JP2947641B2 - レーザ発振器の出力モニター方法および装置 - Google Patents

レーザ発振器の出力モニター方法および装置

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JP2947641B2 JP15766891A JP15766891A JP2947641B2 JP 2947641 B2 JP2947641 B2 JP 2947641B2 JP 15766891 A JP15766891 A JP 15766891A JP 15766891 A JP15766891 A JP 15766891A JP 2947641 B2 JP2947641 B2 JP 2947641B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ発振器の出力モニ
ター方法および装置に係り、詳しくは、出力鏡や全反射
鏡の光軸調整時に、モニター光を使用することなくレー
ザ出力を計測して、各鏡のアライメント調整を精度よく
行うことができるようにしたレーザ発振器の出力モニタ
ー方法ならびにそれを実現する装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】レーザ光線によりワークの切断や溶接な
どの加工を行う場合、レーザ発振器が使用される。図4
は、レーザ発振器1の一例であり、一般に放電管2の前
側に40%ないし60%程度のレーザ光を反射する出力
鏡3を、後部に約1%程度のレーザ光が透過する全反射
鏡4を備えている。そして、両鏡を平行状態に対向して
配置させた状態でレーザ発振を起させ、レーザ出力を取
り出すことができるようになっている。なお、出力鏡3
の反射率は、レーザ発振器の出力レベルや発振効率によ
って最適なものが選定される。上記した全反射鏡4に
は、僅かなレーザ光を透過させるようにしたコーティン
グが施されており、出力モニター用のレーザ光41を取
り出すことができる。そのために、レーザ発振器1の後
部外側には、そのモニター光41を受光するモニター出
力検出器42が設けられる。例えばレーザ出力が1KW
の場合、出力鏡3の反射率が50%であれば、発振器本
体のレーザ出力は2KWであり、モニター出力は20W
となる。モニター出力検出器42は、その僅かなモニタ
ー出力を電気信号に変換し、出力計43に表示された検
出値から監視員はレーザ出力値を知ることができるよう
になっている。このようなモニター光41からレーザ出
力を間接的に検出する方法によれば、レーザ加工中でも
レーザ出力を検出することができる利点がある。加え
て、そのモニター光41は非常に弱い出力であることか
ら、熱容量の小さい検出器を使用することができ、その
ために応答速度も高くなって、レーザ出力の高速制御に
は非常に有利となる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の方法
においては、実際のレーザ出力が変動した場合、検出さ
れたモニター出力の変動と一致しない難点がある。すな
わち、前部にレーザ出力検出器44を設置し、これに接
続した出力計45により実際のレーザ出力を確認したと
ころ、実際のレベル出力に比べ、出力計43で表示され
るモニター出力の変動幅が大きく、また、変動周期も変
則的となりやすい。各出力の時間的変化をそれぞれの出
力計43,45で見ると、例えば図5に示すように、モ
ニター出力Mが実際のレーザ出力Nよりも大きく変則的
に変動する。なお、図中のモニター出力Mは、理解を容
易にするためレーザ出力Nと同程度のレベルとなるよう
に電気的に増幅したものを示している。ところで、レー
ザ発振器からのレーザ出力を最大にして効率よく稼働さ
せるためには、放電管2を挟んで対向する出力鏡3と全
反射鏡4との光軸調整、すなわち、アライメントを正確
に行っておく必要がある。例えば、出力鏡3と全反射鏡
4をレーザ発振器1に取り付けるときあるいはメンテナ
ンスにおいてつけ替えるときに、誇張して示した図6の
(a)のように、各鏡3,4の姿勢が傾斜する場合が多
々ある。この場合、出力鏡3と全反射鏡4とをそれぞれ
矢印の方向へ回転させて、図6の(b)のような平行し
た状態に設定するが、過大に回転させると図6の(c)
のような状態になる。このような図6の(a)から
(b)、さらには(c)の状態にあるときのレーザ出力
は、図7のように変化する。図7中の(a)と(b)の
状態でのレーザ出力差をΔPとすると、レーザ出力の時
間的変動がこのΔPを越えた場合、レーザ出力だけを見
ていると、出力鏡3と全反射鏡4の関係が図6の(a)
の状態にあるのか図6の(b)の状態なのか区別がつか
ない。したがって、出力変動の大きいモニター出力を監
視しながらでは、アライメント精度がより一層低下する
ことになる。ちなみに、レーザ発振器を作動させると、
各鏡3,4の温度が上昇して局部的に変形したり歪んだ
りするのは避けられない。これを防止する必要があり、
そのために、図示しないが、各鏡3,4には冷却機構が
付設されている。
【0004】しかし、上記したようにモニター出力がレ
ーザ出力と相違するのは、鏡3,4の温度変化による熱
変形の違いが依然として生じているからである。すなわ
ち、各鏡3,4に供給される冷却水などの冷媒は、別途
設けられた温度調整器などで所定温度に調整されるが、
制御上ある程度の温度誤差が許容されている。例えば制
御目標温度が15℃である場合に、±1℃の誤差がある
と、出力鏡3に供給される冷却水温度と全反射鏡4に供
給される冷却水温度とが異なっている場合がある。その
ようなとき、レーザ出力自体が変動するだけでなく、モ
ニター出力もレーザ出力に比例しない状態で変化して取
り出されることになるからである。そこで、レーザ発振
器の出力鏡と全反射鏡の光軸調整を行う場合には、モニ
ター光を使用することなく、レーザ出力を直接にモニタ
ーして、これが最大となるようにアライメントを行えば
よい。しかし、そのアライメント作業において、レーザ
出力が最大となる各鏡の姿勢を把握することは容易でな
く、正確な鏡調整が必要な場合は、図8に示すように、
レーザ発振器1の外部に別途受光器46やレーザパワー
メータ47を配置し、レーザ光を遮断して安全を図るた
め出力側に設置のシャッター48を破線の状態から実線
のように退避させておき、実際のレーザ出力をモニター
しながら調整することになる。しかし、レーザ加工シス
テムには、レーザ発振器を加工機の本体内に組み込んだ
もの、高所に設置されたもの、ワーク上を移動するもの
などがあり、ユーザによりその使用形態が様々である。
したがって、出力測定器としての受光器やレーザパワー
メータの設置のために、スペースを確保することが容易
でないことが多い。また、受光器を設置できる場合で
も、その設置位置を正確に調整する必要があり、検出の
ための準備に手間を要する。それのみならず、レーザ発
振器の外部へレーザ光を取り出すためには、ビームガイ
ドなどを取り外さなければならない場合もあり、種々の
改善が望まれる。
【0005】本発明は、微量のモニター出力と実際のレ
ーザ出力との変動値や変動周期などが異なるため、微量
のモニター光をもとにしては正確なアライメントを行う
ことが難しいという背景からなされたものである。その
目的は、レーザ発振器の外部へレーザ光を取り出す必要
がなく、それによって、レーザ発振器の前面にレーザパ
ワーメータなどを敢えて配置するスペースを確保しなく
ても、出力鏡に最も近い位置で実際のレーザ出力を測定
でき、アライメントの調整作業も安全かつ精度よく行う
ことができるようにすること、そのレーザ出力の検出に
おいては、レーザ発振器に従前から設けられているシャ
ッターやそのための冷却系統を利用し、装着部品の著し
い増加を招くことなくレーザ発振器の小型化を維持して
レーザ加工システムなどへの搭載性を損なわないように
すること、また、レーザ出力を検出するための装置を必
要に応じて取り付けまた取り外すことができる構成とし
て、いずれのレーザ発振器にも適用させることができ、
検出装置自体のコンパクト化ならびに取付の簡便化が図
られることを実現したレーザ発振器の出力モニター方法
および装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、レーザ発振中
のレーザ出力をモニターしながら、発振器の光軸調整を
するためのレーザ発振器用出力モニター方法に適用され
る。その特徴とするところは、図1を参照して、レーザ
発振器1内の出力側に設置されたビームダンパー5によ
りレーザ光を直接または間接的に受光し、そのビームダ
ンパー5の吸熱量をもとにレーザ出力を計測するように
したことである。装置の発明においては、発振器本体1
Aから出力されたレーザ光を直接または間接的に受光す
るためのビームダンパー5が、レーザ発振器1内の出力
側に進退可能に設置される。そのビームダンパー5を冷
却する冷媒を給排するために冷媒供給系9がレーザ発振
器1に導入されている。その冷媒供給系9の供給路9A
の一部と排出路9Bの一部を迂回して冷媒を取り出すた
めの給排路切換手段11が設けられる。そして、供給路
9Aから迂回されたバイパス往路14Aを流通する冷媒
の保有エネルギーと排出路9Bから迂回されたバイパス
復路14Bを流通する冷媒の保有エネルギーとの差を検
出して、レーザ出力を計測するようにした出力計測手段
16が、給排路切換手段11に接続されている。なお、
ビームダンパー5に向かうバイパス往路14Aに、冷媒
流量を一定に調整する流量制御体17を設けておくとよ
い。さらには、上記した出力計測手段16を、前記給排
路切換手段11に着脱自在に接続できるようにしておく
とよい。
【0007】
【発明の効果】本発明によれば、レーザ発振器内のビー
ムダンパーで吸収した熱からレーザ出力を計測するよう
にしたので、出力鏡の最も近接した位置でレーザ出力を
正確に計測でき、それによって、レーザ発振器の光軸調
整を高い精度で行うことができる。そして、レーザ出力
を外部に取り出すことがなく、アライメントにおける作
業上の安全性も高く確保される。装置の発明において
は、レーザ発振器内に従前から設置されているシャッタ
ーをビームダンパーとして流用することができ、レーザ
発振器への装着部品の増加を抑制し、レーザ発振器の小
型化を維持して加工システムなどへの搭載性が低下する
こともない。また、出力計測手段もコンパクト化が図ら
れる。その際に、レーザ発振器の前方に設置しなければ
ならない装置や機器は必要でなく、スペースに余裕のな
い場所においても、レーザ出力をモニターしてアライメ
ント作業を簡便に行うことができる。上記の出力計測手
段に流量制御体が設けられていれば、ビームダンパーを
流通する冷媒流量が一定化され、レーザ出力の計測精度
をより一層高く維持させることができる。その出力計測
手段を給排路切換手段に着脱自在な構造としておけば、
出力計測手段のレーザ発振器への取付および取外作業も
簡便であり、他のレーザ発振器に適用することも容易と
なる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明をその実施例の図面を参照し
ながら詳細に説明する。図1は、レーザ発振中のレーザ
出力をモニターしながらアライメント調整することがで
きるようになっているレーザ発振器用出力モニター装置
を含む炭酸ガスレーザ発振器1の全体構成を示す概略図
である。そのレーザ発振器1には、炭酸ガスが封入され
た放電管2の出力側に例えば50%程度のレーザ光を反
射する出力鏡3が設けられ、後端部のモニター側には、
1%程度のレーザ光が透過する全反射鏡4が備えられて
いる。その出力鏡3と全反射鏡4とは平行となるよう対
向して配置され、放電管2からのレーザ光を両鏡3,4
で反射させてレーザを発振させるようになっている。
【0009】このようなレーザ発振器1には、発振され
たレーザを遮断して、切断や溶接などの加工作業を中断
しているときの安全を図るシャッター5が設けられてい
る。このシャッター5はビームダンパーとしても機能
し、発振器本体1Aに枢支されたブラケット6を介し
て、出力側の前面から二点鎖線もしくは実線の状態とな
るよう進退可能に装着されている。このシャッター5
は、非加工時にレーザを受光して、それが有するエネル
ギーを吸収し除去することができるようにコーン7を形
成しており、水冷または油冷されている。すなわち、そ
のエネルギーを吸収するための冷媒が給排されるよう
に、コーン7の背後はジャケット8で覆われ、供給路9
Aと排出路9Bとからなる冷媒供給系9に接続されてい
る。なお、この冷媒供給系9には冷媒ポンプ10Aや放
熱機能を有する温度調節装置10Bが介在されている。
このような冷媒供給系9に接続されたレーザ発振器1に
は、その供給路9Aの一部や排出路9Bの一部を迂回し
て冷媒を取り出すと共に、その供給路9Aの一部と排出
路9Bの一部に冷媒が流通するのを阻止することができ
る給排路切換手段11が設けられる。これは、上流側切
換器11Aと下流側切換器11Bとからなっており、そ
れぞれには二つの三方口切換弁12が含まれている。そ
れぞれの三方口切換弁12には、次に述べる出力計測手
段16のバイパス管14を接続したり取り外したりする
ためのコネクター13が取り付けられている。そのバイ
パス管14はバイパス往路14Aとバイパス復路14B
とを備え、上流側切換器11Aと下流側切換器11Bに
バイパス往路14Aとバイパス復路14Bとを接続すれ
ば、冷媒を流通させることができる。そして、そのバイ
パス往路14Aとバイパス復路14Bには、それぞれを
流通する冷媒の温度を検出する温度測定部15が設置さ
れている。
【0010】その温度測定部15や後述する出力演算部
19などを備えた出力計測手段16は、冷媒の流量が一
定ならば冷媒の温度差がレーザ出力に比例することを利
用して、ビームダンパー5で吸収したレーザ出力を計測
することができるようになっている。すなわち、供給路
9Aから迂回されたバイパス往路14Aを流通する冷媒
の保有エネルギーと排出路9Bから迂回されたバイパス
復路14Bを流通する冷媒の保有エネルギーとの差を検
出もしくは演算して、レーザ出力を間接的に計測するこ
とができる。本例においては、温度測定部15は二つの
温度センサー15A,15Bを有しており、それによっ
て検出されたバイパス往路14Aにおける冷媒温度信号
と、バイパス復路14Bにおける冷媒温度信号とが、出
力演算部19に入力される。そして、そこで得られた温
度差をもとに、ビームダンパー5での吸熱量が演算さ
れ、その結果がCRT20などに表示される。
【0011】なお、温度測定部15に向かうバイパス往
路14Aには、冷媒流量を一定に調整する流量制御体1
7が設けられ、また、温度測定部15からビームダンパ
ー5に向かうバイパス往路14Aには、校正用ヒータ1
8が介在されている。その流量制御体17は、バイパス
往路14Aを流通する冷媒流量を調整し、冷媒温度の検
出に必要な所定の流量を規定する流量調整弁である。校
正用ヒータ18は、レーザ発振器1が発振していない状
態で、バイパス往路14Aを流通する冷媒に熱エネルギ
ーを与えるための加熱コイルである。この加熱コイル1
8は、出力計測手段16により得られたレーザ出力値が
実際のレーザ出力に対してどの程度の誤差を伴うかを予
め求めておくために使用される。すなわち、バイパス往
路14Aを流通する冷媒を加熱コイル18により例えば
1KWで加熱した場合に、出力計測手段16で計測され
た値が1KWからどの程度のずれを持っているかを予め
測定しておくことができる。これは、冷媒がビームダン
パー5内を通過する間に放熱して降温することがあった
り、計測装置上不可避な誤差が発生したりすることがあ
るので、それを補正して、演算精度の向上が図られるよ
うに配慮したものである。上記した流量調整弁17や加
熱コイル18は、上記の出力計測手段16などを含むマ
イクロコンピュータ装置もしくは別途設けられた制御装
置からの指令を受けて作動するようにしておけばよい。
なお、流量調整弁17や加熱コイル18は是非必要とい
うものではないが、それらを設置して上記した機能を発
揮させるようにしておけば、計測精度が向上することは
言うまでもない。
【0012】上記したような構成によれば、以下に述べ
るようにして、出力鏡3や全反射鏡4を取り替えた後な
どに、鏡3,4の光軸調整を精度よく行うことができ
る。放電管2の前後に配置される新しい出力鏡3や全反
射鏡4を、図示しない取付部材に装着した後、各鏡3,
4に付設した図示しない冷却機構によって、所定温度に
維持する。これは、レーザ加工をするためにレーザ発振
器1を作動させるときと同様に、光軸調整用の出力計測
のためにレーザ発振器1を作動させる際も、各鏡3,4
が変形したり歪んだりするのを抑制しておくためであ
る。次に、冷媒供給系9に設けた四つのコネクター13
に、出力計測手段16のバイパス管14を接続し、三方
口切換弁12を切り換えて、冷媒ポンプ10Aを駆動し
冷媒を流通させる。この状態で、出力鏡3の前に設置さ
れたビームダンパー5を実線位置へ回動して、その出力
鏡3の前面を遮蔽状態とし、放電管2に所定の電圧を印
加する。加速された電子によって炭酸ガス分子に高いエ
ネルギーが与えられ、炭酸ガス特有の波長の光が誘導放
出される。この誘導放出現象が重なると光は強められ、
また、出力鏡3と全反射鏡4との間で反射を繰り返す間
に増幅され、レーザ光として出力鏡3を透過してビーム
ダンパー5で受光される。そのレーザ出力が安定した時
点で、温度測定部15の温度センサー15A,15Bに
より、バイパス往路14Aを流通する冷媒の温度および
バイパス復路14Bを流通する冷媒の温度を検出する。
検出された温度信号は出力演算部19に入力され、温度
差が演算される。この温度差は必要に応じて補正され、
ビームダンパー5における冷媒の吸熱量として出力され
る。CRT20や図示しないレコーダーなどに表示され
た値を見れば、レーザ発振器1のそのときのレーザ出力
を知ることができる。なお、この温度検出においては、
バイパス管14を流通する冷媒量が予め決められた一定
量でない場合には、流量調整弁17によって流量制御さ
れる。バイパス往路14Aを流通する冷媒量が多ければ
開度が絞られ、冷媒量が少なければ流量調整弁17の開
度が増大される。このようにして冷媒量を一定にして流
せば、冷媒の温度上昇分がレーザ出力に比例するので、
レーザ発振器1から発振されるレーザ出力が定量的に把
握される。上記した計測において、ビームダンパー5に
おけるエネルギー吸収量が所定値に到達していないか最
大値となっていない場合には、出力鏡3や全反射鏡4の
姿勢が調整される。各鏡3,4には図示しない姿勢調整
装置があり、ねじを回すなどして再設定される。そし
て、上記と同様にして温度差を検出し、アライメントが
正確になっているかが再検討される。光軸調整がなされ
た時点で、三方口切換弁12が切り換えられ、好ましく
は、コネクター13の箇所で出力計測手段16がレーザ
発振器1から外され、ビームダンパー5をブラケット6
の枢支点を中心に回動して、二点鎖線の位置へ退避させ
れば、レーザ加工することができる。レーザ加工中に発
振されているレーザ光を一時的に遮断しておきたい場合
には、ビームダンパー5をシャッターとして機能させれ
ばよい。もちろん、光軸調整を行わない場合には、給排
路切換手段11の切り換えにより出力計測手段16の冷
媒の流通を遮断しているため、出力計測手段16をレー
ザ発振器1から取り外すことができる。すなわち、出力
計測手段16をレーザ発振器1に予め組み込んでおいて
もよいが、着脱自在とした方が種々の点で好ましい。
【0013】なお、出力鏡3および全反射鏡4の光軸調
整作業とは別つ目的を達成するために、従来のごとく、
全反射鏡4の後部外側に透過レーザ光41の検出器42
を設けておくことができる。すなわち、全反射鏡4から
透過されるレーザ光41を検出器42によって検出する
ことにより、レーザ加工時のレーザの出力状況を確認す
ることができる。もちろん、そのような出力状況を確認
することができる他の適宜の確認手段を設ける場合に
は、検出器42を割愛すればよい。
【0014】図2は、異なる形状のビームダンパー25
の例であり、傾斜して配置された円筒体26となってい
る。このような円筒体26もジャケット27で外囲さ
れ、そこを流通する冷媒の吸熱量によりレーザ出力を計
測することができる。また、図3のビームダンパー35
は、コーン36をレーザ発振器内の側部位に固定し、図
示しない出力鏡の前面に反射鏡37を回動可能に設置し
たものである。いずれの例においても、直接もしくは間
接的にレーザを多重反射により受光して吸収し、非加工
時のアライメント調整のためのレーザ出力を計測でき
る。そして、レーザ加工時には、円筒体26を線矢印の
ように回動させるか白矢印のように平行移動させ、ま
た、反射鏡37を回動して退避させればよい。一方、レ
ーザ発振中に加工作業を中断するときには、図示の位置
でシャッターとして機能させることができる。その際、
各ジャケット27,38内を流通する冷媒で、レーザエ
ネルギーが吸収される。
【0015】前述した説明においては、温度測定部15
において、温度センサーを用いているが、それに代えて
サーミスターや白金抵抗体を採用することができ、出力
演算部19においてブリッジ回路を組んでおけばよい。
また、熱電対を使用し、バイパス往路14Aとバイパス
復路14Bにおける温度差を直接電圧に変換して、それ
をもとにビームダンパー5における吸熱量を計測するこ
ともできる。さらに、バイパス往路14Aとバイパス復
路14Bのそれぞれに公知のカロリーメータを設置し、
レーザ出力を計測するようにしてもよい。このように、
出力計測手段16においては、公知の技術を応用して種
々の検出,演算,計測形態を採用することができる。ち
なみに、上記した例においては炭酸ガスレーザ発振器を
とりあげているが、ビームダンパーにおいて吸収される
熱エネルギーをもとにレーザ出力を計測することができ
る場合には、炭酸ガスレーザ発振器に限らず、他の気体
レーザまたは固体レーザなどの発振器にも、本発明を適
用することができる。
【0016】以上の説明から判るように、ビームダンパ
ーで受光されたレーザ出力が、ビームダンパーを流通す
る冷媒の吸熱エネルギーに変換され、その冷媒の上昇し
た温度などから増加したエネルギー量を演算して、レー
ザ出力を計測することができる。その計測のためのレー
ザの集光はレーザ発振器の内部であり、かつ、出力鏡の
極く近くでなされ、可及的に正確なレーザ出力が計測さ
れる。したがって、それをもとにして出力鏡や全反射鏡
の光軸調整を迅速かつ精度よく行うことができる。この
場合、従来技術のところで述べたようなモニター光を介
して間接的にレーザ出力を計測する場合に生じる大きな
出力変動は回避される。また、レーザ発振器の外部前方
に設置位置の高い精度が要求される計測機器類を配置す
る必要がなく、出力計測手段を簡単にレーザ発振器に取
り付けることができ、スペース上の制約がある場合でも
使用することができる。加えて、レーザ光が外部に出る
ことがなく、アライメント作業における作業員の安全も
確保される。一方、レーザ発振器においては、従前より
しばしば装着されているシャッターをビームダンパーと
して機能させることができ、レーザ出力の計測のための
内部構造の変更も多くは必要とされず、その結果、レー
ザ発振器の小型化が図られ、また、既存のレーザ発振器
を改造することも容易となる。出力計測手段は着脱容易
なユニット構成としておくこともでき、レーザ発振器に
簡単に接続したり、他のレーザ発振器にも随時適用する
ことが可能となり、汎用性の極めて高い装置とすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るレーザ発振器の出力モニター方
法および装置が適用されたレーザ発振器の一例の全体概
略図。
【図2】 異なる構成のビームダンパーの概略図。
【図3】 反射鏡をシャッターとしたビームダンパーの
他例図。
【図4】 従来技術におけるレーザ出力のモニター説明
図。
【図5】 図4におけるレーザ出力とモニター出力との
変動の相違を説明する出力図。
【図6】 出力鏡と全反射鏡の設置状態を示し、(a)
は鏡が傾斜している場合の設置図、(b)は光軸調整が
なされた状態の設定図、(c)は鏡が過大に回転された
ときの設置状態図。
【図7】 光軸調整がなされているときと調整されてい
ないときとのレーザ出力の相違量を説明するグラフ。
【図8】 従来例を示す図であって、レーザ発振器の外
部に受光器などを設置したレーザ出力の計測状態図。
【符号の説明】
1…レーザ発振器、1A…発振器本体、5,25,35
…ビームダンパー、9…冷媒供給系、9A…供給路、9
B…排出路、11…給排路切換手段、14…バイパス
管、14A…バイパス往路、14B…バイパス復路、1
6…出力計測手段、17…流量制御体(流量調整弁)。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ発振中のレーザ出力をモニターし
    ながら、発振器の光軸調整をするためのレーザ発振器用
    出力モニター方法において、レーザ発振器内の出力側に
    設置されたビームダンパーによりレーザ光を直接または
    間接的に受光し、そのビームダンパーの吸熱量をもと
    に、レーザ出力を計測するようにしたことを特徴とする
    レーザ発振器の出力モニター方法。
  2. 【請求項2】 レーザ発振中のレーザ出力をモニターし
    ながら、発振器の光軸調整をすることができるようにな
    っているレーザ発振器用出力モニター装置において、発
    振器本体から出力されたレーザ光を直接または間接的に
    受光するため、レーザ発振器内の出力側に進退可能に設
    置されたビームダンパーと、そのビームダンパーを冷却
    する冷媒を給排するため、前記レーザ発振器に導入され
    た冷媒供給系と、上記冷媒供給系の供給路の一部と排出
    路の一部を迂回して冷媒を取り出すための給排路切換手
    段と、前記供給路から迂回されたバイパス往路を流通す
    る冷媒の保有エネルギーと前記排出路から迂回されたバ
    イパス復路を流通する冷媒の保有エネルギーとの差を検
    出して、レーザ出力を計測するようにした出力計測手段
    とを具備することを特徴とするレーザ発振器の出力モニ
    ター装置。
  3. 【請求項3】 前記ビームダンパーに向かうバイパス往
    路には、冷媒流量を一定に調整する流量制御体が設けら
    れていることを特徴とする請求項2に記載されたレーザ
    発振器の出力モニター装置。
  4. 【請求項4】 前記出力計測手段は、前記給排路切換手
    段に着脱自在に接続されることを特徴とする請求項2ま
    たは請求項3に記載されたレーザ発振器の出力モニター
    装置。
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