JP2951962B2 - 多芯丸形ケーブルのフラット化方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はコネクタやコネクタ・カバーへ芯線を布線す
る多芯丸形ケーブルのフラット化方法に関する。

［従来の技術］ 一般にOA機器間の信号電送にはI/Oケーブルと呼ばれ
る断面円形形状の多芯丸形ケーブルが用いられており、
この多芯丸形ケーブルの端部をOA機器等に接続するため
に平型のコネクタが用いられる。そして、I/Oケーブル
の端末を平型コネクタに結線する場合に、多芯丸形ケー
ブルの各芯線を芯線絶縁体の色及び表示等で識別して予
め決められた順序で結線していた。

しかし、近年のコネクタの小型化に伴い、芯線の結線
間隔が狭くなると共に芯線径が細くなり、作業者が色表
示識別により、線番を認識して所定位置に芯線を布線す
ることが難しくなった。特に異方向二列布線の場合、多
芯ケーブルの端末における芯線の露出された付近での芯
線の状態が認識しにくく、芯線の絡みが生じ易いことと
相俟って品質面での問題や芯線のとりまわしがしにくい
等作業効率の問題があった。またコネクタ・カバーに芯
線を布線する場合、カバーの芯線挿入溝幅が狭いために
溝部の奥側から１本１本順次布線していかなければなら
ず、線番識別及び布線に時間がかかり、作業効率が悪か
った。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明はこの様な従来の問題を解決すると共に結線作
業の自動化をも容易にした多芯丸形ケーブルのフラット
化方法を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 即ち、本発明に係る多芯丸形ケーブルのフラット化方
法は、少なくとも一対の左右に回転開閉自在な芯線固定
治具を左右に開いた位置で芯線を左右両側に振分けて全
数布線するための溝列を左右交互になる千鳥配列に形成
し、芯線固定治具を上方に閉じて前記振分け布線を前記
溝内に押込んで一列に配置して多芯丸形ケーブルの芯線
をフラットケーブル状態にすることを特徴とする。

［作用］ 従って、本発明の上記構成によれば、多芯丸形ケーブ
ルはその芯線が全数フラットケーブル状態に形成されて
一列に配置されるので、芯線が挿入されるカバーの狭い
溝部に挿入でき、芯線挿入のために溝部の幅を広くする
ことなく、コネクタやコネクタ・カバーへ一括布線する
ことができる。

［実施例］ 以下に本発明を図面の実施例に基いて説明する。

第１図から第５図は本発明に係る多芯丸形ケーブルの
フラット化方法を実施する装置（以下フラット化装置と
いう）の要部を示し、布線動作を説明するための図であ
る。

第６図から第13図は本発明に係る多芯丸形ケーブルの
フラット化装置の実施例を示す。

また、第14図は従来例を示し、芯線２を取付け中のコ
ネクタの第１のカバー7Aと第２カバー7Bを有し、第２カ
バー7Bは嵌合用の穴８を形成され、第１カバー7Aは多芯
丸形ケーブルの芯線を１本毎に挿入させるスリット９、
嵌合用のポスト10及び多芯丸形ケーブルの芯線を受止め
る溝11を形成している。

本発明に係る多芯丸形ケーブルのフラット化方法は第
１図、第６図等に示すように、一対の内側芯線固定治具
３、４と一対の外側芯線固定治具５、６を有し、内側芯
線固定治具３、４及び外側芯線固定治具５、６は一体と
なって平面を維持したまま、開閉支点12により回転可能
であり、更に外側芯線固定治具５、６は開閉支点13A、1
3Bによりそれぞれ外側に略90度回転可能である。第７図
に示す様に、シリンダ部を有するロッド14、15が伸縮す
ることによりリンク機構を介してロッド14、15を上下動
させることにより、これら芯線固定治具は開閉支点12、
13A、13Bを中心に開閉動作する。そして、芯線固定治具
が実線の状態から点線のようにロッド14、15を上昇させ
ると、外側芯線固定治具５、６は内側芯線固定治具３、
４に対しその芯線保持面が先行回転しないように外側芯
線固定治具５、６には第７図に示す２つの上方に突出し
たストッパ機構が設けられている。第１図は平面図で芯
線固定治具に芯線を布線した状態を示し、第５図はその
正面図である。多芯丸形ケーブル１は第11図に示すよう
にクランプ16により固定され、芯線は左右両側に全数振
分けられ全数布線するための溝列が第８図や第12図から
判るように左右交互になるようにして芯線が千鳥状にな
るようにして第８図及び第９図のように内側及び外側芯
線固定治具３、４、５、６の溝に保持される。

多芯丸形ケーブル１の全芯線が布線された後は第２図
に示すように開閉支点12を中心に芯線固定治具が閉じら
れ、千鳥状になった芯線が一列に配置されて第14図に示
される第１カバー7Aのスリット９にスムースに導入する
ことができる。

この状態で第３図、第10図及び第11図に示すようにコ
ネクタの第１カバー７を内側芯線固定治具３、４と外側
芯線固定治具５、６との間に挿入する、第１カバー７の
供給後は内側芯線固定治具３、４が作動しないように固
定される。そして次に第４図、第12図及び第13図に示す
ようにロッドを収縮して外側芯線固定治具５、６を開閉
支点13A、13Bを中心にして開く。

最後にコネクタの第２カバー7Bを被せてそれよりはみ
だした余分な芯線を切断しコネクタの刃状端子を圧接し
てコネクタの多芯ケーブルの圧接結線が完了する。配線
番号の認識は前述の通り目視によらず電気的導通検査に
より行う。

［発明の効果］ 以上の説明から明らかなように、本発明の構成によれ
ば、芯線を左右両側に振分けて全数布線するための溝列
を左右交互になる千鳥配列にして一列に配置したので、
フラットケーブルをコネクタやコネクタ・カバーへ布線
するように多芯丸形ケーブルを布線することができ、多
芯丸形ケーブルの芯線を配線番号の小さい順に布線する
必要がなくなるだけでなく、任意に取出した多芯丸形ケ
ーブルの布線が低コストで高品質を可能にするとともに
配線番号の認識を目視によらず電気的導通検査により行
うことにより布線のミスをなくすと共に布線の自動化が
可能になる。

【図面の簡単な説明】

第１図から第５図は本発明に係る多芯ケーブルの布線装
置の要部を示し布線動作を説明するための図、第６図か
ら第13図は本発明に係る多芯ケーブルの布線装置の実施
例を示し布線動作を説明するための図、そして第14図は
従来例を示す斜視図である。 １……多芯ケーブル、 ２……芯線、 ３、４……内側芯線固定治具、 ５、６……外側芯線固定治具、

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】少なくとも１対の左右に回転開閉自在な芯
   線固定治具を左右に開いた位置で芯線を左右両側に振分
   けて全数布線するための溝列を左右交互になる千鳥配列
   に形成し、芯線固定治具を上方に閉じて前記振分け布線
   を前記溝内に押込んで一列に配置して多芯丸形ケーブル
   の芯線をフラットケーブル状態にすることを特徴とする
   多芯丸形ケーブルのフラット化方法。