JP2947878B2 - レザー光線で標識付け及び／又は記載可能な高分子物質からなる成形材料、半製品及び完成部材 - Google Patents

レザー光線で標識付け及び／又は記載可能な高分子物質からなる成形材料、半製品及び完成部材

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、レーザー光線を用いて記載可能であるか又
は記載された高分子物質からなる成形材料、半製品又は
完成部材に関する。
本発明の目的は、他の物性及び使用特性を損うことな
く、レーザー光線を用いて十分コントラストにとんだ記
載をすることができるようにポリマー材料を調節するこ
とのできる方法を提供することである。
〔従来の技術〕
レーザー光線を用いるポリマー材料の記載可能性は、
基本材料のプラスチツクにエネルギー照射の作用で変色
する充填物質を混合することによつて達成されることは
公知である。充填物質費用を低く抑えたい場合には、充
填物質を基本材料のプラスチツクの一部のみ添加混合す
る（西独特許出願公開（DE−OS）第2936926号公報）。
殊に、充填物質としてのカーボンブラツク又はグラフア
イトを0.08〜0.125％の濃度範囲でプラスチツク表面に
導入の後に、レーザー照射によつて黒い土台上のプラス
チツクの自然色でコントラストの良い明るい記載を得る
ことができる。文字の白色度を、顔料が添加され、レー
ザー光線によつて破壊されない螢光増白剤により改良す
ることができる（西独特許（DE−PS）第3044722号明細
書）。
更に、レーザー照射の結果、変色可能な添加物質なし
でも非常に良好な黒色を示す成形部材（芳香族構造を有
するポリマーを含有する熱可塑性プラスチツクからなつ
ている）が公知である。しかしながら種々の型の熱可塑
性プラスチツクは、非常に種々に反応し；方法パラメー
ター及び場合によつては、材料変性においても多大な同
調が必要である。レーザー光線上で最適に調節され、各
々の生成物群に慣用である領域でその光安定性を保持す
る彩色が必要である。より大きな成形部材では、熱可塑
性プラスチツク−型により、加工の際に、制限が生じる
〔クンストストフエ78（1988）、８版（Kunststoffe 78
（1988）、Heft 8）、688〜691頁〕。
ポリカルボネートと芳香族ポリエステル10〜50％との
混合によつて、良好な熱安定性及び耐動力亀裂性を有す
る良好なレーザー記載可能な加工材料が得られる（集徳
子（EP）第0249082号明細書）。
最後に、添加物質の導入によつて良好な記載可能性を
達成する高分子有機物質のレーザー記載方法が公知であ
る（欧州特許（EP）第0190997号明細書）、殊に、着色
をひきおこす添加物質として、市販の顔料及び／又はポ
リマー可溶性の色素を使用する。この添加物質で有色に
調整された加工材料の表面上に有利な周波数を２倍化し
たNd−YAG−レーザー（周波数２倍加による波長532nm）
を用いて十分なコントラストを示す文字を得ることがで
きる。
技術水準によれば、プラスチツクを、良好なレーザー
記載可能な熱可塑性プラスチック−型の選択によるか、
又はレーザー照射の結果着色する添加物質の導入によ
り、レーザー光線で記載できるように調整することがで
きる。両方の方法な屡々、レーザー光線で十分なコント
ラストで記載できる生成物をもたらす。しかしながら、
ついで更に必要な使用技術的加工材料特性は不十分な程
度にみたされるだけである。必要条件の１つがレーザー
記載可能である際の完全な使用側面の変調的構成は、技
術水準によつては実現できない。
この欠点を、情報産業からの例で明らかにする。コン
ピユーター−キーボード用のキヤツプでは、記載された
キーキヤツプのコントラスト比は少なくとも3:1でなく
てはならない。キーボードは、費用の理由からレーザー
装置を用いて記載されるべきである。必要条件“レーザ
ー記載可能性”と共に、キーボード材料は高い耐摩耗性
を有し、かつ特定の色に調節されるべきである。従来
は、材料選択により、材料特性及び色調節が必要条件に
対応しているが、レーザー記載可能性が不十分である
か、又はその材料は良好にレーザー記載可能であるが、
他の材料特性が不満足であるので、このための満足な解
決は知られていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、レーザー光線を用いて、マーク付け及び／
又は記載可能である高分子物質からなる成形材料、半製
品及び完成部材を製造する課題を有する。その際、コン
トラスト比の規制された最少値が得られるべきである。
レーザー記載可能性は、加工材料型及び成形材料の調節
された色に無関係であるべきである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題は、本発明により、成形材料（及びひいては
これより製造された半製品及び完成部材）が、可視スペ
クトル領域（光波長400〜750nm）で無色又は弱い特有色
のみを有し、波長可視領域の外にあるレーザー光線の影
響下で、可視スペクトル領域中で大きな色コントラスト
を有する標識を生じる添加物水0.02〜５％を含有するこ
とにより解決される。この色コントラストは、例えばレ
ーザー光線の作用下で添加物質が有色の生成物に変わる
ことにより生じうる。レーザーとしては、例えば、Nd−
YAG−レーザー（波長1064nm）又はエキシマー−レーザ
ー（波長308nm又は351nm）を使用することができる。
添加物質としては、水酸化銅（II）−ホスフエート
（以下、CHPと略示する）0.02〜4.5質量％又は酸化モリ
ブデン（VI）（MoO3）0.2〜2.5質量％を使用するのが有
利である。無色又は弱く着色された添加物質以外、成形
材料は、彩色的のための別の顔料及び／又は色素を含有
してよい。
CHP（Cu3（PO4）２・Cu（CH）2:燐銅鉱）の製造は、
例えばグメリンズ・ハンドブツク・デア・アンオルガニ
シエン・ヘミー（Gmelins Hand−buch der anorganisch
en Chemie）、第60巻、Ａ部（Teil A）、175頁及びＢ部
（Teil B）、920〜925頁中に記載されている。欧州特許
（EP）第0143933号明細書に応じて製造されたCHPが有利
である。
本発明による成形材料、半製品及び完成部材は次の利
点を有する： −使用添加物質は可視スペクトル領域（400〜750nm）で
は実際に無色である。このような添加物質を含有する成
形材料は、顔料及び／又は色素を用いて任意に着色可能
である。
−添加物質は整形材料、半製品及び完成部材の機械特性
に影響を与えない。
−添加物質は、赤外及び／又は紫外スペクトル領域で大
きな吸収能を有し、従つて赤外及び／又は紫外のレーザ
ー光線に対して敏感である。
−本発明による半製品及び完成部材の記載のために赤外
−レーザー（振動数倍加なし）又は紫外−レーザーが使
用される。
−多数のポリマー加工材料（加工材料型、色調節及び他
の導入された物質に無関係に）は、他の物質特性を保持
して、レーザー光線で記載可能である。
−記載は大きなコントラスト比を有する。コントラスト
をきわだたせるために、如何なる付加的な助剤（例えば
螢光増白剤）も必要とはしない。
−使用添加物質は、全成形材料が添加物質を所定濃度で
含有する時も、ごく僅かの経費が、かかるだけである。
−半製品及び完成部材上にとりつけられた記号は、優れ
た耐光性を有する。
−大きな成形部材の際にも、本発明による成形材料及び
半製品の加工の際に、制限はない。
〔実施例〕
本発明による成形材料、半製品及び完成部材を次の例
で更に説明する。
「部」とは「質量部」である。コントラスト比Ｋは文
献から公知の方法により測定する。明るい土台上の黒い
標識に関して、これを標識光度に対する背景光度の商と
して定義する。例１〜14では、半製品及び完成部材の記
載のために、波長1064nmのNd−YAG−レーザーをパルス
振動数8KHz及びレーザー効率約5Wのパルス操作で使用す
る。記載面での照度は約100J・cm-2である。各々生じた
黒い標識は良好に識別可能であり；その表面状態は、非
露光場所の状態と殆んど異つていない。
例 １ ポリブチレンテレフタレート（PBT）100部及びCHP
１部からなる射出成形板上にコントラストＫ＝7.6で自
然食下地上の黒色文字を生ぜしめる。
例 ２ 付加的に赤色酸化鉄１部を含有する例１と同様の射出
成形板上に、Ｋ＝4.3で、赤色下地上の黒色文字を生ぜ
しめる。
例 ３ 付加的にチタネートイエロー（Titanatgelb）0.5部を
含有する例１と同様の射出成形板上に、黄色下地上の黒
色文字を、Ｋ＝5.8で生ぜしめる。
例 ４ 付加的に二酸化チタン１部を含有する例１と同様の射
出成形板上にＫ＝8.5で、白色下地上の黒色の文字を生
ぜしめる。
例 ５ PBT 100部及びMoO3 1部からなる射出成形板上にＫ＝
3.8で、自然食の下地上の黒色文字を生ぜしめる。
例 ６ ポリエチレン100部及びCHP1.5部からなる射出成形板
上に、Ｋ＝7.5で、自然色の下地上の黒色文字を生ぜし
める。
例 ７ ポリプロピレン100部及びCHP 1.5部からなる射出成
形板上に、Ｋ＝7.2で、自然色の下地上の黒色文字を生
ぜしめる。
例 ８ ポリスチレン100部及びCHP 1.5部からなる射出成形
板上に、Ｋ＝8.1で、自然色の下地上の黒色文字を生ぜ
しめる。
例 ９ ポリアミド6.6 100部及びCHP 1.5部からなる射出成
形板上に、Ｋ＝7.8で、自然色の下地上の黒色文字を生
ぜしめる。
例10 ポリアミド６ 100部及びCHP 1.5部からなる射出成
形板上にＫ＝7.7で、自然食下地上の黒色文字を生ぜし
める。
例11 ポリアミド12 100部及びCHP 1.5部からなる射出成
形板上に、Ｋ＝6.5で、自然色下地上の黒色文字を生ぜ
しめる。
例12 自消性に調整されたPBT 100部及びCHP 1.4部からな
る成形材料より製造されたコンデンサー容器（Kondensa
torbecher）上にＫ＝4.8で、黄−緑色下地上の黒色文字
を生ぜしめる。
例13 PBT 100部、種々の顔料合計0.8部及びCHP 1.7部か
らなる成形材料より製造されたキーキヤツプ上に、Ｋ＝
4.5で、黄灰色下地上の黒色文字を生ぜしめる。
例14 自消性に調節され、ガラス繊維で強化されたPBT 100
部及びCHP 0.4部からなる成形材料より製造された配線
盤（Steckerleisten）上に、Ｋ＝3.9で、ほぼ白色の下
地上の黒色文字を生ぜしめる。
例15及び16では、半製品及び完成部材の記載のため
に、波長351nmのエキシマー−レーザーを使用する。文
字面での照度は、約1J・cm-1である。各々得られた標識
は、良好に識別可能であり；その表面状態は非露光場所
の状態と実質的に異ならない。
例15 PBT 100部、CHP １部及び赤色酸化鉄１部からなる
成形材料より製造されたコンデンサー容器上に、Ｋ＝4.
5で、赤色下地上の黒色文字を生ぜしめる。
例16（参考例） PBT 100部、青色顔料合計0.7部及び二酸化チタン１
部から成る成形材料より製造されたキーキヤツプ上にＫ
＝3.8で、青色下地上の黒色文字を生ぜしめる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−192737（ＪＰ，Ａ) 特開 昭62−192460（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−69488（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−47065（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−166488（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−226554（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−215589（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−306285（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−168461（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−127449（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−254743（ＪＰ，Ａ) 特表 平４−503081（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) C08L 1/00 - 101/14 C08K 3/00 - 13/08 B41M 5/24

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】レーザー光線を用いて記載及び／又は標識
    付けすることができる高分子物質からなる成形材料にお
    いて、可視スペクットル領域外の波長のレーザー光線の
    作用下で、レーザー光線の吸収に基づき、可視スペクト
    ル領域で多大な色コントラストを有する標識を生じさせ
    る、波長400nm〜750nmの可視スペクトル領域で無色又は
    弱い特有色を有する添加剤として水酸化銅−リン酸塩又
    は酸化モリブデン（IV）0.02〜５質量％を含有すること
    を特徴とする、レーザー光線を用いて記載又は標識付け
    することができる高分子物質からなる成形材料。
  2. 【請求項２】請求項１に記載の成形材料からなる、半製
    品及び完成部材。
  3. 【請求項３】波長400nm〜750nmの可視スペクトル領域で
    無色又は弱い特有色を有する添加剤として水酸化銅−リ
    ン酸塩又は酸化モリブデン（IV）0.02〜５質量％を含有
    する高分子物質からなる成形材料、半製品及び完成部材
    にレーザー光線を用いて記載又は標識付けする方法にお
    いて、可視スペクトル領域外の波長のレーザー光線の作
    用下で、添加物質によるそのレーザー光線の吸収に基づ
    き、可視スペクトル領域で少なくとも3:1のコントラス
    ト比である多大な色コントラストを有する標識を得るこ
    とを特徴とする、前記レーザー光線を用いて記載又は標
    識付けする方法。
  4. 【請求項４】添加剤が900nmを上回る赤外領域からのレ
    ーザー光線を吸収する、請求項３に記載の方法。
  5. 【請求項５】添加剤が400nm未満の紫外線領域からのレ
    ーザー光線を吸収する、請求項３に記載の方法。
  6. 【請求項６】添加剤が波長1064nmのNd−YAG−レーザー
    からのレーザー光線を吸収する、請求項４に記載の方
    法。
  7. 【請求項７】添加剤が波長308nm又は351nmのエキシマー
    レーザーからのレーザー光線を吸収する、請求項５に記
    載の方法。
JP2135536A 1989-05-27 1990-05-28 レザー光線で標識付け及び／又は記載可能な高分子物質からなる成形材料、半製品及び完成部材 Expired - Lifetime JP2947878B2 (ja)

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