JP2956227B2 - 自動販売機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は本体ケース内に断熱室
が形成され、缶入り飲料等の商品を冷却・保冷して販売
する自動販売機に関する。

【０００２】

【従来の技術】缶入り清涼飲料等の商品を販売する自動
販売機は前面に外扉を有する本体ケース内に断熱室が区
画形成され、ここにサーペンタイン形商品ラック及び冷
却器が設置され、前記商品ラック内に商品が収容され、
前記商品が冷却されて販売される。そして適時に前記外
扉及び断熱室の前面に設けられた断熱性内扉を開閉して
前記商品ラックに商品の補充が行われる。この商品の補
充時に上記自動販売機では断熱室全面が全開されるため
に、断熱室内の冷気が大量に流出してしまい、商品補充
後の再冷却に長時間を必要とする。

【０００３】上記室内冷気の流出を抑制するため、既に
次の構成のものが開発されている。先ず図３に示すもの
は実開昭57-42480号公報により開示のものである。本体
ケース１は前面に外扉２を備え、又、内部に断熱壁によ
り断熱室３が画成され、この断熱室３内には上部に投入
口４ａを有するサーペンタイン形商品ラック４及び冷却
器５が設置される。又、断熱室３の前面には搬出商品の
商品通路６ａを有する断熱性内扉６が設けられる。そし
て、この断熱性内扉６は商品補充時には商品ラック４上
部の投入口４ａを開放するよう斜め下向きに平行移動し
て図のごとく断熱室３前面の上部のみ開放できるように
支持されている。しかして室内空気の流出が抑制され
る。

【０００４】次に、図４に示すものは実開昭57-42481号
公報により開示されたもので、内扉が上部内扉６Ａと下
部内扉６Ｂとに２分割されており、商品補充時には上部
内扉６Ａを前方下向きに平行移動させ、断熱室３の上部
のみを開放できるように構成されている。

【０００５】更に、図５に示すものは実公昭58-47503号
公報により開示されたもので、内扉が上部内扉６Ａと下
部内扉６Ｂとに２分割されると共に、上部内扉６Ａが外
扉２と一体的に形成される。しかして外扉２の開閉と共
に断熱室３の上部が開放される。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで上記図３、図
４及び図５に示す自動販売機は商品補充時に冷気の流出
を抑制できるものの、図３及び図４に示すものは内扉６
又は上部内扉６Ａを斜め方向に移動可能に支持させるた
めに支持構造が複雑になるとともに、開放時内扉又は上
部内扉を支えていなければならない不具合があった。又
図５に示すものは上部内扉６Ａと断熱室３前面との密着
が外扉２の閉成状態に左右されるために十分な密閉が得
られない場合が生じる欠点があった。

【０００７】この発明は構成が簡単で開放時上部内扉を
手で支える必要がなく、又断熱室の密閉を損うことなく
構成され、かつ商品補充時に冷気の流出を抑制すること
ができて高い冷却効率の得られる自動販売機を提供する
ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
請求項１記載の発明によれば、前面に外扉を備える本体
ケース内に断熱室が形成され、この断熱室の前面に断熱
性内扉を備え、かつ断熱室内部に、投入口を上部に有す
る商品ラックが設置される自動販売機において、前記内
扉を上部内扉と下部内扉とに分割して形成し、前記上部
内扉を外扉の背面に前後方向に移動可能に支持する支持
手段および前記上部内扉を本体ケース側に押圧する付勢
手段を設けたことを特徴とする。又、請求項２記載のよ
うに、支持手段は外扉の背面および上部内扉の前面にそ
れぞれ回動可能に軸支され、前記外扉および上部内扉を
連結するリンクにより構成し、付勢手段は前記外扉にお
けるリンクの支軸に巻回され、前記リンクを上部内扉方
向へ押圧するばねにより構成するのがよい。

【０００９】

【作用】この発明においては、内扉を上部内扉と下部内
扉とに分割して形成し、上部内扉を外扉の背面に前後方
向に移動可能に支持する支持手段および前記上部内扉を
本体ケース側に押圧する付勢手段を設けたことにより、
商品補充時に外扉を開けると支持手段により上部内扉の
みが外扉とともに移動して商品ラックの投入口を開放す
る。又、外扉を閉じると上部内扉は商品ラックの投入口
を閉じるように断熱室に当接し、かつ付勢手段により断
熱室に押し付けられて断熱室前面を密閉する。

【００１０】

【実施例】図１及び図２はこの発明の実施例を示すもの
で、図３ないし図５と同一又は共通のものは同一の符号
で示す。図１及び図２において、内扉６は上部内扉６Ａ
と下部内扉６Ｂとに分割して構成される。７はリンクで
あり、上部内扉６Ａ前面上及び外扉２背面上にそれぞれ
設けられる支軸６１及び支軸２１に両端が回転可能に連
結される。そして、上部内扉６Ａはその上下左右４個所
に設けられた４個のリンク７によって外扉２に前後方向
に移動可能に支持される。８は支軸２１に巻回され、一
端がリンク７に当接し、他端が外扉２に取付けられたス
トッパ９Ｂに当接するばねであり、このばね８はリンク
７を介して上部内扉６Ａを矢印Ａ方向に付勢する。９Ａ
は上部内扉６Ａが所定距離以上外扉２から離れるのを防
止するストッパである。ここで、前記リンク７が上部内
扉６Ａを外扉２の背面に前後方向に移動可能に支持する
支持手段を構成し、ばね８が上部内扉６Ａを本体ケース
１側に押圧する付勢手段を構成する。

【００１１】前述の構成において、商品補充時には、外
扉２を開けるのに伴って、下部内扉６Ｂはそのままに上
部内扉６Ａだけが開放され、商品ラック４の上部に設け
られた投入口４ａを開放する。従って、商品補充時にお
ける断熱室３内の冷気流出が抑制される。又、上部内扉
６Ａがリンク７を介して外扉２に保持されているので、
上部内扉６Ａを手で支えることも不要である。そして、
商品の補充を終え、外扉２を閉じるのに伴って、ばね８
によって矢印Ａ方向に押し出されていた上部内扉６Ａが
先ず断熱室３の前端面に当接し、続いて外扉２がばね８
の力に抗して閉じられる。外扉２が閉成した状態ではば
ね８が撓み、上部内扉６Ａが前周均一かつ適当な力で断
熱室３の前端面に押し付けられ、断熱室３の前面が確実
に密閉される。又、前記上部内扉６Ａは前後方向に移動
するだけなので、リンク７による簡単な支持構造により
支持することができる。

【００１２】更に、丁番を介して横方向に回動可能に内
扉が支持される従来の自動販売機が、内扉の支持側寄り
に設置される商品ラック７に商品を投入するために内扉
を開放するには、外扉を１４０°〜１５０°開放しなけ
ればならないのに比べ、この発明による上記自動販売機
では、上部内扉６Ａが外扉２に付隋して開放されるので
外扉２を略９０°開放すればよく、商品補充時の開閉操
作が容易となり、又設置スペースが狭くてよい大きな利
点が得られる。

【００１３】

【発明の効果】この発明によれば、前面に外扉を備える
本体ケース内に断熱室が形成され、この断熱室の前面に
断熱性内扉を備え、かつ断熱室内部に、投入口を上部に
有する商品ラックが設置される自動販売機において、前
記内扉を上部内扉と下部内扉とに分割して形成し、前記
上部内扉を外扉の背面に前後方向に移動可能に支持する
支持手段および前記上部内扉を本体ケース側に押圧する
付勢手段を設けたことにより、商品補充時に外扉を開け
た際には上部内扉のみ開放し、下部内扉は閉じた状態に
あるので、冷気流出を抑制するとともに、上部内扉は前
後方向に移動するだけであるので、上部内扉の支持構造
が簡単になり、かつ上部内扉を手で支える必要がなく、
又、上部内扉の閉成時には断熱室が確実に密閉されると
いう効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施例を示す自動販売機の発明要部
側面図

【図２】この発明の実施例を示す自動販売機の斜視図

【図３】従来の自動販売機の縦断面図

【図４】別の従来例を示す自動販売機の発明に係る部分
の断面図

【図５】更に異なる従来例を示す自動販売機の斜視図

【符号の説明】

１ 本体ケース ２ 外扉 ４ 商品ラック ６ 内扉 ６Ａ 上部内扉 ６Ｂ 下部内扉 ７ リンク ８ ばね

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】前面に外扉を備える本体ケース内に断熱室
   が形成され、この断熱室の前面に断熱性内扉を備え、か
   つ断熱室内部に、投入口を上部に有する商品ラックが設
   置される自動販売機において、前記内扉を上部内扉と下
   部内扉とに分割して形成し、前記上部内扉を外扉の背面
   に前後方向に移動可能に支持する支持手段および前記上
   部内扉を本体ケース側に押圧する付勢手段を設けたこと
   を特徴とする自動販売機。
2. 【請求項２】請求項１記載の自動販売機において、支持
   手段は外扉の背面および上部内扉の前面にそれぞれ回動
   可能に軸支され、前記外扉および上部内扉を連結するリ
   ンクからなり、付勢手段は前記外扉におけるリンクの支
   軸に巻回され、前記リンクを上部内扉方向へ押圧するば
   ねからなることを特徴とする自動販売機。