JP2954414B2 - 免疫グロブリンmの分取方法 - Google Patents

免疫グロブリンmの分取方法

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JP2954414B2
JP2954414B2 JP3339166A JP33916691A JP2954414B2 JP 2954414 B2 JP2954414 B2 JP 2954414B2 JP 3339166 A JP3339166 A JP 3339166A JP 33916691 A JP33916691 A JP 33916691A JP 2954414 B2 JP2954414 B2 JP 2954414B2
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慎一 浅野
佐一 山田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は免疫グロブリンMを数mg
/ml 以上の高濃度で含有する腹水もしくは血清のような
被処理液から、高純度の免疫グロブリンMを高い回収率
でかつ高速度で精製することができる免疫グロブリンM
の分取方法に関するものである。
【0002】免疫グロブリンMの精製方法として、従来
から軟質ゲルを用いたゲルろ過法が知られている。とこ
ろがこの方法では処理中のゲル強度の低下が著しいた
め、被処理液を低速で流す必要があり、処理にきわめて
長時間を要するという問題があった。また高純度の免疫
グロブリンMを得るためには、少なくとも2段階のクロ
マトグラフィーによる処理が必要とされ、処理工程が複
雑で回収率も低い欠点があった。
【0003】また腹水もしくは血清のような免疫グロブ
リンMを数mg/ml 以上の高濃度で含有する被処理液から
免疫グロブリンMを分取する場合には、ゲルろ過クロマ
トグラフィー等に通液する前に被処理液中に多量に含ま
れているアルブミン等の夾雑蛋白質を硫安沈澱による前
処理により分画する必要があった。このために精製時間
が長くなり、免疫グロブリンMの回収率も低いものであ
った。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決して、腹水もしくは血清のような免疫グ
ロブリンMを数mg/ml 以上の高濃度で含有する被処理液
から、複雑な前処理工程を必要とすることなく免疫グロ
ブリンMを高純度、高回収率、高速度で精製することが
できる免疫グロブリンMの分取方法を提供するために完
成されたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた本発明は、多孔性の硬質ゲルを基材とする
高速アフィニティ担体にプロタミンを固定相としたアフ
ィニティクロマトグラフィーカラム中に、免疫グロブリ
ンMを高濃度で含有する被処理液を通液し、次に少なく
とも0.2 モルの濃度を有する不活性無機塩の水溶液を通
液して洗浄することにより夾雑蛋白質を通過させて免疫
グロブリンMをプロタミンに選択的に結合させ、その後
に免疫グロブリンMをプロタミンから解離させ回収する
ことを特徴とするものである。なお、アフィニティクロ
マトグラフィーカラム中に被処理液を通液した際の透過
液を回収しておき、カラム内に少なくとも0.2 モルの濃
度を有する不活性無機塩の水溶液を通液して夾雑蛋白質
を洗い流した後、この回収液を再度カラム中に通液する
ことを繰り返せば、アフィニティ担体の免疫グロブリン
M吸着量を高めることができる。
【0006】本発明においては、図1に概念的に示すよ
うなアフィニティクロマトグラフィーカラム1が用いら
れる。このカラム1内には多孔質のシリカゲル、高分子
ポリマー、多孔質ガラスのような硬質ゲルを基材とする
高速アフィニティ担体2が充填されており、その表面に
は免疫グロブリンMを吸着させるためのプロタミン3が
固定相として形成されている。このようなアフィニティ
クロマトグラフィーカラム1は、被処理液を高速度で流
すことができる利点を持つものである。
【0007】本発明においては、腹水もしくは血清のよ
うな免疫グロブリンMを数mg/ml 以上の高濃度で含有す
る被処理液を上記のアフィニティクロマトグラフィーカ
ラム1に通液することにより、免疫グロブリンMを分取
する。このような腹水もしくは血清を被処理液とする場
合には、数μg/mlの免疫グロブリンMを含有するに過ぎ
ない細胞培養上清を被処理液とする場合に比較して、被
処理液の量を1/100 以下とすることができる。しかも細
胞培養上清を被処理液とする場合には、予め核酸を除去
しなければ免疫グロブリンMを回収率良く大量に精製す
ることができにくいのに対し、腹水もしくは血清では核
酸の含有量が少ないため、数10mgまでの精製であれば予
め核酸を除去する必要はない。
【0008】ところが腹水もしくは血清のような被処理
液では、アルブミン等の夾雑蛋白質が占める割合が極め
て大きいために、夾雑蛋白質が精製物の純度と回収率に
大きく影響する。このために本発明では、アフィニティ
クロマトグラフィーカラム1内に被処理液を通液した
後、少なくとも0.2 モルの濃度を有する不活性無機塩の
水溶液をカラムに通液して洗浄することにより、プロタ
ミン3とイオン間相互作用をするアルブミン等の夾雑蛋
白質を通過させ、免疫グロブリンMをプロタミンに選択
的に結合させる。
【0009】なお不活性無機塩としては、アンモニウ
ム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属のハライド並び
にアンモニウム、アルカリ金属及びアルカリ土類金属の
スルフェートからなる塩が使用でき、たとえば安価なNa
Cl、MgCl2 等が好ましい。その洗浄用水溶液中の濃度は
1リットル当たり少なくとも0.2 モルとする。これは0.
2 モル未満では得られた免疫グロブリンMの純度が70%
以下となるためである。特に不活性無機塩の濃度を0.5
〜1.5 モルとすることが好ましいが、これは1.5モルを
越すと免疫グロブリンMの回収率が60%を下回り、0.5
モル未満では免疫グロブリンMの純度が90%を割るため
である。
【0010】なお不活性無機塩を洗浄用水溶液中に含有
させるとともに、被処理液中に予め含有させておくこと
もできる。これによりプロタミン3と夾雑蛋白質との結
合をより確実に防止することができる。
【0011】また夾雑蛋白質を含有する被処理液をカラ
ム中に通液した場合のプロタミン4の免疫グロブリンM
に対する結合容量は、免疫グロブリンMの純粋な精製液
をカラムに通液した場合の2/3 以下である。そこでアフ
ィニティクロマトグラフィーカラム1中に被処理液を通
液した際の透過液を回収しておき、カラム内でイオン的
相互作用をした夾雑蛋白質を洗い流した後に再度カラム
中に通液することを繰り返せば、プロタミン4の免疫グ
ロブリンMに対する結合容量を最大限度まで向上させる
ことができる。このとき、回収した透過液と少なくとも
0.2 モルの塩濃度を有する水溶液とを混合し、夾雑蛋白
質濃度を薄めてから再度カラム中に通液するとより好ま
しい結果が得られる。更に被処理液を通液した際の透過
液と被処理液とを同時にアフィニティクロマトグラフィ
ーカラム1中に供給することも可能である。これによ
り、免疫グロブリンMを大量に精製したい場合のカラム
内の必要担体量を少なくでき、経済的に免疫グロブリン
Mを分取することが可能となる。以下に本発明の実施例
を示す。
【0012】
【実施例】
実施例1 免疫グロブリンMを1.56mg/ml の高濃度で含有するマウ
ス腹水液を、予め核酸を除去することなくプロタミンを
固定相とする高速アフィニティクロマトグラフィーカラ
ムに線流速180cm/hrで1ml注入した後、不活性無機塩の
含有濃度が0.52モル/lの水溶液で洗浄し、アルブミン等
の夾雑蛋白質を通過させた。次に、プロタミンに選択的
に結合した免疫グロブリンMを0.1 モルのクエン酸ナト
リウム(pH 4.0)によってカラムから解離させた。これら
の操作を280nm における紫外吸収度により確認し、その
結果を図1に示した。解離した免疫グロブリンMの量を
酵素免疫測定法により測定したところ、活性を有する免
疫グロブリンMが1.50mg 回収でき、回収率は94%と極
めて高い値を示した。
【0013】また得られた免疫グロブリンMの純度をSD
S-ポリアクリルアミド電気泳動で確認したところ、図2
のとおりの結果となった。図2の各列の試料の内容は表
1に示す通りである。
【0014】
【表1】
【0015】図2のとおり、不活性無機塩を0.02モルし
か含有しない水溶液で洗浄した場合には、列2のように
分子量約6万6千のアルブミンや他の夾雑蛋白質が不純
物として検出されたが、本発明により不活性無機塩を0.
52モルの濃度で含有する水溶液で洗浄した場合には、列
3、列4のように免疫グロブリンMの単一バンドとな
り、高純度精製が達成できた。
【0016】実施例2 免疫グロブリンMを5.3mg/mlの高濃度で含有するマウス
腹水液を、プロタミンを固定相とする高速アフィニティ
クロマトグラフィーカラムに5.3mg 分(1ml)注入し、
その透過液を回収した。次に不活性無機塩を1.0 モルの
濃度で含有する水溶液で夾雑蛋白質を洗い流し通過させ
た。その後、夾雑蛋白質がイオン的に相互作用をしたた
めにプロタミンとの結合を妨げられた免疫グロブリンM
を含む透過液を再度高速アフィニティクロマトグラフィ
ーカラムに注入し、不活性無機塩を含有する水溶液で洗
浄することによってカラム内の免疫グロブリンMの吸着
保持量を高めた。最後に、プロタミンと選択的に結合し
た免疫グロブリンMを実施例1と同様に解離した。
【0017】その結果、ゲル1ml当たりの免疫グロブリ
ンMの吸着保持量は透過液の再注入を行わなかった場合
には3.7mg であり、回収率は58%であったが、実施例2
のように不活性無機塩を含有する水曜液で洗浄後に透過
液の再注入と洗浄を繰り返し行うことにより、免疫グロ
ブリンMの吸着保持量を5.7mg とすることができ、回収
率は89%に達した。このように夾雑蛋白質を洗い流した
後に免疫グロブリンMを含む透過液を再度高速アフィニ
ティクロマトグラフィーカラムに注入することにより、
アフィニティ担体の免疫グロブリンM吸着量を高めるこ
とができる。従って被処理液から大量に免疫グロブリン
Mを精製する場合にも大量の担体を用いる必要がなくな
り、経済的な精製を行うことが可能となる。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の方法に
よれば、腹水もしくは血清のような免疫グロブリンMを
数mg/ml 以上の高濃度で含有する被処理液から、免疫グ
ロブリンMを高純度、高回収率、高速度で精製すること
ができる。よって本発明は従来の問題点を解消した免疫
グロブリンMの分取方法として、産業の発展に寄与する
ところは極めて大きいものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】アフィニティクロマトグラフィーカラムの概念
図である。
【図2】カラムに負荷された液量と蛋白量との関係を示
すグラフである。
【図3】各種試料の免疫グロブリンMのSDS-ポリアクリ
ルアミド電気泳動図である。
【符号の説明】
1 アフィニティクロマトグラフィーカラム 2 高速アフィニティ担体 3 プロタミン
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−180900(JP,A) 特開 昭60−260593(JP,A) Biochim.Biophys.A cta,Vol.490,No.2(1977) p.363−369 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07K 16/00 C07K 1/22 BIOSIS(DIALOG) JICSTファイル(JOIS) MEDLINE(STN) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔性の硬質ゲルを基材とする高速アフ
    ィニティ担体にプロタミンを固定相としたアフィニティ
    クロマトグラフィーカラム中に、免疫グロブリンMを高
    濃度で含有する被処理液を通液し、次に少なくとも0.2
    モルの濃度を有する不活性無機塩の水溶液を通液して洗
    浄することにより夾雑蛋白質を通過させて免疫グロブリ
    ンMをプロタミンに選択的に結合させ、その後に免疫グ
    ロブリンMをプロタミンから解離させ回収することを特
    徴とする免疫グロブリンMの分取方法。
  2. 【請求項2】 アフィニティクロマトグラフィーカラム
    中に被処理液を通液した際の透過液を回収しておき、カ
    ラム内に少なくとも0.2 モルの濃度を有する不活性無機
    塩の水溶液を通液して夾雑蛋白質を洗い流した後、この
    回収液を再度カラム中に通液することを繰り返す請求項
    1記載の免疫グロブリンMの分取方法。
JP3339166A 1991-12-21 1991-12-21 免疫グロブリンmの分取方法 Expired - Lifetime JP2954414B2 (ja)

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Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
Biochim.Biophys.Acta,Vol.490,No.2(1977)p.363−369

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