JP2950808B1 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JP2950808B1
JP2950808B1 JP10103094A JP10309498A JP2950808B1 JP 2950808 B1 JP2950808 B1 JP 2950808B1 JP 10103094 A JP10103094 A JP 10103094A JP 10309498 A JP10309498 A JP 10309498A JP 2950808 B1 JP2950808 B1 JP 2950808B1
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寛志 木下
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Abstract

【要約】 【課題】 大画面の液晶パネルの画像表示において、横
方向輝度差あるいは縦方向輝度差あるいはクロストーク
より生じる表示むらを低コストの駆動回路を用いて解消
すること。 【解決手段】 水平方向に2N本配列された走査線12
と、垂直方向にM本配列された信号線10、11を有す
る液晶パネル14において、走査線左駆動回路17Aと
走査線右駆動回路17Bを用いて走査線12を両端駆動
する。アドレスX1〜X2Nの走査線12に対して駆動パ
ルスを順次に印加し、夫々の走査線12をオンする。ア
ドレスY1〜YMの信号線10、11に対して3値の電圧
パルスを同時に印加して各画素を制御する。片端駆動す
る従来の方法に比較し、輝度むらが1/4になり、特に
大型液晶パネルの画質が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、映像機器やコンピ
ュータなどの情報機器のディスプレイとして有用な液晶
表示装置に関し、特に各画素の輝度むらが小さくなるよ
うに駆動する液晶表示装置及び液晶駆動方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図49は、液晶パネルの等価回路とこの
液晶パネルを駆動する駆動回路とを図示した従来の液晶
表示装置の構成図である。この液晶表示装置は、液晶パ
ネル14、上側の信号線駆動回路15、下側の信号線駆
動回路16、走査線駆動回路17、制御回路18、駆動
電源回路19を含んで構成される。
【0003】液晶パネル14にはy方向(垂直方向)に
設けられた複数の信号線と、X方向(水平方向)に設け
られた複数の走査線とがある。この信号線は上下均等に
2分割された上側の信号線10と下側の信号線11とか
らなり、上下の信号線10、11の本数は夫々M本とす
る。また走査線12の数は2N本とする。そして上下の
信号線10、11のアドレスをY1〜YMとし、上半分の
走査線12のアドレスをX1〜XNとし、下半分の走査線
12のアドレスをXN+1〜X2Nとしている。
【0004】このように単純マトリックス型の液晶パネ
ル14では、上側の信号線10及び下側の信号線11
と、走査線12とがマトリックス状に配置され、上側の
信号線10と走査線12との交点、及び下側の信号線1
1と走査線12との交点に夫々画素13が形成されてい
る。画素13は液晶セル及び透明画素電極、又は液晶セ
ル及び透明画素電極を含む駆動端子を有し、その容量は
液晶セルと画素電極等により決まる。ここでは画素13
の容量を画素容量と呼ぶ。なお、TFT型液晶パネルの
場合にはTFT、液晶セルなどを含む。
【0005】この液晶パネル14は、上下2分割で駆動
される。即ち、上側の信号線10は上側の信号線駆動回
路15により駆動され、下側の信号線11は下側の信号
線駆動回路16により駆動される。走査線12は1つの
走査線駆動回路17により走査線12の片端側から駆動
される。
【0006】図49に示す従来の液晶パネル14は、走
査線12の左端より駆動されているが、ここでは、この
ような片端から走査線12に駆動電圧を与えて各画素1
3を駆動する方法を以下、走査線片端駆動と記す。上側
の信号線駆動回路15と下側の信号線駆動回路16は、
上側の信号線10、下側の信号線11の数、及び走査線
12の数に応じて、液晶パネル14の周辺に配置され
る。
【0007】制御回路18は、入力画像信号に基づいて
上側の信号線駆動回路15と下側の信号線駆動回路16
と走査線駆動回路17とを制御する回路である。駆動電
源回路19は上側の信号線駆動回路15と下側の信号線
駆動回路16と走査線左駆動回路17に駆動電圧を供給
する回路である。ここで駆動電圧は、V(+)、V
(−)、VH、Vref、VLの5種類存在し、それらの
組み合わせによって各画素13が駆動される。Vref
は動作基準電圧を指し、Vrefを基準として、V
(+)は走査パルスの正極性のピーク値、V(−)は走
査パルスの負極性のピーク値、VHは信号パルスの高電
位側のピーク値、VLは信号パルスの低電位側のピーク
値である。
【0008】走査線駆動回路17は、信号線を上下2分
割駆動するために、アドレスX1〜XNの走査線12と、
アドレスXN+1〜X2Nの走査線12とを並行して同時に
走査する。即ち、走査線駆動回路17は、アドレスX1
とXN+1の走査線12から同時に走査を開始し、アドレ
スX1からXNまで、及びアドレスXN+1からX2Nまでを
同じタイミングで順次に走査する。
【0009】図50に示すように、走査線駆動回路17
はアドレスX1〜X2Nにかけて走査線12を順次に走査
し、選択した走査線12に対してV(+)又はV(−)
の駆動電圧を与え、非選択の走査線12に対して動作基
準電圧Vrefを与える。上側の信号線駆動回路15と下
側の信号線駆動回路16は制御回路18の制御信号に応
じて、信号線10、11を信号パルスとしてVH、VL
の信号線駆動電圧で駆動する。上側及び下側の信号線駆
動回路15と16の出力回路は、2値(VHとVL)か
ら1値を選択して出力する2個のアナログスイッチから
構成される。駆動電圧V(+)、V(−)、VH、V
L、Vrefの関係は次の(数43)を満たすものとす
る。
【0010】
【数43】VH−Vref=Vref−VL V=V(+)−Vref=Vref−V(−) 尚、Vは各画素13の液晶セルに印加される駆動電圧の
振幅である。
【0011】図49の上側の信号線駆動回路15は、ア
ドレスX1からXNの走査線に対して、VH、VLのいず
れかの信号線駆動電圧をM本の上側の信号線10に対し
て水平走査毎に同時に出力する。下側の信号線駆動回路
16は、アドレスXN+1の走査線からX2Nの走査線に対
応して、VH、VLのいずれかの信号線駆動電圧をM本
の下側の信号線11に対して水平走査毎に同時に出力す
る。走査線駆動回路17は走査線12を水平走査毎に順
次選択し、選択された走査線12には走査パルスとして
走査線駆動電圧V(+)又はV(−)を左側片端より出
力し、選択されない走査線12には動作基準電圧Vref
を出力する。従って、走査線駆動回路17の出力回路は
V(+)、V(−)、Vrefから1値を選択して出力
する3個のアナログスイッチから構成される。3個のア
ナログスイッチの出力抵抗(オン抵抗ともいう)をRo
とする。
【0012】以上のように液晶パネル14が線順次駆動
される。図49に示すように、液晶パネル14は上下の
2画面から構成されていても、上下2画面は同時に走査
される。このため、上側の信号線駆動回路14と下側の
信号線駆動回路15の出力端は同数だけ設けられてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、走査線
を片端駆動とする従来の液晶表示装置では、走査線12
の配線抵抗rと画素容量cの存在により、各画素の駆動
電圧に遅延が生じる。このため、走査線12の駆動端か
ら終端までの各画素において、実効電圧が少しずつ異な
り、走査線12の駆動端から終端に向けて、夫々の画素
の明るさが少しずつ異なってしまう。このような輝度む
らを横方向輝度差という。さらに、画素の駆動電圧が歪
むためにクロストークが発生する。これを横クロストー
クという。同様にして、信号線の駆動においても信号線
の配線抵抗と画素容量による遅延が生じ、信号線の駆動
端から終端に向けて、夫々の画素の明るさが少しずつこ
となる縦方向輝度差が発生し、かつ、信号線駆動による
波形歪みで生じるクロストークも生じる。これを縦クロ
ストークという。
【0014】このような横あるいは縦方向輝度差あるい
はクロストークは、液晶表示装置が大画面であればある
程大きくなり、画質を劣化させるという大きな原因とな
っていた。横あるいは縦方向輝度差とクロストークをな
くすための駆動方法の開発には、液晶パネルの構造と駆
動回路とを含めた駆動解析が必要不可欠である。しか
し、横方向あるいは縦方向輝度差、クロストーク、走査
線あるいは信号線の駆動電流、駆動電圧の遅延時間等に
ついては、従来の駆動解析法による計算結果と実測値と
は一致するものではなかった。また最適な駆動方法と最
適な駆動回路の開発に、時間とコストを要するという問
題点があった。
【0015】上記の問題点について以下に詳細に説明す
る。ここでは、液晶パネル14が単純マトリックス型で
ある場合の横方向輝度差と走査線駆動電流を例にとり、
問題点を説明する。図50(A)は(数43)の関係を
満たす上側の信号線駆動回路15、下側の信号線駆動回
路16の出力波形図である。図50(B)は走査線駆動
回路17の出力波形図である。図50(C)、(D)は
夫々駆動端及び終端に位置する画素13に印加される電
圧波形図である。なお、THは水平走査時間、TVは垂
直走査時間、Nは全走査線数の1/2の数である。
【0016】(XN,Y1)は、XN番目の走査線12と
1番目の信号線10、11との交点にある画素13を
示し、(XN,YM)はXN番目の走査線12とYM番目の
信号線10、11との交点にある画素13を示す。図5
0(C)の(XN,Y1)にある画素13は走査線駆動回
路17の駆動端にあり、図50(D)(XN,YM)にあ
る画素13は走査線駆動回路17の終端にある。このよ
うに画素13にかかる電圧は、走査線12の駆動端と終
端で異なる。駆動端では理想的な波形(組み合わせ矩形
波)で駆動されるが、図50(D)に示すように走査線
12の終端では遅延が生じて矩形波の立ち上がり部分で
波形が歪む。
【0017】ここで、走査線駆動電圧の立ち下がりを0
とし、横方向輝度差は走査駆動電圧の立ち上がり時間に
よって生じると近似する。従って、図50(C)、
(D)では、走査線駆動電圧の立ち下がり時間を0とし
て、信号線駆動電圧VH、VLは理想的なパルス波形と
する。さらに、駆動電圧による画素容量に変化があった
としても、横方向輝度差の発生には関与しない。画素容
量の変化は後で補正できるから一定とする。
【0018】液晶パネル14の等価回路を図2に示す。
ここでは上側の信号線10、下側の信号線11の1画素
当たりの配線抵抗をrsとし、走査線12の1画素当た
りの配線抵抗をrとし、走査線12の画素13の画素容
量をcとして表す。液晶パネル14では、走査線駆動回
路17により選択された走査線12以外の2(N−1)本
の走査線は動作基準電圧Vrefで駆動され、上側の信号
線10、下側の信号線11は動作基準電圧Vref又は信
号線駆動電圧VH又はVLで駆動される。このため、2
(N−1)本の走査線12の駆動端と、上側の信号線1
0、下側の信号線11の駆動端は平均してVrefの電位
にある。従って、電気特性的には各画素容量cの片方の
電位はVrefと見なせる。よって、図51(A)に示す
ように、1本の走査線12はアドレスY1〜YMの交点に
形成される配線抵抗rと画素容量cからなる分布定数回
路で表される。図51(A)では、M個の配線抵抗rと
M個の画素容量cが梯子状に結合された場合の回路を示
している。(信号線の配線抵抗をrs、画素容量csとす
れば、図51(A)と同様のN個の配線抵抗rsとN個
の画素容量csの分布定数回路で表される。) 一方、従来の技術では、図51(B)に示す等価回路に
より液晶パネルの駆動解析が行なわれていた。この等価
回路では、走査線12の配線抵抗の総和M・rをRLと
し、画素容量cの総和M・cをCLとし、抵抗RLと画
素容量CLからなる直列回路によって走査線12を表し
ている。図51(B)は走査線駆動回路17の出力抵抗
をRoとし、走査線駆動回路17に内蔵されたアナログ
スィッチをSWとし、電圧Vで走査線12を駆動する回
路を表している。この等価回路では、走査線12の終端
電圧が、容量値CLを有するコンデンサの端子電圧Vc
mで表される。t=0のときSWがオンとなるとする
と、Ro=0であれば、(数44)の過度現象の解より
Vcmを求めることができる。
【0019】
【数44】 Vcm=V[1−exp{−t/(RL・CL)}] RL=M・r,CL=M・c 走査線片端駆動では駆動端と終端での画素容量cの実効
電圧が異なる。このため液晶セルの透過率が横方向で異
なり、液晶表示装置の画面に横方向輝度差が生じる。こ
の横方向の輝度差により画面の表示むらが発生し、画質
が劣化する。横方向の輝度差は表示画面が大きいほど目
立ち、例えば対角線長12.1インチの液晶表示装置で
は実用上問題ないが、17インチの液晶表示装置では表
示むらが目で識別できる。
【0020】図50(A)に示す信号線駆動回路の駆動
波形をfs、(B)に示す走査線駆動回路の駆動波形を
fcとすれば、(C)に示す駆動端の画素13の駆動波
形は(fc+fs)である。実効電圧Veは、(fc+
fs)2・dtの値を一周期で積分演算し、この積分値
を周期で除算し、得られた除算値を開平すれば駆動波形
(fc+fs)の実効値が求められる。走査線12の駆
動端の実効値Veclは(数45)のようになる。
【0021】
【数45】Vecl=[(V+V/a)2/N+(N−
1)・(V/a)2/N]1/2 V=a(VH−Vref) ここで、Vは画素の印加電圧、Nは全走査線数の1/2
の値である。
【0022】(数45)のVは走査線駆動電圧を表し、
(V/a)は信号線駆動電圧を表すから、信号線駆動電
圧を理想パルスと仮定し、終端での走査線駆動電圧の遅
延の影響を求めるには、(数45)のVを(数44)に
置換しなければならないが、計算が複雑になるために演
算を近似して、走査線12の終端の実効電圧Vecm
は、(数45)の(V+V/a)2/Nの項に換えて、
(数46)の積分演算を行えばよい。
【0023】
【数46】
【0024】水平走査期間がTHなので、0〜THの定
積分に置き換えれば得られる。TV=N・TH、TH》
CL・RLを満たすように液晶表示装置が設計されるか
ら、終端の0〜THまでの積分値は(数47)のように
なる。
【0025】
【数47】
【0026】よって、走査線12の駆動端の実効電圧V
eclと、終端の実効電圧Vecmは(数48)のよう
に表すことができる。
【0027】
【数48】Vecl=Vecl=[(V+V/a)2/N
+(N−1)・(V/a)2/N]1/2 Vecm=[{(V+V/a)2/N}・(1−1.5RL・
CL/TH)+(N−1)(V/a)2/N]1/2 横方向輝度差は、実効電圧Vecl−実効電圧Vecm
によって示される。さらに、駆動端の実効電圧Vecl
と、終端の実効電圧Vecmとの比γを求めると(数4
9)のようになる。
【0028】
【数49】 γ=Vecm/Vecl =[{(1−1.5RL・CL/TH)・(a+1)2} /{(a+1)2+N−1}]1/2 ここで、a》1より、(数50)の関係となる。
【0029】
【数50】
【0030】次に走査線駆動電流Igは次のように求め
ることができる。コンデンサーcに電圧vを充電した場
合には、充電による電荷移動はvcであるから、走査線
数を上下夫々N、信号線数をM、走査線の画素容量を
c、垂直走査時間TVとして、V(+)の走査線駆動電
圧に対する駆動電流Ig(+)は(数51)、V(−)
の走査線駆動電圧に対する駆動電流Ig(−)は(数5
2)となる。
【0031】
【数51】Ig(+)=2N・M・c{V(+)−V
L}/(TV)
【0032】
【数52】Ig(−)=2N・M・c{V(−)−V
H}/(TV) 以下に、液晶パネルの画面対角線長が12.1インチと
17インチの液晶表示装置において、(数48)〜(数
50)から求めた横方向輝度差と、VH=−VL=2.
1Vの条件の下で(数51)〜(数52)から求めた走
査線駆動電流とのシミュレーション結果とを示す。
【0033】(1)12.1インチの液晶表示装置につ
いて 横方向輝度差=70.5mV γ=0.975 電圧Vecl=2.74V 走査線駆動電流Ig=1.42mA(実測値=1.0m
A) 測定条件 TH=27.8μS、TV=8.34mS、c=0.2
6pF r=1.5Ω、N=300、M=800×3、a=1
4.5 V=30.5V、V(+)=31.55V (2)17インチの液晶表示装置について 横方向輝度差=96.2mV γ=0.963 電圧Vecl=2.60V 走査線駆動電流Ig=1.75mA(実測値=0.97
mA) 測定条件 TH=28μS、TV=14.34mS、c=0.19
pF r=1.5Ω、N=512、M=1280×3、a=1
5.5 V=32.5V、V(+)=33.55V 以上の結果では、12.1インチの液晶表示装置では7
0.5mVの横方向輝度差が生じ、17インチの液晶表
示装置で96.2mVの横方向輝度差が生じる。表示パ
ターンにもよるが、液晶の実効電圧差が10mV以上に
なると、人間の肉眼で輝度差が識別できる。識別できる
実効電圧差を数値化するのは、表示パターンにより限界
値が異なり、人間の個体差も加わるので、非常に困難で
ある。しかし一般的には、10〜15mVの間を限界値
とし、その倍の20〜30mVでは、表示パターンおよ
び人間の個体差に係わらず横方向輝度差が明瞭に識別で
きる。
【0034】上記の計算結果では、横方向輝度差の値は
肉眼で識別できる値を大きく越えているので12.1イ
ンチおよび17インチ双方の液晶表示装置で横方向輝度
差が識別できるはずである。しかし実際に肉眼で見る
と、12.1インチでは輝度差が識別できるものの、実
用的には許容できる程度のものである。この意味で、実
際の実効電圧差は20〜30mVの範囲内であると推定
される。17インチの液晶表示装置においては、画質に
影響を与え、かつ明瞭に輝度差を肉眼で確認できること
から、実効電圧差は30mV程度と推定される。このよ
うに実際の実効電圧差は計算結果のような96mVもの
大きな値にならない。
【0035】さらに、走査線の駆動電流の計算結果は、
測定値より非常に大きな値となり、誤差が大きい。同様
に信号線の駆動電流を求めることができ、計算結果は測
定値より非常に大きな値となる。このように図51
(B)の等価回路では、計算結果と実測値が一致せず、
液晶パネルの画素数が増加すると、駆動解析に使用でき
ないという問題があった。
【0036】前述したように走査線駆動電圧の遅延によ
り生じる横方向輝度差は、画面の表示むらとなり、画質
を劣化させる。走査線12の片端駆動では、横方向輝度
差は12インチの液晶パネルにおいて実用上問題になら
ないが、17インチの液晶パネルにおいては非常に大き
な問題となる。また、信号線を片端から駆動する場合に
おいても信号線駆動電圧の遅延時間により生じる縦方向
輝度差が生じ、画面のムラとなる。横方向あるいは縦方
向輝度差あるいはクロストークが生じない液晶表示装置
の開発には、走査線と信号線の駆動解析が必要である
が、従来の方法による駆動解析ではその計算結果と実測
値との差が大きいため実用的な駆動解析が行えなかっ
た。
【0037】本発明は、このような従来の問題点に鑑み
てなされたものであって、液晶パネルにおいて走査線ま
たは信号線の配線抵抗と画素容量により生じる駆動電圧
の遅延に対し、走査線駆動、信号線駆動を改善し、駆動
電圧遅延を低減し、横方向あるいは縦方向輝度差あるい
はクロストークを少なくし、画質を向上した液晶表示装
置とその駆動方法を実現することを目的とする。さらに
精度の高い駆動解析法を用いて横方向あるいは縦方向輝
度差あるいはクロストークをより少なくし、画質を向上
させ、走査線および信号線を簡単な等価回路で表し、駆
動回路の最適設計を効率よく低コストでできるようにし
た液晶表示装置とその駆動方法を実現することを目的と
する。
【0038】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係る第1の液晶表示装置は、複数の信号線と
複数の走査線とをマトリックス状に配置し、前記信号線
と前記走査線の各交点を画素とし、前記各画素の液晶セ
ルに対応した前記走査線と前記信号線に電圧を印加して
前記液晶セルの光学的状態を変化させる液晶パネルと、
水平走査毎に前記複数の信号線の夫々の一端から信号パ
ルスを印加する第1の信号線駆動回路と前記複数の信号
線の夫々の他端から信号パルスを印加する第2の信号線
駆動回路のうちから選ばれる少なくとも一つの信号線駆
動回路と、水平走査で選択する走査線の一端から走査パ
ルスを印加する第1の走査線駆動回路と前記走査線の他
端から走査パルスを印加する第2の走査線駆動回路のう
ちから選ばれる少なくとも一つの走査線駆動回路と、入
力画像信号に基づいて、前記選ばれた走査線駆動回路か
ら印加された走査パルスと同期して、前記選ばれた信号
線駆動回路から印加された信号パルスの発生を指示する
制御回路とを備え、前記走査線駆動回路および信号線駆
動回路のうち少なくとも一方は前記第1および第2の2
つの駆動回路が選ばれ、両端駆動であり、走査線が両端
駆動である場合は、前記両端駆動に用いる走査線駆動回
路の出力抵抗を、同一の液晶パネルにおいて走査線の片
端駆動とする場合に用いる走査線駆動回路の出力抵抗の
1/2以下とし、信号線が両端駆動である場合は、前記
両端駆動に用いる信号線駆動回路の出力抵抗を、同一の
液晶パネルにおいて信号線を片端駆動とする場合に用い
る信号線駆動回路の出力抵抗の1/2以下とすることを
特徴とする。この構成により、走査線、信号線のいずれ
か一方について、パルスが両端から印加される両端駆動
となり、同一線内の液晶セル間における走査パルス伝播
遅延を小さくすることができ、縦方向輝度差・横方向輝
度差、縦クロストーク・横クロストークの発生を低減さ
せることができる。次に、前記液晶表示装置は、前記第
1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路のう
ち、第1の信号線駆動回路が選ばれ、夫々の信号線の一
端から信号パルスが印加され、前記第1の走査線駆動回
路および第2の走査線駆動回路のうち、第1の走査線駆
動回路および第2の走査線駆動回路が選ばれ、夫々の走
査線の 両端から走査パルスが印加されることが好まし
い。
【0039】かかる構成により、走査線については走査
パルスが走査線の両端から印加される両端駆動となり、
同一走査線の液晶セル間における走査パルス伝播遅延を
小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストーク
の発生を低減させることができる。
【0040】次に、前記液晶表示装置は、前記複数の夫
々の信号線が、上側の第1の信号線と下側の第2の信号
線に分割された信号線であり、前記第1の信号線駆動回
路および第2の信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆
動回路および第2の信号線駆動回路が選ばれ、前記第1
の信号線駆動回路から前記第1の信号線の一端に第1の
信号パルスが印加され、前記第2の信号線駆動回路から
前記第2の信号線の一端に第2の信号パルスが印加さ
れ、前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
回路のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線
駆動回路が選ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記
第1の信号線に対応する走査線の一端に第1の走査パル
スが印加され、前記第1の走査線駆動回路から前記第2
の信号線に対応する走査線の一端に第2の走査パルスが
印加され、前記第2の走査線駆動回路から前記第1の信
号線に対応する走査線の端に前記第1の走査パルスが
印加され、前記第2の信号線に対応する走査線の端に
前記第2の走査パルスが印加されることが好ましい。
【0041】かかる構成により、走査線については走査
パルスが走査線の両端から印加される両端駆動となり、
同一走査線の液晶セル間における走査パルス伝播遅延を
小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストーク
の発生を低減させることができる。信号線については上
側の信号線と下側の信号線の上下分割駆動とし、信号線
の信号パルス波形歪みを小さくすることができ、縦方向
輝度差、縦クロストークの発生を低減させることがで
き、また、走査パルスが上下画面2つの系統で与えられ
る上下画面駆動とすることができる。
【0042】次に、前記液晶表示装置は、前記第1の信
号線駆動回路および第2の信号線駆動回路のうち、第1
の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路が選ば
れ、夫々の信号線の両端から信号パルスが印加され、前
記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路の
うち、第1の走査線駆動回路が選ばれ、夫々の走査線の
一端から走査パルスが印加されることが好ましい。
【0043】かかる構成により、信号線について信号パ
ルスが信号線の両端から印加される両端駆動となり、信
号線の信号パルス波形歪みを小さくすることができ、縦
方向輝度差、縦クロストークの発生を低減させることが
できる。
【0044】次に、前記液晶表示装置は、前記第1の信
号線駆動回路および第2の信号線駆動回路のうち、第1
の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路が選ば
れ、夫々の信号線の両端から信号パルスが印加され、前
記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路の
うち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回
路が選ばれ、夫々の走査線の両端から走査パルスが印加
されることが好ましい。
【0045】かかる構成により、走査線については走査
パルスが走査線の両端から印加される両端駆動となり、
同一走査線の液晶セル間における走査パルス伝播遅延を
小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストーク
の発生を低減させることができる。また、信号線につい
て信号パルスが信号線の両端から印加される両端駆動と
なり、信号線の信号パルス波形歪みを小さくすることが
でき、縦方向輝度差、縦クロストークの発生を低減させ
ることができる。
【0046】次に、前記液晶表示装置は、前記複数の夫
々の走査線が、右側の第1の走査線と左側の第2の走査
線に分割された走査線であり、前記第1の信号線駆動回
路および第2の信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆
動回路が選ばれ、前記第1の信号線駆動回路から前記信
号線の一端に信号パルスが印加され、前記第1の走査線
駆動回路および第2の走査線駆動回路のうち、第1の走
査線駆動回路および第2の走査線駆動回路が選ばれ、前
記第1の走査線駆動回路から前記第1の走査線の一端に
第1の走査パルスが印加され、前記第2の走査線駆動回
路から前記第2の走査線の一端に第2の走査パルスが印
加されることが好ましい。
【0047】かかる構成により、走査線については右側
走査線と左側走査線の左右分割駆動とし、同一走査線の
駆動端と終端の液晶セル間における走査パルス伝播遅延
を小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストー
クの発生を低減させることができる。
【0048】次に、前記液晶表示装置は、前記複数の夫
々の走査線が、右側の第1の走査線と左側の第2の走査
線に分割された走査線であり、前記第1の信号線駆動回
路および第2の信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆
動回路および第2の信号線駆動回路が選ばれ、夫々の信
号線の両端から信号パルスが印加され、前記第1の走査
線駆動回路および第2の走査線駆動回路のうち、第1の
走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路が選ばれ、
前記第1の走査線駆動回路から前記第1の走査線の一端
に第1の走査パルスが印加され、前記第2の走査線駆動
回路から前記第2の走査線の一端に第2の走査パルスが
印加されることが好ましい。
【0049】かかる構成により、走査線については右側
走査線と左側走査線の左右分割駆動とし、同一走査線の
駆動端と終端の液晶セル間における走査パルス伝播遅延
を小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストー
クの発生を低減させることができる。また、信号線につ
いて信号パルスが信号線の両端から印加される両端駆動
となり、信号線の信号パルス波形歪みを小さくすること
ができ、縦方向輝度差、縦クロストークの発生を低減さ
せることができる。
【0050】次に、前記液晶表示装置は、前記複数の夫
々の信号線が、上側の第1の信号線と下側の第2の信号
線に分割された信号線であり、前記複数の夫々の走査線
が、右側の第1の走査線と左側の第2の走査線に分割さ
れた走査線であり、前記第1の信号線駆動回路および第
2の信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆動回路およ
び第2の信号線駆動回路が選ばれ、前記第1の信号線駆
動回路から前記第1の信号線の一端に第1の信号パルス
が印加され、前記第2の信号線駆動回路から前記第2の
信号線の一端に第2の信号パルスが印加され、前記第1
の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路のうち、
第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路が選
ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記第1の信号線
に対応する第1の走査線の一端に第1の走査パルスが印
加され、前記第1の走査線駆動回路から前記第2の信号
線に対応する第1の走査線の一端に第2の走査パルスが
印加され、前記第2の走査線駆動回路から前記第1の信
号線に対応する第2の走査線の一端に第3の走査パルス
が印加され、前記第2の走査線駆動回路から前記第2の
信号線に対応する第2の走査線の一端に第4の走査パル
スが印加されることが好ましい。
【0051】かかる構成により、走査線については右側
走査線と左側走査線の左右分割駆動とし、同一走査線の
駆動端と終端の液晶セル間における走査パルス伝播遅延
を小さくすることができ、横方向輝度差、横クロストー
クの発生を低減させることができる。また、信号線につ
いては上側の信号線と下側の信号線の上下分割駆動と
し、信号線の信号パルス波形歪みを小さくすることがで
き、縦方向輝度差、縦クロストークの発生を低減させる
ことができ、また、走査パルスが上下画面2つの系統で
与えられる上下画面駆動とすることができる。
【0052】次に、前記走査線駆動回路は、走査線駆動
回路から見た走査線を梯子型分布定数回路の等価回路と
みなして、各画素に印加される実効電圧の値が所定範囲
内になるように駆動することを特徴とすることが好まし
い。
【0053】走査線両端駆動、走査線左右分割駆動にお
いて、前記第1及び第2の走査線駆動回路は、前記第1
および第2の走査線駆動回路の夫々が制御する走査線の
数を2Nとし、前記信号線駆動回路が制御する信号線の
数をMとし、前記走査線の1画素当たりの配線抵抗をr
とし、前記液晶セルを含めた走査線の1画素当たりの画
素容量をcとするとき、前記第1及び第2の走査線駆動
回路から見た夫々の走査線をM/2段の梯子型分布定数
回路と見なしてM・r/πの抵抗RとM・c/πの容量
CとからなるRC直列回路であるとして、各画素に印加
される実効電圧の値が所定範囲内になるように駆動する
ことが好ましい。
【0054】走査線片端駆動において、前記走査線駆動
回路は、前記走査線駆動回路が制御する走査線の数を2
Nとし、前記信号線駆動回路が制御する信号線の数をM
とし、前記走査線の1画素当たりの配線抵抗をrとし、
前記液晶セルを含めた走査線の1画素当たりの画素容量
をcとし、前記走査線駆動回路から見た夫々の走査線を
M段の梯子型分布定数回路とみなして2M・r/πの抵
抗Rと2M・c/πの容量CとからなるRC直列回路で
あるとして、各画素に印加される実効電圧の値が所定範
囲内になるように駆動することが好ましい。
【0055】かかる構成により、走査線駆動回路からみ
た夫々の走査線を簡単な等価回路とみなして駆動電圧を
与えることができ、効率の良い設計、駆動解析ができる
液晶表示装置とすることができる。
【0056】次に、前記信号線駆動回路は、信号線駆動
回路から見た信号線を梯子型分布定数回路の等価回路と
みなして、各画素に印加される実効電圧の値が所定範囲
内になるように駆動することが好ましい。
【0057】信号線両端駆動、信号線分割駆動におい
て、前記第1及び第2の信号線駆動回路は、前記走査線
駆動回路が制御する走査線の数を2Nとし、前記第1お
よび第2の信号線駆動回路の夫々が制御する信号線の数
をMとし、前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrs
とし、前記液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画
素容量をcsとし、前記第1および第2の信号線駆動回
路から見た夫々の信号線をN段の梯子型分布定数回路と
みなして2N・rs/πの抵抗Rと2N・cs/πの容量
CとからなるRC直列回路であるとして、各画素に印加
される実効電圧の値が所定範囲内になるように駆動する
ことが好ましい。
【0058】信号線片端駆動において、前記信号線駆動
回路は、前記走査線駆動回路が制御する走査線の数を2
Nとし、前記信号線駆動回路が制御する信号線の数をM
とし、前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrsと
し、前記液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画素
容量をcsとするとき、前記信号線駆動回路から見た夫
々の信号線を2N段の梯子型分布定数回路と見なして4
N・rs/πの抵抗Rと4N・cs/πの容量Cとからな
るRC直列回路であるとして、各画素に印加される実効
電圧の値が所定範囲内になるように駆動することが好ま
しい。
【0059】かかる構成により、信号線駆動回路からみ
た夫々の信号線を簡単な等価回路とみなして駆動電圧を
与えることができ、効率の良い設計、駆動解析ができる
液晶表示装置とすることができる。
【0060】次に、前記走査線の駆動端からX番目の信
号線と交差する点に位置する画素に印加される前記走査
パルスの電圧は、走査線両端駆動、走査線分割駆動にお
いて、前記左及び右側の走査線の駆動端での前記走査パ
ルスの電圧は、時間t=0でVgnからVgn+1に変わるも
のとし、そのときの動作基準電圧をVrefとし、前記第
1及び第2の走査線駆動回路の出力抵抗をRgwとし、x
=M/2とすれば、
【0061】
【数53】Vgw(x,t)=(Vgn−Vgn+1)exp
{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgw)}+Vgn
+1−Vref とし、走査線片端駆動において、前記走査線の駆動端で
の前記走査パルスの電圧は、時間t=0でVgnからVgn
+1に変わるものとし、そのときの動作基準電圧をVref
とし、前記走査線駆動回路の出力抵抗をRgsとし、x=
Mとすれば、
【0062】
【数54】Vgs(x,t)=(Vgn−Vgn+1)exp
{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgs)}+Vgn
+1−Vref とすることが好ましい。
【0063】かかる構成により、走査線駆動回路からみ
た夫々の走査線を簡単な等価回路とみなして液晶パネル
の任意の画素の走査線駆動電圧を正確に求めることがで
き、最適範囲の走査線駆動電圧とする液晶表示装置を得
ることができる。
【0064】次に、前記信号線の駆動端からy番目の走
査線と交差する点に位置する画素に印加される前記信号
パルスの電圧は、信号線両端駆動、信号線分割駆動にお
いて、前記信号パルスの幅をTH、前記信号パルスの電
位がVHのときの動作基準電圧をVref1とし、前記信号
パルスの電位がVLのときの動作基準電圧をVref2と
し、前記第1及び第2の信号線駆動回路の出力抵抗をR
swとし、y=Nとすれば、t=0でVHに切り替わる場
合には、
【0065】
【数55】Vsw(y,t)=(VH−Vref1)×[1−
2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
w)}] とし、t=0でVLに切り替わる場合には、
【0066】
【数56】Vsw(y,t)=(VL−Vref2)×[1−
2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
w)}] とし、信号線片端駆動において、前記信号パルスの幅を
TH、前記信号パルスの電位がVHのときの動作基準電
圧をVref1とし、前記信号パルスの電位がVLのときの
動作基準電圧をVref2とし、前記信号線駆動回路の出力
抵抗をRssとし、y=2Nとすれば、t=0でVHに切
り替わる場合には、
【0067】
【数57】Vss(y,t)=(VH−Vref1)×[1−
2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
s)}] とし、t=0でVLに切り替わる場合には、
【0068】
【数58】Vss(y,t)=(VL−Vref2)×[1−
2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
s)}] とすることが好ましい。
【0069】かかる構成により、信号線駆動回路からみ
た夫々の信号線を簡単な等価回路とみなして液晶パネル
の任意の画素の信号線駆動電圧を求めることができ、最
適範囲の信号線駆動電流とする液晶表示装置を得ること
ができる。
【0070】次に、走査線両端駆動、走査線分割駆動に
おいて、前記第1及び第2の走査線駆動回路の出力抵抗
Rgwは、前記走査パルスのパルス幅をTHとし、前記M
/2段の梯子型分布定数回路と見た走査線の終端の画素
の実効電圧と駆動端の画素の実効電圧との比をγ1とす
れば、
【0071】
【数59】Rgw≦{1−(γ1)2}・{π・TH/(1.5M・
c)}・{(a2+N−1)/a2}−M・r/π であることが好ましく、TFT液晶表示装置の場合は、
走査線をM/2段の梯子型分布定数回路とし、走査線の
駆動端での液晶パネルのオン電圧をVgon、液晶パネル
のオフ電圧をVgoff、液晶パネルの遅延時間をTdpwと
し、動作基準電圧をVrefとし、液晶パネルのスレッシ
ョルド電圧Vpthwとすれば、
【0072】
【数60】 Rgw≦−π・Tdpw/{2M・c・ln(βw)}−M・r/π ここで、βw=(Vpthw−Vgon+Vref)/(Vgoff−
Vgon)であることが好ましい。
【0073】また、走査線片端駆動において、前記走査
線駆動回路の出力抵抗Rgsは、前記走査パルスのパルス
幅をTHとし、前記M段の梯子型分布定数回路と見た走
査線の終端の画素の実効電圧と駆動端の画素の実効電圧
との比をγ2とすれば、
【0074】
【数61】Rgs≦{1−(γ2)2}・{π・TH/(3M・
c)}・{(a2+N−1)/a2}−2M・r/π であることが好ましく、TFT液晶表示装置の場合は、
走査線をM段の梯子型分布定数回路とし、走査線の駆動
端での液晶パネルのオン電圧をVgon、液晶パネルのオ
フ電圧をVgoff、液晶パネルの遅延時間をTdpsとし、
動作基準電圧をVrefとし、液晶パネルのスレッショル
ド電圧Vpthsとすれば、
【0075】
【数62】 Rgs≦−π・Tdps/{2M・c・ln(βs)}−2M・r/π ここで、βs=(Vpths−Vgon+Vref)/(Vgoff−
Vgon)であることが好ましい。
【0076】かかる構成により、走査線駆動回路の出力
抵抗を正確に求めることができ、出力抵抗値を最適範囲
とする液晶表示装置を得ることができる。次に、信号線
両端駆動、信号線分割駆動において、前記第1及び第2
の信号線駆動回路の出力抵抗Rswは、前記信号パルスの
幅をTHとし、前記N段の梯子型分布定数回路と見た信
号線の終端の画素の実効電圧と駆動端の画素の実効電圧
の比をγ1sとすれば、
【0077】
【数63】Rsw≦{1−(γ1s)2}・{π・TH/(4N・c
s)}・{(a2+N−1)/N}−2N・rs/π であることが好ましく、TFT液晶表示装置の場合は、
前記信号パルスの幅をTHとし、前記N段の梯子型分布
定数回路と見た信号線の終端の画素の実効電圧と駆動端
の画素の実効電圧の比をγ1sとすれば、
【0078】
【数64】Rsw≦−π・TH/[2N・cs・ln{(1−
γ1s)/2}]−2N・rs/π であることが好ましい。
【0079】次に、信号線片端駆動において、前記信号
線駆動回路の出力抵抗Rssは、前記信号パルスの幅をT
Hとし、前記2N段の梯子型分布定数回路と見た信号線
の終端の画素の実効電圧と駆動端の画素の実効電圧の比
をγ2sとすれば、
【0080】
【数65】Rss≦{1−(γ2s)2}・{π・TH/(8N・c
s)}・{(a2+N−1)/N}−4N・rs/π であることが好ましく、TFT液晶表示装置の場合は、
前記信号パルスの幅をTHとし、前記2N段の梯子型分
布定数回路と見た信号線の終端の画素の実効電圧と駆動
端の画素の実効電圧の比をγ2sとすれば、
【0081】
【数66】Rss≦−π・TH/[4N・cs・ln{(1−γ2
s)/2}]−4N・rs/π であることが好ましい。
【0082】かかる構成により、信号線駆動回路の出力
抵抗を正確に求めることができ、出力抵抗値を最適範囲
とする液晶表示装置を得ることができる。次に、走査線
両端駆動、走査線分割駆動において、前記走査パルスの
パルス幅をTHとし、その繰り返し周期をTVを2N・
THとし、前記第1及び第2の走査線駆動回路は、選択
した走査線に対して前記周期TV毎にピーク電位がV
(+)である走査パルスとピーク電位がV(-)である走査パ
ルスとを交互に印加するものとし、非選択の走査線に対
して動作基準電圧Vrefを印加するものであり、信号線
には前記V(+)印加時にはVLが、前記V(-)印加時には
VHが印加されるものとすれば、前記第1及び第2の前
記走査線駆動回路の夫々の走査線駆動電流Igwは、V
(+)印加時については、
【0083】
【数67】 Igw(+) = 2N・M・c(V(+)−VL)/(π・TV) とし、V(-)印加時については、
【0084】
【数68】 Igw(-) = 2N・M・c(V(-)−VH)/(π・TV) であることが好ましく、走査線片端駆動においては、前
記走査線駆動回路の走査線駆動電流Igsは、V(+)印加
時については、
【0085】
【数69】 Igs(+) = 4N・M・c(V(+)−VL)/(π・TV) とし、V(-)印加時については、
【0086】
【数70】 Igs(-) = 4N・M・c(V(-)−VH)/(π・TV) であることが好ましい。
【0087】TFT液晶表示装置の走査線両端駆動、走
査線分割駆動の場合は、前記走査パルスのパルス幅をT
Hとし、その繰り返し周期TVを2N・THとし、選択
した走査線に対して前記周期TV毎に前記走査線駆動電
圧Vgonを印加し、電位がVg(+)である正極性の走査パ
ルスと電位がVg(-)である負極性の走査パルスとを交互
に印加し、非選択の走査線に対してVgoffを印加するも
のとすれば、前記第1及び第2の走査線駆動回路の夫々
の走査線駆動電流Igwは、Vgon印加時については
【0088】
【数71】Igw(g) = 2N・M・c(Vgon−Vgoff)/
(π・TV) とし、Vg(+)印加時については
【0089】
【数72】Igw(+) = N・M・c(Vg(+)−Vgoff)/
(π・TV) とし、Vg(-)印加時については
【0090】
【数73】Igw(-) = N・M・c(Vg(-)−Vgoff)/
(π・TV) であることが好ましく、TFT液晶表示装置の走査線片
端駆動の場合は、前記走査線駆動回路の走査線駆動電流
Igsは、Vgon印加時については
【0091】
【数74】Igs(g) = 4N・M・c(Vgon−Vgoff)/
(π・TV) とし、Vg(+)印加時については
【0092】
【数75】Igs(+) = 2N・M・c(Vg(+)−Vgoff)
/(π・TV) とし、Vg(-)印加時については
【0093】
【数76】Igs(-) = 2N・M・c(Vg(-)−Vgoff)
/(π・TV) とすることが好ましい。
【0094】かかる構成により、走査線駆動回路の駆動
電流を正確に求めることができ、駆動電流を最適範囲と
する液晶表示装置を得ることができる。次に、信号線両
端駆動、信号線分割駆動において、前記信号パルスの幅
をTHとし、VHの動作基準電圧をVref1とし、VLの
動作基準電圧をVref2とし、前記走査パルスの繰り返し
周期TVを2N・THとすれば、前記第1及び第2の前
記信号線駆動回路は、信号線に対して前記信号パルスの
パルス幅TH毎に、信号線駆動電圧VH、VLを交互に
印加し、前記第1及び第2の前記信号線駆動回路の夫々
の信号線駆動電流Iswは、VHの印加時については、
【0095】
【数77】Isw(+) = 8(VH−Vref1)N2・M・cs
/(π・TV) とし、VLの印加時については、
【0096】
【数78】Isw(-) = 8(VL−Vref2)N2・M・cs
/(π・TV) とすることが好ましく、信号線片端駆動において、前記
信号線駆動回路の信号線駆動電流Issは、VHの印加時
については、
【0097】
【数79】Iss(+) = 16(VH−Vref1)N2・M・
cs/(π・TV) とし、VLの印加時については、
【0098】
【数80】Iss(-) = 16(VL−Vref2)N2・M・
cs/(π・TV) とすることが好ましい。
【0099】なお、TFT液晶表示装置の場合も、信号
線駆動電流Isw、Issは上記と同様であることが好まし
い。かかる構成により、信号線駆動回路の駆動電流を正
確に求めることができ、駆動電流を最適範囲とする液晶
表示装置を得ることができる。
【0100】次に、同一液晶パネルにおいて、前記両端
駆動に用いる走査線駆動回路の出力抵抗を、走査線の片
端駆動とする場合に用いる走査線駆動回路の出力抵抗の
1/2以下とすることが好ましい。
【0101】かかる構成により、走査線駆動回路の出力
抵抗値を低減し、走査パルスの遅延時間を1/4以下に
低減させ、横方向輝度差、横クロストークの発生を抑え
ることができる。
【0102】次に、同一液晶パネルにおいて、前記両端
駆動に用いる信号線駆動回路の出力抵抗を、信号線を片
端駆動とする場合に用いる信号線駆動回路の出力抵抗の
1/2以下とすることが好ましい。
【0103】かかる構成により、信号線駆動回路の出力
抵抗値を低減し、信号パルスの遅延時間を1/4以下に
低減させ、縦方向輝度差、縦クロストークの発生を抑え
ることができる。
【0104】次に、前記各走査線の駆動端子を液晶パネ
ルの画像表示領域外に設けることが好ましく、また、前
記各信号線の駆動端子を液晶パネルの画像表示領域外に
設けることが好ましい。
【0105】また、前記走査線駆動回路を液晶パネル上
の画像表示領域外の部分に設けることが好ましく、前記
信号線駆動回路を液晶パネル上の画像表示領域外の部分
に設けることが好ましい。
【0106】かかる構成により、走査線駆動端子と信号
線駆動回路、信号線駆動端子信号線駆動回路を液晶パネ
ル外の周辺部で接続し、液晶の画像表示領域を障害する
ことなく、明るい視野の画像表示が得られる。
【0107】次に、前記走査線駆動回路を液晶パネル上
の画像表示領域外の部分に形成することが好ましく、前
記信号線駆動回路を液晶パネル上の画像表示領域外の部
分に形成することが好ましい。
【0108】かかる構成により、走査線駆動回路と信号
線駆動回路を、液晶パネル上への他の半導体チップ形成
とともに形成する構造とすることができ、製造コストを
削減することができる。
【0109】次に、走査線の両端駆動、分割駆動におい
て、前記走査線の駆動端からX番目の画素の実効電圧
と、前記走査線の駆動端の画素の実効電圧との比γgw
(x)は、x=M/2とすれば、
【0110】
【数81】γgw(x)=[1−1.5(4r・c・x2+2π・c
・x・Rgw)/(π2・TH)×a2/(a2+N−1)]
1/2 とすることが好ましい。
【0111】走査線の片端駆動において、前記走査線の
駆動端からX番目の画素の実効電圧と前記走査線の駆動
端の画素の実効電圧との比γgs(x)は、x=Mとすれ
ば、
【0112】
【数82】γgs(x)=[1−1.5(4r・c・x2+2π・c
・x・Rgs)/(π2・TH)×a2/(a2+N−1)]
1/2 とすることが好ましい。
【0113】かかる構成により、前記走査線の駆動端の
画素と終端の画素との実効電圧比を低くし、横方向輝度
差、横クロストークを低減させることができる。次に、
信号線の両端駆動、分割駆動において、前記信号線の駆
動端からy番目の画素の実効電圧と前記信号線の駆動端
の画素の実効電圧との比γsw(y)は、y=Nとすれ
ば、
【0114】
【数83】γsw(y)=[1−2(4rs・cs・y2+2π・
cs・y・Rsw)/(π2・TH)×N/(a2+N−1)]
1/2 とすることが好ましい。
【0115】TFT液晶表示装置の場合は、前記信号線
の駆動端からy番目の画素の実効電圧と、前記信号線の
駆動端の画素の実効電圧との比γsw(y)は、y=Nと
すれば、
【0116】
【数84】γsw(y)=[1−2exp{−π2・TH/(4y
2・rs・cs+2π・y・cs・Rsw)}] とすることが好ましい。
【0117】信号線片端駆動において、前記信号線の駆
動端からy番目の終端の画素の実効電圧と、前記信号線
の駆動端の画素の実効電圧との比γss(y)は、y=2
Nとすれば、
【0118】
【数85】γss(y)=[1−2(4rs・cs・y2+2π・c
s・y・Rss)/(π2・TH)×N/(a2+N−1)]
1/2 とすることが好ましい。
【0119】TFT液晶表示装置において、前記信号線
の駆動端からy番目の終端の画素の実効電圧と、前記信
号線の駆動端の画素の実効電圧との比γss(y)は、y
=2Nとすれば、
【0120】
【数86】γss(y)=[1−2exp{−π2・TH/(4y
2・rs・cs+2π・y・cs・Rss)}] とすることが好ましい。
【0121】かかる構成により、前記信号線の駆動端の
画素と終端の画素との実効電圧比を低くし、縦方向輝度
差、縦クロストークを低減させることができる。次に、
前記液晶パネルがTFT液晶パネルであって、走査線両
端駆動、分割駆動において、前記TFT液晶パネルの走
査線終端に位置するTFTのスレッショルド電圧Vpthw
は、液晶パネルの遅延時間をTdpwとし、前記液晶パネ
ルのTFTのゲート端子に印加されるオン電圧とオフ電
圧を夫々Vgon及びVgoffとし、前記走査線の駆動端に
おける前記走査パルスが時間t=0でVgoffからVgon
に変わるものとし、そのときの動作基準電圧をVrefと
すれば、
【0122】
【数87】 Vpthw =(Vgoff−Vgon)exp{−π 2 ・Tdpw/(4x 2 ・r・c+2πx・c・Rgw)} +Vgon−Vref とすることが好ましい。
【0123】次に、前記液晶パネルがTFT液晶パネル
であって、走査線片端駆動において、前記TFT液晶パ
ネルの走査線終端に位置するTFTのスレッショルド電
圧Vpthsは、液晶パネルの遅延時間をTdpsとし、前記
液晶パネルのTFTのゲート端子に印加されるオン電圧
とオフ電圧を夫々Vgon及びVgoffとし、前記走査線の
駆動端における前記走査パルスが時間t=0でVgoffか
らVgonに変わるものとし、そのときの動作基準電圧を
Vrefとすれば、
【0124】
【数88】 Vpths =(Vgoff−Vgon)exp{−π 2 ・Tdps/(4x 2 ・r・c+2πx・c・Rgs)} +Vgon−Vref とすることが好ましい。
【0125】かかる構成により、前記走査線の駆動端の
画素と終端の画素とのスイッチングに必要な電圧比を低
くし、横方向輝度差、横クロストークを低減させること
ができる。
【0126】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施の形態にお
ける液晶表示装置とその駆動方法について図面を参照し
つつ説明する。なお、従来の液晶表示装置の構成と同一
部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0127】(実施の形態1)本発明の実施の形態1に
かかる液晶表示装置を図1の構成図を用いて説明する。
この液晶表示装置は、液晶パネル14、上側の信号線駆
動回路15、下側の信号線駆動回路16、走査線左駆動
回路17A、制御回路18、駆動電源回路19に加え
て、走査線右駆動回路17Bを含んで構成される。以下
の説明では、液晶パネル14が単純マトリックス型液晶
パネルであるとして説明する。
【0128】この液晶パネル14は走査線左駆動回路1
7Aと走査線右駆動回路17Bとによって、走査線12
の両端より同時に走査パルスが順次供給される。駆動電
圧は(数43)に示したV(+)、V(−)、VH、V
L、Vrefからなる電圧の組み合わせで生成される。図
3は走査線左駆動回路17A、走査線右駆動回路17B
による走査線の両端を同時駆動する場合の出力波形であ
る。なお、左右の走査線駆動回路17Aと17Bの出力
回路は3個のアナログスイッチから構成される。3個の
アナログスイッチの出力抵抗(オン抵抗)をRoとす
る。
【0129】ここで、走査線駆動回路として、走査線左
駆動回路17A、走査線右駆動回路17Bの2つの駆動
回路を挙げたが、両者に対して同一の駆動回路を使用す
ることができると設計、製造コスト面で有利である。し
かし、そのまま走査線左駆動回路17A、走査線右駆動
回路17Bを同じ駆動回路を用いた場合、走査方向は互
いに逆、つまり一方が下方向への走査、他方が上方向の
走査となる。
【0130】この問題を解消するため、走査線左駆動回
路17AはアドレスX1からXNまでとアドレスXN+1
からX2Nまで順番に走査し、走査線右駆動回路17Bは
アドレスXNからX1までと、アドレスX2NからXN+1
での逆方向の走査をすればよい。このためには制御回路
18が制御信号を出力し、走査線左駆動回路17Aの順
方向の走査と、走査線右駆動回路17Bの逆方向の走査
とを制御すれば、同じタイミングで同一の走査線に対し
て選択パルスを印加することができ、上記問題が解消さ
れ、走査線左駆動回路17Aと、走査線右駆動回路17
Bとを一の駆動回路により共用できる。
【0131】この機能は、走査線駆動回路内のシフトレ
ジスタに双方向性を持たせる必要があるが、市場で利用
できる走査線駆動回路用のLSIの大半はこの機能を有
している。従って、本発明の走査線両端同時駆動のため
に、新たに専用走査線駆動回路用のLSIを開発する必
要はない。
【0132】走査線両端同時駆動用の端子を設けた本実
施の形態1の液晶パネル14の端子構成図を図7、8、
9に示す。図7は上下2分割駆動の液晶パネル14Aを
示し、図8、9は上下に分割しない場合の液晶パネルの
走査線と信号線のパターンを示す。図9の液晶パネル1
4Cは液晶パネル14Bとは上下に逆とした信号線駆動
端子配置したものである。左側の走査線駆動端子21a
と、右側の走査線駆動端子21bは互いに左右対称のパ
ターンを有している。このため、走査線片端駆動用の液
晶パネルの駆動端子のマスクパターンを反転させ、走査
線12の終端に追加すれば良く、マスクパターンの変更
は簡単である。液晶パネルの横の長さは、駆動端子が増
設される分僅かに長くなるが、対角線長17インチのよ
うな大画面液晶パネルでは実質的に問題でない。図7、
8、9の液晶パネル14A、14Bを走査線片端駆動用
の液晶パネルとほぼ同一のコストで製造できる。
【0133】走査線両端同時駆動での走査線駆動回路の
出力波形とタイミングを図3に示す。上下分割駆動によ
り、アドレスX1とアドレスXN+1の走査線から同時に走
査が開始される。例えば、走査線左駆動回路はある水平
走査期間において、第1の走査パルスをアドレスX1
走査線に左側から印加し、第2の走査パルスをアドレス
N+1の走査線に左側から印加する。同様に走査線右駆
動回路は同じ水平走査期間において、第1の走査パルス
をアドレスX1の走査線に右側から印加し、第2の走査
パルスをアドレスXN+1の走査線に右側から印加する。
【0134】図3に示すように、走査線左駆動回路17
A、走査線右駆動回路17Bにより、走査線12は水平
走査毎に両端から同時に同一の駆動電圧で駆動される。
このため走査線両端同時駆動を、図4(A)のように走
査線12の配線抵抗rと画素容量cとからなる梯子型の
分布定数回路によって表わすことができる。図4(A)
では、左右の走査線駆動回路に内蔵されるアナログスイ
ッチをSWとし、出力抵抗をRoとして、左右の走査線
駆動回路の等価回路を点線部分で示している。図4のY
(1)、・・・Y(M/2)等の表記は、任意の走査線
12と上下の信号線10、11との交点を示し、例えば
Y(1)は走査線12とアドレスY1の信号線10との
交点を示す。
【0135】図4(A)に示す梯子型の分布定数回路
は、走査線の中央(中心)を基準として左右対称であ
る。従って、走査線両端同時駆動において、図4(A)
に示すように画素容量cの端子電圧は、中央より左右対
称になり、Y(1)とY(M)が同電位、Y(2)とY
(M−1)が同電位となるように、つまり両端から順に
走査線12の中心を基準として対称となるように画素容
量cのコンデンサは充電されることとなる。
【0136】このように、走査線12の中央を基準とし
て、走査線12の左右にある画素容量cの電位が対称に
なることから、図4(A)のY(M/2)とY(M/2
+1)の電位は全く同じであり、この2つの端子を短絡
しても、切り離しても、電気的特性には何ら変化が生じ
ない独立した回路と見なせる。すなわち、図4(B)、
(C)に示すように、走査線両端同時駆動を走査線12
を中央より2分割して切り離し、走査線左駆動回路17
A、走査線右駆動回路17Bによる片端駆動と見なすこ
とができる。
【0137】本実施の形態1では、この走査線の中央点
を、両端駆動を片端駆動と等価的に見た場合の仮想終端
と定める。即ち、図4(A)ではY(M/Y2)とY
(M/2+1)が仮想終端になる。このように同じ電位
にある2つの端子はこの端子を切り離しても短絡しても
変化がなく、電気特性的には互いに独立しているものと
して扱うことができる。図4(B)、(C)は電気特性
的には全く同一の片端駆動による梯子型分布定数回路図
である。
【0138】仮想終端での駆動電圧を正確に求めること
ができれば、駆動回路の最適設計、新たな駆動方法の開
発、液晶表示装置の画質改善等に大きな効果が期待でき
る。図4(B)、(C)に示すように本実施形態では、
走査線駆動を梯子型の分布定数回路における過度現象と
して解析し、仮想終端での駆動電圧を得ることができ
る。図5は抵抗rと容量cのコンデンサがX組からなる
分布定数回路図である。この分布定数回路において、終
端での電圧V(x,t)を終端開放と駆動回路の出力抵
抗Ro=0の条件で求めれば、(数89)を得る。な
お、(数89)の導出過程は、電子通信学会大学講座
「基礎電気回路・過渡非線形編」のP.82〜P.90に記載さ
れている。
【0139】
【数89】
【0140】ここで、sin関数の項は、sin{(2
k−1)π/2}となり、kの値によって+1又は−1
となる。この場合は累積加算の場合が容易となる。この
条件でkの次数が増加するとき、2次以上の累積加算項
の値が1次の値に比べて小さい値となる。従って累積加
算の演算は、k=1に対してのみ行っても誤差が少ない
といえる。従って走査線12の終端の駆動電圧に関して
は、k=1として(数90)による近似値を求めること
ができる。
【0141】
【数90】V(x,t)=V−[(4V/π)exp{−π2
・t/(4r・c・x2)}]α (但しαは定数)(数90)に初期条件を代入し、αを
求めることができる。即ちt=0のとき、V(M,0)
=0であるから、V(M,0)=V−(4V/π)α=
0より、α=π/4を得る。よって、(数90)は(数
91)で近似できる。
【0142】
【数91】V(x,t)=V[1−exp{−π2・t/
(4r・c・x2)}] (但しx=M) この(数91)から本実施の形態1における走査線12
の等価回路を導き出せる。即ち、(数91)は(2/
π)r・xの抵抗と(2/π)c・xの容量のコンデンサ
からなる直列回路において、コンデンサの印加電圧を表
す式となっている。よって、図4(A)の分布定数回路
を集中定数回路で近似でき、走査線12の駆動RCを直
列回路で表わすことができる。従って図4の走査線両端
同時駆動での分布定数回路を(数91)に適用するに
は、x=M/2とすればよい。これより、図6に示すよ
うにM・r/πの抵抗とM・c/πの容量のコンデンサか
らなる等価回路で走査線両端同時駆動を表すことができ
る。
【0143】なお、仮想終端点を物理的に切り離し、そ
れぞれを左側の走査線と右側の走査線とし、左及び右側
の走査線を同時に駆動する場合も(数91)で表せる。
即ち、電気特性的には走査線が物理的に2分割され、分
割された走査線の夫々の片端を同一の駆動電圧により同
時に駆動することと、1本の走査線の両端から同時に駆
動することとは同一とみなせるから、以降、走査線両端
駆動はこの2つを含むものとする。信号線についても同
様に適用する。
【0144】図6の等価回路を用いて、走査線駆動電圧
がVgnからVgn+1に切り替わった場合の走査線駆動電圧
を求める。動作基準電圧Vrefとし、図6のM・r/πの
抵抗とM・c/πの容量のコンデンサからなる等価回路
で、M・c/πの容量のコンデンサを接地せず、Vrefに
接続するものし、そして、走査駆動電圧がVgnからVgn
+1にt=0で切り替わるものとすれば、コンデンサの両
端の電圧V(x,t)は、(数92)となる。ここで走
査線両端同時駆動の場合は、x=M/2とし、走査線片
端駆動の場合は、x=Mとなる。
【0145】
【数92】 V(x,t) =(Vgn−Vgn+1)exp{−π2・t/(4r・c・x2+2π・Ro・c・x)} +Vgn+1−Vref ここで、図3に示す符号を用いれば、V(+)の場合に
は、Vgn+1=V(+)、Vgn=Vref、V(+)−Vref
=Vであるから、(数92)を得る。ここで同様に走査
線両端同時駆動の場合は、x=M/2とし、走査線片端
駆動の場合は、x=Mとする。
【0146】
【数93】V(x,t)=V[1−exp{−π2・t/
(4r・c・x2+2π・Ro・c・x)}] 同様にして、V(−)についても求められる。また、実
際にはV(+)とV(−)は(数43)を満たさず、V
(+)+V(−)−2Vref=Δの誤差が生じるがVに
比べて非常に小さい(0.1V以下である)ために無視
する。(数92)はTFT型液晶パネルの走査線駆動電
圧を含めて一般化する場合には適切である。単純マトリ
クス型の場合については(数93)を用いることができ
る。
【0147】従来の走査線片端駆動については、(数8
9)のx=Mとして(数91)、(数93)より駆動電
圧が得られ、(2/π)M・rの抵抗と(2/π)M・
cの容量のコンデンサからなるRC直列回路によって走
査線12を表すことができる。図51(B)に示す従来
の走査線の等価回路の容量値及び抵抗値は、図6の等価
回路に示すように(π/2)倍になり、従来方法の解析
結果と実測値が一致しない訳が理解できる。
【0148】走査線片端駆動において、終端の駆動電圧
の立ち上がり時間の測定から得られる17インチ液晶パ
ネルの時定数は2.0μSである。(数93)より計算
される17インチ液晶パネルの時定数は1.99μSで
ある。測定誤差を考慮すれば、図6の等価回路による計
算結果と実測値とはよく一致する。
【0149】本実施の形態では、走査線12の終端又は
仮想終端の画素13に対し、走査線駆動電圧を(数9
3)で近似的に表す。また(数93)から求めた信号線
の任意のアドレスxに対する17インチ液晶パネルの走
査線駆動電圧を数値計算により求めた。この場合は(数
89)の累積加算の回数kをできるだけ多くし、sin
関数の項がkの値によって−1から+1の範囲で変化す
ることを演算に組み入れることが好ましい。この結果を
図10に示す。図10ではM=640×3の曲線が走査
線両端駆動の遅延時間(走査パルスの立ち上がり特性)
を表し、M=1280×3の曲線が走査線片端駆動の終
端の駆動電圧の遅延時間を表している。画素数が同一の
走査線12では、両端駆動の方が遅延時間が小さいこと
が判る。
【0150】このように、任意の走査線12の走査線両
端同時駆動の時定数τ1は(M・r/π)・(M・c/
π)であり、走査線片端駆動の時定数τ2は[(2M・
r/π)・(2M・c/π)]である。τ2/τ1は近
似値的には4となり、走査線両端同時駆動の遅延時間は
走査線片端駆動の1/4となることが判った。これは、
走査線駆動において極めて重要なことである。液晶パネ
ル14の配線抵抗rは必ず存在し、横方向輝度差の発生
により液晶表示装置の画質が劣化する。そして大画面で
あればあるほど横方向輝度差は大きくなる。マトリック
ス構成の液晶パネル14において、走査線の配線抵抗を
0とすることは不可能であり、この意味で横方向輝度差
を低減させる本実施の形態の走査線駆動方法は重要であ
る。
【0151】ここで図6の等価回路を用いて、走査線両
端同時駆動での電流の駆動解析を行う。まず最初に走査
線駆動電流を求める。(数51)〜(数52)より、走
査線両端同時駆動での走査線左駆動回路17A、走査線
右駆動回路17Bの夫々の走査線駆動電流は、V(+)
について(数94)、V(−)について(数95)とな
る。
【0152】
【数94】 2N・M・c(V(+)−VL)/(π・TV)
【0153】
【数95】 2N・M・c(V(−)−VH)/(π・TV) 同様にして走査線片端駆動の駆動電流も求められ、走査
線両端同時駆動の場合と同じ値となる。即ち、走査線両
端同時駆動での左右の走査線駆動回路の駆動電流夫々は
走査線片端駆動電流の半分の値であり、左右分の合計が
走査線片端駆動電流と同一である。
【0154】前述したように、走査線左駆動回路17
A、走査線右駆動回路17Bは同一のLSIから構成さ
れるが、出力回路のリーク電流は極めて小さい。このた
め走査線左駆動回路17A、走査線右駆動回路17Bの
駆動電圧の入力端子の電流を測定することによって駆動
電流を求めることができる。この方法で、図1の走査線
左駆動回路17A、走査線右駆動回路17Bのいずれか
を取り外して片端駆動とした場合、走査線駆動回路の入
力端子で電流を測定した値と、走査線両端同時駆動での
入力端子で電流を測定した値はほぼ同一であった。これ
は、本実施の形態で用いた等価回路が適切であることを
裏付けるものである。(数94)〜(数95)による走
査線駆動電流の計算結果は後述する。
【0155】図6の等価回路によって、走査線12の駆
動端の画素13の実効電圧Vecl、仮想終端の画素1
3の実効電圧Vecn、及び走査線片端駆動における終
端の画素13の実効電圧Vecmは、(数48)〜(数
50)と同様の導出方法で得られ、その結果を(数9
6)に示す。
【0156】
【数96】Vecl=[{V2(1+1/a)2/N}・
{1−1.5Ro・c/(2π・TH)}+{(N−1)/
N}・(V/2)21/2 Vecn=[{V2(1+1/a)2/N}×{1−1.5
(M・r+π・Ro・c)M・c}/(π2・TH)+{(N
−1)/N}・(V/2)21/2 Vecm=[{V2(1+1/a)2/N}×{1−3(2
M・r+π・Ro・c)M・c}/(π2・TH)}+{(N
−1)/N}・(V/2)21/2 また、仮想終端と駆動端の実効電圧比γ1(Vecn/
Vecl)と片端終端と駆動端の実効電圧比γ2(Vec
m/Vecl)は(数97)のようになる。
【0157】
【数97】 γ1=Vecn/Vecl =[1−{1.5(M・+π・Ro)M・c/(π2・TH)}・{a2/(a2+N−1)}] γ=Vec/Vecl =[1−3{2(M・+π・Ro)M・c/(π2・TH)}・{a2/(a2+N−1)}] (数95)と(数96)から、走査線両端同時駆動の横
方向輝度差は走査線片端駆動の約1/4であることが分
かり、本実施の形態の走査線両端駆動方法が優れている
と言える。
【0158】(数96)〜(数97)からRo=0の条
件で求めた横方向輝度差、実効電圧Ve、電圧比γと、
(数94)〜(数95)からVH=−VL=2.1Vの
条件で求めた走査線駆動電流のシミュレーション結果
を、走査線両端同時駆動と走査線片端駆動との場合につ
いて説明する。
【0159】この場合の液晶表示装置のサイズは、対角
線長が12.1、17、20、24.2インチとし、夫
々のサイズで演算を行った。以下、かっこ内は走査線片
端駆動での横方向輝度差を表す。
【0160】(1)12.1インチの液晶表示装置につ
いて 横方向輝度差=(30.7mV) 片端駆動の電圧比γ2=0.9899 駆動端の電圧Vecl=2.82V 走査線駆動電流=0.90mA(実測値=1.0mA) [条件] (Mr/π)・(Mc/π)=0.23μS、TH=2
7.8μS TV=8.34mS、N=300、M=800×3、a
=14.5 V=30.5V、c=0.26pF、r=1.5Ω、r
s=4.5Ω (2)17インチの液晶表示装置について 横方向輝度差=9.6mV(38.7mV) 両端駆動の電圧比γ1=0.9963 駆動端の電圧Vecl=2.60V 片端駆動の電圧γ2=0.9851 走査線駆動電流=1.11mA(実測値=1.0mA) [条件] (Mr/π)・(Mc/π)=0.426μS、TH=
28μS TV=14.34mS、N=512、M=1280×
3、a=15.5 V=32.5V、c=0.19pF、r=1.5Ω、r
s=4.5Ω (3)20インチの液晶表示装置について 横方向輝度差=17.7mV(71.5mV) 両端駆動の電圧比γ1=0.9932 駆動端の電圧Vecl=2.60V 片端駆動の電圧比γ2=0.9725 走査線駆動電流=1.91mA [条件] (Mr/π)・(Mc/π)=0.753μS、TH=
23.8μS TV=14.34mS、N=600、M=1600×
3、a=15.5 V=32.5V、c=0.215pF、r=1.5Ω、
rs=4.5Ω (4)24.2インチの液晶表示装置について 横方向輝度差=21.6mV(87.4mV) 両端駆動の電圧比γ1=0.9917 駆動端の電圧Vecl=2.60V 片端駆動の電圧比γ2=0.9664 走査線駆動電流=2.31mA [条件] (Mr/π)・(Mc/π)=0.911μS、TH=
23.8μS TV=14.34mS、N=600、M=1600×
3、a=15.5 V=32.5V、c=0.26pF、r=1.5Ω、r
s=4.5Ω 以上のシミュレーション結果から、17インチの液晶表
示装置については横方向輝度差は無視できる値であるこ
とが示された。走査線両端同時駆動方法での17インチ
の液晶表示装置では、横方向輝度差は実際には目で識別
できないことから、上記の計算結果は実測値と良く一致
する。20及び24.2インチの液晶表示装置について
は、横方向輝度差が目視で識別できる値ではあるが、実
用上支障がない値と考えてよい。このような計算結果と
目視結果とが一致することから、図6の等価回路は走査
線駆動の解析に適合していると言える。さらに、17イ
ンチの液晶表示装置において走査線両端同時駆動の横ク
ロストークは走査線片端駆動より極めて少ないことが確
認された。横クロストークは走査線駆動電圧の遅延によ
る波形歪みによるから、遅延時間が片端駆動の約1/4
である両端駆動は横クロストークの低減にも極めて優れ
た方法といえる。
【0161】(数89)により計算した信号線のアドレ
スに対する横方向輝度差を図10、図11、図12に示
す。図10は、12.1インチの液晶表示装置におい
て、Ro=0の条件で求めた走査線片端駆動の横方向輝
度差を示す。図11は17インチの液晶表示装置におい
て、Ro=0、600Ω、1KΩの各条件で求めた走査
線両端同時駆動の横方向輝度差と、R0=0、600Ω
の各条件で求めた走査線片端駆動の横方向輝度差を示
す。また図12は20、24.2インチの液晶表示装置
において、Ro=0の条件で求めた走査線両端同時駆動
の横方向輝度差を示す。ここでの出力抵抗RoはV
(+)とV(−)とを切り替えて出力するアナログスイ
ッチの出力抵抗(オン抵抗)を指す。
【0162】図12から、一層明瞭に走査線両端同時駆
動の優位性が示される。目視による結果と、図10〜1
2の駆動解析の結果とが良く一致している。特に20、
24.2インチのような大型の液晶パネルの場合には、
走査線両端同時駆動を用いれば、横方向輝度差は実用上
の問題点が解消されることが明解に示されている。さら
に(数89)を駆動端から終端または仮想終端までにあ
る任意の画素の駆動電圧を表す式として目視結果とあう
ので、この式の適合性を主張することができる。このよ
うに正確な走査線駆動のシミュレーションが可能とな
る。
【0163】上記のシミュレーションでは走査線駆動回
路の出力抵抗Roを0として求めた。これは、計算を簡
単にするためであり、実際の出力抵抗はRo=0ではな
い。(数97)から導き出される(数98)によって、
適正な走査線駆動回路の両端駆動の出力抵抗Rgwと、片
端駆動の出力抵抗Rgsを定めることができる。出力抵抗
RgwとRgsはV(+)とV(−)を出力する走査線駆動
回路のアナログスイッチの出力抵抗を指す。一般的に
は、走査線駆動回路を構成する走査線駆動ICでは、1
出力回路に複数のアナログスイッチが用いられ、その出
力抵抗は全て同じである場合が多い。
【0164】
【数98】Rgw≦{1−(γ1)2}・{π・TH/(1.5M・
c)}・{(a2+N−1)/a2}−M・r/π Rgs≦{1−(γ2)2}・{π・TH/(3M・c)}・{(a
2+N−1)/a2}−2M・r/π (数98)を用いれば、走査線駆動回路に要求される適
正な出力抵抗を簡単に求めることができる。(数98)
は、走査線両端同時駆動によれば、γ1=γ2の条件下
では、走査線片端駆動の場合より走査線駆動回路の出力
抵抗を約2倍にすることができる。さらに、駆動回路と
走査線駆動端子までの配線はITO(Indium Titan Oxi
de)が用いられる場合が多い。ITOの固有抵抗は高い
ために配線抵抗は無視できない。本発明の(数98)は
出力抵抗をITOの配線抵抗と駆動回路の出力抵抗を含
めたものと見なすことがてきる。従って、駆動回路の出
力抵抗を定めれば適正なITOの配線抵抗値の範囲が求
められ、液晶パネルのパターン設計が適正かつ容易にで
きる。このように本発明は広範囲に応用できる。
【0165】走査線駆動回路の出力抵抗が大きくできる
ことにより、走査線駆動回路を構成するLSIのチップ
サイズを小さくでき、LSIのコストダウンを図ること
ができる。LSIのチップサイズは要求された出力抵抗
値に決定され、要求された出力抵抗が小さいほどチップ
サイズが大きくなる。このように走査線両端同時駆動で
は、走査線駆動回路を構成するLSIのチップサイズを
小さくできるために、LSIは低コストになる。
【0166】(実施の形態2)次に本発明の実施の形態
2における液晶表示装置について簡単に説明する。図1
4は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であ
る。図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を
用いて説明を省略する。この液晶表示装置は、液晶パネ
ル14Bの信号線9を上下に分割せず、液晶パネル14
Bの走査線を両端同時駆動する構成としたものである。
このような構成においても実施の形態1と同様の効果が
得られる。
【0167】(実施の形態3)次に本発明の実施の形態
3における液晶表示装置について簡単に説明する。図1
5は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であ
る。図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を
用いて説明を省略する。この液晶表示装置は、図14の
液晶パネル14の信号線駆動端子を上下に対して逆に配
置した液晶パネル14Cの走査線を両端同時駆動する構
成としたものである。このような構成においても実施の
形態1と同様の効果が得られる。
【0168】(実施の形態4)次に本発明の実施の形態
4における液晶表示装置について説明する。図16は本
実施形態4における液晶表示装置の構成図であり、図1
に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用いて説
明を省略する。本実施形態4の液晶パネル14Dはの各
画素13は、スイッチング素子である薄膜トランジスタ
(以下、TFTと略記する)と液晶セルから構成される
ものである。そしてこの液晶パネル14Dは、上下に分
割しない信号線9と2N+1本の走査線12を有し、走
査線12の両端が同時駆動される。
【0169】図16に示すように、信号線9と走査線1
2の交点にある素子Pは、各画素13を駆動するTFT
を表している。破線で示す対向電極23は、TFTの液
晶パネル14Dの動作基準電圧を印加する電極であり、
その一部に端子23aが設けられている。そして駆動電
源回路19Bから端子23aを介して電圧Vcomが対
向電極23に印加される。
【0170】素子P(画素13)は図17に示すような
TFTを含む等価回路で表される。画素13は、TF
T、液晶セル(容量Cls)、TFTのドレイン−ゲー
ト間の容量Cgd、TFTのソース−液晶セル間の容量
Ccs、TFTのソース−ゲート間の容量Cgs、TF
Tのゲート−液晶セル間の容量Ccg、TFTのドレイ
ン−前段ゲート間の容量Cst等の回路素子により表現
される。
【0171】詳しくは、容量ClsはTFTのドレイン
電極と対向電極間に形成された液晶セルの容量であり、
容量Cstは対向電極との結合容量である。ソース電極
は信号線9に接続され、ゲート電極は走査線12に接続
される。このような構成からなる画素13は、走査線1
2と対向電極23間の容量をcとすると、容量cは(数
99)で表される。
【0172】
【数99】c=Ccg+Cst・Cls/(Cst+C
ls)+Cgd・Cls/(Cgd+Cls)+Cgs・
Ccs/(Cgs+Ccs) 図16において、XNの走査線12とYNの信号線9と
の交点にある画素13を(XN,YN)と表す。(XN
N)におけるTFTのドレインが(XN-1,YN)にお
けるTFTのゲートに対して容量Cstで結合すること
になる。このような構成のTFTを前段容量結合型のT
FTという。図16はこの前段容量結合型のTFT型液
晶パネル14Dの構成を示している。また、(XN
N)におけるTFTのドレインが(XN+1,YN)にお
けるTFTのゲートに対して、容量Cstで結合する構
成のTFTもある。これを後段容量結合型のTFTとい
う。
【0173】このような前段容量結合型のTFT型液晶
パネルの走査線駆動電圧波形とそのタイミングを図18
に示す。図中のVgonはTFTがオンする駆動電圧であ
り、VgoffはTFTがオフする駆動電圧である。Vg+
とVg−は補償電圧である。Vg+はVg−より高電位
の補償電圧であり、Vg−はVg+より低電位の補償電
圧である。図18に示す符号の説明では、Vg+はゲー
トプラス補償電圧、Vg−はゲートマイナス補償電圧と
した。ここで、実施形態1で説明したように、走査線左
駆動回路と走査線右駆動回路を同じLSIで構成するた
めに、走査線左駆動回路17AはアドレスX0の走査線
12よりアドレスX2Nまで順次走査し、同時に走査線右
駆動回路17BはアドレスX2NからアドレスX0まで順
次走査することとし、図18上では左右とも上から下に
向かって同一方向に走査駆動電圧が出力される。
【0174】対向電極23の電圧Vcom(以下、Vre
fと記述する)と上側の信号線駆動回路15の出力との
関係の一例を図19に示す。本図に示すように、上側の
信号線駆動回路15の出力は一水平走査線時間毎にVre
fを基準として、その極性が反転する。ここでは上側の
信号線駆動電圧がVHとVLであるから、VH−Vref
=Vref−VLの関係が成立する。
【0175】説明を簡単にするために、図16の上側信
号線駆動回路15は図49の符号と同一とした。実際に
は、TFT型液晶パネルの信号線駆動回路は多階調表示
できるDA(Digital Analog)コンバータが内蔵され、出
力回路はアナログアンプとみなせる。しかし、本願発明
の説明には、支障をきたさないため、2値出力の信号線
駆動回路とする。
【0176】信号線9と走査線12は分布容量Ccs、
Cgs、Ccgで結合する。図19に示すように信号線
9の駆動電圧の平均はVrefと見なせることから、走査
線駆動に関しては、図16の液晶パネル14Dは、画素
13の走査線と対向電極間の(数99)に示す容量cに
より、図20の等価回路で表すことができる。
【0177】図20の等価回路に示すように、液晶パネ
ル14Dは任意の走査線12が画素容量cと走査線の配
線抵抗rからなる梯子型分布定数回路で表せるから、実
施の形態1の図4で詳述したように、仮想終端より2分
割して、それぞれを片端駆動する分布定数回路で表せ
る。これを図21に示す。
【0178】図21では、SW1〜SW4と、夫々のS
Wに直列接続された抵抗Roにより、左右の走査線駆動
回路17、20の出力抵抗を表すことができる。すなわ
ち、走査線駆動回路17と20の出力回路は4個のアナ
ログスイッチからなり、その出力抵抗は全てRoとす
る。なお、SW1〜SW4はアナログスイッチを示し、
抵抗Roは走査線駆動回路の出力抵抗を示し、Vrefは
動作基準電圧を表す。Vrefは対向電極に印加される電
圧である。図21から、容量結合したTFT液晶パネル
14Dの走査線駆動についても、走査線12をM・r/
πの抵抗とM・c/πのコンデンサとの直列回路として
表せる。
【0179】TFTのスイッチング特性を図22に示
す。スイッチング特性はゲート電圧Vgに対するドレイ
ン電流Idの関係で表せる。TFTはスイッチング素子
とし動作するが、そのスイッチング特性は理想的なスイ
ッチよりかなり劣る。図22で示すように、TFTが完
全にオンするゲート電圧をスレッショルド電圧Vthと
する。TFTは走査線駆動電圧がVth以上に達したと
きにオンし、信号線駆動電圧が容量Clsの液晶セルに
印加される。
【0180】従って、走査線12の終端では、駆動端よ
りの配線抵抗rと画素容量cとによる遅延のため、TF
Tのオン時間が短くなり、図23に示すように駆動端と
終端ではTFTのオン時間が異なってくる。図23で
は、終端の走査線駆動電圧がVthとなるタイミングを
Tgdで表している。このTgdは終端にあるTFTの
ゲート電圧の遅延時間であるが、前述した(数92)よ
り求められる。駆動端では、1水平走査時間THの間T
FTがオンし、液晶容量Clsを信号線駆動電圧まで充
電する。これに対して終端では、(TH−Tgd)のオ
ン時間で液晶容量Clsを充電しなければならない。
【0181】従って、TFTのドレイン電流Idが十分
に大きく、TFTの出力抵抗Rdが小さければよく、
(TH−Tgd)の時間内に液晶容量を信号線駆動電圧
まで充電できることになる。しかし、液晶パネルの画面
サイズが大きくなり、画素構成が(1600×3)×1
200のように高精細になると、水平走査時間THは短
くなる。またTgdが大きくなると、終端の画素におい
ては、液晶容量ClsとTFTのRdで定まる時定数C
ls・Rdと比較して、(TH−Tgd)の値が小さく
なり、走査線片側駆動であると液晶容量を信号線駆動電
圧まで充電できなくなる。
【0182】このようなことから、走査線片端駆動で
は、実施の形態1に詳述したような、駆動端から終端に
向けて明るさが僅かずつ異なるような横方向輝度差が生
ずる。画面サイズが20インチの(1600×3)×1
200画素構成の走査線片端駆動のTFT型液晶表示装
置では、TH=17μS、Tgd=6μSの条件の下で
液晶容量Clsの充電時間は約14μSと概算される。
この場合は、目視可能な横方向輝度差が発生し、表示む
らが生じてしまう。
【0183】しかし本発明の走査線両端同時駆動を用い
れば、遅延時間が1/4になるから、Tgdが6μS/
4=1.5μSとなり、横方向輝度差は無視できるレベ
ルになる。この場合には表示むらが生じない。さらに、
遅延時間が1/4になるから波形歪みによる横クロスト
ークも走査線片端駆動より小さくできる。なお、液晶表
示装置が後段容量結合したTFT型液晶パネルから構成
される場合も、全く同じ効果が得られる。
【0184】次に、容量結合したTFT型液晶パネルの
走査線駆動電圧、スレッショルド電圧、遅延時間、走査
線駆動回路の出力抵抗について、TFTの動作を理想的
なスイッチと見なして数式化する。
【0185】走査線駆動電圧は、各画素に配置されるT
FTをオンするタイミングで、VgoffからVgonに切り
替わる。走査線駆動電圧は、VgoffからVgonに切り替
わってからの時間をt、(数99)の走査線の画素容量
cを用い、走査線駆動回路の出力抵抗を両端駆動ではR
gwとし、片端駆動ではRgsとし、Vgn=Vgoff、Vgn+1
=Vgonとすれば、(数92)から(数100)〜(数
101)を導出できる。
【0186】走査線両端同時駆動ではx≦M/2とし
て、
【0187】
【数100】Vgw(x,t)=(Vgoff−Vgon)ex
p{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgw)}+Vgon
−Vref 走査線片端駆動ではx≦Mとして、
【0188】
【数101】Vgs(x,t)=(Vgoff−Vgon)ex
p{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgs)}+Vgon
−Vref 出力抵抗を0とすれば、走査線両端同時駆動の遅延時間
が片端駆動の1/4となることは単純マトリクス型液晶
パネルと同様である。
【0189】(数92)において、Vgn=Vgon、Vgn+
1=Vg+を代入すれば、仮想終端あるいは終端でのVg
+の電圧を求めることができる(Vg−も同様であ
る)。ここで、Vg+=Vg(+)、Vg−=Vg(-)とする。
【0190】(数94)〜(数95)は容量結合したT
FT型には適用できないので、左及び右側の走査線駆動
回路の出力Vgon、Vg(+)、Vg(-)の各走査線駆動電流
Igw(g)、Igw(+)、Igw(-)は(数94)〜(数95)
の導出方法に基づき、(数102)として得られる。
【0191】
【数102】Igw(g)=(2N/TV)・(M・c/π)
・(Vgon−Vgoff) Igw(+)=(N/TV)・(M・c/π)・(Vg(+)−Vg
off) Igw(-)=(N/TV)・(M・c/π)・(Vg(-)−Vg
off) 走査線片端駆動での各電圧の走査線駆動電流は(数10
2)の2倍である。
【0192】前記したように、各画素のTFTのスレッ
ショルド電圧は同一であっても、配線抵抗と画素容量に
よって、各画素のゲートオン電圧は遅延するためにスレ
ッショルド電圧に達する時間が異なるから、各画素が必
要とするゲートオン電圧も異なる。このようなことか
ら、以降、液晶パネルが適正に画像を表示する電圧を液
晶パネルのオン電圧Vgon、完全に表示しない電圧を液
晶パネルのオフ電圧Vgoffと定める。さらに、(数10
0)〜(数101)において、x=M/2、t=Tdpw
の駆動電圧を走査線両端同時駆動の液晶パネルのスレッ
ショルド電圧Vpthw、Tdpwを液晶パネルの遅延時間と
し、x=M、t=Tdpsの駆動電圧を片端駆動の液晶パ
ネルのスレッショルド電圧Vpths、Tdpsを液晶パネル
の遅延時間と定める。よって、液晶パネルのスレッショ
ルド電圧は次の(数103)〜(数104)を満たせば
良いことが解る。即ち、走査線両端同時駆動では
【0193】
【数103】Vpthw=(Vgoff−Vgon)exp{−π2
Tdpw/(4x2・r・c+2π・x・c・Rgw)}+Vgon−Vref 走査線片端駆動では
【0194】
【数104】Vpths=(Vgoff−Vgon)exp{−π2
Tdps/(4x2・r・c+2π・x・c・Rgs)}+Vgon−Vref ここで、Vgon、Vgon、Vpthsが既知であれば液晶パネ
ルの遅延時間は以下の(数105)〜(数106)で定
めることができる。
【0195】走査線両端同時駆動では、
【0196】
【数105】Tdpw=−(lnβw)・(M2・r・c+π・
M・c・Rgw)/π2 βw=(Vpthw−Vgon+Vref)/(Vgoff−Vgon) 走査線片端駆動では、
【0197】
【数106】Tdps=−(lnβs)・(4M2・r・c+2
π・M・c・Rgw)/π2 βs=(Vpths−Vgon+Vref)/(Vgoff−Vgon) (数103)〜(数104)から示されるように、走査
線両端同時駆動での液晶パネルのスレッショルド電圧の
マージンを走査線片端駆動より大きくとれるから、横方
向輝度差が生じ難い。液晶パネルのオン電圧が液晶パネ
ルのスレッショルド電圧以上であれば、横方向輝度差は
生じないから、走査線両端同時駆動を単純マトリクス型
よりTFT型液晶パネルに用いた場合に効果が大にな
る。
【0198】さらに、液晶パネルの遅延時間が求められ
れば、(数103)〜(数104)より適正な走査線駆
動回路の出力抵抗範囲を(数107)で定めることがで
きる。RgwとRgsは走査線駆動回路のVgonを出力する
アナログスイッチの出力抵抗を指す。
【0199】
【数107】 Rgw ≦−π・Tdpw/(M・c・lnβw)−M・r/π Rgs ≦−π・Tdps/(2M・c・lnβs)−2M・r/π 本発明の(数99)〜(数106)を用いれば、容量結
合したTFT型液晶表示装置の設計、駆動解析を正確
かつ容易にでき、実測値と計算値との比較から設計値の
マージンが予測できる。以上のように本実施の形態によ
れば、図1の場合と同様に、容量結合したTFT型液晶
パネルを用いても、横方向輝度差と横クロストークが小
さく、表示むらがない表示品位の高い液晶表示装置が実
現できる。なお、液晶パネルの画像表示領域外に信号線
と走査線の駆動回路を形成するか配置した液晶パネルに
も全く同様に適用できる。
【0200】また、実施の形態1と同様に、走査線両端
同時駆動では、走査線12をM・r/πの抵抗とM・c/
πの容量のコンデンサからなる直列回路で、走査線片端
駆動では走査線12を2M・r/πの抵抗と2M・c/π
の容量のコンデンサからなる直列回路で表して駆動解析
ができる。
【0201】図16は前段容量結合した液晶パネルを走
査線両端駆動した場合である。前段容量結合した液晶パ
ネルはX0の走査線はTFTが配置されず、画素が構成
されない。従って、表示に寄与しない走査線である。ま
た、後段容量結合した液晶パネルは逆に最終番目の走査
線が画像に寄与しない。
【0202】容量結合した液晶パネルの一例として、前
段容量結合した液晶パネルを用いて補償電圧を加えた場
合の駆動電流を(数102)に示したが、信号線から見
た画素容量が(数99)のように求められる液晶パネル
の補償電圧を印加した走査線駆動電流は(数102)で
求めることができる。また、(数103)〜(107)
は補償電圧の影響を受けないため、補償電圧を加えない
場合、例えば実施形態の7に示す容量結合しない液晶パ
ネルについても同様に適用できる。
【0203】(実施の形態5)次に本発明の実施の形態
5における液晶表示装置について説明する。図24は本
実施の形態5における液晶表示装置の構成図であり、図
1および図16に示す液晶表示装置と同一部分は同一の
符号を用いて説明を省略する。図16の液晶パネル14
Dの信号線駆動端子を上下に対して逆に配置した液晶パ
ネル14Eの走査線を両端同時駆動する構成としたもの
である。このような構成においても実施の形態4と同様
の効果が得られる。
【0204】(実施の形態6)次に本発明の実施の形態
6における液晶表示装置について説明する。図25は本
実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、図1
に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用いて説
明を省略する。本実施形態6の形態の液晶パネル14F
は、各画素13(素子P)に容量結合していないTFT
と液晶セルから構成されるものである。そして液晶パネ
ル14Fは、上下に分割されない信号線9と2N本の走
査線12を有し、走査線12の両端が同時駆動される。
【0205】それ以外は図16に示すものと同様であ
り、実施の形態4と同様の効果が得られる。画素13の
等価回路を図26に示す。本図に示すようにTFTは容
量結合をせず、図17に示すものから結合容量Cstを
省いた構成である。従って、画素容量cは(数108)
で表現できる。
【0206】
【数108】c=Ccg+Cgd・Cls/(Cgd+
Cls)+Cgs・Ccs/(Cgs+Ccs) 図25の走査線駆動回路17A、17Bの出力波形の一
例を図27に示す。容量結合しないTFT型液晶パネル
の場合も、走査線両端同時駆動では走査線12を、M・
r/πの抵抗と、M・c/πの容量のコンデンサからな
る直列回路で表すことができ、走査線片端駆動では走査
線12を2M・r/πの抵抗と2M・c/πの容量から
なる直列回路で表すことができる。このため実施の形態
4に示した方法で同様の駆動解析ができ、実施の形態4
と同様の効果が得られ、(数100)〜(数107)は
全て同様に適用できる。
【0207】(数102)においてVg(+)=Vg(+)=V
goffとすれば、容量結合していないTFT型液晶パネル
の走査線の駆動電流を求めることができる。実施形態6
は補償電圧を加えない液晶パネルの一例を示した。
【0208】(実施の形態7)次に本発明の実施の形態
7における液晶表示装置について説明する。図28は本
実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、図1
および図25に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符
号を用いて説明を省略する。図25の液晶パネル14F
の信号線駆動端子を上下に対して逆に配置した液晶パネ
ル14Gの走査線を両端同時駆動する構成としたもので
ある。このような構成においても実施の形態6と同様の
効果が得られる。
【0209】(実施の形態8)次に本発明の実施の形態
8における液晶表示装置について説明する。図29は本
実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、図1
に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用いて説
明を省略する。図29は単純マトリクス型の液晶パネル
14Hにおいて、走査線12を片端駆動とし信号線9を
2分割せずに両端より同時に駆動するものである。本実
施形態8は、液晶表示装置の画面構成が縦に長い場合に
適する。
【0210】信号線両端同時駆動用の端子を設けた本実
施の形態の液晶パネル14Hの端子構成図を図38と図
39に示す。符号は図7と同一のものは同一として説明
を省略する。図39は走査線駆動端子を液晶パネル14
Hとは逆にした液晶パネル14Iの端子構成図を示す。
なお、後述する液晶パネル14J、14Lの端子構成図
も図38と同じであり、液晶パネル14K、14Mの端
子構成図は図39と同じである。図38と39には駆動
端子の構成図を示したが、液晶パネルの画像表示領域外
に走査線と信号線を形成するか配置した構成でもよい。
【0211】信号線も走査線と同様に配線抵抗と画素容
量からなる分布定数回路と見なせるから、信号線両端同
時駆動では(数89)より信号線駆動電圧を求めること
ができる。信号線駆動電圧は図50示すもので、信号線
駆動電圧は駆動端でVLからVHにあるいはVHからV
Lにt=0で切り替わるものとする。VHの動作基準電
圧をVref1とし、VLの動作基準電圧をVref2とす
る。単純マトリクス型液晶パネルではVref1=Vref2
であるが、TFT型液晶パネルの駆動では水平走査時間
毎に動作基準電圧を変える場合もある。信号線駆動回路
の出力抵抗を出力抵抗Rsw、走査線数を2N、信号線の
1画素当たりの配線抵抗をrs、信号線の1画素当たり
の容量をcs、信号線の駆動端から垂直方向にあるy番
目の画素の信号線駆動電圧は、(数91)より(数10
9)〜(数110)を導出できる。(数109)〜(数
110)は抵抗Rを有する容量Cに−Vの充電後にVの
充電をした場合の充電電圧はV[1−2exp−t/
(C・R)]となることに基づいている。
【0212】信号線両端同時駆動の場合は、y=Nまで
とし、t=0でVHに切り替わったときのVsw(y,
t)は
【0213】
【数109】Vsw(y,t)=(VH−Vref1)×[1
−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
w)}] t=0でVLに切り替わったときのVsw(y,t)は、
【0214】
【数110】Vsw(y,t)=(VL−Vref2)×[1
−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rs
w)}] 信号線片端駆動の信号線駆動電圧はy=2Nまでとし、
Rswに変えて信号線片端駆動の信号駆動回路の出力抵抗
Rssを代入すればよい。(数109)〜(数110)は
TFT型液晶パネルの信号線両端駆動にも適用できる。
単純マトリクス型液晶パネルの場合はVref1=Vref2と
するのが一般的である。
【0215】(数109)〜(数110)より出力抵抗
が0であれば、走査線両端同時駆動と同じく信号線両端
同時駆動では信号線片端駆動より1/4の遅延時間で信
号線を駆動できることが示され、縦方向輝度差と縦クロ
ストークが極めて小さくできる。
【0216】信号線駆動電圧と動作基準電圧の波形の一
例を図30に示す。画面に奇数の走査線にある画素が
白、偶数の走査線にある画素が黒、またはその逆の表示
の場合は、信号線駆動電流が最大に近くなり、全信号線
において信号線駆動電圧と動作基準電圧の波形は図30
になる。この場合は、図31に示すように信号線9をコ
ンデンサ2N・cs/πとして、その両端子に信号線駆
動電圧と動作基準電圧と夫々印加する等価回路で表せる
ので、信号線両端同時駆動での上および下側の信号線駆
動回路についてVHの印加時の信号線駆動電流Isw
(+)は(数111)となる。
【0217】
【数111】 Isw(+)=2(VH−Vref1)・(2N/TV)・(2N・M・cs/π) =8(VH−Vref1)N2・M・cs/(π・TV) VLの印加時の信号線駆動電流Iss(−)は(数11
2)となる。
【0218】
【数112】Isw(−)=−8(VH−Vref2)N2・M・
cs/(π・TV) (数109)〜(数112)は単純マトリクス型の液晶
パネルのみならず、TFT型液晶パネルにも適用でき
る。ここで信号線片端駆動での信号線駆動電流Iss
(+)とIss(−)は、2N・cs/πのコンデンサで
表せるから(数111)〜(数112)の2倍である。
また、信号線の画素容量csは単純マトリクス型の走査
線の画素容量cと同値であるが、TFT型液晶パネルの
ようなアクティブマトリクス型の液晶パネルでは走査線
の画素容量csとは異なる。
【0219】また、信号線の駆動端からy番目にある画
素の実効電圧は、実施の形態1と同様の導出方法により
求められる。図32に信号線駆動電圧波形の一例を示
す。図示するように終端では配線抵抗と画素容量によっ
て波形が歪む。信号線の実効電圧は、(数45)の(N
−1)・(V/a)2/NのV/aを(数109)〜(数
110)に置き換えてt=0からTHまでの(数11
3)の積分演算を行えば、信号線の終端の実効値は(数
114)が得られる。
【0220】
【数113】
【0221】
【数114】Vecn=[{(V+(V/a)2)/N+
(N−1)・(V/a)2/N}×{1−2RL・CL/T
H}]1/2 ここで、RL・CL=4y2・rs・cs+2π・y・cs・
Rswとし、実効電圧比γs=Vecns/Veclを求
めれば、(数115)を得る。
【0222】
【数115】γs=[1−(2RL・CL/TH)・N/
(a2+N−1)]1/2 よって、信号線の駆動端からy番目の走査線の交点にあ
る画素を仮想終端あるいは分割して終端とし、仮想終端
あるいは分割し終端に配置された画素の信号線駆動電圧
の実効値と信号線の駆動端にある画素の実効値の比と信
号線片端駆動でy番目の走査線の交点にある画素を終端
した場合の実効電圧比は(数115)から、(数11
6)〜(数117)が得られる。
【0223】信号線両端同時駆動の場合は、y=Nまで
として
【0224】
【数116】γsw(y)=[1−2(4y2・rs・cs+2π・y
・cs・Rsw)・{N/(a2+N−1)}/(π2・TH)]1/2 信号線片端駆動の場合は、y=2Nまでとして
【0225】
【数117】γss(y)={1−2(4y2・rs・cs+2π・y
・cs・Rss)・{N/(a2+N−1)}/(π2・TH)]1/2 片端駆動に比較して約1/4になることが解る。
【0226】信号線の駆動端と仮想終端との実効電圧比
をγ1sとし、片端駆動の駆動端と終端との実効電圧比
をγ2sとすれば、信号線駆動回路の出力抵抗は(数1
18)〜(数119)で求められる。
【0227】信号線両端同時駆動の場合の出力抵抗は
【0228】
【数118】Rsw≦{1−(γ1s)2}・{π・TH/(4N・c
s)}・{(a2+N−1)/N}−2N・rs/π 信号線片端駆動の場合の出力抵抗は、
【0229】
【数119】Rss≦{1−(γ2s)2}・{π・TH/(8N・c
s)}・{(a2+N−1)/N}−4N・rs/π 以上に示したように、本発明の信号線両端同時駆動にお
いても信号線を2N・rs/πの抵抗と、2N・cs/π
の容量のコンデンサからなる直列回路で表せ、縦方向輝
度差と縦クロストークが小さく、表示品位の高い液晶表
示装置が実現できる。
【0230】(実施の形態9)次に本発明の実施の形態
9における液晶表示装置について説明する。図33は本
実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、図1
に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用いて説
明を省略する。図25の液晶パネル14Hの走査線駆動
端子を左右に対して逆に配置した液晶パネル14Iの信
号線を両端同時駆動する構成としたものである。このよ
うな構成においても実施の形態8と同様の効果が得られ
る。
【0231】(実施の形態10)次に本発明の実施の形
態10における液晶表示装置について説明する。図34
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。図34は容量結合したTFT液晶パ
ネル14Jの信号線9の両端を同時に駆動し、走査線1
1の左端を駆動する構成としたものである。それ以外
は、図24と同様である。前記したように、TFT型液
晶パネルの信号線駆動回路は多階調表示を可能とするD
Aコンバータを内蔵し、出力回路はアナログアンプとみ
なせる場合が多いが、説明を簡単にするために図49と
同一符号の2値出力の信号線駆動回路とする。
【0232】単純マトリクス型液晶パネルの画素容量と
TFT型液晶パネルの画素容量は、実施の形態4で示し
たように対向電極を基準として定められその構成が異な
る。図20において走査線を信号線に置き換え配線抵抗
をrsとし、信号線と対向電極間の容量である画素容量
をcsとすれば、走査線と同様に信号線を分布定数回路
と見なすことができ、信号線両端同時駆動では、仮想終
端より2分割し(あるいは分割して)、それぞれを片端
駆動する分布定数回路で表せるから、(数89)〜(数
91)により信号線を2N・rsの抵抗と2N・csのコ
ンデンサによる集中定数回路と見なせる。図17の画素
の構成図からcsを(数120)で近似できる。
【0233】
【数120】 cs=Ccs+Cgs・Ccg/(Cgs+Ccg) 従って、信号線駆動電圧は(数109)〜(数110)
に(数120)の画素容量を用いれば求められる。容量
結合したTFT型液晶パネルの駆動では、図17と18
に示すように、TFTのゲートにオン電圧が印加される
と同時に結合容量Cstを介してVg+またはVg−に
よる結合電圧がTFTのドレインに加えられる。この電
圧をη(+)とη(-)とする。走査線によって選択された画
素の電圧は、信号線駆動電圧に加えてこの結合電圧が加
わるから、従って、信号線駆動電圧にη(+)とη(-)が加
わるものと見なせる。このように、容量結合したTFT
型液晶パネルの駆動では、信号線駆動電圧の振幅が小さ
くできる。η(+)とη(-)はCst、Cls、Cgd等に
よって定まる定数である。
【0234】容量結合したTFT型液晶パネル14Jの
画素の実効電圧は、信号線駆動電圧をTFTによりt=
THでサンプルホールドしたものであるから、TFTが
理想的SWと近似すれば、η(+)とη(-)による実効電圧
の増加分を見込むためにδとし、Vsig=VH−Vref1
+△、あるいは、Vsig=Vref2+△−VLとなる画素
に生じる分極電圧の補償電圧△として、(数109)〜
(数110)にt=THを代入すれば求められる。但
し、ここで、容量結合したTFT型液晶パネルの信号線
駆動回路の出力抵抗を信号両端同時駆動の場合Rsw、片
端駆動の場合Rssとし、信号線の駆動端からy番目にあ
る走査線との交点にある画素の実効電圧は、走査線数を
2N、水平走査時間をTH、VHの動作基準電圧をVre
f1とし、VHの動作基準電圧をVref1として、(数12
1)〜(数122)を得る。
【0235】信号線両端同時駆動での画素の実効電圧
は、y≦Nとして、
【0236】
【数121】Vrmssw(y)=(Vsig−△)×[1−2e
xp{−π2・TH/(4rs・cs・y2+2π・y・cs・Rsw)}]
+δ 信号線片端駆動での画素の実効電圧は、y≦2Nとし
て、
【0237】
【数122】Vrmsss(y)=(Vsig−△)×[1−2e
xp{−π2・TH/(4rs・cs・y2+2π・y・cs・Rss)}]
+δ 従って、信号線の駆動端と仮想終端あるいは終端の実効
電圧比は、駆動端では(Vsig−△)+δであるから
(数121)と(数122)から(数123)と(数1
24)が得られる。
【0238】信号線両端同時駆動での実効電圧比γswと
すれば、y=Nとし、
【0239】
【数123】
【0240】信号線片端駆動での実効電圧比γssとすれ
ば、y=2Nとし、
【0241】
【数124】
【0242】信号線両端同時駆動する容量結合したTF
T型液晶パネルにおいても縦方向輝度差は信号線片端駆
動より小さくなることが(数123)〜(数124)で
示される。また、波形歪みも約1/4になるため縦クロ
ストークも小さくできる。
【0243】また、信号線の駆動端と仮想終端との実効
電圧比をγ1sとし、片端駆動の駆動端と終端との実効
電圧比をγ2sとすれば、(数123)〜(数124)
からTFT型液晶パネルの信号線駆動回路の出力抵抗範
囲は求められる。即ち、(数125)〜(数126)と
なる。
【0244】信号線両端同時駆動では、
【0245】
【数125】Rsw≦−π・TH/[2N・cs・ln{(1−
γ1s)/2}]−2N・rs/π 信号線片端駆動では、
【0246】
【数126】Rss≦−π・TH/[4N・cs・ln{(1−
γ2s)/2}]−4N・rs/π 以上のように容量結合したTFT型液晶パネルの信号線
両端同時駆動においても信号線を2N・rs/πの抵抗
と、2N・cs/πの容量のコンデンサからなる直列回
路で表すことができ、実施の形態8と同様の効果が得ら
れる。
【0247】同一液晶パネルを両端から駆動した場合と
片端から駆動した場合の時定数の比を求める。走査線の
片端駆動の終端での時定数をαgsとし、両端駆動の仮想
終端または2分割した走査線の終端で時定数をαgw(画
面中央部画素)とすれば、αgs/αgwは(数100)と
(数101)から(数127)となる。
【0248】
【数127】 αgs/αgw=(4r・c・M2+2π・M・c・Rgs)/(・c・M2+π・M・c・Rgw) ={4+(2π・Rgs)/(r・M)}/{1+π・Rgw/(r・M}} ここで、定数をkとして、(αgs/αgw)≧kとすれば、
(数126)より(数127)を得る。
【0249】
【数127】 Rgs≧{(k−)・r・M/(2π)}+{k・Rgw/2} k=4とすれば、すなわち両端駆動での時定数が片端駆
動の時定数の1/4となる場合で、かつ配線抵抗の影響
を受けないRgsとRgwとの関係を求めることができる。
すなわち(数128)である。
【0250】
【数129】Rgs≧2Rgw (数129)より両端駆動での出力抵抗は片端での出力
抵抗の1/2以下とすれば、時定数を片端駆動より1/
4にでき、配線抵抗の影響も受けない。(数129)
は、片端あるいは両端駆動での出力抵抗を見積もる場合
に非常に有効である。片端駆動している駆動回路から両
端駆動での出力抵抗を簡単に予測できるからである。な
お、信号線についても同様の結果となる。
【0251】(実施の形態11)次に本発明の実施の形
態11における液晶表示装置について説明する。図35
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。図34の液晶パネル14Jの走査線
駆動端子を左右に対して逆に配置した液晶パネル14K
の信号線を両端同時駆動する構成としたものである。こ
のような構成においても実施の形態10と同様の効果が
得られる。
【0252】(実施の形態12)次に本発明の実施の形
態12における液晶表示装置について説明する。図36
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。図36の液晶パネル14Lは容量結
合をしないTFT型液晶パネルを信号線両端駆動するも
のである。このような構成においても(数109)〜
(数112)、(数120)〜(数126)は適用で
き、実施の形態10と同様の効果が得られる。
【0253】(実施の形態13)次に本発明の実施の形
態13における液晶表示装置について説明する。図37
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。図36の液晶パネル14Lの走査線
駆動端子を左右に対して逆に配置した液晶パネル14M
の信号線を両端同時駆動する構成としたものである。こ
のような構成においても実施の形態11と同様の効果が
得られる。
【0254】(実施の形態14)次に本発明の実施の形
態14における液晶表示装置について説明する。図40
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。容量結合したTFT型液晶パネル1
4Nの信号線9及び走査線12の両端を同時駆動するも
のである。
【0255】本実施形態14は、超大型液晶パネルの駆
動に適する。また、駆動能力不足の駆動回路を用いる必
要がある場合、一例として、液晶パネルの画像表示領域
外に駆動回路を形成(ポリシリコンTFTを用いた液晶
パネル等)するか配置した(チップオングラス等の実装
技術により)液晶パネルに最適である。図42に液晶パ
ネル14Nの駆動端子構成図を示す。
【0256】すでに説明した信号線両端同時駆動と走査
線両端同時駆動に関する結果と効果はそのまま適用でき
る。即ち、信号線を2N・rs/πの抵抗と、2N・cs
/πの容量のコンデンサからなる直列回路で表し、走査
線をM・r/πの抵抗と、M・c/πの容量のコンデン
サからなる直列回路で表すことができる。
【0257】(実施の形態15)次に本発明の実施の形
態15における液晶表示装置について説明する。図41
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。容量結合しないTFT型液晶パネル
14Pの信号線9及び走査線12の両端を同時駆動する
ものである。このような構成においても、実施の形態1
4と同様の効果が得られる。
【0258】(実施の形態16)次に本発明の実施の形
態16における液晶表示装置について説明する。図43
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。容量結合したTFT型液晶パネル1
4Qの信号線9の両端と走査線を2分割した左側の走査
線と右側の走査線を同時駆動するものである。本実施形
態16は超大型液晶表示装置に適するが、表示画面を2
画面として別々の情報を表示する場合にも有効である。
容量結合しないTFT型液晶パネル、単純マトリクス型
液晶パネル、液晶パネルの画像領域外に信号線と走査線
の駆動回路を形成するかあるいは配置した液晶パネルに
ついても同様に適用でき同等の効果がある。図44に液
晶パネル14Qの駆動端子構成図を示す。
【0259】すでに説明した信号線両端同時駆動と走査
線両端同時駆動に関する結果と効果はそのまま適用でき
る。即ち、信号線を2N・rs/πの抵抗と、2N・cs
/πの容量のコンデンサからなる直列回路で表し、走査
線をM・r/πの抵抗と、M・c/πの容量のコンデン
サからなる直列回路で表すことができる。
【0260】(実施の形態17)次に本発明の実施の形
態17における液晶表示装置について説明する。図45
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図であり、
図1に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用い
て説明を省略する。信号線と走査線を夫々2分割した容
量結合したTFT型液晶パネル14Rを両端同時駆動す
るものである。本実施形態17は超大型液晶表示装置に
適するが、表示画面を4画面として別々の情報を表示す
る場合にも有効である。容量結合しないTFT型液晶パ
ネル、単純マトリクス型液晶パネル、液晶パネルの周辺
に駆動回路を形成したあるいは配置した液晶パネルにつ
いても同様に適用でき同等の効果がある。図46に液晶
パネル14Rの駆動端子構成図を示す。
【0261】すでに説明した信号線両端同時駆動と走査
線両端同時駆動に関する結果と効果はそのまま適用でき
る。即ち、信号線を2N・rs/πの抵抗と、2N・cs
/πの容量のコンデンサからなる直列回路で表し、走査
線をM・r/πの抵抗と、M・c/πの容量のコンデン
サからなる直列回路で表すことができる。
【0262】(実施の形態18)次に本発明の実施の形
態18における液晶表示装置について説明する。図47
は本実施の形態における液晶表示装置の構成図で、図1
に示す液晶表示装置と同一部分は同一の符号を用いて説
明を省略する。走査線を2分割し左側の走査線12と右
側の走査線12aとした液晶パネル14Sの左側及び右
側の走査線を同時駆動し、信号線9を片端駆動するもの
である。本実施形態18は横に長いワイド画面である大
型表示装置において、画面を2分割して独立した情報を
表示する場合に適する。
【0263】本実施形態18においても、すでに説明し
た信号線片端駆動と走査線両端同時駆動に関する結果と
効果はそのまま適用できる。即ち、信号線を4N・rs
/πの抵抗と、4N・cs/πの容量のコンデンサから
なる直列回路で表し、走査線をM・r/πの抵抗と、M
・c/πの容量のコンデンサからなる直列回路で表すこ
とができる。
【0264】図47の液晶パネル14Sは容量結合した
TFT型であるが、容量結合しないTFT型、液晶パネ
ルの画像表示領域外に駆動回路を形成したあるいは配置
した液晶パネルについても同様の効果が得られる。図4
8に液晶パネル14Sの駆動端子構成図を示す。
【0265】また、信号線駆動端子の形成を図48の液
晶パネル14Sとは上下に対して反対の位置にし、下側
の信号線駆動回路による片端駆動でも同様の効果が得ら
れる。
【0266】なお、以上の実施形態、図面の中で、走査
線駆動回路、信号線駆動回路を液晶表示パネルの外部に
設ける構成を一例として挙げているが、液晶表示パネル
上の画像表示領域外の部分にCOG(Chip On Glass)
で形成してもよく、液晶パネルと重なる領域であっても
画像表示領域外であればTAB(Tape Automated Bondi
ng)などで配置しても良い。
【0267】最後に、図面に用いた符号について若干の
説明を加えておく。信号線駆動回路の符号は15、16
として全画面において同じ符号を用いて表わしている。
しかし、実際にはTFT型液晶パネルとSTN型液晶パ
ネルでは信号線駆動回路の構成は異なるので図1の信号
線駆動回路と図16の信号線駆動回路とは、細部の仕様
において異なるものではあるが、説明の便宜上、信号線
を駆動する機能が同じものである点に鑑み、信号線駆動
回路の符号を全画面で統一して用いている。駆動電源回
路についても同様に、走査線あるいは信号線駆動回路に
駆動電圧を供給するという機能は全図面の駆動電源回路
について同じものである点に鑑み、19という符号を全
図面について用いた。走査線駆動回路、制御回路の符号
も同様の考え方に基づいて符号を付している。
【0268】さらに、図面の走査線および信号線駆動回
路、駆動電源回路、制御回路等は現時点で量産され、各
回路の構成や動作原理は既知であるため、本願発明の説
明に必要とする箇所(例えば、駆動回路の出力回路を構
成するアナログスイッチ等)以外は説明を省略した。
【0269】また、液晶パネルの等価回路、TFT液晶
の等価回路においては、設計上、あるいは理論上明確に
数値的に取り扱うことのできるパラメータのみを含めた
(例えば、配線抵抗、TFTの電極間の容量、液晶容
量、信号線と走査線との交点の容量等)。これらのパラ
メータを用いた計算値と実験値がよく一致していること
を示した。
【0270】しかし、走査線あるいは信号線の駆動端と
駆動回路を結ぶ配線をすれば、配線抵抗や寄生容量が生
じるように、本発明で表わされないパラメータは存在す
るが、それは省略した。このような配線抵抗や寄生容量
は数値的に小さく無視しても誤差が少ないこと、さら
に、必要に応じて後から本発明の数式を用いて補正した
計算ができること等による。
【0271】
【発明の効果】以上のように本発明にかかる液晶表示装
置によれば、液晶パネルの走査線あるいは信号線を両端
同時駆動することにより、走査線あるいは信号線の駆動
電流を片端駆動と同一にしても、液晶パネルの各画素に
印加される走査線駆動電圧あるいは信号線駆動電圧の遅
延時間を、片端駆動に比べて小さくすることができる。
このため対角線長が大きく、水平方向並びに垂直方向に
画素数の多い大型液晶表示装置においても、輝度ムラを
少なくすることができる。また、液晶パネルの走査線あ
るいは信号線を両端同時駆動するに必要な2つの走査線
駆動回路あるいは信号線駆動回路は、同一のパターンの
ICを用いることができ、同時駆動に関わるコスト増加
を招くことがない。
【0272】また、本発明にかかる液晶表示装置によれ
ば、両端駆動、分割駆動、片端駆動される走査線および
信号線を梯子型集中分布定数回路で表わして各画素の走
査線方向の輝度分布あるいは信号線方向の輝度分布を正
確に予測し、輝度むらが所定値以内に収まる範囲とな
る、走査線駆動回路及び信号線駆動回路の駆動電圧、駆
動電流、出力抵抗、TFT型液晶パネルのスレッショル
ド電圧、走査線駆動端と終端の実効電圧の比、信号線駆
動端と終端の実効電圧比を持つ液晶表示装置とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における液晶表示装置の
構成図である。
【図2】実施の形態1における液晶パネルの等価回路図
である。
【図3】実施の形態1の液晶表示装置において、走査線
両端同時駆動法での出力波形とそのタイミング図であ
る。
【図4】走査線両端同時駆動における液晶パネルの走査
線の分布定数回路図である。
【図5】液晶パネルの走査線の駆動電圧において、過渡
応答を解析するための分布定数回路図である。
【図6】液晶パネルの走査線の分布定数回路を集中定数
回路で置換した回路図である。
【図7】信号線を上下に2分割した液晶パネルの全体構
成図である。
【図8】走査線両端駆動端子有し、信号線駆動端子を上
端に配置した液晶パネルの全体構成図である。
【図9】走査線両端駆動端子有し、信号線駆動端子を下
端に配置した液晶パネルの全体構成図である。
【図10】17インチ液晶パネルの走査線駆動電圧の過
渡応答を示す説明図である。
【図11】12.1インチ液晶表示装置の片端駆動での
横方向輝度差を示す説明図である。
【図12】17インチ液晶表示装置の横方向輝度差を示
す説明図である。
【図13】20、24.4インチの液晶表示装置の横方
向輝度差を示す説明図である。
【図14】本発明の実施の形態2における液晶表示装置
の構成図である。
【図15】本発明の実施の形態3における液晶表示装置
の構成図である。
【図16】本発明の実施の形態4における液晶表示装置
の構成図である。
【図17】実施の形態4のTFT液晶パネルにおける画
素の構成図である。
【図18】実施の形態4における走査線の駆動電圧波形
とタイミング図である。
【図19】実施の形態4において、対向電極電圧と信号
線駆動電圧との関係を示す説明図である。
【図20】実施の形態4の液晶パネルの等価回路図であ
る。
【図21】実施の形態4での走査線駆動における分布定
数回路図である。
【図22】TFTのゲート電圧対ドレイン電流の特性図
である。
【図23】走査線駆動電圧におけるTFTのスイッチン
グ特性の説明図である。
【図24】本発明の実施の形態5における画素の構成図
である。
【図25】本発明の実施の形態6における画素の構成図
である。
【図26】実施の形態6のTFT液晶パネルにおける画
素の構成図である。
【図27】実施の形態6のにおける走査線の駆動電圧波
形とタイミング図である。
【図28】実施の形態7における液晶表示装置の構成図
である。
【図29】実施の形態8における液晶表示装置の構成図
である。
【図30】信号線駆動電圧と動作基準電圧の波形を示す
図である。
【図31】信号線駆動電流を求めるときの信号線の等価
回路である。
【図32】信号線駆動電圧波形の一例を示す図である。
【図33】実施の形態9における液晶表示装置の構成図
である。
【図34】実施の形態10における液晶表示装置の構成
図である。
【図35】実施の形態11における液晶表示装置の構成
図である。
【図36】実施の形態12における液晶表示装置の構成
図である。
【図37】実施の形態13における液晶表示装置の構成
図である。
【図38】信号線の両端に駆動端子を有し、走査線の左
端に駆動端子を有する液晶パネルである。
【図39】信号線の両端に駆動端子を有し、走査線の右
端に駆動端子を有する液晶パネルである。
【図40】実施の形態14における液晶表示装置の構成
図である。
【図41】実施の形態15における液晶表示装置の構成
図である。
【図42】走査線及び信号線の両端に駆動端子を有する
液晶パネルの構成図である。
【図43】実施の形態16における液晶表示装置の構成
図である。
【図44】左及び右側の走査線と信号線の両端に駆動端
子を有する液晶パネルの構成図である。
【図45】実施の形態17における液晶表示装置の構成
図である。
【図46】左及び右側の走査線と上及び下側の信号線に
駆動端子を有する液晶パネルの構成図である。
【図47】実施の形態18における液晶表示装置の構成
図である。
【図48】左及び右側の走査線に駆動端子を有する液晶
パネルの構成図である。
【図49】従来例の液晶表示装置の構成図である。
【図50】従来例の液晶表示装置における画素の駆動波
形図である。
【図51】従来例の液晶表示装置における走査線駆動の
等価回路図である。
【符号の説明】
9 信号線 10 上側の信号線 11 下側の信号線 12 走査線 12a右側の走査線 12b左側の走査線 13 画素 14,14A,14B,14C,14D,14E,14
F,14G,14H,14I,14J,14K,14
L,14M,14N,14P,14Q,14R,14S
液晶パネル 15 上側の信号線駆動回路 16 下側の信号線駆動回路 17 走査線駆動回路 17A 走査線左駆動回路 17B 走査線右駆動回路 18 制御回路 19,19B 駆動電源回路 21a,21b 走査線駆動端子 22 信号線駆動端子 23 対向電極 23a 端子 r 走査線の配線抵抗 rs 信号線の配線抵抗 rc 対向電極の配線抵抗 2N 走査線数 M 信号線数 c 画素容量 Y1〜YM 信号線のアドレス X1〜X2N 走査線のアドレス TH 水平走査時間 TV 垂直走査時間 V 走査線駆動電圧の振幅 VM 動作基準電圧 VH、VL 信号線駆動電圧 Ro 走査線駆動回路の出力抵抗 P TFT型液晶パネルの画素 C TFT型液晶パネルの画素容量 TFT 薄膜トランジスタ Com 対向電極 Vcom 対向電極の電圧 Vref 動作基準電圧 Vref1 動作基準電圧 Vref2 動作基準電圧 Cst 結合容量 Cls TFT型液晶パネルの画素の液晶容量 Cgd ゲート、ドレイン間容量 Cgs ゲート、ソース間容量 Ccg 対向電極、ゲート間容量 Ccs 対向電極、ソース間容量 Vgon ゲートオン電圧、液晶パネルのオン電圧 Vg+ ゲート+補償電圧 Vg− ゲート−補償電圧 Vgoff ゲートオフ電圧、液晶パネルのオフ電圧 Vth スレッショルド電圧 Tgd ゲート電圧の遅延時間 Vpth 液晶パネルのスレッショルド電圧 Tdp 液晶パネルの遅延時間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−216120(JP,A) 特開 平4−9816(JP,A) 特開 平4−292087(JP,A) 特開 平5−61432(JP,A) 特開 平2−168228(JP,A) 特開 平5−264966(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G02F 1/133 G09G 3/36

Claims (43)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の信号線と複数の走査線とをマトリ
    ックス状に配置し、前記信号線と前記走査線の各交点を
    画素とし、前記各画素の液晶セルに対応した前記走査線
    と前記信号線に電圧を印加して前記液晶セルの光学的状
    態を変化させる液晶パネルと、 水平走査毎に前記複数の信号線の夫々の一端から信号パ
    ルスを印加する第1の信号線駆動回路と前記複数の信号
    線の夫々の他端から信号パルスを印加する第2の信号線
    駆動回路のうちから選ばれる少なくとも一つの信号線駆
    動回路と、 水平走査で選択する走査線の一端から走査パルスを印加
    する第1の走査線駆動回路と前記走査線の他端から走査
    パルスを印加する第2の走査線駆動回路のうちから選ば
    れる少なくとも一つの走査線駆動回路と入力画像信号に
    基づいて、前記選ばれた走査線駆動回路から印加された
    走査パルスと同期して、前記選ばれた信号線駆動回路か
    ら印加された信号パルスの発生を指示する制御回路とを
    備え、 前記走査線駆動回路および信号線駆動回路のうち少なく
    とも一方は前記第1および第2の2つの駆動回路が選ば
    れ、両端駆動であり、 走査線が両端駆動である場合は、前記両端駆動に用いる
    走査線駆動回路の出力抵抗を、同一の液晶パネルにおい
    て走査線の片端駆動とする場合に用いる走査線駆動回路
    の出力抵抗の1/2以下とし、 信号線が両端駆動である場合は、前記両端駆動に用いる
    信号線駆動回路の出力抵抗を、同一の液晶パネルにおい
    て信号線を片端駆動とする場合に用いる信号線駆動回路
    の出力抵抗の1/2以下とすることを特徴とする液晶表
    示装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の信号線駆動回路および第2の
    信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆動回路が選ば
    れ、夫々の信号線の一端から信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、夫々の走査線の両端から走査パルスが印
    加される請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の夫々の信号線が、上側の第1
    の信号線と下側の第2の信号線に分割された信号線であ
    り、 前記第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路
    のうち、第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の信号線駆動回路から前記第1
    の信号線の一端に第1の信号パルスが印加され、前記第
    2の信号線駆動回路から前記第2の信号線の一端に第2
    の信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記第1
    の信号線に対応する走査線の一端に第1の走査パルスが
    印加され、前記第1の走査線駆動回路から前記第2の信
    号線に対応する走査線の一端に第2の走査パルスが印加
    され、 前記第2の走査線駆動回路から前記第1の信号線に対応
    する走査線の端に前記第1の走査パルスが印加され、
    前記第2の信号線に対応する走査線の端に前記第2の
    走査パルスが印加される請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  4. 【請求項4】 前記第1の信号線駆動回路および第2の
    信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆動回路および第
    2の信号線駆動回路が選ばれ、夫々の信号線の両端から
    信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路が選ばれ、夫々の走査線
    の一端から走査パルスが印加される請求項1に記載の液
    晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の信号線駆動回路および第2の
    信号線駆動回路のうち、第1の信号線駆動回路および第
    2の信号線駆動回路が選ばれ、夫々の信号線の両端から
    信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、夫々の走査線の両端から走査パルスが印
    加される請求項1に記載の液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の夫々の走査線が、右側の第1
    の走査線と左側の第2の走査線に分割された走査線であ
    り、 前記第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路
    のうち、第1の信号線駆動回路が選ばれ、前記第1の信
    号線駆動回路から前記信号線の一端に信号パル スが印加
    され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記第1
    の走査線の一端に第1の走査パルスが印加され、前記第
    2の走査線駆動回路から前記第2の走査線の一端に第2
    の走査パルスが印加される請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  7. 【請求項7】 前記複数の夫々の走査線が、右側の第1
    の走査線と左側の第2の走査線に分割された走査線であ
    り、 前記第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路
    のうち、第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動
    回路が選ばれ、夫々の信号線の両端から信号パルスが印
    加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記第1
    の走査線の一端に第1の走査パルスが印加され、前記第
    2の走査線駆動回路から前記第2の走査線の一端に第2
    の走査パルスが印加される請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  8. 【請求項8】 前記複数の夫々の信号線が、上側の第1
    の信号線と下側の第2の信号線に分割された信号線であ
    り、前記複数の夫々の走査線が、右側の第1の走査線と
    左側の第2の走査線に分割された走査線であり、 前記第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路
    のうち、第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の信号線駆動回路から前記第1
    の信号線の一端に第1の信号パルスが印加され、前記第
    2の信号線駆動回路から前記第2の信号線の一端に第2
    の信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の走査線駆動回路から前記第1
    の信号線に対応する第1の走査線の一端に第1の走査パ
    ルスが印加され、前記第1の走査線駆動回路から前記第
    2の信号線に対応する第1の走査線の一端に第2の走査
    パルスが印加され、前記第2の走査線駆動回路から前記
    第1の信号線に対応する第2の走査線の一端に第3の走
    査パルスが印加され、前記第2の 走査線駆動回路から前
    記第2の信号線に対応する第2の走査線の一端に第4の
    走査パルスが印加される請求項1に記載の液晶表示装
    置。
  9. 【請求項9】 前記第1及び第2の走査線駆動回路と信
    号線駆動回路は、 前記第1および第2の走査線駆動回路の夫々が制御する
    走査線の数を2Nとし、前記信号線駆動回路が制御する
    信号線の数をMとし、前記走査線の1画素当たりの配線
    抵抗をrとし、前記液晶セルを含めた走査線の1画素当
    たりの画素容量をcとするとき、前記第1及び第2の走
    査線駆動回路から見た夫々の走査線をM/2段の梯子型
    分布定数回路とみなしてM・r/πの抵抗RとM・c/
    πの容量CとからなるRC直列回路であるとし、 前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrsとし、前記
    液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画素容量をc
    sとするとき、前記信号線駆動回路から見た夫々の信号
    線を2N段の梯子型分布定数回路とみなして4N・rs
    /πの抵抗Rと4N・cs/πの容量CとからなるRC
    直列回路であるとして駆動する請求項1、2、または6
    のいずれか1項に記載の液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記第1及び第2の走査線駆動回路と
    前記第1及び第2の信号線駆動回路は、 前記第1および第2の走査線駆動回路の夫々が制御する
    走査線の数を2Nとし、前記第1および第2の信号線駆
    動回路の夫々が制御する信号線の数をMとし、前記走査
    線の1画素当たりの配線抵抗をrとし、前記液晶セルを
    含めた走査線の1画素当たりの画素容量をcとすると
    き、前記第1及び第2の走査線駆動回路から見た夫々の
    走査線をM/2段の梯子型分布定数回路とみなしてM・
    r/πの抵抗RとM・c/πの容量CとからなるRC直
    列回路であるとし、 前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrsとし、前記
    液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画素容量をc
    sとするとき、前記第1及び第2の信号線駆動回路から
    見た夫々の信号線をN段の梯子型分布定数回路とみなし
    て2N・rs/πの抵抗Rと2N・cs/πの容量Cとか
    らなるRC直列回路であるとして駆動する請求項1、
    3、5、7、または8のいずれか1項に記載の液晶表示
    装置。
  11. 【請求項11】 前記走査線駆動回路と前記第1及び第
    2の信号線駆動回路は、 前記走査線駆動回路が制御する走査線の数を2Nとし、
    前記第1および第2の信号線駆動回路の夫々が制御する
    信号線の数をMとし、前記走査線の1画素当たりの配線
    抵抗をrとし、前記液晶セルを含めた走査線の1画素当
    たりの画素容量をcとし、前記走査線駆動回路から見た
    夫々の走査線をM段の梯子型分布定数回路とみなして2
    M・r/πの抵抗Rと2M・c/πの容量Cとからなる
    RC直列回路であるとし、 前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrsとし、前記
    液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画素容量をc
    sとし、前記第1および第2の信号線駆動回路から見た
    夫々の信号線をN段の梯子型分布定数回路とみなして2
    N・rs/πの抵抗Rと2N・cs/πの容量Cとからな
    るRC直列回路であるとして駆動する請求項1または4
    記載の液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 前記複数の夫々の信号線が、上側の第
    1の信号線と下側の第2の信号線に分割された信号線で
    あり、 前記第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動回路
    のうち、第1の信号線駆動回路および第2の信号線駆動
    回路が選ばれ、前記第1の信号線駆動回路から前記第1
    の信号線の一端に第1の信号パルスが印加され、前記第
    2の信号線駆動回路から前記第2の信号線の一端に第2
    の信号パルスが印加され、 前記第1の走査線駆動回路および第2の走査線駆動回路
    のうち、第1の走査線駆動回路が選ばれ、前記第1の走
    査線駆動回路から前記第1の信号線に対応する走査線の
    一端に第1の走査パルスが印加され、前記第1の走査線
    駆動回路から前記第2の信号線に対応する走査線の一端
    に第2の走査パルスが印加され、 前記走査線駆動回路と前記第1及び第2の信号線駆動回
    路は、 前記走査線駆動回路が制御する走査線の数を2Nとし、
    前記第1および第2の信号線駆動回路の夫々が制御する
    信号線の数をMとし、前記走査線の1画素当たりの配線
    抵抗をrとし、前記液晶セルを含めた走査線の1画素当
    たりの画素容量をcとし、前記走査線駆動回路から見た
    夫々の走査線をM段の梯子型分布定数回路とみなして2
    M・r/πの抵抗Rと2M・c/πの容量Cとからなる
    RC直列回路であるとし、 前記信号線の1画素当たりの配線抵抗をrsとし、前記
    液晶セルを含めた信号線の1画素当たりの画素容量をc
    sとし、前記第1および第2の信号線駆動回路から見た
    夫々の信号線をN段の梯子型分布定数回路とみなして2
    N・rs/πの抵抗Rと2N・cs/πの容量Cとからな
    るRC直列回路であるとして駆動する請求項1に記載の
    液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 前記走査線の駆動端からX番目の信号
    線と交差する点に位置する画素に印加される前記走査パ
    ルスの電圧Vgw(x,t)は、前記走査線の駆動端での
    前記走査パルスの電圧は、時間t=0でVgnからVgn+1
    に変わるものとし、そのときの動作基準電圧をVrefと
    し、前記第1及び第2の走査線駆動回路の出力抵抗をR
    gwとし、x=M/2とすれば、 【数1】 Vgw(x,t) =(Vgn−Vgn+1)exp{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgw)} +Vgn+1−Vref とする請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 前記信号線の駆動端からy番目の走査
    線と交差する点に位置する画素に印加される前記信号パ
    ルスの電圧Vsw(y,t)は、前記信号パルスの幅をT
    H、前記信号パルスの電位がVHのときの動作基準電圧
    をVref1とし、前記信号パルスの電位がVLのときの動
    作基準電圧をVref2とし、前記第1及び第2の信号線駆
    動回路の出力抵抗をRswとし、y=Nとすれば、 t=0でVHに切り替わる場合には、 【数2】 Vsw(y,t) =(VH−Vref1) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rsw)}] とし、 t=0でVLに切り替わる場合には、 【数3】 Vsw(y,t) =(VL−Vref2) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rsw)}] とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  15. 【請求項15】 前記走査線の駆動端からX番目の信号
    線と交差する点に位置する画素に印加される前記走査パ
    ルスの電圧Vgs(x,t)は、前記走査線の駆動端での
    前記走査パルスの電圧は、時間t=0でVgnからVgn+1
    に変わるものとし、そのときの動作基準電圧をVrefと
    し、前記走査線駆動回路の出力抵抗をRgsとし、x=M
    とすれば、 【数4】 Vgs(x,t) =(Vgn−Vgn+1)exp{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgs)} +Vgn+1−Vref とする請求項11〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  16. 【請求項16】 前記の信号線の駆動端からy番目の走
    査線と交差する点に位置する画素に印加される前記信号
    パルスの電圧Vss(y,t)は、前記信号パルスの幅を
    TH、前記信号パルスの電位がVHのときの動作基準電
    圧をVref1とし、前記信号パルスの電位がVLのときの
    動作基準電圧をVref2とし、前記信号線駆動回路の出力
    抵抗をRssとし、y=2Nとすれば、 t=0でVHに切り替わる場合には、 【数5】 Vss(y,t) =(VH−Vref1) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rss)}] とし、 t=0でVLに切り替わる場合には、 【数6】 Vss(y,t) =(VL−Vref2) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rss)}] とする請求項に記載の液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記走査線の駆動端からX番目の信号
    線と交差する点に位置する画素に印加される前記走査パ
    ルスの電圧Vgs(x,t)は、前記走査線の駆動端での
    前記走査パルスの電圧は、時間t=0でVgnからVgn+1
    に変わるものとし、そのときの動作基準電圧をVrefと
    し、前記走査線駆動回路の出力抵抗をRgsとし、x=M
    とすれば、 【数7】 Vgs(x,t) =(Vgn−Vgn+1)exp{−π2・t/(4r・c・x2+2π・c・x・Rgs)} +Vgn+1−Vref とし、 前記信号線の駆動端からy番目の走査線と交差する点に
    位置する画素に印加される前記信号パルスの電圧Vsw
    (y,t)は、前記信号パルスの幅をTH、前記信号パ
    ルスの電位がVHのときの動作基準電圧をVref1とし、
    前記信号パルスの電位がVLのときの動作基準電圧をV
    ref2とし、前記第1及び第2の信号線駆動回路の出力抵
    抗をRswとし、y=Nとすれば、 t=0でVHに切り替わる場合には、 【数8】 Vsw(y,t) =(VH−Vref1) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rsw)}] とし、 t=0でVLに切り替わる場合には、 【数9】 Vsw(y,t) =(VL−Vref2) ×[1−2exp{−π2・t/(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rsw)}] とする請求項11または12に記載の液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 前記第1及び第2の走査線駆動回路の
    出力抵抗Rgwは、 前記走査パルスのパルス幅をTHとし、前記M/2段の
    梯子型分布定数回路と見た走査線の終端の画素の実効電
    圧と駆動端の画素の実効電圧との比をγ1とすれば、 【数13】 Rgw≦{1−(γ1)2}・{π・TH/(1.5M・c)}・{(a2+N−1)/a2} −M・r/π である請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 前記第1及び第2の走査線駆動回路の
    出力抵抗Rgwは、 走査線の駆動端での液晶パネルのオン電圧をVgon、液
    晶パネルのオフ電圧をVgoff、液晶パネルの遅延時間を
    Tdpwとし、動作基準電圧をVrefとし、液晶パネルの
    スレッショルド電圧Vpthwとすれば、 【数14】 Rgw≦−π・Tdpw/{2M・c・ln(βw)}−M・r/π ここで、βw=(Vpthw−Vgon+Vref)/(Vgoff−Vgon) である請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 前記走査線駆動回路の出力抵抗Rgs
    は、前記走査パルスのパルス幅をTHとし、前記M段の
    梯子型分布定数回路と見た走査線の終端の画素の実効電
    圧と駆動端の画素の実効電圧との比をγ2とすれば、 【数15】 Rgs≦{1−(γ2)2}・{π・TH/(3M・c)}・{(a2+N−1)/a2} −2M・r/π である請求項11〜12に記載の液晶表示装置。
  21. 【請求項21】 前記走査線駆動回路の出力抵抗Rgs
    は、走査線の駆動端での液晶パネルのオン電圧をVgo
    n、液晶パネルのオフ電圧をVgoff、液晶パネルの遅延
    時間をTdpsとし、動作基準電圧をVrefとし、液晶パネ
    ルのスレッショルド電圧Vpthsとすれば、 【数16】 Rgs≦−π・Tdps/{2M・c・ln(βs)}−2M・r/π ここで、βs=(Vpths−Vgon+Vref)/(Vgoff−Vgon) である請求項11〜12に記載の液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 前記第1及び第2の信号線駆動回路の
    出力抵抗Rswは、前記信号パルスの幅をTHとし、前記
    N段の梯子型分布定数回路と見た信号線の終端の画素の
    実効電圧と駆動端の画素の実効電圧の比をγ1sとすれ
    ば、 【数17】 Rsw≦{1−(γ1s)2}・{π・TH/(4N・cs)}・{(a2+N−1)/N} −2N・rs/π である請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  23. 【請求項23】 前記第1及び第2の信号線駆動回路の
    出力抵抗Rswは、前記信号パルスの幅をTHとし、前記
    N段の梯子型分布定数回路と見た信号線の終端の画素の
    実効電圧と駆動端の画素の実効電圧の比をγ1sとすれ
    ば、 【数18】 Rsw≦−π・TH/[2N・cs・ln{(1−γ1s)/2}]−2N・rs/π である請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  24. 【請求項24】 前記信号線駆動回路の出力抵抗Rss
    は、前記信号パルスの幅をTHとし、前記2N段の梯子
    型分布定数回路と見た信号線の終端の画素の実効電圧と
    駆動端の画素の実効電圧の比をγ2sとすれば、 【数19】 Rss≦{1−(γ2s)2}・{π・TH/(8N・cs)}・{(a2+N−1)/N} −4N・rs/π である請求項に記載の液晶表示装置。
  25. 【請求項25】 前記信号線駆動回路の出力抵抗Rss
    は、前記信号パルスの幅をTHとし、前記2N段の梯子
    型分布定数回路と見た信号線の終端の画素の実効電圧と
    駆動端の画素の実効電圧の比をγ2sとすれば、 【数20】 Rss≦−π・TH/[4N・cs・ln{(1−γ2s)/2}]−4N・rs/π である請求項に記載の液晶表示装置。
  26. 【請求項26】 前記走査パルスのパルス幅をTHと
    し、その繰り返し周期TVを2N・THとし、前記第1
    及び第2の走査線駆動回路は、選択した走査線に対して
    前記周期TV毎にピーク電位がV(+)である正極性の走
    査パルスとピーク電位がV(-)である負極性の走査パル
    スとを交互に印加するものとし、非選択の走査線に対し
    て動作基準電圧Vrefを印加するものであり、信号線に
    は前記V(+)印加時にはVLが、前記V(-)印加時にはV
    Hが印加されるものとすれば、前記第1及び第2の前記
    走査線駆動回路の夫々の走査線駆動電流Igwは、 V(+)印加時については、 【数21】 Igw(+) = 2N・M・c(V(+)−VL)/(π・TV) とし、 V(-)印加時については、 【数22】 Igw(-) = 2N・M・c(V(-)−VH)/(π・TV) である請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  27. 【請求項27】 前記走査パルスのパルス幅をTHと
    し、その繰り返し周期TVを2N・THとし、前記走査
    線駆動回路は、選択した走査線に対して前記周期TV毎
    にピーク電位がV(+)である正極性の走査パルスとピー
    ク電位がV(-)である負極性の走査パルスとを交互に印
    加するものとし、非選択の走査線に対して動作基準電圧
    Vrefを印加するものであり、信号線には前記V(+)印加
    時にはVLが、前記V(-)印加時にはVHが印加される
    ものとすれば、前記走査線駆動回路の走査線駆動電流I
    gsは、 V(+)印加時については、 【数23】 Igs(+) = 4N・M・c(V(+)−VL)/(π・TV) とし、 V(-)印加時については、 【数24】 Igs(-) = 4N・M・c(V(-)−VH)/(π・TV) とする請求項11または12に記載の液晶表示装置。
  28. 【請求項28】 前記走査パルスのパルス幅をTHと
    し、その繰り返し周期TVを2N・THとし、選択した
    走査線に対して前記周期TV毎に前記走査線駆動電圧V
    gonを印加し、電位がVg(+)である高電位の補償電圧と
    電位がVg(-)である低電位の補償電圧とを交互に印加
    し、非選択の走査線に対してVgoffを印加するものとす
    れば、前記第1及び第2の走査線駆動回路の夫々の走査
    線駆動電流Igwは、 Vgon印加時については 【数25】 Igw(g) = 2N・M・c(Vgon−Vgoff)/(π・TV) とし、 Vg(+)印加時については 【数26】 Igw(+) = N・M・c(Vg(+)−Vgoff)/(π・TV) とし、 Vg(-)印加時については 【数27】 Igw(-) = N・M・c(Vg(-)−Vgoff)/(π・T
    V) とする請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  29. 【請求項29】 前記走査パルスのパルス幅をTHと
    し、その繰り返し周期TVを2N・THとし、選択した走
    査線に対して前記周期TV毎に前記走査線駆動電圧Vgo
    nを印加し、電位がVg(+)である高電位の補償電圧と電
    位がVg(-)である低電位の補償電圧とを交互に印加し、
    非選択の走査線に対してVgoffを印加するものとすれ
    ば、前記走査線駆動回路の走査線駆動電流Igsは、 Vgon印加時については 【数28】 Igs(g) = 4N・M・c(Vgon−Vgoff)/(π・TV) とし、 Vg(+)印加時については 【数29】 Igs(+) = 2N・M・c(Vg(+)−Vgoff)/(π・TV) とし、 Vg(-)印加時については 【数30】 Igs(-) = 2N・M・c(Vg(-)−Vgoff)/(π・TV) とする請求項11または12に記載の液晶表示装置。
  30. 【請求項30】 前記信号パルスの幅をTHとし、前記
    信号パルスの電位がVHのときの動作基準電圧をVref1
    とし、前記信号パルスの電位がVLのときの動作基準電
    圧をVref2とし、前記走査パルスの繰り返し周期TVを
    2N・THとすれば、前記第1及び第2の前記信号線駆
    動回路は、信号線に対して前記信号パルスのパルス幅T
    H毎に、信号線駆動電圧VH、VLを交互に印加し、前
    記第1及び第2の前記信号線駆動回路の夫々の信号線駆
    動電流Iswは、VHの印加時については、 【数31】 Isw(+)=8(VH−Vref1)N2・M・cs/(π・TV) とし、 VLの印加時については、 【数32】 Isw(-)=8(VL−Vref2)N2・M・cs/(π・TV) とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  31. 【請求項31】 前記信号パルスの幅をTHとし、前記
    信号パルスの電位がVHのときの動作基準電圧をVref1
    とし、前記信号パルスの電位がVLのときの動作基準電
    圧をVref2とし、前記走査パルスの繰り返し周期TVを
    2N・THとすれば、前記信号線駆動回路は、信号線に
    対して前記信号パルスのパルス幅TH毎に、信号線駆動
    電圧VH、VLを交互に印加し、前記信号線駆動回路の
    信号線駆動電流Issは、 VHの印加時については、 【数33】 Iss(+)=16(VH−Vref1)N2・M・cs/(π・TV) とし、 VLの印加時については、 【数34】 Iss(-)=16(VL−Vref2)N2・M・cs/(π・TV) とする請求項9に記載の液晶表示装置。
  32. 【請求項32】 前記各走査線の駆動端子を液晶パネル
    の画像表示領域外に設けた請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の液晶表示装置。
  33. 【請求項33】 前記各信号線の駆動端子を液晶パネル
    の画像表示領域外に設けた請求項1〜8のいずれか1項
    に記載の液晶表示装置。
  34. 【請求項34】 前記走査線駆動回路を液晶パネル上の
    画像表示領域外の部分に設けた請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の液晶表示装置。
  35. 【請求項35】 前記信号線駆動回路を液晶パネル上の
    画像表示領域外の部分に設けた請求項1〜8のいずれか
    1項に記載の液晶表示装置。
  36. 【請求項36】 前記走査線の駆動端からX番目の画素
    の実効電圧と、前記走査線の駆動端の画素の実効電圧と
    の比γgw(x)は、x=M/2とすれば、 【数35】 γgw(x)=[1−1.5(4r・c・x2+2π・c・x・Rgw)/(π2・TH) ×a2/(a2+N−1)]1/2 とする請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  37. 【請求項37】 前記走査線の駆動端からX番目の画素
    の実効電圧と前記走査線の駆動端の画素の実効電圧との
    比γgs(x)は、x=Mとすれば、 【数36】 γgs(x)=[1−1.5(4r・c・x2+2π・c・x・Rgs)/(π2・TH) ×a2/(a2+N−1)]1/2 とする請求項11または12に記載の液晶表示装置。
  38. 【請求項38】 前記信号線の駆動端からy番目の画素
    の実効電圧と前記信号線の駆動端の画素の実効電圧との
    比γsw(y)は、y=Nとすれば、 【数37】 γsw(y)=[1−2(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rsw)/(π2・TH) ×N/(a2+N−1)]1/2 とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  39. 【請求項39】 前記信号線の駆動端からy番目の画素
    の実効電圧と、前記信号線の駆動端の画素の実効電圧と
    の比γsw(y)は、y=Nとすれば、 【数38】 γsw(y)=[1−2exp{−π2・TH/(4y2・rs・cs+2π・y・cs・Rsw)}] とする請求項10〜12のいずれか1項に記載の液晶表
    示装置。
  40. 【請求項40】 前記信号線の駆動端からy番目の終端
    の画素の実効電圧と、前記信号線の駆動端の画素の実効
    電圧との比γss(y)は、y=2Nとすれば、 【数39】 γss(y)=[1−2(4rs・cs・y2+2π・cs・y・Rss)/(π2・TH) ×N/(a2+N−1)]1/2 とする請求項に記載の液晶表示装置。
  41. 【請求項41】 前記信号線の駆動端からy番目の終端
    の画素の実効電圧と、前記信号線の駆動端の画素の実効
    電圧との比γss(y)は、y=2Nとすれば、 【数40】 γss(y)=[1−2exp{−π2・TH/(4y2・rs・cs+2π・y・cs・Rss)}] とする請求項に記載の液晶表示装置。
  42. 【請求項42】 前記液晶パネルがTFT液晶パネルで
    あって、前記TFT液晶パネルの走査線終端に位置する
    TFTのスレッショルド電圧Vpthwは、液晶パネルの遅
    延時間をTdpwとし、前記液晶パネルのTFTのゲート
    端子に印加されるオン電圧とオフ電圧を夫々Vgon及び
    Vgoffとし、前記走査線の駆動端における前記走査パル
    スが時間t=0でVgoffからVgonに変わるものとし、
    そのときの動作基準電圧をVrefとすれば、 【数41】 Vpthw =(Vgoff−Vgon)exp{−π2・Tdpw/(4x2・r・c+2πx・c・Rgw)} +Vgon−Vref とする請求項9または10に記載の液晶表示装置。
  43. 【請求項43】 前記液晶パネルがTFT液晶パネルで
    あって、前記TFT液晶パネルの走査線終端に位置する
    TFTのスレッショルド電圧Vpthsは、液晶パネルの遅
    延時間をTdpsとし、前記液晶パネルのTFTのゲート
    端子に印加されるオン電圧とオフ電圧を夫々Vgon及び
    Vgoffとし、前記走査線の駆動端における前記走査パル
    スが時間t=0でVgoffからVgonに変わるものとし、
    そのときの動作基準電圧をVrefとすれば、 【数42】 Vpths =(Vgoff−Vgon)exp{−π2・Tdps/(4x2・r・c+2πx・c・Rgs)} +Vgon−Vref とする請求項11または12に記載の液晶表示装置。
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