JP2955198B2 - 表皮材の貼着方法及びその貼着装置 - Google Patents

表皮材の貼着方法及びその貼着装置

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JP2955198B2
JP2955198B2 JP33859694A JP33859694A JP2955198B2 JP 2955198 B2 JP2955198 B2 JP 2955198B2 JP 33859694 A JP33859694 A JP 33859694A JP 33859694 A JP33859694 A JP 33859694A JP 2955198 B2 JP2955198 B2 JP 2955198B2
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  • Blow-Moulding Or Thermoforming Of Plastics Or The Like (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、芯材の表面に可撓性表
皮材を被せ表皮材の外周縁を芯材の裏側に巻込んで貼着
する表皮材の貼着方法及びその貼着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車用ピラーガーニッシュ,ドアトリ
ム等の内装部品にあっては、図8に示すような硬質プラ
スチック,金属板等からなる芯材5の表面に、図9のご
とくの合成樹脂シート,ファブリック等からなる可撓性
の表皮材6を貼着し、図10,図11のように表皮材6
の外周縁61を芯材5の外周縁51の裏側に巻込んで接
着剤で固着したものが多用されている。こうした表皮材
6の芯材5への貼着は、従来、手作業,真空成形、或い
は圧着プレス成形等に依っていた。しかし、手作業によ
る場合は、生産性が劣る問題及び作業者の熟練度により
仕上がり品質にバラツキがでるといった問題があった。
一方、真空成形による場合は、芯材表面に表皮材を真空
吸引した後、手作業で表皮材の外周縁を芯材の外周縁裏
面に巻込まねばならないため手間がかかり、しかも、表
皮材は、非通気性が要求されるため、使用可能な材質に
限定される問題があった。また、プレス成形による場合
は、アンダーカット形状は採ることができないなど採用
し得る芯材の形状に制限があり、更に、プレス装置等の
設備が大がかりになり設備コストが嵩む問題もあった。
【0003】そこで、本出願人は、先に出願し公開され
た特開平5−220843号に記載の発明によりこれら
の問題点を解決する方法を既に提案した。それは、芯材
をその外周縁を自由にして芯材保持台上に支持し、その
芯材上から柔軟かつ伸縮性を有する包着用シートを被
せ、この包着用シートと前記芯材保持台下部のベースと
の間に密閉空間が形成されるようにして、この密閉空間
を減圧し包着用シートを可撓性表皮材と共に芯材側に巻
込むことにより、表皮材を芯材外周縁の裏側に固着させ
るものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記方法は
芯材上に表皮材をそのまま載せ、これに外方より包着用
シートを被せて真空吸引するものであるため、芯材の表
面に起伏がある場合には表皮材に皺ができ易くなってい
た。とりわけ、周囲に対し隆起した部分(凸部)、具体
的には頂上部から裾野に下る付近等に皺がよる傾向にあ
った。
【0005】本発明はこうした不具合を克服するもの
で、芯材の表面に可撓性表皮材を被せ表皮材の外周縁を
芯材の裏側に巻込んで貼着するにあたり、芯材の起伏に
順応して皺のない表皮材の貼着を可能にする表皮材の貼
着方法及びその貼着装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本第一発明の要旨は、
保持台上に、芯材をその外周縁がはみ出す状態にして支
持させる第一工程と、前記芯材上に表皮材を載置し、
且つ該表皮材の外周縁に形成した係止孔にアクチュエー
タで伸長させたロッドを挿通し、該表皮材を張設状態に
して係止する第二工程と、非通気性又は低通気性の包
着用シートをたるませ、且つ包着用シートと前記保持台
下部に配したベース盤との間に閉空間が形成されるよう
にして前記表皮材上に包着用シートを被せる第三工程
と、前記閉空間を真空吸引して減圧しつつ、所定時間
経過後、ロッドを係止解除状態へ移行させ、更に、真空
吸引して減圧続行し、包着用シートを表皮材と共に芯材
に吸着させ、該表皮材の外周縁を芯材の外周縁の裏側に
巻込ませる第四工程と、の各工程を備える表皮材の貼着
方法にある。ここで、「包着用シート」に係るシートと
は、一般に0.2mm以上の厚みのものとされるが、こ
こではそれ未満の厚みのフィルムも含む広い概念で用い
る。「低通気性の包着用シート」は、閉空間を真空吸引
する際、表皮材が芯材外周縁の裏側へ巻込むように、自
らが収縮できる包着用シートであれば足り、具体的な低
通気性の包着用シートとしては、非通気性の包着用シー
トに適宜の小孔を複数開口したもの等である。「張設状
態」は、シート状の表皮材に皺とか弛みのない状態で足
りる。
【0007】本第二発明は、芯材の表面に表皮材を被せ
且つ該表皮材の外周縁を前記芯材の裏側に巻込んで貼着
する表皮材の貼着装置であって、ベース盤上に配置さ
れ、芯材の外周縁がはみ出す状態にして該芯材を支持す
る保持台と、係止,非係止の切替え可能で、係止状態に
て前記芯材上に載置される可撓性表皮材の外周縁を係止
し該表皮材を張設状態で位置決めする係止部材と、該保
持台を被覆し前記ベース盤との間に閉空間ができるよう
に十分たるませて被せ得る非通気性又は低通気性の包着
用シートと、前記閉空間の真空吸引開始後、所定タイミ
ングで前記係止部材を係止解除状態へ移行させる操作手
段と、を具備し、保持台上に芯材及び表皮材をセットし
且つ包着用シートを被せ、前記閉空間を真空吸引して減
圧することで、包着用シートを表皮材と共に芯材に吸着
させ該表皮材の外周縁を前記芯材の外周縁の裏側に巻込
ませる表皮材の貼着装置にある。
【0008】第三発明の表皮材の貼着装置は、第二発明
で、表皮材外周縁に係止孔を設け、係止部材をロッド
で、操作手段をアクチュエータで構成し、本第四発明の
表皮材の貼着装置は、第三発明のアクチュエータを保持
台内に設けて、ロッドを保持台側面より進退動可能とす
るものである。第五発明は、第二発明〜第四発明で、真
空吸引用の吸気通路を前記保持台内に二系統設けて、一
系統を保持台上面に開口させ、他の一系統を表皮材が巻
込まれる保持台側面に開口させることを特徴とする。
【0009】
【作用】本発明に係る表皮材の貼着方法及びその貼着装
置によれば、芯材上に載置される表皮材は、係止部材に
より張設状態にあるので、皺がよることはない。保持台
下部のベース盤との間に閉空間が形成されるようにして
表皮材上に包着用シートを被せ、しかる後、この閉空間
の真空吸引を開始すると、芯材の凸部に一部を支えられ
る表皮材はテンションがかかったままであるので、この
皺の発生し易い芯材凸部周りが、まずきれいに貼られて
いく。そして、所定タイミングで係止部材を係止解除状
態にすると、障害物となる係止部材が表皮材から取去ら
れるので、表皮材は残りの凹部,巻込み部に係る芯材に
もうまく貼着される。第二発明によると、係止部材,操
作手段を簡易に実現でき、第三発明によると、貼着装置
のコンパクト化が可能になる。第四発明のごとく、真空
吸引用の吸気通路を前記保持台内に二系統設けて、一系
統を保持台上面に開口させ、他の一系統を表皮材が巻込
まれる保持台側面に開口させる構成にすると、表皮材の
外周縁を芯材外周縁の裏側に巻込ませる巻込み部分の真
空吸引を調節できるので、表皮材の巻込み端縁の仕上が
り状態が一層良くなる。
【0010】
【実施例】
(1)実施例1 図1〜図5は、本発明に係る表皮材の貼着方法及びその
貼着装置の一実施例を示す。自動車用ピラーガーニッシ
ュ製品を造るものである。図1は貼着装置,芯材,表皮
材,包着用シートを上下に分解して示した縦断面図、図
2は保持台上に芯材,表皮材をセット後、包着用シート
を被せた状態での貼着装置の縦断面図、図3は図2のA
部の拡大断面図、図4は図2からの作動状態図、図5は
図4からの作動状態図である。
【0011】表皮材の貼着装置 表皮材の貼着装置は、ベース盤1と、保持台2と、係止
部材としてのロッド31と、操作手段としてのエアシリ
ンダ3と包着用シート4とを具備して、芯材5に表皮材
6を貼着する。ベース盤1は上面が平滑な板状体で、そ
の中央部に保持台2を載置するものである(図1)。ベ
ース盤1上には、図示はしないが、自己潤滑性に優れる
ポリアセタール樹脂等からなるプラスチック板(又はプ
ラスチックフィルム)が敷かれ、平滑面を達成してい
る。ベース盤1のベース面広さは保持台2の下面より広
い。ベース盤1の略中央には縦断する吸気パイプ23が
配管され、吸気パイプ23の一端は上面に開口し、他端
が外部の真空機器たる真空ポンプ24に連結する。そし
て、保持台2が覆われるようにして、包着用シート4
(後述)をベース盤1に被せることで、包着用シート4
とこのベース盤1との間に閉空間Sが形成されるように
している(図2)。
【0012】保持台2は、芯材5をベース盤1から浮か
して支持するためのもので、そのブロック体状の上面は
芯材5を受け易くすべく芯材裏面形状に対応させてい
る。すなわち、保持台2の上面は、これに載置される芯
材5の形状に倣って、外周部(図の左右端部)が段付き
状に低くなっている。保持台2の外形は、芯材5の外周
縁を保持台2よりはみ出し状態で支持し得るよう、芯材
5より小さくしている。ここで、芯材5は、製品に対応
させた形状で、図3に示すごとく外周寄りに凸部52,
53を有している。芯材5は、硬質プラスチック,FR
P,繊維固結板,ハードボード,金属板等の形状維持で
きる堅固な材料で造られる。保持台2上には複数箇所に
吸気溝22が形成され、これら吸気溝22は保持台2の
中心を上下に貫通する吸気通路21に連通している。
【0013】符号3は操作手段としてエアシリンダ(ア
クチュエータ)、符号31は係止部材としてエアシリン
ダに係るロッドを示す。エアシリンダ3の本体たるシリ
ンダチューブが保持台2の外周壁(図は左右壁のみを示
す)内の適宜位置に埋設され、図1はこれらエアシリン
ダ3から壁外へロッド31が進出した状態を表してい
る。このロッド31は、エアシリンダ3の操作によって
壁面から大きく伸長した図示の作動状態と収縮した非作
動状態に選択操作される。ここで、表皮材6は、外周縁
61に巻込み代をもつように芯材5より僅かに大きく、
且つその外周縁61の所定位置に係止孔62が予め形成
される。表皮材6の材質としては、塩化ビニル等の合成
樹脂製シートやファブリック等の可撓性のものが使われ
るが、通気性であるか非通気性であるかは問わない。上
記ロッド31は、その伸長時、保持台2上に芯材5を配
してその上に置かれた表皮材6に係る係止孔62に挿通
すると、表皮材に一定のテンションをかけた状態で表皮
材を位置決め,セットできる構成にある(図2,図
3)。斯るセット状態下にあっては、表皮材6に所定の
張力が作用することで、芯材5の屈曲凸部52,53近
傍に皺がよらなくなっている。尚、芯材5の表面及び外
周縁51裏面、或いは表皮材6の裏面等には予め適当な
接着剤が塗布される。本実施例では、エアシリンダ3を
使用して操作手段,係止部材を構成したが、例えば、係
止部材として表皮材の外周縁を挟持可能なチャック機
構、操作手段としてエアシリンダに代え、油圧シリンダ
や電磁弁等のアクチュエータを採用できる。図示はしな
いが、操作手段,係止部材として、保持台2から進退動
するロッド31の基端部を保持台2外に引き回されたワ
イヤに連結させ、このワイヤを電磁弁等で作動させるこ
とで、ロッド31が表皮材6に係る係止孔62に挿通,
係止できるようにしてもよい。
【0014】包着用シート4は、充分にたるませた状態
でその外周縁41を枠フレーム42に挟持される柔軟シ
ートである。包着用シート4をベース盤1上に被せる
と、枠フレーム42がベース盤1の外周縁に嵌合する状
態になる(図2)。尚、たるみ量については、後述の巻
込み過程で包着用シート4がそのたるみを完全になくす
ことなく、少し残るようにするのが望ましい。包着用シ
ート4の大きさは、芯材5の両面と保持台2の側部23
面積とベース盤1の面積とを加えたものより大きい。包
着用シート4の厚みは、10〜100μm、特に20〜
50μmが好適である。包着用シート4の曲げ抵抗が無
視し得る状態に近づき、真空吸引による表皮材6の芯材
5への密着度が高まるからである。ただ、10μm未満
になると、包着用シート4は傷つき損傷し易いため、下
限は10μm程度とされる。包着用シート4の材質に
は、滑り性に優れ且つ非通気性又は低通気性の柔軟なも
のを使用する。具体的には、ポリプロピレンシート,ポ
リエチレンシート,ポリエステルシート,ナイロンシー
ト等で、なかでもポリエチレンシートのような表面の摩
擦抵抗が小さくて且つ滑り易いシートが好適となる。包
着用シート4は、ここでは、ベース盤1の上方に垂直に
設けられたシリンダ(図示せず)によって上下動可能に
なっている。ところで、従来技術(特開平5−2208
43号)では、ゴムシート等の伸縮性を有する包着用シ
ートを構成要件としたが、芯材5が起伏(凹凸)形状が
大なる場合には、包着用シートに大きな伸びが要求され
る。これに、従来の包着用シートでは対応できず、芯材
5に表皮材6の外周縁を巻込めない不具合がでていた。
しかるに、本実施例では、包着用シート4自体を表皮材
6上に十分たるませて被せ得るようにして上記問題を解
決している。
【0015】符号7は、包着用シート4を表皮材6上に
被せた包着用シート4上に必要に応じて置かれる押え部
材を示す。単に包着用シート4をベース盤1上に被せる
だけでは、ベース11との間に隙間ができやすく真空吸
引に手間取る。しかるに、押え部材7が包着用シート4
を押えると、ベース11との間に閉空間Sを形成し、巻
込み工程が順調に進む。押え部材7は、吸引開始後、一
定時間が経過すると、包着用シート4から離れ、包着用
シート4が保持台2側に動けるようになっている。符号
8は、ロッド31周りに介在させる邪魔板を示す。ロッ
ド31の退入時、これに同伴する表皮材外周縁61の移
動を規制し、係止孔62からの離脱を円滑にするために
ある。尚、邪魔板8は、ロッド31の退動後、保持台2
の側壁へ引き寄せられる。
【0016】表皮材の貼着方法 次に、上記表皮材6の貼着装置を使用して、芯材5に表
皮材6を貼着する方法を説明する。芯材5の表面及び裏
面外周縁、或いは表皮材6の裏面等には予め適当な接着
剤がスプレー塗布されている。まず、芯材5を保持台2
上に載置し、芯材5の外周縁51が保持台2よりはみ出
た状態とする(第一工程)。ここで、芯材5が定位置に
載置できるように本実施例のごとく保持台2の上面形状
を芯材5の下面形状に合致させたり、保持台2上に位置
決め片等を突設したりすると好適となる。
【0017】続いて、表皮材6を芯材5上に載置する。
そして、エアシリンダ3を作動させ、伸長したロッド3
1を係止孔62に挿通してこれを係止し、表皮材6をテ
ンションをかけた張設状態にしてセットする(第二工
程)。張られた表皮材6は、ロッド31に係止される
他、皺のでやすい芯材5の凸部52,53周りに当たっ
ている。尚、上記ロッド31は、第二工程に入る時点
で、前もって伸長させておいてもよい。
【0018】次に、枠フレーム42を下降させ包着用シ
ート4をこの表皮材6上にたるませた状態で被せ、この
包着用シート4と保持台2下部のベース盤1との間に閉
空間Sが形成されるようにする(第三工程)。枠フレー
ム42は、ベース盤1の外周縁に嵌合してベース盤1を
覆い被す恰好となる(図2)。
【0019】しかる後、真空ポンプ24を作動させ巻込
み工程を行なう(第四工程)。吸気パイプ23,吸気通
路21,吸気溝22中の空気を吸引し表皮材6を芯材5
の表面に吸着させ前記閉空間Sの空気をも真空吸引す
る。閉空間S内の空気は芯材5の裏面から吸気溝22を
通り、吸気通路21,吸気パイプ23を経て真空ポンプ
24で吸引され、系外に放出される。ここで、真空吸引
開始後の所定タイミングで、エアシリンダ3を作動させ
ロッド31を係止孔62から解除し退動させる。この時
点で、表皮材6は接着剤が塗布されているものの未だ芯
材5の隆起部分(凸部52,53)に融通可能な載置状
態にある。従って、ロッド31の係止を解除された表皮
材は、弛み,皺をつくることなく凹部54に吸い寄せら
れこの領域の貼着に移行する(図4)。更に、閉空間S
が減圧されると、その吸引力により図5に示すように包
着用シート4は表皮材6と共に芯材5に吸着し、表皮材
6の外周縁の巻込み代を芯材5の外周縁の裏側に巻込
む。かくして、表皮材6は皺のでやすい凸部52,53
を表皮材6をピンと張った状態でまず貼着し、これらの
凸部52,53から吸引し易いすそ野部分,凹部54へ
と順に接着して、最後に外周縁61が裏側に巻込まれる
ことになるので、全体に渡って皺や浮き等が生じること
なく綺麗に貼着できる。尚、ロッド31に係止される係
止孔62は、芯材裏面の巻込み部分に配され、意匠面に
現われない。上記巻込み工程では、包着用シート4の一
部が、自己潤滑性に優れたポリアセタール板を置いたベ
ース盤1と接しながら動くことになるが、包着用シート
4を表面の摩擦抵抗が小さく滑り易いポリエチレンシー
ト等で形成すると、包着用シート4とベース盤1の摩擦
抵抗を小さくでき、巻込み動作が妨げられない。その
後、真空吸引を止め、包着用シート4を外すと、芯材5
に表皮材6が貼着された所望のピラーガーニッシュが得
られる。
【0020】実施例の効果 上記態様からなる表皮材の貼着方法及びその貼着装置に
よれば、頂部(凸部52,53)からすそ野に降りる付
近に発生していた表皮材6の皺は、表皮材6を張設状態
にしてロッド31に係止孔62を係止させることで消失
した。そして、このロッド31は、真空吸引開始後、所
定タイミングで保持台2内に引っ込むので、表皮材6の
引張が解除され、すそ野付近や凹部54等のその他の領
域での表皮材6の貼着が円滑に進んだ。これらの領域に
おいては、真空吸引によって表皮材6に伸張力が作用す
るので、皺の発生はない。表皮材外周縁61が芯材外周
縁51の裏側に巻込まれる際、ロッド31は退入状態に
あるので、支障をきたさない。そして、表皮材6は係止
孔62にロッド31が挿通することで、位置決め精度が
高く且つセットが確実となるので、表皮材6の位置ズレ
等による不具合も起こらなかった。
【0021】(2)実施例2 本実施例は、図6に示すごとく、保持台上面の吸気溝2
2A,22Bに通じる吸気通路21Aと表皮材6が巻込
まれる保持台側面に通じる吸気通路21Bとを個別に設
けて、それぞれ吸気パイプ23A,23Bを介して真空
ポンプ24A,24Bに連結するものである。最初に真
空ポンプ24Aを起動し、所定時間遅れて真空ポンプ2
4Bを起動する。他の構成は実施例1に基本的に同じで
ある。表皮材外周縁61を芯材外周縁51の裏側に巻込
ませる部分は、真空吸引しづらく、エアが残存し巻込み
不十分となるケースがあった。しかるに、本実施例によ
れば、実施例1の効果に加え、芯材5一般面に対する表
皮材6の密着と、芯材外周縁51への表皮材6の巻込み
とが工程的に分離されているため、表皮材外周縁61の
巻込みを効率よく且つ一層見栄えよく処理出来た。
【0022】(3)実施例3 本実施例は、図7に示すごとく実施例1のロッド31に
代え、段差付きロッド31を用いたものである。他の構
成は実施例1と同じである。ロッド31を係止孔62に
挿通させ真空吸引を開始すると、表皮材6がロッド31
の基端方向へ吸い寄せられ、ロッド31の係止解除が困
難になる場合があった。しかるに、本実施例では、頭部
311部分にのみ表皮材6が係止されることで、ロッド
31の係止解除を円滑になすことができた。
【0023】尚、本発明においては前記実施例に示すも
のに限られず、目的,用途に応じて本発明の範囲で種々
変更できる。自動車用ピラーガーニッシュに限らず、芯
材5に対し表皮材6を貼着する際に広く使用することが
でき、その場合、芯材5及び表皮材6の材質,形状等は
その製品の使用目的,所要強度,用途等に応じて種々変
更できる。本実施例では、エアシリンダ3を保持台2内
に設けたが、これを外部に設けてロッド31をJ型にし
たり、カム機構等を利用して係止部材を進退動させるこ
ともできる。
【0024】
【発明の効果】以上のごとく、本発明の表皮材の貼着方
法及びその貼着装置によれば、芯材の表面に可撓性表皮
材を被せその外周縁を芯材の裏側に巻込んで貼着するに
あたって、起伏,凹凸のある芯材でも皺のない表皮材の
貼着を行うことができ、品質向上に優れた効果を発揮す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で、貼着装置,芯材,表皮材,包着用
シートを上下に分解して示した縦断面図である。
【図2】包着用シートを被せた状態での貼着装置の全体
断面図である。
【図3】図2のA部の拡大断面図である。
【図4】貼着装置の作動を示す表皮材外周縁周りの断面
図である。
【図5】貼着装置の作動を示す表皮材外周縁周りの断面
図である。
【図6】実施例2における保持台の全体断面図である。
【図7】実施例3のエアシリンダ周りの全体断面図であ
る。
【図8】芯材の例を示す斜視図である。
【図9】表皮材の例を示す斜視図である。
【図10】表皮材貼着時の芯材の例を示す斜視図であ
る。
【図11】図10の横断面図である。
【符号の説明】
1 ベース盤 2 保持台 21,21A,21B 吸気通路 3 エアシリンダ(操作手段) 31 ロッド(係止部材) 4 包着用シート 5 芯材 51 外周縁 6 表皮材 61 外周縁 62 係止孔 S 閉空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−195021(JP,A) 特開 昭63−166516(JP,A) 特開 平5−293896(JP,A) 実開 昭60−62924(JP,U) 実開 平4−83735(JP,U) 実開 昭61−109716(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29C 63/00 - 63/48 B29C 51/00 - 51/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の各工程の結合からなる表皮材の貼着
    方法。 (イ)保持台上に、芯材をその外周縁がはみ出す状態に
    して支持させる第一工程 (ロ)前記芯材上に表皮材を載置し、且つ該表皮材の外
    周縁に形成した係止孔にアクチュエータで伸長させたロ
    ッドを挿通し、該表皮材を張設状態にして係止する第二
    工程 (ハ)非通気性又は低通気性の包着用シートをたるま
    せ、且つ包着用シートと前記保持台下部に配したベース
    盤との間に閉空間が形成されるようにして前記表皮材上
    に包着用シートを被せる第三工程 (ニ)前記閉空間を真空吸引して減圧しつつ、所定時間
    経過後、ロッドを係止解除状態へ移行させ、更に、真空
    吸引して減圧続行し、包着用シートを表皮材と共に芯材
    に吸着させ、該表皮材の外周縁を芯材の外周縁の裏側に
    巻込ませる第四工程
  2. 【請求項2】 芯材の表面に表皮材を被せ且つ該表皮材
    の外周縁を前記芯材の裏側に巻込んで貼着する表皮材の
    貼着装置であって、 ベース盤上に配置され、芯材の外周縁がはみ出す状態に
    して該芯材を支持する保持台(2)と、係止,非係止の
    切替え可能で、係止状態にて前記芯材上に載置される可
    撓性表皮材の外周縁を係止し該表皮材を張設状態で位置
    決めする係止部材(31)と、該保持台を被覆し前記ベ
    ース盤との間に閉空間ができるように十分たるませて被
    せ得る非通気性又は低通気性の包着用シート(4)と、
    前記閉空間の真空吸引開始後、所定タイミングで前記係
    止部材を係止解除状態へ移行させる操作手段(3)と、
    を具備し、保持台上に芯材及び表皮材をセットし且つ包
    着用シートを被せ、前記閉空間を真空吸引して減圧する
    ことで、包着用シートを表皮材と共に芯材に吸着させ該
    表皮材の外周縁を前記芯材の外周縁の裏側に巻込ませる
    表皮材の貼着装置。
  3. 【請求項3】 前記係止部材が表皮材外周縁に設けた係
    止孔に挿通されるロッドで、前記操作手段が前記ロッド
    を進退動操作するアクチュエータで構成される請求項2
    記載の表皮材の貼着装置
  4. 【請求項4】 前記アクチュエータを前記保持台内に設
    けて、ロッドを保持台側面より進退動可能とする請求項
    3記載の表皮材の貼着装置
  5. 【請求項5】 真空吸引用の吸気通路を前記保持台内に
    二系統設けて、一系統を保持台上面に開口させ、他の一
    系統を表皮材が巻込まれる保持台側面に開口させた請求
    項2乃至4のいずれかに記載の表皮材の貼着装置
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