JP2952643B2 - イオンプレーティング装置 - Google Patents

イオンプレーティング装置

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JP2952643B2 JP27097294A JP27097294A JP2952643B2 JP 2952643 B2 JP2952643 B2 JP 2952643B2 JP 27097294 A JP27097294 A JP 27097294A JP 27097294 A JP27097294 A JP 27097294A JP 2952643 B2 JP2952643 B2 JP 2952643B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プラズマを利用したイ
オンプレーティング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、イオンプレーティング装置とし
て、例えば、圧力勾配型プラズマ源あるいはHCDプラ
ズマ源を用いた装置が知られている。このようなイオン
プレーティング装置では、プラズマビーム発生器(プラ
ズマ源)を備えており、真空容器中に配置されたハース
とプラズマビーム発生器との間でプラズマビームを生成
して、ハース(陽極)上に載置された蒸着材料を加熱蒸
発させている。そして、蒸着材料からの蒸発金属粒子は
プラズマビームによってイオン化され、このイオン粒子
が負電圧の基板表面に付着して、基板上に膜が形成され
る。
【0003】上述のイオンプレーティング装置におい
て、連続的にイオンプレーティングを行う場合、蒸着材
料を連続的にイオンプレーティング装置に供給する必要
がある。このような連続供給型のイオンプレーティング
装置として、例えば、特開昭62−247067号公報
に記載されたイオンプレーティング装置が知られてい
る。そして、このイオンプレーティング装置では、中空
状のるつぼに下方から蒸発材料を連続的に供給すること
が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プラズマ源
を利用したイオンプレーティング装置では、ハースの周
囲に電磁石(コイル)を設けた場合、磁力の強さがコイ
ルの内外周近傍において最大となり、るつぼの上面付近
で弱くなってしまう。
【0005】具体的には、図10に示すように、コイル
11の内外周近傍で磁力が強くなり、ハース12の上面
全体に亘って磁力が弱くなる。そして、図示のように、
この弱磁力の範囲Lが大きいと、プラズマ源を利用した
イオンプレーティング装置の場合、プラズマビームのハ
ースへの入射径が大きくなって、その結果、均一な蒸気
化を行うことができなくなってしまう。
【0006】さらに、プラズマ源を利用したイオンプレ
ーティング装置では、蒸着材料からの蒸発に伴って真空
容器中のガス圧が変化して、その結果、放電電圧が大き
く変化する。例えば、ガス圧が高くなると、放電電圧が
低下する。そして、放電電圧が変化すると蒸着材料に入
力される熱量が変化し、蒸発量が不安定となってしま
い、さらには、プラズマの状態を一定化できない。
【0007】このように、従来、プラズマ源を利用した
イオンプレーティング装置では、連続的に蒸着材料を供
給することが難しく、しかも蒸着材料からの蒸発量を一
定、かつ、プラズマの状態を一定に制御することができ
ないという問題点がある。
【0008】本発明の目的は、蒸着材料を連続的に供給
してしかもプラズマビームを安定させることのできるイ
オンプレーティング装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、成膜速度を一定に制
御できるイオンプレーティング装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、プラズ
マ源と、蒸着材料が配置されるハースとを有し、前記プ
ラズマ源からのプラズマビームを前記ハースに導いて前
記蒸着材料を蒸発させてイオン化してイオン化物質を生
成して、該イオン化物質を基板の表面に付着させて膜を
前記基板上に形成するイオンプレーティング装置におい
て、前記ハースの外周には環状の永久磁石が配設され、
前記ハースには所定の方向に延びる貫通孔が形成されて
おり、前記蒸着材料の蒸発量を計測して計測結果を出力
する計測手段と、前記蒸着材料を前記貫通孔に供給する
とともに前記蒸着材料を前記所定の方向に沿って移動さ
せる材料供給機構と、前記計測結果を受け予め設定され
た成膜条件と前記計測結果とに応じて前記材料供給機構
を制御して前記蒸着材料を前記所定の方向に上昇又は下
降させる制御手段とを有することを特徴とするイオンプ
レーティング装置が得られる。
【0011】
【作用】本発明では、ハースの外周に配設した環状の永
久磁石による磁力分布によって、ハースにプラズマビー
ムを安定して入射させることができるばかりでなく、ハ
ースに所定の方向に延びる貫通孔を形成したことによっ
て、連続的に蒸着材料を供給できる。
【0012】さらに、予め設定された成膜条件に基づい
て蒸着材料を所定の方向に沿って移動させるようにした
から、成膜速度を一定に制御できる。
【0013】
【実施例】以下本発明について実施例によって説明す
る。
【0014】図1を参照して、図示のイオンプレーティ
ング装置は、気密性の真空容器21を備えており、この
真空容器21にはガイド部21aを介してプラズマビー
ム発生器(例えば、圧力勾配型プラズマ銃)22が取り
付けられている。ガイド部21aの外側にはプラズマビ
ームガイド用のステアリングコイル23が配設されてい
る。プラズマビーム発生器22には、プラズマビーム収
束用の第1中間電極24及び第2中間電極25が同心的
に配置されており、第1中間電極24には磁極軸がプラ
ズマビーム発生器22の中心軸と平行になるようにして
永久磁石24aが内蔵され、第2中間電極25にはコイ
ル25aが内蔵されている。
【0015】プラズマビーム発生器22には、第1及び
第2中間電極24及び25で規定される通路に繋がる絶
縁管(例えば、ガラス管)26が備えてられており、こ
のガラス管26内にはMo筒26aが配置されている。
そして、このMo筒26a内にはTaパイプ26bが配
置されている。Mo筒26aとTaパイプ26bで規定
される空間はLaB6 製の環状板26cで隔離されてい
る。上述の絶縁管26、Mo筒26a、及びTaパイプ
26bの一端は導体板部26dに取り付けられており、
この導体板部26dに形成されたキャリアガス導入口2
6eからキャリアガスが導入され、このキャリアガスは
Taパイプ26bを通過する。
【0016】真空容器21内には被処理物体としての基
板27が搬送装置28に支持されて配置されており、基
板27には負バイアス用の直流電源が接続される。基板
27に対向して真空容器21の底面にはハース(陽極
部)29が配置される。
【0017】ここで、図2も参照して、ハース29は略
円柱形状であり、ハース29の上面は凹形状となってい
る。ハース29の中心部には図中上下方向に延びる貫通
孔29cが形成されている。ハース29はその下部に径
方向に延びるフランジ部29aを有している。ハース2
9内には通路29bが形成されており、この通路29b
は冷却水管30に接続されている。
【0018】ハース29の外周には図示のように磁石ケ
ース31が配置されている。この磁石ケース31は中空
リング状の磁石上ケース31aと、ドーナツ状の磁石下
ケース31bと、上下ケース31a及び31bの間に配
置された環状の永久磁石31cとを備えており、永久磁
石31cは図中上下方向に着磁されている。図示の例で
は、上側がN極、下側がS極となっている。そして、磁
石上ケース31aの中空部には冷却水管32に接続され
ている。
【0019】上述の磁石ケース31は絶縁板33を介し
てハース29のフランジ部29aと接合されている。こ
の際、磁石ケース31とハース29の側面とは僅かの間
隙が形成されている。そして、磁石ケース31は支持部
材34によって真空容器21の底面に支持される。
【0020】貫通孔29cの下方には押上棒体35が位
置し、この押上棒体35は材料供給機構36によって駆
動される。材料供給機構36はねじ軸体36aを備えて
おり、このねじ軸体36aの上端には台座部36bが形
成され、台座部36bと押上棒体35が接合されてい
る。台座部36b及び押上棒体35には冷却通路36c
が形成されており、この冷却通路36cは図2に示すよ
うに冷却水管37に接続されている。
【0021】真空容器21の底面には開口部が形成さ
れ、この開口部には軸受38を介して中空のナット体3
6dが挿入されている。ナット体36dの内壁面にはね
じが切られており、これによって、ねじ軸体36aがナ
ット体36dに挿入されると、ねじ軸体36aとナット
体36dとは噛み合い状態となる。ナット体36dの外
周面にはスプロケット36eが取り付けられており、こ
のスプロケット36eには、例えば、チェーン36fが
連結されている。従って、モータ等によってチェーン3
6fに駆動力を与えると、ナット体36dが軸受38に
回転支持されて回転し、この回転力がねじ軸体36aに
伝えられ、ねじ軸体36aは上下方向に移動することに
なる。
【0022】押上棒体35の先端部には蒸着材料39が
配置されており、ねじ軸体36aの移動、つまり、押上
棒体35の移動によって、蒸着材料39はハース29に
形成された貫通孔29cを通って上下方向に移動するこ
とになる。
【0023】再び、図1を参照して、導体板部26dに
は可変電源40のマイナス端が接続され、そのプラス端
はそれぞれ抵抗器R1及びR2を介して第1及び第2の
中間電極24及び25に接続されている。
【0024】一方、ハース29には電流計41が接続さ
れ、この電流計41は可変電源40、及び抵抗器R1及
びR2に接続される。さらに、電流計41は抵抗器R3
及びR4を介して接地されるとともに真空容器21に接
続されている。また、抵抗器R3に並列に電圧計42が
接続されている(なお、抵抗器R3は電圧計測用の標準
抵抗器として用いられ、1Mオーム以上の抵抗を有して
いる)。
【0025】さらに、基板27の近傍において、基板2
7の外側には、支持板部材43が配置され、この支持板
部材43には膜厚計44が配置されている。また、真空
容器21の側壁にはArガス等のキャリアガスを導入す
るためのガス導入口21bが形成されるとともに真空容
器21内を排気するための排気口21bが形成されてい
る。
【0026】上述のイオンプレーティング装置では、キ
ャリアガス導入口26eからキャリアガスが導入される
と、第1中間電極25とMo筒26aとの間で放電が始
まる。これによって、プラズマビーム45が生成され
る。このプラズマビーム45はステアリングコイル23
と補助陽極31内の永久磁石31bにガイドされて、陽
極として用いられるハース29及び磁石ケース31に到
達する。
【0027】ここで、磁石ケース31内の永久磁石31
cによる磁力の分布は、図3で示す分布を有しており、
図3に示すように、ハース29の上面において磁力の弱
くなる範囲Lが狭いことが分かる。このように弱磁力範
囲Lが狭いと、ハース29へ直接流れる電流が少なくな
り、蒸着材料39に直接電流を導くことができる。
【0028】ハース29にプラズマビームが与えられる
と、ハース29を貫通してハース29の上面に達してい
る蒸着材料39がジュール加熱されて蒸発する。この蒸
発金属粒子はプラズマビーム45によってイオン化され
て、負電圧が印加された基板27の表面に付着し、基板
27上に膜が形成される。
【0029】プラズマビーム45がハース29に到達す
ると、プラズマビーム45による電流がハース29に流
れる。そして、蒸発材料39からの蒸発量は、プラズマ
ビーム45を介してながれる放電電流量(I)と、その
時に発生する放電電圧量(V)との積(V・I)、つま
り、入射熱量とハース29に抜ける熱量(抜け電流量分
を含む)とのバランスにより決定される。ここで、ハー
ス29に抜ける熱量(ロス分)を一定と考えると、蒸発
量は、放電電流(I)と放電電圧(V)とにより決定さ
れる。次に、放電電圧(V)はキャリアとなるプラズマ
の状態により変化する。このプラズマの状態を変化させ
る要因としては、ガス圧の変化が考えられる。このガス
圧は、放電用に導入しているキャリアガス(Ar等)の
流量及び排気装置があるが、その他の主な要因として、
蒸着材料39の蒸気化に伴う局部的なガス圧の変化が存
在する。つまり、蒸発量は、ハース29に流れる電流又
はこの電流に基づく電圧に規定されることになる。そし
て、これら電流及び電圧はそれぞれ電流計41及び電圧
計42で計測されている。さらに、図1に示す例では、
前述のように、膜厚計44が備えられており、これによ
って、基板27上に形成される膜厚を計測している。具
体的には、膜厚計44は成膜される膜厚量をチェックし
て、時間当りの膜厚量(膜厚レート)を計測している。
【0030】ここで、電流、電圧と膜厚の関係について
説明する。
【0031】抜け熱量(ロス)を一定と考えると、蒸着
材料39に入射する熱量は、電流と電圧の積により決
り、その入射熱量と成膜速度との間には相関関係があ
る。ここで、単純な膜物質の場合には、入熱量が増加す
れば、成膜速度も増加するため、電流もしくは電圧を増
加させればよい。しかしながら、通常、このようなイオ
ンプレーティング装置においては、定電流(又は定電
圧)電源を使用している。これは、プラズマビームの状
態を固定することができないことから、電流又は電圧の
一方を決めれば、他方は一義的に決定され、自由に制御
することができない。従って、プラズマ状態を固定しな
がらの定入熱量の運転は、通常のイオンプレーティング
装置においては難しい。本装置では、プラズマの状態
(特に、放電電圧)を制御する蒸発量を制御する方法と
して、蒸着材料の昇降を制御する押上制御を行うことに
より、定電流・定電圧のイオンプレーティングを行うこ
とができる。
【0032】次に、蒸着材料39の押上制御について説
明する。図1では、電圧計42及び膜厚計44が備えら
れた例について説明したが、実際には、これら電圧計4
2及び膜厚計44のうちいずれか一つが備えられていれ
ば十分である。
【0033】図1に加えて、図2及び図4を参照して、
膜厚計44が備えられている場合には、膜厚計44によ
って計測された計測膜厚レートB(オングストローム毎
秒)が計測膜厚として昇降制御装置(図示せず)に与え
られる。昇降制御装置には設定膜厚レートA(オングス
トローム毎秒)が予め設定される(ステップS1)。前
述のように、昇降制御装置には計測膜厚レートBが連続
的に入力され、これによって、昇降制御装置は計測膜厚
レートBを知る(ステップS2)。次に、昇降制御装置
では設定膜厚レートAと計測膜厚レートBとを比較する
(ステップS3)。そして、設定膜厚レートA=計測膜
厚レートBであれば、ステップS2に戻る。設定膜厚レ
ートA<計測膜厚レートBであると、昇降制御装置は
(計測膜厚レートB−設定膜厚レートA)に基づいてモ
ータを駆動して、前述の材料供給機構36によって押上
棒体35を下方に移動させ、これによって、蒸着材料3
9を下降させる(ステップS4)。一方、設定膜厚レー
トA>計測膜厚レートBであると、昇降制御装置は(設
定膜厚レートA−計測膜厚レートB)に基づいてモータ
を駆動して、前述の材料供給機構36によって押上棒体
35を上方に移動させ、これによって、蒸着材料39を
上昇させる(ステップS5)。
【0034】次に、図1に加えて、図2及び図5を参照
して、電圧計42が備えられている場合には、電圧計4
2によって計測された電圧は計測電圧値として、昇降制
御装置に与えられる。昇降制御装置には蒸着材料の蒸発
量(設定膜厚レート)に対応した電圧値が設定電圧値C
(ボルト)として予め設定されており(ステップS
6)、前述のように、昇降制御装置には計測電圧値D
(ボルト)が連続的に入力される(ステップS7)。次
に、昇降制御装置では設定電圧値Cと計測電圧値Dとを
比較する(ステップS8)。そして、設定電圧値C=計
測電圧値Dであれば、ステップS7に戻る。設定電圧値
C>計測電圧値Dであると、昇降制御装置は(設定電圧
値C−計測電圧値D)に基づいてモータを駆動して、前
述の材料供給機構36によって押上棒体35を下方に移
動させ、これによって、蒸着材料39を下降させる(ス
テップS9)。一方、設定電圧値C<計測電圧値Dであ
ると、昇降制御装置は(計測電圧値D−設定電圧値C)
に基づいてモータを駆動して、前述の材料供給機構36
によって押上棒体35を上方に移動させ、これによっ
て、蒸着材料39を上昇させる(ステップS10)。
【0035】このようにして、蒸着材料を上下方向に移
動制御することによって、成膜速度を一定に制御するこ
とができる。
【0036】次に、図6及び図7を参照して材料供給機
構の他の例について説明する。図示の材料供給機構は図
2に示す材料供給機構36とはその構成が異なっている
ので、この例では参照番号として46を用いる。なお、
材料供給機構46において図2に示す材料供給機構36
と同一の構成要素について同一の参照番号を付す。
【0037】図示の材料供給機構46はシリンダー4
7、ターンテーブル48、及びモータ49を備えてい
る。真空容器21の外底面には支持部材47aが取り付
けられており、この支持部材47aにはシリンダー47
が支持されている。シリンダー47aのシリンダー軸4
7bは図示のように軸受47cを介して真空容器21内
に挿入され、図2で説明したハース29の貫通孔29c
に対向している。
【0038】ターンテーブル48は真空容器21内に配
置されており、ターンテーブル48はモータ49のモー
タ軸49aによってその中心部が支持されている。モー
タ49は真空容器21の外底面に取り付けられた支持部
材49bによって支持されており、上述のモータ軸49
aは軸受49cを介して真空容器21内に挿入される。
【0039】ターンテーブル48には所定の円周上に沿
って所定の間隔で複数の孔部48aが形成されており、
この孔部48aは上側に位置する大径孔部48bとこの
大径孔部48aに連続する小径孔部48cとを有してい
る。そして、大径孔部48bの径は円柱状の蒸着材料3
9の径とほぼ等しく、小径孔部48cは円柱状の蒸着材
料39の径よりも小さい。従って、孔部48aに蒸着材
料39を挿入した際、小径孔部48bの縁によって蒸着
材料39が支持されることになる。つまり、蒸着材料3
9は孔部48aに挿入支持される。
【0040】ハース29に蒸着材料を供給する際には、
ターンテーブル駆動制御装置(図示せず)によってモー
タ49が回転駆動され、これによって、ターンテーブル
48が回転する。そして、孔部48aが上述のシリンダ
ー軸47bの真下に来ると、モータが停止されて、その
結果、ターンテーブル48が停止する。
【0041】その後、空圧装置(図示せず)によってシ
リンダー47が駆動され、シリンダー軸47bが上方に
移動する(なお、シリンダー軸47bの径は小径孔部4
8cの径よりも僅かに小さい)。そして、シリンダー軸
47bは孔部48aを通って蒸着材料39を支持しつつ
上方に移動し、蒸着材料39をハース29の貫通孔29
cに挿入する。
【0042】その後、図1及び図2を用いて説明したよ
うにして、基板21への成膜が行われるとともに蒸着材
料39の昇降制御が行われる。この際、昇降制御装置
は、電圧計42又は膜厚計44よる計測値に基づいて空
圧装置を駆動制御する。
【0043】成膜が進行して、蒸着材料39が少量(予
め定められた量)になると、空圧装置によってシリンダ
ー47が駆動され、シリンダー軸47aが下降する。こ
の際、蒸着材料39はハース29に設けられた材料係止
部材50によってハース29中に係止される。
【0044】シリンダー軸47aがターンテーブル48
の孔部48aを通って元の位置に戻ると、ターンテーブ
ル駆動制御装置によってモータ49が駆動され、次の蒸
着材料39(つまり、孔部48a)がシリンダー軸47
bの真下にくるまでターンテーブル48が回転駆動され
る。そして、前述のようにして、シリンダー47によっ
て蒸着材料39がハース29の貫通孔29cに挿入さ
れ、昇降制御装置によって油圧装置が制御される。
【0045】図8及び図9を参照して材料供給機構のさ
らに他の例について説明する。図示の材料供給機構は図
7に示す材料供給機構36のターンテーブル48の部分
の構成が異なっているだけなので、その部分の構成のみ
説明する。そして、この例では参照番号として51を用
いる。なお、材料供給機構51において図2に示す材料
供給機構36と同一の構成要素について同一の参照番号
を付す。
【0046】図示の材料供給機構51は材料クランプ装
置52及び蒸着材料載置テーブル53を備えている。真
空容器内にはモータ軸49aが軸受(図示せず)を介し
て挿入されており、このモータ軸49aには上述の材料
クランプ装置52が取り付けられている。材料クランプ
装置52はアーム部52aとシリンダー52bを有して
おり、アーム部52aの先端は鉤型に折り曲げられた折
曲部52cを備えている。そして、この折曲部52cと
対向する位置においてアーム部52aにはシリンダー5
2bが装着されている。この結果、折曲部52cとシリ
ンダー52bのシリンダー軸とによって把持空間が規定
されることになる。
【0047】モータ49の回転駆動によってモータ軸4
9aが回転し、この結果、アーム部52aはモータ軸4
9a回りに回転することになり、上記の把持空間の中心
は所定の円周に沿って移動することになる。蒸着材料載
置テーブル53は円弧形状であり、この円弧は図10に
一点鎖線で示すように上記の所定の円周上の円弧に対応
している。なお、この蒸着材料載置テーブル53は支持
部材53bによって真空容器21の底面に支持される。
【0048】蒸着材料載置テーブル53は蒸着材料39
の直径にほぼ等しい幅の溝部53aが形成されており、
この溝部53aはテーブル本体に沿って延びている。そ
して、溝部53aの延在方向において、溝部53aの一
端は開口され、他端は閉じられている。この溝部53a
には、図10に示すように複数の蒸着材料39が密接し
て配置される。
【0049】ハース29に蒸着材料を供給する際には、
材料クランプ制御装置(図示せず)によってモータ49
が回転駆動され、これによって、アーム部52aが上記
の所定の円周に沿って回転する。そして、蒸着材料39
が上述の把持空間に位置すると、モータが停止されて、
その結果、アーム部52aが停止する。
【0050】その後、シリンダー駆動装置(図示せず)
によってシリンダー52bが駆動され、シリンダー52
bのシリンダー軸と折曲部52cとで蒸着材料39を把
持する。そして、材料クランプ制御装置によって再びモ
ータ49が回転駆動され、蒸着材料39をハース29の
貫通孔29cの真下に位置づける。次に、空圧装置(図
示せず)によってシリンダー47が駆動され、これによ
って、シリンダー軸47aが上昇し、蒸着材料39を支
持する。その後、材料クランプ装置52が蒸着材料52
を開放して、再び、シリンダー軸47aを上昇させて、
蒸着材料39をハース29の貫通孔29cに挿入する。
【0051】その後、図1及び図2を用いて説明したよ
うにして、基板21への成膜が行われるとともに蒸着材
料39の昇降制御が行われる。この際、昇降制御装置
は、電圧計42又は膜厚計44よる計測値に基づいて駆
動機構を駆動制御する。
【0052】成膜が進行して、蒸着材料39が少量(予
め定められた量)になると、空圧装置によってシリンダ
ー47が駆動され、シリンダー軸47aが下降する。こ
の際、図示はしないが、蒸着材料39はハース29に設
けられた材料係止部材50によってハース29中に係止
される。
【0053】シリンダー軸47aが元の位置まで降下す
ると、材料クランプ制御装置によってモータ49が回転
駆動され、アーム部52aが上記の所定の円周に沿って
回転する。そして、蒸着材料39が上述の把持空間に位
置すると、モータ49が停止される。シリンダー駆動装
置によってシリンダー52bが駆動され、シリンダー5
2bのシリンダー軸と折曲部52cとの間に蒸着材料3
9が把持される。材料クランプ制御装置によって再びモ
ータ49が回転駆動され、蒸着材料39をハース29の
貫通孔29cの真下に位置づける。次に、昇降制御装置
によって油圧装置が制御され、これによって、シリンダ
ー47が上昇して蒸着材料39がハース29の貫通孔2
9cに挿入される。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように本発明では、蒸着材
料を連続的に供給してしかも陽極にプラズマビームを安
定して入射することができるばかりでなく成膜速度を一
定に制御することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるイオンプレーティング装置の一実
施例を示す図である。
【図2】図1に示すイオンプレーティング装置に用いら
れる材料供給機構の一例を説明するための図である。
【図3】図1に示すイオンプレーティング装置において
ハース近傍における磁力分布を示す図である。
【図4】図1に示すイオンプレーティング装置において
蒸着材料の昇降制御の一例を説明するための流れ図であ
る。
【図5】図1に示すイオンプレーティング装置において
蒸着材料の昇降制御の他の例を説明するための流れ図で
ある。
【図6】図1に示すイオンプレーティング装置に用いら
れる材料供給機構の他の例を説明するための図である。
【図7】図6に示す材料供給機構で用いられるターンテ
ーブルを説明するための図である。
【図8】図1に示すイオンプレーティング装置に用いら
れる材料供給機構のさらに他の例を説明するための概略
図である。
【図9】図8に示す材料供給機構を上方からみた図であ
る。
【図10】従来のイオンプレーティング装置においてハ
ース近傍における磁力分布を示す図である。
【符号の説明】
21 真空容器 22 プラズマビーム発生器(プラズマ源) 27 基板 29c 貫通孔 29 ハース 31 磁石ケース 31b 環状永久磁石 35 押上棒体 36,46,51 材料供給機構 39 蒸着材料 41 電流計 42 電圧計 43 支持板部材 44 膜厚計

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラズマ源と、蒸着材料が配置されるハ
    ースとを有し、前記プラズマ源からのプラズマビームを
    前記ハースに導いて前記蒸着材料を蒸発させてイオン化
    してイオン化物質を生成して、該イオン化物質を基板の
    表面に付着させて膜を前記基板上に形成するイオンプレ
    ーティング装置において、前記ハースの外周には環状の
    永久磁石が配設され、前記ハースには所定の方向に延び
    る貫通孔が形成されており、前記蒸着材料の蒸発量を計
    測して計測結果を出力する計測手段と、前記蒸着材料を
    前記貫通孔に供給するとともに前記蒸着材料を前記所定
    の方向に沿って移動させる材料供給機構と、前記計測結
    果を受け予め設定された成膜条件と前記計測結果とに応
    じて前記材料供給機構を制御して前記蒸着材料を前記所
    定の方向に上昇又は下降させる制御手段とを有すること
    を特徴とするイオンプレーティング装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたイオンプレーティ
    ング装置において、さらに、複数の前記蒸着材料を格納
    する格納手段が備えられており、前記材料供給機構は該
    格納手段から前記蒸着材料を前記貫通孔に供給するよう
    にしたことを特徴とするイオンプレーティング装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載されたイオンプレーティ
    ング装置において、前記ハース、前記基板、前記格納手
    段は真空容器内に配設されており、前記材料供給機構は
    前記真空容器内に配置され前記蒸着材料を支持する支持
    部と、前記真空容器外に配置され該支持部を駆動制御す
    る駆動部とを有することを特徴とするイオンプレーティ
    ング装置。
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