JP2955932B1 - ボールジョイントのボールスタッド割りピン穴方向規制装置 - Google Patents

ボールジョイントのボールスタッド割りピン穴方向規制装置

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JP2955932B1 JP26742698A JP26742698A JP2955932B1 JP 2955932 B1 JP2955932 B1 JP 2955932B1 JP 26742698 A JP26742698 A JP 26742698A JP 26742698 A JP26742698 A JP 26742698A JP 2955932 B1 JP2955932 B1 JP 2955932B1
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Abstract

【要約】 【課題】 ボールジョイントにおいて、ソケットのタイ
ロッドに対しボールスタッドの割りピン穴の方向が所定
の角度位置に正確に保持された状態で組立てられるよう
にする。 【解決手段】 ボールジョイント組立用の治具5の内側
治具52にボールプランジャー6を取付け、外側治具5
1上にソケット3を載置しソケット3のタイロッド31
を外側治具51のチャック部51aに固定してセット
し、内側治具52のボールスタッドセット穴51aにベ
アリング2を嵌装組付けたボールスタッド1のねじ軸部
12を差し込み、ねじ軸部12を回し割りピン穴13に
ボールプランジャー6が係合した状態でセットすること
により、ボールプランジャー6がタイロッド31に対す
る割りピン穴13の方向を所定角度位置に正確に規制
し、その角度位置を保持した状態でボールジョイントの
組立てが行われるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボールジョイント
の組立時、ボールスタッドに設けられている割りピン穴
の方向を一定方向に規制設定する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】図1に示すように、一端に球状部11を
もったボールスタッド1と、該ボールスタッド1の球状
部11を嵌装抱持する内腔部21を有するベアリング2
と、該内腔部21内に球状部11を嵌装抱持した状態の
ベアリング2を嵌装保持するソケット3とからなり、ソ
ケット3の外周部から一方向に延びるタイロッド31を
有するボールジョイントは、従来より例えば車両のステ
アリングリンケージ等のジョイントとして広く用いられ
ている。
【0003】上記ボールジョイントは、図4に示すよう
に、球状部11にベアリング2を嵌装組付けたボールス
タッド1とソケット3とを治具5にセットし、ベアリン
グ2上にエンドプレート4を当てて下方へ押圧すること
により、外側治具51に対し内側治具52を下方へ移動
させてベアリング2をソケット3内に嵌挿し、ソケット
3周縁を全周にわたりカシメ固定することにより、球状
部11がベアリング2によって所定の締付力にて締め付
けられた状態にて組立てられるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ボールジョイント
のボールスタッド1のねじ軸部12には、割りピンを差
し込むための割りピン穴13が設けられており、組立状
態におけるソケット3のタイロッド31に対する割りピ
ン穴13の方向は、ボールジョイントの使用目的に応じ
て決められており、通常はタイロッド31の中心線に対
し割りピン穴13の中心線が90°の方向を向くよう組
立てなければならない。
【0005】ところが、組立てに際して治具5にセット
する場合、ソケット3のタイロッド31は外側治具51
に設けたチャック部51aにて固定され、セット状態で
常に一定方向を保持するようになっているが、ボールス
タッド1は割りピン穴13が設けられているねじ軸部1
2を内側治具52のボールスタッドセット穴52aに差
し込みセットされるので、従来は割りピン穴13の方向
を正確にセットすることができず、組立後の割りピン穴
13の方向は不揃いとならざるを得ない。従って、ボー
ルジョイント組立完了後に手作業にて合せ棒等を用いて
割りピン穴13の方向を揃えなければならない、という
課題を有していた。
【0006】本発明は上記のような従来の課題を解決す
ることを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
ボールジョイントにおいて、組立用治具のボールスタッ
ドセット穴部に、ボールスタッドセット穴にボールスタ
ッドのねじ軸部を差し込みセットした場合、該ねじ軸部
に設けた割りピン穴に係合して割りピン穴の方向を規制
するボールプランジャーを設けたことを特徴とするもの
であり、これにより、ボールジョイント組立てに際し、
ソケットを治具にセットすると共に、ボールスタッドの
ねじ軸部を治具のボールスタッドセット穴に差し込みセ
ットした状態で、ボールプランジャーが割りピン穴に係
合してソケットのタイロッドに対する割りピン穴の方向
を所定の角度位置に正確に規制し、その角度位置を保持
した状態でボールジョイントの組立てが行われるので、
組立完了後の割りピン穴の方向修正作業は全く不要とな
り、ボールジョイント組立作業の簡略化,能率化をはか
ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に付
き、図2及び図3を参照して説明する。
【0009】図2は、ボールジョイントの組付けに際
し、ボールスタッド1及びソケット3を組立用の治具5
上にセットした状態を示すものである。
【0010】即ち、先ずボールスタッド1の球状部11
をベアリング2の内腔部21内に嵌装組付け、次にソケ
ット3を外側治具51上に載置し、タイロッド31を外
側治具51に設けたチャック部51aに固定してセット
すると共に、ベアリング2を嵌装組付けたボールスタッ
ド1を、そのねじ軸部12を内側治具52のボールスタ
ッドセット穴52aに差し込みセットする。
【0011】内側治具52には、ボールスタッド1のね
じ軸部12を内側治具52のボールスタッドセット穴5
2aに差し込みセットしたとき、ねじ軸部12に設けた
割りピン穴13に係合して該割りピン穴13の位置を規
制するボールプランジャー6が設けられている。
【0012】ボールプランジャー6は、図3に例示する
ように、ボール61と該ボール61を押圧するスプリン
グ62とこれらを組込んだハウジング63とからなり、
ボール61とスプリング62とを組込んだハウジング6
3を内側治具52の側壁部に径方向に形成した取付穴5
2bにねじ込み固定し、自然な状態でボール61の一部
が内側治具52のボールスタッドセット穴52a内に突
出した状態となるよう構成されている。上記取付穴52
bは、ボールスタッドセット穴52aに差し込みセット
されたねじ軸部12の割りピン穴13に対応する高さ位
置であって、外側治具51のチャック部51aにて固定
されたタイロッド31に対して所定角度例えば90°を
なすよう形成される。尚、内側治具52は外側治具51
に対して回転しないよう回り止め手段が設けられている
が、図2においては、上記取付穴52bにねじ込み固定
されたハウジング63の基部が、外側治具51の内周面
に形成した軸方向の凹溝51b内に嵌入係合することに
より、内側治具52の外側治具51に対する回転方向の
動きを規制するようにした例を示している。
【0013】上記のように構成した内側治具52のボー
ルスタッドセット穴52aにボールスタッド1のねじ軸
部12を差し込むと、ボールスタッドセット穴52a内
に一部突出した状態となっていたボール61は差し込ま
れたねじ軸部12に押されてスプリング62のばね力に
抗してハウジング63内に押し込まれる。そして、ねじ
軸部12が完全に差し込まれた状態でボールスタッドを
回転させ、割りピン穴13とボール61とが一致する
と、図2(C)に示すように、ボール61がスプリング
62のばね力にて突出し割りピン穴13の面取り部13
aに当接係合し、ボールスタッド1の回転方向位置を節
度をもって保持する。この状態でボールスタッド1の内
側治具52へのセットは完了し、割りピン穴13は外側
治具51にセットされたソケット3のタイロッド31に
対し正確に所定角度例えば90°をなす方向に保持され
る。
【0014】以後は、従来方法と同様に、ベアリング2
上にエンドプレート4を当てて下方へ押圧することによ
りベアリング2をソケット3内に嵌挿し、ソケット3の
周縁部を全周にわたりカシメ固定することにより、図1
に示すようなボールジョイントを得ることができる。組
立完了後、ボールスタッド1のねじ軸部12を内側治具
52のボールスタッドセット穴52aから抜き取ると、
ボール61はねじ軸部12に押されて一旦ボールスタッ
ドセット穴52aより引っ込んだ後、ねじ軸部12の通
過に伴って再びボールスタッドセット穴52a内に一部
突出した状態に戻る。
【0015】このようにして組立てられたボールジョイ
ントは、ソケットのタイロッド31の中心線とボールス
タッド1の割りピン穴13の中心線とが正確に所定角度
例えば90°をなした状態に保持されており、従来のよ
うに組立完了後に割りピン穴13の方向を一々修正す
る、といった厄介な手作業は全く不要となり、ボールジ
ョイントの組立作業の簡略化,能率化をはかることがで
きる。
【0016】尚、図示実施例では、図1に示すような形
式のボールジョイントに本発明を適用した例を示してい
るが、本発明は図1に示すボールジョイントに限らず、
従来より公知の任意のボールジョイントに適用可能であ
る。
【0017】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ボールジ
ョイント組立用の治具にボールスタッドをセットすると
き、上記治具に設けたボールプランジャーにて、ボール
スタッドの割りピン穴の位置が正確に設定保持されるこ
とにより、組立完了後のボールスタッドの割りピン穴の
方向がソケットのタイロッドの方向に対し正確に所定角
度をなした状態に保持され、これにより従来のような組
立完了後の手作業による割りピン穴方向の修正作業が全
く不要となり、ボールジョイント組立作業の簡略化及び
能率化をはかることができるもので、構成が簡単でコス
ト低廉なることと相俟って、実用上多大の効果をもたら
し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用しようとするボールジョイントの
一例を示す断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示すもので、(A)はボー
ルジョイント組立用の治具にボールジョイント構成部品
をセットした状態を示す縦断正面図、(B)は(A)の
平面説明図、(C)はボールプランジャーのボールが割
りピン穴に係合した状態を示す部分拡大断面図である。
【図3】図2のボールプランジャーの一例を示す断面図
である。
【図4】従来のボールジョイント組立状態の一例を説明
する図で、(A)はボールジョイント組立用の治具にボ
ールジョイント構成部品をセットした状態を示す縦断正
面図、(B)は(A)の平面説明図である。
【符号の説明】
1 ボールスタッド 2 ベアリング 3 ソケット 4 エンドプレート 5 ボールジョイント組立用の治具 6 ボールプランジャー 11 球状部 12 ねじ軸部 13 割りピン穴 21 内腔部 31 タイロッド 51 外側治具 51a チャック部 51b 凹溝 52 内側治具 52a ボールスタッドセット穴 52b 取付穴 61 ボール 62 スプリング 63 ハウジング

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部に球状部を有しねじ軸部の端部付
    近に割りピン穴を設けたボールスタッドと、該ボールス
    タッドの球状部を内腔部内に嵌装抱持するベアリング
    と、球状部を嵌装抱持したベアリングを嵌装保持するソ
    ケットとからなり、該ソケットはその外周部から一方向
    に延びるタイロッドを有しているボールジョイントにお
    いて、該ボールジョイント組立用治具のボールスタッド
    セット穴部に、ボールスタッドセット穴にボールスタッ
    ドのねじ軸部を差し込みセットした場合、該ねじ軸部に
    設けた割りピン穴に係合して割りピン穴の方向を規制す
    るボールプランジャーを設けたことを特徴とするボール
    ジョイントのボールスタッド割りピン穴方向規制装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のボールジョイントのボ
    ールスタッド割りピン穴方向規制装置において、ソケッ
    トはそのタイロッドが治具に設けたチャック部にて固定
    された状態で治具にセットされ、ボールスタッドのねじ
    軸部に設けた割りピン穴は上記タイロッドの方向に対し
    所定角度をもった方向にボールプランジャーにて規制さ
    れるようになっていることを特徴とするボールジョイン
    トのボールスタッド割りピン穴方向規制装置。
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