自動二輪車用Vベルト式自
動変速機は、そのウエイト装置のウェイトローラは、固
体潤滑剤としてポリテトラフルオルエチレンを混入した
ナイロン樹脂を使ってつくられていて、耐熱性、耐摩耗
性、耐疲労性等に優れ、自己潤滑性を有するため、ウェ
イトローラが接触する可動フェース及び押え板の部分に
グリース等の潤滑油を供給する必要がなく、覆いが不要
で、保守点検が非常に簡単になり、かつ長期間にわたっ
て安定した変速特性を維持することができる。 【0006】 【実施例】この発明の実施例を図1及び図2を使って詳
細に説明する。図1に示すように、図示されていない自
動二輪車の車体にエンジン(内燃機関)1が取付けら
れ、エンジン1の回転が伝動装置3を介して後輪2に伝
達されるようになっている。図1に示すように、クラン
ク軸5がエンジン1のクランクケース4で支承され、ク
ランクケース4に伝動ケース7が取付けられている。伝
動ケース7の後端で後輪2が支承されている。そして、
クランク軸5と後輪2との間に、Vベルト式変速機9、
クラッチ装置10及び歯車減速装置11が設けられ、ク
ランク軸5の回転が後輪2に伝達されるようになってい
る。Vベルト式変速機9は、エンジン1の増速に従い減
速比が減少するよう構成された自動変速機であり、クラ
ンク軸5である駆動軸に支持された駆動プーリ13と、
伝動ケース7の後部で支承された従動軸14に支持され
た従動プーリ15と、これらのプーリ13、15に巻き
掛けられたVベルト16とで構成されている。駆動プー
リ13は、そのVベルト溝が互いに対面して配される固
定フェース18と可動フェース19とで構成され、固定
フェース18はクランク軸5に固定され、可動フェース
19はクランク軸5上にその軸線方向に摺動自在に支承
されている。また、駆動プーリ13は、可動フェース1
9、押え板21及びウェイトローラ22からなるウェイ
ト装置20を備えており、駆動プーリ13の変速に伴う
ウェイトローラ22の遠心力の変化を利用して、可動フ
ェース19を軸線方向に動かし、駆動プーリ13のVベ
ルト16の巻き掛け径を変化させるようになっている。
そして、押え板21がエンジン1に最も近く配され、固
定フェース18がエンジン1から最も離れて配され、押
え板21と固定フェース18との間に可動フェース19
が配されて、固定フェース18と可動フェース19との
間にVベルト16が配され、押え板21と可動フェース
19との間にウェイトローラ22が配され、Vベルト1
6がウェイトローラ22よりもエンジン1から離れた位
置に配置されている。固定フェース18及び可動フェー
ス19は、アルミニュームをダイキャストして製作され
ている。 【0007】ウェイト装置20の押え板21は鋼板を加
工して製作される。この押え板21はクランクケース4
から突出するクランク軸5上のクランクケース4に接近
する側に配され、可動フェース19はクランク軸5上の
押え板21の反クランクケース4側に配されている。押
え板21は、クランク軸5にその軸線方向に移動しない
ように取付けられ、この押え板21の可動フェース19
側の面21aと可動フェース19の背面19aとの間の
隙間がクランク軸5の径方向の外方にゆくに従い漸次狭
くなるように、可動フェース及び押え板が形成され、前
記隙間にウェイトローラ22を挿入するようになってい
る。ウェイトローラ22と接触する可動フェース19の
背面19aは、図2に示すように、そのウェイトローラ
22と接触する部分のクランク軸5に直交する(すなわ
ち、クランク軸5の軸線に対して直角に交わる)面F
に対する傾斜角度αが次順大きくなる曲面になってお
り、また、押え板21のウェイトローラ22と接触する
可動フェース側の部分21aは、クランク軸5に直交す
る面Fに対して角度βだけ傾斜している。可動フェー
ス19の背面19aと押え板21の面21aとの間の隙
間に挿入されたウェイトローラ22は、可動フェース1
9の背面19aと押え板21の可動フェース側の面21
aとに接触して、クランク軸5の径方向に移動自在に、
すなわち、転動及び摺動できるようになっている。そし
て、駆動プーリ13の増速又は減速(変速)に応じて、
ウェイトローラ22に作用する遠心力が増加又は減少
し、ウェイトローラ22がクランク軸5の径方向(すな
わち、可動フェース19及び押え板21の径方向)の外
方又は内方に移動して、可動フェース19をクランク軸
5の軸線方向に動かし、駆動プーリ13のVベルトの巻
き掛け径を変化させる。 【0008】従動プーリ15は、図1に示すように、従
動軸14上に回動自在に設けられ、駆動プーリ13と同
様に、そのVベルト溝が互いに対面して配される固定フ
ェース25と可動フェース26とで構成され、この可動
フェース26は、従動プーリ15のVベルト16の巻き
掛け径が増大する方向、すなわち、固定フェース25側
にスプリング27にて付勢されている。そして、エンジ
ン1が増速すると、駆動プーリ13のウェイトローラ2
2に作用する遠心力が大きくなり、ウェイトローラ22
がクランク軸5の径方向の外方に移動する。押え板21
がクランク軸5にその軸線方向に移動しないように取付
けられ、可動フェース19がクランク軸5にその軸線方
向に摺動自在に支承され、可動フェース19の背面19
aと押え板21の可動フェース側の面21aとの間の隙
間がクランク軸5の径方向の外方にゆくに従い漸次狭く
なっているから、ウェイトローラ22のクランク軸5の
径方向の外方への移動に応じて、図2に二点鎖線で示す
ように、可動フェース19が固定フェース18側に押し
動かされ、固定フェース18と可動フェース19との間
の間隔が小さくなり、駆動プーリ13のVベルトの巻き
掛け径が大きくなる。また、これに対応して、Vベルト
16に作用する引張力が大きくなって、Vベルト16に
より、従動プーリ15の可動フェース26がスプリング
27に抗して、固定フェース25から離れる方向に押し
動かされ、従動プーリ15のVベルトの巻き掛け径が小
さくなる。その結果、エンジン1の増速に伴い、減速比
が減少するようになる。クラッチ装置10は、図1に示
すように、クラッチ駆動側の部材29とクラッチ従動側
の部材30とからなる遠心式クラッチで構成され、クラ
ッチ従動側の部材30が歯車減速装置11の入力軸であ
る従動軸14に固着され、後輪2の図示されていない後
車軸が歯車減速装置11の出力部に連動するようなって
いる。歯車減速装置11が後輪2に接近して配され、ク
ラッチ装置10が後輪2から離れて置され、歯車減速装
置11とクラッチ装置10との間に従動プーリ15が配
されている。そして、クラッチ装置10は、従動プーリ
15が所定速度以下の場合には動力の伝達を行わず、従
動プーリ15が所定速度以上になったときに、動力の伝
達を行うように構成される。 【0009】Vベルト式自動変速機のウェイト装置のウ
ェイトローラ22は、樹脂系の固体潤滑剤を混入した樹
脂を使ってつくられている。樹脂としてナイロン樹脂を
使用し、このナイロン樹脂に混入する固体潤滑剤として
ポリテトラフルオルエチレン(PTFE)を使用する。
ナイロン樹脂には、必要に応じて、補強材を混入する。
補強材としては、ガラス繊維、カーボン繊維、若しくは
アラミド繊維(例えば、デュポン社製のケプラー繊維)
等を使用する。ウェイトローラ22を、樹脂系の固体潤
滑剤と上記補強材とを混入したナイロン樹脂を使ってつ
くると、自己潤滑性を有し、耐熱性、耐摩耗性、耐疲労
性等に優れたウェイトローラ22が得られ、ウェイトロ
ーラ22と接触する可動フェース19及び押え板21の
面19a、21aの仕上精度は多少粗くてもよい。な
お、これらの面19a、21aは、必ずしも必要ではな
いが、メッキ仕上されたものでもよい。 【0010】ウェイトローラ22をつくるのに適した成
型材料の組成を説明する。 (組成例) 成型材料を6−6ナイロン樹脂が90重量%、補強材の
カーボン繊維が5重量%及び固体潤滑剤としてのポリテ
トラフルオルエチレンが5重量%になるように調製す
る。この成型材料を使ってウェイトローラ22をつくつ
た。このウエイトローラは摩耗が少なかった。なお、本
発明の比較例として、潤滑剤を配合しない成型材料を使
ってウェイトローラを成型した場合を説明する。 (比較例) 成型材料を6−6ナイロン樹脂が90重量%、補強材の
ガラス繊維が10重量%になるように調製する。この成
型材料を使ってウェイトローラ22をつくった。このウ
ェイトローラは摩耗が多かった。 【0011】実施例の自動二輪車用Vベルト式自動変速
機のウェイト装置20のウェイトローラ22は、その押
え板21が鋼でつくられ、その可動フェース19がアル
ミニュームでつくられているため、ウェイトローラ22
の可動フェース19に接触する部分の周方向の摩擦力と
ウェイトローラ22の押え板21に接触する部分の周方
向の摩擦力とに差が生じ、ウェイトローラ22の転動が
容易になり、ウエイト装置20を無給油式にしても、ウ
ェイトローラ22の局部摩耗を確実に防止することがで
き、長期にわたって安定した変速特性を維持することが
できる。そのうえ、比較的に軽いアルミニュームで可動
フェース19がつくられいるから、固体潤滑剤としてポ
リテトラフルオルエチレンが混入されているナイロン樹
脂を使ってウェイトローラ22をつくっても、ウェイト
ローラに作用する遠心力により可動フェース19を容易
に動かすことができる。また、自動二輪車用Vベルト式
自動変速機を構成する部材のうちで熱的影響を受け易い
ものはVベルト16及びナイロン樹脂を使ってつくられ
たウェイトローラ22である。実施例の自動二輪車用V
ベルト式自動変速機は、固定フェース18と可動フェー
ス19の間に配されたVベルト16が、可動フェース1
9と押え板21との間の隙間に配されたウェイトローラ
22よりもエンジン1から離れた位置にあるため、Vベ
ルト16がエンジンの放出熱から保護されることにな
り、また、ウェイトローラ22は、上述したように、耐
熱性に優れた樹脂材料を使ってつくられ、かつ転動し易
くしてあって、ウェイトローラの局部摩耗を防止するこ
とができ、長期にわたって安定した変速特性を維持する
ことができるものになっている。 実施例の自動二輪車
用Vベルト式自動変速機においては、その作動時に、エ
ンジン1の放出熱によりクランク軸5、押え板21、可
動フェース19等が加熱され、エンジン1の振動による
繰り返し衝撃荷重が可動フェース19、押え板21、ウ
ェイトローラ22等に作用し、可動フェース19及び押
え板21とウェイトローラ22との接触による摩擦熱に
より可動フェース19、押え板21、ウェイトローラ2
2等が加熱される。ウェイトローラ22を、前記組成例
のような補強材としてカーボン繊維(又はアラミド繊
維)が混入されかつ固体潤滑剤としてポリテトラフルオ
ルエチレンが混入されているナイロン樹脂を使ってつく
ると、耐熱性、耐摩耗性及び耐疲労性に優れたウェイト
ローラ22が得られ、このウェイトローラ22は、上記
熱や衝撃荷重に充分に耐えられ、かつ自己潤滑性がある
から、長期にわたって安定した変速特性を維持すること
ができる。 【0012】 【発明の効果】この発明は、特許請求の範囲に記載した
構成を備えることにより、次の(イ)〜(ハ)の効果を
奏する。 (イ)この発明の自動二輪車用Vベルト式自動変速機
は、エンジンのクランク軸である駆動軸上のエンジンに
接近する側に押え板が配され、駆動軸上の押え板の反エ
ンジン側に可動フェースが配され、駆動軸上の可動フェ
ースの反押え板側に固定フェースが配され、押え板が鋼
でつくられ、可動フェースがアルミニュームでつくら
れ、ウェイトローラが固体潤滑剤としてポリテトラフル
オルエチレンを混入したナイロン樹脂を使ってつくら
れ、ナイロン樹脂が有する耐熱性及び耐衝撃性と固体潤
滑剤としてのポリテトラフルオルエチレンが有する小さ
い摩擦係数とにより、ウェイトローラが優れた自己潤滑
性を有し、かつ耐熱性、耐摩耗性及び耐疲労性にも優れ
たものになり、それに作用する熱や衝撃荷重等に充分に
耐え得るものになり、Vベルト式自動変速機の変速特性
を長期にわたって安定させることができ、その保守、点
検等を簡素化することができる。ナイロン樹脂は、高い
耐熱性を有し、繰り返し衝撃荷重にも強く、長期にわた
って安定した性質を維持できる樹脂であり、かつ、鋼に
削られず、アルミニュームを削らない適度の硬度をもつ
樹脂であり、このナイロン樹脂中に小さい摩擦係数を有
するポリテトラフルオルエチレンを固体潤滑剤として混
入したから、ウェイトローラが自己潤滑性を有し、その
表面の摩擦係数が小さくなり、その表面の耐摩耗性が高
くなり、ウェイトローラが可動フェースや押え板を損傷
することがなく、可動フェースや押え板によってウェイ
トローラが損傷されることもない。 (ロ)この発明の自動二輪車用Vベルト式自動変速機
は、その押え板が鋼でつくられ、その可動フェースがア
ルミニュームでつくられているから、ウェイトローラの
可動フェースに接触する部分の周方向の摩擦力とウェイ
トローラの押え板に接触する部分の周方向の摩擦力とに
差が生じ、ウェイトローラが転動し易くなり、ウェイト
ローラの局部摩耗を確実に防止することができる。自動
二輪車用Vベルト式自動変速機の構成部材のうち熱的影
響を受け易いものはVベルト及びナイロン樹脂を使って
つくったウェイトローラである。この発明の自動二輪車
用Vベルト式自動変速機装置は、固定フェースと可動フ
ェースの間に配されたVベルトが、可動フェースと押え
板との間の隙間に配されたウェイトローラよりもエンジ
ンから離れた位置にあるため、Vベルトがエンジの放出
熱から保護されることになり、また、ウェイトローラ
は、上述したように、耐熱性に優れた樹脂材料を使って
つくられ、かつ転動し易くしてあって、ウェイトローラ
の局部摩耗を防止することができ、長期にわたって安定
した変速特性を維持することができるものになってい
る。 (ハ)この発明の自動二輪車用Vベルト式自動変速機
は、そのウェイトローラが、固体潤滑剤としてポリテト
ラフルオルエチレンを混入したナイロン樹脂を使ってつ
くられていて、自己潤滑性を有するから、ウェイトロー
ラと接触する可動フェース及び押え板の部分にグリース
等の潤滑油を供給する必要がなくなり、潤滑油の飛散を
防ぐカバーが不要になり、保守、点検等が簡素化でき、
長期にわたって安定した変速特性を維持することができ
る。
【図面の簡単な説明】 【図1】実施例の自動二輪車のVベルト式自動変速機等
を備えた伝動装置をクランク軸及び従動軸の中心軸線を
含む面で横断した平面図 【図2】図1の要部を拡大した平面図である。 【符号の説明】 1 エンジン 2 後輪 3 伝動装置 5 クランク軸 9 Vベルト式変速機 13 駆動プーリ 14 従動軸 15 従動プーリ 16 Vベルト 18 固定フェース 19 可動フェース 19a 背面 20 ウェイト装置 21 押え板 21a 面 22 ウェイトローラ

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.エンジンのクランク軸である駆動軸上にVベルト用
    のプーリが設けられ、このプーリが互いに対面する固定
    フェースと可動フェースとで構成され、固定フェースが
    駆動軸に固定され、可動フェースが駆動軸にその軸方向
    に摺動自在に支承され、押え板が可動フェースの背面に
    対面して駆動軸の軸方向に移動しないように駆動軸に
    定され、可動フェースの背面と押え板の可動フェース側
    の面との間の隙間が駆動軸の径方向の外方にゆくに従い
    漸次狭くなるように、可動フェース及び押え板が形成さ
    れ、ウェイトローラが前記隙間内に駆動軸の径方向に移
    動自在に配され、プーリの回転に伴うウェイトローラの
    遠心力で、ウェイトローラが駆動軸の径方向に移動しつ
    つ可動フェースの背面を動かして、プーリのVベルト巻
    き掛け径を変化させるようになっている自動二輪車用
    ベルト式自動変速機において、前記駆動軸上のエンジン
    に接近する側に押え板が配され、駆動軸上の押え板の反
    エンジン側に可動フェースが配され、駆動軸上の可動フ
    ェースの反押え板側に固定フェースが配され、押え板が
    鋼でつくられ、可動フェースがアルミニュームでつくら
    、ウェイトローラが固体潤滑剤としてポリテトラフル
    オルエチレンを混入したナイロン樹脂を使ってつくら
    れ、固定フェースと可動フェースの間に配されたVベル
    トが、可動フェースと押え板との間の隙間に配されたウ
    ェイトローラよりもエンジンから離れた位置にあること
    を特徴とする自動二輪車用Vベルト式自動変速機
JP7087395A 1995-03-20 1995-03-20 自動二輪車用vベルト式自動変速機 Expired - Lifetime JP2958439B2 (ja)

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