JP2947972B2 - Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物 - Google Patents
Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物Info
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- JP2947972B2 JP2947972B2 JP3124695A JP12469591A JP2947972B2 JP 2947972 B2 JP2947972 B2 JP 2947972B2 JP 3124695 A JP3124695 A JP 3124695A JP 12469591 A JP12469591 A JP 12469591A JP 2947972 B2 JP2947972 B2 JP 2947972B2
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- smelting furnace
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- Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)
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- Furnace Housings, Linings, Walls, And Ceilings (AREA)
- Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Al−Li合金溶融精
錬炉用耐火物に関する。
錬炉用耐火物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合金成分としてMg、Si、Cu
等を含む通常のアルミニウム合金を溶融精錬するための
炉用耐火物としては、アルミナ(Al2 O3 )質、アル
ミナーシリカ(Al2 O3 −SiO2 )質、炭化ケイ素
(SiC)質等の焼成定形耐火物や不定形耐火物が使用
されている。しかしながら、これらの耐火物に含まれる
一部の成分は還元され易く、還元力の強いLiのような
活性の高い合金成分を含むAl−Li合金を溶融精錬す
る場合には問題が多い。
等を含む通常のアルミニウム合金を溶融精錬するための
炉用耐火物としては、アルミナ(Al2 O3 )質、アル
ミナーシリカ(Al2 O3 −SiO2 )質、炭化ケイ素
(SiC)質等の焼成定形耐火物や不定形耐火物が使用
されている。しかしながら、これらの耐火物に含まれる
一部の成分は還元され易く、還元力の強いLiのような
活性の高い合金成分を含むAl−Li合金を溶融精錬す
る場合には問題が多い。
【0003】Al−Li合金を溶融精錬する場合、溶融
Al−Li合金が耐火物に与える影響は次のとおりであ
る。まず、Al−Li合金の溶融は不活性雰囲気中で行
われるため、Al+SiO2 →Si+Al2 O3 、Al
+Fe2 O3 →Fe+Al2 O3 、Al+MgO→Mg
+Al2 O3 、SiO2 +Li→Li2 O+Si、Al
2 O3 +Li→LiAlO2 、Fe2 O3 +Li→Li
2 O+Feなどの還元反応が生じ、酸化物系の耐火物が
変質、かつ損傷する。また、これらの反応が起きると合
金中のLi分が減少し、合金中のFe、Si等の不純物
が増加する。一方、非酸化物系の耐火物を使用した場合
には上記の反応が生じることはないが、非酸化物系耐火
物はきわめて高価であり、経済性の点で問題がある。
Al−Li合金が耐火物に与える影響は次のとおりであ
る。まず、Al−Li合金の溶融は不活性雰囲気中で行
われるため、Al+SiO2 →Si+Al2 O3 、Al
+Fe2 O3 →Fe+Al2 O3 、Al+MgO→Mg
+Al2 O3 、SiO2 +Li→Li2 O+Si、Al
2 O3 +Li→LiAlO2 、Fe2 O3 +Li→Li
2 O+Feなどの還元反応が生じ、酸化物系の耐火物が
変質、かつ損傷する。また、これらの反応が起きると合
金中のLi分が減少し、合金中のFe、Si等の不純物
が増加する。一方、非酸化物系の耐火物を使用した場合
には上記の反応が生じることはないが、非酸化物系耐火
物はきわめて高価であり、経済性の点で問題がある。
【0004】Al−Li合金を溶融精錬する場合、合金
中のLi分の減少およびFe、Si等の不純物の混入を
極力抑えることができる耐火物の条件として、溶融金属
に濡れ難い材質とするほかに、(a)還元され難い材質
とする、(b)耐火物の不純物、とくにSiO2 、Fe
2 O3 、TiO2 等を減少させることが必要となる。
中のLi分の減少およびFe、Si等の不純物の混入を
極力抑えることができる耐火物の条件として、溶融金属
に濡れ難い材質とするほかに、(a)還元され難い材質
とする、(b)耐火物の不純物、とくにSiO2 、Fe
2 O3 、TiO2 等を減少させることが必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記Al−L
i合金溶融精錬に好適な耐火物の条件について種々研究
を重ねた結果開発に至ったもので、その目的は合金成分
への影響が小さく溶融Al−Li合金による浸透、変質
の少ないAl−Li合金溶融精錬炉用耐火物を提供する
ことにある。
i合金溶融精錬に好適な耐火物の条件について種々研究
を重ねた結果開発に至ったもので、その目的は合金成分
への影響が小さく溶融Al−Li合金による浸透、変質
の少ないAl−Li合金溶融精錬炉用耐火物を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明によるAl−Li合金溶融精錬炉用耐火物
は、Al2 O3 分85重量%以上を含むアルミナ質耐火
物中に窒素ケイ素を含有していることを構成上の特徴と
する。
めの本発明によるAl−Li合金溶融精錬炉用耐火物
は、Al2 O3 分85重量%以上を含むアルミナ質耐火
物中に窒素ケイ素を含有していることを構成上の特徴と
する。
【0007】表1に溶融Al−Li合金に対する各種耐
火材料についての試験結果を示す。これらは各耐火材料
で作製したルツボに2.45重量%Liを含むAl−L
i合金を入れ、Arガス気流中で850℃×100時間
加熱してAl−Li合金を溶融した後、Li分の減少度
合、不純物の増加度合および耐火物の耐浸透性、耐変質
性を調べたものである。
火材料についての試験結果を示す。これらは各耐火材料
で作製したルツボに2.45重量%Liを含むAl−L
i合金を入れ、Arガス気流中で850℃×100時間
加熱してAl−Li合金を溶融した後、Li分の減少度
合、不純物の増加度合および耐火物の耐浸透性、耐変質
性を調べたものである。
【0008】
【表1】
【0009】表1によれば試験した耐火材料の中でAl
−Li合金に対して最も優れた性状を示すのは窒化ケイ
素であるが、窒化ケイ素は極めて高価な原料であり、工
業的に実用化するには経済的に不利である。価格的に有
利な酸化物系耐火材料を比較すると不純物の少ない高純
度のアルミナ質耐火材料が優れている。本発明は、経済
的要因も考慮した適正な耐火材料としてアルミナと窒化
ケイ素の組合せに着目したものである。
−Li合金に対して最も優れた性状を示すのは窒化ケイ
素であるが、窒化ケイ素は極めて高価な原料であり、工
業的に実用化するには経済的に不利である。価格的に有
利な酸化物系耐火材料を比較すると不純物の少ない高純
度のアルミナ質耐火材料が優れている。本発明は、経済
的要因も考慮した適正な耐火材料としてアルミナと窒化
ケイ素の組合せに着目したものである。
【0010】本発明の第1の性状的要件は、アルミナ質
耐火物中のAl2 O3 分を85重量%以上とすることで
ある。85重量%より少ないと不可避的不純物であるS
iO2 、Fe2 O3 等の比率が高くなるため、溶融Al
−Li合金中のSi量、Fe量が増加し好ましくない。
耐火物中のAl2 O3 分を85重量%以上とすることで
ある。85重量%より少ないと不可避的不純物であるS
iO2 、Fe2 O3 等の比率が高くなるため、溶融Al
−Li合金中のSi量、Fe量が増加し好ましくない。
【0011】本発明の第2の性状的要件は、アルミナ質
耐火物中に窒化ケイ素を含有している構成とすることで
ある。窒化ケイ素の好ましい含有割合は5〜10重量%
であり、5重量%未満ではAl−Li合金中のLiの減
少が大きくなり、溶融Al−Li合金に対する耐変質性
向上の効果も小さい。他方、多量の窒化ケイ素を含有せ
しめると溶融Al−Li合金に対する耐用効果はさらに
向上しLi分の減少も小さくなるが、効果対経済性の点
から10重量%を上限とするのが望ましい。
耐火物中に窒化ケイ素を含有している構成とすることで
ある。窒化ケイ素の好ましい含有割合は5〜10重量%
であり、5重量%未満ではAl−Li合金中のLiの減
少が大きくなり、溶融Al−Li合金に対する耐変質性
向上の効果も小さい。他方、多量の窒化ケイ素を含有せ
しめると溶融Al−Li合金に対する耐用効果はさらに
向上しLi分の減少も小さくなるが、効果対経済性の点
から10重量%を上限とするのが望ましい。
【0012】材料形態としては、Al−Li合金の溶融
精錬が誘導炉で行われることが多く出来るだけ目地の無
い鋳込み法による築造が望まれるから、不定形耐火物で
あることが好ましい。
精錬が誘導炉で行われることが多く出来るだけ目地の無
い鋳込み法による築造が望まれるから、不定形耐火物で
あることが好ましい。
【0013】
【作用】本発明によるAl−Li合金溶融精錬炉用耐火
物は上記の構成機能を有するから、ベースとなるアルミ
ナ質耐火物中に窒化ケイ素(Si3 N4 )が分散してお
り、両者の作用により溶融Al−Li合金に対する耐浸
透性、耐変質性が効果的に向上する。
物は上記の構成機能を有するから、ベースとなるアルミ
ナ質耐火物中に窒化ケイ素(Si3 N4 )が分散してお
り、両者の作用により溶融Al−Li合金に対する耐浸
透性、耐変質性が効果的に向上する。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して説
明する。 実施例1〜4、比較例 Al2 O3 96重量%を含み、不純物としてSiO2を
0.5重量%、Fe2 O3 を0.5重量%、CaOを
1.4重量%それぞれ含有するアルミナ質不定形耐火物
に、5〜20重量%の窒化ケイ素(Si3 N4 98重量
%、SiO2 1重量%、Fe2 O3 0.4 重量%以下、A
l2 O3 0.25重量%以下、CaO0.25重量%以下、Mg
O0.10重量%以下)粉末(粒度150メッシュ以下)を
配合した耐火物でプレキャストルツボを作り、これを5
0KWの小型高周波誘導炉にセットし、2kgのAl−Li
合金(Li含有量2.36重量%)を装入して、Arガ
スを流しながら850℃に3時間加熱保持してAl−L
i合金を溶融した。溶融試験中の雰囲気のO2 濃度は1
0ppm であった。3時間経過後、プレキャスト品の断面
観察とAl−Li合金成分の分析をおこなった。その結
果を表2に示した。
明する。 実施例1〜4、比較例 Al2 O3 96重量%を含み、不純物としてSiO2を
0.5重量%、Fe2 O3 を0.5重量%、CaOを
1.4重量%それぞれ含有するアルミナ質不定形耐火物
に、5〜20重量%の窒化ケイ素(Si3 N4 98重量
%、SiO2 1重量%、Fe2 O3 0.4 重量%以下、A
l2 O3 0.25重量%以下、CaO0.25重量%以下、Mg
O0.10重量%以下)粉末(粒度150メッシュ以下)を
配合した耐火物でプレキャストルツボを作り、これを5
0KWの小型高周波誘導炉にセットし、2kgのAl−Li
合金(Li含有量2.36重量%)を装入して、Arガ
スを流しながら850℃に3時間加熱保持してAl−L
i合金を溶融した。溶融試験中の雰囲気のO2 濃度は1
0ppm であった。3時間経過後、プレキャスト品の断面
観察とAl−Li合金成分の分析をおこなった。その結
果を表2に示した。
【0015】表2に示された結果から、Si3 N4 を配
合した耐火物は溶融試験後の耐火物の変質層厚さも小さ
く、Liの減少も抑えられていることが認められる。
合した耐火物は溶融試験後の耐火物の変質層厚さも小さ
く、Liの減少も抑えられていることが認められる。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】以上のとおり、本発明により提供される
Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物はAl−Li合金の
合金成分への影響が少なく、溶融Al−Li合金に対し
優れた耐浸透性、耐変質性を有するから、炉の安定操業
に有益性をもたらす。
Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物はAl−Li合金の
合金成分への影響が少なく、溶融Al−Li合金に対し
優れた耐浸透性、耐変質性を有するから、炉の安定操業
に有益性をもたらす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大園 智哉 三重県四日市市小古曽東2−2−2 株 式会社アリシウム内 (72)発明者 林 雄一郎 兵庫県高砂市梅井5丁目6−1 旭硝子 株式会社高砂工場内 (56)参考文献 特開 昭56−22675(JP,A) 特開 平2−80378(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C04B 35/101
Claims (3)
- 【請求項1】 Al2 O3 分85重量%以上を含むアル
ミナ質耐火物中に窒化ケイ素を含有していることを特徴
とするAl−Li合金溶融精錬炉用耐火物。 - 【請求項2】 窒化ケイ素をアルミナ質耐火物中に5〜
10重量%含有している請求項1記載のAl−Li合金
溶融精錬炉用耐火物。 - 【請求項3】 アルミナ質耐火物が不定形耐火物である
請求項1又は請求項2記載のAl−Li合金溶融精錬炉
用耐火物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3124695A JP2947972B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3124695A JP2947972B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04325457A JPH04325457A (ja) | 1992-11-13 |
JP2947972B2 true JP2947972B2 (ja) | 1999-09-13 |
Family
ID=14891810
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3124695A Expired - Lifetime JP2947972B2 (ja) | 1991-04-26 | 1991-04-26 | Al−Li合金溶融精錬炉用耐火物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2947972B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US9936541B2 (en) * | 2013-11-23 | 2018-04-03 | Almex USA, Inc. | Alloy melting and holding furnace |
CN114410994B (zh) * | 2021-12-30 | 2023-07-25 | 北京科技大学 | 基于CaO-MgO-Al2O3耐火材料熔炼镍基高温合金的方法 |
-
1991
- 1991-04-26 JP JP3124695A patent/JP2947972B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04325457A (ja) | 1992-11-13 |
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