JP2952559B2 - 研磨材を製造するための方法及び装置 - Google Patents

研磨材を製造するための方法及び装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、鋼玉(以下コランダム
という)を基とする研磨材を製造するための方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】前記種類の研磨材は以前から公知であ
る。それらはさまざまな粉末度の粉末(粉体)として使
用することができる。このような粉末で被覆された紙又
は布は、可撓性研磨材と称される。同様に粉体からさま
ざまな材料、例えば金属、木等を研削加工するのに役立
つ物体、例えば砥石を製造することができる。
【0003】コランダムはさまざまな純度及び組成のも
のが知られている。いわゆる標準コランダムは95〜9
7Wt%のAlを含有している。準貴コランダム
はAl含量が約98%であり、標準コランダムと
同様に主に、焼きボーキサイトの還元溶融によつて製造
される。Al含量がなお一層高い貴コランダム
は、やはりさまざまな品質で利用することができる。品
質は、例えば酸化クロム等の添加物によつて相違する。
【0004】実質的にアルミナとジルコニアとからなる
ジルコンコランダムは特殊研磨材に数えられる。
【0005】例えば精密研削のための砥石を製造するの
には、単結晶の形で存在するコランダムも使用される。
こうした単結晶コランダムは、十分な寿命と、同時に低
温時研削挙動とで優れている。しかしその製造はかなり
のプロセス技術上のコスト増を要求する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】その限りで、本発明の
課題は、比較的簡単な方法で製造することができ、単結
晶コランダムのそれに匹敵し得る研削挙動又は研削性能
を有する、コランダムを基とする研磨材を提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はまず、研磨材の
研削性能又は研削挙動が個々の砥粒の形状と切刃の構成
又は鋭さとにも強く依存するとの考えから出発する。顕
著な切刃を有するほとんど立方晶の粒子が最良の結果を
もたらす。
【0008】この意味で本発明は、粒形係数の概念を粒
形係数1が理想方晶砥粒を表わすというように定義す
る。この場合、粒子投影に面積が等しい楕円の対角線の
比即ち短軸と長軸の比は1(円)に等しい。この値は純
理論的なものであるので、本発明はできるだけ理想値に
接近するように努める。それ故に研磨材の個々の粒子は
0.6より大きな粒形係数を有すべきである。
【0009】意外なことに、粒形係数が0.6より大き
いコランダムを基とする研磨材は、 −Al含量が98Wt%より多いAl含有
出発成分が連続的に又は回分式に融解装置に装入され、 −融解装置内に形成される湯溜りが全開炉時間(固化し
たコランダム鋳塊の取出しに至るまで)の間最大で20
0mmとなるように出発成分の単位時間当たり添加量及
び炉能力が選定され、 −次に固化したコランダム塊が取り出されて、希望する
粒群に粉砕される 以上の簡単な工程によつて製造することができることが
確認された。
【0010】本発明の主な考え方は、出発成分を融解す
るとき、常にできるだけ小さな(平らな)湯溜りが形成
されるように、換言するなら、融解過程のあらゆる段階
において溶融相中にできるだけ微量の材料が存在するよ
うに融解操作を制御することにある。
【0011】こうして本発明による意味において、コラ
ンダム塊中にマクロ組織の形成を促進する多数の自由結
晶核を用意することが可能となる。個々の結晶の大きさ
は、溶融浴(湯溜り)の高さ及び固化した溶融塊の大き
さによつて、一定の限界内で制御可能である。
【0012】本方法は、特に有利には電気アーク炉内で
実施することができる。しかしプラズマ炉等の別の融解
装置も適している。溶融相とその下にある(固化した)
コランダム塊との間の温度勾配を高めるために、融解装
置が壁側及び/又は床側で、例えば水で冷却されるよう
に、本方法を管理すると有利である。
【0013】こうして湯溜りの高さはプロセス技術上の
最低限に限定することができる。本発明によれば、湯溜
りが小さければ小さいほど、値1に近似した粒形係数を
有する砥粒の達成可能な割合が大きくなるとのことが妥
当する。
【0014】それ故に、本発明の1実施態様によれば、
湯溜りの高さが100mmに、別の好ましい実施態様に
よれば50mmに限定されている。
【0015】本発明による方法は、基本的に従来の電気
アーク炉で実施することができる。本方法は、具体的に
は湯溜りの高さを可能な限り最小にするために、炉性能
を低下させて又好ましくは炉床を冷却して炉が運転され
る点で公知の融解法と相違する。
【0016】本発明による方法の実施によつて、引き続
き粉砕を行うとき、僅かな粉砕コスト増でその切刃がほ
とんど又はまつたく破損していないほぼ理想的立方晶砥
粒が形成されるように、固化したコランダム塊中のマク
ロ構造が調整される。僅かな粉砕コスト増は、更に利用
可能な砥粒の生産量増大を保証する。
【0017】アルカリ分の少ないアルミナを原料として
使用すると、Al、即ち研磨技術上価値の低い変
態物の形成がほとんど阻止されるので、特に好ましい結
果が得られる。アルカリ類含量は0.1Wt%未満とす
べきであろう。
【0018】他方この結果は、周期律第2族〜第6族の
酸化物、特にTiO、Cr等の添加物によつて
更に量適化することができる。
【0019】粉砕は公知の仕方で、例えばジヨークラツ
シヤー又はロールクラツシヤーを用いて行われる。本方
法の実施に応じてさまざまな大きさの結晶が形成され
る。粉砕後こうして、例えばかさ密度が1.7〜2.0
g/cm、粒形係数が0.7を超える粒度36研磨材
(FEPA〔欧州研磨材生産者連合〕規格)を、粒形処
理を別に行うことなく製造することができる。
【0020】本方法を実施するための装置は、実質的に
冷却された床領域及び/又は壁領域と、床又は壁領域に
保護板とを有する電気アーク炉からなる。上で述べられ
たように、炉床の冷却は溶湯と固化した鋳塊との間の温
度勾配を高めるのに寄与する。保護板は炉床と鋳塊(コ
ランダム塊)とを分離するための安全手段として役立
つ。
【0021】炉部分の冷却は、例えば水で行うことがで
きる。
【0022】本発明のその他の特徴は、従属請求項の特
徴及びその他の明細書記載事項から明らかとなる。
【0023】
【実施例】以下1実施例に基づいて本発明を詳しく説明
する。
【0024】NaO含量0.08Wt%の低アルカリ
α−アルミナ500kgが、二酸化チタン1.5kg及
び酸化クロム0.75kgと混合されて、出発成分とし
て用意される。材料は連続的に、電気アーク炉内に装入
される。外側を水冷される床を備えたいわゆるヒギンス
炉槽が炉容器として用いられる。冷却される床を保護す
るために、黒鉛板が床に設けられ、この板の上にやはり
粗砕された貴コランダムが載せられ、これは出発成分が
最初に融解されるときに溶湯と床との分離を確保する。
【0025】出発成分の添加量と炉性能は、いずれの時
点でも湯溜り(電極間)の高さが最大で100mmとな
るように選定される。改良された排熱に基づいて、湯溜
りの高さは開炉時間の最初は終了時よりも多少小さな値
に調整することができる。
【0026】原料を完全に添加後炉が切られる。最後の
溶湯相も固化した後、コランダム塊は炉から取り出さ
れ、ジヨークラツシヤー又はロールクラツシヤーを介し
て破砕され、標準化されて粒度46(FEPA規格)へ
と粉砕される。
【0027】得られた粒子から求められるFEPA規格
によるかさ密度は値が1.82/cm、粒形係数は
0.75である。砥粒の組成は以下のとおりである(単
位Wt%): 0.31% TiO、 0.15% Cr、 0.08% NaO、 残り Al
【0028】この材料から次に寸法225/25/5
0.8/mmのセラミツク結合砥石が作製される。
【0029】砥石半径の摩耗と切込み(mm/行程)と
の関係がそれぞれ以下の図1、2、3に示されている。
いずれの場合にも砥石速度は約25/ms、テーブル速
度は約20m/分である。本発明により製造された砥粒
を備えた砥石を用いた測定結果が実施例2として記入さ
れている。
【0030】比較試料は市販されている粒度46(FE
PA規格による)の単結晶コランダム粒子を用いた砥石
に関係している。実施例1は従来の製造/融解技術に従
つて得られかつ処理された粒度46(FEPA規格によ
る)の、実施例2と同じ化学組成の砥石についての測定
値を示す。
【0031】いずれの場合にも本発明による研磨材は著
しく向上した研削性能(僅かな砥石摩耗)を、それもし
かも研削試験が研削油剤を用いて実施(図1)されるか
又は研削油剤なしに実施(図2)されるかにかかわりな
く、もたらすことを明確に認めることができる。
【0032】本発明による研磨材の利点は図1、2と図
3との比較が示すように、被削材料の種類にも依存しな
い。図1、2の場合品質s6−5−2(DM05);1
3343;HRC64の鋼が、図3の場合品質90mn
CrV8の鋼が加工された。
【図面の簡単な説明】
【図1】砥石の切込みと摩耗との関係を示す線図であ
る。
【図2】異なる条件における砥石の切込みと摩耗との関
係を示す線図である。
【図3】更に異なる条件における砥石の切込みと摩耗と
の関係を示す線図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 3/14 550 B24D 3/00 C04B 35/111 WPI/L(QUESTEL)

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子投影に面積が等しい楕円の短径と長
    径との比として計算される粒形係数が0.6より大きい
    鋼玉を基とする研磨材を製造するための方法であって、 1.1 Al含量>98Wt%のAl含有
    出発成分が連続的に又は回分式に融解装置に装入され、 1.2 融解装置内に形成される湯溜りが全開炉時間の
    間最大で200mmとなるように出発成分の単位時間当
    たり添加量及び炉能力が選定され、 1.3 次に固化した鋼玉塊が取り出されて、希望する
    粒群に粉砕される行程を有する方法。
  2. 【請求項2】 湯溜りの高さが100mmに限定され
    る、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 湯溜りの高さが50mmに限定される、
    請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 Al含有出発成分が0.1Wt%
    未満のアルカリ類含量を有する、請求項1ないし3の1
    つに記載の方法。
  5. 【請求項5】 Al含有出発成分が電気アーク炉
    内で融解される、請求項1ないし4の1つに記載の方
    法。
  6. 【請求項6】 Al含有出発成分が壁側及び/又
    は床側で冷却される融解装置内で融解される、請求項1
    ないし5の1つに記載の方法。
  7. 【請求項7】 Al含有出発成分が最初に装入さ
    れるよりも前に、融解容器の床に分離層が設けられる、
    請求項1ないし6の1つに記載の方法。
  8. 【請求項8】 分離層として塊状鋼玉層が設けられる、
    請求項7に記載の方法。
  9. 【請求項9】 元素周期表第2族〜第6族の酸化物の添
    加物を3.0Wt%以下含有したAl含有出発成
    分が使用される、請求項1ないし8の1つに記載の方
    法。
  10. 【請求項10】 添加物としてTiO及び/又はCr
    が使用される、請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】 外側が冷却される壁部分及び/又は床
    部分と床上に保護板とを有する電気アーク炉を融解装置
    として備えた、請求項1ないし10の1つに記載の方法
    を実施するための装置。
  12. 【請求項12】 水冷式壁領域及び/又は床領域を備え
    た、請求項11に記載の装置。
  13. 【請求項13】 保護板が黒鉛板である、請求項11又
    は12に記載の装置。
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