JP2951628B2 - ウェハ保管用カセット - Google Patents

ウェハ保管用カセット

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JP2951628B2
JP2951628B2 JP1062798A JP1062798A JP2951628B2 JP 2951628 B2 JP2951628 B2 JP 2951628B2 JP 1062798 A JP1062798 A JP 1062798A JP 1062798 A JP1062798 A JP 1062798A JP 2951628 B2 JP2951628 B2 JP 2951628B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、枚葉式のマルチチ
ャンバ型半導体製造装置等において、複数枚のウェハを
保管するのに用いられるウェハ保管用カセットに関す
る。
【0002】
【従来の技術】枚葉式のマルチチャンバ型半導体製造装
置では、各チャンバにウェハを一枚ずつ自動的に供給す
るためにウェハハンドリングロボットが用いられる。チ
ャンバ数が多い場合は、複数台のウェハハンドリングロ
ボットが用いられ、ウェハハンドリングロボット間での
ウェハ受け渡しを行うために、両者の間にウェハを一時
保管するカセットが用いられる。このカセットは両側か
らウェハを出し入れすることが可能なものであり、パス
スルー型カセットと呼ばれている。
【0003】図4にパススルー型カセットをウェハハン
ドリングロボット間で使用している状態を概略的に示
す。送り側のロボット1と、受け側のロボット2の間に
パススルー型カセット3が配置される。ロボット1、2
はそれぞれ駆動機構を備える本体11、21上に360
度回転し、放射方向に先端が移動自在なアームアセンブ
リ12、22が配置されており、アームアセンブリ1
2、22の先端には、ウェハを保持するブレード13、
23が取り付けられている。
【0004】カセット3は、それぞれのロボットに面し
た対向する一組の側面が開口した箱型形状をしており、
開口側面の間の側壁に内側に突出するくし歯部31が所
定の間隔で複数設けられて、ウェハを収容するスロット
32を形成している。
【0005】送り側のロボット1は、アームアセンブリ
12を操作してブレード13で保持したウェハ4をカセ
ット3の空いているスロット32に収容し、ウェハ4を
ブレード13から取り外す。受け側のロボット2は、ア
ームアセンブリ22を操作してカセット3内のウェハ
4’が収容されているスロット32にブレード23を伸
ばして、ウェハ4’を保持した後、アームアセンブリ2
2を引き込んでウェハ4’を取り出す。このようにして
ウェハハンドリングロボット1、2間でウェハ4の受け
渡しが行われる。逆方向へのウェハ4の受け渡しも同様
の手法で行うことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体を精度よく製作
するためには、ウェハハンドリングロボット1、2がウ
ェハを正確かつ慎重に取り扱う必要がある。しかし、従
来のパススルー型カセット3には以下のような問題点が
あった。
【0007】図5は、従来のカセット3のくし歯部31
およびスロット32の構造を示した拡大断面図である。
同図に示されるように、くし歯部31の先端には、ウェ
ハ4を載置できるように対向するくし歯部31間で円形
となる窪み33が設けられている。そして、この窪み3
3の側壁面34’は、窪み33の底面35に対して直交
している。
【0008】図6は、このカセットのスロット32への
ウェハ4の配置例を示している。この窪み33内部に確
実にウェハを収めるには、窪み33の直径D1がウェハ
4の規格上許容される最大径Dmaxより大きい必要があ
る。しかし、これをDmaxと比較して大きくしすぎる
と、装置内での振動等によりカセットが動き、これによ
り窪み33内部でウェハ4が位置ずれを起こした場合
に、この位置ずれがロボット1、2の搬送精度を超えて
ロボット1、2が確実にウェハ4を保持できなくなった
り、チャンバへの正確な搬送ができずに、結果としてウ
ェハの加工精度が劣化するおそれがある。
【0009】逆に、同図(b)に示されるようにこの窪
み33の直径D1をDmaxと同程度以下とした場合、窪
み33内部に収められたウェハが振動等により大きな位
置ずれを起こすことは防止できる。しかし、ロボット
1、2の搬送精度に起因する位置ずれが大きい場合に
は、ウェハ4が窪み33の縁に乗り上げてしまうおそれ
がある。こうなった場合は、ロボット1、2のブレード
13、23がウェハ4を保持することが困難になるとと
もに、窪み33の縁が直角であるため、この直角部分で
ウェハ4に傷がつきやすい。そして、ウェハ4が傷つけ
られて生成された微粒子がマルチチャンバ内のプロセス
チャンバに侵入することで、各種の成長プロセスや処理
プロセスに悪影響を及ぼし、処理半導体の性能を劣化さ
せる原因ともなる。
【0010】本発明は、上記の問題点に鑑みて、ウェハ
を確実に位置決めでき、ウェハ損傷のおそれのないウェ
ハ保管用カセットを提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本発明のウェハ保管用カセットは、所定の間隔をお
いて互いに対向して配置された一対の側壁と、これらの
側壁のそれぞれの内面から互いに向かって突出し、ウェ
ハが載置される少なくとも一対のくし歯部と、を備える
ウェハ保管用カセットであって、くし歯部の先端のウェ
ハ載置部分にウェハが収容される窪みが形成されてお
り、この窪みを画する側壁面が、上方に向かって末広が
りの傾斜面となっていることを特徴とする。
【0012】これによれば、窪みの側壁面には傾斜面が
形成され、この傾斜側壁面の上縁は、鈍角となる。した
がって、万一、ウェハが窪みの縁に乗り上げても縁が鋭
利でないため傷がつきにくい。また、ウェハの縁が窪み
の傾斜側壁面上に置かれた場合は、ウェハの端がこの傾
斜側壁面を滑ることによりウェハは最終的に窪みの底面
上に傾斜することなく載置される。
【0013】さらに、窪みの側壁面は、側壁間の所定の
鉛直軸を中心軸とする仮想倒立円錐台の側面と一致して
おり、窪みの底面の半径D0の最小値D0minは、載置す
るウェハの規格上の最大径をDmax、窪みの円弧半径の
加工公差をΔrとするとき、D0min=Dmax+2Δrを
満たすことが好ましい。これによれば、径Dmaxを有す
るウェハを確実に窪みの底面に載置できる。
【0014】そして、ウェハハンドリングロボットによ
りウェハをくし歯部に対して受け渡す場合において、ウ
ェハハンドリングロボットの搬送時の最大位置ずれ量を
Δlとするとき、窪みの上縁の直径D1はD0min+2Δ
l≦D1≦D0min+4Δlを満たすことが好ましい。
【0015】これによれば、窪みの上縁の直径は、ウェ
ハが中心から平面方向のどの方向にΔl〜2Δlずれて
も窪みの内部に収容しうるだけの余裕がある。ウェハハ
ンドリングロボットによる受け渡し時のウェハの位置ず
れ量は最大Δlであるから、受け渡しによってウェハが
窪みの外にはみ出すことはない。
【0016】さらに、窪みの深さt2は、(D1−D0
/2×tan(60°)に略等しいことが好ましい。
【0017】これによれば、窪みの傾斜側面が窪みの底
面となす角度は約60°となる。したがって、窪みの傾
斜側面上にウェハの縁が乗り上げた場合に、ウェハの自
重によりウェハの縁はこの傾斜側面を滑り、最終的に窪
みの底面にさらに達しやすくなる。一方、窪みの上縁の
角度は120°であるから、角は鋭利でない状態が維持
される。
【0018】また、側壁間の両側面からウェハの出し入
れが可能なパススルー型であってもよい。これによれ
ば、2つのロボット間でウェハを確実に受け渡すことが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施の形態を説明する。なお、図面内の寸法、形状
は説明のために簡略化して図示してあり、実際の寸法、
形状と正確な縮尺比で対応するものではない。
【0020】図1に本発明のパススルー型カセットの形
状を示す。同図(a)は、スロット部分の断面斜視図で
あり、同図(b)は、その縦断面図である。
【0021】本発明のパススルー型カセット3は、基本
的には図4に示した従来構成と同様な略箱型形状をな
し、対向する側面が開口されており、この対向する側面
の間の一対の側壁30の内側には、図1に示すように所
定の間隔pをおいて対向して突出する厚さt1の複数の
くし歯部31を有する。くし歯部31の先端には、窪み
33が形成されており、その傾斜側壁面34は、窪み3
3に載置されるウェハ4の理想的配置中心36を中心軸
とする仮想倒立円錐台37の側面に一致している。この
仮想倒立円錐台35は、直径D1と直径D0の二つの底面
にはさまれており、大きい側の直径D1の底面がくし歯
部31の上面を含む平面に一致する。そして、小さい側
の直径D0の底面が窪み33の底面35を含む平面に一
致する。したがって、仮想円錐台35の高さと窪み33
の深さは等しく、以下、これをt2で表す。図2は、こ
の窪み33の傾斜側壁面34の拡大図である。したがっ
て、傾斜側壁面34と窪み33の底面35は、角度θを
なす。ここで、傾斜側壁面34の上縁、下縁はそれぞれ
丸められていてもよい。
【0022】8インチウェハ(直径200mm)に対す
る好適な各寸法の一例は、D0が201.020mm、
1が201.754mm、t1が2.159mm、t2
が0.635mmである。以下、これらの寸法値に設定
した根拠について説明する。
【0023】まず、窪み33の底面35の直径は、ウェ
ハ4が確実に収容される大きさである必要がある。8イ
ンチウェハのSEMI規格による直径は200mm±
0.5mmであるから、最大値Dmaxは200.5mm
となる。これに対してカセット3の加工公差が半径あた
り±0.254mmあるから、小さめに作られる場合を
見込んでこの最大径のウェハ4を確実に収容するには、
窪み33の最小底面直径D0minは200.5+2×0.
254=201.008mm必要である。本実施形態で
は、さらに余裕をもってD0を201.02mmとし
た。この大きさはD0minにできるだけ近いことが好まし
い。寸法に余裕が有ると、ウェハの位置ずれを許すこと
になるからである。
【0024】次に、くし歯部31の厚さt1と、窪み3
3の深さt2は、スロット32にウェハ4を保持する強
度を保つ必要がある。そのため、本実施形態では、t1
を0.085インチに相当する2.159mm、t2
0.025インチに相当する0.635mmとした。窪
み33の深さt2は、くし歯部31の厚さt1の約30%
に相当する。
【0025】最後に、窪み33の上縁の直径に相当する
1については、スロット32にウェハを配置するロボ
ット1、2(図4参照)の搬送精度に起因する位置ずれ
によりウェハ4の位置がずれても窪み33の上縁からは
み出さないようにウェハ4の最大直径Dmaxより少なく
とも各径方向についてそれぞれ最大の位置ずれ量Δlだ
け大きくする必要がある。また、D0に対するこの余裕
が大きすぎると、結果的に窪み33内部でのウェハ4の
位置ずれを許すことになるので、Dmaxに対するこの余
裕は半径方向について2Δl以内とすることが好まし
い。本実施形態のカセット3が適用されるロボット1、
2のウェハ平面方向の搬送精度は1軸方向に±0.2m
mである。したがって、2軸方向である平面方向には最
大0.2×20.5=0.2828mmずれる可能性があ
る。つまりこれがΔlに相当する。したがって、D
2は、Dmaxに加工公差を加えたD0minである201.0
08mmより2Δl〜4Δl、つまり0.5656mm
〜1.1312mm広い201.5736mm〜20
2.1392mmであればよい。ここでは、加工を容易
にするため、傾斜面34が窪み33の底面となす角θが
60度となるように設定し、201.754mmとし
た。このように傾斜側壁面34の傾斜角をある程度急に
することにより、ウェハ4の縁が傾斜側壁面34上に配
置された場合でも、ウェハ4はその自重により傾斜福へ
き面34上を滑って最終的に窪み33の底面に水平に配
置される可能性が増す。
【0026】本発明のカセット3を図4に示されるロボ
ット1、2の間において使用した場合のウェハ4の動作
を図3を用いて説明する。ウェハ4a、4b、4c、4
dはそれぞれ正規のウェハ配置位置からの位置ずれ状態
の異なるウェハ4を比較して示している。ウェハの大き
さが規格内であれば、正規位置に配置されたウェハ4
a、4bは、窪み33の底面35に平行に配置される。
装置内の振動等により位置ずれが起こった場合でも、ウ
ェハ4a、4bは、窪み33の底面35部分に収めら
れ、位置ずれを起こすことがない。
【0027】一方、ウェハハンドリングロボットの搬送
精度により大きな位置ずれが起こった場合、ウェハ4c
は、一方の縁が窪み33の傾斜側壁面34に接して配置
される。この場合、ウェハ4cのこの縁は、傾斜側面3
4上を自重によって滑り、ウェハ4cは、最終的にウェ
ハ4bと同様の位置に落ち着く。このため、ウェハが確
実に位置決めされ、次にウェハハンドリングロボットで
ウェハを取り出す際に正確にウェハとブレードを位置合
わせしてウェハを取り出すことができる。
【0028】万一、ウェハ搬送時の振動等により、ロボ
ットの搬送精度を大きく超える位置ずれが発生したウェ
ハ4dの場合は、傾斜側壁面34の縁にウェハ4dが乗
り上げた形になるが、傾斜側壁面34の上縁が鈍角であ
るか、丸められているので、ウェハ4dの底面が削られ
て傷つくおそれがない。したがって、微粒子がチャンバ
ー内に入り込むこともなく、製造プロセスの安定性も向
上する。
【0029】なお、上記実施形態のカセットはパススル
ー型であるが、開口が一方の側面のみに形成されたカセ
ットに対しても本発明は適用可能である。
【0030】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
ウェハを収容するカセットの窪みの側面を傾斜側壁面と
し、窪みの底面の最小径をウェハの最大許容径とほぼ等
しくし、上縁の径をウェハ搬送用ロボットの搬送精度を
考慮した所定の大きさに設定しているので、載置された
ウェハの振動等による位置ずれが抑えられる。また、搬
送用のウェハハンドリングロボットの搬送精度に伴い位
置ずれが発生した場合でも、傾斜側面でウェハが窪みの
所定位置に戻る可能性が高く、万一窪みからはみ出した
場合でも窪みの縁が鈍角なのでウェハが傷つくことがな
い。
【0031】さらに、傾斜側面が窪みの底面となす角度
を60度とすれば、より効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明のカセットの分解斜視図であ
り、(b)はその一部縦断面図である。
【図2】図1のカセットの窪みの拡大断面図である。
【図3】図1のカセットへのウェハの配置例を示す図で
ある。
【図4】ウェハ収容用カセットの使用形態を示す図であ
る。
【図5】従来のカセットの拡大断面図である。
【図6】(a)(b)はそれぞれ図5のカセットへのウ
ェハの配置例を示す図である。
【符号の説明】
1、2…ウェハハンドリングロボット、3…ウェハ収容
用カセット、11、21…ロボット本体、12、22…
アームアセンブリ、13、23…ブレード、30…カセ
ット側壁、31…くし歯部、32…スロット、33…窪
み部、34…窪み側壁面、35…窪み底面、36…仮想
倒立円錐台、37…仮想倒立円錐台中心。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−271004(JP,A) 実開 平6−13145(JP,U) 実開 昭61−45377(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/68 B65D 85/86

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔をおいて互いに対向して配置
    された一対の側壁と、 前記側壁のそれぞれの内面から互いに向かって突出し、
    ウェハが載置される少なくとも一対のくし歯部と、 を備えるウェハ保管用カセットであって、 前記くし歯部の先端のウェハ載置部分にウェハが収容さ
    れる窪みが形成されており、 前記窪みを画する側壁面が、上方に向かって末広がりの
    傾斜面となっていることを特徴とするウェハ保管用カセ
    ット。
  2. 【請求項2】 前記窪みの前記側壁面は、前記側壁間の
    所定の鉛直軸を中心軸とする仮想倒立円錐台の側面と一
    致しており、前記窪みの底面の半径D0の最小値D0mi
    nは、載置するウェハの規格上の最大径をDmax、前記窪
    みの円弧半径の加工公差をΔrとするとき、D0min=
    Dmax+2Δrを満たすことを特徴とする請求項1記載
    のウェハ保管用カセット。
  3. 【請求項3】 ウェハハンドリングロボットによりウェ
    ハを前記くし歯部に対して受け渡す場合において、前記
    ウェハハンドリングロボットの搬送時の最大位置ずれ量
    をΔlとするとき、前記窪みの上縁の直径D1はD0mi
    n+2Δl≦D1≦D0min+4Δlを満たすことを特徴
    とする請求項2記載のウェハ保管用カセット。
  4. 【請求項4】 前記窪みの深さt2は、(D1−D0)
    /2×tan(60°)に略等しいことを特徴とする請
    求項3記載のウェハ保管用カセット。
  5. 【請求項5】 前記側壁間の両側面からウェハの出し入
    れが可能なパススルー型であることを特徴とする請求項
    1〜4のいずれかに記載のウェハ保管用カセット。
JP1062798A 1998-01-22 1998-01-22 ウェハ保管用カセット Expired - Lifetime JP2951628B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1733578B (zh) * 2004-08-02 2011-07-20 株式会社迪思科 工件输送收容装置和方法、以及具有该收容装置的切削装置

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