JP2950577B2 - BiCMOS半導体集積回路の製造方法 - Google Patents

BiCMOS半導体集積回路の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、高速で動作する縦型のPNPバイポーラト
ランジスタを含むBi CMOS半導体集積回路の製造方法に
関するものである。
(従来の技術) 従来のこの種の半導体集積回路装置の製造方法に関し
ては、例えば、特公平1−38378号公報に開示されたも
のがあり、第4図により従来の半導体集積回路装置の製
造方法について説明する。
まず、第4図(a)に示すように、P型シリコン基板
100(以下、単に基板という)のNPNバイポーラトランジ
スタ形成予定領域101には、N型シート抵抗50Ω/
第1埋め込み層105を形成する。
また、縦型(以下、Vと略称する)PNPバイポーラト
ランジスタ形成予定領域102には、P型埋め込み層分離
のための第1埋め込み層105と、その内側には、P型シ
ート抵抗350Ω/の第2埋め込み層106を形成する。
さらに、Pch MOSトランジスタ形成予定領域103にも、
第1埋め込み層105およびNch MOSトランジスタ形成領域
104には、第2埋め込み層106を形成し、かつNPNバイポ
ーラトランジスタ形成予定領域101とPNPバイポーラトラ
ンジスタ形成予定領域102の素子分離のための第1分離
層107を第2埋め込み層106と同時に、周知のホトリソ技
術と、イオンインプランテーションとアニール技術で形
成する。
次に、第4図(b)に示すように、上記基板100の表
面に、周知のエピタキシャル技術を用いて、N型不純物
濃度1.5E16個/cm3のエピタキシャル膜108を2〜4μm
生成する。
次に、第4図(c)に示すように、素子分離のための
第2分離層109とNch MOSトランジスタを形成するP領域
110を同時に表面濃度2E16個/cm3、拡散の深さ1〜2μ
mで、エピタキシャル膜108に形成し、あらかじめ埋め
込まれた第1分離層107と第2分離層109、P領域110と
第2埋め込み層111をそれぞれ連続させる。
これにより、第1埋め込み層107はアンチモンで形成
しており、また、第2埋め込み層109はボロンで形成し
ているため、V−PNPバイポーラトランジスタ形成予定
領域102においては、第2埋め込み層106は第1埋め込み
層105より多くエピタキシャル膜108に上方拡散する。
この結果、基板100より分離したV−PNPバイポーラト
ランジスタ用のコレクタとして機能するP型埋め込み層
112が第1埋め込み層105上に形成できる。
さらに、上記のように、第2分離層109、P領域110、
第2埋め込み層111を形成した半導体基体をLOCOS法でLO
COS酸化膜113を第4図(d)に示すように7000Å程度の
厚さに形成する。
次いで、NPNバイポーラトランジスタのコレクタ取り
出し層114はN型不純物の拡散によって形成する。
また、V−PNPトランジスタのコレクタ取り出し層115
はP型不純物の拡散によって、P型埋め込み層112に到
達させて形成する。
その後、NPNトランジスタのベース層116を表面濃度5E
17個/cm3、拡散の深さ0.6μmで形成する。
次に、第4図(e)に示すように、上記の半導体基体
に周知のMOSゲート形成技術により、ゲート酸化膜117お
よびポリシリコンゲート118を形成する。
次いで、NPNバイポーラトランジスタのエミッタ層119
とV−PNPバイポーラトランジスタのベース取り出し層1
20と、Nch MOSトランジスタのソース・ドレイン121を砒
素インプラテーションにより形成する。
また、NPNバイポーラトランジスタのベース取り出し
層122とV−PNPバイポーラトランジスタのエミッタ層12
3と、Pch MOSトランジスタのソース・ドレイン層124はB
F2イオンインプラテーションにより形成する。
しかる後に、それぞれの素子の配線接続のためのコン
タクトホールの開口、アルミ電極の形成の各工程を経
て、Bi CMOS構造が形成されるが、この技術は周知の技
術であり、ここでは詳しい説明は省略する。
次に、第4図(f)および第4図(g)により、従来
の半導体集積回路装置の製造方法の別の例について説明
する。
まず、第4図(f)において、上記第4図(a)の基
板100の表面にN型不純物濃度1.5E15ions/cm2のエピタ
キシャル膜108を2〜4μm形成する。
その後、素子分離のための第2分離層109とNch MOSト
ランジスタを形成するP領域110を同時に表面濃度2E16
個/cm3、拡散の深さ1〜2μmで形成し、あらかじめ
埋め込まれた第1分離層107と第2分離層109、P領域11
0と第2埋め込み層111をそれぞれ連続させる。
これにより、第4図(c)と同様に、V−PNPバイポ
ーラトランジスタ形成予定領域102においては、基板100
より分離したV−PNPバイポーラトランジスタ用のコレ
クタとして機能するP型埋め込み層112が第1埋め込み
層105上に形成できる。
また、P領域110と同時に、Pch MOSトランジスタを形
成するN領域125とV−PNPトランジスタ形成予定領域10
2にも表面濃度5E16個/cm3、拡散の深さ1〜2μmでN
領域125をP型埋め込み層112に到達するように形成す
る。
次に、第4図(g)に示すように、第4図(d)と同
様に、LOCOS酸化膜113とNPNバイポーラトランジスタの
コレクタ取り出し層114、NPNバイポーラトランジスタの
ベース層116を形成する。
その後、第4図(e)と同様に、ゲート酸化膜117お
よびポリシリコンゲート118、NPNバイポーラトランジス
タのエミッタ層119、V−PNPバイポーラトランジスタの
ベース取り出し層120、Nch MOSトランジスタのソース・
ドレイン121、NPNバイポーラトランジスタのベース取り
出し層122、V−PNPバイポーラのエミッタ層123、Pch M
OSトランジスタのソース・ドレイン124をそれぞれ形成
する。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、上記第4図(a)〜第4図(e)で示
す製造方法で製造された半導体装置では、第5図に示す
ように、V−PNPバイポーラトランジスタのベース層が
均一濃度のNエピタキシャル膜であるため、第6図に示
すように、高周波特性、すなわち、fTは200MHz程度とな
ってしまい、他のBi CMOS素子とスピードを比較する
と、1/10以下であった。
このような従来のエピタキシャルベースPNPバイポー
ラトランジスタにおいては、ベース領域が均一濃度のエ
ピタキシャル膜により形成されているため、エミッタ領
域からベース領域に注入される少数キャリアは加速電界
を受けない。
したがって、拡散ベースPNPバイポーラトランジスタ
と比較して、fT対Ic特性が劣るという欠点があった。こ
れは次の(1)式により知られている。
1/2πfT=τe+τb+τx+τc …(1) この(1)式において、一般に、第2項τb(ベース
時定数)が一番大きいと云われ、これは τb=WB 2/nDB …(2) で表わされる。
この(2)式において、 WBはベース幅、 nはベース内少数キャリア分布に依存する定数、 DBはベース内少数キャリアの拡散定数、 である。
エピタキシャルPNPバイポーラトランジスタは通常、
均一ベーストランジスタであるため、拡散勾配に起因す
る加速電界を受けず、拡散ベーストランジスタに比較し
て、τbが大となり、fTが小となる。
また、第4図(f)および第4図(g)で示した製造
方法においては、V−PNPバイポーラトランジスタは拡
散で形成したN領域に形成でき、fTは向上するが、エピ
タキシャル膜生成において、N型不純物濃度1.5E5個/c
m3という低濃度の膜が必要となる。
これはN領域125の表面濃度がMOS特性より15E16個/c
m3に決定されており、それより十分低い濃度が工程マー
ジン上要求されるわけである。
ところが、V−PNPバイポーラトランジスタを含むBi
CMOSの場合、P型の第2埋め込み層111のボロン表面濃
度は高く、かつウエーハ上面積も大きい。
そこで、ウエーハ自身からのオートドーピング現象に
より、エピタキシャル膜生成ではN型比抵抗値の制御は
困難であり、しばしばP型エピタキシャル膜を生成する
程度であった。
このように、V−PNPバイポーラトランジスタの高周
波特性と、エピタキシャル膜生成においては、トレード
オフの関係にあり、技術的に満足できるものは得られな
かった。
この発明は前記従来技術が持っている問題点のうち、
V−PNPバイポーラトランジスタの高周波特性とエピタ
キシャル膜生成がトレードオフとなる点について解決し
たBi CMOS半導体集積回路の製造方法を提供するもので
ある。
(課題を解決するための手段) この発明は前記問題点を解決するために、Bi CMOS半
導体集積回路の製造方法において、半導体基板にPch MO
SトランジスタのP型のチャネル部分の表面濃度以下の
エピタキシャル膜を生成する工程と、半導体基板のPNP
バイポーラトランジスタ形成領域とPch MOSトランジス
タ形成領域のそれぞれのN型埋め込み層より1回り大き
い領域にエピタキシャル膜のP型不純物濃度より大きい
濃度のN型不純物の拡散によりN型埋め込み層と連続し
たN領域を形成するとともに、このN領域内にPNPバイ
ポーラトランジスタおよびPch MOSトランジスタを形成
する工程とを導入したものである。
(作用) この発明によれば、Bi CMOS半導体集積回路の製造方
法において、以上のような工程を導入したので、P型エ
ピタキシャル膜によりV−PNPバイポーラトランジスタ
を含むBi CMOSにて生じるボロンによるオートドープ現
象を抑制するとともに、N領域内にPNPバイポーラトラ
ンジスタとPch MOSトランジスタが形成されることか
ら、N型ベース層に加速電界のための不純物の濃度勾配
の形成を可能にし、高周波特性を改善するように作用
し、したがって、前記問題点が除去できる。
(実施例) 以下、この発明のBi CMOS半導体集積回路の製造方法
の実施例について図面に基づき説明する。第1図(a)
ないし第1図(e)はその一実施例を説明するための工
程断面図である。
この第1図(a)ないし第1図(e)において、第4
図(a)ないし第4図(g)と同一部分には同一符号を
付して述べる。
まず、第1図(a)に示すように、P型シリコン基板
100(この実施例においても、以下、単に基板という)
のNPNバイポーラトランジスタ形成予定領域101には、N
型シート抵抗50Ω/の第1埋め込み層105を周知のホ
トリソ技術とイオンインプランテーションとアニール技
術により形成する。
また、V−PNPバイポーラトランジスタ形成予定領域1
02には、P型埋め込み層分離のための第1埋め込み層10
5とその内側にP型シート抵抗350Ω/の第2埋め込み
層106を周知のホトリソ技術およびイオンインプランテ
ーションとアニール技術により形成する。
さらに、Pch MOSトランジスタ形成領域103にも第1埋
め込み層105を形成するとともに、Nch MOSトランジスタ
形成予定領域104には、第2埋め込み層106を同時に、周
知のホトリソ技術とイオンインプランテーションおよび
アニール技術で形成する。
次に、第1図(b)に示すように、基板100の表面に
周知のエピタキシャル技術を用いて、P型不純物濃度1.
5E15個/cm3のエピタキシャル膜10を2〜4μm生成す
る。
次に、第1図(c)に示すように、Pch MOSトランジ
スタを形成するN領域11とNPNバイポーラトランジスタ
を形成するN領域12およびV−PNPバイポーラトランジ
スタを形成するN領域13をV−PNPバイポーラトランジ
スタ形成予定領域102の第1埋め込み層105より1回り大
きく、同時に表面濃度5E16個/cm3、拡散の深さ1〜2
μmで形成する。
かくして、各N領域11,12,13はあらかじめ埋め込まれ
た第1の埋め込み層14と連続する。
Pch MOSトランジスタの第1埋め込み層14とNPNバイポ
ーラトランジスタの第1埋め込み層14はそれぞれ上記第
1埋め込み層105に相当し、V−PNPバイポーラトランジ
スタの第1埋め込み層14は上記第1埋め込み層105と第
2埋め込み層106とに相当する。
上述のようにして、各N領域11〜13と第1埋め込み層
14と連続することにより、第1埋め込み層105はアンチ
モンで形成し、第2埋め込み層槽106はボロンで形成し
ているため、V−PNPバイポーラトランジスタ形成予定
領域102においては、ぢ2埋め込み層106は第1埋め込み
層105より多くエピタキシャル膜10に上方拡散する。
これにともない、基板100より分離したV−PNPバイポ
ーラトランジスタ用のコレクタとして機能するP型埋め
込み層112が第1埋め込み層14上に形成できる。
次に、第1図(d)に示すように、上述のように形成
された半導体基体をLOCOS法でLOCOS酸化膜113を7000Å
程度の厚さに形成する。
次いで、NPNバイポーラトランジスタのコレクタ取り
出し層114をN型不純物拡散によって形成する。
また、V−PNPバイポーラトランジスタのコレクタ取
り出し層115はV−PNPバイポーラトランジスタを形成す
るN領域13の内側にP型不純物の拡散によって、P型埋
め込み層112に到達させて形成する。
その後、NPNバイポーラトランジスタのベース層116を
表面濃度5E17個/cm3、拡散の深さ0.6μmで形成する。
次に、第1図(d)のように形成した半導体基体に、
周知のMOSゲート形成技術により、ゲート酸化膜117およ
びポリシリコンゲート118を形成する。
次いで、NPNバイポーラトランジスタのエミッタ119と
V−PNPバイポーラトランジスタのベース取り出し層120
およびNch MOSトランジスタのソース・ドレイン121は砒
素インプランテーションにより形成する。
また、NPNバイポーラトランジスタのベース取り出し
層122とV−PNPバイポーラトランジスタのエミッタ層12
3およびPch MOSトランジスタのソース・ドレイン124はB
F2イオンインプランテーションにより形成する。
しかる後に、それぞれの素子の配線接続のためのコン
タクトホールの開口、アルミ電極の形成の工程を経て、
Bi CMOS構造が形成されるが、この技術は周知の技術で
あり、ここでの詳述は省略する。
このように、第1図の実施例では、第1埋め込み層10
5と第2埋め込み層106の形成後に、P型エピタキシャル
膜10を生成するから、V−PNPトランジスタを含むBi CM
OSにおいて、特に起き易いオートドープ現象を十分制御
できるようになる。
また、N領域13にV−PNPトランジスタの形成が可能
となるから、第2図に示すV−PNPトランジスタの濃度
プロファイルからも明らかなように、N型のベース取り
出し層120に加速電界を目的とする不純物濃度勾配を設
けることができる。
したがって、工程数を増加することなく、第3図のV
−PNPバイポーラトランジスタのfT対Ic特性に示すよう
に、高周波特性において、fTは500MHz程度となり、高周
波特性が改善されることになる。
(発明の効果) 以上詳細に説明したように、この発明によれば、第1
埋め込み層と第2埋め込み層の形成後にP型エピタキシ
ャル膜を生成するようにしたので、V−PNPバイポーラ
トランジスタを含むBi CMOSにおけるボロンによるオー
トドープ現象は十分制御できるようになる。
これにともない、N領域内のV−PNPバイポーラトラ
ンジスタの形成が可能となり、N型のベース取り出し層
に加速電界を得るための不純物の濃度勾配を設けること
でき、高周波特性の改善されたV−PNPバイポーラトラ
ンジスタが得られることになる。
また、素子分離において、アクティブ領域のN領域は
N型層の拡散を用いているため、分離領域にP型の埋め
込み層を形成する必要がなくなり、より一層エピタキシ
ャル膜の生成時にオートドープ現象が少なくなる利点が
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)ないし第1図(e)はこの発明のBi CMOS
半導体集積回路の製造方法の一実施例の工程断面図、第
2図は同上実施例で得られるV−PNPバイポーラトラン
ジスタの濃度プロファイル、第3図は同上V−PNPバイ
ポーラトランジスタのfr対Ic特性図、第4図(a)ない
し第4図(e)は従来の半導体集積回路装置の製造方法
の一例の工程断面図、第4図(f)および第4図(g)
は従来の半導体集積回路装置の製造方法の別の例の工程
断面図、第5図は従来の製造方法で得られるV−PNPバ
イポーラトランジスタの濃度プロファイル、第6図は従
来の製造方法で得られるV−PNPバイポーラトランジス
タのfr対Ic特性図である。 10…エピタキシャル層、11〜13…N領域、14,105…第1
埋め込み層、100…基板、101…NPNバイポーラトランジ
スタ形成予定領域、102…V−PNPバイポーラトランジス
タ形成予定領域、103…Pch MOSトランジスタ形成予定領
域、104…Nch MOSトランジスタ形成予定領域、106…第
2埋め込み層、114,115…コレクタ取り出し層、116…ベ
ース層、117…ゲート酸化膜、118…ポリシリコンゲー
ト、119,123…エミッタ層、120,122…ベース取り出し
層、121,124…ソース・ドレイン。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)半導体基板上に、PNPトランジスタ
    のコレクタ分離領域と、Pch MOSトランジスタ形成領域
    下のN型の埋め込み層を同時に形成する工程と、 (b)上記半導体基板に、上記分離領域より1回り小さ
    く形成した上記PNPトランジスタのコレクタ形成領域とN
    ch MOSトランジスタ形成領域下のP型埋め込み層を同時
    に形成する工程と、 (c)上記半導体基板に、Pch MOSトランジスタのチャ
    ネル部分の表面濃度以下のP型のエピタキシャル膜を生
    成して半導体基体を形成する工程と、 (d)上記半導体基体に、上記PNPトランジスタ形成領
    域とPch MOSトランジスタ形成領域のそれぞれのN型埋
    め込み層より1回り大きい領域に上記エピタキシャル膜
    のP型不純物濃度より大きい濃度のN型不純物の拡散に
    より上記埋め込み層と連続したN領域を形成する工程
    と、 (e)上記それぞれのN領域内にPNPトランジスタとPch
    MOSトランジスタを形成する工程と、 (f)上記半導体基体の上記P型埋め込み層上の上記エ
    ピタキシャル膜にNch MOSトランジスタを形成する工程
    と、 よりなるBi CMOS半導体集積回路の製造方法。
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