JP2949204B2 - Vベルト式無段変速機 - Google Patents

Vベルト式無段変速機

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JP2949204B2 JP15727689A JP15727689A JP2949204B2 JP 2949204 B2 JP2949204 B2 JP 2949204B2 JP 15727689 A JP15727689 A JP 15727689A JP 15727689 A JP15727689 A JP 15727689A JP 2949204 B2 JP2949204 B2 JP 2949204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、自動二輪車等に用いられるVベルト式無
段変速機、特に、カムプレートから可動シーブに小さな
力で動力を伝達することができるVベルト式無段変速機
に関する。
【従来の技術】
従来の自動二輪車等には変速比を無段階に変化させる
ことができるVベルト式無段変速機を備えたものであ
る。このVベルト式無段変速機は、エンジンのクランク
軸等の回転軸に固定シーブを固定すると共に、回転軸に
遊合した可動シーブと回転軸に固定したカムプレートと
をスライダを介して摺動可能に係合させて動力の伝達を
行い、可動シーブとカムプレートとの間に配置したウェ
イトローラの回転軸の径方向への移動で、回転速度に応
じて可動シーブを回転軸方向へ移動させ、可動シーブの
円錐面と固定シーブの円錐面との間で挟持したVベルト
の固定シーブ及び可動シーブに対する巻掛径を変化さ
せ、変速比を無段階に変化させるようになっている。 そして、回転軸に固定したカムプレートから回転軸に
摺動自在に取付けた可動シーブへ動力を伝達する装置と
しては、例えば、(1)可動シーブのカムプレート側に
形成された筒状の外周壁部の内周面に、複数の凸条部
を、前記内周面から回転軸の中心に向けて突出させかつ
周方向に等しい間隔をおいて設け、カムプレートの外周
縁部に複数の凹部を各凸条部に対応させて設け、カムプ
レートの前記凹部を可動シーブの前記凸条部に嵌合させ
て、カムプレートから可動シーブへ動力を伝達しながら
可動シーブが回転軸方向に摺動できるようになっている
装置(例えば、特回昭59−62770号公報参照)がある。
【発明が解決しようとする課題】
上記(1)の装置の可動シーブの凸条部及びカムプレ
ートの凹部は、可動シーブのカムプレート側に形成され
た筒状の外周壁部の内周面よりも内側に位置させるよう
になっており、また、可動シーブとカムプレートとの間
に介装するウェイトローラも前記外周壁部の内周面より
も内側に位置させるようになっている。 そして、可動シーブの凸条部のカムプレートの凹部と
の係合部が、可動シーブの外周壁部の内周面よりも内側
に位置させるようになっているため、回転軸の中心軸線
を中心にしてカムプレートが回転して、カムプレートか
ら可動シーブへ動力を伝達する前記係合部の回転半径が
前記外周壁部の内側面と回転軸の中心との間の距離(半
径)よりも小さくなっており、動力の伝達に大きな力が
必要になり、可動シーブを回転軸方向へ移動させるスラ
イダの摺動抵抗が大きくなってしまう。そのめ、可動シ
ーブが回転軸方向へ俊敏に移動しなかったり、円滑に移
動しない場合があり、これらがスムーズな変速の妨げに
なったり、加速時の応答性が十分でない等の一つの原因
になっている。 また、可動シーブを移動させるウェイトローラの配置
部と、動力を伝達する凸条部及び凹部の配設部とが前記
外周壁部の内周面の内側の同じ空間内に位置することに
なるため、可動シーブとカムプレートとの間におけるウ
ェイトローラの配置部が限定され、ウェイトローラを等
間隔に配置することが困難で、ウェイトローラによる可
動シーブの押動が不均一になる。さらに、上述したカム
プレートの凹部、可動シーブの凸条部及びウェイトロー
ラの配置では、カムプレートの凹部と可動シーブの凸条
部との係合部の面圧が大きくなるだけでなく、ウェイト
ローラの幅を広くすることができないため、ウェイトロ
ーラの可動シーブ及びカムプレートとの接触部の面圧が
大きくなって、これらの係合部及び接触部が摩耗する等
の不具合が生じる。 この発明の解決しようとする課題は、上記の欠点を有
しないVベルト式無段変速機を提供すること、換言する
と、スムーズな変速特性が得られ、加速応答性が向上
し、可動シーブ、カムプレート、ウェイトローラ等の構
成部品の耐久性が向上するVベルト式無段変速機を提供
することにある。
【課題を解決するための手段】
この発明のVベルト式無段変速機は、回転軸に固定シ
ーブを固定するとともに、回転軸にその軸方向に摺動自
在に設けた可動シーブと回転軸に固定したカムプレート
とを係合させて動力の伝達を行い得るようにし、可動シ
ーブとカムプレートとの間に配置したウェイトローラの
回転軸の径方向への移動で、可動シーブを回転軸方向へ
移動させ、可動シーブの円錐面と固定シーブの円錐面と
の間で挟持したVベルトの巻掛径を変化させるVベルト
式無段変速機において、可動シーブの外周縁にカムプレ
ート側へ突出させて円筒状の外周壁部が形成され、可動
シーブの外周壁部に周方向に間隔をおいて複数の凹溝が
形成され、各凹溝は回転軸の径方向に外周壁部を貫きか
つ外周壁部の端面に開口しており、前記カムプレートの
外周縁部の前記の各凹溝に対応する部分に凸部が前記外
周縁部から径方向の外方へ突出させてそれぞれ形成さ
れ、カムプレートの各凸部が可動シーブの外周壁部の各
凹溝に嵌合され、この嵌合を維持したまま可動シーブの
回転軸方向への摺動が許容されるようにされ、カムプレ
ートから可動シーブへの動力の伝達が、各凹溝の外周壁
部の外周面とその内周面との間において行われるように
なっていることを特徴とするものである。
【作用】
この発明のVベルト式無段変速機は、可動シーブの外
周縁にカムプレート側へへ突出させて円筒状の外周壁部
が形成され、可動シーブの外周壁部に周方向に間隔をお
いて複数の凹溝が形成され、各凹溝は回転軸の径方向に
外周壁部を貫きかつ外周壁部の端面に開口しており、前
記カムプレートの外周縁部の前記の各凹溝に対応する部
分に凸部が前記外周縁部から径方向の外方へ突出させて
それぞれ形成され、カムプレートの各凸部が可動シーブ
の外周壁部の各凹溝に嵌合され、この嵌合を維持したま
ま可動シーブの回転軸方向への摺動が許容されるように
され、カムプレートから可動シーブへの動力の伝達が、
各凹溝の外周壁部の外周面とその内周面との間において
行われるようにようになっているから、回転軸の中心と
前記係合部との間の距離、すなわち、回転半径が大きく
なる。このため、係合部に作用する力を小さくして所望
の動力の伝達を行なうことができ、係合部での摺動抵抗
が小さくなり、ウェイトローラによって、可動シーブを
迅速かつスムーズに回転軸方向へ移動させることができ
る。
【実施例】
この発明の一実施例を添付図面に基づいて詳細に説明
する。 第1図に示すように、エンジン1の一方の側にパワー
ユニットケース2が連結されている。パワーユニットケ
ース2には、ピストン3により駆動されるクランク軸4
と、後輪5を懸架する車軸6が回動可能に軸支されてい
る。クランク軸4のギヤ7とエンジン1に設けられたカ
ムシャフト8とがカムチェーン9を介して連結され、エ
ンジン1の吸排気バルブを開閉する。クランク軸4の一
方の端部には発電機10が設けられ、また、他方の端部に
は始動用ワンウエイクラッチ11が設けられている。この
始動用ワンウエイクラッチ11はリングギヤ12を介してス
タータモータのギヤ13に連結されている。スタータモー
タでリングギヤ12を駆動し、始動用ワンウエイクラッチ
11を介してクランク軸4を強制的に回転させて、エンジ
ン1を起動させる。 エンジン1の駆動力は、クランク軸からVベルト式無
段変速機Aに伝達され、このVベルト式無段変速機Aで
変速されて、遠心クラッチBを介して被動車軸14へ伝達
され、さらに連結軸15から車軸6へギヤ機構を介して伝
達される。 Vベルト式無段変速機の駆動側Cが第2図〜第11図に
示され、第2図に示す駆動側Cの部分の上半分が高速状
態を示し、その下半分が低速状態を示している。 クランク軸4のスプライン部4aには、支持筒21及び固
定シーブ22の順に挿着してナット23で締付固定され、こ
れらがクランク軸4と一体に回転するようになってい
る。クランク軸4の端部は、パワーユニットケース2に
取付けられたカバー24にベアリング25を介して回動可能
に支持され、ベアリング25にはグリス溜26からグリスが
供給され、カバー24には冷却風導入口27が形成されてい
る。 固定シーブ22は、盤状で、可動シーブ28側に円錐面22
aが形成され、反可動シーブ28側に冷却用のフイン22bが
複数個一体形成され、回転により空気を冷却風導入口27
から前記ケース2の内部に吸入するようになっている。 クランク軸4に嵌合された支持筒21に可動シーブ28が
すべり部材29を介して遊合されると共に、クランク軸方
向へ移動可能になっている。支持筒21にはグリス溜り30
が設けられ、すべり部材29側へ供給して潤滑し、すべり
部材29の両端部にはオイルシール31が設けられている。 可動シーブ28には、前記固定シーブ22の円錐面22aと
対向させる円錐面28aが形成されており、両円錐面22a,2
8a間にVベルト32を挟持させるようになっている。 この可動シーブ28の外周縁にカムプレート20側へ突出
させて円筒状の外周壁部28bが一体に形成され、この外
周壁部28bの周方向に間隔をおいた4箇所に、それぞれ
凹溝28cが形成されている。各凹溝28cは外周壁部の径方
向に外周壁部を貫きかつ外周壁部28bの端面28b1に開口
させてクランク軸4と平行に形成されている。この凹溝
28cの両側の面にはスライダ嵌合穴28dがクランク軸4と
平行にそれぞれ形成され、各スライダ嵌合穴28dにピン
状のスライダ33が嵌合されている。 環状のスライドキャップ34を、可動シーブ28の外周壁
部28bの端面28b1に当てがい、その取付孔34aに通したビ
ス35を端面28b1のねじ孔にねじ込んで、外周壁部28bに
取付け、各スライダ33が抜けないようにしてある。 スライダ33は、潤滑剤を有する樹脂で形成され、一側
部に軸方向に延びる摺動面33aを有している。そして、
外周壁部28bの各凹溝28cの両側のスライダ嵌合穴28d
に、それぞれスライダ33を各摺動面33aを互いに対面さ
せて嵌合されている。このスライダ33は、スライドキャ
ップ34で、その軸方向の移動が規則されており、スライ
ダ33が軸方向へ移動して摺動面33a以外の部分が摩耗す
ることを防止している。 カムプレート20は円盤形状であり、その中央部にクラ
ンク軸4のスプライン部4aに係合するスプライン孔20a
を有している。カムプレート20は、その半径方向の外方
が可動シーブ28側に屈曲しており、その外周縁部20bの
周方向に間隔をおいた4箇所に凸部20cが形成されてい
る。これらの凸部20cを、可動シーブ28の外周壁部28bの
各凹溝28cに、そのスライダ33の摺動面33aに接するよう
に係合させ、可動シーブ28をカムプレート20と一体回転
可能でかつの回転軸方向へ摺動可能にしている。 カムプレート20から可動シーブ28への動力伝達が、各
凹溝28cの外周壁部28bの外周面28b2とその内周面28b3
の間における、カムプレート20の各凸部20cと可動シー
ブ28の各凹溝28cとのスライダ33を介しての係合部を通
して行われるため、前記係合部とクランク軸4の中心と
の間の距離、すなわち、回転半径が大きくなり、所定の
動力を小さな力で伝達することができる。そのため、ス
ライダ33には比較的小さな力が作用し、その摺動抵抗を
軽減することができる。したがって、可動シーブ28の移
動が円滑になり、スムーズな変速特性が得られる。ま
た、アクセル操作に敏感に反応して変速することがで
き、加速応答性が向上する。 可動シーブ28のカムプレート20側の面から外周壁部28
bの内側面にいたる背面には、凹部28eが8個等間隔に形
成され、また、カムプレート20の前記凹部28eに対向す
る各部分に、傾斜するガイド面部20dが各凹部28eに対向
して等間隔に形成されており、この凹部28eとガイドメ
ン面部20dとの間にはウエイトローラ36が8個等間隔に
設けられている。 ウエイトローラ36は、可動シーブ28とカムプレート20
との係合部が外周壁28bの外周面28b2とその内周面28b3
との間における凹溝28cの両側面に設けられたスライダ3
3の摺動面33aの部分になっているため、外周壁部28bの
内側面の内方に周方向へ等間隔に配置することができ、
各ウエイトローラ36に作用する遠心力で、可動シーブ28
の背面を均等に押動することができる。また、ウエイト
ローラ36の配置スペースの確保が容易になり、ウエイト
ローラ36のローラ幅を広くすることができ、その幅を広
くできる分だけ、ウエイトローラの凹部28e及びガイド
面部20dとの接触部の面圧を減少させることができ、接
触部の摩耗が少なくなり、耐久性が向上する。 カムプレート20のガイド面部20dの間には打抜孔20eが
形成され、これらの打抜孔20eでカムプレート20を軽量
化されると共に、これらの打抜孔20eを通して冷却風を
導き、ウエイトローラ36等を冷却する。 ウエイトローラ36は、クランク軸4の回転による遠心
力で、可動シーブ28の凹部28eとカムプレート20のガイ
ド面部20dにガイドされ、半径方向へ移動して可動シー
ブ28をクランク軸4方向へ移動させ、可動シーブ28及び
固定シーブ22の円錐面22a,28a間の間隔を変化させる。 次に、この実施例の作動を説明する。 クランク軸4が回転すると、クランク軸4に固定され
た固定シーブ22が回転すると共に、クランク軸4にスプ
ライン係合したカムプレート20が回転する。カムプレー
ト20の回転力がその各凸部20cからスライダ33を介して
可動シーブ28の各凹溝28cに伝達され、可動シーブ28が
一体回転する。 低速回転のときにはウエイトローラ36は可動シーブ28
とカムプレート20との間の半径方向の内方に位置してい
るため、第2図の駆動側Cの部分の上半分に示すよう
に、可動シーブ28は固定シーブ22から離れた位置にあ
る。このとき、固定シーブ22と可動シーブ28とによって
形成されるVベルト溝は幅が広く、Vベルト32の接触位
置は半径方向の内方にあり、Vベルトの巻掛径が小さく
なっている。 そして、クランク軸4の回転速度が上昇すると、第2
図の駆動側Cの部分の下半分に示すように、遠心力が増
加してウエイトローラ36は可動シーブ28の凹部28eとカ
ムプレート20のガイド面部20dとを転動して半径方向の
外方に移動する。 これによって、可動シーブ28は、その凹溝28cに設け
たスライダ33がカムプレート20の凸部20cに接触してガ
イドされて摺動し、固定シーブ22へ近づく方向へ移動す
る。このため、固定シーブ22と可動シーブ28との間に形
成されるVベルト溝の幅が狭くなり、それに対するVベ
ルト32の接触位置は半径方向の外方に移動し、ベルト巻
掛径が大きくなり、従って、被動側から車軸6に伝わる
回転速度は高速になる。 他の実施例が第12図〜第14図に示されている。この実
施例では、可動シーブ40がアルミニュムダイキャストで
形成され、その外周壁40Aに凹溝40aが形成されている。
前記凹溝40aは外周壁部40Aの径方向に外周壁部を貫きか
つ外周壁部40Aの端面40A1に開口させてクランク軸と平
行に形成されている。この凹溝40Aの周面に沿ってU字
状にスライダ係合溝40bが形成されている。このU字状
のスライダ係合溝40bにU字状のスライダ41が嵌合され
ている。 カムプレート42はプレス板金で形成され、その外周縁
部を屈曲してリブ42aが形成され、その外周縁部は前記
凹溝40aと対応する部分に凸部42bがカムプレート42の径
方向の外方に向けてそれぞれ形成され、カムプレート42
の各凸部42bがスライダ41のU字状の溝部に係合してい
る。このスライダ41は樹脂で形成され、このスライダ41
にアルミニュムで形成されたカムプレート42の凸部42b
を摺動させ、摺動抵抗を減少させて、可動シーブ40がス
ムーズにウエイトローラ43で移動させられるようにして
いる。 カムプレート42から可動シーブ40への動力伝達は、凹
溝40aのある外周壁部40Aの外周面40A2とその内周面40A3
との間における、カムプレート42の各凸部42bと外周壁
部40Aの凹溝40aのスライダ係合溝40bに嵌合させたスラ
イダ41との係合部を通して行われるため、前記係合部と
クランク軸の中心との間の距離、すなわち、回転半径が
大きくなり、所定の動力を小さな力で伝達することがで
きる。そのため、スライダ41には比較的小さな力が作用
し、その摺動抵抗を軽減することができる。したがっ
て、可動シーブ28の移動が円滑になり、スムーズな変速
特性が得られる。また、アクセル操作に敏感に反応して
変速することができ、加速応答性が向上する。 また、スライダ41はU字状に形成されているころか
ら、カムプレート42の凸部42bで係止され、特別な抜け
止め部材を用いないでも落下することがない。 その他の実施例が第15図〜第17図に示されている。こ
の実施例は、外周壁部の凹溝40aの構成等が第12図〜第1
4図に示された実施例と同じである。 U字状のスライダ44はその外周面の下部に係止リブ44
aを備え、可動シーブ40の外周壁部40Aの凹溝42aの周囲
には、前記係止リブ44aを嵌合するU字状に形成された
スライダ係合溝40bが形成されている。 係止リブ44aを有するU字状のスライダ44は、可動シ
ーブ40の外周壁部40Aの凹溝42aのスライダ係合溝40bに
嵌合している。このスライダ44はカムプレート42の外周
縁部に形成した凸部42bの全面がスライダ44の内側のU
字状の溝面に接触して、摺動するようになっており、接
触面積を増加させることができ、面圧をさらに軽減する
ことができる。 すなわち、カムプレート42から可動シーブ40への動力
伝達は、各凹溝40aのある外周壁部40Aの外周面40A2とそ
の内周面40A3との間における、カムプレート42の各凸部
42bと外周壁部40Aの凹溝40aのスライダ係合溝40bに嵌合
させたスライダ44の内側のU字状の溝面との係合部を通
して行われるため、前記係合部とクランク軸の中心との
間の距離、すなわち、回転半径が大きくなり、所定の動
力を小さな力で伝達することができる。そのため、スラ
イダ41には比較的小さな力が作用し、その摺動抵抗を軽
減することができる。 なお、前記実施例では、可動シーブにスライダを固定
するようにしているが、カムプレートに固定するように
してもよい。例えば、第6図及び第7図に示すカムプレ
ート20の凸部20cにスライダを被せるようにして固定す
ることができる。 第18図にVベルト式無段変速機の従動側Dが示されて
いる。第18図の従動側Dの上半分に高速状態が示され、
その下半分に低速状態が示されている。 被駆動軸14に支持筒50がベアリング51,52を介して回
動可能に設けられ、この支持筒50に固定シーブ53がリベ
ット54で固定されている。支持筒50にはトルクカム筒55
が設けられ、このトルクカム筒55には可動シーブ56がリ
ベット57で固定されている。トルクカム筒55には所定の
角度でカム溝58が形成されており、このカム溝58に支持
筒50に固定したカムピン59が係合している。トルクカム
筒55で変速時には、可動シーブ56が固定シーブ53に対し
て相対的に回動しながら被駆動軸14方向へ移動するよう
になっている。トルクカム筒55にはスプリング60のスプ
リングシート61が設けられている。スプリング60は可動
シーブ56と、遠心式クラッチBのクラッチプレート62と
の間に圧縮して設けられ、可動シーブ56を常に固定シー
ブ53方向へ付勢している。 遠心式クラッチBのクラッチプレート62は支持筒50に
スプライン係合してナット64で締付固定され、固定シー
ブ53と一体に回転する。このクラッチプレート62には一
対のクラッチシュー65が設けられており、遠心力で支持
ピン66を支点として回転して外方へ開き、固定プレート
67に圧接して動力を伝達するようになっている。この固
定プレート67は被駆動軸14にナット68で締付固定されて
おり、所定の回転速度でクラッチが接続され、被駆動軸
14を回転して後輪側に動力を伝達する。 スプリング60の一端部60aはストッパ部63aを有する環
状リング63を介して可動シーブ56に支持され、他端部60
bはクラッチプレート62に直接当接し、かつ段部62aに係
合して支持され、遠心力で外方へ移動することを防止し
ている。 環状リング63は硬いプレス鋼等の摺動部材で構成さ
れ、可動シーブ56が回動しながら被駆動軸方向へ移動す
る際にスプリング60の端部が摺動するようにしている。
これにより、スプリング60の端部60a,60bが、可動シー
ブ56とクラッチプレート62とが相対的に回転すること
で、これらにひっかかることがあり、スプリング60に不
規則なネジリが発生することを防止し、所定の推力を得
るようにし、設定された変速特性を得ることができるよ
うになっている。 また、スプリング60のネジリによる外形の肥大を防止
することができ、この肥大によって他部材との干渉を回
避するためのクリアランスを設ける必要がなくなり、ス
プリング60の径方向のガタを減少させることができる。
また、環状リング63をクラッチプレート62側に設けて、
スプリング60の他端部60b側を支持するようにしてもよ
く、さらにスプリング60の端部60a,60bで支持するよう
にしてもよい。 さらに、環状リング63を円環状としているので、可動
シーブ56或いはクラッチプレート62と環状リング63との
ひっかかりの方向性もない。 第19図にVベルト式無段変速機の従動側Dのさらに他
の実施例が示されている。第19図において第18図と同じ
符号の付いた部分は第18図のそれと同じであるから、そ
れらについての説明を省略する。 この実施例では、可動シーブ56とクラッチプレート62
との間に配置されたスプリング70は、その一端部70aを
可動シーブ56に固定し、他端部70bをクラッチプレート6
2に固定している。従って、可動シーブ56はトルクカム
筒55のカム溝58によって回動しながら軸方向へ移動する
が、スプリング70の両端部70a,70bが固定されているた
め、スプリング70がねじられ、ねじりスプリング機能も
併用するようになっている。このため、可動シーブ56が
固定シーブ53側へ移動するとき、高い推力を発生させる
ことができ、また、トリクカム筒55のカム溝58の角度を
変化させることで、従来の一次直線的な推力特性から内
燃機関の要求に応じた変速特性を得ることができる。 なお、可動シーブ56やクラッチプレート62に凸部を形
成し、この凸部にスプリング70の両端部70a,70bを係合
するようにすると、スプリング70の取付が容易になる。 第20図及び第21図に示すように、スクータの車体80に
はパワーユニット81が懸架され、このパワーユニット81
には後輪82が設けられている。パワーユニット81の前部
にエンジン83が配置され、その動力はクランク軸84から
Vベルト式無段変速機を介して変速され、遠心クラッチ
86を介して被駆動軸87に伝達される。この被駆動軸87か
らギヤ88,89を介して中間軸90へ伝達され、さらにギヤ9
1,92を介してドライブ軸93へ伝達される。ドライブ軸93
のスプロケット94からベルト95によって、後輪の車軸96
のスプロケット97へ伝達し、後輪82を駆動するようにな
っている。ベルト95はゴムベルト、樹脂ベルト、金属ベ
ルト等が用いられる。 このドライブ軸93から車軸96への動力の伝達はベルト
に限定されず、チェーンでもよく、また、ギヤ機構等で
伝達するようにしてもよい。 この実施例では、Vベルト式無段変速機85の駆動側85
aと従動側85bとを接近させて軸間が短縮されており、こ
れによりVベルト85cが短くなっているため、Vベルト8
5cの共振のよる騒音が低減する。また、Vベルト85cの
振れを見込んだケースの外壁との間のクリアランスを小
さくすることができ、装置が小型になる。 さらに、Vベルト式無段変速機85が前部に移動し、重
量物がエンジン側に接近されており、後輪82のバネ下荷
重を軽減させることができる。また、後輪82への動力の
伝達は、ベルト、チェーン等によって行われるため、後
部のケース幅を狭くすることができ、悪路等でケースが
障害物と干渉することがなくなり、さらにコーナリング
でのバンク角の確保が容易である。
【発明の効果】
この発明のVベルト式無段変速機は、回転軸に固定シ
ーブを固定するとともに、回転軸にその軸方向に摺動自
在に設けた可動シーブと回転軸に固定したカムプレート
とを係合させて動力の伝達を行い得るようにし、可動シ
ーブとカムプレートとの間に配置したウェイトローラの
回転軸の径方向への移動で、可動シーブを回転軸方向へ
移動させ、可動シーブの円錐面と固定シーブの円錐面と
の間で挟持したVベルトの巻掛径を変化させるVベルト
式無段変速機において、可動シーブの外周縁にカムプレ
ート側へ突出させて円筒状の外周壁部が形成され、可動
シーブの外周壁部に周方向に間隔をおいて複数の凹溝が
形成され、各凹溝は回転軸の径方向に外周壁部を貫きか
つ外周壁部の端面に開口しており、前記カムプレートの
外周縁部の前記の各凹溝に対応する部分に凸部が前記外
周縁部から径方向の外方へ突出させてそれぞれ形成さ
れ、カムプレートの各凸部が可動シーブの外周壁部の各
凹溝に嵌合され、この嵌合を維持したまま可動シーブの
回転軸方向への摺動が許容されるようにされ、カムプレ
ートから可動シーブへの動力の伝達が、各凹溝の外周壁
部の外周面とその内周面との間において行われるように
なっているから、回転軸の中心と前記係合部との間の距
離、すなわち、回転半径が大きくなり、そのため、係合
部に作用する力を小さくして所望の動力の伝達を行なう
ことができ、係合部での摺動抵抗が小さくなり、ウェイ
トローラによって可動シーブを迅速かつスムーズに回転
軸方向へ移動させることができ、変速特性及び加速特性
を向上させることができる。 (ロ)請求項1に係る発明のVベルト式無段変速機は、
カムプレートから可動シーブへの動力の伝達が、各凹溝
の外周壁部の外周面とその内周面との間において行われ
るようになっているから、カムプレートから可動シーブ
への動力の伝達に必要な部材を、外周壁部の内周面の内
側に設ける必要がなくなり、ウエイトローラ等の配置ス
ペースの確保が容易になり、ウエイトローラを等間隔に
配置することが可能になり、可動シーブを均等に押動さ
せることができる。また、ウエイトローラの幅を広げる
ことが可能になり、前記幅を広げることにより、ウエイ
トローラと可動シーブ、カムプレート等との接触部の面
圧が減少し、ウエイトローラ、可動シーブ、カムプレー
ト等の摩耗を軽減することができ、それらの部材の耐久
性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第11図はこの発明の実施例を示し、第1図は自
動二輪車に用いられるVベルト式無段変速機の配置を示
す概略図、第2図はVベルト式無段変速機の駆動側の断
面図、第3図は可動シーブの正面図、第4図は第3図に
示すものをそのIV−IV線で断面した側面図、第5図は第
3図に示すものをその矢印V方向から見た平面図、第6
図はカムプレートの正面図、第7図は第6図に示すもの
をそのVII−VII線で断面した側面図、第8図はスライダ
の正面図、第9図は第8図に示すものをそのIX−IX線で
断面した側面図、第10図はスライダキャップの正面図、
第11図は第10図に示すものをそのXI−XI線で断面した側
面図、第12図〜第14図はこの発明の他の実施例を示し、
第12図は可動シーブとカムプレートとの係合部を示す平
面図、第13図は係合部の正面図、第14図は第13図に示す
ものをそのXIV−XIV線で断面した側面図、第15図〜第17
図はこの発明のさらに他の実施例を示し、第15図は可動
シーブとカムプレートとの係合部を示す平面図、第16図
は係合部の正面図、第17図は第16図に示すものをそのXV
II−XVII線で断面した側面図、第18図はVベルト式無段
変速機の従動側の断面図、第19図はVベルト式無段変速
機の従動側の他の実施例を示す断面図、第20図はVベル
ト式無段変速機を有するユニット式動力伝達機構を搭載
したスクータの側面図、第21図はユニット式動力伝達機
構の断面図である。 4……クランク軸、20,42……カムプレート 20c,42b……凸部、20d……ガイド面部 20e……打抜孔、22……固定シーブ 28,40……可動シーブ、28b,40A……外周壁部 28c,40a……凹溝、28e……凹部 33,41,44……スライダ、36……ウェイトローラ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転軸に固定シーブを固定するとともに、
    回転軸にその軸方向に摺動自在に設けた可動シーブと回
    転軸に固定したカムプレートとを係合させて動力の伝達
    を行い得るようにし、可動シーブとカムプレートとの間
    に配置したウェイトローラの回転軸の径方向への移動
    で、可動シーブを回転軸方向へ移動させ、可動シーブの
    円錐面と固定シーブの円錐面との間で挟持したVベルト
    の巻掛径を変化させるVベルト式無段変速機において、
    可動シーブの外周縁にカムプレート側へ突出させて円筒
    状の外周壁部が形成され、可動シーブの外周壁部に周方
    向に間隔をおいて複数の凹溝が形成され、各凹溝は回転
    軸の径方向に外周壁部を貫きかつ外周壁部の端面に開口
    しており、前記カムプレートの外周縁部の前記の各凹溝
    に対応する部分に凸部が前記外周縁部から径方向の外方
    へ突出させてそれぞれ形成され、カムプレートの各凸部
    が可動シーブの外周壁部の各凹溝に嵌合され、この嵌合
    を維持したまま可動シーブの回転軸方向への摺動が許容
    されるようにされ、カムプレートから可動シーブへの動
    力の伝達が、各凹溝の外周壁部の外周面とその内周面と
    の間において行われるようになっていることを特徴とす
    るVベルト式無段変速機。
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